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マリア「人間失格?」 葉蔵「シンフォギア?」

1以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/03(月) 19:00:37 ID:lrByKE02
戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITEDとHUMAN LOST 人間失格の二次創作コラボイベントです。
正式名称「死に戻りの葬送曲(レクイエム) 」

二次創作のため、一部キャラ崩壊・設定変更があります。


あらすじ
ギャラルホルンのアラートに導かれ、また新たな世界への赴いた響達。劣悪な環境汚染の空気に響達は咳き込んでいる所、その世界の人間が異形な姿へと変貌する光景を目撃する。
異形となった人間に戸惑う彼女達に医療国家機関S.H.E.L.L.(シェル)のメンバーに救われ、一同は人間が異形な怪物へと変わる「ヒューマン・ロスト」の原因である「堀木正雄」の確保に協力する。

この世界ではS.H.E.L.L.と体内のGRMP(グランプ)によって、全国民は無病息災長寿を手に入れ、死を克服しようとしてた。異世界の来訪者である奏者達はこの世界の社会と現状に疑問を持ちながらもS.H.E.L.Lに協力する。
しかしこの世界には、この世界に生きるマリア達が存在しており・・・

65以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/17(月) 10:15:12 ID:FBB8eV7s
マダム「部屋、借りるわよ。2人だけの方が良いみたいだから・・」
葉蔵「好きにしろ・・・」
美子「響さん、大庭さんと真利愛さんを頼みます。」
響「はい、頼まれました!!」
美子とマダムは2階に上がる

響「なんか安心したら、喉が渇いてきました・・・」
真利愛「そうね・・・貴方に切歌ちゃんが好きだったのをごちそうするわ。」
響「本当ですか!!」
真利愛「えぇ。恒子さん、立花さんにマンゴージュースのサイダー割りを。私も飲むわ。」
恒子「・・・・は〜〜い。」不機嫌そうに用意する

葉蔵の部屋
マダム「ごめんなさいね、ようちゃんの部屋しか無いの・・」 
マダム「酷いでしょ?これでも片づけたつもりなんだけど・・まぁ、かけて。」
美子「お邪魔します」隣に座る

マダム「それで、どういう御用?」
美子「失礼ですが・・・大庭葉蔵さんのご親族でしょうか?」
マダム「家主・・・みたいな者よ。ようちゃんに家族はいないわ。本人が言う限りはね・・」
美子「では、和泉真莉愛さんについては?」
マダム「よくようちゃんの所に遊びに来る友人よ。よく酒を頼んでくるけど・・・」
美子「大庭葉蔵さんと和泉真莉愛さんをS.H.E.L.L.の機関部員として迎え入れたいと考えております。それでご挨拶を・・」
マダム「急な話ね・・」
美子「機密事項なので、詳しいご説明が出来ず大変申し訳が無いのですが・・・」
マダム「はぁ〜〜・・説明されてもどうせわからないわよ・・・」
マダム「こんな所までついてきたって事は、やっぱり何かようちゃんと真利愛さんが迷惑を?」
美子「ですから、そういうわけでは・・・」

66以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/17(月) 10:57:00 ID:FBB8eV7s
マダム「私が知ってるようちゃんは、とても素直で良い子よ。」
マダム「ろくでもないのは父親。子供のようちゃんを捨てて、蒸発したらしいのよ。」
美子「そうですか・・・」
マダム「親なんかいなくても生きていける歳になっても、日がな一日、絵を描いてばかり・・友達も竹一だけ、変わった子よね・・」
マダム「でも、あの子なりに居場所を探しているのよ・・・」
マダム「それは真利愛さんも同じ・・・ようちゃんに冷たく言ってるけど、あの子もあの子なりに居場所を探している・・」
マダム「あの人が子供の頃に大きな爆破事故で家族を失い、調ちゃん達に拾われて過ごし、この場所に流れ着いて、ようちゃん達と出会った。」
マダム「真利愛さんとようちゃん・・・見た目も性格も違うけど・・思ってることは同じ・・似たもの同士って奴かな?」
美子「似たもの同士ですか・・・」葉蔵が描いたオニみたいな絵を見る
マダム「お店に飾っているのはみんなようちゃんの絵よ。変だって思うでしょ?年甲斐も無く裸を描かせてたりしてって・・」
美子「い、いえ・・・」
マダム「描いて貰ってよかったわぁ・・合格式なんて決めた人達からすれば、失格でしょうけど・・ったく、何が合格か・・誰がわかる?」
マダム「美しさも・・幸せも・・人それぞれじゃ無い?」

マダム「あらごめんなさい・・・あなた、S.H.E.L.L.の人だったわね・・・」
美子「S.H.E.L.L.よる健康と長寿は私たちが守るべき万人の願いだと思っております。」
マダム「あなた・・・信じる天才なのね・・・。」 美子「・・・・?」
マダム「申し訳が無いけど・・・私がどうこう言う立場じゃ無いわ。ようちゃんや真利愛さんがしたいと思えば、そうするんじゃないかしら?」
美子「では、大庭葉蔵さんと和泉真莉愛の身柄は正式に預からせて貰います。」
部屋から出ようとする美子

