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艦娘がいない鎮守府のようです

146 ◆HS4z8y6JHc:2016/04/03(日) 20:39:19 ID:62pQqJ3.0
|::━◎┥「うおおおおおおおおおお!?」


海水の膜を打ち破り、大口上げてイ級が飛び出してくる
野郎、潜行して不意打ちを仕掛けやがったか。駆逐艦が潜ってんじゃねえよクソが

頭上から覆いかぶさるように落ちてくる、巨大な口。大きな歯
俺の上半身を丸ごと食い千切ってしまいそうなそれが、文字通り眼前まで迫る
回避は間に合わない。主砲は装填中。防御?どうやって?


|::━◎┥「ッッツァ!!」


考えるより先に、体が動いた
槍を強く握り、イ級の上顎に突き刺し、柄を下顎に引っ掛けた
所謂、『つっかえ棒』だ。モンスターパニック物ならお馴染みの手法だろう


|::━◎┥「重ッ……!!」


だが、咬みつきは防いでもその重さまでは防げない
圧し掛かってくるイ級の重みに、片足を着いてしまう

思わぬダメージを受けたイ級は、血の混じった唾液を飛ばしながら叫ぶ
騒ぐんじゃねえ耳がうるせーだろうが


|::━◎┥「ボケがアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」


艤装の馬力を最高まで上げる
背中が焼けるように熱くなり、アラートは継続して鳴り響く
構ってられるか。それより先に済ませておくことがあるだろうが


|::━◎┥「装填急げえええええええええええええええええッ!!!!!」


イ級の砲塔は『口の中』だ。俺の目と鼻の先にあるそれが、いつ火を噴いても可笑しくない
やられる前に、殺るしかない。この均衡から逃れる方法も、それしかないのだ


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