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復刻版・もぎたて桃子のキャンパスライフ

2031:2015/08/26(水) 15:09:27

「それじゃ…」と言いながら、その子(桃子似)がスカートの中に手をやって、
自分のストッキングを脱ごうとしたので、
「いや! それは脱がないで!」と、オレは慌てて制した。

「えっ…!? 脱がないでって…、ストッキング履いたままで…、するってこと?」
「そうだよ」
「えーっ! そんなの汚いじゃん…。ストッキングって汚れてるよ。
それにちょっと…、蒸れてるし…」
そういいながら、その子(桃子似)はますます顔を赤くした。

『桃子(仮名)の蒸れ蒸れストッキング…』
そう考えただけで、オレの一物はピクンと反応した。
それを見て、「うわっ! ピクピク動いてる…!」と、
その子(桃子似)は上気した顔で叫んだ。

「いいから頼む! そのままで頼む!」
オレが重ねて懇願すると、
「センパイって…、変態…?」と、その子(桃子似)が呆れ顔で言った。

204名無し募集中。。。:2015/08/26(水) 15:09:52
きてたーーーー
高まってきた

2051:2015/08/26(水) 15:14:23

「それじゃ…、いくよ…」
そういいながら、白いストッキングに包まれたその子(桃子似)の二つの足が、
オレの一物の方にゆっくりと伸びてきた。

ざらっとしたストッキングの感触が、オレの先端に触れた瞬間、
オレは「ひいっ!」と、情けない声を上げてしまった。

「何それー(笑)? そんなに感じるの?」
呆れたように、その子(桃子似)が聞いてきた。

「いいから、続けて!」
オレが頼むと、その子(桃子似)は両足でオレの一物を包み込んで、
ゆっくりと前後にしごきはじめてきた。

ストッキングのザラザラとした感触と、妙に生暖かく湿った感触…。
それにミニスカートの間からチラチラと覗く、桃子(仮名)のピンク色のパンツ…。
パンツのまん中には、ストッキングの白い線と、生理用品の羽まで見えて…。

2061:2015/08/26(水) 15:14:53
あっという間にイキそうなほど、オレは高まってきた。
「もぉ(仮名)…、自分でTシャツめくってオッパイ見せてくれ…」
「えーっ! 自分でなんて…、恥ずかしい…」
「頼む!頼むって! この通り!」

その子(桃子似)の白い指が、おずおずとTシャツをめくりあげて、
パンツとおそろいのピンクのプラが露になった。
ブラに手をかけたところで、その子の手の動きがとまった。

「どうしたの?」
「やっぱり恥ずかしいよ…」
「頼むって…」
「えーっ…?」

2071:2015/08/26(水) 15:15:32
感心なことに、問答の間もその子(桃子似)の足は小刻みに動き続けて、
オレを刺激し続けていた。オレの興奮は頂点に近づいていた。

「もうガマンできん」
オレは腰を浮かしぎみに、無理矢理手を伸ばすと、
その子(桃子似)のブラを強引にむしりとった。

「あっ… イヤっ!」
顔を思い切り伸ばして、その子(桃子似)の大きくなっていた乳首にむしゃぶりついた時、
その子(桃子似)の足がひときわ強く、オレの一物をギューッと挟んで締め付けてきた。

「あっ…イクッ!」
その瞬間、オレの愛の弾丸がまたしても暴発し、
ビュッ、ビュッと、白い劣情がその子(桃子似)の胸や顔を直撃した。

「うわぁ…。うわぁ…」
その子(桃子似)が呆けたようにうめき続けた。

2081:2015/08/26(水) 15:18:05
それからしばらくして…。
電気を消した部屋で、オレはその子(桃子似)に腕枕しながら、
2人でベッドの上に寝転んでいた。

「あのね…、センパイ…」
寝物語にその子(桃子似)が話しだした。

「ん?」
「真野ちゃん(仮名)に…、告られたんだって…?」
「何で知ってるの?」
オレは少し慌てた。

「真野ちゃん(仮名)が、今日自分でもぉ(仮名)に自分で話してきたの…」
「えっ?」
「『嗣永さん(仮名)の彼氏だと知らずに告っちゃった。ごめんなさい』って」
「そ…、そうか…」
「センパイ…、『オレが好きなのは桃(仮名)だけだ』って、答えたんだって?」
「ん? あ…、まあな…」
『真野ちゃん(仮名)…、話盛ってるな…』とオレは思った。

2091:2015/08/26(水) 15:18:26
「真野ちゃん(仮名)って、いい子だよね…」と、その子(桃子似)が言った。
「…そうだな」
「もし、もぉ(仮名)と付き合ってなかったら、センパイの彼女に勧めたいくらい」
「こらこら(笑)。バカなこと言うんじゃない…」

「ねえ…、センパイ…」
「何?」
「もぉ(仮名)…、ホントはちょっとヤキモチ焼いてたんだ…」
「えっ?」
「センパイと真野ちゃん(仮名)…、仲よさそうだったから…」
「…」
「でも安心したよ。センパイ信じててよかった…」
そう言うと、その子(桃子似)はオレの胸に抱きついてきた。

そのまま沈黙が流れた。
しばらくして、「桃子(仮名)…」と、オレは話しかけたけど、
返ってきたのはスヤスヤと安らかな寝息だけだった。

210名無し募集中。。。:2015/08/26(水) 15:23:12
真野ちゃんや道重さんのエロ展開に興奮したり心配したりしたがいい感じに収まったようでよかったw

211名無し募集中。。。:2015/08/26(水) 15:35:12
桃子に白スト足コキで自分からシャツをめくらせようとするなんてこのセンパイはよくわかっている男だ
正しく有能だな

212名無し募集中。。。:2015/08/26(水) 17:09:27
おっ

213名無し募集中。。。:2015/08/26(水) 17:45:24
このまま腋コキ尻ズリ素股と果てない男のロマンを存分に叶えていってほしい

214名無し募集中。。。:2015/08/26(水) 21:15:01
足コキだけで乳首反応させてるとかエロ素質あるな桃子似

2151:2015/08/27(木) 03:26:39
翌朝目覚めると、すでに部屋の中にその子(桃子似)の姿はなかった。
のろのろとベッドから這い出すと、テーブルの上に置手紙があるのに気づいた。

『センパイおはよ! もぉ(仮名)は1限から授業だから学校行くね。
センパイは今日授業ないんだよね? ゆっくり寝ててください。
夕方の部会にはくるんでしょ? 飲み会もあるみたいだけど、
1次会でブッチしちゃって、久しぶりに、
一緒にカクテルでも飲みに行きたいな。桃(仮名)』

そうか…。今日は部会だったな…。
眠い頭で考えながら、オレはベッドに戻ってもう一眠りすることにした。

2161:2015/08/27(木) 03:30:50
夕方近くになって、オレはのろのろと身支度を整えて学校に向かった。

まっすぐ部室に行くと、既に室内に入りきらないくらいの部員が集まっていた。
『すげー出席率(笑)。真野ちゃん(仮名)効果、続いてるなぁ』と、
オレは心の中で苦笑した。

部室の真ん中辺に、桃子(仮名)と真野ちゃん(仮名)が並んで座っていて、
何か楽しそうにキャッキャと話しているのを見て、オレは正直ホッとした。
この2人はどうやら、昨日の一件で却って仲が深まったようだった。

真野ちゃん(仮名)はオレに気づくと、「あっ センパイこんにちは」と、
屈託のない笑顔で挨拶してくれたので、オレはますます安心した。

実は、もし真野ちゃん(仮名)が気まずくなって、
サークル辞めるとか言い出したらどうしよう…、と、
オレは少し心配をしていたのだ。

2171:2015/08/27(木) 03:31:42
安心しながらフッと横を向くと、道重さん(仮名)の視線を感じた。
「あっ…、道重さん(仮名)…、どうもこんちわ…」
とオレが言うと、道重さん(仮名)は顔を赤らめながら、
「や…、やあ…。○○クン(オレ)…」と、とってつけたような返事をしてきた。

『昨日のことを思い出してるのかな…』と、オレは思った。
というより…、オレの脳裏にも、唐突に昨日の光景が、つまり、
例のDVDのパッケージと同じポーズをとらせた時の、
道重さん(仮名)の姿がフィードバックされてきて、
オレは途端に一物が激しく勃起してくるのを感じた。

『こんなところで…、まずすぎる…。落ち着け落ち着け…』
オレが心の中で自分に言い聞かせていると、
「センパイ、何もじもじしてるの?」と、
その子(桃子似)が不思議そうにオレを見つめてきた。

2181:2015/08/27(木) 03:36:03
部会といっても、これまでは今後の行事の日程などを簡単に打ち合わせてから、
すぐに飲みに出かけていたのに、
今回は「部員の撮った写真の批評会」が準備されていて、オレは驚いた。

2年生や3年生たちが、風景や花などをデジカメで撮った写真をプリントして、
みんなに回覧して感想を言い合ったり…。

というとすごく真剣な感じがするけど、
『普段はこんなことしたことないくせに、要するにお前ら、
真野ちゃん(仮名)に写真の腕をアピールしたいんだろ』と、思うと
オレはおかしくなってきて、笑いをこらえるのに必死だった。

そんなオレを、『何がおかしいの?』といいたげな顔で、
桃子(仮名)がたしなめるように、時折ちらちらと睨んできた。

2191:2015/08/27(木) 03:36:20
マノフレ(仮称)たちの発表が一段落すると、
「私が撮った写真も見てください!」と、
真野ちゃん(仮名)が鞄から何枚かの写真を取り出して言った。
この間、オレと一緒に現像した、例の学校内の風景なんかを撮った写真だった。

いきなり手焼きのモノクロ写真が出てきたせいか、
部員たちから「おおっ」と言う感じのどよめきが上がった。

「へえ…、真野ちゃん(仮名)結構うまいじゃーん」と、桃子(仮名)が言うと、
真野ちゃん(仮名)は『えっへん』と言う感じに、胸を張った。

「ところでこの写真、自分一人で現像したの?」と、
マノフレ(仮称)の一人が聞くと、真野ちゃん(仮名)はニコニコしながら、
「まさか! 私にそんなのまだムリですよ…。
○○センパイ(オレ)に手取り足取り教えてもらいました!」と、
屈託ない様子で答えた。