マダム「貴方もようちゃんに描いて貰いなさいよ、美しい内に・・・」
美子「お邪魔しました・・・」

67以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/17(月) 11:15:44 ID:FBB8eV7s
第6話 第2の手記:崩壊のビジョン

1階に降りると葉蔵と真利愛、響達の姿はなかった
美子「大庭さん達は?」
恒子「真利愛がね、用事を思い出したって言って、ようちゃんも一緒にどっか行っちゃったわよ・・立花って子もそれを追いかけて行ったわ。」
美子「!!!?」
慌てて店を出る美子

恒子「ママ〜〜、真利愛とようちゃんが付き合ってる噂は本当だったみたい・・・これ飲んで死んじゃおうかしら・・・」カプセルを取り出す


寺院近くの通り道

響「はぁ!はぁ!待ってください、大庭さん、真利愛さん!!」
真利愛「はぁ!はぁ!しつこいわよ、立花!!」
葉蔵「なんなんだよあいつ!!立花、俺たちの事はほっといてくれ!!」
響「そんなの絶対出来ません!!」
逃げる葉蔵と真利愛を追いかける響

美子(通信)「響さん・・響さん!!」
響「ごめんなさい美子さん!少し目を離した隙に真利愛さんと大庭さんが逃げ出しまして・・今、追っています!」
美子(通信)「位置はわかりますか?」
響「今、お寺の近くを全力で走って追っているところです!!」
美子(通信)「わかりました!私もすぐにそちらに向かいますので、響さんは大庭さん達を捕まえておいてください!!」
響「わかりました!!」

寺院
真利愛「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・?苦しくない?」
葉蔵「そう言えば、俺も・・・・」
響「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・わ、私はマスクをしてるけど・・息が苦しいよ・・・」

68以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/18(火) 00:03:15 ID:.cApMWDI
響「でもどうして・・・美子さんから逃げたんですか!!」
葉蔵「それは・・・これを・・・」地獄の馬の絵を見せる
響「それって・・・」
葉蔵「もし、あのまま竹一が目覚めなかったらと思うと・・せめて、竹一の大事な物はここにおいて・・いつか帰ってくる時の目印にしようって・・」
真利愛「葉蔵・・・・」

刺さってたナイフを取り・・
葉蔵「それに、堀木正雄の目的は俺なんだろ?ならば、お前達が近くにいたらかえって・・・」
?「俺がどうしたって?」 3人「!?」
そこに青い花束を持った堀木正雄がいた

真利愛「堀木さん・・・・」
響「えっ・・・あの人が、堀木正雄・・・・」
堀木正雄「ん?君は・・・・」響を見て
浅草橋での出来事を思い出す堀木正雄

堀木正雄「・・・そうか。君が、かの平行世界から来たシンフォギア装者と言う者か・・・」
響「な、なんでそのことを・・・・」
堀木正雄「先日・・・浅草橋でのロスト現象の時に、君たちを見かけてね・・それを見て、別の世界の和泉製薬の物だと知ったんだ・・・」
堀木正雄「シンフォギア・・・和泉製薬がおまけ程度で製作していた聖遺物を使った歌唱武装兵器・・・」
真利愛「和泉製薬・・・・」
響「兵器って・・・シンフォギアは人を傷つける物じゃ無い!人を守るための物なんだ!!」
堀木正雄「ほぅ・・・君たちの世界ではそういう事なのか・・・」
葉蔵「それより・・・なんでこんな所に・・・」
堀木正雄「知りたいか?」

青い花を地獄の馬の絵と一緒に鉄の玉座に置く
堀木正雄「俺は、ロスト体が個別に持つネットワークにアクセスできる。S.H.E.L.L.から外れた葉蔵の影を辿ってきた。」
響「ロスト体に・・・ヒューマン・ネットワークがあるんですか!?」
堀木正雄「あぁ・・・美子から聞いていなかったか?」

69以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/19(水) 21:20:20 ID:puFIM1Hg
堀木正雄「俺はS.H.E.L.L.が隠している事を知っている。知りたければついてこい。本来は大庭葉蔵だけを連れていきたかったが、特別に君たちも来るがいい・・・。」
響「・・・・・・」 真利愛「・・・・・」

