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昔桃子やベリの学園小説書いてた者だけど〜新狼
513
:
1
:2017/07/03(月) 23:47:44
「おい、ちょっ、待てよ」
俺は思わず植村の肩をつかんだ。
振り向いた植村の顔を見て、俺は驚いた。怒って怖い顔をしているのだろうとばかり思いきや、植村は少し涙を溜めたみたいに赤い目をして俺を見ていた。
(俺のバカ! 植村、見かけによらず傷ついているじゃねえか…)
後悔だけに包まれながら、言うべき言葉を見つけられずにいると、植村が「…何よ?」と、口調だけは強気なままで言った。
「…いや、何て言うか、その…、スマン…」
俺がそう言いかけると、「はあ? スマンって何? 一体何を謝りたいわけ? 意味わかんない!」
植村は怒りを倍加させながら言った。
「いや、植村、俺はな…」
俺がそう言いかけた時、後ろから「…こんなとこで2人で大声出しあって何やってんの? 痴話喧嘩ってやつ?」と、冷ややかな声が聞こえて、慌てて振り向くと、そこに硬い表情をした宮本佳林が立っていた。
「宮本…」
「りんか…」
俺と植村が同時につぶやいた。
俺はつかんでいた植村の肩から、静かに手を放した。
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