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エロゲー「絶対特権主張しますっ!」
19
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/12(水) 23:16:07 ID:M.tlkgUI
藍子「もう逃がしませんよ〜」
茜「出口もばっちり抑えてます」フンス
裕子「むむむーん、サイキックで鍵も掛けておきました!」
愛梨「今日こそははっきり決めてもらいますぅ〜」
輝子「ふひひ、まいふれんずは私を選んでくれるよな…」
20
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/12(水) 23:21:59 ID:ZYeTGrXc
藍子「あなたなんかに◯◯くんは渡しません…!」
愛梨「どうして私と◯◯くんの仲を邪魔するんですかぁ…?」
こんな感じですか
21
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/12(水) 23:25:26 ID:94sxMzhQ
いいですね……
22
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/12(水) 23:47:26 ID:EzYN.Bzo
>>10
シールグランデだゾ
23
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 00:07:18 ID:960Q.x46
藍子「昔ここでよく遊んでましたよね…懐かしいなぁ…」
24
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 00:15:39 ID:CYdXQEMk
全員ヤンデレ状態でED迎えたら監禁EDになりそう
25
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 01:53:30 ID:960Q.x46
全員ヤンデレ
26
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 01:59:45 ID:JdGevuS6
固有結界(監禁)
27
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 02:09:53 ID:VHBOtkTY
朝学校に行こうと誘いに来て母親が「まだ寝てるのよー起こしてやって」
で部屋に誘い込んだ所で藍子に一発目の中出し
体育の時間にこっそりトイレに行った茜を尾行して個室に一緒に入り込んで鍵をかけ二発目の中出し
夜更かしで授業をサボって保健室で休んでいる愛梨の布団の中に忍び込んで三発目の中出し
昼休みにサイキックでスプーンを曲げられるかを賭けて負かしたゆっこに学校の裏で四発目の中出し
「学校帰りに家寄っていい?ゲーム貸してよ」で輝子の家に上がり込んで五発目の中出し
これを毎日繰り返して全員に孕んで頂きます(マジキチスマイル)
28
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 03:09:28 ID:resxzeHU
藍子ちゃんに騎乗位でふぁいっ!ふぁいっ!されてぇけどなぁー!(池沼大声)
29
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 16:04:19 ID:ZuRES9wM
とときんと藍子は一歩間違えたら即ヤンデレになりそう
30
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 16:11:44 ID:SOzeS4gI
とときんのカバー曲にPure Snowを選ぶとかいう名采配
http://petitlyrics.com/lyrics/1104646
31
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 16:40:07 ID:ERKU0q5c
主人公(あれ、愛梨先輩?こんな夜更けにどこへ行くんだろう?コンビニかな?)
主人公(なんとなく着いてきちゃったけど、なんで学校に…忘れ物にしたって今は入れないだろうに)
主人公(校舎じゃなくてあっちは部室棟か、やっぱり忘れ物かな)
主人公(明かりがついてる部屋がある…あれは、うちの部室じゃないか)
32
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 17:25:38 ID:ZuRES9wM
続き書いてくれよな〜頼むよ^〜
33
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 20:50:21 ID:b8TwbWW.
>>18
様
>>20
様のアイディアをお借りして
「さて、ちょっと急ぐか。藍子のことだし、たぶん先に待っててくれてるかな」
スマホのディスプレイは、待ち合わせの5分前を表示していた。
今からのんびり歩いたって校門前には余裕で間に合うけど、行き交う生徒達を眺めながら待っているであろう藍子の姿を想像したら、僕はちょっと嬉しくなった。
小走りで階段を下りて、廊下を抜けて昇降口へと向かおうとした、その時。
「あっ、いたいた。良かった〜、帰っちゃったかと思ったよ〜」
僕は驚いてのけ反りそうになった。学年は違うはずなのに、2年の昇降口で十時先輩と鉢合わせするだなんて思いもしなかった。
甘い声で僕を呼び止めた十時先輩が上目遣いで僕の顔を覗き込んでくる。
「ねぇ、そんなに急いでどうしちゃったの? なにか大切な約束でもあるの?」
「あっ、その、クラスメイトと帰りの待ち合わせをしていて……」
「ふぅ〜ん」
蠱惑的な、っていう言葉が合うんだろうか。
どこかぽわんとした雰囲気なのに、それでいて艶かしい十時先輩の視線が、僕を舐め尽くす。
「そのクラスメイトってぇ、あの幼馴染って言ってた、藍子ちゃん?」
「……っ、は、はい」
僕はどぎまぎしながら、なんとか返事をする。
なんだろう。最近の十時先輩からは、不思議な凄みみたいなものを感じる。
学園内のミスコンで優勝したほどの魅力の持ち主なのはわかるけど、それを差し引いたって、この雰囲気は僕には全く経験がないものだった。
幼馴染の藍子とも、クラスメイトの茜とも、後輩たちの裕子や輝子とも違う、なにか別の……。
「ふふっ、ほらダメだよ?」
十時先輩が微笑んだ。目を細めて楽しそうな笑顔が目の前で僕に向かって振り撒かれている。
すっ、と瞼が開いて十時先輩と僕の視線がぶつかった。
「別の女の子のこと、考えちゃだめだよ」
言葉と共に身体を射抜かれたような感覚が走る。
微かに香る匂いと耳を擽る声が身体を締め付けるようで、ここから一歩も動けそうにない。
そういえば一体今は何時なんだろう。
考えちゃだめと言われても、脳裏によぎるのは藍子との約束だった。藍子はまだ待ってくれているだろうか。
34
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 20:54:07 ID:0sjyrJ.c
あぁ^〜
35
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 20:55:47 ID:XWrCxv6g
また文豪か嬉しいなぁ…
36
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 20:55:51 ID:WVDk0auE
もっとちょうだい!
37
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 21:20:09 ID:dd/u3fZI
もっと…もっと…
38
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 21:50:38 ID:Y9RJ4Phc
ああ欲しい…
39
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 21:54:03 ID:Fcep.5pw
ああ(不倫は)いけません!
40
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 21:57:39 ID:2sO9pHDA
かまいたちの夜のバッドエンド的なのを感じる
41
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 22:08:57 ID:Ofo9gYpo
続き貼ってください!(大声)
42
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 22:28:22 ID:dd/u3fZI
愛梨と藍子は男子にモテてファンクラブとかありそう
茜も何だかんだモテてそう
43
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 22:37:18 ID:b8TwbWW.
ヌッ
44
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 22:42:54 ID:sBFxxm6o
ユッコと輝子は「あいつの良さがわかってるのは俺だけ」みたいな奴が114人くらいいそう
45
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 22:48:47 ID:b8TwbWW.