オイマツエリア 巨大ダクトがある公園
堀木正雄と後をついて行く葉蔵、響、真利愛

ガスマスクの子供達「アハハハハ!!!」公園で遊んでいる

響「空気が汚染されているのに、外で遊んでいる・・」
堀木正雄「不思議な光景だと思うか?何故こんなに環境汚染や貧困格差が激しいのに国民の大半が平然としていられるのは何故なのか?」
響「それは・・・・その代わりにS.H.E.L.L.が人々の健康を守っている事に感謝しているから?」
堀木正雄「それは違う。この国の人間の幸せの大半は、S.H.E.L.L.が脳内物質を操作した結果だ。」
響「それって・・・・意図的に感情を操っているって事!?」
堀木正雄「そうだ。しかしそれを拒む者もいくつか存在してる・・・葉蔵や竹一、調と切歌、そして真利愛もだ。」
葉蔵「・・・・・・」 真利愛「確かに当たっているわ・・意味の無く自殺ごっこをやってるし・・・」
響「自殺ごっこって・・・」
真利愛「変でしょ?死ねない身体なのに、意味も無く死のうとする私を・・・」
堀木正雄「これもS.H.E.L.L.の体内GRMPの影響によるモノだ・・・死なないからと言う理由で死を楽しむ者をいる・・・」
響「死ぬことを・・楽しんでいる・・・・」

廃墟のエレベーター前につく一行
葉蔵「ここは?」 堀木正雄「俺の仕事場さ。」
エレベーターのロックをいとも簡単に解除する堀木正雄

堀木正雄「アプリカントになると、こんな芸当が出来る。葉蔵や真利愛が汚染された空気に適応できたのはそうだ。覚えておけ。」
一同はエレベーターに乗り、地下へ向かう


美子「!?。3人が地下に入った!」
車では美子を響達の反応を追って捜索していた

70以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/19(水) 22:12:23 ID:puFIM1Hg
オイマツエリア:地下
そこには青い花が無尽蔵に広がっていた

葉蔵「花・・・・それもこんなに・・・」
堀木正雄「S.H.E.L.L.から送られてくる浄化空気には成長ホルモン薬が含まれている。おかげでよく育つ。」
堀木正雄「ケシの樹脂成分と俺の血から作り出したのが、アンチGRMP薬だ。ケシが脳内に及ぼすメカニズムを利用してね。」
真利愛「アンチGRMP薬・・・この青いケシの花が、アンチGRMP薬の原料だったなんて・・・」
響「なんで堀木さんは人々をロスト体にするんですか!?なんの理由があって、大勢の人達を・・・・」
堀木正雄「不老長寿を実現しようとした連中がそうさせたんだ。俺はそれに加担した事を今も後悔している・・・」
葉蔵「加担って・・・・?」

堀木正雄「俺は、この国で最後の医者だった・・・医療革命のために必死に働いたよ・・・。」
堀木正雄「そして・・・あの無慈悲な生命維持装置を・・・「S.H.E.L.L.」を生み出してしまった・・・」
3人「!!!???」
葉蔵「お前が・・生み出した・・・・」 真利愛「まさか、そんな!?」 響「堀木さんが、S.H.E.L.L.を作ったって・・」
堀木正雄「ロスト体こそ、この世界の日本に住む国民の本当の姿だ。そう柊美子やヒラメに教わらなかったか?」
真利愛「でも、普通に死んでいる人もいるって・・・」 堀木正雄「S.H.E.L.L.が変異を押さえ込んでいるだけだ。」

堀木正雄「この世界の人間は、無理矢理人間をやらされているんだよ。竹一達はその抑圧を感じていた。」
葉蔵「竹一や切歌、調が望んだって言いたいのか!?」
堀木正雄「死ぬために真の人間に戻る・・・彼らは願いを叶えようとした。しかし真利愛、お前がその邪魔をした・・・」
真利愛「邪魔をした・・・・?」
堀木正雄「そうだ!第4のアプリカントである君の能力によって、彼女達の願いを踏みにじった。許されざる行為だ。」
真利愛「そんなぁ・・・・私は・・・」
響「真利愛さん!その人の言ってる事を聞かないで!!」
葉蔵「あぁそうだ!!こんな奴の言ってる事は戯れ言だ!!」

そう葉蔵は堀木正雄をナイフで刺す
堀木正雄「!?」振り払う
響「葉蔵さん!?」

71以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/19(水) 22:50:04 ID:puFIM1Hg
葉蔵「竹一や調、それに真利愛や切歌だって・・・みんな俺の友達なんだ!!それをお前はみんなを化け物にして傷つけさせたんだ!!」
真利愛「葉蔵・・・・貴方って人は・・・」
響「葉蔵さん・・・・・」

堀木正雄「全く・・・アプリカントでなくても、こんな者で死ぬ奴は一人もいないぞ。」ナイフを抜いてしまう
葉蔵「!?」 真利愛「そうだったわ。」
堀木正雄「その怒りも、二人のプライドも・・S.H.E.L.L.が無意味にしてしまったからね。」
響「無意味って・・・・あの人達はそんな事をする人じゃ無い!!」
真利愛「そうよ!!少なくても柊美子は貴方よりずっといい人だわ!!貴方なんて・・・・」
真利愛は首のアガートラームを掲げて・・・

