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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか、今度こそ」

393Mii:2021/07/18(日) 12:36:09 ID:E.ElLwKM
…そこへ、スイ―――――――――――ッと、浮遊移動してきた剣の精霊、1人。



ファイ「マスター。最終戦、頑張ってください。応援しています」

リンク「…………最終戦を応援してくれるのは、嬉しいんだけど。結局、この大会、ファイはあんまり居てくれなかったよな。
   俺としては最初から最後まで、しっかり観戦してほしかったわけなんだけど」

ファイ「そ、それは――――――――」

リンク「今日の試合に限ってすら、そうだろ?いつの間にかどこかに行っちゃって…俺の試合、観戦してたか?」

ファイ「――――――――っ」

リンク「なあ、ファイ。終わったことはあれこれ言いたくないんだけどさ。
   大会期間中、何をしてどこにいたのかだけでも教えてくれないか?
   原因があって、その対処のために足止め食ってた…とかなら、何も文句言わないよ」

ファイ「…………………………………………」

リンク「言えないのか?」

若干おどおどしているように見える剣の精霊さん。一体、本当にどうしたのかしら。リンクの半身のようなもののはずなのに。



ファイ「……………………まだ、駄目です。申し訳ございません」

リンク「まだってなんだよ、まだって!」

394Mii:2021/07/18(日) 12:39:00 ID:E.ElLwKM
ゼルダ「ふふふ、そのままギクシャクしてしまいなさい
   (まあまあリンク落ち着いてください、ファイにも外せぬ事情があったのでしょう)」

デイジー「うっわぁ…………」

ヒルダ「ゼルダ姫…………」



ファイ「――――――――最終戦が終わったら、必ずやお伝えいたします。
   ですから、勝ってください。優勝してください」



ピリッとした、空気の変化。
ファイがふざけているわけではないことに、リンクも気付いたようね。



リンク「……………………やれやれ。約束だぞ?
   そんじゃ、まあ、頑張ってみますか。ファイの為にも」フッ

ファイ「…ありがとう、ございます!」パアアアァァ

ヒルダ「なんだかんだ言って、お互いを信頼しているのですね…!」

ゼルダ「ギルティ、ギルティ、ギルティ・・・・・・」ブルブル

ほどなく、満身創痍ながらやる気だけは残っているロゼッタが合流し…………
いよいよ、最終戦の幕が上がる。

395Mii:2021/07/18(日) 12:44:24 ID:E.ElLwKM
――泣いても笑っても、最終戦。これで、3か月弱に及ぶ大会の勝者が決まる。

――瞬き一つ、慎重に。決定的瞬間を、見逃すな。





マリオVSクッパVSリンクVSロゼッタ





マリオ「…まず最初に、ロゼッタを倒して――――」

クッパ「…まず最初に、ロゼッタを吹っ飛ばして――――」

リンク「…まず最初に、ロゼッタを斬り伏せて――――」

ロゼッタ「聞こえてます、聞こえてますからね!?集中攻撃やめてください!?
    …うぷ、御三方を見ているだけで、猛烈な吐き気と眩暈が…!

    がんばって、私…!もうちょっとよ、私っ…!!」ヨタッ ブルブル・・・

マリオ「いや、このポイント差だと、マジでロゼッタ撃墜分が決勝点になりそうだし…」

ロゼッタ「どうしてですかっ!?単純に、この試合で1位…
    とにかく最後まで生き残っていればよいのでは!?
    別に私をいの一番で狙わなくとも、それで十分な差が付くでしょう!?」

396Mii:2021/07/18(日) 12:49:45 ID:E.ElLwKM
マリオ「そりゃあ、1人しか立っていなけりゃ確かにそうだが。
   2人以上残ったままタイムアップ迎える可能性もあるし…」

クッパ「そのくらいワガハイたちの実力は拮抗しているからな。
   最終戦は最初で最後の三すくみ状態、膠着状態になることも十分あり得るのだ。
   その場合、撃墜点がロゼッタの分のみになることも想定しなければならん」

リンク「ぶっちゃけちゃうと、3強同士でポイントを奪い合うより…
   いかにロゼッタを瞬殺して確実にポイントを貰うかを考えた方が
   優勝には近づきやすいからなあ…そればっかりを狙うつもりはないけど…」

ロゼッタ「」ガクガクブルブル





観客「ロゼッタさーん!!がんばれー!」

ロゼッタ「――――――――えっ…………」ハッ!



観客「そうだ、ロゼッタァー!勝てとは言わないけれど諦めるなー!
  アンタの頑張り、十分伝わってきてるぞー!!最後の最後まで魅せてくれー!」

観客「女の意地ってもんを、男らに知らしめしちゃいなよー!」

観客「あんなに、でっかい彗星だって落としてみせたじゃん!こわーい敵を、ド派手に倒してみせたじゃん!
  ――――-貴方だって、じゅうぶんに立派な英雄だ!もっともっと、カッコいい、すっごい技を披露してくれ!」

397Mii:2021/07/18(日) 12:54:45 ID:E.ElLwKM
ロゼッタ「――――――――――――――――っ!!」ブルッ!



我に返る。こんな弱気な私を応援してくれている人に、深い感謝を。

…そうだ、ここで引っ込み思案になっていても、何も始まりません…!
タブー戦で学んだことが、あるでしょう!むしろなぜ、忘れていたというのですか!



――――勝ち気という、大切な想い!



ロゼッタ「半ば自棄かもしれませんが…覚悟、できました!」キリッ!

マリオ「うっしゃあ!」



ロゼッタ「…あ、その前に…ちょっとタイムをばっ!」ササッ

マリオ「お?まあ、いいけど?」



最後のあがきで、カチャカチャと。慣れない操作で、ポチポチと。
…専用端末から必殺技の見直しをさせていただきますっ!
――――レッツ、カスタマイズ!

398Mii:2021/07/18(日) 13:03:33 ID:E.ElLwKM
端末「通常必殺:キラキラ落とし   【600 F レベルフラット時ダメ―ジ14%】
        チコたちを速度を稼ぐために十分な高さの天空にスタンバイさせ、
        棒立ち状態の重力操作で一気に急降下させる。表示はチコ1人目の威力。
        全弾当てれば14+7+4+3+3+3+3+3で40%も削り取る。
        物陰でやり過ごされるが、自分と相手の位置に関係なく繰り出せる遠隔攻撃。
        2セット目以降は3%×8に威力低下するうえ、他の必殺技の威力まで以後4分の1になるので要注意。

    上必殺:バレットパンチ   【2〜5F レベルフラット時ダメ―ジ4%】
        まずダッシュリングの力を使用して任意の方向に急加速し、その後、
        何重にも硬化された鉄拳を叩きこむ。復帰、移動手段としても。
        一度までなら加速中にも方向転換が可能。ただし加速の程度は低下。
        最大限加速されたときのパンチ速度は全ファイター中でも最速の部類。
       ※実分身《リアルアバター》不在でダッシュリングを作成するため、初回のみ最初に300Fの予備動作が必要。

    下必殺: T-ホールド   【60 F ダメージ判定無し】
         魔法ひとつをそのまま自分の体に強制ストックし、任意のタイミングでいつでも発動させられる状態にする。同時ストックは不可。
         スタンバイ状態で視界にさえ入った魔法なら規模や距離は問わない。ただしストック中は1秒ごとに0.5〜1%自傷ダメージを負う。
         ※現状では、コントラクト(契約)を結んだゼルダ・ヒルダ以外の魔法に対しては発動できない。
          つまり本試合では死に技。ロゼッタ選手の単なる酔狂です。

     横必殺:パイロキネシス  【12 F レベルフラット時ダメ―ジ10〜8(減衰)%×1〜3】
         空間魔法で作りだした火球を剛速球で投げ飛ばす。断続3連投が可能。
         投げる前の火球は自分の周囲に留まっており、反撃効果および仰け反り防止効果あり(消費)。
  
   最後の切り札:亜空切断  【レベルフラット時ダメ―ジ∞%】
           フィールドの小空間1か所を指定して、一定時間後に5秒間発動。
           発動中に空間内に立ち入った選手の残機(ストック)を1減らす。
           発動完了後、レバガチャ無効のピヨリ状態が試合終了まで続く」

ロゼッタ「端末に余計なツッコミを入れられたのは無視して――――よし」

399Mii:2021/07/18(日) 13:08:17 ID:E.ElLwKM
マスターハンド「私、緊張して参りました…いよいよ、最後の時。
        優勝を決める、最後の試合が始まろうとしています!
        さあ!残るチカラを全てぶつけて!試合開始のカウントダウンですっ!」

観客「ファイブ!」

観客「フォー!」

観客「スリー!」

観客「ツー!」

観客「ワン!」



――――心なしか、いつもより、間が空いている、気がする。
――――緊張あまりの錯覚?それもまあ、しかたがないでしょう。
――――今はまだ、無理ですが。いつかはこの感覚を、楽しめるようになれたら、いいですね。



パアアアァァン!!





実況「――――さあ、試合開始です!!」

400Mii:2021/07/18(日) 13:12:06 ID:E.ElLwKM
マリオ「ハッ――――――――!早速ですまんな!!」ダダダッ!!!!



マリオが、開始そうそうに私に突撃を仕掛けて来て――――!
己の体に対して直接起動させるためのダッシュリング作成、とても間に合わないっ!
まだそれよりは出の早い、パイロキネシスの火球で…ガードッ!!



マリオ「そんなガード、関係ないぞっ!!」ゴウッ!!

ロゼッタ「…くっ!」バッ!

もちろん分かっていました、押し通られてしまうことは。だから――――
あからさまなガードの後方に、不可視のガードをおまけします!

場所を絞って、ただひたすらに重ね掛けした隔壁を…一斉展開っ!!
タブー製よりもずっと練度が高いですよ!1枚当たり5倍くらいは頑丈です!
…FPの制約上、枚数が100分の1とかですけれどね!ええ!

拳を突き出していともあっさりファイアボールを破壊したマリオは、
勢い余って隔壁に突入してしまい…………1枚、5枚、10枚…………



ロゼッタ(って、普通に全部破壊してきてます!?デイジー姫以上の力押しっ!)

それでもっ!初速に比べれば大減速っ!
慌てて自らの掌で、最終到達してきたマリオの拳をガシッと受け止めます!

401Mii:2021/07/18(日) 13:15:30 ID:E.ElLwKM



グキィッ!!!



…いま、変な音がしたんですけど。
…あれぇ?なんだか受け止めた左手首がブラブラしてますねえ。あはは。



マリオ「おうおう、よく止めたなー!」ニヤリ

ロゼッタ「ふ、ふふふふふ…………!」

――――やっぱりムチャぶりじゃないですかー!!



半ば役割を失った左手をさしおいて、右手の裾に忍ばせていた杖をするりと滑らせ、
バッと握り締めてFPを集中、集中!



マリオ「――――!」バッ!!

あんまり魔法の杖を前面に出すとぽきりと折られそうですが、躊躇する余裕なんて、ない!
…よしっ!少しずつダッシュリングができてきました!

402Mii:2021/07/18(日) 13:21:34 ID:E.ElLwKM
ちなみに、ここまで時間を稼げた理由は…私の実力がどうのこうの、ということではなく。

追撃(トドメと読む)に掛かったマリオをリンクが横槍…もとい弓矢で不意打ちしたから。
流石のマリオも、爆速の弓矢を食らうのはたまらないと、私を放置して緊急回避した模様。

無理な体勢で、それこそ弓矢を食らいつつ私をK.O.する術くらいあったとは思いますが、
そんなことをしても優勝争いからは却って遠ざかること、分かっているのでしょう。
いくら私の撃墜ポイントを得ても、後の戦いが苦しくなっては本末転倒というわけですね。
3強たるもの、そのくらいの天秤確認は瞬時にできるみたいです。

3強の皆さんからしてみれば、私は「無傷で」倒さなければ意味がない。
リンクの牽制は、マリオが私を狙う状態を一旦諦めさせる効果をハナから期待していた一撃、ということ。



そのリンクが続けて私に射掛けようとすれば、そうはさせまいと灼熱のブレスをクッパが繰り出して妨害。

身を翻さざるを得なかったリンクを尻目に、クッパがショルダーチャージ狙いで突撃してきて。

それをマリオがジャイアントスイング狙いで近づいて減速させて。



言葉にするとどれもこれも単純ですが、壮絶な読み合いと牽制の連続です。



そこまでやるなら、素直に3強同士で本格的に戦闘状態に入ればいいのでは?
…多分それをすると、「2人がぶつかり合って身動き取れない時に1人が不意を衝いて私を倒す」ような、
不本意な事態がいつか起こるのでしょう。2人側にはなりたくない、と。なるほど勉強になりますねー。

403Mii:2021/07/18(日) 13:25:57 ID:E.ElLwKM
…思惑が絡み合う危うい均衡に、私は生き永らえる「ように仕向けられている」といったところでしょうか。
一応感謝しておきます、皆さん。



ロゼッタ「……」ドクドク

ただひとつ問題がありまして。
あらゆる化かし合い騙し合いの合間にも、容赦なく流れ弾が飛んでくるんですよ。
風の刃を纏う弓矢とか、霧散し切らぬ火炎とか。

というより、どうせならついでに少しくらい狙っておこうって魂胆ですよね。
当然ですね、うん。はっきり言って、非常に痛いです。普通に出血箇所増えてます。
一応恨んでおきます、皆さん。



ロゼッタ「…………………………………………」プルプル

穏やかな微笑を浮かべているようで、目を見開いて面構えは強張って、プルプル震えて。
涙が目尻に溜まっていく。口をキュッと噤んでいるのはせめてもの意地。

なんだか、脚が動かないと思ったら。リンクの放った弓矢の1本が、
ドレスに隠れていた足を靴ごと貫いて地に縫い付けてますね。放心のせいで気付くのが遅れました。
通りで、激痛が走って、焼けるように熱くて、涙ぐんでいる自分がいるわけです。

ドレス、下の方にちょっと穴が空いただけでよかったですねー。
引っ張られてビリビリと大きく裂けていたりしたら、恥ずかしい姿になる所でしたー。
ただ、ダッシュリングが無意味になっちゃってざんねーん。

404Mii:2021/07/18(日) 13:29:17 ID:E.ElLwKM
ロゼッタ「…………」ジワァ

ロゼッタ「……………………」

ロゼッタ「…………………………どのみちチャンスなんて滅多にめぐって来ないんなら、
    最初からフルパワーで行くしか…当たって砕けろしか、ないってことですよね。
    ふふふふふふふふフフフフフフフフ」ドクドク





ロゼッタ「――――――――」プッツン





ロゼッタ「…………パイロキネシス、特大弾っ!!!!!」パアアアアアァァァ

マリオ「!?」

クッパ「!?」

リンク「!?」

もう深く考えることなど止めて、後のことも考えるのをやめて!
直径5メートルになろうかという超特大の火球を、ボンッ!と繰り出します!!
…よし、反則とかは取られない模様!あくまで「派生」扱い!