次の瞬間、マノフレ(仮称)たちの、刺すような憎悪の視線がオレに集まってきた。
『アンタは桃子(仮名)一人で十分だろ…』と、
そいつらの顔に書いてるように見えて、オレの肩身はますます狭くなった。

2201:2015/08/27(木) 03:41:41
部会の後、みんなでぞろぞろと駅前の居酒屋まで歩いて移動した。
オレはみんなの後ろについて歩いていた。

集団の中心には、真野ちゃん(仮名)、桃子(仮名)、道重さん(仮名)が、
3人並んで楽しそうに話しながら歩いていて、その周りを男達が取り囲んでいて、
話しかけたそうにしていた。

『そういえば、今日の3人は似たような髪型だな』と、オレはその時初めて気がついた。
桃子(仮名)が2つ結びなのはいつも通りだけど、
道重さん(仮名)の久しぶりに見る2つ結びも新鮮だった。
それ以上に、真野ちゃん(仮名)の初めて見る2つ結びは可愛らしかった。

『しかしこの3人、桃子(仮名)だけは身長低いけど、この髪型だと後ろから見ると、
意外に雰囲気は似てるんだな…。うっかりしてると間違えそうだわ…』と、
オレは思った。
 
『飲み会の席で酔った弾みで、桃子(仮名)をほかの子と間違えて呼んだりしたら、
きっと修羅場だな…』と、一瞬バカなことを想像したけど、
『さすがにそこまで酔ったりはしないだろ』とオレは考えて、思わずクスリと笑った。

2211:2015/08/27(木) 03:44:16
3人の美女?たちを中心に、飲み会は結構盛り上がっていた。
オレは『君子危うきに近寄らず』とばかり、座敷の隅の方で、
枯れた先輩たちと写真談義に興じていた。

飲み会も半ばを過ぎ…、
トイレに行こうと座敷を出ると、ばったりと桃子(仮名)に合った。
桃子(仮名)は「センパイ…」と、小声でオレを階段の前まで手招きし、
「ねえ…、2次会とか言ってるけどどうする? 2人で抜けちゃおうよ…」と、
甘い声を出してきた。

「そうだな…」
オレは考えた。

「2人そろって抜けるとまた何かと言われるから…、オレは1次会終わる直前に、
『用事がある』って、帰ることにするよ。例のバーで待ってるから、
1次会終わったら、もぉ(仮名)もおいで」

オレがそういうと、その子(桃子似)は「わかった!」と返事をしてから、
一瞬キョロキョロと辺りを見回し、周囲に誰もいないことを確認してから、
オレの頬っぺたに短く、チュッとキスをしてきた。

2221:2015/08/27(木) 03:52:33
サークルのみんなと別れて、オレは1人でガード沿いのバーに向かった。
ドアを開けると、薄暗いバーのカウンターには客は誰もおらず、
カウンターの中で暇そうにグラスを磨いていた爺さんのマスターが、
「やあ、○○ちゃん(オレ)、しばらく」と顔を上げた。

店の奥から婆さんのママさんも出てきて、「今日は1人?」と、
おしぼりを手渡しながら聞いてきたので、
「いや…、後で桃子(仮名)が来ると思う」と答えると、
「桃子ちゃん(仮名)? あらー久しぶりねー」と笑った。

「そんなに来てなかったっけ?」とオレが聞くと、
「そうよ。春になってから一度も2人で来てないじゃないのよ。
ひょっとして、別れちゃったんじゃないかと、私たち心配してたんだから」
と、ママさんは言った。

「もう飲むかい?」とマスターが聞いてきた。
「そうだね…。桃子(仮名)が来るにはもう少しかかるから…。
先にビールでも飲んでようかな…」と、オレが答えると、
ママさんが冷蔵ケースからキリンラガーの中瓶を出してきて、オレの前で栓を抜き、
キリンのマークの入った小さなコップに注いだ。
マスターはザルに盛った蚕豆を小鉢に取り分けて、オレの前に差し出してきた。

1次会でも結構ビールは飲んだつもりだったけど、
まだ温かさの残る蚕豆を剥いて食べながら、コップのラガーをひと息に煽ると、
蚕豆の甘みとホップの苦味が混ざり合って、これは絶妙な旨さだった。

2231:2015/08/27(木) 03:58:08
蚕豆を摘まみながら中瓶を1本飲み終わっても、
その子(桃子似)は店に現れなかった。
オレはしばらく待ったけれども、やっぱり我慢できなくなって、
ラガーの中瓶をもう1本頼んだ。

2本目は時間をかけてゆっくり飲んだけれど、
やはりその子(桃子似)は現れなかった。

「遅えな…。あいつ何やってるんだろ…」
オレがそうつぶやくと、ママさんが「もう1本飲む?」と、
冷蔵ケースの取っ手に手をかけながら聞いてきたので、
「いや…。そんなにビールばっかり飲めないよ」と苦笑すると、
マスターが「じゃ、水割りでも作るかい?」と聞いてきた。

「そうだね…」
マスターはニッカのG&Gを戸棚から取り出すと、手馴れた手つきで水割りを拵えた。
そんなに高いウイスキーでもないのに、マスターの作る水割りはいつも旨かった。
何故かと聞くと、「ステアの仕方が違う」と、マスターは笑いながら答えたけれど、
オレには違いが分からなかった。

2241:2015/08/27(木) 04:00:17
2杯目の水割りが空になった時、カランカランと鈴が鳴ってドアが開いた。

「遅いぞ桃…」と、言いかけたオレの視界に入ってきたのは…、
誰あろう、真野ちゃん(仮名)だった。

「えっ? 真野ちゃん(仮名)…? えっ?…」
オレが混乱してると、はにかんだ表情の真野ちゃん(仮名)の後ろから、
「よっ! お待たせー!」と言いながら、
桃子(仮名)がドタバタと店の中に入ってきた。

「えっ? 何? どうなってんの?」と、オレが驚いて聞くと、
「ごめんなさい…。私やっぱり邪魔だったんじゃ?…」と、
真野ちゃん(仮名)が済まなそうな顔で言った。

すかさず桃子(仮名)が、「全然邪魔じゃないよ。ね?センパイ?」と、
オレを上目遣いに見ながら聞いてきた。

「もちろん大歓迎だけど…、一体どうなってんの?」
オレは桃子(仮名)と真野ちゃん(仮名)を等分に見ながら聞いた。

2251:2015/08/27(木) 04:03:45
カウンターに並んで腰かけながら、
「いやぁ、それがね…」と、桃子(仮名)は呆れたように話し出した。

1次会が終わって、道重さん(仮名)たち先輩は、皆さっさと帰ったそうな。

真野ちゃん(仮名)も帰ろうとしたところ、
「もう1軒飲みに行こう」という連中と、「それよりカラオケに行こう」という連中と、
「帰るんなら方向が一緒だから送っていく」と言い出した連中が、
真野ちゃん(仮名)を引っ張り合って、すごく険悪なムードになってしまった…、
のだと、桃子(仮名)は説明した。

「それでね…、真野ちゃん(仮名)困ってたから、
『今日は真野ちゃん(仮名)は、もぉ(仮名)の家に泊まることになってるの!』って、
とっさに言ったんだけど…、男の子たちもなかなか引き下がらないから、
『それじゃ最後にみんなでお茶だけ飲んで解散しようよ』って妥協案を出して、
今まで喫茶店でお茶飲んでたの」

桃子(仮名)がそう言うと、
「ごめんなさい…。せっかくお2人でデートなのに…、私のせいでご迷惑かけて…」と、
真野ちゃん(仮名)がオレを見上げて言った。

226名無し募集中。。。:2015/08/27(木) 07:50:00
一時は修羅場になるかと思ったが仲良くなるってすごいな

2271:2015/08/27(木) 14:58:01
「そっかー。そりゃ大変だったな…。全然迷惑なんてことないから。
まあ、取り敢えず何か飲みなよ」と、オレがいうと、
真野ちゃん(仮名)は「ハイ!」と元気よく返事をしてから、メニューを眺めて、
「私こういうとこ初めて来たから…、何飲んでいいのかわかりません…」と、
困ったように首を傾げた。

「なんか甘いのとか辛いのとか、テキトーに言えばマスターが作ってくれるよ」と、
オレは言ったけど、真野ちゃん(仮名)は「はい…」と答えたまま、
メニューを読むのに熱中しはじめ、「聞いた事ないお酒ばかり…」とつぶやいた。

「そうだ!『アプリコットフィズ』がいいよ真野ちゃん(仮名)!
もぉ(仮名)も最初にここで飲んだのそれだったし、さっぱりしてて飲みやすいよ!
もお(仮名)はそれにする」と、桃子(仮名)がニコニコしながら言った。

『おいおい…、そりゃオレたちふたりの思い出の酒じゃなかったのかよ…』と、
オレは内心苦笑したけど、真野ちゃん(仮名)は「じゃあ、私もそれにします!」と、
元気よく答えた。

(※注 この以前のシリーズの時に、桃子が競馬で、「アプリコットフィズ」という、
名前の馬で大勝ちする、という話があったのです)

2281:2015/08/27(木) 15:06:12
桃子(仮名)と真野ちゃん(仮名)はアプリコットフィズ、
オレは相変わらずウイスキーの水割りで、3人で乾杯した。

真野ちゃん(仮名)は一口飲んで、
「おいしい!この間センパイにご馳走になった日本酒もおいしかったけど、
こっちのほうがおいしいです!」と、満面の笑みを見せて言った。

「そうでしょ、そうでしょ!」と、桃子(仮名)も嬉しそうに言ったけど、
店のマスターとママさんはもっとうれしそうだった。

孫と爺さんくらいに年の離れたマスターは、
「いやあ…、お嬢ちゃん…、本当にお人形みたいにかわいいわね…」と、
しきりに言って、真野ちゃん(仮名)を照れさせていた。

ママさんは「さっきの話ちょっと聞こえてたけど…、こんなに可愛いんだもん…、
そりゃモテるわよね。若いうちなんだから、好きな男の子みつけて、
楽しんだ方が絶対いいわよ」と、ニコニコしながら真野ちゃん(仮名)に言った。

真野ちゃん(仮名)は一瞬、悪戯っぽい目でオレを見てから、
「好きな人いたんで勇気出して告白したんですけど…、振られちゃったんですぅ」と、
ちょっと芝居じみた口調で言った。

ママさんが「えーっ?!」と驚いた口調で言うと、
すかさずマスターが「バカな男だな、そいつ」と、相槌を打った。
酒を噴き出しそうになった桃子(仮名)が、「…ゴホンゴホン」と咳払いをした。