真利愛「・・・・あぁ〜〜・・・あぁぁぁ〜〜〜!!」聖詠を歌おうとする
響「真利愛さん?もしかして・・・・」
真利愛「そんな・・・調や切歌達は出来たのにどうして!?」
堀木正雄「あの兵器を起動させようというのか?それは無理な話だ。今のお前の鼻歌ではそいつは動かせない・・」
響「動かせないって・・まさか!?」

響「真利愛さん!あの暴走事件の時に何か薬を飲みましたか?」
真利愛「えぇ・・・青いカプセルと緑のカプセルで・・・」
響「緑のカプセル・・・それってもしかしてLiNKER!?」
堀木正雄「さすがだな、平行世界のシンフォギア装者よ。アレは和泉製薬が開発してた投薬だ。」
響「なんでそんなものをあなたが?」

堀木正雄「俺は和泉製薬の株主だったことがある。奴らは多国籍を相手に多様な薬の他、兵器産業も扱っていてな。」
堀木正雄「傲慢にも、死体の再利用としてロスト体を戦争の道具にしようと昔の日本政府公認で進められていた。」
響「昔の政府が、どうして!?」
堀木正雄「安倍晋三と竹中平蔵、そしてそいつが牛耳る安倍政権が国民の税金を勝手に和泉製薬に投資し、富や技術を海外に売国したんだよ。」

72以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/19(水) 23:25:25 ID:puFIM1Hg
澁田(回想)「第2次医療革命時代、ある企業がナノマシン開発の際に聖遺物を使用してたと聞いていて・・・」

響「ある企業って・・・それが和泉製薬!?」
堀木正雄「そうだ!俺はそれが気に入らなかったためゆえに、和泉の研究施設にワザとロスト現象を起こさせた。その結果、和泉製薬の関係者や安倍政権の議員全員とそのパーティーに出席していた各首脳と共に全員が世界からロストした。」
真利愛「ひ、酷い・・・・」
堀木正雄「酷いも何も・・真の人間と国民を侮辱する行為に受けるべき粛正の罰を与えたまでだ。いわゆる人助けってモノだ。」
響「そんな事・・・人助けなんて認めない!!」
堀木正雄「そうか。君にはわかると思っていたのだが・・・」
上にクリス達が乗るヘリを見かけて
堀木正雄「時間が無い・・・・君たちに見せたい物がある。」
そう言うとヒラメで見た文明曲線を葉蔵達に見せる

ヘリ
クリス「地下?なんであのバカがそんなところに?」
美子(通信)「はい。イメージを共有しますね!」
響達がいるマップが写って・・・
厚木「確認した。オイマツエリアだな・・・あの辺りは放棄されて何も無いはずだ・・」
美子(通信)「大庭さんと響さん、真利愛さんのバイタルに変調を感じます。心拍と血圧の上昇・・ドーパミンの散華から・・怒りと恐怖です!!」
厚木「堀木がいる・・・・」
翼「不味い!立花は極度に人の黒い部分を嫌う・・」
クリス「アノバカ、保護対象と一緒に堀木に会うからだ!!」

美子(通信)「大規模喚起ダクトです!!」
厚木「照合した!全隊員、景山公園に大庭葉蔵と堀木正雄、並びに立花響と和泉真莉愛がいる模様!」
厚木「堀木確保のため、第4出動にて降下準備!!」
ヘリはターンして、巨大喚起ダクトに向かった

73以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/20(木) 21:22:48 ID:WEw6VcAk
再び喚起ダクトの地下へ
堀木正雄「これがわかるか?」 葉蔵・真利愛「・・・・・」
堀木正雄「全国民のバイタルデータを元に社会の行く末を予測する文明曲線ってやつだ。」
響「文明曲線・・・・なんであなたがこれを?」
堀木正雄「言ったはずだ。俺はS.H.E.L.L.が隠している事を知っていると。これをS.H.E.L.L.は御本尊のように崇めている。アプリカントとは、いわばS.H.E.L.L.より上位の存在だ。」
真利愛「アプリカントって、そんな重要な存在だったなんて・・・・」
堀木正雄「俺がこのビックデータにアクセスした結果、あるイメージが生成された・・・・」
真利愛「イメージ?それは一体?」
堀木正雄「今から君たちのネットワークにリンクさせる・・・暴れるなよ。」
堀木が文明曲線のホログラムに触れると、文明曲線のゲージが全て赤くなり・・・・


文明曲線のビジョンの中
葉蔵「っ・・・・・・、あぁ!?」
真利愛「これは一体!?」 響「な、なにが・・・・・」
3人が見たのは全てが崩壊し、赤く染まった世界だった

