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【エルデンリング】黄金律最終報告リマスター版:投稿者【同人拓也】
230
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2023/02/07(火) 02:23:56 ID:QK9dodVU
マレニア「うぐうぅ!」
燃える大ルーンをぶち込まれたマレニアは胸を抱えて悶絶。
全身からルーンの風を巻き起こしながら、左手を砂につけて荒く息を上げる。後ろの騎士達はアレキサンダーと一緒に「おおおお…」って、偉大な何かを見たみたいな声を上げて、ネフェリとマネージャーはオレと同じでマレニアをじっと見つめた。
ルーンの嵐が全部マレニアに吸い込まれると、マレニアはゆっくりとガタイを起こして自分の左手を見る。それからオレ達にゆっくり振り返ったけど、顔の腐敗はほとんど無くなってて顔色まで良くなっていた。それを見たブライヴは腕を組むと「また、それらしい逸話が生まれたようだ」って言いながらニヤつき始めて、なんなんだよって聞くと、ブライヴは赤獅子城に向かって歩いて行った。
ブライヴ「俺はラニの指示を仰ぎに行くとしよう」
ブライヴ「己の燃え盛る大ルーンで、宿敵の腐敗を抑えるなどという英雄的行いを見せつけられては、もはやラダーンを斬ろうにも、気乗りせんのでな」
涙が止まって口も半開きなマレニアが、ブライヴの声でラダーンにまた振り返ると、ラダーンは砂に刺さった義手を摘み上げて、ライターを掃除するみたいに指で撫でていた。「お…おおお…!」ってマネージャーは息を吸いながら驚きまくり。お祭りおじさんは涙を流していた。
マレニア「…どうして…」
呆然顔で見上げてくるマレニアを無視して、ラダーンは義手をマレニアの右肩にハメる。
それから側にいるデカ馬を撫でると、馬はステップを踏んで頭を上下させながら、なんだか嬉しそうにしてる。
マレニア「どうしてだ…なぜだ…」
マレニア「私は…私は貴公を…」
ラダーンは足首の無い両脚に紫色の光を纏わせて、立ち上がってマレニアを見下ろす。
それからマレニアの背中を2回、軽く指で叩いてから、馬の痩せたガタイの砂埃を払う。
マレニア「ラダーン…なぜなんだラダーン…なぜ私を殺さないんだ…」
ラダーンはまたマレニアを無視して、砂に手を突っ込んで穴を掘り、カピカピに乾いた死体を掘り出していく。それを見た騎士や兵士も一斉に散らばって、そこら中で砂掘り大会が始まった。マレニアが死ななくてもいい感じな空気になってきてるのはいいけど、オレにもなんでラダーンがマレニアを殺さないのかが分からない。赤い鎧だったり金色の鎧だったりを着たミイラ状態の遺体が次々掘り出されて、砂丘の端っこに向かって運ばれていく。ラダーンもある程度の数を掘り出すと、遺体を抱えて兵士達について行く。その様子を見てるだけの俺たちの前で、マレニアがお祭りおじさんに「なぜ、私は生かされたのだ…」って話しかける。おじさんは遠ざかっていくラダーンの背中を眺めていた。
ジェーレン「ラダーン将軍は、おぬしを許してはおらん。おぬしを許せば、この地に死した戦士達が、民が浮かばれぬ」
ジェーレン「だが腐敗の悪夢が晴れた今、将軍はおぬしを責めてもおらぬ」
ジェーレン「生きて償え、マレニアよ。赤獅子はここで腐敗をとどめる。お前も生きて、腐敗をとどめよ」
ジェーレン「将軍の慈悲を、次こそは無下にしてくれるなよ」
そう言っておじさんはラダーンの後を追って、オレ達もマレニアに駆け寄る。
マネージャーに後ろから抱きしめられたマレニアは、その瞬間に何かに気付いて、ひざまづいたまま両手を砂につけた。
マレニア「…あの時…」
マレニア「あの時、剣を置いたのは……私のため…だったのか…」
マレニア「私を…ずっと…気遣って……」
信じてやれなかった敵の中に真実を見て、気付けばマレニアはまた涙をポロポロ流してる。マレニアは出会った時からほぼ毎日メチャクチャ落ち込んでるから、重すぎる空気と不安から一気に解放されてテンションに↑が入ってる拓也に「オマエ、その涙腺がいつまでも乾く時がねえな!」って言われると、コイツすすり泣きながら鼻水まで垂らしてる。もうアレキサンダーの中でのマレニアのイメージも地に落ちてるぜ!ネフェリもモノスゲー重い肩の荷を降ろしたみたいで、オレ達に背中向けて腕組みの姿勢でため息をついていた。もうこういうのは勘弁してくれよな!マジでビビったし哀しかったんだぜ!
マレニアの鼻をすする音を背後から聞きながら、拓也は遠くで小さく動くラダーンを見つめる。ラダーンは敵と味方の遺体を文句も言わずに運んで、弔うために丁寧に並べていく。オレ達の方には目もくれず腐敗に軋むガタイも無視して、誰よりも傷つきながら戦場であってもエチケットを守るその姿に、拓也はお父さんにも見たことがない本当の男の姿を見る。心に熱が入ってきて、オレもいつか、ああいうデカくて熱い背中になりたいなって思ったぜ。
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