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悟「雛月と付き合って、もう何年になるんだっけ?」
1
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 19:32:48 ID:j1fJjwiY
雛月「……バカなの? もう18年だよ」
悟「そっかー、色々あったなぁ」
雛月「……悟といられて楽しかった」
悟「え? なに?」
雛月「な、何でもない!」
悟(まあ、そんなこんなで)
悟(俺たちは29歳になって、東京に出るまで……かれこれずっと付き合い続けてるわけで)
悟「いやー、まさか……こんな長い付き合いになるとは」
雛月「え?」
悟(声に出てた!)
2
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 19:35:31 ID:cwdFcNck
優しい世界
3
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 19:51:45 ID:j1fJjwiY
雛月「というか、その呼び方。バカなの?」
悟「え? 何で?」
雛月「……私に言わせないで」
悟「……そうだな。油断すると、たまにこうなっちまうんだよ」
悟「ほら。呼び方って変えるの難しいし」
雛月「……加代」
悟「……うん。『加代』。これからもよろしくな」
雛月「……うん」
悟(色々あったな、いやホント)
悟(犯人も突き止めたし、その一騒動の後で……俺たちは何だかんだで今に至るわけで)
悟「ただ……障害もあったな」
雛月「え?」
悟(また、声に出てた……)
4
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 19:51:56 ID:EbmCLOoE
そんな付き合いなら籍入れてやれよ
5
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 19:52:07 ID:j1fJjwiY
悟「い、いやさー、ほら。……俺が大学は東京の方に行きたいって言った時さ」
悟「加代、迷ったじゃん。そのこと!」
雛月「……後、中高も」
悟「……そうだったな。加代、モテたもんな」
雛月「まあ、ケンヤほどじゃなかったけど」
悟「いや、まあ……それもそうだな」
雛月「……何かそう言われるとムカッとする」
悟「何でだよ」
雛月「……何となく」
悟「……加代は可愛いなぁ」
雛月「うっ……」
6
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:01:11 ID:YQi7Mg9I
原作完結したけど雛月ちゃんとどうなったんですかね…
7
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:16:01 ID:j1fJjwiY
悟「……まあ、障害はそれだけじゃなかったけどな」
雛月「……ごめんね」
悟「いや。俺は別にいいんだ」
悟「雛月と一緒にいられるだけで幸せだし」
雛月「……バカなの?」
悟「ああ。『加代バカ』だな」
雛月「い、言ってて恥ずかしくならない、それ?」
悟「……実は、ちょっと。いや、かなり」
雛月「やっぱり、バカなの?」
愛梨「あれ、悟さんじゃないですか!」
悟「あ、ああ片桐くん」
雛月「……こんにちは」
愛梨「加代さんも! こんにちは!」
悟「君は、今日もバイトかい?」
愛梨「はいっ! 悟さん、今日は休みでしたよね?」
悟「ああ、まあ……漫画家との両立は難しいな」
雛月「……私が働いてるからいいのに」
悟「い、いやいや! 加代だけに頼りっきりじゃいけないだろ?」
雛月「……悟」
愛梨「あ、あれー? 愛梨、お邪魔でした?」
8
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:20:01 ID:j1fJjwiY
愛梨「それじゃー、この辺で!」
愛梨「あっ、そうそう! ……日取り、決まりました?」
悟「あ、ああ。近いうち、連絡するよ」
愛梨「はいっ! バイト仲間一同、お待ちしてます!」
愛梨「それではー!」
雛月「……悟。あの子と仲いいよね」
悟「ま、まあ、な。何か頼られちゃってる気がするよ」
雛月「……浮気、してない?」
悟「バカか?」
雛月「うわ、ムカつく」
悟「お前がいつも言ってることだろー?」
悟「俺は加代一筋で20年弱過ごしてきたんだぞ?」
雛月「……そ、それ言われると弱い、かも」
悟「それに……お前の『障害』も、何とかなったから今みたいな話が出来るわけで」
雛月「……ホントにごめんね。時間、かかっちゃった」
悟「いや、いいんだ。無理もないって」
9
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:20:59 ID:cwdFcNck
いいゾ〜これ
10
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:22:50 ID:Lw57Fb5A
スレタイだけ見ててっきり
「二年だね」
「ケンヤがいなくなったのは?」
「…二年前だね」
みたいな流れが始まるのかと
11
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:23:03 ID:j1fJjwiY
悟「――あんな虐待、受けてれば」
悟「そりゃ、迷うって。俺が同じ立場だったら、と思うと……」
雛月「……しかも、誘拐されかけたし殺されかけた」
悟「そ、そうだったな。……というか、改めて考えても、加代って大変だったな」
雛月「でも、悟が助けてくれた。そばに居てくれた」
雛月「それだけで……ツイてたって思う」
悟「……加代の、そういう顔。ちょっと卑怯だと思う」
雛月「ぷっ、なにそれ。バカなの?」
悟「ああ、バカで結構だ」
12
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:30:19 ID:j1fJjwiY
雛月「……でも生活、大して変わらないよね」
悟「そりゃまあ……大学卒業してから、ずっと二人で住んでるしなぁ」
雛月「そうだね。……でも」
雛月「その……そ、『そういうこと』になっちゃうんでしょ?」
悟「……改めて聞くけど、ホントにいいんだな?」
雛月「……うん」
雛月「もう、あの頃のことはいいの」
雛月「あれから3年くらい、お母さんとは会えなかったし、正直今も引きずっちゃってるけど」
雛月「……悟と、ホントの意味で一緒になれることがずっと嬉しいもん」
悟「……加代」
13
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:30:48 ID:j1fJjwiY
悟「――それじゃ、改めて」
雛月「さ、悟?」
悟「原稿料とバイト代合わせて、結構かかったけど」
悟「決めてから、まだ渡してなかったよな? ……というか、ホントは決める前に渡すべきだったんだろうけど」
雛月「ううん、いいよ。嬉しいもん」
悟「それじゃ、加代――」
悟「――結婚してくれ」
雛月「……うん。喜んで」
悟「……あー、恥ずかし」
雛月「ふふっ、悟照れすぎ。バカなの?」
悟「お、お前だって照れてるだろ。まったく……」
雛月「――それじゃ、帰ろっか」
悟「ああ、そうだな」
雛月「佐知子さん、来てくれる日だっけ?」
雛月「あっ、そっか。もう少しで……『お義母さん』になるんだ」
悟「それ、今言うのやめてくれ。恥ずかしすぎる……」
雛月「……悟、ホント照れ屋だね」
悟「加代、手鏡持ってるだろ? 自分の顔、確認した方がいいぞ?」
14
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:34:53 ID:j1fJjwiY
悟(――加代はトラウマを乗り越えた)