405Mii:2021/07/18(日) 13:32:50 ID:E.ElLwKM
しかし、ごっそりFPを吸い取られて行きました…やむなし!
あとは、所在なく佇むダッシュリングを再利用――――!
さすがにこの大きさは、私がポイッと投げる訳にも行きませんから!



ロゼッタ「…………撃ち出しなさい――――!!!」スッ!



杖を振り下ろす先は、当然、あちら。
ダッシュリングの効果に従い、大きな大きな火球が手の為る方へ。
御三方目指してぶっ飛んで行きます!これで、一矢だけでも…いえ、まだまだ足りない!

火球のサイズが大きいのが祟って、速度があまり出ていない。
…作戦ミスですね、仕方がありません。反省はあとで。
ですから、結果を確認するよりも早く、すでに次弾を準備しています!



ロゼッタ「――――――――キラキラ落としっ!!」パアアアアアアアアアアアァァ

チコ「「「「「「「「わああああああああああぁぁぁぁ――――!!!!!」」」」」」」」



チコ8人を、手加減なにそれという感じで限界の限界まで速度を付けさせ、
一気に――――天空から、叩きつけるっ!!容赦は、しません!既にFPはすっからかんになりました!

たとえチコたちが上空にスタンバイしていることはわかっていても、狙われた者たちは為すすべ無し!

406Mii:2021/07/18(日) 13:38:30 ID:E.ElLwKM
前から火球、上から煌めくお星さま!さあ、どうされますか!
…おやおや、無謀にも、火球に条件反射で向かってこられたではないですか――――
キラキラ落としを食らうくらいならばと、妥協したということで――――





マリオ「あっつー!中々あっつー!」 \0.2%/

クッパ「ロゼッタにしては上出来なのだぁ!」\0.2%/

リンク「心頭滅却すれば火もまた涼しっ!」\0.3%/





マリオとクッパとリンクが凌ぎを削るエリアを 飲みこむはずの パイロキネシスは
とっさの反撃をまとめて受けて 10倍速で跳ね返された!▼



ロゼッタ「ふえっ」

ロゼッタ「きゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁ――――!!」チュドオオォーン!!



デイジー「何この無理ゲー」

407Mii:2021/07/18(日) 13:42:17 ID:E.ElLwKM
ロゼッタ「…………」



ロゼッタ「……あ、れ?まだ、私、K.O.されて…ない?」ムクッ



うつ伏せで、顔だけゆーっくりと上げ、状況確認。
というより、全身が真っ赤というか、プスプス焦げているというか、満身創痍というか。
一言でいうと、まるで動きません。



マリオ「お疲れー。10戦のノルマ達成だな」

クッパ「お疲れさんなのだ」

リンク「ロゼッタ、健闘したな!」



瀕死で倒れ伏す女性を、しゃがみ込みつつ囲む男性3人。悪趣味です。
そして、どんな甘い言葉で励まされようと、まったく健闘した気がしません。
そして、痛覚がマヒしたのか、痛みをあまり感じていないのが怖いです。



そうですか。試合、とうとう…終わってしまいましたか。
…って、どうして残念そうなのですか、私。終わってくれて、よかったよかった。

408Mii:2021/07/18(日) 13:45:22 ID:E.ElLwKM
マリオ「たった今、試合なら終わったぞー。今、しっかりとポイント集計をやってくれてるところだ」

リンク「ここでポイント計算ミスとか、やっちゃいけないからなー。結局ロゼッタ、撃墜できなかったし。
   いやはや、これは大きな誤算だったぜ…」

ロゼッタ「…………どう、してですか?気を失ってから、結構時間が経った気が」



自分ですら、あの跳ね返された火球を食らってすぐ気絶したのか、
それともふらつきながら少し足掻いてから倒れ込んだのか…それすら記憶があやふや。
ただ、倒されるだけの時間は十分すぎるほどあったはずなのに――――





リンク「いやぁ。やっぱり、ここまでフルボッコになってる女性を、
   無情に倒して優勝を勝ち取るってのは、スポーツマンシップから外れてる気がして」

マリオ「途中から狙わなくなったというか」

クッパ「3強同士だけでの真剣勝負に本気になりだしたというか」

ロゼッタ「その心境はもっと前に獲得しておいて欲しかったんですけどっ!!?」



思わず叫んだら、激痛走る。イタッ!本当に痛いっ!?
体のあちこちが千切れそうな感覚!?でも生きていると実感できてちょっと良かった!

409Mii:2021/07/18(日) 13:50:59 ID:E.ElLwKM
ロゼッタ「はやく結果を教えてもらってピーチ姫に回復してもらいましょう…」

ぐっ。ぐぐっ。ぐぐぐっ。
歯を食いしばって、よろよろと立ち上がろうとして…よろけて、よろけて。



観客「ロゼッタァー!よくやったー!お疲れさまー!」



心、少し温まりながら、どうにかこうにか立ち上がって…
今さらながら足の大怪我のせいで片足しかまともに使えないことに気付いて。
また倒れそうになる所、皆さんに腕を掴まれ助けてもらいました。
さ、さすがに倒れ込んで抱き止められるとかは恥ずかしいので、気を付けないと。



マスターハンド「それではぁ!!結果がまとまったようなので発表させていただきます!
       マリオ選手!クッパ選手!リンク選手!3人の最強ファイターたち!
       一体、誰が勝利の女神に愛され、優勝者となったのか!

       各大会、毎度のことですが。わたくし、胸がドキドキして参りました。手じゃんとか言わないで。
       この場をお借りして、盛り上げて下さった観客の皆さんに。関係者の方々に、感謝です――――」



パルテナ「うーん、誰を優勝させるのが一番お得でしょうか。こう、見返り的に」

ピット「女神違いですパルテナ様」

410Mii:2021/07/18(日) 13:57:09 ID:E.ElLwKM
マスターハンド「それでは…どうぞっ!…………ええっ?」



ザワザワザワザワザワザワ・・・・・・・・・・・・・!!!!

私はスクリーンを見上げるのも苦しいのですが、会場が騒がしくなってきました。



スクリーン「最終順位表デス!

     1st MARIO
      1st KOOPA     -0pts.
      1st LINK       -0pts.
     
                               以下省略デス」



マリオ「これはめずらしい!」

クッパ「三権分立…じゃなかった、三者同率とは」

リンク「追いついた!追いついたぞっ!よっしゃああああ!!

   …でも、こんなこと初めてなんだけど!これ、どうなるの?
   い、いくらなんでも1位保持期間が長い順に順位付けとかやめてくれよ!?」

マスターハンド「ええと……これ、どうなるんですかね、大会責任者のピーチさん!」クルッ

411Mii:2021/07/18(日) 14:01:12 ID:E.ElLwKM
ピーチ「…………あ、そ、そうね。私が答えなきゃならないのね。
   マイク、マイクっと。…ありがと。
   
   皆さん!私が、只今の状況について、公正に解説いたします!

   現状、マリオ選手、クッパ選手、リンク選手が同率1位のポイントとなっております。
   2位以下で同率順位のファイターが存在するまま大会が終了した場合、
   特に該当する2人以上について、順位付けは行いませんが――――
   最終戦が終了して同率1位が発生したケースに限っては、その限りではありません。
   優勝者は2人は要らない、が本大会の原則です。

   大会規定により、ポイント差が生じて真の1位が改めて決定するまで――――
   回復を挟まず、最終戦と『同じ対戦カード』で、サドンデスとなります!」



マリオ「」

クッパ「」

リンク「」





ロゼッタ「……………………え?」ドクドクドクドク

――――マダ、タタカワサレルノ?

412Mii:2021/07/18(日) 14:04:14 ID:E.ElLwKM
ロゼッタ「――――――――――――――――――――――――――――――――」



ロゼッタ「…ねえ、クッパさんクッパさん」ニコッ

クッパ「おう。どうしたのだ、ロゼッタ」

ロゼッタ「ちょっと、これ、みてください。私の王冠。
    灼熱の炎に炙られて、結構どろっと融けかけてますよね」ユビサシ

クッパ「…そうだな」

ロゼッタ「これ、実はですね。あの火球を跳ね返される前の、貴方のブレスで融けた結果なんですよ。
    そもそも、炎の温度的にも私の火球なんかより高かったみたいですし」

クッパ「う、うむ」

ロゼッタ「つまり、意図しなかったとはいえ、貴方の攻撃が私の装飾品を駄目にしたんですよ」

クッパ「ああ、ならば弁償してや―――――」





ロゼッタ「言い換えると、私の服を燃やしたようなものですね?」ニコッ

クッパ「え」

413Mii:2021/07/18(日) 14:07:10 ID:E.ElLwKM
ロゼッタ「ねえ、マリオさん。ちょっと聴いていただけますか?」ニコッ

マリオ「な、なんだ?」

ロゼッタ「あんまり時を遡って、こういうことは言いたくなかったのですが。
    本日の第十六試合。覚えていますか?

    マリオさんったら、強烈で猛烈なパンチを繰り出して、
    私の背中から胸部にかけて、あっさりズドンと貫きましたよね?
    
    私も血反吐吐きましたが、目の当たりにしたサムスさんも顔が真っ青になってました。
    本当に痛ましい、すっごく痛い事故でしたよ、我ながら」

マリオ「う、うん、そだね。そ、それが、どうしたの、かな?」





ロゼッタ「要するに、マリオの拳の前面とか側面とか。
     …………私の胸を触ったと言ってもいい状態でしたよね?」

マリオ「…それは暴論じゃないか?」

ロゼッタ「いえいえ、別にセクハラで訴えるとかではないですよ、
    マリオは不埒な人物ではありませんし、真剣勝負の最中ですから。

    ええ、それはもう、かねがね分かっています。…………ただ」ニコッ

マリオ「…………ただ?」

414Mii:2021/07/18(日) 14:12:38 ID:E.ElLwKM



ロゼッタ「 紳  士  協  定 」ボソッ

マリオ「!?」

クッパ「!?」



ロゼッタ「 し  ん  し  きょ  う  て  い 」ドクドクドクドク



クッパ「王冠融かしたから負けを認めろと?それは流石に――」

マリオ「無理やりセクハラをこじつけられても困るぞ――」



ロゼッタ「ねえ」ガシッ

マリオ「い、いや、そんな両肩掴まれても。血がべっとり付くだけじゃないかハハハ」



ロゼッタ「ねえねえ」ユサユサ

マリオ「お、脅しには屈しないぞ!」

415Mii:2021/07/18(日) 14:17:58 ID:E.ElLwKM



ロゼッタ「ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
     ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
     ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
     ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
     ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
     ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
     ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
     ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ
     ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ」ユサユサユサユサ



マリオ「リンク君が優勝でいいと思いまっす!」ガクガクブルブル

クッパ「仕方がないのだ!ここはリンク君に勝ちを譲ってあげよう!」ガクガクブルブル

マスターハンド「なんとっ!これは意外な幕引きだっ!
        3人の協議の結果――――マリオ選手、クッパ選手が試合放棄っ!!2人は、同率2位ということに!
        これにより、サドンデス待たずして、リンク選手が優勝ということになりましたー!」



ウオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォ――――――――!!



リンク「」

416Mii:2021/07/18(日) 14:23:45 ID:E.ElLwKM
リンク「…………え、本当に俺が優勝でいいの?本当にいいのか!?2人はそれでいいのか!?
   俺が一番納得しがたいんだけど…!すっげえモヤモヤするんだけど…!」

マリオ「まあ、いいんじゃね?確かに紳士協定を作ったのは俺達だし」

クッパ「ぐっふっふ。煙に巻いたまま優勝させて、
   リンクに優勝の実感をさせなくして苦しませるという高度な作戦なのだ…!」

リンク「か、軽いなあ…」

ロゼッタ「よかったですね、リンク。

    貴方の弓矢がドレスを引き千切っていたら、
    貴方から先に優勝辞退させるところでした」ドクドクドクドク

リンク「」



ピーチ「運ぶわよ」ダンッ!

