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【誕生日スレ】今日は何の日?【総合】

275Republica de Venexia:2014/09/07(日) 00:59:41 ID:???
9月7日はアナーニ事件が起こった日です

1285年にフランス王となったフィリップ4世端麗王の治世は、フランス王権と教皇権との対立が激化した時代でもありました
これは11世紀のグレゴリウス改革や叙任権闘争における皇帝権と教皇権との対立から続くものであり、世俗君主と教皇のどちらが優位にあるかという首位権を巡る論争でした

またフィリップ4世の治世では、封建貴族・王族との妥協的性格を持つかなクリア・レギス(王室諮問会議)から脱却し、絶対主義的王権を支持するレジスト(ローマ法学者)をブレーンとする中央集権的な官僚制が整えられていきました
フィリップ4世の顧問としてはギョーム=ド=ノガレ、アンゲラン=ド=マリニー、ギョーム=ド=プレジアンらがおり、彼らは国王をローマ皇帝の絶対権力の継承者とみなし、教皇や聖職者全てを国王の支配下に置くことを主張していました

フィリップはこれらの顧問団に支えられ、教皇への圧力を強めていきます
対イングランド戦争の軍資金調達のため、聖職者に課税したのもその1つでした
これに教皇至上主義を主張する教皇ボニファティウス8世が真っ向から対立し、1302年、教皇権の優位を認めさせる教皇回勅を発布します
これに対しフィリップは同年に三部会を開催し、フランス王国の独立と国王の権威を確認が決議されました
さらに翌1303年3月、王政顧問会議でノガレによってボニファティウスを弾劾する宣言が行われ、国中に徹底させます

こうして教皇に対抗する基盤が確立され、ついに1303年9月7日、フィリップはノガレに軍勢を与え、アナーニ城にてボニファティウスを捕縛させます
ボニファティウスは救出され難を逃れますが、後に憤死してしまいます

このアナーニ事件により教皇権威は大いに失墜します
フィリップは十字軍騎士団であるテンプル騎士団を解散させ、さらに教皇庁をアヴィニョンに移転させる(教皇のバビロン捕囚)など、フランス王権の教皇権に対する優位が確立していくのでした


本日はフランス早期絶対王政の誕生日です、おめでとうございます


参考文献
・橋口倫介『十字軍騎士団』講談社、1994年
・柴田三千雄・樺山紘一・福井憲彦『世界歴史大系フランス史1 先史〜15世紀』山川出版社、1995年
・佐藤彰一・池上俊一『世界の歴史10 西ヨーロッパ世界の形成』中央公論新社、2008年


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