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お芋さんから始まる小説スレ

35第30話 逃げ出してきた娘。 (前編):2016/01/06(水) 21:36:20
りほりほがだーいしとどぅーを両脇に従え腕を組み2人が逃げない様にしながら歩く

石田「おい!恥ずかしいから腕離してくれよ!
こんなのみっともねぇよ!!」
鞘師「離したらチャンス見付けて逃げるつもりじゃろ?
わしゃ喧嘩には自信あるけんど脚には自信が無いけんのぅw
それにみっともない言うたら少女売春の斡旋の方がみっともないじゃろ!」
石田「…」

3人は近場の喫茶店にはいると一番奥のテーブル席に座った

鞘師「なんでも好きな物頼みんさい!
わしが奢っちゃるけん遠慮せんでええんよ♪」

それぞれが好きな物を注文すると本題に入った

鞘師「なぁどぅー!なんで居なくなったんじゃ…
練習キツすぎたんか?」
工藤「そんな事無いです…」
鞘師「じゃあなんでじゃ?
なんでヤクザの片棒担ぐ様な真似しとるんじゃ?
親御さん悲しんどるじゃろ!」
工藤「蒸発しました…」
鞘師「えっ…」
工藤「生活苦しくなったからわたしだけ置いて逃げました!」
鞘師「酷い親じゃのぅ…
じゃけんいつも『なんか困った事があったら言いんさい!』ってフクちゃんも言っとったじゃろ!」

思わず興奮したどぅーが立ち上がりテーブルをドンっと叩いて言う

工藤「うちの親だって逃げたくて逃げたんじゃないんです!
そんな簡単に悪く言わないで下さい!!」
鞘師「す、すまん…」
工藤「そういう所ですよ…あんたらが一般庶民の辛さや苦しさを理解出来ずに正論言う所が嫌だったんですよ!!」

ウェイターが3人の注文した物を持って来たが思わず固まっている

鞘師「本当にすまんかった!
とりあえず一旦座って頼んだ物食おう!
なっ…」

どぅーが座ると3人は自分が注文した物を食べ始めた
食事を終えると鞘師は再び話を始めた

鞘師「どぅー!あんた戻ってくる気無いんか?

工藤「でも…」
鞘師「戻ってくるかどうかは別にしてもとにかく今の生活から足洗いんさい!
借金でもあるならちゃんと肩代わりしちゃるけん!
なんにしても今のままじゃいけんよ!」
工藤「そこまでしてもらっちゃ…」
鞘師「ええんよ!わしもフクちゃんも歌じゃダンスじゃ関係なくどぅーの事好きじゃけんそうさしちくれ!
わしらあんたの状況ちゃんと理解せんと無神経な事言うて傷付けたかもしれんけん頼むからそうさしちくれ!
きっとフクちゃんもそう思っちょるけん…」

36第31話 逃げ出してきた娘。 (中編):2016/01/07(木) 20:46:03
りほりほの問いに食後のコーヒーをかき混ぜながら少し考え込むどぅー
やがてコーヒーを一口啜ると意を決した様に口を開いた

工藤「じゃああゆみんも仲間に入れてくれませんか?」
鞘師「えっ…」
石田「ちょ、ちょっとどぅーあんた…」
工藤「あゆみんも一緒にやっていいなら戻ります!」鞘師「どういう事じゃろか?」

ちょっと言ってる事がよく解らんと言わんばかりの表情でどぅーに説明を促すりほりほ

工藤「あゆみん今はこんなしょうもない事してますけどダンス凄く上手いんです♪
もしかしたら鞘師さんより上手いかもしれませんよw」

ちょっとイラッとした表情になるも説明を続けろと促すりほりほ

工藤「あゆみんはご両親が満州開拓団にいて満州に居たんです!
そこで…」
石田「おいどぅー!人の身の上話勝手に語り始めるじゃねえよ!!」

怒っただーいしがどぅーに掴み掛かるもりほりほに手首捻られテーブルに頭を押さえ付けられる

鞘師「いけんよお店で暴れたら迷惑じゃろ!
どぅーがあんたの話するのが気に入らんちゅうならあんたが直接わしに聞かせてくれんかね?」
石田「嫌なこった!」
鞘師「わし話聞かせてもらえんとあんたの頭に熱々のコーヒー溢してしまうかもしれん…」