ロゼッタ「…………運ばれます」フワッ・・・

ダダダダダダダダダダダダダダダダ・・・・・・・・。





リンク「あ、うん。そんなに早く休みたかったのね。ほんとゴメン」

417Mii:2021/07/25(日) 13:54:17 ID:kJrWaewE
〜 表彰式の準備中! 〜



ロゼッタ「体中が痛いです…………」

痛いのもそうですが、まるで次の瞬間に大量出血するような恐怖の錯覚が
じわじわと襲い掛かってくる。穏やかじゃありません。

ピーチ「全回復したんだからそんなわけないじゃない。
   単なる思い込みよ、分からなくはないけど。一時的なものに過ぎないわ」

デイジー「それだけ3強にぼこぼこにされたのが脳裏に刻まれたんだね…。
    まあでも、精神面で立て直しが利かなくなるほどじゃあ、全然ない。
    さっすがロゼッタ、余裕ってカンジ?」

一旦場を整え、再度ファイター達が試合会場に集結しての表彰式が予定されています。
あと2時間くらい。長いような、短いような。
もちろん、熱狂する観客たちにとって、2時間程度の待機など、どうってことはない様子。

マリオ「おい、みんな。大会フォトコンテストの優秀作品が決まったみたいだぞ。
   試合会場のすぐそこに張り出されてるから、今のうちに見に行かないか」

ピーチ「ああ、早かったわね。そうね…見に行きましょうか」

ロゼッタ「フォトコンテスト…?」

マリオ「主に観客たちが撮った、試合の一幕が大会期間中どしどし応募されて、
   最も優れた作品を選ぶんだよ。…面白さ部門もあるけど。
   入賞している作品はどれもこれも迫力があるぞ!何気に超人気な催しだ!」

418Mii:2021/07/25(日) 13:59:46 ID:kJrWaewE
リンク「…とは言っても、タブー戦のいざこざで撮影どころじゃなかった人も多いだろうし、
   中々いい写真は撮れなかったんじゃないかな…残念だ」

マリオ「…まあ、そうかもしれんが」

デイジー「ふっとんで叩きつけられたピーチとかも探してみるか、にひひ。
     時たま、弾き漏れでドレスの中をのぞき込まれてる問題作品もあったりするよね…探すぞー!」

ピーチ「…意地も趣味も悪いわね」

これまでの大会に比べて不安要素もあるみたいですが。
面白そうなので、皆さんに連れられて…見に行きたいと思います。



〜フォトコンテスト ギャラリー〜

マリオ「…………」

リンク「…………」

クッパ「…………ワガハイが映っていないのはちと承服しがたいが…」



ロゼッタ「…すごい」

デイジー「ロゼッタったら、自分も映ってるからって贔屓してー」

ロゼッタ「い、いえ!そんなつもりは一切なく…!」

419Mii:2021/07/25(日) 14:05:06 ID:kJrWaewE
一番手前に、剣を握った勇ましい姿のリンクが。その奥には――――
マリオ。
ピカチュウ。
ピット。
むらびと。
サムス。
マルス。
リトル・マック。
ヨッシー。
カービィ。

…そして、私と引き続き。

躍動感あふれる、揃い踏みで今にも動き出しそうな…「生きた」1枚の写真。



「最優秀賞    『大乱闘スマッシュブラザーズ3DS』」



リンク「うっわ!うっわあ!いい1枚じゃん!最終盤、タブーに立ち向かってるとこだな、これっ!
   厳密には試合中の写真じゃないが、文句なしに神懸かって出来がいいぞ!」

マリオ「しかし、この構図…完璧なアングルの為に、フィールドに降り立ってないか!?
   一体何時の間に…!?命張ってるな、ただの写真家じゃないぞ!?」

クッパ「うーむ。専属で雇いたいくらいの見事な腕なのだ。
   …しかし、『匿名希望』とあるな。いやはや勿体ない。
   だが、それも乙なものか。選別者も、よくぞ選んだというところだろう」

420Mii:2021/07/25(日) 14:10:56 ID:kJrWaewE
あまりの見事な構図、もちろん撮影スキルも素晴らしい、究極の1枚。
きらびやかなはずの額縁のほうが、嫉妬のあまり逃げ出してしまいそうな、写真。
皆さんが惚けてしまうのも、無理はないでしょう。

…あ、人気が人気を呼んで、どんどん人が集まってきました。
このままだと目立ちますね、退散しましょう。





ネス「…………やってくれたなあ、まったく」フフッ

ロゼッタ「…ネスさん?どうかしましたか?」

ネス「…ううん、なーんでも。あ、記念に一枚買っておこうかな。すいませーん!」

リンク「俺も俺も!これはいいものだ!」

ピーチ「そうね、じゃあ私も…」

デイジー「…ピーチはどのみち現物が手に入るでしょ?」

ピーチ「ここで買うことに意義があるんだってば」





思いがけない息抜き挟んで、いよいよ、お待ちかねの…表彰式です。

421Mii:2021/07/25(日) 14:15:31 ID:kJrWaewE
〜表彰式〜

もちろん結果は全て確定していますが、ファイター達が登場するや否や、
まるで試合がまた始まるのでは?と勘違いしてしまうほどの大声援。

思えば、私の嘆願のせいで最終戦が中途半端に終わったとも言えなくもなく、
それを不満に思われることもあり得たのですが。どうやら、杞憂だったようですね。


ピーチ「表彰状――――リンク殿。

   貴殿は『第4回 大乱闘スマッシュブラザーズ世界大会』に於いて頭書の成績をおさめたので、
    その栄誉を讃え優勝杯を授与してこれを表彰する。

   20XX年12月6日     キノコ王国当主 ピーチ



   …………ま、こんなところかしらね。はい、どうぞ」スッ

リンク「ありがたく頂戴しまーす!」



パチパチパチパチパチパチパチ・・・・・・・・・・・・!!!



割れんばかりの拍手が、一斉に湧き起こります。

422Mii:2021/07/25(日) 14:18:06 ID:kJrWaewE
リンク「これ、なにか一言スピーチでもした方がいい流れ?毎回、どうだったっけ。何も考えて来なかったんだけど」

ピーチ「いらないいらない。時間も押してるから余計なことはしなくていいわ」

リンク「…上位8位まで表彰するだけだろ?開始時刻も予定通りだし」

ピーチ「時間が押してるのは『私が徹夜で片づけてる戦後処理』よ」

リンク「…すんませんでした」

ピーチ「大丈夫よ、まだリンクが1人に見えてるわ」

リンク「なんだか末期症状!?」

ピーチ「では続いて2位以下の表彰に――――――――」



キノじい「姫様ぁ――――――――!少々、お待ちくださいっ!こちらの方々から、緊急連絡がある模様ですっ!」

ピーチ「…へ?」



任天堂スタッフ「あ、お邪魔して申し訳ありません。
        実は、このタイミングで発表しておきたいことがございまして」

ピーチ「え、ええ!?」

リンク「…なんだ、なんだ?」

423Mii:2021/07/25(日) 14:20:33 ID:kJrWaewE
突如現れたスタッフさん。表彰式が中断されてしまいました。
でも、ピーチ姫はヤレヤレとため息ついて、大人しくマイクを譲ります。
観客席の皆さんもざわつき始めました。何が起こっているのでしょうか。



ピーチ「…手短にお願いしますね」

スタッフ「あ、えーと。それはちょっと難しいかも、しれません。
    頑張りに頑張って、15分くらいの動画には収めてきたのですが」

リンク「…動画?」

スタッフ「リンクさん、優勝おめでとうございます。
    おかげさまで、ファイさんと我々の努力が無駄にならずに済みました」

リンク「…一体どうしたというんですか?それに、ファイとって、どういう…
   ファイがこそこそ居なくなっていた事と、関係があるってことですか!?」

スタッフ「なーに、リンクさんは幸せ者ですねーと言いたいだけですよ。
    それでは皆さんっ!巨大スクリーンの方を、御覧下さいっ!」



ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・ざわ・・・!!!!
    


スタッフの合図とともに、どこかの景色が、鮮やかに映し出されて――――

424Mii:2021/07/25(日) 14:24:00 ID:kJrWaewE
ハイラル王国。
世界で有数の伝説処として知られるこの王国に、ある問題を抱えるお城がありました。

……ハイラル城。
…………この城が抱える問題、それは――――





――――  物件1024 イベントがない城  ――――





堂々たる佇まいを見せるハイラル城は、築100年の、伝統的なハイリア調の造りの伝統建築。

かつて伝説が紡ぎ出されたこの街で、長きにわたって続く誇り高き王家の住まい。
統治の始まりの時から変わらない、由緒正しき指導力と実績を代々受け継ぎ、現在で四代目。

そんな歴史ある城を、2X歳の時から1人で切り盛りしている四代目当主……
それが、かの有名なゼルダ姫。

100年前にここで統治を始めた、これまた別のゼルダ姫による旗揚げ以来、
数々の将を率いて王国を治める、世界でも名高い王国になりました。

今ではすっかり、キノコ王国のピーチ姫と並び立つ稀有の実力者。
やむを得ない王国事情で他国との交流を避けてきたとはいえ、
友好関係を結ぼうとする国々もずいぶん現れてきました。

425Mii:2021/07/25(日) 14:27:29 ID:kJrWaewE
こうして引き継がれていく権威ある城。
しかし、一見趣ある伝統建築も――――観光面、遊興面では悲惨なありさま。

何十年も、他国の者がほとんど誰も足を運んだことがないというその場所は、
完全に堅苦しい公務専用と化し、とても人が集まるような状態ではありませんでした。

建物全体の老朽化も酷く、1階のあちこちに、上層に行かせないためのこんな謎解きが。
この辺りは魔物エンカウント地帯でもあり、夜は更に魔物が狂暴になるため、
素人はとても寄り付けず、問題は深刻でした。

そんな不安を抱えながらも現状に妥協し、家臣たちと暮らすゼルダ姫。



――100年続くハイリア王朝の未来を守るため、
――安心して国を富ませながら観光客を呼び込める城に。



そんな切なる願い(ゼルダ姫は知る由もない)を受け、
1つの企業がふたたび立ち上がりました。



スタッフ「こんにちはー」

ファイ「よろしくお願いします」

スタッフ「よっしゃ!みんな、頑張るぞー!!」オオオオォォォォー

426Mii:2021/07/25(日) 14:31:03 ID:kJrWaewE
使える面積はおよそ1平方キロメートル。
ハイラル城の敷地そのものがその半分以上を占め、
城の入口を飛び出してすぐのあぜ道が、剣の精霊みずからが改装したというスタート地点。
もちろん、簡易的なものにすぎず、まだまだ手入れが必要です。



スタッフ「この石段とかはどなたがやられたんですか?」

ファイ「これは私が敷きました、サルボに運んでもらって」

サルボ「なんだか違う時代にきちゃったみたいだけど、ファイ様のためなら任せてケロ!
   緑のマスターにオイラの凄さを再認識してもらうケロ!」



よりにもよってハイラル城周辺は、魔物が不定期に現れるハイラルの中でも、
特に不意打ち召喚に悩まされるターゲット地帯。言うまでもなく、ガノンドロフの暗躍。

ハイラル城の敷地内にも年に100匹は敵が湧き出し、集客の際は大きな負担となります。
100年以上、毎年のように敵の攻撃を受け続けた城壁は、所々欠けたり崩れたりし、
イメージダウンにもつながっていました。





…これは、根本的な所から、対策が必要なようです。
しかし、怖気づく匠…いえスタッフたちではありません。むしろ腕が鳴るというものです。

427Mii:2021/07/25(日) 14:36:28 ID:kJrWaewE
リフォーム初日。



ハイリア「あ、その大きいベッドはもう要らない!こっちの鏡は…まあ要るかな。
    この趣味の悪い胸像は…作り替えね。あのゲートはもうちょっと簡略化していいわ!」

女神ハイリアの元気な声が、城じゅうに響き渡っていました。

ファイ「お手数をお掛けします」

ハイリア「いいのいいの!私の趣味だか美的センスだか買って、
    わざわざ別の伝説にまで迎えに来てくれて…むしろありがとう!暇してたのよね。

    …ほらそこ、きびきび動く!私だって労働(魔法)やってるんだから!
    不敬罪になっちゃうわよー!まあ、私は楽しんでやってるけど!」

インパ「は、はいいいいいいぃぃぃ……ただ、い、ま……」ガタガタガタガタ



ハイリアさんのスペック:
  ・トライフォースに関して原初にすっごい活躍をした女神
  ・リンクがトライフォースを集めまくりパトロールまでするのでお役御免、自由奔放に
  ・時代を行き来して、いろんな伝説のゼルダを霊体で観察するのが趣味
  ・常に霊体、リンクが平和にした伝説の中なら魔法で人やモノへ干渉できるが魂1つ分のゼルダにも劣るため弱っちい
  ・ただしゼルダに頭を垂れる者ならだいたいは下僕にできる御身分


インパを始めとした、プライドある古参の家臣たちも、ハイリアに言われるがまま。

428Mii:2021/07/25(日) 14:40:59 ID:kJrWaewE
スタッフ「いやはや、借りてきた猫のように皆さん従順ですね。結構こき使っていて驚きです」

ハイリア「ファイに依頼されるがまま私を探し出した貴方たちに言われたくはないけど…。

    そりゃ、主君のゼルダより更に上位の存在には逆らい難いでしょ。女神よ女神。
    このお城を勝手に改築して許されるのって私くらいなんじゃない?見事な人選…いえ神選よ、ファイ。

    『名前区別ができる』おかげで、ゼルダの数ある魂のうちの1つにならずに済んだのが、
    別人として存在できる怪我の功名だったわね!スレ主に盲点を衝いてもらったわ!」

スタッフ「…というかハイリアさん、性格変わってませんか?」

ハイリア「性格を変えとかないとゼルダと区別が付きにくくな…おっほん。
    色々と時代を巡っているうちに学習し感化されたのよ 。

    …あ!そっちの無駄に邪魔な鉄格子も運んでくださいな!」







スタッフ「へえ」トオイメ

スタッフ「あんまりやると原作無視で怒られるな」

スタッフ「今更感もあるけど」

429Mii:2021/07/25(日) 14:44:32 ID:kJrWaewE
複雑怪奇な部屋割となっていた上層からも、次々と荷物が。
何十年ぶりかに、一般人が入った上層。…すると、その時。



魔物「ギャオオオオオン!」

ファイ「――――ハッ!…大丈夫ですか?」シュンッ!