悟(ずっと「結婚」するという話になると……体が震えてしまっていた)
悟(昔の記憶が、どうしても俺たちの前に「障害」として塞がった)
悟(それを何とか治すのに、結構かかった。ケンヤたちとか普通に結婚して子供とかいるし)
悟(でも、俺はそれでも加代から離れなかった。いや、離れられるわけがなかった)
悟(……これからも色々大変なのかもしれない)
悟(でも、大丈夫。俺たちは、もう――)
雛月「それじゃ、帰ろ? ……佐知子さん、待たせちゃうし」
悟「ああ、そうだな。……手、繋ぐか?」
雛月「あっ、うん。寒くなってきたしね」
悟「……手袋」
雛月「え?」
悟「あの時と同じ柄を選んで正解だったな」
雛月「……ば、バカなの?」
悟「加代は照れ屋だなぁ」
雛月「うう……」
15
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:35:48 ID:BhUokUec
ああ^〜
16
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:36:08 ID:cwdFcNck
恥ずかしいぞやめろぉ!(建前)ナイスゥ!(本音)
17
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:38:30 ID:j1fJjwiY
悟(――そして俺たちは、手を繋いでマフラーを互いに巻きながら歩き出す)
悟(「過去」を変えて、俺は「未来」へと繋いだ)
悟(この選択が出来たことを誇りにさえ思う)
雛月「……あなた」
悟「!」
雛月「な、なんて、呼ぶことになっちゃうのかな?」
悟「……フツーに悟でいいから」
雛月「う、うん」
悟(こうして照れ合いながら)
悟(俺たちは笑い合いながら……ゆっくりと歩いていく)
悟(――まだ先の、見たことのない「未来」へ)
おしまい
18
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:39:23 ID:j1fJjwiY
原作では叶いそうにない雛月ルートを書きたかっただけです
二人の同棲生活中に何があったのかは想像にお任せします
この後、メチャクチャ佐知子さんにからかわれた
19
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 20:41:12 ID:cwdFcNck
あ〜いいっすね^〜
僕街二次創作流行らせコラ!流行らせコラ!
20
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 23:12:39 ID:lZVq6EbE
いいゾ〜これ
21
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/04(金) 23:14:06 ID:VUZ3K4Mc
だいじっこでも始まるかと思ってヒヤヒヤしてた
22
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 17:14:01 ID:lW7E99.k
付き合うまでの経緯とか書こうと思ったけど蛇足ですかね?
雛月ルートを書きたい欲求が…
23
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:22:22 ID:lW7E99.k
――18年前
悟「……」
悟(「私だけがいない街」、か)
悟(そのタイトル通り、雛月は……この地区からおばあさんの家に引き取られることになって)
悟(雛月がいなくなってしまった……)
佐知子「悟? どした?」
悟「……いや。何でもないよ、うん」
悟(そうだ。俺はこの人の命を守るために雛月を助けただけだ)
悟(そこには、それ以外の何もない、はずなのに――)
24
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:23:02 ID:lW7E99.k
――学校
ケンヤ「……悟? ちょっといいか?」
悟「あ、ああ、うん」
悟(雛月は転校してしまった。隣街の小学校らしい)
悟(距離からすると、そんなに離れちゃいない……会おうと思えば)
悟(って! な、何で会う必要があるんだよ! もう、終わったことだろ?)
悟(次にやるべきことは……そうだ。ヒロミと中西彩を――)
ケンヤ「――この踊り場」
悟「……え?」
ケンヤ「ここに来るまで、何考えてた?」
悟「……も、黙秘権を行使する」
ケンヤ「おいおい。ここは裁判所じゃないんだぞ?」
ケンヤ「アレだろ? ……雛月がいなくなったのが、そんなに寂しいか?」
悟「……ちが」
ケンヤ「違わない。だろ?」
25
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:23:42 ID:lW7E99.k
ケンヤ「まあ、その内なくなっちゃうだろうけど……雛月のいた、椅子と机があるもんな」
ケンヤ「お前、そこばっか見てるんだから。分かりやすすぎだって」
悟「……」
ケンヤ「――雛月の転校先、知ってるんだろ?」
ケンヤ「行ってこいよ。ヒロミなら大丈夫だから」
悟「でも」
ケンヤ「お前のわだかまりを解決しないと何も始まらない。違うか?」
悟「……ちが、わない」
ケンヤ「ん」
26
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:32:52 ID:lW7E99.k
悟(――放課後)
悟(俺はバカみたいに走っていた)
悟(八代から伝え聞いた学校を目がけて――)
悟(今日中に中西彩の行動先を調べておく必要がある。そのためにも、急がなきゃ)
悟(いやいや。そもそも、この行為自体無意味だろ?)
悟(しっかりしろ29歳! ……お前は、11歳の女の子に惚れるような男だったのか?)
悟(……そんなこと、知ったこっちゃなかった)
――悟。ありがと
悟(……また、会いたい)
悟(それだけの気持ちで俺は……走り続けた)
27
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:33:20 ID:lW7E99.k
悟「……つい、た」
悟(間に合った。これなら何とか……次の行動に繋げられる、はず――)
悟(ここ、だよな? 雛月は……)
悟「……」
悟(いるわけない、か)
悟(そりゃそうだ。あれだけのショックがあった直後じゃ、学校に来れないのも納得だ)
悟(きっと、あのおばあさんの家でまったり過ごしているんだろう。それならいいじゃないか)
悟(……帰ろう。そして、ヒロミと中西彩を――)
雛月「……さと、る?」
悟「……!」
雛月「え、えと……どうして?」
悟「……学校、ちゃんと来れてんのかなって心配で」
雛月「……今日はダメだったから、散歩ついでに下見してただけ」
悟「そ、そうだったのか。そうだよな、うん」
雛月「……」
悟「……」
28
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:33:49 ID:lW7E99.k
二人「――あの!」
雛月「……先、いいよ」
悟「う、うん。……えっとな」
悟(ああ、何だこの展開……やるべきことは「これ」じゃないだろ)
悟(また真犯人を止められなくなるかもしれないんだぞ。しっかりしろ、俺――)
悟(――だから、俺は)
悟「俺、雛月が……好き、みたいだから」
悟(自分でも驚くくらい、あっさりと言葉にしていた)
悟(もちろん、焦りもあった。次の行動に早く移らないとまずいことは直感していたから)
悟(ただ……言葉にしたら、こんなにあっさりと――)
雛月「……」
雛月「え?」
悟(――俺は、雛月加代に告白していた)
29
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:39:32 ID:NrZ4gNhA
ええぞ!ええぞ!
