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SSスレ「マーサー王物語-サユとベリーズと拳士たち」

1 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/02(土) 12:22:52
ずっと前にマーサー王や仮面ライダーイクタを書いてた者です。
マーサー王物語の数年後の世界が書きたくなったのでスレを立てました。

2007年ごろに書いた前作もリンク先に掲載しますが、
前作を知らなくても問題ないように書くつもりです。

SSログ置き場
http://jp.bloguru.com/masaoikuta/238553/top

2 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/02(土) 12:23:43
【第一部:sayu-side】

我々の住む地球から時空を超え宇宙を超えたところにある、とある世界。
そこにはモーニング帝国と呼ばれる大国が存在していた。
この国の商業、工業は非常に発達しており、SATOYAMASATOUMIも美しい。
他にも、米がうまいぜ、お茶を飲め飲め最高茶葉、漢字最高、長寿大国、美人ぞろい・・・・・・などなど魅力は盛りだくさん。
そして何よりも、武力が強いことで周辺国には知られていた。
モーニング帝国を強豪国たらしめる理由は、やはり「モーニング帝国剣士」の存在が大きいだろう。
10代から20代の少女で構成された剣士集団は小柄ながらも大の大人より強かった。
一騎当千を地で行く彼女らのおかげで国が護られているといっても過言ではない。
平和であることは国民にとって何よりも喜ばしいはずなのだが、
ただ一人、モーニング城の主であるサユ王だけは何とも言えぬ不満を抱いていた。

「このままじゃ、ダメ・・・・・・だよね・・・・・・」

帝国一の美貌とも噂されるサユ王だったが、現在の彼女の表情はどこか物憂げだった。
サユの顔を曇らす悩みの種は、意外にもモーニング帝国剣士にあったのだ。

(私たちの時代と比べると、今の帝国剣士はあまりにも弱すぎる・・・・・・
 いつか本当の敵が現れたとき、あの子たちはちゃんと国を護れるの!?)

線が細く、いかにもか弱そうなサユ王だが、彼女も数年前までは帝国剣士の一員として戦いの日々に明け暮れていた。
鏡のように磨き上げられたレイピアとマンゴーシュを両手に握り、華麗に戦場を舞っていたのだ。
サユが活躍していた頃のモーニング帝国剣士らは「プラチナ剣士」とも呼ばれ、
史上最強と名高い「黄金剣士」にも匹敵するかもしれない、という専らの噂だった。
だが、今の帝国剣士がそのレベルに達しているとはお世辞にも言い難い。

「だからこそ、今日もあの子たちを見届けないと!」

サユ王は日々の業務よりも帝国剣士や研修生らの訓練をガン見、もとい視察すること重要視している。
この国の平和を本気で願っているからこそ、過密スケジュールの合間を縫ってでも訓練場へと足を運ぶのだ。

3 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/02(土) 12:24:26
「・・・・・・これだけ?」

訓練場に入ったサユは愕然としてしまった。
汗を流す少女たちで賑わっているのを期待していたのだが、そこにはたった2人しか居なかったのだ。
モーニング帝国剣士は4+4+1の計9名で攻勢されているので、これではあまりにも物寂しい。

「あ、サユ王!」
「おはようございまーす!」

そんな中でも真面目に訓練していたのは、帝国剣士を代表する"剣士団長"の2人だ。
10代とは思えぬ貴賓と妖艶さを兼ね揃えた"実力派"のフク・アパトゥーマ。
国外に支持者が多数いるほど顔が広い"技巧派"のハルナン・シスター・ドラムホールド。
次期モーニング帝王の座はこの2人のどちらかが掴み取るだろうと噂されており、本人達もそのことは自覚していた。
だが、フクもハルナンもそれぞれの部下の扱いには手を焼いているようだった。

「2人ともご苦労様・・・・・・でもね、フクちゃん」
「はい!」
「まず、エリポンは?」
「エリポンは、今ごろ魔法の特訓をしていると思います。」
「あいつはまだそんな無駄なことを・・・・・・じゃあサヤシは?」
「寝てます。」
「やっぱりね、カノンは?」
「城下町に新しいカレー屋さんが出来たとかで、朝から並びにいってしまいました。」
「・・・・・・頭が痛いわ」

部下3名の不在理由を聞いたサユ王は頭を抱えてしまった。
フクが団長を務めるQ期団は高い身体能力を誇り、戦場ではとても頼りになるのだが
それぞれの個性が強すぎるためにこのようなことが多々あるのだ。
そしてそれは、ハルナンが団長を務める特殊戦法使い揃いの天気組団も例外ではなかった。

「サユ王、実は天気組団のアユミン、マーチャン、ハルも・・・・・・」
「言ってみなさい。ハルナン」
「今朝、3人で取っ組み合いの大喧嘩をしたようで、とても訓練に出れる状態では・・・・・・」
(この国の将来が本当に不安なの・・・・・・)

4 ◆V9ncA8v9YI:2015/05/02(土) 12:25:00
9人いるモーニング帝国剣士のうち6人が自分勝手な理由で訓練をサボったので、
サユ王は怒りを通り越して呆れ果ててしまう。

「あの子たちと比べるとフクとハルナンは真面目に訓練してて偉いわね。
 管理不届きとか言いたいことはたくさんあるけども、まぁそれは置いといて。」

叱られると思ってたところで褒められたので、フクとハルナンの表情は明るくなる。
フクがお礼の言葉を考えるより先に、ハルナンが舌を動かしだす。

「そんなことありませんよ!私の剣捌きはまだまだ未熟なので、人の10倍100倍努力しないといけません。
 剣士団長として相応しい実力を手に入れるために、お強いフクさんの胸を借りていたのです。大きな胸を。」
「そんなそんな〜ハルナンも凄いよ〜」
「いえいえ、フクさんの太刀筋をじっくり見させてもらいましたが、やはりまだまだ敵いません。流石です。」
「恥ずかしいな〜」

ハルナンが自称する通り、彼女は歴代の剣士団長の中でも最弱と言ってよいくらいに弱かった。
もちろん彼女にも彼女なりの強みというのがあるのだが、純粋なタイマン性能で言えば部下のアユミンに軍配が上がる。
では何故そんなハルナンが剣士団長というポジションに就けたのか・・・・・・それは卓越した政治力にあったのだ。
アンジュ王国や果実の国などがモーニング帝国の同盟国となったのは彼女の働きが大きく、
その功績を買われて現在のポストを獲得したのである。

(Q期団のフクと、天気組団のハルナン・・・・・・どちらにこの国を任すべきか、というのも難しい問題ね。)

難題にまたも頭を痛めるサユ王だったが、ここでふと気づく。
モーニング帝国剣士にはQ期団にも天気組団にも属していない"もう1人"がいたことを思い出したのだ。

「そういえばオダはどうしたの?」
「私ならここにいますよ。」
「ひゃ!」

前方から急に声が聞こえてきたので、サユは腰が抜けそうになるほどに驚く。
その声こそモーニング帝国剣士の新人、オダ・プロジドリのものだったのだ。


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