「何かその人…、彼女がいたみたいで…」と、真野ちゃん(仮名)が言うと
「どうせろくでもない女でしょ」とママさんが言い、マスターは、
「そうだな。あなたみたいな可愛いお嬢さんを振るなんて、そんなマヌケな男の顔が見たい」と、
憤慨したように言った。

「目の前にいるけど」とオレ。
「『ろくでもない女』もいるし…」と桃子(仮名)。

2291:2015/08/27(木) 15:08:18
次の一杯はマスターがご馳走してくれるというので、
オレは遠慮なくブレンドオブニッカのオンザロックを、
桃子(仮名)はピーチフィズを注文した。

真野ちゃん(仮名)は迷っていたけど、味の好みを伝えると、
マスターがモスコミュールをつくってくれた。

まあ、とにかく…、昨日あんなことがあったばかりなのに…、
真野ちゃんが結構楽しそうだったので、オレはホッとした。

そう思っていると、桃子(仮名)がトイレに立った隙に、真野ちゃん(仮名)は、
「でも私、昨日ひと晩泣き明かしたんですよ」と、
ちょっと頬っぺたを膨らませながら、オレとマスターとママさんを等分に見て言った。

そんな真野ちゃん(仮名)の表情を見ると、
『真野ちゃん(仮名)可愛いな…。もし桃子(仮名)と付き合ってなかったら、
むしろオレの方から絶対口説いてるのにな…』とオレは心の中で思った。

2301:2015/08/27(木) 15:12:22
それからしばらく、サークルの話や、
桃子(仮名)と真野ちゃん(仮名)たちのクラスの話とかで、場は盛り上がった。

酒を飲み干したところで、真野ちゃん(仮名)が時計を見て、
「私、そろそろ帰らないと…」と言い出したので、ママさんに会計をしてもらった。

マスターとママさんは、よほど真野ちゃん(仮名)が気に入ったらしく、
「必ずまた遊びにくるんだよ」と、しきりに真野ちゃん(仮名)に話しかけていた。

店を出て、3人でガード沿いを駅に向かって歩いていると、
真野ちゃん(仮名)の足並みが、フラフラよろよろともつれ出した。

「真野ちゃん(仮名)? 大丈夫?」とオレが言うと、真野ちゃん(仮名)は、
「たぶん大丈夫とは思うんですけど…、ちょっと酔ったかも…」と、つぶやいた。

「真野ちゃん(仮名)、家遠いし心配だな…。
そうだ! 今日は桃子(仮名)のアパートに泊めてもらったらどうだ?」
と、オレが言うと、桃子(仮名)も、
「うん! それがいいよ。おいでおいで!」と、真野ちゃん(仮名)の腕を握った。

「えー…、そんな…、迷惑じゃ…。それに○○センパイ(オレ)と、
2人で過ごすはずだったんじゃ…」と、真野ちゃん(仮名)が言い出したので、
「いや、今日はオレは自分の部屋に帰るから」とオレが答えると、桃子(仮名)も、
「うん。そうそう。私たち昨日も一昨日も一緒だったから全然平気」と、笑った。

真野ちゃん(仮名)は「何ですかあっ…! ノロケじゃないですかーっ?」と、
少し頬っぺたを膨らませて怒ったしぐさを見せたけど、
「でも、本当に泊まっていってもいいんですか?」と、桃子(仮名)に問いかけた。

2311:2015/08/27(木) 15:15:17
それから、真野ちゃん(仮名)が自分の家に電話したり、
その電話に桃子(仮名)が電話に出て、親御さんに挨拶して事情を説明したりして、
真野ちゃん(仮名)の初めての外泊が決まった。

オレたち3人は地下鉄に乗って、桃子(仮名)やオレのアパートのある中野へと向かった。

中野駅の北口の前で、「じゃあセンパイ、ここで…」と、桃子(仮名)が言いかけたけど、
酔っ払いの女の子2人を放って帰るのもしのびなく、
「まあちょっと遠回りだけど、桃(仮名)のアパートの前まで送っていくわ…」と、オレは言った。

サンモールとブロードウェーの中を抜けて、桃子(仮名)のアパートを目指した。

桃子(仮名)は途中のコンビニで、
「今日は2人でパジャマパーティーってことで、何かおやつとか飲み物とか買おうよ」と、
ニコニコと真野ちゃん(仮名)に話しかけた。

コンビニでの買い物が終わり、桃子(仮名)のアパートまであと少しのところまで来た時、
突然雨が一粒、二粒と落ちてきたと思ったら、いきなり雷がゴロゴロと鳴り出し、
強い雨が音を立てて降り始めた。

「いやあっ! 何これーっ?」
「とにかく走ろう」

オレたち3人は急いで桃子(仮名)のアパートまでダッシュした。

2321:2015/08/27(木) 15:18:27
「いやーん、びしょ濡れ…」
部屋のカギを開けながら、桃子(仮名)が言った。
「センパイも取り敢えず…、上がってよ…」

部屋に入ると、桃子(仮名)はタンスの中からごそごそとタオルを取り出して、
真野ちゃん(仮名)とオレに手渡した。

自分も雨に濡れた髪を拭きながら、桃子(仮名)は、
「真野ちゃん(仮名)、桃(仮名)の部屋着でよかったら貸してあげるから、
着替えちゃって濡れた洋服乾かせば?」と言って、
旅行の時とかに俺も何度か見たことのあるピンク色の柔らかそうな素材のショートパンツと、
白いTシャツを手渡した。

真野ちゃん(仮名)は「スミマセン、そんなことまで…。じゃあ着替えてきます」と、
素直に従って、バスルームに入った。

桃子(仮名)は、「もぉ(仮名)も着替えるから、センパイ向こうむいててね」
と言って、薄いブルーのパジャマに着替え始めた。

さて、オレはどうしようか…、と思っていると、
「そうだ! センパイに借りてたままのTシャツあったよ」と、
桃子(仮名)がタンスの中からオレのTシャツを取り出してきた。

濡れたポロシャツを脱いで、そのTシャツを着ようと頭から被ると、
石けんなのか柔軟材なのか、女の子の服のいい匂いがして、オレは少し興奮した。

2331:2015/08/27(木) 15:20:10
その時、バスルームのドアが開いて、着替え終わった真野ちゃん(仮名)が、
頬をほんのり赤らめながら出てきた。

薄手のTシャツから刺繍の模様まで透けて見える、白いブラジャー。
ショートパンツからとびだした、むっちりとした太もも。

オレは思わず、真野ちゃん(仮名)に視線が釘付けになりながら、
五クりと唾を飲み込んだ。

「ヤダ…、あんまり見ないでくださいよぉ…」と、
真野ちゃん(仮名)が顔を真っ赤にしてつぶやくのと、
「ちょっとセンパイ! そんなにやらしい目で真野ちゃん(仮名)見るなら帰ってよ!」
と、叫ぶのがほとんど同時だった。

234名無し募集中。。。:2015/08/27(木) 15:52:01
振った後なのになんか和やか(?)な雰囲気でよかったな
ヤキモチかわいいし

235名無し募集中。。。:2015/08/27(木) 19:04:47
本スレ?の舞台は路面電車の走る町だけどこっちは都内なのね
中野で地下鉄って大江戸線かな?学校は江古田だと親近感あるなー

236名無し募集中。。。:2015/08/27(木) 19:10:28
東西線じゃね?

2371:2015/08/28(金) 01:57:16
雨がやむ気配は全然なかった。
小降りになったら帰るつもりだったけど、オレはもうこの際、
どっしりと腰を落ち着けることにした。

さっきコンビニで買いものをした袋の中から、桃子(仮名)は缶チューハイを、
真野ちゃん(仮名)はシードルの小瓶を取り出して、
「じゃあ、あらためてカンパイだね」とか言い出したので、
「おい、オレにも何か飲むものない?」と、聞いたけど、
「だってセンパイ帰ると思ってたから、買ってなかったんだもん」と、
桃子(仮名)はまだ少しご機嫌ナナメという感じの口調で言った。

「何でもいいから何かないか?」と、重ねて聞くと、
桃子(仮名)は渋々という感じで立ち上がり、冷蔵庫の奥を探ると、
前に伊勢神宮に行ったときに買ってきた御料酒・白鷹の瓶を出してきた。
瓶の中には3分の1くらい中身が残っていた。

オレがお猪口を持つと、「ハイどうぞ」と、
真野ちゃん(仮名)が優しくお酌をしてくれた。
思わず、「あっ…、どうも」とニヤニヤしてしまったら、
「また鼻の下伸ばして!」と、桃子(仮名)が呆れたように言った。


(※注 以前のシリーズで、伊勢神宮に旅行に行く、という話があったのです)

2381:2015/08/28(金) 02:02:59
オレたちは、あらためて3人で乾杯して、飲み直し始めた。

けれど、やっぱり女の子同士のマシンガンのようなトークに入っていくのは大変で、
オレはひとりしみじみと、手酌酒をするような格好になってきた。
そのうち、クラクラと結構強烈な酔いが回ってきた。

無理もない。

考えてみれば、今日は夕方から1次会はビールと焼酎、
バーに移ってからも、またビールを飲んだ後、
延々とウイスキーの水割りやオンザロックを飲み続けていたのだ。
そして、雨の中ダッシュしたうえ、今度は灘の生一本…。
そりゃ、酔うというものだ。

思わずウトウトとしかけると、
「センパイ? 眠いの? 酔ってるの?」と、桃子(仮名)が聞いてきた。

「うん…。少し酔ったかな」とオレが答えると、
「もぉ(仮名)たちより先に潰れちゃうなんて、男のくせに情けなーい」と、
桃子(仮名)が小馬鹿にするような口調で言ってきた。

「いや…、だって飲んでる物も量も違うだろ…」とオレが言うと、
桃子(仮名)は、「もー、しょうがないんだから。そんなところで寝ないで…。
今マット敷いてあげるから、こっちで寝て」と、不意に優しい声で言ってから、
普段自分が寝ている布団のマットレスを押入れから出してきて、部屋の隅に敷き、
オレをそこに導いた。

2391:2015/08/28(金) 02:05:41
マットレスの上に横になると、オレはすぐにうとうととした眠りに落ちはじめた。

時折キャッキャッと響く、女の子たちの笑い声と窓の外の強い雨音。

それからしばらく記憶が飛び、次に気がついたのは、
2人がごそごそと片付けものを始めたり、オレの寝ているマットレスの横に、
敷布団を敷いたりしている気配だった。

「センパイ、3人で雑魚寝するんだから、もうちょっとそっちに寄って」と、
桃子(仮名)がオレの体を押したような感覚がおぼろげに残った後、
オレの記憶は再び飛んだ。


それからどのくらい経ったのか…。
「ジャーッ」と、トイレの水が流れる音に目を覚ますと、
真っ暗な部屋の中に女の子が戻ってきて、オレの横の布団にもぞもぞと入ると、
くるりと背中をオレの方に向けて、寝ようとしたところだった。

『桃子(仮名)か…』
と、オレは再び目を閉じながら思ったけど、寝ぼけた頭の中で、
無性に桃子(仮名)の体に触れたい気持ちが高まってくるのが、抑えられなくなってきた。

昨日も一昨日も、抱き合いながら寝たというのに…。
今日は同じ部屋に真野ちゃん(仮名)がいるというスリルからなのか…。

奥からは真野ちゃん(仮名)のものらしい、スースーという規則正しい寝息。
窓の外からは、少し弱くなった雨音がしとしとと続いていた。

2401:2015/08/28(金) 02:08:17
つづく

241名無し募集中。。。:2015/08/28(金) 02:18:18
センパイそれ真野ちゃんだよ!!!