堀木正雄(声)「それがこの世界が行き着く先だ。やがて合格者達の寿命は尽き、国民の全員がロストし、人類は死に絶える事になる。」
響「そ、そんな・・・こんな事って!?」
真利愛「ア・・・あぁ〜〜!?」
堀木正雄(声)「葉蔵、真利愛、そして立花響・・・人間はな、進みすぎた社会システムに対して・・・・」

「『失格』したんだよ。」


葉蔵「失格・・・・・」
真利愛「人間が社会システムに失格って・・・」
その時、何かの腕が3人を地面に引きずり込む

3人「うわぁぁぁ〜〜〜!?」

74以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/20(木) 21:55:48 ID:WEw6VcAk
堀木正雄「俺が人生を捧げた研究は、人間の尊厳を棺桶に閉じ込める事でしか無かった・・・」
堀木正雄「棺桶の中で人間は、苦しみに終わりが訪れる事を望んでいる・・」
堀木正雄「終わらせてやる事こそ俺の役目であり、この世界最後の医者としてのつとめだ。」

真利愛「終わらせてあげる・・・」
響「死ぬことが、この世界の人類の願いだなんて・・・」
堀木正雄「強欲な老人達は、立花と真利愛を利用し・・葉蔵を生け贄にするだろう・・」
響・真利愛「!!??」
堀木正雄「それより大庭葉蔵、俺の元へ来い!二人で滅びを受け入れ、人間を1からやり直させるんだ・・・」

葉蔵「嫌だぁ・・・・止めろ!!俺には関係ない!!」


堀木正雄「じゃあ、何を望む?身の振り方を間違えれば、望まぬ未来を引き寄せるぞ・・」
そう言い、堀木正雄はその場から立ち去ったのだった

響「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・あれは、幻だったの?」正気に戻る
真利愛「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・幻にしては、リアルすぎるわぁ・・・」
葉蔵「・・・・望まぬ・・・未来・・・・・!?」
メロスのテーブルに青いケシの花が添えた花瓶のことを思い出す葉蔵

葉蔵「まさか・・・!?立花、俺をマダムの所へ連れてってくれ!!」
響「葉蔵さん、どうして急に?」
葉蔵「急いでくれ!!マダム達がロスト体にされてしまうぞ!!」
真利愛「マダムがぁ・・・・立花!!」
響「はい!!わかりました!!」
3人は別の所から外へ出る

その瞬間、入れ違いでクリス達が降りてくる
翼「立花ぁ!!」 クリス「おい、葉蔵!!真利愛!!」

75以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/20(木) 22:24:03 ID:WEw6VcAk
巨大喚起ダクトの外

クリス(通信)「いないぞ?本当にここであっているのか?」
美子「え?そんなはずは・・・・いや、待って!響さんの位置が・・・」
その時、シンフォギアを纏った響が葉蔵と真利愛を背負って跳ぶところを目撃する美子

美子「響さん!?響さんが大庭さんと真利愛さんを連れて、どこかに行きました!!」
翼(通信)「なんだって!?」


イチロク周辺近く
葉蔵「もっと早く跳べないのか!!」
響「これが精一杯だよ・・・」
真利愛「立花、あそこ!!」
響「えっ・・・・?」
真利愛が指さしたところにロスト現象とイチロク周辺の人々が逃げ惑う姿があった

市民A「逃げろ〜〜!!あの怪物に消されるぞ!!」
カルマノイズ「ーーーー」腕を伸ばす
市民A「がぁ・・」炭化
カルマノイズ「ーーーー」瘴気を出す
市民B「なんだ・・・うぅ!?ウガァァァ〜〜!!」ロスト体になる

葉蔵「あれはなんだ・・・・あれもあの化け物なのか?」
響「カルマノイズが、ロスト体を作ってる・・・」
3人は地面につき、葉蔵はメロスの方へ走っていく

真利愛「葉蔵、待ちなさい!!」
葉蔵「待てるか!急がないと、マダム達が!!」
響「葉蔵さん!!」

76以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/20(木) 22:53:23 ID:WEw6VcAk
カルマノイズ「ーーーーーー」襲いかかる
響「はぁ!!」カルマノイズの攻撃を防御する

響「ここは私が食い止める!!真利愛さん達はマダムさん達を!!」
真利愛「わかったわ!!」
真利愛と葉蔵は一足先にメロスへ、響はロスト体とカルマノイズの相手をする

ロスト体「グゥゥゥ〜〜〜!!」触手を伸ばす
響「はぁ!ハァァァァ〜〜!!」触手を掴んでカルマノイズに投げ飛ばす
カルマノイズ「ーーーーー!?」ダメージを受けるが、すぐに再生する
響「これ以上、人々をロストさせたりさせない!!」


バァ:メロス
真利愛「マダム・・・・!?」 葉蔵「あぁ!?」

ロスト体(恒子)「ウゥゥゥ〜〜〜〜・・・・」
マダム(瀕死)「ようちゃん・・・・S.H.E.L.L.に・・コールして・・・ツネちゃんが・・・」
真利愛「ま・・・・マダム・・・」
葉蔵「や・・・止めてくれ〜〜!!」
ロスト体(恒子)「ウゥゥゥ〜〜〜〜!!」
ロスト体(恒子)の触手が2人の胸を突き刺す

