したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

出会い系サイトにあった怖い話

149管理人:2014/03/31(月) 15:45:55 ID:v51aDHlM
タイトル:稲川淳二『亡骸を抱く男』
ジャンル:
内容:

ある番組で怪奇にまつわる話を収録したと きのことです。
収録後、スタッフのひとりがやって来て ね、
「稲川さん、霊とか見えるんですってね。 ひとつ話を聞いてもらえませんか」
「別に見ようと思っているわけじゃないけ どね。 なんだい?」
と言って話してもらったのがこの話なんで す。
そのスタッフの人の親戚は、昔ね、ヒッ ピーのはしりみたいなことをしていたそう です。
それで学生時代に日本中を旅していたんで すよ。

あるとき、北海道まで行ったときに、そこ で働いている女の子と知り合ったんです。
「わーっ、嫁さんにするなら、こういう人 がいいなぁ」
と思ったんですよ。
相手の女の子も彼に好意を持っていたよう でね、
「俺が大学を卒業したら迎えに来るよ」
そんな約束をして彼は去ったんです。
それから数年たって、彼は大学を卒業した んですが、相変わらず、あちらこちらをフ ラフラしていたんですよ。
その間は北海道の件を忘れていたんでしょ うね。

それが、あるとき思い出したんですよ。
「彼女にも会いたいし、北海道に行ってみ ようかな」
なんてね。
そこで、彼は友人を誘って、北海道を訪ね ることにしたんです。それで行ってみると 何か様子が変なんですよ。
人の動き回る気配が不自然に慌ただしい。
そこにいたおばさんに話しかけると、目を 丸くして驚くんです。
「なつかしいね。 これも何かの虫の知らせかね」
「何ですか。 何か、あったんですか」
って言ったら、これが葬式の最中だったん ですよ。
それもあの彼女の葬式だったんですよ。
その日はもう遅かったし、彼女はすでに土 葬された後だと言うので、彼はとりあえ ず、泊めてもらうことになったんですよ。

真夜中のことです。
彼は誰かが横に寝ている気配で目が覚めた んです。
目を開けて見ると横に人が寝ているんで す。
頬にその人の髪の毛が触れていてね、誰だ ろうと思って起き上がってみると、それが あの彼女だったんです。
埋葬されたはずの彼女の亡骸が横に寝てい るんですよ。
「ウワーッ」
って大騒ぎになりましたよ。
だって、死んでしまって、埋めたはずの彼 女が、ひょこひょこ歩いてやってくるはず がないでしょう。
みんなも驚いたのなんの。
仕方がないから、翌日、改めて埋葬しなお したんですよ。
それで彼の方も何が何だかわからないけ ど、もう一晩泊めてもらうことにしたんで す。
ところが、その晩も何かが横に寝ている気 配を感じたんですよ。
起きてみると、また、彼女の死体が寝てい たんですよ。
墓穴を掘り返し、死に装束のまま、彼の横 に横たわっているんです。
「いったい誰がこんなことをしたんだ」
「何かの祟りじゃないか」
そんな話になって、彼の友人が、 「こりゃおかしいぞ。ひとつ時限タイマー のついているカメラを用意してやるから、 これで調べてみよう」
って言いだしたんです。
そこで、街に行って用意して、その晩も泊 まることにしたんですよ。
すると、案の定、その晩も彼女が横に寝て いたんですよ。
「うわーっ、もう、やめてくれー」
って大騒ぎでね。
「もう、こうなったら、カメラに写ってい るものを見るしかない」
そこで、友人がすぐに写真屋に、フィルム を現像しに行ったんです。
そして、友人が現像した写真を持って帰っ て来たんですが、友人が真っ青な顔をして るんですよ。
「とにかく、これを見てみろ」
そう言って、彼に写真を渡したんです。
それを受け取ったとたん、彼は立ち竦んで しまって、
「ああああーっ」
と言ったっきり、何も言えなくなってし まったんですよ。
その写真に写っていたのは、ふすまが開い て、彼女の亡骸を抱いた男が入ってこよう とした瞬間だったんです。その男の顔を見 ると、何と、彼自身だったんですよ。
彼自身が墓から掘り返した彼女の亡骸を抱 え、運んで来ていたんです。
何だってそんなことをしていたのかわから ないんですよ。
とにかく、無意識のうちに彼女の亡骸を運 んでいたんです。
もしかしたら、彼は彼女の霊に呼び寄せら れてそんなことをしていたのではないで しょうか。


-終わり-


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板