242名無し募集中。。。:2015/08/28(金) 03:29:31
やはり真野ちゃんなのか…?
桃子であることを願ってるがここはまた修羅場か

243名無し募集中。。。:2015/08/28(金) 03:51:35
ネタバレ禁止で

244名無し募集中。。。:2015/08/28(金) 03:57:41
志村後ろー!

245名無し募集中。。。:2015/08/28(金) 09:23:30
王道で真野ちゃんか変化球でももちか
どっちだろう

246名無し募集中。。。:2015/08/28(金) 13:33:17
ネタバレっていうか俺も先は知らないけど流れ的にたぶん真野ちゃんだろw

2471:2015/08/29(土) 02:31:02
暗闇の中、オレは目をつぶり、ゆっくりとその子の方に手を伸ばした。

肩にオレの手が触れた瞬間、その子はびっくりしたのか、
大げさにビクンと体を震わせたきり、固まってしまった。

オレはゆっくりと肩から二の腕…、そして胸の方へと、体を撫で回すように、
手のひらを滑らせていった。

「うっ…」、とか、「くっ…」とかいうような、声を上げるのをガマンしているような、
嗚咽がその子からもれた。

オレの手のひらがその子のオッパイをTシャツの上から包み込んだ。

『あれ…? 桃子(仮名)の胸…、こんなに大きかったかな?』と、
一瞬オレは思った。

その子はいつもよりも切迫したような、何か必死な感じでオレの手から逃れようと、
抵抗してもがいていたけれど、隣でスースーと寝息を立てている友達を気にしてか、
全く声は上げなかった。

『ももち(仮名)…、真野ちゃん(仮名)に気づかれると思って焦ってるのかな』
その子のいつもとは違う恥ずかしげな反応に、オレの気持ちはますます興奮してきた。

その子の手かしきりにオレの手をはねのけようと試みるのにも構わず、
オレはゆっくりねっとりと、その子のオッパイを揉み続けた。

248名無し募集中。。。:2015/08/29(土) 04:38:43
おっぱいおっぱい

249名無し募集中。。。:2015/08/29(土) 10:48:28
真野ちゃんかわいい
お嫁さんにしたい

2501:2015/08/29(土) 23:20:14
無言のまま、身をよじって必死にオレの手から逃がれようとするその子に、
『桃子(仮名)がこんなに抵抗するのは初めてだな…』と、
オレは寝ぼけた頭で思った。

去年初めてペッティングした時だって、
桃子(仮名)は恥ずかしがりこそしたものの、オレの手を嫌がったりすることはなく、
むしろ積極的に身を委ねてきたのだった。
それが今の抵抗の仕方ときたらどうだろう。

『やっぱり、すぐ横に真野ちゃん(仮名)が横にいるからだろうな…』と、オレは思ったけど、
その子が必死に抵抗すればするほど、オレの征服欲は燃え上がる一方だった。

オレは半ば無理矢理に、その子のTシャツの中に手を入れて、
ジタバタと無言でもがくその子の手をかいくぐり、ブラジャーのカップの隙間から、
強引に指を侵入させた。

「くっ…」と、その子が唇を噛むような声が漏れた。
ブラの中は汗でしっとりと湿っていて…、
いつもの桃子(仮名)より、ずっと乳首が大きく硬く膨らんでいる気がした。

その乳首を乱暴に摘まんだり引っ張ったりして、思うさまもてあそんでから、
不意にオッパイ全体をギュッと手のひらで包み込むと、
「ドクン…ドクン…」という、その子の心臓の鼓動が、
オレの手のひらにもはっきりと伝わってきた。

2511:2015/08/29(土) 23:23:07
飽きるまでさんざんオッパイを弄んでから、
オレはその子の下半身に手を伸ばしていった。

滑らかな太ももを乱暴にまさぐると、それでもなお、
その子は必死にオレの手をはねのけようともがいていた。

オレは構わずショートパンツの裾から、一気にパンツの中にまで指を入れた。

湿った密林を掻き分け、硬く尖ったところにオレの中指が触れた瞬間、
その子は「う…、うぐっ…」と、押し殺したような鳴き声を漏らして、
観念したように抵抗するのをやめた。

その子は片手で自分の口を抑え、
もう片手でギュッとシーツを堅く握り締めているようだった。

オレはその子の尖ったところをしばらく擦り続けてから、
グショグショに湿った蜜壷の中に、ゆっくりと中指を沈めていった。

「い…、痛い!」
その子が小さな悲鳴を漏らした。
オレは慌てて指の動きを止めて、辺りの気配をうかがってから、
「ゴメン…、ももち(仮名)…」と、小声で囁いた。

その瞬間、その子は弾かれたように身を硬くして、
「も…、ももち(仮名)?」と掠れた声でつぶやいて、振り向いた。

目の前にいたのは桃子(仮名)ではなく…、
両目からボロボロと涙をこぼした真野ちゃん(仮名)だった。

部屋の中には桃子(仮名)の規則正しい寝息がスースーと響いていた。

2521:2015/08/29(土) 23:27:39
「えっ!? ま…、真野ちゃん…!?」
思わずオレは驚いて声を上げてから、慌てて息を止めて、桃子(仮名)の様子を伺った。
幸い桃子(仮名)は安らかな寝息を立て続けていた。

しかし…。

いくら酔って寝ぼけていたとはいえ…。
いくら真野ちゃん(仮名)が見慣れた桃子の(仮名)の服を着ていたとはいえ…。

だいたい、桃子(仮名)がパジャマに着替えるのを、オレは目の前で見ていたではないか…。
真野ちゃん(仮名)のTシャツに触れた時点で、なぜ気づかなかったのか…。

それにしても…。
友達の家に泊まって、友達の寝ている横で…、
友達の彼氏にいいようにカラダを弄ばれて…。

涙を流しながら、声を上げるのをガマンしていた真野ちゃん(仮名)…。

「ご…、ゴメン真野ちゃん(仮名)。オレ…、寝ぼけてて、
てっきり桃子(仮名)だとばっかり…、あっ!?」

オレが小声で囁き始めると、真野ちゃん(仮名)がいきなり、
オレの胸に抱きついてきた。

この時オレの中指は、まだ真野ちゃん(仮名)の小さな蜜壺の中にあった。

2531:2015/08/29(土) 23:29:22
オレの胸に飛び込んできた真野ちゃん(仮名)は、
涙で腫れた顔をゆっくりとオレの顔に近づけてきた。

「真野ちゃん(仮名)…!?」

真野ちゃん(仮名)の柔らかい唇がオレの唇に触れた。

絡まりあう舌と舌…。
オレの胸に密着した、真野ちゃん(仮名)の弾力あるカラダ…。

瞬間、オレの中で何かが弾けとんだ。
「恵里菜(仮名)…」
真野ちゃん(仮名)のパンツの中にあった右手を、
オレは再びゆっくりと動かし始めた。

2541:2015/08/29(土) 23:37:04
オレは真野ちゃん(仮名)のグチョグチョに溢れる泉を指で掬って、
固くとがったところに擦りつけた。

クチュッ…、クチュッ…、クチュッ…、クチュッ…、

桃子(仮名)の部屋に、真野ちゃん(仮名)の発するいやらしい音が響いた。

「う…、うくぅっ…! うくぅっ!」
真野ちゃん(仮名)が必死に両手で口を塞いだまま、
真っ赤になった顔をオレの肩に押しつけてきた。
オレのTシャツの袖に、真野ちゃん(仮名)の垂らしたヨダレがじっとりと滲んできた。

桃子(仮名)の立てる「スー…、スー…」という規則正しい寝息。
オレの中指が動く「クチュッ…、クチュッ」という卑猥な音。
真野ちゃん(仮名)が必死にこらえる、「うくぅっ…! うくぅっ!」というヨガリ声。
いつしか雨音は聞こえなくなっていた。

憑かれたようにオレがそこを擦り続けていると、 
オレの背中に回した真野ちゃん(仮名)の指に力がこもり、
爪がオレの背中にギューッと食い込んできた。

「恵里菜(仮名)…!」
オレは一層指の動きを早めながら、真野ちゃん(仮名)の耳に舌を差し入れた。

「ひぃっ!」
その瞬間、短く叫び声を上げた真野ちゃん(仮名)が、
エビのように体を反らして、数回ガクガクと体を痙攣させた。

「真野ちゃん(仮名)…」
しばらく焦点の定まらない目でオレをぼんやりと見ていた真野ちゃん(仮名)は、
不意にオレに背を向けると、頭までタオルケットを被りこんだ。

肩を震わして泣いている様子の真野ちゃん(仮名)。

オレはすっかりふやけた自分の中指の匂いをかいだ。

255名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 00:01:00
このセンパイだめ人間やなwww

256名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 01:32:15
もはや別れ話になっても文句言えない事案w

257名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 04:15:33
ドキドキベイビー

258名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 05:27:18
匂いを嗅ぎやがったなこいつw

