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SSスレ「マーサー王物語-拳士たち」第三部

1 ◆V9ncA8v9YI:2021/10/02(土) 17:59:54
SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1430536972/

SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1452342496/

SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部②
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1562172958/

SSログ置き場
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2 ◆V9ncA8v9YI:2021/10/02(土) 18:01:15
【第三部:kobushi-side】

我々の住む地球から時空を超え宇宙を超えたところにある、とある世界。
そこにはモーニング帝国と呼ばれる大国が存在していた。
武道館での戦いから2年近く経過した、ある日。
城の大広間では大規模な催し物が開催されていた。

「新人剣士のお披露目会が開催されるよ!」

モーニング帝国剣士の新人は最終試験として、
500名の一般兵を撃破することが恒例となっている。
エリポン達も、ハルナン達も、オダも、ハーチン達も達成してきたので、
厳しいルールではあるが失敗は決して許されないのだ。

「それでは新たな帝国剣士達!前に!」

帝王フクの号令とともに新メンバー2人が登場する。
今回の新人は長身の凛々しい女性と、小柄な可愛らしい少女の2名だ。
王の呼びかけに応えることでお披露目は始まるのだ。

「カエディー・カガ!」
「はい!」
「ヨコヤン・ミンミン・ワンワン!」
「はい!」
「今こそ力を合わせて、帝国剣士としての威厳を示すのだ!!」

2対500。普通に考えれば勝負になるはずもない。
だが、彼女たちは選ばれた剣士なのだ。
特にカエディー・カガの評判は知れ渡っているようで、
ただ準備体操をしているだけだというのに、屈強な男たちが冷や汗をかいている。
何を隠そう、カエディーは研修生時代から現・帝国剣士のマリアと肩を並べるほど強かったのだ。
そんな強者とやり合うのだから緊張しないはずもなかった。

「ねぇねぇカエデー頑張ろうね」
「……私の名前はそんな発音じゃないんだけど。ていうか、最近急に馴れ馴れしくなったね。」
「えへへ、もう同期だもーん」

新人剣士のカエディーとヨコヤンはつい最近までは先輩と後輩の関係だった。
大先輩のカエディーを前にビクビクしていていたのだが、
正式に昇格した日が同じなので、その瞬間に同格となったのである。

「兵隊さんは500人……やっぱりカエデーと私が250人ずつ倒す感じで行く?」
「いや、ヨコヤンはゆっくりしてなよ。」
「えっ?」
「私1人で500人倒す。それで終わり。」

3名無し募集中。。。:2021/10/02(土) 23:39:26
13期出てきた!
こぶしは?

4名無し募集中。。。:2021/10/03(日) 23:03:52
わくわく

5 ◆V9ncA8v9YI:2021/10/03(日) 23:10:37

凛と構えるカエディー、その手には剣が一本も握られていなかった。
それでは彼女は剣士ではないのか?
いいや、モーニング帝国剣士になるのだから当然"剣士"に決まっている。

「なぁマリア!カエディーは武器を持っとらんやないか!うっかりさんなんか?」
「ううん、ハーチン見てて。カエディーの武器はたくさんあるよ!」

マリアがそう叫んだ丁度その時、カエディーは迫ってきていた兵士の腹に掌底をぶつけていた。
正統派の武道だけでなく、ダンス技術も鍛錬に取り入れているカエディーは身のこなしも軽やかだ。
最小限の動きで懐に入り込み、強力な打撃を喰らわせる。
そして、彼女が剣士と呼ばれる所以はここからにある。