十時先輩が僕に歩み寄る。
漂う香りがいっそう近くなる。濡れて艶めく唇、柔らかい色のスプリングセーター、張りがある胸。
十時先輩のいろんな要素が、僕にとって今まで経験の無い刺激となって押し寄せる。それらが重なりあって、有無を言わせない魔性の凄みに僕は呑まれそうになる。
差し出された十時先輩の手のひらに向かって、ゆらりと僕も手を伸ばす。
その瞬間。
「あら、こんなところにいたんですか」
その声で、ガラス張りのドームが粉々に砕けたかのように、周りの情報が、十時先輩以外の情報が僕の五感へと流れ込んできた。
僕にとっては、家族を除いて、いや、家族を含めてもきっと、最も聞き慣れた声だから。まさか聞き間違えるはずなんてなかった。
「ああ……、藍子……!」
背後から飛んできた声の方へと振り向くと、やっぱりそこには藍子がいた。
十時先輩の雰囲気に浮かされた頭で、僕はなんとか二の言を次いだ。
「藍子、ごめん。待ち合わせのこと忘れたわけじゃなかったんだけど」
「大丈夫、わかってるよ。いつもはちゃんと来てくれるもん。きっと何かあったんだろうなって思って、私、来ちゃった」
ふわり、と春の柔らかい日差しのような微笑みを藍子が僕に向ける。
僕は毎日見ている、でも毎日でも見たいようなこの笑顔が、僕に平穏をもたらしてくれた。
それなのに。
心の奥底から聞こえる、かすかな異音はなんなんだろうか。
46
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 22:51:51 ID:jl333DtI
いいゾ〜これ
47
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 22:55:17 ID:b8TwbWW.
「あの……ちょっといいですか?」
するり、と。ほんの狭い隙間に、甘い誘惑的な声が滑り込んできた。十時先輩は、いつの間にか僕のすぐ近く真後ろに立っていた。
「あ、あのっ、と、と、十時先輩っ!?」
僕が情けない声を上げた時にはすでに、十時先輩の両腕が僕の身体に巻き付いていた。背中に感じる、熱い感触。柔らかいのに、まるで焼印でも押されているかのような。
ほんの数秒前までは、僕は間違いなくこのまま藍子と二人で家路につくつもりだった。
なのに。なにをこんなにも違和感を感じるんだろう。十時先輩の、グラマラスな身体に酔いそうになっているだけじゃなくて。
なにか重大な事に気づいていないかのような。
「ねぇ、藍子ちゃん。私はね、ただこの子ともう少し仲良くなりたいだけなんですよ? 藍子ちゃんがずぅっと一緒だから、きっと女の子の友達少ないでしょ」
「……」
藍子は口を一文字に結んで押し黙っていた。
―――そうか。わかってしまった。僕の心の中から聞こえた、微かな異音の正体が。
48
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 22:56:17 ID:P20t3M6.
初代様の貫録しゅごい(失禁)
49
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:05:31 ID:b8TwbWW.
「―――この子、この学園に入学して以来、一度も他の子と一緒に下校したことないんじゃないですか?」
僕の脳内をそのまま読み上げたかのように、十時先輩が言った。
心底楽しそうに、くすくすと笑いながら言葉は続く。
「というより、もしかしたらぁ、中学校とか、もっと前からそうだったりして……まさか、ね?」
背中越しに抱き留められているから、十時先輩の表情は窺い知れないけど、きっとさっき僕に向けたものみたいな微笑みを、藍子にも投げかけているんだろう。
「私は、この子が、たまには他の女の子と一緒に帰ってみたい、って思ってるように見えてたんだけど……どうして私たちの仲を邪魔するんですかぁ……?」
十時先輩が喋る度に、僕の耳元がくすぐられる。
吐息が耳にかかる度に、僕の気持ちは揺らいでいく。
「それとこれとは関係ありません。私が先に今日も一緒に帰る約束をしていたんです。十時先輩には渡しませんよ」
普段の柔らかい物腰からは想像もつかない、凛とした態度で藍子が応える。
50
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:08:27 ID:b8TwbWW.
僕は―――
1.いつも通り藍子と一緒に帰る
2.今日は十時先輩と帰ってみたい
ちょっと席を外します。30分くらいで戻ってきますので、それを目安に皆様方に選んでいただきたいと思います。皆様コメントなどありがとうございます。
51
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:13:25 ID:1yhrkbvI
なんだってここの文豪はドロドロ展開を書くのがうめぇんだよ!
畜生胃のキリキリがハンパねぇ!
52
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:15:42 ID:jl333DtI
約束は約束ということで藍子と帰って
翌日からさらにとときんがアタックしてくる感じで
53
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:17:47 ID:XWrCxv6g
胃が痛くなる展開いいゾ〜これ
個人的には1で
54
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:21:31 ID:dd/u3fZI
いいゾ〜これ
約束なので1で
55
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:29:40 ID:Fcep.5pw
溢れ出るリビドーを抑えられないので2
56
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:32:38 ID:sBFxxm6o
愛梨にみんなで行ったカラオケの場でpuresnow歌って欲しいので1で
57
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:33:06 ID:jQIcz/1w
約束を破るのは人として不味いので、1でオナシャス!
58
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:37:55 ID:oAEdM/F.
王道を往く……幼馴染みですかね
1
59
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:42:55 ID:b8TwbWW.
お待たせしました。1の藍子ルートで行きます。
書き溜めは全くないので長らくお待たせしてしまうかと思いますが、スレが落ちない限りは必ず完結させる所存ですので何卒お付き合いください。
60
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:57:18 ID:b8TwbWW.
たびたび失礼します。先述の通り長時間お待たせしてしまうかと思いますので、もしお暇がありましたらこちらのスレのSSをどうかよろしくお願いいたします。
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/20196/1492020271/l30
初めてのスレ立てでしたので至らぬ点があるかとは思いますが、楽しんでいただけたならば幸いです。
61
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/13(木) 23:59:06 ID:dd/u3fZI
オナシャス!