スタッフ「こ、こっわー。魔物が湧きますよ、ここ。死にかけました」

ファイ(身のこなし的に、そうは見えませんでしたが…)

魔物が湧き出すことすら皆無というわけには行かない、このお城。
いつエンカウントするかわからないため、みんな気が気ではありません。
今では使われていないスペースだらけのエリアも多く、埃をかぶったアイテムが何十個も出てきました。

スタッフ「こういうのは作るのがすごく大変で、できる職人さんも随分減ってるのに。
    この王国は道具を得ようとする人に対して厳しすぎるよなあ…
    隠し部屋だったり特別な鍵が必要だったり…。
    ああっ!このルピー、かなり年代物ですね!額面の何百倍もの価値が有りそう!」

ハイリア「まあ、他国に売っ払って小金稼ぎ、なんて目の眩み方をしなくてよかったけど。
    要らないのなら私が持って帰りたいくらい」

ファイ(…どこに持って帰るのでしょう)

――こうして、上層にあった埃まみれの荷物は、
――武器防具、機材、道具、美術品、果ては秘蔵の酒に至るまで、くまなく。
――取捨選択のうえで、廃棄あるいは裏庭に一時保管されることになりました。

430Mii:2021/07/25(日) 14:50:27 ID:kJrWaewE
スタッフ「オーライオーライ、どんどん運んでー!」



壁を壊し、柱を取って、間口を大きく広げると。そこに運ばれてきたのは、
トラック何十台分にもなる、工事用の土と敷石。

スタッフ「さあ、こっから正念場だぞ!夏じゃないのが幸いだ!一気にやっていこう!」

スタッフ「「「「「「「「おりゃーー!!」」」」」」」」

数百人態勢でテキパキと道を作り、それを伸ばしていく工程が待っています。

なんとも原始的な方法ながら、スタッフ、いい仕事をしています。
ただし、石畳は最低限の量で十分。というより、既に石畳となっていた箇所の補強のみ。

立派な道が、城の入口から外へ外へどんどん伸びて行きます。
目標とする経路と城の一部がぶつかってしまう場合…
なんと、城側に頭を下げさせます。城を取り壊す、とも言います。

いきなり大掛かりな土木工事が始まって失神したインパを、気にしてはいけません。
今ある申し訳程度の道では幅も強度も足りないのです。



ここからようやく、城の中も本格的な改築が始まりました。
行く手を遮るような遮蔽物や突起物、低い天井などを剥がし、空間を作っていきます。

そこに一切の容赦は有りません。重臣たちが顔を青白くしてワタワタとしています。

431Mii:2021/07/25(日) 14:54:38 ID:kJrWaewE
インパ「あ、あのっ!ハイリア様っ!僭越ながら申し上げますっ!
   こちらに数多く並べられている物は、歴代の姫君たちが大切になさった、
   この城のカナメであり歴史であり、失い難い思い出でありますっ!何卒ご容赦を…どうか…!」

ハイリア「よく言うわよ。私、霊体で度々うろうろして、よーく知ってるんだから。
    カナメも何も、城が守られるのは全部リンクのおかげでしょ?
    まともに守護像や警報システムが働いた試し、あるの?

    リンクの到着がちょっと遅れたらガノンドロフにあっさり壊されるだけの存在で。
    おまけにゼルダは政務に手一杯で鑑賞することもなくて。
    むしろ…なんかこう、TASで引っ掛かる出っ張りにしかなってないじゃない。邪魔なんだけど。

    流石に捨てたりはしない。ちゃんと保管して、別の場所に置き換えるだけよ。これでもまだ文句ある?」

インパ「う、う…!」





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




ゼルダ「」

ピーチ「やっぱりお城はシンプルな方がいいわよね。お尻でワープされることもあるけど」

デイジー「ピーチの場合『自分で清掃や保守管理しやすくて』って文言が行間に隠れてるよね」

432Mii:2021/07/25(日) 14:58:02 ID:kJrWaewE
城の外へ伸びゆく道を、橋の途中であえて途切れさせて落とし穴に。
橋なので当たり前ですが、数十メートルほども高低差がある、大きな穴…むしろ崖。
向こうの崖までは…50メートル、いえ100メートルほどもありそうです。

ハイリア「この距離は、一体なんなの?どうやって向こう側へ行けばいいの?」

スタッフ「簡単な話です。――――飛べばいいんですよ」

ハイリア「へえ、飛ぶんだ!スカイロフトみたい!その技術に驚くわ!
    …でも、物をぶつけられてグラついたりしたら真っ逆さまね」

スタッフ「それはまあ、仕方ないですね。
    落ちる要素はグライダーでぐらついた時ぐらいだー、なんちゃって」

ハイリア「ふふっ」ブッ

スタッフの非常につまらないダジャレが女神のツボに入ったみたいです。



スタッフたちは並行して、敷き詰めた道の上に、更に土や石畳を敷き詰めていきます。
頑丈さに妥協はできません。もちろん、敷き詰め、敷き固めの悪さから、
後々陥没や傾きを作らせるわけにもいきません。

ハイラルに「任天堂の技術力ってこんなものですか」とか笑われたら噴飯物です。



土が何百トン単位で次々と運び込まれていく様は壮観の一言。
敷石も非常に硬くて、ファイが自らの剣戟でせっせと加工処理していきます。

433Mii:2021/07/25(日) 15:02:09 ID:kJrWaewE
スタッフ「歴史を感じさせ見栄えを損なわないことは前提として…
    もちろん、使わせて頂くのは唯の石畳ではない超強化品ですよ。
    このくらい徹底的にしないと、過酷な環境に持たないんですよ。
    しょっちゅう爆発や爆風に巻き込まれますからね。

    石畳はアスファルトに比べ調温・調湿効果がありますが、
    こちらについては、まあ…おまけみたいなものでしょう。
    …あ、走るたび音が出て、迫力があるというのは大きいかもしれませんね」

ファイ「なるほど…迫力は大事ですね」

スタッフ「そりゃあ、もう」



長年の風雨や戦にさらされ、もうボロボロで耐え切れなくなった箇所を、
その周囲もろともしっかりと固め直すことも同時に行っています。

今後の負荷に対する備えを万全にし、更には。
造り続けている大きな道にピッタリと沿う、観光客のためのスペースを新たに設けました。

グラウンドエリアの構造補強を終えると、今度は、がらんとスペースの空いた城内へ。
ファイとハイリアの期待に応えるため、一層頭を絞る、スタッフたち。



スタッフ「何も我々は全ての装飾物を否定したいわけじゃありません。
    何か、『これだけは飾っておきたい』ってもの、ありますか?」

ハイリア「…………うーん、パッとは思いつかないけど…………」

434Mii:2021/07/25(日) 15:05:51 ID:kJrWaewE



ファイ「――――マスターソード」



スタッフ「…え?」

ファイ「――可能ならば、マスターソードを飾りたいです」

ハイリア「でも、今ってリンクがどんどんマスターソードを手元に集めてて…

    …あ!そういえば、うち(スカイウォードソード)の1本だけは…
    元の台座に返したんだっけ、じゃあ残ってるわね!一瞬借りちゃいましょう!」

スタッフ「過去スレの会話について行けなくなる人が多発しそう」

ファイの提案で、懐かしいマスターソードがまだ工事中の城の中へ。
議論しながら配置の微調整を繰り返し、置かれたのはど真ん中。
基礎まで組んだ特等席が用意されました。

スタッフ「通路を通り抜けた先に神秘的な聖剣が佇んでいて…
    こう、ギミック的にロックが解除されていたら加速装置として使える、というのはいかがでしょうか」

ハイリア「それ、謎解きみたいで素敵!もちろんあのお約束メロディも忘れないでね!」



新しいイベントの要となるシンボルとして、聖剣が収まったところで、工事が再開。

435Mii:2021/07/25(日) 15:09:05 ID:kJrWaewE
ハイリア「あら!それって、さっき埃を被ってたルピーじゃないの?」

スタッフ「はい。折角ですから、有効活用したいと思いまして。
    歴代の姫君もきっと思い入れがある品物でしょうから、残せるものは残しますよ」

ハイリア「…と、いうと?」

スタッフ「終了後にコインとの交換という形で回収するとして。
    この立体的でキラキラと輝く宝石がコインの代わりに道に置かれていたら、雰囲気が凄く出ると思いませんか?」

ハイリア「……!!素晴らしいわ!ぜひやってちょうだい!」

スタッフのアイデアはまだまだ尽きません。
今度は道の脇で、何かを作り始めました。

ハイリア「きゃっ!?デクババよっ!?ファイお願い、対処して――――」

スタッフ「待って待って!これ、さきほど植えたばかりです!斬り捨てないで!」

デクババ「ぐるるるるる…………」

ファイ「う、植えた?」

スタッフ「パックンフラワーの代わりです。相当近づかない限り襲ってこないですし、
    攻撃手段は噛みつきだけ、それほど強くもないですから大丈夫ですよ」



ハイラル城100年の歴史を繋ぐ、そのリフォームの全貌を――――
ご覧いただきましょう。

436Mii:2021/07/25(日) 15:13:50 ID:kJrWaewE
100年、四代にわたって受け継がれてきた、ハイラル王家。
ハイラル王国の統治を担う、大きく荘厳なハイラル城は。



歴史を感じさせる伝統的で立派な城であることはそのままに。
あちこち傷ついていた城壁や敷地を、綺麗に化粧直し。

道の傍には、一般の観光客を気遣えるセーフティエリアが作られ、そこには――――
魔物が決して召喚されなくなりました。

その代償として、数か所に押し込められた魔物のホップスポットには…なんということでしょう。
待っていましたとばかりに、特別製のデクババが待ち構えていて、
昼でも夜でも餌として一瞬で飲みこんでしまう頼もしさ。

このデクババは耐久性バツグン、食い溜めができ、人に対しては逆らわず、
レーサーに対してはとりあえず噛みついておくように調教されているため、
すぐさまみんなの人気者になることでしょう。

魔物対策を十分にしたおかげで、仰々しい城郭を一部無くして広く開放することができ。
風なびく芝生の上から光が落ちてくる、明るい広場へと大変身。
かつて兵たちの詰所だったスペースも、依頼者念願の…何千人もが収容できる、バリアフリーの観客席となりました。

道のあちこちに設置されたルピーは、改築のなかで見つけて活用を閃いた…この「コース」ならではのオリジナル。
もちろん、任天堂の許可は下りているため、心置きなくアピールできます。

とっておきの注目ポイントは、城内エリアで煌々と輝き続ける、
思わず拝みたくなるような神秘的なマスターソード。
手前通路にある3つの絡繰りをチェックすると、ソードに触れて加速できるようになるためのスロープが
突如として出現するようなギミックが設けられました。これぞセルダの伝説の真骨頂。

437Mii:2021/07/25(日) 15:21:48 ID:kJrWaewE
使われていないアイテムばかりが場所をとり、あちこちぶつかる城内。



スタッフは、走行ルートの分布を徹底的に研究し、コースの幅の広さを管理できる規模に合わせ。
安全性と臨場感を兼ね揃えた工夫を施しました。
大きなコースで繰り広げられる熱戦は、各所に設置される高性能撮影機で、直接、実況用スクリーンへ。

まるで舗装されたかのようながっちりとした走路は、
雨にも負けず、風にも負けず。

甲羅にもブーメランにもファイアボールにもボム兵にも落雷にもスタックルにも負けず、

激しい乱打戦にも耐え、砂ぼこりも易々とは舞わせず、
鮮明な状況を刻一刻と伝えるための手助けをしてくれることでしょう。



外見は立派でも、相当な老朽化が進んでいたハイラル城。

最後の粗探しとばかりにメンテナンスが済まされたそのお城は、
まるで完成して1年も経っていないかの如く鮮やかに生まれ変わり。
レース目的で観光客が増えてみたら城にガッカリされて却って評判が下がった、なんて心配もありません。



どのくらい素晴らしい改築かというと、最終的に…
あのインパが、「私は信じていました」と掌返しで大絶賛するほどの成果です。
機能性ばかりでなく、デザイン性の面でも、細やかな配慮を忘れないスタッフたち。

438Mii:2021/07/25(日) 15:23:36 ID:kJrWaewE
――――こうして、ハイラル至上最大のリフォームは無事終了。

ちゃっかりしているハイリア様が、使い道が特にないからと…
「スカイウォードソード」の金銀財宝を惜しげもなく差し出したため、
「こちらの伝説」としてのリフォーム費用予算は、なんと、タダ同然で済みました。



果たして、関係者たちは喜んでくれるでしょうか――――――――



パン!パン!パパパーン!





スタッフ「というわけで!
    祝っ!『ハイラルサーキット』、爆誕でーす!!」

ファイ「…………」パチパチパチパチ





リンク「」

ゼルダ「私のお城なんですけどおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――!?」

439Mii:2021/07/25(日) 15:27:36 ID:kJrWaewE
    「…何か言いました?」

ゼルダ「…何奴っ!?」クルッ

ハイリア「こんにちはー」

ゼルダ「」

ハイリア「駄目だよ、ゼルダ。あれだけ散々リンクに『ハイラルにもイベントを!』って
    進言されておきながら、数多の伝説で無視し続けるなんて。そのうち愛想つかれちゃうよー?
    まあ、当時は記憶がなかったゼルダに言うのも酷だとは思うけど」ポンッ

ゼルダ「ハイ・・・ハイ・・・」ビクビク



マリオ「なんかゼルダに似た人が登場してきた!そしてなんだか神々しい!
   …で、どうしてゼルダはあんなに逆らう気が失せてるんだ?」

ピーチ「マリオ…伝統を殊更重んじる格式高いハイラル王朝にとって、
    よっぽどヘマをしでかさない限りはご先祖さまって現当主より高位扱いよ?
   ましてや始祖と言っていいお方だったら、逆らう方が愚かってものよ」

デイジー「ゼルダは堅苦しいなー。私なんか、メイドたちとお菓子の争奪戦で鬼ごっこするくらいの気さくな仲なのにー」

ピーチ「アンタはもうちょっと格式ばりなさい」

ルイージ「本物の女神かあ…僕、初めて見たよ。生きてみるものだねえ、兄さん」

パルテナ「えっ」

440Mii:2021/07/25(日) 15:30:32 ID:kJrWaewE
リンク「え、えっと」

リンク「すまん、まだあんまり事態が飲みこめてない。
   要するに、俺のためにハイラルにサーキットを作ったって?
   藪から棒だな、なんのために?そんなこと頼んでないぞ?」

ファイ「その……………………………………私からの、ささやかな、サプライズを…と」

リンク「…え?どうした?サプライズ?」



ファイ「――――――――マスター。







   ――――――――お誕生日、おめでとう、ございます」







その一言に、リンクが頭をハンマーで殴られたかのような顔をしたのでした。

441Mii:2021/07/25(日) 15:38:09 ID:kJrWaewE
リンク「…………た、たんじょう、び?い、いや、だって」

ファイ「…はい、もちろん、存じております。
   マスターは数々の伝説にて人生を送られており、生年月日などというものが定かではないことは。

   ですが、それは――人一倍、人生に振り回されているマスターが。
   こうして生きてくれていることに対する、祝いのための日が設けられないということは。
   とても切ないことではないでしょうか。……そこで、スタッフの方々に相談させて頂いたのです」