259名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 18:43:52
バッキバキになっちゃった息子さんをどうすんのさ?
桃子さん(仮)に気づかれずにさいごまで行っちゃうの?気になるよー

260名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 19:27:13
ももちの処女を奪う前に真野ちゃんの処女を奪うセンパイ

2611:2015/08/30(日) 21:05:28
それから…。

いいようのない罪悪感と、異様な興奮の間で揺れ動きながら、
オレは夜明けまでの数時間を布団の中でまんじりともせずに過ごした。

時が経つのが、言いようもないほど長く感じた。
それはたぶん真野ちゃん(仮名)も同じだったのだろう。

8時になって、桃子(仮名)の目覚まし時計が鳴りだした時、
オレは心の底からホッとした。

「ふわぁ…、もう朝?」と、桃子(仮名)が起き出して、大きく欠伸をした。

真野ちゃん(仮名)も起き上がり、
「私…、1限から授業あるから…、学校行かなくちゃ…」と言った。

真野ちゃん(仮名)はオレを見ると、途端に顔まで赤く染めながら、
「お…、おはようございます…」と、視線を逸らして言った。

「あ…、おはよ…」と答えたオレの顔もきっと、
真野ちゃん(仮名)と同じくらい赤くなっていたのだと思う。

真野ちゃん(仮名)は「じゃあ2人はゆっくり寝ててね、私帰るから」と言って、
身支度をはじめようとした。
すると桃子(仮名)が、
「駅まで道わかんないでしょ? もぉ(仮名)が送ってくよ」と、いい出だした。

オレは慌てて、「い…、いや、オレが送っていくから、もぉ(仮名)は寝てろ」と言った。
何はともあれ、真野ちゃん(仮名)と2人っきりになって、早く謝らなければ…、と、
そればかりを考えていたのだ。

「いいって。もぉ(仮名)も行く」と桃子(仮名)。
「いや、ホントにオレが…。それよりもぉ(仮名)は、メシでも作っててくれないか?
オレここに戻ってくるから」と、オレが重ねて言うと、
桃子(仮名)は素直に、「そう? 分かったよ」と微笑んだので、オレはホッとした。

その間に、トイレで着替えをしていた真野ちゃん(仮名)が戻ってきて、
「借りた服は、あとで洗濯してきて返します」と小さな声で桃子(仮名)に言った。

「いいよそんなの。気にしないでいいからそのまま置いてって」と桃子(仮名)。
「いやホントに洗濯してきます」と、真っ赤な顔の真野ちゃん(仮名)。
「いいっていいって。女の子同士なんだし」と桃子(仮名)。

「本当に洗濯してきます!!」と、
最後は真野ちゃん(仮名)が真っ赤な顔をしながら強い勢いで言って、
桃子(仮名)は気押されたように、「そ…、そう?」と返事をした。

オレはそんな問答を聞こえないフリをしてずっと下を向いていた。
思わず背中に冷たい汗が流れた。

2621:2015/08/30(日) 21:17:37
真野ちゃん(仮名)と2人で、桃子(仮名)の部屋を出た。
2人並んで無言のまま通りに出て、交差点の角を曲がった途端、オレはその場に土下座した。

「真野ちゃん(仮名)スマン! これ、この通り! オレ…、さっきは酔って寝ぼけてて…、
てっきり桃子(仮名)だとばっかり思い込んで…」

真野ちゃん(仮名)は真っ赤な顔をしたまま、呆然とオレを見下ろしていた。

やがて…、
真野ちゃん(仮名)が、声も上げずにポロポロと涙をこぼし始めた。

道行く女子高生たちがひそひそ話をしながら、
オレたちの横を足早に通り過ぎて行った。

それを見た真野ちゃん(仮名)は、ハッとしたように涙を拭うと、
「ちょ…! センパイ! 恥ずかしいから…、もうやめてください…!」と言った。

「いや…。ホントにスマン…。悪かった」と、なおもオレが地面に這い蹲っていると、
「わかりました。わかりましたから! あれは事故だったってことで…、私も忘れますから、
もう立ってくださいよ…」と、消え入りそうな声で言って、オレの腕を引っ張って起こした。

再び歩き出すと、また涙をこぼし始める真野ちゃん(仮名)。

「いや、ホント悪かった。オレにできることがあったら何でもお詫びするから、
言ってくれ」と、オレは言った。

しばらくして、ようやく泣きやんだ真野ちゃん(仮名)は、
「センパイ、明日忙しいですか?」と、オレに視線を合わさずに聞いてきた。

「え…、明日? ヒマだけど何で?」
「ちょっと付き合ってください」
「え? 付き合うって…?!」
「私…、自分のカメラが欲しくなったんで、買いに行こうと思ってるんです。
選ぶの手伝ってくれませんか?」

オレはようやくホッとしたような気持ちになりながら、
「あ…、ああ。そんなことならお安い御用」と、返事をした。

2631:2015/08/30(日) 21:20:17
中野ブロードウェーの入り口まできたところで、
「これ真っ直ぐいけば駅ですよね? もうわかりますから」と、
真野ちゃん(仮名)が言ったので、オレたちは明日の約束をして、そこで別れた。

桃子(仮名)のアパートに戻ると、部屋には甘い香りが漂っていた。
「何作ったの?」とオレが聞くと、桃子(仮名)はエプロンを外しながら、
「フレンチトースト焼いてみたところ…」と、はにかんだ顔で言った。

エプロンの下はパジャマ姿のままだった桃子(仮名)を見たら、
オレは急にムラムラとした気分になってきた。

考えてみたら…、
昨日からずっと、オレは桃子(仮名)を抱きたい気持ちでいっぱいだったのだ。
だからこそ、間違って真野ちゃん(仮名)を攻めてしまうような事故もおきたのだ。

しかもオレは昨日からイクこともできず、悶々とした気分をひきずったまま…。
さらに寝不足も加わってか、一物はここ数日でも最大限度に怒張しきっていた。

「ももち(仮名)…」
敷かれたままの布団に桃子(仮名)を押し倒すと、
「ちょっ!…、ええっ!? 何? 何?」と、
桃子(仮名)がびっくりしたような呆れたような声を上げた。

「ももち(仮名)…、オレのももち(仮名)…」
「ちょっ…、せっかく焼いたフレンチトーストが冷めちゃう…」

2641:2015/08/30(日) 21:22:44
オレはその子(桃子似)の首筋に強く吸い付きながら言った。
「ももち(仮名)…、いっぱいキスマークつけてやるからな」
「いっ! いやあっ!」
首を振って逃れようとするその子(桃子似)と、執拗に首筋を吸い続けるオレ。

「ダメ…! ダメ! ダメだってばぁ…! クラスの子たちにバレバレになっちゃう…!」
「構わないよ。見せつけてやれ」
「そんなの…、恥ずかしすぎる…」
「ももち(仮名)はオレの女だろ。オレの女にオレの印つけて何が悪い」

言葉責めに興奮したのか、その子(桃子似)はオレのキスに合わせて、
「あっ! あん…、あん…」と、甘い吐息を漏らしはじめた。

オレはもう我慢ができなくなって、自分のジーンズのベルトをはずして、
もどかしく脱ぎ捨てると、その子(桃子似)のパジャマのズボンを乱暴にずり下ろした。

「ちょっ…、ちょっと待って!」
「待てない!」

2651:2015/08/30(日) 21:30:23
「ちょっ! センパイ…! まだ今日もダメなんだってば…」
顔を真っ赤にしながらつぶやくその子(桃子似)に、
オレは「分かってる…」とだけ返事をして、自分のパンツを脱ぎ捨てると、
激しく屹立した一物を、その子(桃子似)のパンツの上から宛てがった。

布一枚隔てて密着したオレと桃子(仮名)…。
ふっくらとしたその子(桃子似)のその部分の感触に、
オレはさらに一層痛いくらい自分が膨らむのを自覚しつつ、腰を動かして、
その子(桃子似)に擦りつけはじめた。

「あ…、アアン…、アン…」
白い首を伸ばして吐息を漏らす桃子(仮名)。

その甘い声の響きに、あっという間にオレは高まりつつあった。
『これじゃホントに三こすり半だ…』
そう思った時、その子(桃子似)が、
「ね…、ねえセンパイ…、今日は…、パジャマ汚しちゃいやあっ」
と途切れ途切れに言った。

「そんなこといったって…」
オレは泣きそうな声で言ったけど、確かにここ数日、
オレは恥ずかしながら暴発のしっぱなしで、桃子(仮名)の服や髪を汚し続けていたのだ。

2661:2015/08/30(日) 21:31:14

「ね、お口の…、お口の中に出していいから…」
哀れむようにオレを見るその子(桃子似)の表情に、
オレはカッと一瞬頭の中が真っ白になった。

その子(桃子似)は布団の上に半身を起こすと、少し震えるようにオレに近づき、
オレの腰に手を回した。

ぬるん…、とした生暖かい感覚とともに、オレはその子(桃子似)の口に包まれた。

「アッー!」
思わず漏れるオレの情けない声。
ゆっくりとリズミカルに前後に動くその子(桃子似)の口…。

「ももち(仮名)…、ああっ! ももち(仮名)!」
情けないほどあっという間に上り詰めたオレは、
ドピュッ! ドピュッ!という感じに、
その子(桃子似)の喉の奥深くにオレ自身を解き放った。

「ん…、うぐっ…!」
その子(桃子似)のむせて苦しそうな声に、オレはハッと我にかえり、
ティッシュを何枚も掴むと、その子(桃子似)の口に宛てがった。
「ももち(仮名)! スマン! 出して! 出していいよ!」

その子(桃子似)は半べそをかいたような目で、
二、三秒、上目遣いにオレを見上げた後、思い切ったようにゴクンとひと息にそれを呑み込んだ。

2671:2015/08/30(日) 21:33:16
ゴクン…と、飲み込んだかに見えたその子(桃子似)だったけれど…。

次の瞬間、「ゴホッ…ゴホッ…」と苦しそうにむせ始めたので、
オレは慌てて、「ももち(仮名)…出して! 全部出して!」と、
その子(桃子似)の口に、再びティッシュの束を宛てがった。

どろり…と、その子(桃子似)の唇から白い粘液があふれ出た。

しばらくその子(桃子似)は焦点の定まらない目でオレを見ていたけれど、
ハッと我にかえったように、
「ゴメンね…。ゴメンねセンパイ…! 吐き出したりして…」と泣き声で言って、
ポロリと一粒涙をこぼした。