62
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/14(金) 00:50:16 ID:LW.Lss52
age
63
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/14(金) 01:54:54 ID:2mXAGiGE
藍子の凛々しい視線が僕をまっすぐ捉えてくる。これまで長い付き合いの中で、いろんな藍子を見てきたけど、こんな表情は初めて見る。
自分に素直な藍子だから、顔を見ればどんなことを思っているかはだいたい分かっちゃう自信があったけれど、今回ばかりは、彼女が何を想うのかを汲むことはできなかった。しいて言うならば、いろんな感情が混ざり合っているような……。
思えば、これまで毎日のように藍子の笑顔を見てきたけど、二つとして同じ笑顔はなかったはずだ。毎日会っているからって、付き合いが長いからって、僕は藍子の全てを知ったわけじゃないんだ。今日初めてこんな表情を見たように、これからも藍子と一緒にキラキラと眩しいものを見つけに行きたい。
「ちょっと、ねぇってば」
背後から十時先輩の少し焦ったような声がして、ふと気が付いた。
そうだった、僕はずっと十時先輩に捕まっていたんだった。首をひねって表情を窺うと、どうやら何回も僕に呼び掛けていたらしく、怪訝な顔をしていた。
さっきまで僕はあんなにドキドキしていたのに、今はそんなことも忘れ去るくらいに、僕の心は藍子でいっぱいに満たされていた。
「ごめんなさい、お待たせしちゃって」
努めて冷静に僕は答えて、もう一回藍子にまっすぐ向き合った。僕のおなかの前に回されていた十時先輩の両腕に、そっと手を乗せる。それを見た藍子の表情が一瞬だけ、奥歯を噛みしめたように歪んだ。僕は掴んだ十時先輩の腕をゆっくり振りほどき、そしてそっと離した。収まりどころを失った両手をきょとんとして眺める先輩が、不思議そうに尋ねる。
64
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/14(金) 01:56:27 ID:2mXAGiGE
「あれっ、私と一緒に帰ってくれないの?」
「はい、そういうお気持ちは嬉しかったですし、他の人と一緒に帰ってみたい気持ちも嘘じゃありません」
「じゃあだったら!」
「ごめんなさい、先輩。それでも僕は、今日も藍子と一緒に帰りたいです」
もう僕は揺れなかった。思えば、ここ数日の優柔不断な僕の態度にだって少しばかりは責任がある。だから断るならば、しっかりと伝えなきゃ。
「だから、また今度誘ってください。女の子の友達が少ないのも事実ですし、先輩ともぜひ仲良くしたいです」
僕の言葉を受けて、一瞬信じられないようなものを見るかのような表情をした十時先輩だった。しかし、小さくため息をついたあとに、少し寂しそうな笑顔を浮かべてくれた。
「……そうですかぁ、やっぱり最近のはちょっと強引すぎたんですね」
そう言って可愛く肩をすくめる先輩は、さっきまでの艶めかしさや凄みは無く、いつも通りのちょっと抜けていておっちょこちょいな十時愛梨先輩だった。
なんだ、ちゃんと話せばわかってくれるじゃないか。
「じゃぁ、またいつか、って言ってもいつ頃になるんだろうねぇ。うーん……ちょっとわからないけど、その時は声かけるね」
「はい、よろしくお願いします」
「うん、またね、二人とも。―――これからも仲良くしようね!」
十時先輩は満面の笑みを向けて、踵を返して廊下を歩いてゆく。三歩ほど歩いたところで、ピタリと足が止まった。何かを思い出したように、あっ、と声を上げてからこちらへと振り返る。何事かと思いながら見ていたら、十時先輩は慣れた仕草でウィンクと一緒に投げキッスをしてきた。
そして満足したようにニッコリと笑い、学園内へと戻っていった。
ただ、今の投げキッスは、僕じゃなく藍子に向けたものだったように見えた。先輩らしいというか、おっちょこちょいというか。そんなところが魅力なんだろうなと、改めて思った。
ふうっ、と大きなため息をついてから、背後を振り返る。困ったような、苦笑いが混じったような、でも、なぜか寂しそうな顔で、そこに藍子は立っていた。
65
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/14(金) 07:31:49 ID:qPb8kR8Q
ええぞ!ええぞ!
66
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/14(金) 16:51:28 ID:yanEb6nI
やだもう最高かわいい…
67
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/14(金) 23:09:37 ID:JWd9k2wE
文豪いいゾ〜
68
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 01:40:30 ID:CLDHGJGA
これもう完結?
69
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 01:57:12 ID:83GQhcIU
NTRが見たかったんだよなぁ
なんでお前らはこう度胸がねぇんだ!
70
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 01:58:48 ID:kJET7xgg
文豪ええやん!なんぼなん?
71
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 02:04:49 ID:s.mAdMh.
>>69
1.からの2.もあり得るから多少はね?
72
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 02:11:44 ID:yarqcX3o
興奮してきた
おちんぽオベリスク
73
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 04:47:45 ID:z/R.woaI
>>64
から
「藍子、あのさ」
「ううん、何も言わなくていいよ。ちゃんと分かってるから」
ゆるく首を振って、僕の言葉を制する藍子。柔らかくて、優しくて、包み込むような藍子の言葉が、今の僕には愛おしく感じるものだった。
「待たせてごめんね、一緒に帰ろう」
「うん! 帰ったら二人だけでゆっくりお話ししようね」
藍子が手を伸ばし、僕の手を取る。そのまま指が絡んできて、いわゆる恋人繋ぎの状態になった。藍子は少し照れたようにうっすら頬を染めて、僕を見つめている。
ふと何かを見つけたような表情をしてから、ぐいっと背伸びをした藍子の顔が僕に近づいてきて―――鼻の先と先が触れ合いそうになるくらいの距離で止まった。
「……ほんのちょっとだけ、十時先輩の香りが残ってるね」
「本当に!? そんなことよく分かるね」
急な接近に少しだけ緊張しながら、僕は自分のブレザーの胸元をつまんで鼻に押し付けた。
「うーん、わからないや。すごいね藍子」
「うん……でも……」
寂しそうに答える藍子は、なぜか不満そうな様子だ。僕は純粋にすごいと思ったんだけど、なにか変なことを言ってしまっただろうか。
「ごめんね、なんでもないよ。このまま手を繋いで帰ろう?」
「このままかぁ、ちょっと恥ずかしくないかな」
「全然恥ずかしくなんかないよ。むしろね……」
するり、と。藍子の指がいったん解かれた、と思っていたら、華奢でしなやかな腕が、あれよあれよという間に僕の腕に絡みついた。
指先は恋人繋ぎ、繋いだほうの腕は組んで、僕らの身体がくっついた体勢ができあがっていた。
「これくらいしないとダメかな、って。ちゃあんと見てもらわなきゃ、ね?」
藍子が嬉しそうにふんわりと笑った。笑顔そのものは穏やかなものだけど、それが心から喜んでいるものなんだと、僕にはわかった。他の人には分かりづらい違いが分かるっていうのは、幼馴染の特権だ。
「いいよ。やっぱり僕はちょっと照れるけど、藍子がそうしたいならこれで行こうか」
「ふふっ、ありがとう」
「でもさ、見てもらう、って誰に見せつけるの? クラスメイトとかにからかわれそうなんだけど」
「―――それはもちろん」
言葉を途中で止めて、藍子が校舎を振り返る。緩くウェーブのかかった髪が揺れて、すっ、と藍子の目が細まった。
「―――みんなに、だよ」
そこには、本当に、本当に嬉しそうな藍子の表情があった。春の優しい風が僕らを吹き付けて、藍子の髪がはためく。
こんなにも可愛くて、幸せそうな顔が見られるんだったら、ちょっとくらい恥ずかしかったとしても、藍子のお願いをできる限り聞いてあげたいな。
そう思いながら、僕は藍子の手を引いて、二人の家路についたのだった。
74
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 04:51:39 ID:z/R.woaI
「―――ふぅ〜ん、なるほど。藍子ちゃんも、なかなか見せつけてくれるじゃないですかぁ」
学園の校舎の三階。
廊下側の開け放った窓枠に腕を乗せてもたれかかった学生が、楽しそうに呟いた。
「私が校舎に戻っていったところ、ちゃあんと見ていたんですねぇ」
くすくすと笑いながら。まるで自分の子どもを褒めるかのような口ぶりで、学生は晴れ渡った春の空に向かって話す。
「確かにぃ、アレは宣戦布告のつもりでしたし、藍子ちゃんは気づいてくれてたんだね」
校門近くを歩く男女が、視界の届く範囲から消え去ったのを見とめたあと、ふう、と息をついて、スプリングセーターの袖口がまとった埃をぱんぱんと払う。
「もっとおとなしい子だと思っていたんだけどなぁ。まぁでも、先に仕掛けたのは私のほうですもんね。だから……」
埃が落ちたのを確認して、よし、と学生は小さく声を上げた。
「―――これからも、仲良くしようねぇ、二人ともっ」
学生はにっこりと笑って、立ち去っていった。
75
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 05:54:55 ID:ew9jP3PU
もう終わってる!