真利愛・葉蔵「ガハァ!?あぁ!!」突き刺さる
真利愛「クゥ・・・うぅぅ・・・」ガクッ
葉蔵「うぅぅ・・」ガクッ
マダム「よう・・・ちゃん・・・・」ガクッ
マダム、葉蔵と真利愛が息を引き取ったとき・・・

77以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/21(金) 21:40:50 ID:9HYTEp7o
葉蔵「うぅ!?グゥゥゥ〜〜〜〜!!」目が覚めて
真利愛「くぅ!?Seilien coffin airget-lamh tron・・・」目が覚めて
赤い炎と白い渦がメロスとその周辺を包み込みんでいき・・

葉蔵(アプリカント)「ウゥゥ・・・ヌォォォォ〜〜〜〜!!!」
真利愛(アガートラーム)「うわぁぁぁ〜〜〜〜!!!」
二人の雄叫びが渦の中で木霊する

通りでは、葉蔵達が発生させた赤い炎と白い渦の発生に・・・
響「あの渦は・・・」
カルマノイズ「ーーーーー」瘴気を出す
ロスト体「グゥ!?グゥゥゥゥ〜〜〜!!」
瘴気を浴びたロスト体2体がまたロスト現象を起こし、今度は四本腕と頭が二つの変異ロスト体1体になる。
響「またロスト体を変異させた!?」
変異ロスト体「グゥゥゥゥ〜〜〜!!」触手で攻撃
響「うわぁ!?」ダメージを受ける

葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」襲いかかる
変異ロスト体「!!!??」
炎の化け物(アプリカント)となった葉蔵が、変異ロスト体を捕まえ、それを引き裂いていく
響「葉蔵さん!?」 
真利愛「響・・・」 響「真利愛さん!その姿・・・」
真利愛「ロスト体の攻撃で死んで・・・気がついたら、この姿になってたの・・」
真利愛が纏うアガートラームは、イグナイトモジュールに似ているが灰色でひび割れていた
響「真利愛さんのアガートラーム、なんだろう・・・マリアさんのアガートラームと違って・・なんか禍々しくて・・」

葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」暴れる
次々と来るロスト体を破壊していく葉蔵
カルマノイズ「ーーーーーー!?」
葉蔵(アプリカント)に向けて瘴気を出したあと、逃げ出すカルマノイズ

78以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/21(金) 22:30:32 ID:9HYTEp7o
葉蔵(アプリカント)「がぁ!?あぁぁ〜〜〜!!」瘴気を浴びる
真利愛「葉蔵さん!?」
響「いけない!?カルマノイズの空気を吸ったら・・・」

葉蔵(アプリカント)「グゥゥ・・・・グォォォォーーーー!!」今度は響達に襲いかかる

真利愛「葉蔵!?一体どうして!?」
響「カルマノイズには破壊衝動を植え付ける呪いがあるんです。それであんなに凶暴に・・・」
葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」
真利愛「葉蔵〜〜!!」

?「はぁぁぁ〜〜!!」
葉蔵(アプリカント)「ぬぉぉ!?」
突如、短剣二つが葉蔵(アプリカント)に襲いかかる
響「あの攻撃・・・もしかして!!」

セレナ「響さん!!大丈夫ですか!?」
響「セレナちゃん!!」 真利愛「え!?」

響「セレナちゃん、どうしてここにいることを?」
セレナ「それはね・・・・」
澁田(通信)「やっと繋がった・・・響君、澁田だ。これはどういうことなんだ!?」
響「澁田さん!?」
澁田(通信)「堀木の仕業だか知らんが、響君の観測が不能になって・・イチロク周辺でロスト体が出たと美子君から聞いた。」
響「すいません・・・カルマノイズが国民をロスト体にしているところを目撃して・・その対処に当たってました。」
澁田(通信)「なんだと!?そのことは後できっちり話そう。今は君たちの援軍と思われるセレナ君と共に、大庭葉蔵の暴走の鎮圧にあたれ。」
響「わかりました!!セレナちゃん!」
セレナ「えぇ・・話は澁田さんや翼さんから聞いてます。一緒に葉蔵さんを止めましょう!!」

79以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/21(金) 22:58:29 ID:9HYTEp7o
葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」
響・セレナ「ハァァァァ〜〜!!」
響とセレナは暴走する葉蔵を止めるために戦う


堀木正雄「良いぞ・・・その調子だ・・・」
地下通路では、堀木正雄が葉蔵達の様子をうかがっていた

響「ハァァァァ〜〜!!」 セレナ「やぁぁぁ〜〜!!」
葉蔵(アプリカント)「グゥゥゥ〜〜・・・・」
二人の攻撃を受け、ようやくおとなしくなり、元の姿に戻り始める葉蔵