スタッフ「ええ。そこで、我々はこうアドバイスしたのですよ。

    11月21日、神トラおよび時オカの発ば…いや伝説の始まり。
    11月23日、スカイウォードソードの伝説の始まり。
    ちょうど、こんな感じに…代表的なものがスマブラ大会終盤にかぶさっていたもので。

    とりあえず、リンクさんの誕生日を11月22日ってことにして
    大会終了直後に、遅ればせの誕生日を祝ってあげたらどうっすか?
    困惑されてもその場の勢いでなんとかなるでしょう!…と!」

リンク「」

スタッフ「ファイさんが、『マスターにふさわしい飛び切りのプレゼントを渡したい』とか
    言うもので。考えた挙句、ハイラルにイベント事を呼び寄せるのが一番かな、と。
    リンクさん、割と不満を垂れてましたからね。
    もちろん無茶振りではあったもので、最初は我々も苦い顔をしていたのですが、

    『賭けましょう。マスターが優勝しなければ如何様にも罰は受けます。企画自体も白紙に戻して頂いて構いません』

    とまで豪語されちゃあ、流石に奮起せざるをえないってもんですよ!
    最後の最後まで、ファイさん自ら手伝ってくれましたし!」

442Mii:2021/07/25(日) 15:42:05 ID:kJrWaewE
スタッフ「これで、遅れがちのマリオカート8の完成にも弾みがつくといいな!
    マリオカート7がまだまだ持ってくれていると言えば持ってくれているけど!」

リンク「」

ファイ「えっと、その。受け取って頂けますか?」

リンク「」

ファイ「あ、あの、マスター?」



ゼルダ「冗談ではありませんっ!勝手に人の城を滅茶苦茶にしておいて!
   私は勿論怒り心頭ですが!リンクだって心底呆れていますよっ!ねえ、リンク!」






リンク「――――――――」ポロポロ

リンクに 効果は 抜群だ!!▼



ヒルダ「泣いてる!?」

ゼルダ「」

443Mii:2021/07/25(日) 15:44:53 ID:kJrWaewE
リンク「――――お、俺。ファイが…言った、通り。
   誕生日、なんてものとは、無縁で。祝われたことなんて、なくて。
   ピーチがみんなの誕生日パーティ開くたび、ずっと羨ましくて。
   でも、勇者の宿命、だからって、半ば…諦めてて。

   こんな、俺の事、祝って…くれる、のか?」ポロポロ

ファイ「―――――――――――もちろんです。私は貴方の半身なのですから。
   今後とも、よろしくお願い致します」

リンク「ありがとう――――!ありが、とう――――!!
   ファイ、お前がいてくれて…ほんとうに、よかった――――!!」グズッ



ウオオオオオオオオオォォォォォォ!!!
ヒューヒュー!



ルキナ「み、見ているこちらが恥ずかしくなってきてしまいますね…」カアァ

ルフレ「この絆、他の人が割り込める隙なんてなさそうだ」



ゼルダ「……………………」ズモモモモモモ

ロゼッタ「や、闇のオーラが!?ゼルダ姫がなんだか黒化してますっ!
    これ、大丈夫なんですか、皆さん!?ねえ、ねえ!?」

444Mii:2021/07/25(日) 15:48:17 ID:kJrWaewE
ゼルダ姫が、再開を待つ表彰式を更に遮って、修羅の顔でリンクとファイの前に躍り出たではありませんか。

感極まっていたリンクが、ゼルダ姫に気が付いて…慌てて涙をゴシゴシ擦って、不思議そうに向き合います。

リンク「あの、ゼルダ姫?今は表彰式の最中ですよ?どうされましたか?」

ゼルダ「――――リンク。貴方、ファイにそこまで言うのならば。そこまでファイを持ち上げるの、ならばっ!
   …私にも、何か、言うことがあるのではないですかっ!」



観客「おおっ!修羅場かー!」

観客「相変わらずリンクは隅に置けないなー」

HAHAHAHAHAHAHAHA!!



…観客は、このハプニングを割と楽しんでいるようですが。



リンク「え?え?何か、言うこと、ですか?」

ゼルダ「そうですっ!私の奮闘に対してっ!――――何か、思い当たる気持ちとか、あるでしょう!!」

ピーチ「お、思いの外、ぐいぐい行くわね、ゼルダったら。もう後に引けなくなったってことかしら…!」

デイジー「これが女の戦いってやつか…!いやまあ私たちも女だけど」

445Mii:2021/07/25(日) 15:52:41 ID:kJrWaewE
リンク「――――ああ、そういえば」

ゼルダ「――――!!」

――はたと、何かを気付いたリンク。



リンク「――――私、勘違いしてしまっていました、貴方のことを想う気持ちに。
   申し訳ございませんでした」

ゼルダ「――――!!!!」パアァ

ゼルダ「――――教えて、ください。貴方の、言葉で。
   どんな言葉も、受け止めます。遠慮なく、思ったままを」

リンク「…えっと。それは流石に身分違いというか、畏まってしまうのですが」

ゼルダ「そんなこと、一切気にしませんから」ウルウル

リンク「そ、そうですか?そ、それじゃあ――――」モジモジ

ゼルダ「―――――――――――――――――――――」ドキドキドキドキ



リンク「ゼルダ姫。私、ようやく分かったんです。ゼルダ姫、貴方は私の――――」

ゼルダ「――――そうです、私は貴方の運命の――――――――」

446Mii:2021/07/25(日) 15:54:21 ID:kJrWaewE





リンク「――――――――――――味方だったんですねっ!!!!!!」





ピーチ「        」

デイジー「        」

ロゼッタ「        」

ヒルダ「        」

シア「        」

ラナ「        」

ルキナ「        」



ゼルダ「        」

ハイリア「――――っ、ははははははは!!」クスクス

447Mii:2021/07/25(日) 16:00:42 ID:kJrWaewE
ゼルダ「        」

ゼルダ「                」

ゼルダ「――――み――――――――か――――――――た…………??」カタカタカタカタ

リンク「伝説のたびにノルマ与えられて、面倒事だけ全部押し付けられて。
   むしろ私に仕掛けられたトラブルメーカーとばかり思うようになってたんですが!
   私の大きな勘違いでした、反省します!普通に、非常事態となったら私を助けて頂けるのですね!

   タブー戦では本当に助かりました!咄嗟に『女神の詩の逆再生』を弾いてくれるだなんて!
   その演出がなんとも心憎かったですね!」

ピーチ「ちょ、ちょっと待ちなさいよリンク!これまでだって、色々とゼルダには恩を受けてきたでしょ!ねっ!」

リンク「…………へ?いつ?」

ピーチ「いつって、そんなの――――――――」


アイテム:あちこち隠されているうえ、過去の伝説のものを使い回すので有難味があまりない
褒賞、爵位:貰ったことがない
催事:呼ばれたことがない、そもそもやってない、勧めてみれば断られる
平和:キノコ王国で生活しているので享受にまるで関係がない
交流:すれ違いからほとんどない
戦闘:リンク1人に任せきりのバランス リンクがまともに使える鍛錬場もない
共闘:ほぼ全てトゥーンゼルダに取られた 「ゼルダ無双編」は一連スレではゼルダが仕組んだ側


ピーチ「…………………………………………」

448Mii:2021/07/25(日) 16:07:18 ID:kJrWaewE
デイジー「なんか一切好感度を上げて来なかった主人公って感じだね。
    …とりあえず、その、友人から目指したら?」

ゼルダ「」

ゼルダ「――――――――はっ!『女神の詩の逆再生』って、一体どういうことですかっ!
   『ゼルダの子守唄』っていうちゃんとした名前が――――」

リンク「『ゼルダの子守唄』…?なんですか、それは」

ゼルダ「――――!?」

マリオ「あ、時オカの頃のリンクは相当に精神分裂の最中にいたから
   教えていたところで歌の響きや名前なんか印象に残っちゃいないぞ、これ豆な」

ピーチ「あー、そういえば…そんなこともあったっけ」トオイメ

ゼルダ姫が、がっくりと地面にうなだれます。肩を震わせ、顔を覆って、静かに泣き出してしまいました。
…見ていられない、もの悲しさ。ですが、私などではどうすることもできません。

ゼルダ「どうして――――どうして。こんなことに、なってしまった――――のですか。
   誰のせいで、そんなに、ファイとだけ、絆を深めて――――」ポロポロ

リンク「誰のせいと、言われましても…………」

リンク「…………強いて言うなら、(スカイウォードソードの)インパのせい?」

ゼルダ「私、ちょっと用事ができました」スクッ

ピーチ「ゼルダゼルダ、すっごく目が濁ってる!」

449Mii:2021/07/25(日) 16:12:16 ID:kJrWaewE
〜 12月7日 祝賀会開幕! 〜



ロゼッタ「…どれも、本当においしいですね…!」

特設会場には、ずらりと並ぶ料理。大勢…というか、ほぼファイター全員が集う。
時折、簡単なスピーチやゲームを挟んでの、7日間の祝賀会の始まりです。



…あのときは、ゼルダ姫を宥めるのに、小一時間掛かりました。リンクも罪な人です。
アタフタしている間に表彰式がいつの間にか終わっていて、ちょっと残念でした。
注目されていなかった側のマリオやクッパは、全く気にせずケラケラ呑気に笑っていましたが。



できるかぎりお淑やかにあちこち歩き回っては、テーブルから溢れんばかりに
並べられた食事に舌鼓。ほっぺたが落ちそうなくらいです。

…なんだか食事量が本当に増えてきて、昔の私に見られたとしたら、
「そんなにガツガツ食べて何がお淑やかですか」とか言われたりして。
…ちょっと食べる速度を落としましょう、はい。

これだけの料理が1週間も続くだなんて、ピーチ姫も用意周到です。
これでもタブー戦の被害を受けて質素にしたというのですから恐ろしい。

何故だか私も、他のファイター達からちやほやされる存在に。
よく頑張っただの、凄い魔法を使えるんだな、だの。
…実力との乖離に恥ずかしくなりますが。まだまだ、です。

450Mii:2021/07/25(日) 16:14:38 ID:kJrWaewE
リンク「いやあ、幾らでも食べられるな!さっすがピーチ、
   ここまで料理の質を高められるとは!料理人たちをいつか紹介してくれ!」

ピーチ「それはお褒めに預かりまして光栄だわ。頑張ったかいがあるものよ」ニコッ

リンク「…………」

ピーチ「…………」

リンク「………………………いい加減、休んだらどうっすか?いつか死ぬぞ。

   まあ、聞いちゃいないんだろうけど。…よし、じゃあ俺からも。
   こんなすっげー料理を用意してくれたことだし、俺からも御馳走をプレゼントだ!」

ピーチ「あら、一体なにかしら?」

リンク「はい、これ!!」サッ







リンクは ハチノコを くりだした!▼

ピーチ「」ピシッ

451Mii:2021/07/25(日) 16:17:48 ID:kJrWaewE
ピーチ「きゃああああああああああああっ!?む、虫っ!!
   ななな、なんてもの持ってくるのよっ!?とっととしまってちょうだい!
   場にそぐわないこと極まりないわっ!!!」
   【見た目の嫌悪感から思い切り拒否して怒る人】

デイジー「うわっ!こ、これが噂に聞くハチノコかっ!グロテスクだね…!
    …いい事考えた!ビンゴ大会の最下位罰ゲームでこれを食べることにしない!?」
   【嫌悪感より好奇心が勝る人】

ゼルダ「リンク、そんなものを持ち込まないでくれますか!?
   リンクが嗜好するのは聞き及んでいましたが…マナーがなっていません、よ!
   (一時の我慢で食べて見せればリンクの好感度が…あ、上がるのでは…?)」チラッ
   【本当は食べたくもないが損得勘定の天秤に掛ける人】

ルキナ「」
   【公認で典型的な虫嫌いの人】

サムス「ふっ、この程度の姿かたち、それほど気にするまでもない。好んで食べたいとは思わないがな」
   【こういったグロテスクさには耐性がある人】





ロゼッタ「…あ、これ罰ゲームで私が食べる展開ですか…
    せめて、調理場から調味料探してきましょう――――」スタスタ
    【自分の運の悪さから色々諦めている人】

デイジー「ちょ」

452Mii:2021/07/25(日) 16:21:45 ID:kJrWaewE
リンク「…え、誰も食べたがらないの?おいしいのに」

ピーチ「いいから片付けなさいっ!誰も欲しがりなんかしないわよ!
   周り全員引いてるじゃないっ!」

リンク「いやいや、男性陣なら流石に…」





マリオ「ま、まあ失敗料理と思えば…いや、でも…」

ルイージ「無理無理無理無理」フルフル

リュカ「あれはおいしい御馳走だ、あれはおいしい御馳走だ、
   泥沼だって思い込めば温泉になるんだから…………」

クッパ「ワガハイは割とグルメだからな」

リンク「あっれえ?」





リンク「しょうがないな……まあ、ヨッシーとカービィなら安牌だろ。
   折角取り出したんだし食べてもらうことにするか。

   ……………………………………ん?」

453Mii:2021/07/25(日) 16:26:09 ID:kJrWaewE
ヒルダ「………………………………」キラキラキラキラ

リンク「………………………………食べる?」

ヒルダ「よいのですか!?ありがとうございます!」

ゼルダ「えっ」



パクッ。

ヒルダ「ん〜〜〜〜!!ロウラルのハチノコも悪くはないのですが、やっぱりリンクの物には敵いませんね!
   リンクお手製の味付けまでされていてまさに高級、絶品です!
   貴重なたんぱく源で栄養面でも言うこと無し、嫌うだなんて勿体ない!」
   【普通にハチノコに慣れ親しんでいた人】

リンク「そうだろそうだろ!ヒルダはわかってるなー!
   なんだったら、あきビンに詰めてやるから持って帰るか?
   遠慮なんてしなくていいぞ!喜んでくれて俺もうれしいよ!」