30
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:49:09 ID:lW7E99.k
悟「……」
雛月「……え、えっと」
雛月「私、は――」
悟「し、したっけ!」
雛月「え、ええ!?」
悟(おいおいおいおい、俺は何をしてるんだ?)
悟(頭がついてこない。感情だけがグルグル回り続けている)
悟(とにかく、言葉にしたら……俺は本当に雛月が好きなことに気づいてしまった)
悟(というか、何やってんだ俺! 雛月、何か言おうとしてたじゃないか!)
悟(で、でも! 次にすべきことが――ああ、もう分からない!)
雛月「……」
雛月「……ば」
雛月「バカ、なの……?」
悟(――後ろから、雛月の呟きが聞こえた)
悟(俺は振り返らない。いや、振り返れなかった……)
31
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 18:58:21 ID:lW7E99.k
――その後
悟「……」
悟(な、何をしてるんだ俺は……!)
悟(う、嘘だろ……俺がしたいことは、未来を変えたいだけで)
悟(それ以外に何もない、のに――)
佐知子「悟? どした?」
悟「……は、話せない」
佐知子「ふーん……顔、真っ赤だべさ」
佐知子「ははーん、これは……」
悟「な、なに?」
佐知子「いやー、あの子のこと忘れられないのかなーって」
悟「そ、そんなこと!」
佐知子「目は口ほどに物を言うんだべさ」
悟「……」
佐知子「いやー、悟もマセてるべさ」
悟「……別に、雛月のことじゃ」
佐知子「嘘だべさ。悟、あの子の話する時、いつも顔がちょっぴり赤かった」
悟「……」
佐知子「で? どうするつもりだい?」
悟「……そ、それは」
悟「い、いや。どうするもなにも、もうしちゃったっていうか」
佐知子「……へ?」
悟(声に出てた!)
32
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:04:07 ID:lW7E99.k
悟「……」
佐知子「なるほど。もう告白しちゃったのかい」
佐知子「いやー……我が息子ながら感服だべさ」
悟「……俺、いけないことしちゃったのかな」
悟「雛月に、この街のこと思い出させちゃう気がして」
悟(いや、それだけじゃなくて色んな意味でヤバいんだけど……)
悟(しっかりしろ29歳! お前、一体何をしてるんだ!)
佐知子「……それで、返事は?」
悟「……聞かないで逃げちゃった」
佐知子「あれま。それはダメだべさ」
悟「じ、事情があったんだよ」
悟(ヒロミを見に行ったり、中西彩を尾行したり……色々)
悟(……それだけじゃないことに気づきながら、俺は気づきたくなかった)
悟(――返事を聞くのが怖かった、なんてことに)
33
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:26:30 ID:lW7E99.k
――翌日
悟「……」
ケンヤ「悟、ちょっといいか?」
悟「……うん」
ケンヤ「……昨日、俺たちの所に来た時」
ケンヤ「凄く顔赤かっただろ。何かあったのか?」
悟「……も、黙秘け」
ケンヤ「そっか。……会ったんだな?」
悟「……」
ケンヤ「それで? 何かあったんだろ?」
悟「……な、何も」
ケンヤ「嘘つけ、何かあったって目が言ってる」
悟「……け、ケンヤはそれ聞いてどうしたいの?」
ケンヤ「ん? 友達を助けられるなら助けたいなって思うだけだけど?」
悟「……」
ケンヤ「――はー」
ケンヤ「お前も思い切ったことするなぁ……まさか、即決って」
ケンヤ「そっか。やっぱり、そうなるよな」
悟「あ、あまり言わないで」
ケンヤ「うん。このことはヒロミたちにも言わない」
ケンヤ「俺たちだけの秘密にしよう。それでいいよな?」
悟「……ありがと」
ケンヤ「……今日の放課後、だけど」
ケンヤ「俺が悟の役、全部引き受けるよ」
悟「えっ?」
ケンヤ「ヒロミを公民館に誘って、家まで送ってく」
ケンヤ「……分かってるな?」
悟「……」
悟「うん。ありがと、ケンヤ」
ケンヤ「まぁ、ちょっとした『貸し』みたいなもんだし」
ケンヤ「……もうすぐ、放課後だな」
悟「……うん」
34
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:28:00 ID:zzCF/n2M
いいゾ〜これ
35
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:28:29 ID:CLgTd2Kg
軽く上でネタバレちっくなもの見ちまったけど悟と雛月は原作ではくっつくないのか・・・・。
36
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:35:23 ID:lW7E99.k
>>35
あくまで「くっつきそうにない」ってだけで可能性はある、かも(願い)
37
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:36:24 ID:lW7E99.k
――放課後
悟(……とはいえ)
悟(さすがに中西彩の尾行まではケンヤにも話せなかったから……俺は走らざるを得ない)
悟(いや……走る理由はそれだけじゃないことにも気づいていた)
悟「……ひな、づき」
悟(早く、会いたい――)
悟「……」
雛月「……バカ、なの?」
悟「な、何が?」
雛月「そんなに急いで。……私に会える保証なんて、ないのに」
悟「……早く謝って、返事聞きたかったから」
悟「昨日はごめん!」
雛月「……別に、気にしてないし」
38
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:36:53 ID:lW7E99.k
悟(――学校に着いた俺はすぐに雛月と会えた。いや、会えてしまった)
悟(雛月は、どうやら普通に登校して……今、まさに学校から出てきた所だった)
悟(いくらなんでも出来すぎだろ、タイミング……)
雛月「……た、ただ」
雛月「私、ああいうの、その……困る、というか」
悟「……そ、そっか」
悟(不思議と、落胆の気持ちは薄かった)
悟(どこかで29歳の自分が、こんな姿を晒している自分を俯瞰している感じがしたから)
悟(だから……スッパリ断ってくれた雛月に感謝した)
39
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:37:21 ID:lW7E99.k
悟「――ありがと」
雛月「……え?」
悟「ちゃんと、返事くれたから」
雛月「え? へ、返事?」
悟「うん。……それじゃ、したっ――」
雛月「へ、返事って……私、まだしてないしっ!」
悟「……え?」
雛月「……『困る』って言っただけ、だし」
雛月「だ、だって……ああいうの慣れてないし。というか、初めてだし」
悟「……じゃ、じゃあ?」
雛月「……」
雛月「――あのさ」
雛月「私に、それ言わせるつもり?」
雛月「もう、私の気持ちは……手紙にしたでしょ?」
悟「……」
悟「あ、あれ……告白、だったの?」
雛月「……バカ、なの?」
悟(俺の好きな材料をふんだんに詰め込んだ料理)
悟(それをまた一緒に作りたい、という内容だったっけ――)
40
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:42:51 ID:lW7E99.k
雛月「……」
悟「……え、えっと」
雛月「バカ」
悟「……え?」
雛月「悟は大バカ」