響「良かった・・・元の姿に戻り始めてる。」
セレナ「これが、葉蔵さんの力・・・・」
響「そうだ!!真利愛さん、あの後メロスで一体・・・」

真利愛「セレナ・・・あなたセレナなの?」駆け寄る
セレナ「えっ、マリア姉さん!?」
真利愛「セレナ!!10年以上も一体どこに行ってたの!?心配したんだよ、私!!」
セレナ「じゅ・・十年以上って・・私・・・・あなたの事をよく知らないわ、和泉真莉愛さん・・・」
真利愛「えっ・・・・・・?」
一体なにが起こっていることを理解出来ない真利愛


数時間後 澁田機関では
澁田「君がついておきながら、この騒ぎとは・・・」
厚木(通信)「失態です。まさか、彼女達が倒しているというカルマノイズと呼ばれる怪物が、イチロク周辺のロスト現象に加担していたと知らずに・・・」
澁田「イチロク周辺の事は他の回収班も出している。すぐに対処するように!」
厚木(通信)「わかっています。ただこれで、大庭葉蔵と真利愛は堀木に協力する事はありません。また美子の言葉を借りれば、大庭は進化してると・・」
澁田「断定不能だ。美子と大庭葉蔵のサンプルを比較したが、19種類のアミノ酸が全てL型以外、全く別物だった・・・」

80以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/21(金) 23:34:02 ID:9HYTEp7o
厚木(通信)「美子の感覚能力だけが頼りですか・・・」
澁田「ますます彼女に背負わせることになるとは・・これまで彼女にしてきたことに比べればなぁ・・・」
澁田「実験の連続だった・・・過酷な運命だが、誰にも肩代わりできない。それは大庭葉蔵や真利愛・・いや或いはシンフォギア装者や国民全員がそうなのだ・・・」

半壊したメロス周辺
美子と翼とクリスを乗せた車がメロスの近くにつく
美子「葉蔵さん!!」 翼「立花、真利愛!!」
真利愛「・・・・・・」 葉蔵「うぅぅ・・・・」泣いてる
響、セレナ「・・・・・・」
クリス「お前ら、ここで一体なにがあったんだ!?」
響「それは・・・・・」
響が今まで起きたことを全て話した

翼「まさか、堀木正雄がS.H.E.L.L.の創設メンバーだったとは・・」
クリス「それに和泉製薬・・・この世界のシンフォギアはあそこから・・・」
美子「すみません。隠すつもりは無かったのですが・・・」

葉蔵「ヒラメには行かない・・・俺が望まぬ未来を引き寄せると正雄から言われた。崩壊のビジョンとか言う・・・俺の悪夢と同じモノを見せられた・・・」
美子「崩壊のビジョン・・・・」
響「マダムさんが死んだんです・・・私は、マダムさんを守れなかった・・・」
葉蔵「響のせいじゃない・・・俺がもっと早くあの花に気づいていれば・・・あいつの言うとおり、この悲劇全てが俺のせいかもしれない・・・」
真利愛「知らないわ・・・やっと会えた妹のセレナは、別世界から来た別人だし・・マダムや恒子は死んだ・・・もう何が何だかわかんないよ!!」

美子「彼女達や隠し事をした事・・本当にごめんなさい!!我々のフォロー不足が招いたことです・・・」
美子「お願いです!!もう一度、私にチャンスをください!!!」 響「美子さん・・・・・・・・」

81以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 08:28:57 ID:21RoI03s
第7話 第2の手記:美子と葉蔵

港区 古い電波塔の上
美子「この古い電波塔を使って、初期のS.H.E.L.L.開発が始まったんです。私も何度かここに連れてこられました。」
美子の案内で電波塔に集まる葉蔵と装者達

葉蔵「何をするんだ?」
美子「葉蔵さんや皆さんに見て欲しいんです。堀木正雄とは別のビジョンを・・・」
翼「別のビジョン・・・」
美子「出もその前に、私の事を教えます。」 響「美子さんの事?」
美子「以前、私がなぜ一生懸命なのかを聞きましたね葉蔵さん?それを今から話します。」

美子「数年前、私は一度死にました。私を殺したのは・・・父でした。」
葉蔵「!!!!??」
翼「なんと!?」響「おとう・・・さん・・・」
セレナ「なんで美子さんのお父さんがそんな事を!?」
美子「わかりません・・・あるとき突然、父が今なら死ねる気がすると言い出したことだけは、覚えているのだけなので・・・」

美子「ロスト現象の中で消えていく父の心が見えました。それで・・・必死につなぎ止めようとして、父は人として、この世を去ることが出来ました。」
クリス「人として、父親を眠らせてあげたのか?」
美子「えぇ、それが第2のアプリカントとして私の力でした。」
美子「それからヒラメに保護され、ずっと・・消えていく人々の心を見守ってきました。」
真利愛「消えていく人々の心・・・・」 葉蔵「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・」