茜ユッコ輝子の修羅場も待ってますね
76
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 06:03:04 ID:z/R.woaI
あ、すみません。私はいちおうまだ続くつもりではいるというか、むしろこれからというつもりなのですが、皆様はいかがでしょうか。
終わるときには分かるようにエンドマークをつけるようにします。
77
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 06:04:57 ID:7DyGhTuM
続き、期待溜めて待つぜ。
78
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 06:23:03 ID:z/R.woaI
スマホから失礼します。ID違いますが投稿者です。
リアル多忙なのと私の遅筆でお待たせしてしまいますが、お付き合いいただけたら幸いです。
今日もこれから出掛けますので、一旦区切らせていただきます。
79
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 06:25:12 ID:z/R.woaI
ID同じでしたね……そらそうか
80
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 07:24:37 ID:LwksYiFc
乙シャス!
81
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 07:28:53 ID:UcreZAsA
お〜ええやん
82
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 08:10:22 ID:kJET7xgg
お前のSSが好きだったんだよ!
続きもお待ちしてナス!
83
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 13:13:12 ID:nVgTm322
修羅場大好き
84
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/15(土) 14:52:16 ID:QnZG85Ms
とときんに逆NTR仕掛けられたいけどな〜俺もな〜
85
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/16(日) 13:00:43 ID:307lYL/Q
あくしろよ
86
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/17(月) 22:39:49 ID:awM0RNOw
SS投稿者です。今夜続きを上げるつもりでいます。ホモのお兄さんゆるして
87
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/17(月) 23:59:05 ID:z9LdwrRo
>>86
早くしろ〜?
88
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 00:22:52 ID:TCVd13cU
>>74
から
なんだかんだで今日も一緒に帰ってきた僕らは、これまでに増して情熱的な藍子の手を、結局一瞬たりとも離すことはなかった。
二人で他愛もない話をしながらも、うっすら汗ばむ指先と、細くて柔らかい指に僕はドキドキしっぱなしだった。
僕が住む家の前を通り過ぎてから、ほんの30メートルくらいのところに藍子の住む家がある。
どちらが言い出したわけでもなく、まるで示し合わせていたみたいに、いつも通り藍子の部屋に上がりこんでいた。いつもと言っても、僕の部屋と藍子の部屋と半々くらいの頻度だけど。
オレンジや淡い黄色、木目調の家具といった、優しい暖色系に統一された藍子の部屋。
目新しさはないけれど、心安らぐ空間が広がっている。
その中で、部屋の主である藍子は、丸いテーブルの向かい側にちょこんと座って、視線を行ったり来たりと、落ち着きがなかった。
「なんか藍子、自分の部屋なのに緊張してる?」
「そっ、そんなことないよ」
「なんだよー、藍子の部屋で二人きりなのも、僕にとってはもう慣れっこだって」
「それは……そうなんだけど……」
89
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 00:34:22 ID:TCVd13cU
まるで、子リスや子ウサギをイメージさせるような、そわそわとした藍子が可愛くって、僕はからかうように続けた。
「いつもは招かれた人たちがそわそわしてるのにね。前に話してくれた、茜とか友達が藍子の部屋に遊びに来た時の話。『落ち着きすぎて落ち着かない』だっけ? あれ未だに笑っちゃうんだよね」
「……うん」
「今日は真逆かぁ。なんかちょっと新鮮かも」
「……ねぇ、もうちょっと近くに行ってもいい?」
「えっ、もちろんいいけど」
緊張をほぐそうとして、面白おかしく切り出した話は、藍子のどこかかみ合わない返答によって唐突に打ち切られてしまった。
どうしたんだろう。話題を間違えたつもりもないし、なにか気に障ることを言っちゃったんだろうか、と考えていると、テーブルの向かい側から歩み寄ってきた藍子が、無言で僕に身を寄せてきた。
辺りを包み込んだ香りと、カーディガン越しの暖かさが僕にまとわりついた。
けれども、僕の身体に寄りかかってはいるのに、身体がこわばっている様子が、ドキドキするよりも先に、心配が浮かんでしまう。
「……藍子、やっぱりいつもとちょっと違うよ。こんな風にぎくしゃくしてる藍子、初めて見るよ」
普段の藍子は、快活でそれでいて穏やかな雰囲気なのに、今日はなぜか焦っているというか、どこか空回りしているというか。
こんなにも近い距離にいるのに、今だけは、藍子が何を想っているのかを推し量ることができない。
90
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 00:48:11 ID:TCVd13cU
「あっ……あのね、びっくりしないで聞いてくれる?」
ふいに、僕のワイシャツがギュッとつかまれた。藍子の細い指がかすかに震えている。
不安げに揺れた藍子の瞳が、ただならぬなにかを訴えかけている。
「きっと大切な話なんでしょ? ちゃんと聞くから全部話して欲しいな、藍子」
「うん……」
藍子は息をすうっ、と吸い込んでから、僕の顔をまっすぐに見つめてきた。
「私ね……あなたが私以外の女の子と仲良くしてるところを見てると、すごく……嫌な気持ちになっちゃうの」
「……え?」