ヒルダ「よろしいのですか!ぜひ!…あ、えっと。ラヴィオの分も頂くわけには、いかないでしょうか」

リンク「そのくらいお安い御用さ!そんじゃ、あきビン2本ぶんな!」

ヒルダ「わああぁぁ!!!!」パアアァ

ゼルダ「…………出遅れたっ!」ガーン

ピーチ「ヒルダはそんなこと一切考えてないと思うわよ」

454Mii:2021/07/25(日) 16:30:34 ID:kJrWaewE
ロゼッタ「調味料、調味料っと…」

やや人気のなくなった廊下を歩いていると、剣の精霊さんに出くわしました。



ファイ「…………」



小休憩のためのソファに座り込んで、なんだかあんまり元気が有りません。
…まあ、ちょっと表情は掴みにくい方ですが。こんなところで、一体どうしたのでしょう。

ロゼッタ「あの、どうかされたのですか?もしかして、料理が口に合わなかったとか。
    あるいは、場の雰囲気にあてられて気疲れしてしまったとかですか?」

ファイ「…ロゼッタ様。いえ、そのようなことはありません。
   まあ、私の体はもともと食事を必須とはしないのですが…。
   心配をおかけして申し訳ありません」

ロゼッタ「…………」

なんだか放っておけなくて、ファイさんの隣に座ります。
ちらりと伺うと、やっぱり何かを思い詰めているよう。

ロゼッタ「リンクへのサプライズプレゼントのことで、なにか思う所があるのですか?」

ファイ「…お見通しでしたか」

ロゼッタ「流石にそのくらいしか考えられませんよ」フフッ

455Mii:2021/07/25(日) 16:33:42 ID:kJrWaewE
ファイ「…………衝動的に動いて、後ろめたかったのかもしれません。
   結果的に丸く収まったから多少はよかったものの、多くの方にご迷惑をかけてしまいました」

ロゼッタ「衝動的…なにか、焦っていたのですか?」



ファイ「…そうですね。私は、焦っていました。

   私などより、マスターは何歩も先を歩いている。
   今のままでいいのか、何かできないのか、自問自答して。
   もっと強くなりたい、お役に立ちたいと思っても、何も見つけられなくて。

   結局、贈り物を差し出すという形で終わってしまいました。
   私自身は、何も成長できていません…半身失格です」

ロゼッタ「贈り物だけでも、凄いことではないですか!
    ファイさんの気持ち、しっかりリンクに伝わっていますよ!大丈夫!
    あんなに泣いて喜んでいたではないですか!」

ファイ「…ですが。やはり、半身としては…戦いで貢献したい。
   贅沢な悩みであると分かっては、いるのですが…………」



そこにあるのは、剣の精霊としての、矜持のようなものでしょうか。



ロゼッタ「…………半身としての、意気込み、ですか…」

456Mii:2021/07/25(日) 16:36:19 ID:kJrWaewE
正直、半身って言われても。どういう経緯でどういった立場になったのか、
まるでわかっていません。お恥ずかしながら。

それでも、とにかくパートナーとして恥じないチカラを得たいという気持ち。
それはひしひしと伝わってきました。そして、それが無理難題だという悲しみも。



ロゼッタ「……………………」



でも、第三者の介入があれば、無理難題じゃなくなったりして。



ロゼッタ「…………………………………………ふむ」





ロゼッタ「――――――――閃きましたっ!!!」

ファイ「…!?」



いいことを、思いついちゃいました!!

457Mii:2021/07/25(日) 16:41:11 ID:kJrWaewE
デイジー「あ、ロゼッタがようやく戻ってきた!まったくもう、早とちりが過ぎるんだか――――――――」

ロゼッタ「リンク!リンク!ちょっとお話が!」

リンク「ど、どうしたどうした。今せっせとヒルダのためにハチノコ詰めてるんだけど」

ピーチ「目に毒だから、せめて別の場所でこっそり作業してちょうだいよ…」



ロゼッタ「いつぞや、病院でリンクが私に土下座したときの罪滅ぼしについてですが!」

リンク「ういっ!?」ピタッ

ロゼッタ「祝賀会の間だけ、何も聞かずにファイさんを貸してください!
    ちょっとだけ、試したいことが有るんです!」

ファイ「私からも、お願いします。マスター」

リンク「え、ええ!?……………………まあ、ファイもOK出してるんなら…いいか。そのくらい喜んで。
   ただし、あんまり変な事させないでくれよ?ロゼッタだから大丈夫だと思うけど」

ロゼッタ「ありがとうございます!あんまり期待せずに待っておいてください!
    では早速行きましょう、ファイさん!」

マリオ「え、ちょっと、どこ行くんだ!?何をしに!?」

ロゼッタ「ファイさんとの作戦会議をしっかり済ませたあと、祝賀会抜けさせてもらって、
    適当な原っぱに行ってきまーす!何をするかは…秘密でーす!!」ダダダッ

458Mii:2021/07/25(日) 16:44:39 ID:kJrWaewE
ルフレ「…………んー」



マルス「ルフレ、ワインがぽたぽたと零れて行ってるんだけれど。
    あまり根詰めてないで。たまには息抜きをしよう」

アイク「そうそう!旨いもの食ってりゃ、いい案も浮かびやすいだろ」

ルフレ「そ、そうは言いましても。
    僕の判断次第で、王国が潰れるかどうかが決まっちゃうかもしれないのに…
    うわあ…頭が、痛い…………………!!
    中々名案の糸口も見つかりませんし…………!!」



ルキナ「…………??」





ルフレは未だに悩んでいた。

459Mii:2021/07/25(日) 16:50:03 ID:kJrWaewE
――――ファイさんは、凄い精霊に違いありません。

使えそうな「モノ」の候補を頼んでみたら、予想以上の代物がやってきました。
正六角形8面と、正方形6面とで形成された多面体構造、おおよそ丸っこいその珠は――――――――!



ロゼッタ「…これが、ファイさんの地元の…時を司る鉱物『時空石』を加工した…



    ――――――――神聖な、『時空珠』――――!!



    すごい、すごいですよ、これは!なんて力に溢れているのでしょう!
    私の空間魔法と、これほどまで相性がいいとは…!!
    どんどん術式が浸透していきます、怖いくらいに!これならば、もしかして――――――――」パアアアアァァァァ

ファイ「元の材料である時空石も大量にお持ちしました。持ってくるのに時間が掛かり、申し訳ございません。
   …それで、これを一体、どうするのですか?」





ロゼッタ「これに、私の魔法を編みに編み込んで――――
    ファイさんだけの、新たなる攻撃手段に仕上げて見せます!!」グッ!

ファイ「――――!!」

460Mii:2021/07/25(日) 16:55:41 ID:kJrWaewE
〜 12月11日 〜

リンク「どうしたんだ、ロゼッタ。急にこんな草原まで連れて来て」

ファイ「…………」スッ

リンク「なんだかファイが妙に緊張してるっぽいし。
   ロゼッタが言ってた用事が済んだのか?そんでもって、またもやサプライズ?」

ロゼッタ「…はい!成功するか未確定…駄目元といえば駄目元だったのですが、
    なんとか形になりました!細かい所は後でお二方で詰めて行ってくださいね!」

リンク「形になった?何が?」

ロゼッタ「ファイさんの、新たな攻撃手段ですっ!
    これでもう、ファイさんが力不足を悩むこともなくなる、はず!」

リンク「力不足…?ファイ、そんなことを気にしていたのか。
   もう十分、ファイは頑張ってくれてるぞ。気にし過ぎだよ」

ファイ「…そのお言葉は非常に嬉しいのですが。
   やはり、現状に胡坐をかいていたのでは、あまりにも怠惰でありますので。
   ロゼッタ様に、思わぬ助言を頂いた次第です」

リンク(ファイの胡坐姿とかなんだか想像しがたいな)

リンク「よーし。じゃあ、その新しい攻撃手段とやら、さっそくみせてくれよ。
   そこまで意気込むからには…期待していいんだよな?」ニヤッ

461Mii:2021/07/25(日) 16:59:09 ID:kJrWaewE
ロゼッタ「うう、ちょっとプレッシャー…ですが、お任せください!
    ターゲットはとりあえず、あの岩ということで!」ビシッ

100メートル程先に、5メートルほどの大きさの、中々大きな岩塊が。

リンク「…ほう?」

ロゼッタ「ちなみに、ここからリンクがあの岩を攻撃するとしたら、どうします?」

リンク「接近禁止が前提だよな。弓矢じゃちょっと荷が重いし、まあバクダンかな…。
   ただ、バクダンの威力は俺の戦闘力と関係ないから、ちょっと時間が掛かるかも」

ロゼッタ「…簡単だよとか言われたら困り果てていたところでした」

リンク「ははは。それで?ファイはどうやってあれを攻撃するのかな?」



ロゼッタ「では、やっちゃってください、ファイさん!」

ファイ「はい!」



深呼吸したファイが、ブゥンと力を籠めると。
目の前に、直径2メートル超えの、青白く文様輝く「時空珠」が現れました。



リンク「うわっ!そ、それって、時空珠じゃんか、懐かしい――――」

462Mii:2021/07/25(日) 17:02:38 ID:kJrWaewE
リンクの呟きは半分正解、半分間違い。

もともとリンクが馴染みのある時空珠は、この半分以下の大きさだったはずです。
ファイさんに時空石の加工をお願いしながら…スペックと相談し、徐々に大きくしていった成果です。
そして、異空間から出現させられるようにしたのは、もちろん私の鉱石…いえ功績です。

ロゼッタ「余所見しちゃいけませんよ、まだまだこれからです!」



ファイさんが自身を剣の形に変貌させて、――――時空珠を、強烈に、叩くっ!!



ガキイイイイイィィィィン!!!

リンク「…!?」



叩く!叩く!叩く!まだまだ、叩く!
短い間の余りの連撃に、激しすぎる衝撃音が響き渡ります!
不思議なことに、浮かんだままの時空珠は、動き出す気配はありません。しかし――!



リンク「なんだこりゃ!?へんなヤジルシ…いやベクトル、か?
   珠っころからグングン伸びて行ってるぞ!?」

463Mii:2021/07/25(日) 17:08:43 ID:kJrWaewE
ロゼッタ「自他が方向と速度を理解把握しやすいように…
     シンプルながら、視認性アナウンサーを付けさせていただきました!

    そろそろ十分ですよっ!ファイさん!!  3、2、1――――ハイッ!!」



ファイさんが元の体に戻り、最後のトリガーとなる魔力を込めます!

ファイ「――――リスタートッ!!」パアァ

リンク「こ、これって、タブーを仕留めた時の――――!?」



制止した珠に与えられるだけ運動エネルギーを与え続けて、気の済むまで与えたところで、一気に放出――!!
この「静と動」の組み合わせは、思いの外、敵に対して絶大なる効果をもたらすみたいなので!



時空珠は、有り得ないほどの超高速で、岩に向かって突き進み。



ズガガガガガガガアァァァァ―――――ン!!!

リンク「なああぁぁぁぁ――!?」

いともあっさり、遠方の岩を完全粉砕して見せました!
轟音に、上空の鳥たちが一目散に離れていくほどのド迫力です!

464Mii:2021/07/25(日) 17:11:28 ID:kJrWaewE
ファイ「――――――――――――キャッチ」



大地にめり込み、もうもうと土煙を巻き上げながらようやく止まった時空珠は、
これまた私の編み込んだ魔法の賜物で。
ファイさんが一言発せば、「プンプンの持つ手裏剣」のように。
たちまちファイさんの手元にシュンッと戻ってきます。



ロゼッタ「静止状態のまま、威力をチャージしてチャージして…一気に解き放つ!

    これが、リンクを支えるファイさんの新たなるチカラ。
    リンクが欲しがっていた、遠距離攻撃の第一候補となり得るチカラ。
    僭越ながら、私が勝手に命名してしまいました。







   その名も――――――――    ピ  タ  ロ  ッ  ク   !!」



リンク「す、すげええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ――――!!!!」

465Mii:2021/07/25(日) 17:14:18 ID:kJrWaewE
リンクもこれ以上ないほど驚いてくれて、大層満足!

ロゼッタ「これで、ちょっと早いですが、ファイさんはお返しいたします」

ファイ「ロゼッタ様、本当にありがとうございました!私、少し自信が付きました!」

ロゼッタ「いえいえ、ファイさんのパワーと強靭性があってこそ為せる技ですよ!
    私も、お役に立てて本当に嬉しかったです!」

リンク「そっか。いやいや、俺もロゼッタに罪滅ぼしができて本当によかった――――」





リンク「…………………………………………」





リンク「……って、ちっともよくないぞおおおぉぉぉぉ――――――――!?」

ロゼッタ「!?」

リンク「よくない!まったくよくないっ!返せてないよ!?
   こんなすっごいプレゼントまでもらっちゃって、どうすんの俺!?

   これ、借りを返すどころか利子まで付きまくったんですけどっ!?
   ダメじゃん!なんの解決にもなってないよ!悪化してるよ!」

466Mii:2021/07/25(日) 17:20:17 ID:kJrWaewE
ロゼッタ「駄目…でしたか?」ショボン

ファイ「…………」ショボン



リンク「駄目じゃないよ!すっごく嬉しいよ!だからこそ駄目なんだよ!
   ロゼッタに返せてないよ何もかも!
   というかよく1週間…いや5日で完成できたな!?」

ロゼッタ「私は思いっきり空間魔法を行使出来てスッキリしました!」ムフー!