「ももち(仮名)が謝る必要なんか何もないよ。オレの方こそ…」
「ううん! もぉ(仮名)が…、もぉ(仮名)が…」

オレはたまらなくなって、その子(桃子似)の頭をギュッと胸に引き寄せた。

『ももち(仮名)…! オレのかわいいももち(仮名)…! 
もう絶対浮気なんかしないからな』と、その時は固く心に誓ったオレだった。

268名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 23:16:52
処女の口に出しちゃうとかホンマ神展開やで…

269名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 23:30:13
ももちが愛おしくてたまらない

270名無し募集中。。。:2015/08/30(日) 23:49:10
こんな彼女欲しかったわ

271名無し募集中。。。:2015/08/31(月) 00:59:13
いきなりゴックンはハードル高いよなやっぱw

272名無し募集中。。。:2015/08/31(月) 20:24:03
かわいい

273名無し募集中。。。:2015/08/31(月) 23:04:40
ももちんちん

2741:2015/09/01(火) 03:28:26
さて、そんなことがあった次の日。
オレは部室で真野ちゃん(仮名)と待ち合わせをしていた。

もちろんそれはデートのためではなく、
真野ちゃん(仮名)がカメラを買うのに付き合うためだった。

オレはちゃんと桃子(仮名)にも、誤解されないように、
事前に事情を話して了解をとっておいた。

「じゃあセンパイ、真野ちゃん(仮名)のためにいいカメラを探してあげてね」
と、桃子(仮名)は笑顔で答えてくれたけど…。

元をただせば、オレが真野ちゃん(仮名)を桃子(仮名)と間違えて、
エッチなことをしてしまったから、そのお詫びなんだよ…、などとは、
口が裂けてもいえることではなかった。

部室で待っていると、1限の授業が終わった真野ちゃん(仮名)が、
息を切らして入ってきた。

「おはようございます! それじゃ行きましょう!」と、真野ちゃん(仮名)は、
昨日のことをすっかり水に流してくれたような笑顔で微笑みかけてきたので、
オレは心底ホッとした。

2751:2015/09/01(火) 03:31:55
学校を出たオレと真野ちゃん(仮名)は、駅に向かって歩き出した。
オレは少し疑問に思っていたことを聞いてみた。

「ところで真野ちゃん(仮名)、お祖父ちゃんから借りたカメラあっただろ?
それなのに、何でわざわざ別のカメラ買うことにしたの?」

真野ちゃん(仮名)は少し照れ笑いを浮かべて答えた。
「あー、あのカメラ…、私にはちょっと大きすぎて重いし…、それに…」
「それに?」
「あんまりかわいくないんだもん」
「へ?」

天下の銘機・ニコンFをつかまえて、こともあろうに「かわいくないからイヤ」とは…。
『写真好きのお祖父ちゃんが聞いたら泣くなこりゃ…』と、オレは思った。

「それで…、どんなカメラが欲しいの?
やっぱりお祖父ちゃんがニコンのカメラ持ってるなら、レンズを借りたりできるから、
ニコンのカメラがいいとオレは思うけどね…」
「ハイ…」

「ニコンのフィルムカメラを買うなら、実は古いマニュアルフォーカスのヤツより、
比較的新しいAF機を買ったほうが、ずっと安いし性能もいい」
「そうなんですか?」
「部室にあるF90とか…、F100とか」
オレはその部室のカメラでこの間、道重さん(仮名)の痴態を撮ったことを思い出して、
急に恥ずかしくなってきた。

「部室のカメラですか…」 真野ちゃん(仮名)の表情が少し曇った。
「イヤなの?」
「私はちゃんと、自分の手でフィルムを巻き上げるようなカメラが欲しいんです」
「ほお」
「本を読んだら、初めて写真を学ぶには『FM2』っていうカメラがいいって書いてました」

2761:2015/09/01(火) 03:36:20
「FM2ね…」
オレは少し考えた。

「確かに、写真学校の生徒なんかには、FM2が勧められることが多いね」
「本にもそう書いてました」
「電池なしでも動くベーシックな機種だからね。でもオレはあんまり賛成しないな」
「どうしてですか?」
「FM2の露出計ってのは、+○-っていう表示の仕方で、
シンプルで壊れにくいけれど、初めて写真をやる人には、露出のズレが直感的にわかりにくい」
「はあ…」
「露出計は追針式のメーターの方が絶対にわかりやすいと思うんだ」

真野ちゃん(仮名)は少し考えるような顔をして、オレを見上げた。
「じゃあどの機種がいいんですか?」
「ニコンだったら、FM2の後継機種のFM3Aが当てはまるけど…、
この機種は比較的新しいからまだ高い。真野ちゃん(仮名)の予算は?」
「レンズもつけて2万円…、くらいです」
「ああ、それじゃ全然ムリだ」
「だったらどうすれば」
真野ちゃん(仮名)はちょっと怒ったように、頬っぺたを膨らませた。

「FM2の姉妹機種のFE2ってのがいいと思うけど、
これはあまり中古市場に数が出てこなくて、程度がいいのは2万じゃ買えるかどうか…。
あとはもっと旧型のFEなら楽勝だけど…、機能も劣るし、できれば勧めたくないな」
「じゃあ私は何を買えばいいんですか?」
「だから、掘り出し物の売ってそうな店に探しにいくのさ」

2771:2015/09/01(火) 03:38:59
(注)フィルムカメラの値段は、書いた当時よりも今は暴落してます。念のため。

2781:2015/09/01(火) 03:40:49
駅まで来て、山手線のホームに向かおうとすると、
「えっ? 地下鉄じゃないんですか? 中野に行くんでしょ?」と、
真野ちゃん(仮名)が聞いてきた。

「中野にも有名な中古カメラ屋さんはあるけど、そこに行くのは後にして、
もっと安く売ってるかもしれない店に先に行こう。もっとも、その店は、
掘り出し物もあるかわり、どうしようもないカスも置いてるから油断ならないんだけど…」
「はあ…」

オレたちは山手線の内回り電車に乗って、五反田までやってきた。
駅を降りて、ラブホテル街の方に真野ちゃん(仮名)をつれて歩いていくと、
「センパイ…、こんなところに本当にカメラ屋さんなんかあるんですか?」と、
真野ちゃん(仮名)が少し警戒したような顔つきで聞いてきた。

「ホントだって! ホラすぐそこ!」
オレの指差した先に、「さくらカラー」と書かれた古ぼけた看板に、
「保田写真機商会」との変色した文字が踊る小さな店があった。

2791:2015/09/01(火) 03:48:08
店の前まで来て、ドアを開ける前にオレは思わず深呼吸をした。
真野ちゃん(仮名)が不思議そうに、「どうしたんですか?」と聞いてきたので、
「気合い負けしないようにしないとな…」と、オレが答えると、
真野ちゃん(仮名)は尚更不思議そうな顔をした。

店のドアの横には小さく、「現金化即日 応相談」と、暗号のような張り紙がしてあり、
それを見た真野ちゃん(仮名)が、「これ…、どういう意味ですか?」と、
小首を傾げてオレに聞いてきた。

オレは返答に困りながら、
「まあ…、真野ちゃん(仮名)にはきっと一生縁のない話だよ」と答えると、
真野ちゃん(仮名)はバカにされたと思ったのか、一瞬ムッとしたような顔でオレを睨んだ。

オレはわざと知らん振りをしながら店のドアを開けた。
ギギ…、ときしむ音がしてドアが開いた。

細長いウナギの寝床のような店の奥のカウンターに、女主人が陣取っていて、
何やら大声で電話のやりとりをしていた。

「アンタねえ…、そんな眠たい話されたって、
ウチはただ『買い取ってくれ』って頼まれたから買い取っただけで、
いわば『善意の第三者』ってヤツだよ。そんなのアンタの会社が、
会員の管理をできてなかっただけの話でしょ? 何なら出るとこ出たっていいんだよ」

電話に向かって小気味よく啖呵を切っていた女主人は、オレたちに気づくと、
「あら、いけない」と言って、電話を一方的に切ってから、

「随分久しぶりじゃないの」と、ニヤニヤしながらオレを見上げてきた。

2801:2015/09/01(火) 03:50:47
正直言って…。
オレはこの人の押しの強さが苦手だった。

時折、美人に見えることもあるし、ブサイクにも見える顔立ち…。
年のころは30前後か…。

初めてオレがこの店にきたのは、2年前の新入生のころ。
当時4年生だった吉澤先輩(仮名)に連れてこられたのが最初だった。

何でもこの人、(吉澤さんは圭ちゃんと呼んでいた)は、
吉澤さんの高校時代の先輩筋にあたる人らしく…。

お父さんはレンズ磨きの職人として、かなり名の通った人で、
子供のころからそのお父さんにしごかれて、門前の小僧よろしく、
カメラの分解を当たり前のようにこなしていたのだという。

高校を出て勤めた大手カメラメーカーでは、会社の代表として、
技能オリンピックで金メダルを取ったほどの技術の持ち主。

お父さんがリタイアした後は、カメラメーカーを退職して、
この店を継いで切り盛りしている…、

というのが、吉澤さん(仮名)から聞いたこの人の情報だったけど。

今はもっぱら怪しげな金融流れ商品の売買が主な仕事で、
その合間の手慰みに、拾ってきたようなカメラを直して趣味で売っている…、
というようにオレには見えた。

2811:2015/09/01(火) 03:54:36
女主人は無遠慮にオレと真野ちゃん(仮名)をじろじろ眺めてから、
「アンタの彼女にしてはなかなかかわいいじゃないの」
と、ニヤニヤ笑った。

「いや…、そんなんじゃなくて…、うちのサークルの新人なんですよ…。
自分のカメラが欲しいっていうからつれてきたんです」
と、オレが慌てて答えると、

「ふーん…」
と、女主人は興味なさそうな返事をしてから、
「で、どんなカメラが欲しいの?ミラーレスかい?それともフルサイズかい?」
と、新品一眼デジカメが並んだ棚を顎でしゃくった。

真野ちゃん(仮名)はその棚を見ながら、
「価格はASK…。保証書なしならさらに激安…」と、
書いてあった商品カードを声に出して読んでから、
「新品なのに、何で保証書がないんですか…?」と、言ってはいけない疑問を口に出した。