「その、変なのはわかってるんだけどっ、でも私、苦しいくらいで」
地面が抜けたかと思うくらいに、衝撃的な告白だった。あれほど優しくて、人当たりの良い藍子が、まさかそんなことを言うなんて。
これまで十時先輩を始めとして、クラスメイトの茜や、後輩の裕子と輝子と、他にも数人の女の子と、藍子が見ている前で僕は関わってきた。
もし、僕は今までそれに気が付いていなかっただけで、これまでずっとそんな思いをさせていたとしたら。
普段の穏やかでゆったりとした喋り方は崩れ去り、焦っているような、苦しんでいるような声が僕の耳を叩きつける。
「さっきの、十時先輩みたいに、私じゃない他の人にあんなことされちゃうのが、たまらなく苦しくてっ」
「いやいや、で、でも、そういうヤキモチみたいなものは別に変じゃないっていうか」
「ううん、違うの。そういうのとはぜんぜん違うの……本当は言うつもりはなかったんだけどね、もうガマンできなくて」
僕の正直な感想は途中で制された。今にも泣きそうなくらいに顔を赤く染めた藍子の、静かなのに力のこもった声だけがぶつかってきた。
「あなたは誰に対してもすごく優しいし、本当はもっといろんな人と仲良くなれるのは、私がよく知ってる。だけど……」
うっすらと涙が浮かんだ藍子の瞳が、窓から差し込んだ夕陽で、オレンジを混ぜたような金に色づいている。
僕のワイシャツの袖がもう一度、きゅっ、と引かれた。
「あなたのことが大好き……絶対誰にも渡したくないくらい……大好き。私に……藍子だけにその優しさを注いで欲しいの」
91
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 01:01:20 ID:TCVd13cU
今日は初めて見る藍子の一面ばかりだ。
これまでのいろんな場面がフラッシュバックしてくる。どんな時だって、藍子はとっても可愛かった。
でも、今この瞬間の愛おしさを超えることは永遠にないんじゃないかと思うほどに、目の前の藍子は魅力的だった。
火照った身体、ふんわりした髪、上気した頬、柔らかそうな唇、僕を見つめる濡れて輝く瞳。
可愛い、なんてありふれた言葉とは違うし、魅力的、なんていう普通の言葉でも全然足りなくて。
「……っ!!」
「ひゃうっ!!」
思考よりも、身体が先に動いていた。気が付いたら、藍子の細い身体は僕の腕の中にあった。
僕の肩を荒くて熱い吐息が撫でる。胸のあたりでは二人分の鼓動が混ざり合っている。
スレンダーな藍子は、それでも抱きしめたらやっぱり柔らかくて、ものすごく儚くて。
壊れちゃうんじゃないかと思った。だけどごめん。もっと強く抱きしめたい。
僕の背中に回された細い腕にも、力が込められているのを感じる。きっと藍子も今、僕と同じ気持ちなんだろうか。
「女の子に言わせちゃって、なんかごめん。藍子、僕も大好きだ」
もっと藍子と近づきたい。二人の身体の距離はすでにゼロだけど、心の距離をもっともっと近いものにしたくて。
これまでたくさん積み上げてきた、幼馴染としての関係なんて全部かなぐり捨てたって、藍子と一緒の思い出をいくらでも創って行ける気がした。
そんな僕の心が通じたかのように、耳元で囁く声がした。
「私ね、私のぜんぶをあなたにあげてもいいよ。……だから、あなたのぜんぶを、藍子にください」
僕の腕に抱かれた、奇跡みたいに可愛いこの女の子と、僕の持てる全て。果たしてつり合うだろうか、なんて考えが一瞬だけ首をもたげた。けどすぐにそんなものは消え去った。
つり合うだとかそういう問題じゃなくて、他でもない、世界で一番大好きな藍子が、求めてくれたのは僕なんだから。
僕の全てで、僕なりに、藍子を幸せにしてあげたい。
92
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 01:53:50 ID:6BDBPnhA
ああ^〜可愛い
ここまではっきりしてから修羅場化したら流血沙汰不可避
93
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 01:55:16 ID:TCVd13cU
藍子の肩に手を乗せて、少しだけ距離を取る。一瞬、藍子が切なそうな目をした。強く抱きしめたいのをこらえて、両手を繋ぐ。
手を繋いだまま僕は立ち上がり、背後にあったベッドに座ると、敷かれていたオレンジ色のブランケットが沈み込む。
カーペットに立てひざの状態で向かい合った藍子が恥ずかしそうに笑う。僕も笑ってうなずいてから、繋いだ両手を引き寄せて、ふたたび藍子を腕に抱いた。
そのまま二人してベッドにごろんと倒れこむ。ふわりと藍子の香りが舞い上がる。
「きゃっ」
ちょっとびっくりしたような、でも楽しそうな藍子の声がくすぐったい。
「こうやって、私と一緒のベッドで横になるのって、どれくらいぶりなんだろうね」
「どれくらいだろうな、っていうかあれはもっとちっちゃい頃の話だし。今みたいにこんなドキドキしてなかったよ」
「ドキドキ、してくれるんだね」
藍子は頬を赤らめつつも、目を細めて笑う。
向かい合って寝転んで、お互いの肩がぶつかりそうになる距離で、ドキドキしないほうがおかしい。
照れくさくなって、何も言えないでいたら、しばしの沈黙が流れた。
僕の頭上では淡いピンク色のカーテンがかすかに揺らめいている。隙間からこぼれだした夕陽が藍子の髪を染めて、琥珀のように輝いている。
あまりにも綺麗で、思わず撫でてみた。うっとりとした藍子の瞳はとても官能的で、ますます僕の鼓動が速くなる。
もし香りに色がついてるとしたら、藍子のはきっと金色だ。向日葵が咲く丘に降り注ぐ、キラキラと眩しいくらいの太陽を香りにしたら、きっとこんな色になるんだろうな。
前髪を指先でかき分けると、藍子の白い額があらわになった。香りを吸い込むように顔を近づけて、そっと唇で触れてみる。
ぴくりと藍子の身体が跳ねる。顔を覗き込んでみると、目を丸くしていた。
「ごめん、びっくりさせた?」
「そんなこと……あったかも。でも、藍子はもっと欲しいです」
「良かった……嫌だったら言ってね」
ふるふると首を横に振った藍子を見て、もう一度額に優しくキスをする。
94
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 04:07:39 ID:TCVd13cU
当然、僕は親しいと自信をもって言える女の子は藍子だけなので、どうしたらいいかなんて、さぐりさぐりだ。
藍子のことだからきっと、嫌な思いをしたって我慢してしまうと思う。
何が良くて、何が良くないのかを見極めながら、少しづつ位置を変えてキスを繰り返す。
目尻、まぶた、鼻先、ほっぺ、首筋と、段々と降りていく。
そして、最後に残った、薄くて柔らかそうな唇を見つめる。これまでギュッとまぶたを閉じていた藍子がおそるおそる僕を見つめ返す。