雛月「私、ずっと……忘れられなかった、のに」
悟「……」
悟(――気づくと)
悟(俺は雛月の手を握っていた)
悟(雛月はビクッとした後で……コクッと頷いた)
悟(それから、俺たちは――ゆっくりと歩き出す)
41
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:43:19 ID:lW7E99.k
雛月「……は、離れなきゃいけないのに」
悟「何で?」
雛月「わ、私……まだ転校したばっかりなのに」
雛月「い、一応、周りには見た感じの顔ないけど」
悟「それじゃ、いいよ」
悟「……いつも、こうして繋いでたよね」
雛月「……い、言わないで」
悟「それでさ。一緒に星見たり」
雛月「や、やめ……」
悟「後は……そうだ。ご飯、一緒に――」
雛月「……さ、悟!」
悟(……言うやいなや)
悟(雛月は俺に抱きついてきた)
悟(学校から少し距離が離れた所で、人目に付きにくい場所ということもあって……俺たちは抱きしめ合った)
悟(まるで……ずっと前からこうしてた気さえするくらいの勢いで)
42
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:55:09 ID:lW7E99.k
悟「……」
雛月「……悟は、私の恩人」
雛月「だ、だから引っ越したくなかった! ずっと一緒にいたかった、のに」
悟「いいよ」
悟「別に、そんな離れてないし。自転車だったら、もっと早く会えるし」
雛月「……え?」
悟「だからさ。雛月は、お母さんのこととかあってあの街に来たくないかもしれないけど」
悟「俺がこっちに来ることは……いい、よな?」
雛月「……」
雛月「もう」
雛月「――バカ、なの?」
悟(そう言うと、雛月は笑った)
悟(俺もそれを見て……笑った)
悟(そして、思った。……ああ、求めてた幸せって、こういうことだったんだ、と)
43
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:55:55 ID:lW7E99.k
悟「それじゃ、雛月。したっけ!」
雛月「……やっぱり、バカなの?」
悟「……え?」
雛月「……ふんだ」
悟「あっ、ご、ごめん――」
悟「したっけ、『加代』」
雛月「……ん」
悟(――こうして)
悟(俺たちは流されるように、その……付き合うことになった)
悟(急ぎ足で、俺は自分の街へと戻る)
悟(ヒロミはともかく、中西彩は……俺が何とかしないと!)
悟(――不思議だ)
悟(同じ距離を同じペースで走ってるはずなのに……足取りが、軽い――)
雛月「……」
雛月「わ、わわっ」
雛月「ど、どど、どうしよ……?」
悟(後ろから、可愛く慌てる雛月の声がした――)
44
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 19:56:32 ID:lW7E99.k
一旦ここまででしょうか
自分も原作読んでないので何か齟齬とかあったらすまんな
45
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 20:14:18 ID:ITj6VvIQ
ええぞ!ええぞ!
46
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 21:01:56 ID:lW7E99.k
悟(――まぁ、そんなこんなで)
悟(俺が起こしたイレギュラーな行動は置いといて……何とか誘拐事件は未然に防げた)
悟(端折り過ぎ? ……正直、気持ち的にはそれどころじゃなかった感すらあるんだからしょうがないだろ?)
悟(結局、誰も被害を受けない「過去」が、そこに現出した――)
悟(これで「未来」も変わるだろう……)
雛月「……悟? 何か考えてる?」
悟「ん? いや、別に」
雛月「バカなの? 悟、すぐ顔とか声に出るんだから分かっちゃうに決まってるよ」
悟「……まぁ」
悟「ひな――加代とこうして手を繋いで歩けるのが幸せだなぁ、って」
雛月「……ば、バカ」
47
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 21:02:35 ID:lW7E99.k
悟(Xデーからだいぶ経っても油断は出来ない)
悟(誘拐されるということは恐らく……雛月に魅力があった可能性もあるし)
悟(だとしたら、俺が一緒に……というのは、俺自身を納得させる理由足りうるだろうか)
悟「――ならないよなぁ」
雛月「もう、悟。さっきからヘンだよ」
悟「ああ。雛月と一緒にいられるせい、かもな」
雛月「……ば、バカなの?」
悟「大バカで結構だよ」
悟「――もうすぐ六年だな」
悟「加代も進級するんだろ?」
雛月「あ、当たり前。……その後は普通に中学行って」
悟「そっか。それじゃ、そこで一緒になれるな」
悟「学区的に」
雛月「……悟と、また一緒」
雛月「ふふっ」
悟「……加代は可愛いよな」
雛月「ば、バカ……」
悟(――あれから不思議なことに「リバイバル」が起こらなくなった)
悟(詰まるところこれは……「過去」が変わって「未来」を変えたことを示唆しているのだろうか)
悟(ついで、と言っては何だけど……29歳だった頃の記憶も少しずつ瓦解してきたような気がする)
悟(いや、それでも俺の内面年齢が29歳っていうのは変わらないんだけどな……はは)
48
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 21:09:32 ID:lW7E99.k
雛月「――早く卒業したいな」
雛月「そしたら……悟と同じ中学」
悟「まあ、中学が同じじゃなくても会える距離だけどな」
雛月「同じクラスになっちゃったりして……ふふっ」
悟「……加代、勉強は進んでる?」
雛月「……な、何とか、まぁ」
悟「無理もないよな。……あんなことされてたらまともに勉強できないのも」
雛月「あっ、ば、バカにしてるでしょ!」
悟「してないよ。……中学に上がって勉強に困ったら教えるから」
悟(中学レベルの知識なら……うん。ギリギリあるだろ、多分)
雛月「……悟と、勉強」
雛月「……な、何かドキドキしてきちゃった」
悟「集中しないとダメだぞ?」
雛月「そ、そんなの知ってる!」
悟「……一緒のクラス、なれるといいな」
雛月「……うん」
悟(俺たちは手を繋いだり、たまに抱きついたりするくらいの関係で止まっていた)
悟(それでいいんだと思う)
悟(しばらくは、こうして……俺が隣街まで足を運ぶ日々が続くのだろう)
悟(幸い、中学はこっち寄りだから雛月のトラウマが喚起されることもない、と思いたい……)
49
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 21:34:53 ID:lW7E99.k
――進級後
悟「加代。クラスのヤツらとは馴染めそう?」
雛月「ん。みんな優しいから」
悟「そっか……良かった」
雛月「今度、遊びに誘われちゃったりしたけど」
雛月「その日は悟と一緒にいる日だから……断っちゃった」
悟「え!? い、いやいや、日程調整くらい出来るって!」
悟「加代がクラスで馴染めないと……俺が不安だから」
雛月「……悟」
雛月「――そっか、そうしてくれちゃうんだ」
雛月「それじゃ……明日、その子たちに言ってみるね」
悟「うん、そうした方がいいって」
悟「これは、その……か、彼氏命令、だから」
雛月「……ば、バカなの?」
悟(言ってて恥ずかしくなるな、これ……)
悟(というか、雛月と会うと手を繋ぐのが普通になっちゃったけど、これ知り合いとかに見られてない、よな?)