「いちいちうるさい子だね…。アンタにゃ関係のない話だよ」
と、女主人がにべもなく答えて、真野ちゃん(仮名)はシュンとしてしまった。

2821:2015/09/01(火) 03:58:20
「いや…、この子が探してるのは中古のフィルムカメラなんです」
と、慌ててオレが答えると、女主人は「あっ、そう…」と、
尚更興味のなさそうな表情を浮かべてから、

「中古の銀塩はこっちの棚だから、勝手に見ていいよ」といって、
棚の鍵をオレに放ってよこした。

ニコンのコーナーを探すと…、
比較的きれいなFM2のブラックボディには1万6000円、
シルバーボディのFE2には1万7000円のプライスタグがついていた。
まあ…、相場より少し安い程度の値段だ。

『これに5000円の50ミリ1.4をつけて、2万1〜2000円か…。
値切れば予算の20000円には納めてくれるだろう…』と、オレは思ったけど、
それだけじゃあまり面白くないような気がしてきた。

真野ちゃん(仮名)が小首を傾げながら 「?」と、問いかけるように、
オレの眼を覗き込んできた。

「あの…」
オレが女主人に話しかけると、
女主人は、「ちょっとこれ終わるまで待って!」と言ったまま、何か手元を動かして、
ジャンク品のカメラでも分解している途中のようだった。

2831:2015/09/01(火) 04:00:38
それから数分…。
女主人がカメラの分解を続けるのを、オレはじりじりとしながら待った。
ようやくキリのいいところまで済んだのか、
「で? 欲しいカメラは見つかったの?」と、
女主人はオレと真野ちゃん(仮名)を等分に見ながらいった。

オレが「FM2か…、できればFE2が欲しいんですけど」と答えると、
「FM2もFE2もそこにあったじゃない」
と、女主人が顎をしゃくった。

「実は予算が…」と、オレが言い出すと、
「いくらなら出せるの? 少しくらいなら勉強してあげるわよ、ウフフ」
と、女主人が笑った。

「…一万円」
「…は?」
「一万円です」
「…ちょっとよく聞こえなかったんだけど、今なんて言った?」

女主人の表情が見る見る険しくなった。

2841:2015/09/01(火) 04:03:49
真野ちゃん(仮名)が慌てて何か言おうとするのを制して、
「予算は…、レンズも込みで、ただの1万円です」とオレは重ねていった。

「アンタねぇ…」
呆れたといわんばかりの口調で、女主人が言い始めた。
「カメラには相場ってもんがあることくらい分かるでしょ、
そんなに安いカメラが欲しかったら、イチかバチかで、ヤ○オクに出てるカメラでも、
落札すればいいじゃないの? 運がよければ当たりを引くかもよ」

オレは『気合負けするな』と、心に念じながら言い返した。
「イチかバチかで良ければカメラ屋なんかいらないし、
相場どおりのカメラが欲しけりゃ量販店に行きますよ。
オレはこの店にしかないようなカメラが欲しいんですよ」

真野ちゃん(仮名)はオロオロしながらオレたち2人を眺めていた。

「『この店にしかない』? アンタ…、言うじゃないのよ。ちょっと待ってなさい」

そういうと女主人は店の奥に引っ込んで、なにやら棚の中をがさごそと探っているようだった。

『圭ちゃん(仮名)に何か頼みごとするには、挑発するのが一番』との、
吉澤先輩(仮名)から聞いた言葉だけが頼りだった。

2851:2015/09/01(火) 04:08:39
「お待たせ…」

そういって女主人がカウンターの上に置いたのは…、
まるで新品と見まがうほどのピカピカのブラックボディーのFE2に、
レンズはAFニッコールの35-70ミリF2.8S…。
20年ほど前の「名玉」といっていい、確か当時10万円近くはした高級レンズだった。
FE2のボディには、少々使用感はあるものの、ご丁寧にモータードライブMD-12まで装着されていた。

「こ…、これは?」
訝るオレに、「まあ…、手にとって見てごらんよ」と女主人は言って、ニヤリと笑った。

オレはカメラを手にとってレンズを外したり裏蓋を開けたり、
シャッタースピードを変えてシャッターを切ったりと、いろいろ試してみた。
そのうちに、このカメラは見かけはきれいだけど、いろいろとおかしなとこがあるのに気がついてきた。

「確かFE2のシャッター羽根は、ハニカム構造のチタン製だと思ってたけど…、
このカメラはプレーンなアルミ羽根だ。それに露出計連動レバーも、どういう訳か可倒式だ…」

オレのつぶやきを女主人はニヤニヤしながら聞いていた。

「ひょっとしてこのカメラ…、何か2個1とか3個1とかして改造したようなものですか?」
オレがそう尋ねると、

「あら…、アンタひょっとして私の昔のあだ名知ってるの?」
と、女主人が不気味に笑った。

2861:2015/09/01(火) 04:12:04
そういえば、前に吉澤先輩(仮名)から聞いたことがあったのを思い出した。

『ニコイチの圭ちゃん』

この人が某カメラメーカーのプロサービス部門に勤めていた頃、
本来はメーカーとして「修理不能」と断るべき状態のカメラでも、
勝手に修理を引き受けてはワンオフの部品を手作りして直してしまったり…、
わがままなプロの要望に応じて、規定にない改造をホイホイと引き受けて施したり…、
時にはそのためにカメラを2個1して組み上げたり…、
好き放題やっていた結果、ついたあだ名がこれだったのだと…。

実はこの話には続きがある。

そんなことを勝手にしてたのが会社にバレて、この人は謹慎処分を受けたのだけど、
それを聞いた大御所のプロカメラマンが、
「ニ○ンで一番の現場技術者を処分するとは何事か」と、会社の偉い人に直接ねじ込んだのという。

「ニコイチ」というのがどちらの意味だったとしても…、
目の前にあるFE2は、この天才マッドエンジニアが手慰みに組み上げた、
ある意味至高の一台なのだろう…。

そう考えると、オレは思わず背中がゾクゾクとしてきた。
『確かにこの店にしかない一台だなこりゃ…』

2871:2015/09/01(火) 04:18:41
「お察しの通り、このFE2は2個1…、いや3個1したものよ」
ニヤニヤ笑いながら女主人が話し始めた。

「車に踏まれたFM3Aと、海没したFE2と、ジャンクのFEが材料。
原価は…、500円ってとこかしらね。もちろん、手間賃を入れたら10万じゃきかないけれど…。
とはいえ、こんなのただの遊びだから、売り物にはできないわ。私が自分で使おうと思ってたのさ。
だけど、カメラとしての精度はその辺のプロ用カメラなんかよりは断然上。
なんてったって、このあたしが組み上げたんだから」

そう話す女主人を、オレは呆気にとられて見つめてから、もう一つの疑問を尋ねた。
「レンズはどうしたんですか?」

「アンタ、このレンズのことは知ってる?」

「は…、はい…。昔はプロも愛用した名玉だったとか…」
「そう…。いいレンズなんだけど…、このレンズには重大な欠点があったのさ。
使ってるうちに、中玉が白く曇ってくるのよ」

「聞いたことあるような…」
「分解清掃したくらいじゃ落ちないのよ。だからメーカーでも、
仕方なく中のレンズユニットを丸ごと交換して対応してたんだけど…、もうその在庫もない…」
「つまり…、直せないレンズと?」

「普通はね…。アンタ、うちの父さんのことは知ってる?」
「吉澤さん(仮名)に聞きました。レンズ磨きの名人だったとか…、あっ!」

「あたしもその腕を受け継ぎたいと思ってね…。父さんの指導で、
研磨してみたのがこれ。初めてやったけど、父さんが『うまくできてる』って言ってたから、
きっと精度は出てるんだと思う」

オレはもう一度、そのカメラにレンズを取り付けて、
ドアの外に向けてピントを合わせてみた。
ファインダー越しにみただけでもハッキリわかる、線のシャープさに一瞬ホレボレとした。

「このカメラとレンズを…、合わせて一万円で売ってくれるんですか?」
「そうさねえ…」

2881:2015/09/01(火) 04:21:19
「真野ちゃん(仮名)! 買え! これは絶対に買いだ!」
とオレは叫んでから、『この人の気が変わらないうちに早く』と、心の中で付け足した。
「真野ちゃん(仮名)! 真野ちゃん(仮名)!… あれっ…?」

慌てて叫ぶと…、オレの横にいたはずの真野ちゃん(仮名)は、
いつの間にか背後の中古カメラの棚の前に立っていて、しきりに中を覗き込んでいた。

オレが思わず舌打ちをしながら、真野ちゃん(仮名)を呼ぼうとしたのと同時に、
「センパイ…、このカメラなんですけど…」と、
真野ちゃん(仮名)が棚の中のカメラを指差して聞いてきた。
「このカメラ…、コロコロしててすごくかわいいの」

オレはもう一度舌打ちをして真野ちゃん(仮名)に、
「いや、今こっちのカメラの話してるのに…、それどころじゃないでしょ…」
と、言いかけたけど、
真野ちゃん(仮名)は、「ねえ、ホントにかわいいの。見てください」と、
オレの腕を強引に引っ張った。

仕方なくケースの中を見ると…。
真野ちゃん(仮名)が指差した先には、「EXA 1C」と書かれた、
見るからにプラスチッキーで、妙に腰高のおどけたスタイルのカメラが置かれていた。

2891:2015/09/01(火) 04:23:08
こんなカメラは見るのも初めてだった。
「EXA…? 『エクサ』って読むのかな? 昔のソ連とか東ドイツっぽい感じ…。
『エクサ』ってからには、『エキザクタ』と関係あるのかな…?」

オレがそうつぶやくと、背後から、「ご名答」と言いながら、
女主人が棚のカギを開けてそのカメラを取り出し、真野ちゃん(仮名)に手渡した。

「手っ取り早く言えば、エキザクタの末裔だわ」と女主人が答えた。

真野ちゃん(仮名)はひとしきりカメラを弄り回した後、
「センパイ! これ! 私、このカメラほしいです!」と、眼を輝かせながら言った。

2901:2015/09/01(火) 04:28:38
オレは無言で真野ちゃん(仮名)からそのカメラを奪い取って、調べてみた。

上から覗く左右逆像のウエストレベルファインダー。
ボディ前面の使いにくそうなレリーズボタン。
最速175分の1秒などという、ふざけた低速度のミラーシャッター。

プライスタグをちらりと見ると、「1万8000円」と書いているのが見えた。
「やめろ、真野ちゃん(仮名)…。ニコンに比べりゃ、こんなものはクズだ…」
オレがそういうと、真野ちゃん(仮名)はプーッと頬っぺたを膨らませた。