「あれ……おしまい……?」
「そんなことないけど、すごくドキドキするなと思って」
藍子は僕の言わんとする意図を汲んだようで、少し名残惜しいようだった表情が、普段あまり見ないような二へっとした顔へ変化した。
「じゃあ、勇気を出して、私からしちゃおうかな」
「ええっ、ちょっと藍子、えっマジか」
想定外の提案に僕はおたおた身じろぐばかりで、ベッドの上でぐいっと身体を伸ばして、藍子の顔が近づいてくる。
鼻先が触れるか触れないかのところで、僕は思わずまぶたをつぶった。こわばった身体のまま、その瞬間を待つが、何も起きない。
目を開けてみると、直前までよりちょっと離れたところで、いたずらっ子のようにくすくす笑う藍子がいた。
「ふふっ、すっごく赤くなってる。立場が逆転しちゃったね」
「もうなんだよ、こっちは本気で緊張してたんだからな? それに顔が真っ赤なのは藍子だって同じだし」
「あははは、やっぱりそっかぁ。私もあんまりにもドキドキしちゃったから。ごめんね、今度こそキス、するね」
相も変わらず夕焼けに染まったような頬をした藍子は、僕の言葉を否定しなかった。
そして、恥ずかしそうに、それでいて心の底から嬉しそうに、囁いた。
「……あなたとこうなれて、藍子はほんとうに幸せです」
甘い甘い囁きが僕の耳に、頭に、心に、全身に染みわたった直後、それよりももっと甘いものが僕の唇に広がった。柔らかくて、愛おしくて、ほんの少しだけ切なくて、だけどとっても幸せで。
僕の胸元に、藍子の小さな手のひらが触れている。
そうか。抱きしめるだけよりも、もっと触れ合う範囲が多くて、もっと二人の距離が近いんだ。
じゃあ、もっと触れ合えて、もっと近づくには―――。
『その先』が一瞬頭をよぎる。藍子を大切にしたい思いと、その先を見たいという思いがせめぎ合う。
二人して空気を求めるように唇が離れた。熱く潤んだ藍子の瞳に吸い込まれるように、唇はまた甘く弾ける刺激を求める。何回も、何回もついばむようなキスを繰り返すうちに、直前まで抱いていた『その先』の景色なんて、簡単に溶けて消えていった。
95
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 04:11:15 ID:TCVd13cU
とりあえずここまでです。もう少し続きますが、お付き合いくださる皆様には改めて感謝を。
春先とは言え全国的に雨模様でまだまだ寒い日が続きますので、プロデューサー諸兄におかれましては、ちゃんとパンツを履いていただきお風邪など召しませぬよう。
96
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 07:48:43 ID:DNoYGSHo
あぁ^〜
97
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 07:55:10 ID:vG7AzmLg
なんだこの名文!?
98
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/18(火) 07:57:23 ID:L2TpSfvk
ssスレなのか(困惑)
99
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/20(木) 23:46:53 ID:hnKGArmM
はぇ〜ちゃんとソロ曲も含んだ歌詞のワードが散りばめられてるんすねぇ
あーちゃんの部屋はデレステのものかな?
100
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/21(金) 00:27:59 ID:4kYqCAxM
すき
101
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/23(日) 18:50:23 ID:xUVjdQNE
http://imgur.com/rCpRcC4
102
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/24(月) 01:18:03 ID:XOQoK.GI
SS投稿者です。もう少し時間かかりそうです。
長いことスレが残ってくれたので落とされる心配は少なさそうですが早いとこ区切りをつけたいと思っています。
103
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/24(月) 07:02:02 ID:2EB4XFN2
>>102
まってるよ
104
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/26(水) 02:03:19 ID:2nupJXIc
>>94
から
目の前には、嬉しそうに笑う藍子。
ずっとこのままでいたい。というよりは、これ以上なんて望まなくていい。
キスが最後の、あくまでも綺麗で健全な関係でいたいと本気で願った。だってもうこんなにも幸せなんだから。
なのに、胸の鼓動は高鳴っていくばかりで、心臓から押し流された血液は、欲望となって僕の太ももの付け根から芽生えた。
「……っと、ちょっ、と待って」
「……」
自分でも明らかに不自然だったとは思う。本当は藍子ともっとくっついていたいのに、もぞもぞと腰がひけてしまった。
何かを察した藍子は、ちょっとどぎまぎしつつ僕の顔をじっと見つめる。
「……男の子がそういう風になっちゃうってことは、喜んでくれてる、んだよね?」
少しだけ困惑したような藍子の声に、恥ずかしさをこらえながら、正直に頷いた。
僕が臆病だろうと、奥手だろうと、藍子のことが大好きで、最高に魅力を感じていることには違いないんだから。
「嬉しい……私とキスして、そう思ってくれるなんて」
「当たり前だって。こんなに可愛くて大好きな藍子と……夢みたいに幸せだよ」
105
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/26(水) 02:15:25 ID:2nupJXIc
素直な思いを口にすると、藍子が目を細めた。
「良かったぁ……私ちょっと恐くて。男の子は、みんな十時先輩みたいな人が好きって言ってたし……」
そこまで言ってから藍子が口ごもる。
今この状況で、他の誰かの名前を出すこと自体、いい気分にはならないはずなのに。
藍子は、まるでだだっ子がいじけるように身体をもじもじさせている。その真意がわからずに、僕は目線で問いかける。
「私はスタイルに自信ないから……胸とか、大きくないし……」
恥じらいながら、でもちょっと哀しさを感じさせる顔の藍子が目を逸らした。