「貴方の刀、いただきます!」

強打を受けた兵はたまらず、手に持っていた模擬刀を落としてしまった。
そして、カエディーがそれを素早い動きで掴み取ったかと思えば、
その剣が折れんばかりの勢いで、他の兵士を斬りつけたのだった。
カエディーの剣道の腕前は一級品。
そんな達人が少しもセーブせず本気で振るったのだから、兵は一瞬で気を失うし、模擬刀も真っ二つに折れてしまう。
だが、剣が折れてもカエディーは全く気にしていなかった。
倒した兵の剣をまた使用すれば良い。そう考えてるからこそカエディーは全ての攻撃をフルパワーで行うことが出来るのである。
これが彼女の無刀術、その名も「正眼」。
最終的にカエディーは450本以上の模擬刀を奪っては折りながら、500人の敵兵を全て沈めてしまった。

「ふぅ、こんなもんかな。」
「カエデー……お疲れ様。」
「宣言通り1人で500人倒したよ。これで私たちは帝国剣士として認められるね!」
「う、うん……」

満足げなカエディーと、微妙な表情をするヨコヤンのところに先輩剣士たちが駆けつけてきた。
圧倒的な力を見せつけた新人を大歓迎しようとしているのだ。
特に、かつての同士だったマリアが大喜びで話しかけてくる。

「やったねカエディー!これからは肩を並べて戦おうねっ!」
「……お言葉ですがマリアさん、それは出来ません。」
「えっ」

ここでマリアは大きな違和感を覚えた。
研修生の時から仲が良く、互いにタメ口で話し合っていた間柄だったはずなのに、
突然敬語を使われたものだからひどく戸惑っている。

「私カエディーとヨコヤンは新人です。先輩の皆さんと肩を並べるなんておこがましいです。」
「えっ、えっ……」
「カエディーさん!マリアちゃんはきっと前みたいに話したいんじゃないですか?」

不安そうなマリアの顔を見たアカネチンが慌ててフォローに入った。
先輩後輩の関係も大事かもしれないが、マリアは対等な関係を望んでいる。そう感じ取ったのだ。
だが、カエディーは首を縦には振らなかった。
それどころか、かつては後輩だったはずのアカネチンに対して、片膝をついた。

「アカネチンさん、これからは私が後輩なんです。敬語なんて二度と止めてください。」
「あっ……」

アカネチンは絶句してしまった。
マリアも混乱のあまり涙を流している。
そして、晴れの日に何もできなかった同期ヨコヤンは未だに暗い顔をしていた。

「ねぇハルナン、今回の新人ってなかなかの問題児やない?」
「エリポンさんもそう思います?……」

6 ◆V9ncA8v9YI:2021/10/03(日) 23:12:22
第三部は拳士(こぶし)メインの話になりますが、序盤はまだ出ませんねw
過去のエピソードを前スレの終盤に書きましたので、まだ見ていなければご覧になってください。

7 ◆V9ncA8v9YI:2021/10/03(日) 23:14:45
あ、コピペミスで一部抜けちゃいました。
無くても話は通じますが、>>5の前に以下を書くつもりでした。



新人剣士のお披露目会を先輩たちも楽しみにしていた。
特に、モーニング帝国の元・研修生のマリアとアカネチンはおおはしゃぎだ。

「皆さん!カエディーはとってもとっても強いから期待してください!」
「カエディーさんには色んなことを教わりました!
 もっと早く昇格してもおかしくないと思ってたんですよ。」

カエディーはマリアと並ぶ強さを誇るだけに留まらず、後輩指導の面でも優れていた。
研修生としての歴は結構長く、後から入ってきたアカネチンに手取り足取り教えた過去もある。

「Wao!カエディーはそんなに凄い戦士なんだね。じゃあヨコヤンは?」
「う〜ん、その子はよく知らない……」
「私も……でも、今からお披露目なんだからどんなスタイルかは分かるよね!」

そう思っていたのだが、広場の中心にはカエディー1名しかいなかった。
その疑問が解消される暇もなくお披露目会が開始される。

「カエディー・カガ、参ります!」

8名無し募集中。。。:2021/10/04(月) 17:18:31
ややこしいやつだ(笑)

9名無し募集中。。。:2021/10/04(月) 17:20:51
そういえばもうひとつのファクトリーはどうなったんだろう?


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