ヒロミ「……うわー」
ケンヤ「おお、何というか……前とはちょっと違う感じだな」
悟(――今、約二名の視線と声を感じたけどスルーしよう。うん)
50
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 21:42:50 ID:lW7E99.k
――ある日
悟「……映画?」
雛月「う、うん。一緒に観ない?」
悟「いや、いいけど……加代、なに見たいの?」
雛月「……こ、これ」
悟「……え?」
悟「か、加代、こういうの好きなんだ……へぇ」
悟(何とも直球の恋愛物だった。ベタと言えばベタだ)
雛月「ば、バカなの? た、ただ、他に観たいのがなかっただけで!」
雛月「わ、私は……その」
雛月「悟と……デート、みたいなことしたかっただけだし」
悟「……デート」
悟(その言葉が頭のなかでリフレインした)
悟(そして、思う。……俺たち既に、そういうことしてきてないか、と)
悟(ただ、そのツッコミをしたらどうせ「バカなの?」と返ってくるだけだろうし言わぬが吉だな。うん)
雛月「だ、だから! この女優が好きとかそういうんじゃなくて!」
悟「うん。ホントは凄く観たいんでしょ、それ」
雛月「……悟の、バカ」
悟「うん。加代も大概だと思うな、俺」
51
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 21:43:59 ID:lW7E99.k
とりあえず今はここまでかも
イチャイチャするだけの話になると起伏が……
何かリクエスト等ありましたら是非ともお願いします
次はどんな話になるのやら……
52
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 22:48:38 ID:5UqTLvHU
やったぜ。
新連載の外伝でもイチャイチャして欲しい…イチャイチャして欲しくない?
53
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 23:15:44 ID:2QI0DsbM
原作は雛月EDじゃないのか…?最近見始めたけど
54
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 23:19:12 ID:5UqTLvHU
>>53
原作もやりようによっては卍回は不可能じゃないから…
アニメも残り話数的にどうなるかわかんないゾ
55
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 23:42:21 ID:2QI0DsbM
>>54
ということはフラグはあるけどまだわからないってことかな?別の男キャラと付き合うみたいな話聞いちゃったんだが
56
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/05(土) 23:47:04 ID:5UqTLvHU
>>55
後は自分で確かめて、どうぞ
それにアニメだと原作そのままになるかどうかもわからないゾ
57
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 00:01:45 ID:3bJ8QjaI
NTR返せば良いんだよ上等だろ(過激派)
58
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 17:14:42 ID:TnaVQERc
――卒業
悟「やっと卒業だな……」
雛月「うん。ずっと待ってた」
悟(桜が舞い散る中、俺は雛月と会っていた)
悟(もう、ケンヤ以外のグループ全員には知られちゃってたけど……まあ、いいと思う)
悟(ケンヤも必死に隠そうとしてくれたらしいけど、結局ヒロミの「勘」とかに押し切られたらしいし。無理もない)
悟(ちなみに、そのことを教えた時の雛月は顔を真っ赤に染め上げてプルプルと震えていた……悪いことをした気がしないでもない)
雛月「――きょ、今日は誰にも見られてない、よね?」
悟「うん。ケンヤたちも空気読んで、絶対行かないって」
雛月「い、いつも空気読んでくれると助かるのに……」
悟「そりゃ、しょうがないよ。……それに中学行ったら、もう」
雛月「うっ……」
59
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 17:15:05 ID:TnaVQERc
雛月「――ちゅ、中学じゃ、一緒にいること禁止!」
悟「え?」
雛月「ば、バカなの? 考えてみたらバレるの恥ずかしすぎるし!」
悟「……いやー、まぁその」
悟「俺は加代って『彼女』が自慢だし? 別にいいけど」
雛月「ば、バカ!」
悟「……それに、勉強教えてほしいんだろ?」
雛月「……うっ」
悟「だったら結局、一緒になっちゃうじゃん」
雛月「……悟のイジワル」
悟「うん。別にそれでもいいや」
60
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 17:15:32 ID:TnaVQERc
悟(――今日、俺たちが会ったのは色んなあれこれが溜まっていたからだ)
悟(俺たちは中学の制服を着ている。そして……そのまま会っている)
悟(俺の右手には卒業証書の筒。雛月の左手には同じものがある)
悟(俺は左手で、雛月は右手で……手を繋ぎ合っていた)
悟「……加代」
雛月「……悟」
悟(見つめ合う俺たちに、誰も見ていない)
悟(当たり前だ。俺たちがいる場所は、人目が全くない場所……山を登っているんだから)
悟(あの時の山。雛月と一緒に星を見た、あの山)
悟(星は見えない。当たり前だ。でも、それでいい)
61
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 17:15:54 ID:TnaVQERc
悟(雛月が俺に近づく)
悟(俺はそれに応えて雛月を抱きしめて――)
悟「……いい、のか?」
雛月「……うん」
雛月「悟とならいいに決まってるし。バカなの?」
悟(――口を近付けて)
悟(キスをした。ほんの軽く触れ合うだけの)
悟(1秒くらい触れて……すぐに離れる)
悟(さすがに限界だった。……お互い)
62
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 18:10:00 ID:3bJ8QjaI
あ゛〜
63
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 20:26:22 ID:TnaVQERc
悟「……し、しちゃったな」
雛月「し、しちゃったね」
悟「うん」
雛月「……えっと、その」
雛月「えいっ」
悟「わっ!」
雛月「……」
悟「い、いきなり抱きつくのは卑怯だろ」
雛月「――ない」
悟「え?」
雛月「もう悟と離れたくない……」
雛月「ずっと一緒にいたい……」
悟「……それじゃ」
悟(――しっかりしろ29歳)
悟(今、「これ」を言っていいのか考えろ。考えろ考えろ……)
悟(あれから、もう1年以上が経つ)
悟(だから、俺は――)
悟「うち、来るか?」
雛月「……」
雛月「え?」
悟(そんなことを、雛月に口走っていた)
64
