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艦娘がいない鎮守府のようです
3
:
◆HS4z8y6JHc
:2016/04/03(日) 15:34:34 ID:62pQqJ3.0
「……」
文章の最後を締めくくる『。』を付け、エンターキーを叩いて処理を済ませる
テキストファイルをUSBメモリーに保存し、PCの電源を落として抜き取った
「往かれるのですか?」
既に人が出払ったこの場所で、女の子の声が聞こえた
神出鬼没の、私の友人だ。両手に白猫を携え、帽子の初心者マークとおさげが特徴的な少女
「ああ、手筈通りに頼む」
メモリーを彼女に渡し、デスクの横に立てかけていた『矛』を手にする
これを振るうのも、今夜が最後だ。恐らくは、私は海の底に沈む
「……逃げるという選択肢も、あるはずですが」
その言葉を聞いて、軽く笑った。普段は無機質な性格である彼女が、人を案じたのだ
「アンタ、言ったよな?『奴ら』を一匹残らずぶち殺さないと、この戦争は終わらないと……ゴホッ」
咳を手で抑える。青白い蛍光色の『血』が付着しているのを見て、顔を顰めた
私は徐々に『人間』では無くなっている。徐々に、奴らの『眷属』となっている
「なら、俺もその内の一匹だ。バケモノに成り果てる前に、人として死にてえ」
「……あいつらには、嫌な想いをさせちまうがな」
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