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艦娘がいない鎮守府のようです

401 ◆L6OaR8HKlk:2019/02/07(木) 21:41:27 ID:vpwffbZI0
「どうして……」


やっと口を開いたかと思えばこれだ。さっきのやり取りを聞いてなかったらしい
イラついたよ。どうあがいても解けない問題を延々と問われ続けているようでな。腹いせに持ってた拳銃を壁に投げつけても、気は晴れなかった


「いいからとっとと出てけよ……」


ビクリと身体を弾ませた彼女に対して、続けて怒鳴りつけるまでの気力は残ってなかった
六人。六人だ。どうあがいても刑は免れない。遺族に合わす顔も無い。俺の人生は今ここで終わりを告げた


「……逃げましょう」

「ハハ、どこへ?」

「どこでも構いません。このままだと貴方は……」

「頼むから!!」


彼女がどんな面持ちで、どんな想いで俺を連れ出そうとしたかはわからねえ
ただこれ以上、俺は生き恥を晒したくなかった。『駆け落ち』と言やあロマンチックだろうさ。だがそんな逃避行、耐えられるワケがねえ
タバコの先端が、中程までに到達した頃になって彼女はようやく


「ありがとう、ございました……」


青白い顔ぶら下げながらか細く礼を言って、出口へと進み始めた
帰る先など無いのだろう。逃げる当てすらも無いはずだ。彼女は管理者である『提督』に売られたのだから
死体の一人から拳銃とマガジンを抜き、隠し布を払いのけ、最後に


「また、お会いしましょう」


とだけ呟いて、この場を去った。『どこで』かは、聞かなくてもわかる。どうせお互い『長く無い』とでも悟ってたのだろう
とにかく、これで俺のした殺しの最低限の意味は成し得た。無責任とでも取れるだろうが、一介の兵士にはこれが精一杯だった


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