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 20:31:40 ID:TnaVQERc
雛月「……」
雛月「ほ、本気?」
悟「うん」
雛月「で、でも! い、一緒に、その……く、暮らす、なんて」
悟「難しい? だよな、俺もそう思う」
悟「でもさ――俺たちって、もっと難しいことを乗り越えなかった?」
悟「それも、一緒に」
雛月「わ、私何もしてない……」
雛月「悟がガンバってくれたからで……だ、だから」
悟「いや。加代は俺を信頼してくれた」
雛月「……!」
悟「普通、『誘拐してもいいか?』なんてこと言われたら……イヤって言うよ」
悟「でも、加代は一緒に来てくれた。だから――」
雛月「……悟」
悟「……加代」
雛月「わ、私、そんなことおばあちゃんに話せないよ」
悟「それなら俺も一緒に行く。あと、母さんにも協力を頼んでみる」
雛月「……私、あの街に戻れないよ」
悟「それじゃ今日、どうしてこの山に来れたんだ?」
雛月「……悟が、手繋いでてくれたから」
悟「だろ? ――だから」
悟「加代」
悟「お前を『また』誘拐するけど……いいか?」
雛月「……」
雛月「うん」
65
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 20:38:59 ID:TnaVQERc
――その後
佐知子「だーめ」
雛月「……さ、悟?」
悟「い、いや……母さん?」
佐知子「あんたたち、まだ子どもだべさ」
佐知子「いいかい? そういうのって、大人でも大変なんだ」
佐知子「それなのに、保護者の加代ちゃんのおばあさんから引き離すことなんて無理だべさ」
雛月「うう……」
悟(だよな。……正直、途中から29歳の俺が「それは無理だ」って言ってたし)
悟(母さん。俺も大人なんだよ? 信じてもらえないだろうけど……)
66
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 20:39:54 ID:TnaVQERc
佐知子「――ただ」
佐知子「たまに来て、料理手伝ってもらったりしてくれるかい?」
雛月「……え?」
佐知子「ああ、後……また一緒に寝るかい?」
佐知子「そういうことならいいよ」
悟「か、母さん、それって……」
佐知子「悟? ちゃんと向こうのおばあさんと話してくるんだべさ」
佐知子「『加代ちゃんは僕の彼女なんです。だから――』って」
悟「い、いや、それは……」
雛月「……悟、イヤなの?」
悟「……は、恥ずかしいんだよ!」
雛月「ここに来るまで、悟がずっと手繋いでてくれたから……怖くなかった」
雛月「だったら、今度は……手繋いで、一緒に私の今の家に行く?」
悟「……うん。そうしよっか」
佐知子「おーおー、熱い熱い……」
悟「か、母さん!」
雛月「……ふふっ」
雛月「悟のお家にお泊り出来るんだね、これからは」
悟「……うん」
67
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/06(日) 20:41:56 ID:TnaVQERc
多分今はここまでです
行き当たりばったりのイチャイチャは書き出すとなかなか止まりませんね……
68
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/07(月) 01:00:30 ID:kLMrQaXs
あーもうたまらねえぜ!早く悟×加代まみれになろうぜ
69
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/08(火) 21:59:11 ID:kKqk2yRs
――進学
悟「……同じクラス、だな」
雛月「……う、うん」
ケンヤ「おー、二人とも同じかー」
ヒロミ「僕たちは一緒だけど……他とは離れちゃったね」
悟「え? ケンヤもヒロミも同じ……?」
ケンヤ「なんだよ、気づかなかったのか?」
ケンヤ「まあ、そっか。……二人がお互いが同じかどうかが何よりだもんな」
ヒロミ「そうだね!」
雛月「だ、だから! 悟、バカなの!?」
悟「それ酷いだろ!」
悟「加代だって同じこと言おうとしてたくせに」
雛月「……そ、そんなことないし」
ヒロミ「ねー、二人の邪魔しちゃ悪いし、向こう行ってない?」
ケンヤ「そうだな。それじゃ落ち着いたらよろしくー」
悟「ちょっ!? ふ、二人とも!」
70
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/08(火) 21:59:28 ID:kKqk2yRs
雛月「……」
悟「……か、加代?」
雛月「悟のせいで……これからが一気に不安になった」
雛月「責任、とって」
悟「せ、責任?」
雛月「……」
雛月「や、やっぱり、いい」
悟「責任、とって……」
雛月「く、繰り返さないで!」
悟(雛月が意識したのは……「そういうこと」なのだろうか)
悟(し、しっかりしろ29歳! まだ青二才の思春期に付き合ってる場合か!)
悟「……責任、とっても」
雛月「」
悟(声に出てた!)
71
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/08(火) 22:12:14 ID:kKqk2yRs
悟「……」
雛月「……」
悟(『藤沼』と『雛月』……)
悟(そりゃ苗字が近いからって……席まで隣?)
悟「え、えっと……」
雛月「……うう」
悟(だ、ダメだ! もう照れすぎてて話せる状況じゃない!)
悟(誰か助け――)
ケンヤ「うーん、そうだな……悟? 俺と席替えするか?」
悟「け、ケンヤ!」
雛月「!」
ケンヤ「俺が隣なら、雛月も照れすぎたりしないはずだし」
ヒロミ「わー、名案かも」
悟「……」
悟(うーん……たしかに、このままじゃなぁ)
悟(雛月が勉強とか何も出来ないわけで。たしかに、ケンヤの言う通り――)
72
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/08(火) 22:12:35 ID:kKqk2yRs
雛月「……や」
悟「や?」
雛月「い、イヤ!」
悟「え?」
雛月「……こ、このままでいい、から」
雛月「べ、別に隣だからってなにってことだよ。……バカなの?」
悟「いや、俺なにも言ってないんだけど……」
ケンヤ「……まあ、そうなるよな」
ヒロミ「熱いねー」
悟「ふ、二人ともありがと。……うん、えっと」
雛月「そうだよ。別に、悟と一緒にいるから照れてるわけじゃないし、これはその」
悟「……とりあえず、しばらくこんな感じだと思うけどよろしくな?」
ケンヤ「ああ、いいよ」
ヒロミ「もちろん!」
悟「あ、ありがと」
雛月「……悟の、バカ」
悟「結局、そこに落ち着くのか……」
73
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/08(火) 22:13:50 ID:kKqk2yRs
今日はここまでかと
中学進学、雛月赤面、外野囃子
そんな話でした
参考にしようと思ってWikipedia見たらネタバレ食らいました(半ギレ)
74
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/09(水) 18:52:56 ID:IBBC23Dk
>>73
やっぱりwikiを・・・最低やな
ドンクライ!