リンク「そういうことじゃなくてですね!ほんと天然だな!
   …ああもう、俺どうすればいい!?なんでもするから何か言い付けてくれよ!
   なあ!なあ!生き恥は嫌なんだけど!」

ロゼッタ「そ、そんな大げさな…!わ、分かりました、考えておきます」

リンク「絶対だぞ!絶対だかんな!!」



…あれ?なんだか、予想と違う展開になってしまいました。
まあ、こうなったら、適当に負担とならないお願いを考えておきましょう。





祝賀会は、残り2日です。

467Mii:2021/07/30(金) 21:23:47 ID:1j/hfldE
〜 祝賀会 会場 〜

ハイリア「ほんと、キノコ王国のお酒は美味しいわね…幾らでも飲めちゃいそう。
    さあ、次の盃、持ってきなさい!」

ヒルダ「あ、あの、恐縮ながら、いつまで飲み比べを―――」ビクビク

ハイリア「それはもう、どちらかが潰れるまでよ!
    他の人たちはみんな、逃げるか潰れるかしちゃったし!」



サムス「はやく次回作が出てほしいんだあ…………ZZZ」

ファルコ「フォックスっ!酒とノンアルの区別もできねえのか…………ZZZ」

ゼルダ「リンクのばぁかぁ…………ZZZ」

ヒルダ「……………………」

ラヴィオ「は、はい、お二方、どうぞ…………」

ハイリア「――――」ゴクゴク

ヒルダ「――――」コクコク

ハイリア「ほんと、キノコ王国のお酒は美味しいわね…幾らでも飲めちゃいそう。
    さあ、次の盃、持ってきなさい!」ダンッ!

ヒルダ「あ、あの―――?」

468Mii:2021/07/30(金) 21:27:40 ID:1j/hfldE
ハイリア「それはもう、どちらかが潰れるまでよ!
    他の人たちはみんな、逃げるか潰れるかしちゃったし!」

ヒルダ「…………」

ラヴィオ「は、はい、どうぞ、お二方…………」

ハイリア「――――」ゴクゴク

ヒルダ「――――」コクコク

ハイリア「ほんと、キノコ王国のお酒は美味しいわね…幾らでも飲めちゃいそう。
    さあ、次の盃、持ってきなさい!」ダンッ!

ヒルダ「あ、あの、だいぶ酔われていらっしゃいますね?」

ハイリア「酔ってないわ!」

ヒルダ「なんだか言い回しが固定されてきましたよ?」

ハイリア「そんな適当な言い掛かりをつけて、逃げる気ね!」

ヒルダ「い、いえ、滅相も無い…………ですが、そろそろ終わりにしても…」

ハイリア「それはもう、どちらかが潰れるまでよ!
    他の人たちはみんな、逃げるか潰れるかしちゃったし!」

ヒルダ「……………………助けてくださいぃ」

469Mii:2021/07/30(金) 21:30:25 ID:1j/hfldE
ラヴィオ「は、はい、どうぞ、お二方…………」

ハイリア「――――」ゴクゴク

ヒルダ「――――」コクコク

ハイリア「これ、水じゃないのっ!ふざけてるの!」バシャッ!!

ラヴィオ「ひ、ひいっ!申し訳ございませんっ!!」

ピーチ「……ハイリアさんハイリアさん、ここはちょっと酒の趣を変えてみませんこと?」

ハイリア「どういうことかしら、どれもこれも、一級品のお酒ばかりだと思うけど。
    安酒なんてこの場には一つもないでしょう?」

ピーチ「いえいえ、この程度で満足されているようでは、女神失格では?
   こちらのお酒こそが、ぜひ召し上がっていただきたい絶品酒なのですが…」

ハイリア「…へえ?そこまで挑発するのなら乗ってあげる。――――頂くわ」

ヒルダ「あ」



ハイリア「――――――――ZZZ・・・」

ヒルダ「…………さすが『桃葵の誓い』、一瞬で意識を失いましたね。
   恍惚の表情で倒れ込みました、おかげで助かりました」

ピーチ「まったくもう、とんだ女神様だこと」

470Mii:2021/07/30(金) 21:33:53 ID:1j/hfldE
パルテナ「でぇすから!私はっ!好きで人間を攻撃したわけじゃないんですよっ!
    操られてただけなんですよっ!酷いとぉ、思いませんかっ!
    守ろうとしていた者を知らず知らずのうちに苦しめていた、この仕打ちっ!
    やってられませんよっ!神は私がお嫌いですかぁっ!」ヒック

ピット「そうですね。私も分かってますよ、パルテナ様は何も悪くありません」

パルテナ「――――」ゴクゴク

パルテナ「だというのにっ!私のこと、勝手に呑気だとか能天気だとか決めつけて!
    傷ついていないだなんて決めつけてっ!労わるどころか後ろ指指す始末っ!
    みんなして、酷いとぉ、思いませんかっ!もう泣きたいですよっ!」

ピット「もう泣いてますパルテナ様」

パルテナ「そこはツッコむところじゃないでしょう!」バシャッ!

ピット「…………」ポタッ・・・ポタッ・・・

パルテナ「でぇすから!私はっ!好きで人間を攻撃したわけじゃないんですよっ!
    操られてただけなんですよっ!酷いとぉ、思いませんかっ!
    守ろうとしていた者を知らず知らずのうちに苦しめていた、この仕打ちっ!
    やってられませんよっ!神は私がお嫌いですかぁっ!」ヒック



ピット「…………」ポタッ・・・ポタッ・・・

ピット「そうですね。私も分かってますよ、パルテナ様は何も悪くありません」ポタッ・・・ポタッ・・・

471Mii:2021/07/30(金) 21:36:45 ID:1j/hfldE
ピーチ「パルテナ、悪酔いし過ぎよ…………女神ってみんなこうなのかしら。
   いい加減飲むの辞めなさい。はた迷惑だから。
   ピットったら、ずぶ濡れになって…はい、このハンカチで拭いて」

ピット「ありがとう、ピーチ」フキフキ

パルテナ「だというのにっ!私のこと、勝手に呑気だとか能天気だとか決めつけて!
    傷ついていないだなんて決めつけてっ!労わるどころか後ろ指指す始末っ!
    みんなして、酷いとぉ、思いませんかっ!もう泣きたいですよっ!」

パルテナ「――――」ゴクゴクゴクゴク

ピーチ「…………」イラッ

ピーチ「…………ちょっとふん縛って、パルテナを部屋に放り込んでおくわね…
   今の今まで任せっきりでごめんなさい、別の所で楽しんできてちょうだい」





ピット「あ、パルテナ様に信頼され切っている現状に満ち足りているので
   このまま僕たちは気にせず放置しておいてください」キリッ



ピーチ「」

ピーチ「ア、ウン、ヘエ、ワカリマシタ」

472Mii:2021/07/30(金) 21:41:19 ID:1j/hfldE
パルテナ「…………」

パルテナ「――――」スゥッ



パルテナ「酔い覚めの奇跡っ!!」パアアァァァ



ピット「あーっ」

パルテナ「何をがっかりしているのですか、ピット。これ以上迷惑かけられません。
    でもスッキリしました、ありがとうございます」

ピット「勿体ないお言葉です!」ビシッ

パルテナ「それで、ピーチさんピーチさん!今、色々と祝賀会の様子を見て回っているところなんですか、もしかして!
     私も付いて行ってもよろしいですか!」

ピーチ「べ、別に構わないけど…………さ、酒臭いっ!
   酔いは醒めてもアルコールが抜けた訳じゃないの!?」

パルテナ「ありがとうございます!それでは、レッツゴーですね!
    御歓談相手を探しに参りましょう!」

ピーチ「まるで聴いてくれていないし…」

473Mii:2021/07/30(金) 21:45:15 ID:1j/hfldE
ソニック「おー、ピーチじゃないか。楽しんでるか!俺は楽しんでるぞ!」

ピーチ「どっちかというと、管理する立場として…おちおち寝てもいられなくて
   疲労が積み重なっていってるけどね」

ソニック「しかし、こうも体が酒で火照ってくると、あれだな。
    思いっきり走って競争でもしたくなるぜ!」

ピーチ「走り切った後の皆さんが悲惨なことになるからやめてよね?フリじゃないわよ?」

パルテナ「ときにソニックさん、タブー戦ではお疲れさまでした。
    自分も戦いたいのをグッと堪えて、情報収集に努める!
    なかなかできることじゃありませんよ!」

ソニック「まあ、褒められたからには任務を全うしなきゃな!」

パルテナ「ピーチもなにかお褒めの言葉とか、褒賞とか、ないんですか?
    流石になにもなしはどうかと思うのですが」

ピーチ「…言われなくても分かってるわよ。
   ソニック、私が偽ロゼッタ達に隔離されている間、よく頑張ってくれたわね。
   貴方の功績は、数値には現れなくとも、素晴らしい物よ。
   なんなりと欲しい物を言ってちょうだい、可能な限り用意させてもらうから」

474Mii:2021/07/30(金) 21:51:35 ID:1j/hfldE
ソニック「…………ふむ、なら折角だから貰っておくか。
    こう、より己の素早さが鍛えられるアイテムが欲しいぞ!」

ピーチ「『スバヤクカワール』と『センセイサレナイ』、どっちのバッジがいい?」

ソニック「…いや、それはちょっと素早さを鍛えるとは違うだろう」

ピーチ「じゃあパワフルダッシュキノコで」

ソニック「一時的なブーストが欲しいわけじゃない」

ピーチ「…インドメタシン1個っと」メモメモ

ソニック「おい」

ピーチ「…冗談よ、冗談」

ソニック「全く…………」









ピーチ「10個もあればいいわよね?」

ソニック「数の問題じゃないぞ!」

475Mii:2021/07/30(金) 21:54:26 ID:1j/hfldE
ポケトレ「…………」



ピーチ「噂をすれば、ドンピシャな相手が見つかったわ」

ポケトレ「…………」バッテン

ニャース「お酒は二十歳になってから、俺は永遠の10歳だ!…と言ってるニャ」

ピーチ「…みょ、妙にカレーコーナーに群がってるわね。何杯目?」

ポケトレ「…………」モグモグ

ニャース「最新作の販促でもしておくぞ!…と言ってるニャ」

ピーチ「やめて時間軸が狂うから。…聴くところによると、
   偽ロゼッタたちがせっせと設置した爆発物…もとい砲台を、
   ステルス戦法で粗方除去してくれたんですって?

   市民や観光客に死者が出なかったのは、間違いなくあなたのお陰ね。
   いくらお礼を言っても言い足りないわ」

ポケトレ「…………」グッ!

ピーチ「…えーっと、褒賞として、何か欲しい物って、ある?」

パルテナ「なんでも言っちゃってくださいまし。ピーチがささっと叶えてくれますって」

ピーチ「パルテナ、貴方ねえ…まあ、大概のものなら用意できるけど…」

476Mii:2021/07/30(金) 21:56:55 ID:1j/hfldE
ポケトレ「…………」

ポケトレ「…………」

ポケトレ「…………!」ピコーン











ニャース「――――切断のない世界、と言ってるニャ」







ピーチ「――――――――ごめんなさい、私ごときでは無力なの…
   で、でも一応、任天堂に掛け合ってみる、わね…?
   というか、掛け合ってみるだけで許してちょうだいね…?」ガタガタガタガタ

ポケトレ「…………」ショボン

477Mii:2021/07/30(金) 21:59:20 ID:1j/hfldE
ネス「あー!ピーチじゃん!こんにちはー!
   僕、もっといろんなソフトドリンクが飲みたい!ここお酒ばっかりだよ!」

リュカ「あ、あのさあネス、流石に図々しいって。
   ソフトドリンクだって30種類くらいは用意されてるじゃない」

ネス「30種類程度じゃ飽きたっ!お酒は何百種類とあるのにずるくない?」

リュカ「…腹いせというか免罪符にしたというか、料理の方を馬鹿食いしてるけどね…」

パルテナ「そういう時は、ソフドリ同士を混ぜて新たな味を開拓しましょう!」

ネス「子供かっ!いやまあ僕たち子供だけれどもっ!」

ピーチ「…んー、MOTHER組はMOTHER組で、最後の踏ん張りで石化対策。
   見事に大当たりして、持ちこたえてくれたのよね。
   貴方たちが居なかったら、本当にまずいことになっていたわ。
   …ほかのみんなはどちらに?」

ネス「ファイターじゃないのに祝賀会に居座るのは居心地悪いので――
  とかなんとか言って、城下町の方に繰り出しちゃったよ。付き合い悪いなあ。
  ようやく羽を伸ばせるーって、アナとかポーラとかはしゃぎまわっていたけどね。

  …あれ、もしかして皆に用があった?」

ピーチ「あ、急ぎってわけじゃないけれど。何か欲しい物とかあったら――――」

ネス「褒賞っ!褒賞だね!わーい!」

478Mii:2021/07/30(金) 22:02:41 ID:1j/hfldE
ピーチ「…え、ええ。まあ。それでは今から、追加のソフトドリンクを」

ネス「いやいや、そんな褒賞はいやだからね!?何にしようかなー…

  そうだ!サンドイッチ1年分とか、どうかなっ!1年間サンドイッチ食べ放題!」

ピーチ「へえ、やっぱり子供らしくて可愛いわね。サンドイッチ…ロゼッタの出番かしら」

ネス「チョコチップと相性抜群!とっても美味しくて、思わず走り出してスキップしたくなって、
  厄介な敵も、広大な大地も、そしてたくさんの思い出も、一切合財スルーして行ける優れものグフフフフ」

ピーチ「…なんだか禍々しい感情が混ざり込んでない?気、気のせいよね?」











ネス「…あ、そういえば。ちょっといい、ピーチ?」コソッ

ピーチ「なになに、内緒話?」シャガミ

リュカ「…………??」

479Mii:2021/07/30(金) 22:05:44 ID:1j/hfldE
ネス「さっきさ。罰ゲームで黒歴史話す羽目になって、
  『内面世界で素っ裸で延々と歩き回ったことがある』って暴露しちゃったんだけど。
  言ったそばから、無茶苦茶恥ずかしくなった僕のことは一旦置いといて。



  一緒にゲームで遊んでたデイジーが、酔っ払いながら
  『現実世界で裸になったピーチよりはマシじゃーん!』とか言って
  根も葉もない噂、というかホラ話を面白おかしく語り出しながら大笑いしてたんだけど」ヒソヒソ

ピーチ「」グシャッ

ネス「女性陣はえらく引いてたし、ムッツリな男性陣の数名が鼻血出す事態になってたし。
  …変に騒ぎが大きくならないうちに止めといたほうがいいよ?いやほんと」



ピーチ「…………エエソウネ、本当ニアリガトウ、ネス」ゴゴゴゴゴゴゴゴ



ネス「うんうん、そりゃあぶち切れたくもなるよね…わかるわかる。
  あれじゃあピーチが手の施しようのない露出狂みたいな扱いだったもん。
  僕は子供だったことが幸いして逆に冷ややかだったけど」



ピーチ「……………………エエソウネ、本当ニアリガトウ、ネス」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

パルテナ「」

480Mii:2021/07/30(金) 22:09:40 ID:1j/hfldE
デイジー「……おぉぉぇえぇ…謎のピンクの悪魔にフライパンのようなもので背後からしこたま殴られて、
    なんか記憶がぶっ飛んだ気がするんだけど…私、何してたっけ…?
    