そんなこと、僕は全く気にしたことないのに。こんな照れ方も、今日初めて見る藍子の表情だ。
「もしかしてそういうこと、ずっと気にしてた?」
「うん、中学校の途中くらいからは……」
目は逸らしたまま、困ったようにはにかみながら答える藍子。
一連の仕草が僕のいろんな感情を呼び起こした。押し寄せる激情は、心の中で辛うじて引っ掛かっていた何かを弾け飛ばした。
106
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/26(水) 02:27:28 ID:2nupJXIc
「藍子、大好きだよ。可愛すぎる」
「ええっ、あ、ありがとう? でも私は……」
「誰がなんと言おうと、僕は藍子が……藍子のことが、大好きだから。」
僕の手のひらを、藍子の胸にあてる。かすかに鼓動が伝わってくる。理性はとっくに吹き飛んでいたけども、この手を伸ばすために勇気を振り絞った。
「ねぇ、僕は藍子と、もっと近い関係になりたい。藍子の気持ち、もう一回聞かせて」
「……うん、いいよ。藍子のぜんぶを、もらってください」
ちょっとだけ涙ぐんでいて、そして幸せそうな笑顔を見たら、迷いなんてもうなくなった。
藍子がまとっているベージュのカーディガンのボタンを一つずつ外していく。
ワイシャツのボタンに手をかけたところで、また目が合った。藍子がかすかに頷いたような気がして、白いワイシャツを少しづつはだけさせてゆく。
上から4つくらいボタンを外したところで、ふんわりと盛り上がった、薄ピンクのブラが顔をのぞかせた。
陽が沈みかけた薄暗い部屋の中、徐々にあらわになる白い肌の眩しさにクラクラしながら、ついにいちばん下のボタンを外した。
なだらかな曲線を描いている、胸から脇腹にかけてのラインに見とれてしまう。
107
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/26(水) 02:37:23 ID:2nupJXIc
「こっ、これ、畳んだほうがいいよね」
唐突に、これまででいちばん顔を赤らめた藍子はそう言って、僕を押し退けるように起き上がる。そして、ベッドの上で身体をくねらせながら、カーディガンを脱ぎだした。
やっぱり緊張しているのか、どこか動きがぎこちない。カーディガンは少し雑に四つ折りにされて、ベッド脇の床に舞い降りた。
藍子だけが慌ただしく目の前ではだけていく様子に、僕はなんとなくいたたまれなくなって、自分のワイシャツも脱ぎ捨てた。
また心が乱れてしまった僕の目の前で、藍子は羽織ったワイシャツと背中の間に、その細い腕を滑り込ませる。
腕を後ろ手に回して、背中のホックを外そうとしている藍子のその姿を、僕は食い入るように見つめた。
「がっかり、しないでね……?」
ブラがするっ、とずれて、優しくなだらかにふくらんだ胸が目に飛び込んでくる。
咲きかけたつぼみのような、淡いピンク色が愛らしく佇んでいた。
綺麗な光景を目の当たりにして、ふらふら吸い込まれるように、藍子の胸に顔をくっつけて抱きつく。
背中と後頭部に手を添え、押し倒すように再びベッドにゆっくり倒れ込む。
108
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/26(水) 02:52:23 ID:2nupJXIc
「ふぁぁ、くっ、くすぐったいよっ」
すべすべの肌に優しく頬擦りする。しっとりと汗ばんだ感触と、甘いような香りを感じると、太ももの付け根あたりの主張がより激しいものになった。
手のひらで藍子の胸を包み込んで、ふにっ、ふにっ、と撫でる。指先に伝わる暖かさは、幸せすら感じさせた。
藍子の表情を伺う。片目だけが薄く開かれて、口を結んで声を上げないように我慢している。
僕はまだ、愛しい人をちゃんと気遣ってあげていられているだろうか。
僕の欲望をぶちまけて、藍子を傷つけたりしないだろうか。
一度胸元から離れ、二人の唇を重ねた。表情が少し穏やかになったのを見て、僕はまた、柔らかい胸に顔をくっつける。
僕の頬を、藍子の鼓動がとくんとくんと叩いている。
意を決して、淡いピンクのつぼみを口に含んでみる。
耳元で藍子の甘い声が漏れた。シーツがぎゅっと引き寄せられてシワを作る。
「あっ、大丈夫? 痛かったりとかしない?」
「……平気だよ。ちょっとびっくりしちゃっただけ」
そっか。心の中、ひとり満足げに呟いた僕は、再び藍子の胸にキスをする。
「……んっ、はぅ……!」
漫画、小説、その他いろいろ……見よう見まねのやりかたで、舌先を転がしていく。
吸い付いたり、舌で突いてみたり、もう一方は指で撫でてみたり。なにかをするたびに、甘くて温かい吐息が僕の耳を濡らすのが嬉しくて。
真っ白なキャンバスを、僕の舌で染めていく。
思う存分堪能して、気が付いたら、藍子の白くてすべすべの肌はてらてらとしていた。
「うぅ……夢中になってずっとぺろぺろしてるんだから……」
ちょっとむくれた顔の藍子もすごく可愛い。全ての挙動や仕草一つ一つが、僕の自制心を崩して溶かしてゆく。
109
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/26(水) 12:56:45 ID:J2HpLfkI
は〜ほんま使える
110
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/26(水) 13:02:30 ID:pGc8gpa2
あぁ^〜
111
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/26(水) 17:44:38 ID:FPPWkZ7Q
官能小説家か何か?
112
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/27(木) 01:50:05 ID:IcqPf5D.
>>108
から
ひびが入った理性の隙間を縫うように、僕の中にいたずらごころが芽生える。
「藍子、ちょっと起き上がって。それであっち向いて座ってほしいんだ」
「えっ……? うん、わかった」
手を差し伸べて藍子を起こし、頭側のベッドボードに向かい合わせるように座らせた。
制服のスカートはシーツの上で平たく押しつぶされ、ぺたんとあひる座りをした脚が覗いている。華奢な背中と、腕だけが通されて完全には脱げていない、ワイシャツの崩れ方がなんとも煽情的だ。
肩越しにこちらを窺う、きょとんとした不思議そうな横顔だけは本当に可愛らしくて、色っぽい服装や体勢とのコントラストがまた、僕の興奮を搔き立てた。
113
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/27(木) 02:05:51 ID:IcqPf5D.
