したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

雑談

577フシギ:2012/06/22(金) 22:18:31
デミオさんと正義さんの議論の中で扱われている「刑法講義総論」(大谷實)ですが、正義さんはこの本の解釈、引用についても得意の捻じ曲げを行っています

正義さんの発言>>151
>・「当罰的行為は違法で有責な行為を言うが、・・・」(大谷88p) 
>→当罰的行為は実質上違法かつ有責な行為であるが(107p)、88pではこれを上記のように言い換えている。
>とすれば、88pの「違法有責」が実質上の意味であることは明らか。 

107ページの原文
「社会においては、実質上違法であり責任を帰すべき当罰行為は数多く存在しているが…」
これは当罰行為の定義を解説した文ではありません
正義さんにかかるとこの文が「当罰的行為は実質上違法かつ有責な行為であるが」に変わってしまうのです

正義さんの発言>>380
>法益侵害については、大谷本上自然災害と動物被害が例示されていますが(237p)、これらは当然既存の成文法に形式的に当てはまるものではありません。
>ちなみに通説とされる客観的違法性論では、法益侵害をもって違法性を肯定するため、自然災害や動物被害なども違法性を有することになります。 

正義さんの発言>>390
>しかし、法秩序違反の判断について、大谷本は客観的違法性論を通説としています。
>通説によると、法益侵害(の危険)が客観的に存在すれば、それが人間の行為に関連付けられる必要はなく、直ちに評価規範に反する状態として違法と判断されます。
>それ故、自然災害・動物被害は「成文法の法文で禁止されている行為」ではありませんが、多くの刑法本に基づけば「違法」とされるのです。

確かに客観的違法性論の説明で、自然災害や動物による被害が違法性を有するという言葉は出てくるのですが、これは客観的違法性論の問題と言うべき点として挙げられていて、「客観的違法性論の立場に立つと自然災害も違法になってしまう」というニュアンスの文章です
以下に原文を示します

「客観的違法性論とは、法を評価規範と決定規範に分け、評価規範に客観的に違反することが違法であり、決定規範に主観的に違反することが責任であるとする立場をいう。この立場によれば、行為の違法性は行為者の故意・過失、責任能力の有無とは関係がなく、客観的に法秩序に矛盾する事態が発生した以上は違法となるから、自然の災害、動物による被害も違法性を有することとなる。」

この後、主観的違法性論の説明と、客観的違法性論が通説という説明が展開されます
しかし話はそれで終わりではなく、三つ目の立場が提示されます

「近年においては、客観的違法性論を標榜しつつ、法規範は人間の行為のみを対象とし、法の評価規範と決定規範はともに違法性および責任の両場面で二重に作用すると主張する見解が有力となっている。この考え方を従来の客観的違法性論から区別する意味で、新客観的違法性論と呼ぶことにしたい。」

そして著者の大谷氏はこの新客観的違法性論を明確に支持するのです

「法は法益保護のために社会の構成員すべてを名宛人として命令・禁止するものであるから、一般国民に対していかなる行為を違法なものとして命令・禁止しているかが重要となり、そのような一般人に対する規範すなわち一般規範としての行為規範に客観的に違反することが違法であると解すべきであり、新客観的違法性論が妥当であると考える。」

さらに新客観的違法性論の立場に立つことで、自然災害などが違法性を有してしまう客観的違法性論の欠点を回避できることに触れており
この文で、著者が自然災害が違法性を有することが問題だと捉えていることが、より確実になります

「ちなみに、客観的違法性論においては自然現象および動物による被害も違法性を有するものとされるが、新客観的違法性論においては、そもそもこれらは法規範の対象となりえないから、違法性は人間の行為についてのみ問題となるにすぎない。」

「刑法講義総論」に基づいた議論と言いながら、著者が妥当とする説を避け、自分に都合の良い説をもとに自分の主張を通そうとする
見事な捻じ曲げです

「自分に都合の良い説」と書きましたが、実際には正義さんが理解できていないだけで、客観的違法性論の立場にたっても、正義さんの主張が間違っていることには変わりありません
念のため


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板