75
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/09(水) 18:55:30 ID:H/vQzeVY
ネタバレを含むんだけども
加代の子は寝てる間に悟から搾り取った種で、ヒロミ君はそれを承知でおかしいと思われないように結婚したとかそういう薄い本、ありませんかね?
76
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/11(金) 11:49:23 ID:RFXUzQi2
申し訳ないが六壁坂の妖怪のような話はNG
77
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/11(金) 11:56:05 ID:RFXUzQi2
しかし最新話見るとヒロミとの接点薄くなったから悟いけそう…いけそうじゃない?(願望)
78
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/11(金) 13:49:32 ID:7huxRb9E
悟くんがんばれ!がんばれ!
79
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/11(金) 19:11:43 ID:RFXUzQi2
>>78
悟くんがんばれー!(飴を頬張りながら)
80
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/11(金) 19:27:48 ID:RxI0BDQ2
>>79
静かにダレオさん、黙って
81
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/11(金) 21:55:17 ID:r./3.N7c
――しばらくして
ケンヤ「……うわ」
ヒロミ「あっ、手紙入ってるね」
ケンヤ「はぁ……またか」
ヒロミ「中身見なくていいの?」
ケンヤ「大体、分かってるから後で読むよ。で、断る」
ヒロミ「そっかー。……ケンヤくん、ホントモテるよね」
ケンヤ「そうか? よく分からないけど、そんなもんなのかな?」
悟(……ケンヤは当時からモテモテだったっけなぁ)
悟(俺もケンヤを見ながら何度も思ったっけ。……で、今あの時と違うのは)
82
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/11(金) 21:55:53 ID:r./3.N7c
雛月「……ケンヤくんってモテるんだね」
悟(隣に、雛月がいるってこと)
悟(これが、どれだけ嬉しいことか――)
悟「まあ、ケンヤは中学入ったらモテると思ってたよ」
悟「かっこいいし」
雛月「……悟、ひがみ?」
悟「なに言ってんだ? 俺は加代がいたらそれでいいって」
雛月「……」
雛月「ば、バカなの? 下駄箱でそんなこと言わないでよ。もうっ」
悟(ああ、ダメだこれ……可愛すぎて幸せだ)
悟(「しっかりしろ29歳」という掛け声も、もう意味を成さなくなってきている気がした――)
83
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/12(土) 00:27:12 ID:Psgy9nmM
同級生だから!同級生だから安心!
84
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/14(月) 15:53:44 ID:XHGN/NtE
――中間試験前・悟の家
悟「……加代。そこ、スペルミス」
雛月「……し、知ってたし。今、直そうとしたし」
悟「それ、三回目」
雛月「……悟のイジワル」
悟「彼女が赤点取ったとかイヤだし。加代だってイヤだろ、赤点」
雛月「そ、それはそう、だけど……」
雛月「悟は自分の勉強しなくてもいいの?」
悟「まぁ……中一レベルなら、まだ」
雛月「え?」
悟「あ、い、いや! なんでもない!」
悟(危ない……希薄になってきたとはいえ、29歳だってことを話すわけにはいかないよな)
85
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/14(月) 15:54:07 ID:XHGN/NtE
雛月「――良かった」
悟「え?」
雛月「悟、やっぱり優しいから」
悟「……俺は加代が大事なだけだし」
雛月「……」
雛月「ば、バカなの?」
悟「加代ー、ノートから字がはみ出してるぞー?」
雛月「……ふんだ」
雛月「悟よりいい点取って、自慢しちゃうんだから」
悟「おお、そうか。ガンバってくれ」
雛月「うっ、その余裕の態度……ムカッとする」
悟「あっ、そろそろ母さん帰ってくるな」
悟「それじゃ俺、料理の手伝いするから」
雛月「わ、私も!」
悟「いやー、加代はガンバって勉強しないと危ないだろ?」
雛月「……ば、バカなの?」
雛月「料理しながら勉強だって出来るし」
悟「うわ、頭に入りそうにない……」
雛月「なっ! ば、バカにして!」
佐知子「……」
佐知子(お二人さん、外まで声漏れてるよー……)
佐知子(あまりにも微笑ましくて入るのに迷うべさ……)
86
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/14(月) 16:03:11 ID:XHGN/NtE
――結果発表
ヒロミ「わっ、ケンヤくん2位とか凄いね!」
ケンヤ「ありがとな。……まぁ、上には上がいるんだけど」
悟「……俺が、一位?」
悟(さすがに中一レベルの記憶は残ってたか……俺)
悟(それに田舎の学校だしな……)
悟(まあ、これから先は通じなくなるんだろうけど……で、雛月は?)
雛月「」
悟「……えっと」
ヒロミ「だ、大丈夫だよ雛月さん! 赤点回避したし!」
ケンヤ「そうだよ。……よっぽど誰かさんの教え方がうまかったんだな」
悟「い、いやー、照れるな」
雛月「……ふ、ふんだ」
雛月「どうせ、下位だからってバカにしてるでしょ?」
悟「え? 俺は加代が目標達成したのが嬉しいだけだけど?」
雛月「……!」
雛月「ば、バカなの?」
87
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/14(月) 16:03:35 ID:XHGN/NtE
ヒロミ「それじゃ、ケンヤくん?」
ケンヤ「ああ、そうだな。俺たち、ちょっと向こう行ってるから」
悟「お、おい!」
雛月「……行っちゃったね」
悟「……うん」
悟「加代。今日さ、うち来る?」
悟「目標達成祝いに、母さんがごちそうしてくれるだろうし」
雛月「……私も今日から手伝える?」
悟「もちろん!」
雛月「……」
雛月「うん。行く」
悟「……!」
悟(――加代の笑顔が可愛すぎて、29歳の俺が辛い)
88
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/14(月) 16:29:20 ID:XHGN/NtE
――夏休み
悟「……夏だな」
雛月「……夏だね」
悟「加代は何かしたいこととかある?」
雛月「え? と、特にはないけど?」
雛月「……悟と一緒にいられたら、それだけで『したいこと』だし」
悟「そ、そっか……」
悟(まずい……最近、雛月がナチュラルに可愛すぎて辛い)
悟(このままじゃ間違いを起こしかねない……あれ? 同い年だから間違いにならないのか?)
雛月「……悟、顔真っ赤」
悟「うっ」
雛月「ふふっ。……バカなの?」
雛月「あっ。当たりでた! もう一本貰いに行くね」
悟「俺のは……ハズレかぁ」
雛月「ふふっ、私の勝ちだね」
悟「こういうのって勝ち負けあったのか……」
悟(――駄菓子屋でアイスを買って食べながら、俺は空を見上げた)
悟(抜けるように青い空に浮かぶ太陽は、俺たちをただ照らしていた)
悟(……考えよう。どうしたら、夏休みを雛月と楽しめるのか)
89
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/14(月) 18:27:58 ID:pDlT6pv.