藍子の頬に、軽く触れるようなキスをしてから、ふわりとゆるく曲線を描く髪を撫でた。
「ねぇ、今からすること、もし嫌だったら教えてよね」
「ええっ、なにされちゃうんだろう……でもきっと、嫌なことなんてないよ。藍子は、あなたと一緒にいるだけで、とっても幸せです」
健気に笑う藍子は何よりも愛おしくて尊かった。
どんなことがあっても、どれほど理性を失おうとも、藍子をなにより大切にしよう。
そう、決めたけど、いや、決めたからこそ。
ちょっとくらい、もっと特別な藍子を見せてよ。
熱に浮かされて、自分でもよくわからない論理が僕を突き動かしていく。首筋の柔肌に僕の唇を沿わせると、かすかに息が漏れるのが聞こえた。鼻先をくすぐる髪の香りが、僕の身体の血流となって、ズボンの真ん中を押し上げる。
そのまま両腕を藍子の身体に回して、胸をまさぐる。指先をふにょん、と弾き返したささやかな感触とともに、ぴくっ、と藍子の身体が震えた。
ここまでは、肩の向こうで藍子が今どんな顔をしているか、想像ができた。
「ふひゃぁぁっ!!?」
穏やかで落ち着いた普段の藍子からはかけ離れた、焦ったように裏返った声が上がる。
藍子の首筋から肩甲骨に向かって、僕は唇を滑らせる。そしてだんだんと降りて行って、弓なりに反った背中に吸い付く。
114
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/27(木) 02:20:36 ID:IcqPf5D.
「あっ、きゃっ、だめっ……だめ……」
しおらしく、濡れたような声は、明確な意味を持った言葉を運んでいる。
ふるふると震えた小さな身体には、きゅっと力が入って、姿勢が前かがみになっていく。
自分を抱くように背中が丸まってしまい、ずり落ちたワイシャツはついに藍子の背中の大半をあらわにした。
僕が後ろから包み込むように藍子を抱きしめながら、背中のみぞを舌先でなぞっていく。
「はずっ、はずかしっ、ひゃぅっ、んっ……藍子のからだ、きゅう、ってなっちゃう」
「思い出したんだよ。一緒に昔じゃれ合ってた時、背中を触られるのだけは恥ずかしがってたよね。今思えば、こういうことだったんだね」
「そんなことも、覚えてくれてるんだね……嬉しい」
「そりゃそうだよ。藍子のこと、ずっと見てたから」
そこまで言ってから、予告もなしにふたたび背中に口をつける。
舌で撫でるようにした後に、ちゅっ、と吸い付ける。
「えっ、ひゃっ、ひゃぁぁぁっ!! ……あっ……はぁっ、はぁっ……」
肩を上下させた藍子の荒い呼吸も、今の僕にとっては罪悪感を打ち消し、胸の高鳴りを早める存在でしかなかった。
じんわりと背中にかき始めた汗を舐めとるように唇を滑らせては、藍子を鳴かせ、後ろから回した手のひらをはだけたワイシャツの内側に滑り込ませ、すべすべのおなかを撫でる。
そんなことを何度か繰り返していたら、始めは驚いたような声色だった藍子の声は、いつの間にか熱い吐息の混じった、甘い嬌声へと変わっていた。
115
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/27(木) 03:11:52 ID:IcqPf5D.
僕の顔を藍子の背中から離し、少し乱れた髪にうずめる。女の子らしい香りと、汗のにおいが混ざり合った香りをいっぱいに吸い込む。
藍子の香りで胸を満たすたびに、僕の身体に流れ込んだ欲望は一点にさらに集まって、収まることがない。いつ耐え切れなくなってもおかしくないほどに膨張して、明確な存在感を藍子の背中に押し付けていた。
細身であり、ゆるくくびれているのに、柔らかくて優しい弾力のあるおなかを、すりすりとさすっていると、不意に僕の手のひらに藍子の手のひらが重ねられた。
藍子は前かがみにうつむいて、肩を大きく息をしていて、僕の体勢では表情をうかがい知れない。どうしたんだろう、と思ったその矢先に、僕の手首がきゅっと握られた。
僕の手のひらはおなかを離れ、スカート越しにふとももの上を滑る。
ごそごそと導かれるままに、僕が触れた指先に、熱く湿った布地の感触が走った。
「ちょっ、藍子!? こ、これ……」
「はぁ……はぁ……えへへ、やっぱり、恥ずかしい、ね」
僕からは顔が見えないまま、途切れ途切れに藍子が言った。
どれほど興奮していたって、さすがに僕は動揺を隠せないでいた。言うなれば、『その時』が近づきつつあるわけであって。
「あなたのせいで、藍子はこんなふうになっちゃった……こんなことはじめてで……想像もしたことなくて、とっても幸せで……」
スカートの中、ふとももの間で、僕の指を包み込むように撫でる藍子。
指先が布地に擦れるたびに、くちゅっ、くちゅっ、とかすかな感触が伝わる。
我慢できずに漏れ出す藍子の吐息とともに、甘く僕の指を2本、3本と湿らせてゆく。
116
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/27(木) 03:28:40 ID:IcqPf5D.
「我慢させちゃってごめんね。私の背中にずっと、あなたのが当たってるの、ちゃんとわかってたよ?」
さっきとは一転して、今度は僕が何も言えなくなっていた。表情も見えなくて、特に仕草もない。ただの聞き慣れた声なのに、こんなにも魅力的で、官能的に響くだなんて。
「ちゃんと、あなたの……あなたのぜんぶを受け入れたいから、だから……」
長くゆっくりと息をついて、藍子がこちらを振り返った。
「……もう少しだけ、藍子に勇気をください」
時が止まったような気がした。
汗で頬にはり付いた髪、金色に濡れた瞳、小さく息を漏らす口もと、染まったほっぺ、わからない。もうよくわからないや。言葉が消えた。考えもおぼろだ。さっきまでの興奮も欲望もどこかへ消え失せている。
ただただ、何もかもが愛おしい。ただひたすらに、穏やかな幸せだけが心に溢れている。
「……僕はなにをしてあげられるかな?」
心も頭も空っぽになって、その中で最後に残った、純粋に大好きな藍子のことを想った、それだけの意味を持った言葉が出てきた。
「ここ……もっと近くで触れて欲しい……あなたに触れてもらってるっていうだけで、私もほんとうに幸せだから……」
藍子の潤んだ瞳がちらちらと揺れている。その瞳に映っているのは間違いなく僕だけで、僕の目に見える人もまた藍子ただ一人で。
今この瞬間に、それ以外には何もなかった。
「わかった。僕の手に藍子の手を添えててくれると嬉しいな」
藍子がこくりと頷いたのを見て、僕は指先を湿った布地の内側に滑り込ませる。
117
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/27(木) 05:54:05 ID:RaVzPZi2
藍子ちゃんの濡れそぼった草原に手を入れて水音なるまで撫で回したいんじゃ
118
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2017/04/29(土) 23:17:27 ID:1ViKsNtI
今夜あたりで一区切りつけようかと思っております。
これから風呂入って晩ご飯を食べてきますのでいつものように深夜の投稿になるかと。
それと
>>101
の藍子ちゃんの素敵な絵が気になったので、詳細をご存知の方は教えていただけますでしょうか。
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