したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【エルデンリング】黄金律最終報告リマスター版:投稿者【同人拓也】

229名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/02/07(火) 02:17:26 ID:QK9dodVU

「ラダーン…私は、間違っていた…」

「何もかも全て…間違ってしまった…」

「私は貴公の民を、友を、故郷を壊してしまった…久遠に変わることのない、苦しみをもたらした…」

「貴公に、ケイリッドに…皆には何の咎も無かったというのに…」

「私は……そんな貴公らを…朱き…腐敗に…」

話の途中で堪えきれなくなって、マレニアはラダーンから顔をそらして溢れる涙を手で拭う。なんか分かんねーけど正気になったみたいなラダーンと、自暴自棄になりまくっているマレニアの間に割って入ることなんて出来なくて、拓也はやっぱり見ていることしかできない。止められるかもって考える段階はとっくの昔に遠くに去って、気付いた時には消えていた。マレニアは涙を拭い終わってラダーンをまた見上げたけど、涙はまたすぐに溢れ始める。

「…私は生きてるだけで、誰かを、皆を傷つけるんだ…」

「兄様も…ミリセントも…私を信じた者たちも…」

「貴公が愛した者たちも皆、私のせいで死んでしまった…」

「私は間違っていた…腐敗を持って生まれてきたことが、すでに誤ちだったんだ…」

「だから…貴公にしか…貴公にこそ、頼みたいんだ…」


マレニアは左手で義手の肩を掴むと、義手を外して砂に落とす。
金属が小石に当たる音が小さく響いて、義手の刀が砂に埋まる。


「ラダーン…私を、殺してくれないか…」

「…私など、いなくなってしまった方がいい…」

「もう生きていたくない…もう誰からも奪いたくない…苦しめたくないんだ…」

「…病巣は、焼かれなくてはならない…」

「…そうだろう…?」


涙まみれのマレニアの微笑みは諦め一色に彩られていて、それを見たラダーンも深呼吸を入れる。ラダーンの山脈ガタイから腐敗の匂いのする風が吹いて、その場にいる全員の髪が揺れる。拓也は静かに覚悟して、あれだけ騒いでたマネージャーもひとことだって声をあげない。マレニアを殺してほしくはないけど、マレニアを生かすも殺すも権利はラダーンにだけあるし、どんな結果になっても俺たちは逆らうことは出来なくて、ラダーンの圧倒的バワーの前にはM奴隷になるしかない。ブライヴも、アレキサンダーも、ネフェリも黙ったままラダーンの一挙手一投足を見つめる。全員の視線を集めるラダーンは右手に握り拳を作ると、拳は激しい炎を纏う。

マレニアがその場に跪いたら、みんなは一歩身を引いて、拓也はその場に動けずにいた。
ラダーンは燃える右拳を胸元に持っていって、見たこともない恐ろしい形相で拳に力を込める。
拳の炎はさらに赤みを増していって物凄い轟音を立てながら燃えまくり、太陽みたいになっていく。

「…ありがとう…」


感謝しながらマレニアが目を閉じると、ラダーンは燃える拳を振り上げて、拳を開いた。開かれた拳を見てお祭りおじさんが驚愕の声を上げると、今度はオレも入れた全員がラダーンの燃える掌に釘付けになり、口々に息を飲む。マレニアにも息遣いは聞こえてたみたいで、うっすら眼を開いてから、すぐに視線を奪われてカッと見開く。

開かれた燃える掌には、真っ赤に燃える大ルーンが光っていた。

ラダーンはその燃える右掌を、マレニアの胸に叩きつけた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板