濡れTシャツコンテストをしよう(監獄学園並の発想)
90
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/14(月) 23:19:24 ID:4Ib4URSA
いいゾ〜これ
91
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/16(水) 14:55:05 ID:oO/TA7D.
すみません、しばらく更新出来ないかも…
92
:
名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/17(木) 18:31:59 ID:1TxPbFTE
かまわん、本編いこ!
93
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/21(月) 19:18:39 ID:9qrJsULA
――プール前
悟「……こ、ここでいいのか?」
雛月「……う、うん」
悟「ホントに?」
雛月「……」
悟(――俺がこれを聞くのには理由がある)
悟(去年の夏、雛月を誘ったら断られた。理由としては、母親の虐待の傷が浮き彫りになるから、だった)
悟(まあたしかに、それも無理はない。あの時期じゃ、まだ快復していないんだろうな、と俺は一人で合点していた)
悟(……「本当の理由」かもしれないことに、何となく考えてしまった自分が少し憎い)
悟(もしかして――雛月はカナヅチなんじゃないか、と)
悟(だから理由を付けてプールに行くのを拒んだんじゃないか、と)
雛月「――悟、気づいてるでしょ?」
悟「な、なんのこと?」
雛月「……ふんだ」
雛月「どうせ、私は泳げないよ」
悟「あ、やっぱり」
雛月「……ふんだ」
悟(声に出てた!)
94
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/21(月) 19:22:14 ID:AeN4/UFI
続きいいゾ〜これ
95
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/21(月) 19:25:05 ID:9qrJsULA
雛月「もう去年の時点で、傷なんて無くなってたし」
悟「……じゃ、じゃあ別の場所にするか?」
雛月「ううん、いいよ」
雛月「悟……泳ぎたいんでしょ?」
悟「まぁ……夏といえば、山とか海とかプールかなって思うし」
雛月「……悟がしたいことが、私のしたいことだし」
悟「……」
雛月「ば、バカなの? そんなに顔真っ赤にして……」
悟「そ、それは加代のせいだろ!」
――着替え後
悟「……」
悟(雛月、遅いな……なかなか出てこない)
悟(あれ? これって……「中身29歳のおっさんが中1の女子と一緒にプールで」ってことじゃ)
悟(いや、もういいか……そんなことを思う段階は通り過ぎ――)
雛月「お、お待たせ」
悟「」
悟(淡い藍色のワンピースタイプで、下の方に少しフリルが付いた水着姿の雛月が現れた)
雛月「……ど、どう、かな?」
悟「……」
雛月「さ、悟?」
悟「……はっ!」
悟「う、うん! に、にに、似合ってると思う!)
悟(ダメだ……鎮まれ、俺の煩悩! しっかりしろ29歳!)
悟(やばい……「さすがに可愛すぎるだろ」とか思ってしまった)
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/21(月) 19:30:41 ID:AeN4/UFI
中1雛月も美味そうやなほんまに…
97
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/21(月) 19:32:09 ID:9qrJsULA
悟「え、えっと……」
雛月「……ビート板」
悟「え?」
雛月「持ってくる。ちょっと待ってて」
悟「ちょっ、か、加代! そんな走ったらすべ――」
雛月「ひゃっ!?」
悟「加代!」
悟「……」
雛月「……」
悟(後ろに転びそうになった雛月を抱きかかえる形で、俺は彼女の顔に接近していた)
悟(次第に、雛月の顔が赤くなっていく……うん。俺も人のこと言えない)
悟「……加代、プールとか来るのは?」
雛月「こ、こういう施設に来るのは初めて」
悟「そっか。学校のとは、色々違うからなぁ」
98
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/21(月) 19:32:32 ID:9qrJsULA
悟「……加代、緊張してない?」
雛月「そ、それは! ちょっとはある、けど……」
悟「だろ? 実は俺も」
雛月「さ、悟も?」
悟「うん。……か、加代の水着姿が可愛いなって思っちゃったし」
雛月「」
悟「そ、それに! 周り、カップルだらけだし!」
悟「だ、だから、えっと……」
悟「俺も同じだから……一緒にゆっくり行こう?」
雛月「……さと、る」
悟「ビート板、一緒に取りにいこっか?」
悟「その後は流れるプールがいいか?」
雛月「……ふふっ」
悟「か、加代?」
雛月「良かった――」
雛月「私のヒーローが……悟で」
悟「……」
悟(まずい……こんなんじゃ先が思いやられる!)
悟(というか俺たち顔赤くしすぎだろ! ヤケドするぞ!)
99
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/21(月) 19:40:33 ID:9qrJsULA
悟「……そ、それじゃまずは流れるプールでいいか?」
雛月「うん。……手、離さないでね?」
悟「お、オッケー」
雛月「……流れていっちゃったら、悟と離れ離れになっちゃうし」
悟「……安心しろって。どこまで離れても、俺は加代を見つけ出すから」
雛月「……ば、バカなの? どうして、そういうこと言っちゃうの?」
悟「か、加代のせいだろ!」
悟「……」
雛月「……へぇ」
雛月「学校の授業とは違って……楽しいね」
悟「そりゃまあ……あっちに流れるプールなんて無いからな。当たり前だけど」
雛月「あと、悟も近くにいないし」
悟「……ま、まぁ、それはそうだな。うん」
雛月「今は近くで一緒に周ってるんだよ? ……楽しいな」
悟「そ、そう、だな」
100
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名前なんか必要ねぇんだよ!
:2016/03/21(月) 19:40:53 ID:9qrJsULA
悟「――な、なぁ、加代?」
雛月「なに?」
悟「……あそこで浮き輪、レンタルしてるって」
悟「俺がお金払うからさ。加代もそれに載ったらどうかな、って」
雛月「……え?」
悟「流れるプール、浮き輪で周るとメチャクチャ楽しいんだ!」
悟「だから。……な、なんだよ、その顔?」
雛月「……悟。もしかして、自分が載りたいだけじゃないのかなって」
悟「……わ、悪いか?」
雛月「ううん。……お金は出し合おう?」
悟「こ、ここで払わなかったら彼氏が廃る!」
雛月「今月、ちょっと厳しいんでしょ?」
悟「そ、それは……えっと」
雛月「私、悟に助けられっぱなしだし」
雛月「だから……ね?」
悟「……そ、それじゃ、頼む」
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