りほりほはテーブルに押さえ付けただーいしの頭に目掛けコーヒーカップを傾け熱々のコーヒーを溢そうとする

石田「解った!解った!!話すから止めてくれ!!」

りほりほはだーいしを解放すると話をする様に促す

石田「どぅーが言った様にわたしは満州に居た!
そこでダンスを習った!
戦争が終わってちょっとしてから日本に戻ってきた!そんで今こうしてる!!それだけだよ…」
工藤「それだけじゃないでしょ…」

口を挟もうとするどぅーを制してりほりほが質問をする

鞘師「あんたご両親はどうしとるの?」
石田「満州に居た時殺された…」
鞘師「そうか…ほいじゃああんたどうやって戻ってこれたの?」
石田「そこまであんたに説明するつもりはない!!」
鞘師「アンタハダンスダレニナラッタノ?(中国語)」
石田「マンシュウノダンスホールノダンサーダ!(中国語)」
鞘師「マンシュウニイタノハウソジャナイミタイダナ…(中国語)」
石田「アタリマエダ!(中国語)」

怪訝そうな表情で2人を見詰めるどぅー
それに答える様に鞘師が日本語に戻り喋り出す

鞘師「わしは広島居た時親が中国人のコック雇っておってその人に中国語やら功夫やら習っちょった♪」

37第32話 逃げ出してきた娘。:2016/01/17(日) 15:32:43
工藤「どうですか鞘師さん!あゆみんも仲間にしてくれませんか?」
鞘師「いやフクちゃんの意見も聞きたいし、いくらどぅーのお勧め言うても先ず実際にダンスを見てみんとなんとも…」
石田「ちょっと待てよ!本人の意志シカトして話進めようとすんなよ!」
鞘師「おどれの意見なんぞ求めちょらん!!」

りほりほの一喝に不機嫌そうに沈黙するだーいし…
椅子に深く座り考え込むりほりほ

鞘師「フクちゃん家に行くか…そこでわしがだーいしのダンス見てからフクちゃんと相談する!それでええじゃろ?」
工藤「ええ解りました♪」
鞘師「ところでわしらがだーいしのダンスを見て仲間に入れられんとわしらが言うたらどぅーはどうするつもりじゃ?」
工藤「その心配はしてません!あゆみんのダンスを見て頂いたら鞘師さんも譜久村さんも気に入ってもらえると確信してます!」
鞘師「ほう〜えらい自信じゃのぅ〜
そいつはだーいしのダンスを見るのが楽しみじゃな♪」

勝手に話を進める2人が気に入らないのかぶつぶつと愚痴っているだーいし
そんなだーいしにりほりほが話し掛ける

鞘師「まぁそう機嫌悪くすんなや♪
こりゃあんたにとっても悪い話じゃないけん!
あんたじゃって好きで人拐いみたいな真似しとるんじゃなかろ?」
石田「人拐いだなんて…仕事紹介してるだけだ!」
鞘師「ほいでも好き好んでヤクザ者の使いっぱしりしとる訳じゃなかろ?」
石田「そりゃ…」
鞘師「なら着いてきんさい!
もし仲間に入れると決めたら…いやそうならなくてもヤクザ者と縁切れる様にしちゃるから!」
石田「でも一度絡んだヤクザとの縁を切るのは口で言う程簡単な事じゃないぜ…」
鞘師「そんなん解っちょる!
安心しんさい!必ず縁切らしちゃるけん!!」
石田「でも本当にあんたらの仲間と認めてもらえなくてもヤクザと縁切らしてくれるのか?」
工藤「あゆみん大丈夫だよ♪あんたのダンスは絶対気に入られる!わたしが保証する!」
石田「でも仲間にしないならメリット無いのに縁切らしてくれるのか?」
鞘師「市民団体じゃあるまいし『デモデモ』うるさいのぅ…

こんだけ推すんじゃからあんたどぅーのよっぽどお気に入りダチなんじゃろ!
それならわしのダチも同然じゃ!
ダチが困っとりゃ助けるのは当然じゃ!!
まだなんか言いたい事あるんか?」
石田「いや別に…」
鞘師「ほんじゃあ行くかいのぅ♪」


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