「まあ…、こういうカメラにはこういうカメラの味があるけどね」
女主人がそういうと、真野ちゃん(仮名)は目を輝かせて、「ですよね!」と言って、
オレを睨んだ。

「保田さん(仮名)まで…、煽るのやめてくださいよ。
だいたいこのカメラについてるレンズも…、何すかこれ…?
『ドミプラン』なんて、聞いたこともねえし」

オレがそういうと、女主人は、
「あら、ドミプランだって、アンタがいうほど悪いレンズじゃないけど、
そんなに言うなら、こっちのテッサーに替えてやってもいいよ」

と言いながら、隣の棚から「ツアイス・イエナDDR」と銘のある、
テッサー50ミリf2.8を取り出してきた。

「何ですか『テッサー』って」と、目を輝かせて聞く真野ちゃん(仮名)に、
「世界の標準レンズのお手本になった、ドイツの歴史的名レンズ…」と、オレは力なく答えた。

「このテッサーなら、さっきのニッコールにだって、シャープさでヒケはとらないよ。
もっとも…、そりゃ順光だけの話で、昔のレンズだから逆光は乱反射して勝負にならないけど」
と女主人は笑った。

真野ちゃん(仮名)は、「これ欲しい!欲しい!欲しい!」と、
駄々っ子のようにオレの腕を引っ張ってきた。

「そんなこと言ったって…、どう考えてもニコンの方が…」と、なおもオレが言うと、
「じゃあニコンはセンパイが買えばいいじゃないですか。私はこっちを買います!」
と、真野ちゃん(仮名)が意を決したように言った。

2911:2015/09/01(火) 04:30:35
真野ちゃん(仮名)に「センパイが買えば」といわれて、
オレは思わず、「うっ…」と言葉に詰まってしまった。

しかし…。
よくよく考えてみれば、これは確かに悪くない買い物…。

キヤノン派のオレにとっても、マニュアルフォーカスのニコン一眼レフは、
興味がないといえば嘘になる存在だ。

今なら名レンズとモータードライブまでついて、1万円で手に入るというのだ。
悪い話では全然ない。

財布の中を覗くと、免許証の裏に、非常用の一万円札を小さく折りたたんで、
入れてあったのを思い出した。

「買った!」
オレはそう言って、一万円札を開きながら、カウンターの上に叩きつけた。

「ちょっと待ちなさいよ」
と女主人は冷ややかに言った。

「へ?」と、オレは出鼻をくじかれたように叫んだ。

2921:2015/09/01(火) 04:33:07
「さっきの一万円ってのは、新人の女の子がカメラ欲しいっていうから、特別に提示した価格なのよ。
アンタに一万円で売るかどうかは、もう少し考えさせてもらうわ」
と、女主人は冷ややかに言った。

オレは黙ってしまった。

「それからアンタ…」と、次に女主人は、真野ちゃん(仮名)を見ながら言った。
「は…はい」と、答える真野ちゃん(仮名)に、
「アンタにはこのエクサ売ってもいいけど…、もし使いこなせなくてもて余したら、
カメラがかわいそうなんだわ」と、あくまで冷ややかな女主人。

「そんなことありません!頑張って使います!」と、真野ちゃん(仮名)。
「フフン」とせせら笑う女主人。

沈黙が流れた。

2931:2015/09/01(火) 04:35:31
オレと真野ちゃん(仮名)が黙り込んでいると、
「よし!決めた!」と、女主人が唐突に叫んだ。

「あんたたち2人とも、あたしが唸るような写真を1カ月以内に、
そのニコンとエクサで撮ってきなさい。あたしが満足したらその時に、
2人ともそれぞれ1万円で売ってあげるわ。ただし、ロクな写真が撮れなかったら、
カメラを返してもらうから…。今日のところは、それぞれカメラ持って帰りなさい」

真野ちゃん(仮名)は目を輝かせて、「ハイ! ありがとうございます!」と叫んだ。

「『ありがとう』って、まだ売ると決めたわけじゃないわよ」
との女主人の声に見送られながら、オレたち2人はその店を後にした。

2941:2015/09/01(火) 04:38:44
まったく…。
おかしなことになったもんだ。

駅に向かって歩いていると、真野ちゃん(仮名)が不安げに、
「でも、あの人を納得させられるような写真なんか…、あたしに撮れるかしら…」
と、少し不安そうにオレを見上げてきた。

「そうさなあ…」
オレは少し考えてから答えた。

「あの人はプロの作品とかもいっぱい見てるから、目は相当肥えてると思うけど、
別にオレたちにプロのような技術を求めている訳じゃないと思うんだ…。
何ていうか、被写体への愛情とか、自分の思いみたいなものを表現できれば、
それでいいんじゃないかと思うんだけど…」

オレがそう言うと、真野ちゃん(仮名)は「そうですね…」と言って、
少し考え込むような仕草をみせた。

オレは歩きながら、道路脇の古い商店なんかにピントを合わせて、
FE2改のシャッターを空切りしてみた。

シャコンシャコン…、と金属質の残響を立てながら、モータードライブが作動した。

しかしこのカメラ、よくよく触ってみると、
普通のFE2より動作がかなり軽快な感じがした。
モータードライブの巻上げも通常より明らかに速い。さらにミラーの戻りも速いのか、
ファインダーの像消失が短く、視覚的なキレの良さがはっきりと感じられた。
あちこちに特別なチューンが施してあるのは明白だった。

オレはすっかりこのカメラが気に入ってしまった。

横を見ると、真野ちゃん(仮名)もオレと同じ気持ちなのか、
歩きながらしきりにエクサのファインダーを覗き込んで、空シャッターを切ったりしていた。

2951:2015/09/01(火) 04:40:57
「ねえセンパイ…」
真野ちゃん(仮名)がオレを上目遣いに見ながら言ってきた。

「ん?」
「何か私、今すごく写真撮りたい気分です」
「ああ…、オレも」

思わずオレと真野ちゃん(仮名)は、一瞬見つめ合って照れ笑いをした。
「真野ちゃん(仮名)、午後からはヒマなの? 何か撮りにでかけようか?」
「私も今、それ言おうと思っていたところです!」

「何を撮りに行こうか?」と、オレが問いかけると、
真野ちゃん(仮名)は「そうですね…」と言ったきり、考え込んだ。

「難しく考えなくても、自分の心の原点みたいな風景を撮りに行くのがいいと思うんだ。
オレならさしずめ、寺とか神社とかなんだけど…」と、オレがいいかけると、
「あっ! そうだ!」と真野ちゃん(仮名)が叫んだ。

「子供の頃、ちょっとだけ住んでいた団地があるんです。変わった形の塔があって…。
今まですっかり忘れていたけど、いま急にそこに行ってみたくなりました」
熱っぽい口調で真野ちゃん(仮名)が言った。

「場所は分かるの?」
「大体なら…」
「よし、とりあえず行ってみよう」

2961:2015/09/01(火) 04:44:46
山手線で新宿まで戻ったオレたちは、京王線の電車に乗り換えて、
調布の駅までやってきた。

真野ちゃん(仮名)の微かな記憶によると、
ここからバスに乗り換えて団地に行ったのだという。
「団地の名前とかは分からないんですけど…、結構大きな団地だったと思います…」

もともと田舎者のオレは、この辺りの地理には疎かった。
詰所に居た駅員に、「この駅から出てるバスの沿線に、変わった塔のある団地はありませんか」
と聞くと、中年の駅員は「塔? 多摩川住宅の給水塔のことかな?」と、独り言を言って、
別の駅員に確かめた後、「南口からバスが出てるから、それに乗ってください」と、
やさしく答えてくれた。

バスに揺られてしばらく行くと、突然真野ちゃん(仮名)が大声を出した。
「あっ、あれです! あの塔です!」
給水塔なのか…、確かに変わった形の塔が、あちこちに立っている団地だった。

2971:2015/09/01(火) 04:48:23
バスを降りると、真野ちゃん(仮名)が早足で団地のほうに駆けて行き、
オレも慌ててその後を追った。

「私が住んでた建物…、どの辺だろう?」と、真野ちゃん(仮名)が首を傾げた。

オレは黙って辺りを見回した。

昭和の気配が濃厚な、背の低い団地の群れ。
レトロな感じの給水塔と、最近の団地にはない遊具などのゆったりとしたスペースが、
妙にフォトジェニックな感じがした。

真野ちゃん(仮名)はそんな遊具や給水塔や、建物の入り口の前に佇んでは、
何かを思い出すように、エクサのファインダーを覗き込んでシャッターを切っていた。
そんな真野ちゃん(仮名)が妙に大人っぽく見えて、
オレは思わず自分のFE2改のフレームに真野ちゃん(仮名)をおさめて、
モータードライブを連写した。

結局真野ちゃん(仮名)の住んでいた建物は分からなかったけど、
真野ちゃん(仮名)は満足そうな微笑みを浮かべていた。

オレたちは無言のまま、多摩川の堤防まで歩いていった。
オレの前を歩く真野ちゃん(仮名)が、何か歌を口ずさんでいるのか…。
優しい歌声が風に乗って聞こえてきた。

「♪止まらないこの気持ち、受け止めて…」

<イメージ動画>
https://www.youtube.com/watch?v=NYzZz4CwfZQ&ob=av3e

2981:2015/09/01(火) 04:56:10
一応、これで完。

本当はこの後にすぐ第二部が始まって、
このカメラにある謎が持ち上がり、その謎を探る旅が始まる、
っていうストーリーで途中まで書いていたんだけど、
その矢先に「みんなエスパーだよ」が始まって、
どうにも心が折れて、中断してしまったままなのです。

299名無し募集中。。。:2015/09/01(火) 05:06:43
「My Days for You」キター
美少女と古い機械の組み合わせって好きです
美勇伝の「なんにも言わずに I LOVE YOU」MV とか傑作だと思う

3001:2015/09/01(火) 06:01:31
いま古いテキスト見直していたら、第二部は一応完結してて、
第三部の途中で終わってた。

続きを上げられるか検討してみる。

301名無し募集中。。。:2015/09/01(火) 07:16:45
乙です
第二部も楽しみにしてます

302名無し募集中。。。:2015/09/01(火) 12:24:45
え続きあんの
それはもう上げるしかないでしょう


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