    …あるぇ?なんか、周りにも頭から血を流して倒れてる人がいっぱいいるんだけど…?
    みんな、だいじょうぶぅ…?事件?事件なのか…!?」

ピーチ「ねえデイジー、そういえばあなたの褒賞がまだだったわね!」

デイジー「うわっ、ピーチ!?…褒賞?」

ピーチ「遠慮はしないでいいのよ?
   貴方が偶然とはいえゼルダ、ロゼッタ、ヒルダと合流してくれたからこそ、
   そして彼女たちを短期間で強引に鍛え上げてくれたからこそ、
   戦いを打開することができたのだから。

   素晴らしい活躍よ!何が望みかしら!」

デイジー「…………褒賞、かあ」

デイジー「…………」

デイジー「先生。スマブラがしたいです」

ピーチ「よし、認めます」

デイジー「わーい、やったー…………」



デイジー「………………………って、マジっ!?ホントにっ!?ホントッ!?」

481Mii:2021/07/30(金) 22:14:39 ID:1j/hfldE
ピーチ「嘘なんてつかないわよ」

デイジー「ホントなんだね!?嘘じゃないの!?クーリングオフはできないからね!?

    ――――いやったぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――!!
    最高の褒賞だよぉ――――――――!!
    これであと20年は戦えるぞー!!」

ピーチ「よかったわね!おめでとうデイジー!」

















ピーチ(元から任天堂より通達されたペナルティ期間が終了して、
   次の大会で参戦させるつもりだった、ということは黙っておきましょ!)

482Mii:2021/07/30(金) 22:17:30 ID:1j/hfldE
リトル・マック「褒賞、だと?」

ピーチ「そ。ロゼッタにパンチの極意というものを叩き込んでくれたでしょ?
   結構あれ、意義が大きかったのよ」

リトル・マック「要らない要らない、そんなもの。
       別に対価が欲しくてロゼッタを鍛えたわけじゃない。
       教えるべきだと思ったから教えたまでだ」

ピーチ「そこをなんとか。私の思いを無碍にするのも失礼よ?」

リトル・マック「…………あ、じゃあ…………」

ピーチ「なになに?」



リトル・マック「うちの馬鹿コーチがロゼッタを鍛える合間合間にしでかしたセクハラを
       俺に免じて不問…いやせめて鞭打ち5回くらいにしていただけないでしょうか。
       何度か腰まわりを触ってロゼッタが青筋を立ててたので」ドゲザ

ピーチ「え、あ、うん。一応ロゼッタにも聞いてみる」

パルテナ「正直者ですねー」

デイジー「でも流石にロゼッタでも温情はくれないと思うなあ…」

483Mii:2021/07/30(金) 22:20:05 ID:1j/hfldE
トゥーンゼルダ「…ああ、統率したときの功績に対する褒賞ですね?
       そんなの、要りませんよ。困ったときはお互い様です。
       …なんだか、当時の振る舞いはあんまり思い出したくないですし…」

デイジー「そんなこと言わずに!バシバシ要求しちゃいなよ!」

ピーチ「どうして貴方が付いて来てるのよ」

デイジー「なんとなく面白そうだったから!」

パルテナ「というか、ゼルダにトゥーンゼルダにハイリア様に、
    なんというか出せるだけ出したというゴチャゴチャ具合ですね」

ピーチ「…………空耳が聴こえたわ」

トゥーンゼルダ「…………で、では1つだけ」

デイジー「なに、なにっ!1つと言わず3つでも100個でも――――」



トゥーンゼルダ「トゥーンの私たち…いえ私がもっと強くなる機会をください!
       ヒルダ姫にも追い越されたっぽくて、ちょっと悔しいというか。
       (トゥーン)リンクに相応しいパートナーになりたいんです!」

デイジー「くっ!?純真過ぎてみていられないっ!?ははーっ!」

ピーチ「…HD化だけじゃだめ?…駄目よね、そうよね…新作じゃないと意味がないわよね…」

パルテナ「あらあら」

484Mii:2021/07/30(金) 22:22:50 ID:1j/hfldE
デイジー「いやー、みなさん中々謙虚だよね、もっと欲しがればいいのに」

ピーチ「そんな、ファイターが誰も彼も浅ましいみたいな言い方止めなさいよ」

デイジー「でも、それだけ凄い事やってきたじゃん。
    やってきたからには、ちゃんと認めてもらうことは大事じゃない?
    それがピーチの信条、信賞必罰ってものでしょ?」

パルテナ「そうですよねー」

ピーチ「まあ、それは否定しないわ。
   凄いことをやった分だけ、いくらでも感謝し報いる、それが私のモットーよ」

パルテナ「わああ…!さっすがキノコ王国のトップ!そこに痺れる憧れる―っ!」

ピーチ「ふふっ、おだてても何も出ないわよ」







パルテナ「ということは、体を張ったラジオ番組で王国中を和ませて、ロゼッタの至宝の眼を奇跡の力で実質2度も治して
    スレの説明不足の解説役を一手に引き受けた私もむちゃくちゃ褒賞を期待していいんですよね!」

ピーチ「」

デイジー「」

485Mii:2021/07/30(金) 22:25:53 ID:1j/hfldE
ピーチ「貴方、それが狙いだったのね…妙に不自然についてくると思ったら…」

パルテナ「いぃえぇ、催促したみたいでかたじけない。
    実はですね私っ!欲しい物は既に決めてるんです!
    あの、究極のお酒っ!あれさえあれば他に何も要りません!
    というわけで、『桃葵の誓い』を下賜してくださいませ!
    飲んだ傍から、喉が切望してやまないのです!」

デイジー「まさに傾国の美酒」

ピーチ「下賜って…そんな言い方でいいの、プライドは?全く…
   それで?どれだけ欲しいのよ。言っちゃなんだけど、あげられるとしたら――」

パルテナ「いえいえ!まさか、そんな!
    キノコ王国のピーチ姫ともあろう御方に、こんな素晴らしいお酒を!
    1本で国ひとつが動きかねないような途轍もない価値があるお酒を!
    図々しく『何本ください』だなんて言えませんよ!」

ピーチ「…………え?」

デイジー「…………???」



パルテナ「で・す・か・ら!どれだけ下さるかは――――――――
    ピーチ御自ら、決めてしまってくださいな!」

ピーチ「」ピシッ

デイジー「…………??????」

486Mii:2021/07/30(金) 22:28:59 ID:1j/hfldE
パルテナ「もちろん!

    『こんな些細な功労でこのお酒を欲しがるだなんて図々しいっ!
    ロゼッタを2度も救ったあ?それがどないしたんや?』

    ということなら、それこそ耳かき一杯の量でも構いませんよ!
    ピーチの裁量に全てお任せ致します!」

デイジー「…………あっ」

ピーチ(……………………女狐に嵌められたぁっ!!?私、女だけどっ!)



――――身動き、取れないっ!?
提示する量が少なければ少ないだけ、王国とロゼッタを軽んじたって不名誉が残るっ…!?
結局見栄を張らざるを得なくなって、何本もパルテナに持っていかれることに…!?



パルテナ「回答は祝賀会が終わるまでにしてくださいねー!」タタタタタ

ピーチ「…………くうぅ…やられた…」

デイジー「す、すなおにさっさと1本確約しとけばよかったね…
    別に、今からでも遅くないよ。パルテナの挑発なんて無視して、
    何食わぬ顔で1本だけ渡せばそれでよくない?」

ピーチ「――――それは、私のプライドが」

487Mii:2021/07/30(金) 22:31:23 ID:1j/hfldE
ピーチ「…………頭が痛いわ、ほとんどアルコールなんて摂取してないのに」



――――ぱた、ぱた、ぱた、ぱた。



ロゼッタ「ピーチ姫っ!デイジー姫っ!一体どうしたというのですか!」

デイジー「あ、見かけなかったロゼッタがようやく戻ってきたか。
    おっそいよ、祝賀会も終盤に差し掛かろうとしてるのにー」

ロゼッタ「…い、いまはそんなことはどうでもいいのです!
    どうしてそんなにお二人とも表情が曇って――――

    会場に舞い戻った途端、真っ先に目に付くほどの。
    どんよりとした雰囲気を醸し出しているではないですか!」

ピーチ「だ、大丈夫よ、ロゼッタ。心配かけてごめんなさい。
   私たちで解決できる…解決してみせる。その程度の困りごとだから。
   そんなに深刻な話じゃないの。パルテナにちょっとからかわれただけで」

ロゼッタ「なっ…!そんな!文句を言いに行ってきます!
    親しき仲にも礼儀あり!許せません!」

ピーチ「い、いいからいいから!むしろそれは都合が悪いというか、
   私が惨めになるというか、いろいろとややこしい事情があるの!」

ロゼッタ「ですがっ――――」

488Mii:2021/07/30(金) 22:35:19 ID:1j/hfldE


凛とした、左目。魔眼のチカラが新たに宿った、左目。



ピーチ「…………ねえ、ロゼッタ。それはともかく、ちょっとお願いがあるんだけど。
   私を助けると思って、そのまま30秒ほど…私のこと見つめてほしいの」

ロゼッタ「えっ」



デイジー「…………」

ピーチ「…………」

ロゼッタ「…………」

デイジー「…………」

ピーチ「…………」

ロゼッタ(あ、あれ?何かのドッキリ?罰ゲーム?呪いの儀式?
    それとも隠し撮りされてまた変な挿絵に使われる?あれ?
    祝賀会をすっぽかしすぎて、激怒される5秒前?)ダラダラ



そのまっすぐで純粋な瞳に圧倒されて、わだかまっていたもの、全部飛んで行った

489Mii:2021/07/30(金) 22:40:18 ID:1j/hfldE
ピーチ「…………はい、ちょっとだけお辞儀して頭を下げなさい。ただでさえロゼッタは背が高いんだから」

ロゼッタ「……は、はあ」スッ








ピーチ「いい子いい子」ナデナデ

デイジー「あ、私もやる私もやるー」ナデナデ

ロゼッタ「」

ロゼッタ(何が何だかさっぱりわかりません!?)









ロゼッタの頭をそっと愛おしく撫でて、撫でて。
そうだ、大切なもの、しっかり守れたんだ。
こんなに嬉しくて、心穏やかになれる話はないってこと。

490Mii:2021/07/30(金) 22:42:27 ID:1j/hfldE
ピーチ「…ん。ありがとう、もういいわ」

デイジー「堪能したねー」

ロゼッタ「あ、はい。ええと。ではパルテナのもとへ――――」

ピーチ「それはもういいから。大人しく他の人たちと歓談してなさい。
   ……………………私たちとの約束よ、守ってね?」

ロゼッタ「…………………そこまでおっしゃるのなら」

しぶしぶという感じで、ようやくロゼッタが折れてくれたみたい。
そのまま、人の集まりに吸い込まれて行った。











ピーチ「さてと、デイジー。

   ちょっと、サラサ・ランドのお姫様に向けてご提案があるのだけれど」

デイジー「…………ほうほう、乗った」

491Mii:2021/07/30(金) 22:45:35 ID:1j/hfldE
ピット「え、ええ…?そんな挑発めいたことをやったんですか?」

パルテナ「ふふふ、本当にあのお酒は美味しかったんですから。ピットもさぞや美味しく飲めたでしょう?」

ピット「ま、まあ天にも昇るような味でしたけれど…天使なだけに」

パルテナ「…おや。ピーチが早速息を切らせてやってきましたね。
    ふふ、これでしばらくお酒には事欠きません」

ピーチ「…………パルテナ。話がまとまったわ」

パルテナ「ありがとうございます!話が早くて助かりました!
    それで、結局どうなりましたか本数は!」ニヤニヤ





ピーチ「在庫分10本と、向こう9年の先約90本で、100本あげるわ。あとでしっかり目録も渡すわね」

パルテナ「ふっふっふ、さっすがピーチったら太っ腹―。
    まさか100本も頂けるなんて思ってもみな――――――――」






パルテナ「……………は?」

492Mii:2021/07/30(金) 22:49:38 ID:1j/hfldE
ピーチ「デイジーともよーく話し合って、考えに考えて。
   王国の名誉とロゼッタの為なら、このくらい屁でもないって結論になったわ。
   良かったわねパルテナ、これだけあれば小国のひとつやふたつ、余裕で買収できるわよ?羨ましいわあ」

デイジー「これでパルテナも天界で好き勝手できるねえ、すごーい!」

パルテナ「」

ピット「」



ピーチ「そのかわり、肝に銘じておいてね?
   この決定…向こう10年、キノコ王国とサラサ・ランドに神酒が一切出回らなくなることと同義だから。
   そのことを十分に噛みしめて、余すことなく味わって飲んでね?

   ただの1滴でも地に零したり飲み残したりしたら、最後。
   たちまちもがき苦しんで血反吐吐いて死ぬような呪いを『気持ちだけ』掛けておくから」

デイジー「この神酒を冒涜するような飲み方をしたら、衝動的に夜陰に乗じて
    パルテナの寝首を掻っ切るかもしれないけど、そこんとこ了承して
    平時から遺書を手放さないようにしておくんだよ?

    あと、ここまでロゼッタのことが大事だと明言したこと、よもや忘れないでね?
    ロゼッタのことで次また揺すりタカリを仕掛けてくるようなら
    適当な牢屋に閉じ込めて100年くらい過ごしてもらうかもしれないよ。

    綺麗な綺麗な女神さま…………国同士のパワーバランスって知ってる?」

パルテナ「」ガタガタガタガタガタガタガタガタ


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