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【エルデンリング】黄金律最終報告リマスター版:投稿者【同人拓也】

222名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/02/05(日) 06:27:24 ID:0LCL7WDg


マジ?これって謀り?マレニアはフラフラっと後ろに下がって、義手はブランと垂れ下がって左手はフルフルと震える。俺達は咄嗟に駆け寄ったけど、駆け寄っただけで、かける言葉が見つからない。


マレニア「…何を…お前は…」

モーグ「この血の君主に信奉者はいれど、腹心などおらぬ…我が王朝は私とミケラだけのもの…」

モーグ「血の貴族を称する者達に、私が真実を語る道理はない。語れば、王朝の秘匿が、どこぞの輩に破られるかもしれぬのでな」

話しながらモーグは咳をする。
口からは更に血が流れて、顔の表面には極小の赤いデキモノがいくつか現れ始める。

モーグ「ゆえに、聞き出した真実などというのは、我が王朝には存在せぬ」

モーグ「全ては、破砕戦争を誰も勝ち得ぬもとして、王朝を完全なものとするための布石」

モーグ「謀よ…」

マレニアがその場に崩れ落ちて、ネフェリに背中を抱き止められる。
呼吸は浅く乱れて、顔色は人形みたいに白くなってて、開かれた両目からは涙が伝う。

マレニア「嘘だ…」

マレニア「そのようなことは、ありえぬ…ラダーンは…」


モーグ「フフッ、ラダーンか…」

モーグ「彼奴は悪意ある星々に対し、無力となりつつあった黄金律を、見限ったに過ぎぬ」

モーグ「サリアを襲いし流星にも、エルデの全土に降り注ぐ星々にも、黄金律は無力であり、ラダーンの星砕きの力も無限ではない」

モーグ「希少な重力魔術の使い手がいかに奮起したとて、それでは手が足りぬ。全土を襲う星々を、星々から生じる獣を、悪意と共に来たるアステールの全てを、打ち破ることはできぬ」

モーグの腐敗は更に進んで、赤いデキモノは少しづつ増えてきて、ツノもとうとう一本落ちる。それでもモーグの顔からは勝ち誇った表情が剥がれない。今のコイツは俺たちを、何よりマレニアを弄ぶために自分の命を全部使う気でいる、プロ超えのチョーS野朗だ。

モーグ「ゆえに彼奴は望んだのだ。黄金樹を有する王都を襲い、王位を簒奪し、全土を護る新たな王として君臨することを」

モーグ「ラダーンは黄金律に反旗を翻した。ゆえに律に楯突く裏切り者ではあろう。だがお前の腐敗に落とされるいわれは微塵も無い」

モーグ「マレニアよ。お前はそのような者のいる地を襲ったのだ。お前に奪われる故など無い者たちから、お前は全てを奪ったのだ」

モーグ「土地を枯らし、老兵の首を取り、女子供を腐らせ、彼らの支えとなった男に、尽きることのない苦しみを与えた」

モーグ「故郷も、尊厳も、歴史をも消し去り、全てを泡吹く肉塊と、悪臭を放つ汚泥の山と、蠢く菌糸に永久に変えたのだ」

モーグ「敵と疑わしき者がいる。ただ、それだけのために」


俺たちはハメられた。座っているのも辛くなったマレニアが、床に手をついて涙垂れ流してすすり泣く。全部モーグのデチ上げで、全部ウソなんじゃねーかって可能性も一応考えたけど、ここに来る前のマレニアの話とケイリッドで見た激腐れな光景がそれを否定してくる。

頭の中に、ミリセントと睨み合いになってる最中に大剣を手離したラダーンの姿が映る。なんでラダーンはあの時剣を離したのか、どうしてミリセントを斬らなかったのか、その疑問にモーグの話が組み合わされて残酷な妄想ゲームの始まり。マジで陰惨な可能性が乾くことなく拓也の思考に垂れ流される。

ラダーンは本当は、マレニアが騙されてることを知ってたのかもしれない。でも当時は世界中が破砕戦争でマジ狂い状態だし、しかもお互い敵同士で、マレニアは確かな情報をモーグの部下から聞き出してると信じてた。だからラダーンが口で言っても、マレニアはラダーンを信じなかったのかもしれない。だからラダーンはマレニアのことも見逃そうとしたのかもしれない。あの時の慟哭砂丘でミリセントを見逃そうとしたみたいに。


モーグの頭からツノがまとまって落ちると、その口からもドクッと血が溢れて、口の牙も抜け落ちる。
顔のブツブツは大きいキノコみたいになっていく。


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