セレナ(LOST)「おねぇ・・ちゃん・・・助けて・・・」

真利愛「ぐぅ!?あぁぁ〜〜〜!!」
葉蔵「ぐあぁぁぁ〜〜〜!!」
頭を抱えて膝をつく2人

82以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 09:06:28 ID:21RoI03s
セレナ「どうしたんですか、葉蔵さん・真利愛さん!!」
真利愛「私は・・・助けられなかったんだ。セレナを・・・」
葉蔵「フフ・・・やはり真利愛もそうだったか・・」

葉蔵「今俺も思い出した・・ハハハ・・・なんだこれ・・・やはりずっと忘れてた・・・フフフフフ・・・」
葉蔵「昔、父さんに・・・フフ・・笑えと言われたぁ〜・・ハハハハ!」
葉蔵「でも、旨く笑えなくてそしたら・・・目の前で、父さんが変わっていったぁ・・・」
葉蔵「家族みんな・・あの〜〜、父さんだったモノに喰われたぁ〜〜!!」
翼「まさか、そんな理由で・・・」
葉蔵「あぁ・・・笑いたかったのに・・笑えなくて・・・・・・クソ~~~!!」

葉蔵「化け物になった父さんを、この手で!!殺した!!殺した!!」
美子「葉蔵さんは、その罪に・・自分を閉じ込めているんです!!」
葉蔵「俺が殺したんだぁ〜〜〜〜!!」
響「やめて葉蔵さん!!その事は、私もはっきりわかります!!」
美子「響さん・・・まさかあなたの父も・・・」

響「私・・・美子さんや葉蔵さんみたいじゃないですが・・私も、優しかったお父さんの心が壊れて死んでいった事を私は知っている・・・」
響「私、大きな事故を生き延びて、頑張ったのに・・父さんはいて欲しかったときに一度いなくなったんです・・」
響「変ですよね?美子さんや葉蔵さんのお父さんと違って、まだ生きている・・貴方たちに比べたら、まだ私の方がマシなぐらいです・・・」
翼「立花・・お前・・・」
響「でも・・・それでも私が大庭葉蔵さんみたいに自堕落にならなかったのは、隣に友達の未来がいて・・・しばらくして、翼さんやマリアさんなどの仲間と出会って・・みんながいてくれたから、今の私がいるんです。」
美子「響さん・・・」
響「葉蔵さん、貴方はお父さんを殺した事に責任を感じてる・・・だとしても!!その罪を乗り越えて進むしかないんです!!それは真利愛さんも同じ事です!!」
真利愛「立花・・・・」

美子「響さんの言うとおりです!!信じるんです・・・未来を・・・」
葉蔵「・・・未来・・・・」
真利愛「未来を信じろって言っても・・・」

83以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/22(土) 12:45:39 ID:21RoI03s
すると、美子が写した文明曲線に青いホログラムの絵が写りだして・・・

葉蔵「空が・・・青い?」
美子「文明再生のビジョンです・・今の私は、このために生きています。」
葉蔵「・・・・この青い空が、俺たちの・・・未来・・・」
葉蔵が小さいホログラムの絵に触れると、文明曲線が全て青く染まり・・・

美子・葉蔵「!!!」 響達「!!!」
皆が見たのは、皆が笑顔で暮らし・空が青い文明が再生された世界だった

響「これが、美子さんが望む再生のビジョン!!」
美子「響さん・葉蔵さん、あなたはやはり・・」

堀木正雄「思ったより元気そうじゃ無いか?装者全員揃ってね。」
響と葉蔵達「!!!??」

ビジョンが消え、変異ロスト体を4体を引き連れた堀木正雄がたっていた
クリス「あんたが崩壊曲線の親玉、堀木正雄って男だな?」
堀木正雄「そうだ。大庭葉蔵をもう一度誘いに来た。装者には関係ない事だ。」
響「あなたはどうして世界を崩壊させようとするの?何を理由にS.H.E.L.L.を破壊しようとするの?」
堀木正雄「理由か・・俺は国民全員をロストさせ、S.H.E.L.L.を潰す。そして保存遺伝子を使い、新しい人類を生み出す。」
翼「保存遺伝子・・・貴様、自分の都合の悪い人間を排除し、お前が世界の支配者になるつもりか!!」
堀木正雄「支配するつもりは無い。俺はこの悪と堕落に染まった人類を消し去り、そこから正しき人類に入れ替えることこそ、人の世を取り戻す手段はないと悟ってる。」
美子「新しい命が生まれる前に、この文明ごと滅ぶだけです!!」
響「そうだよ!堀木さん、S.H.E.L.L.を壊すことはやめてください!!S.H.E.L.L.や美子さんと、もう一度手を取りあえば、合格者達も理解してくれて、世界を再生できるんです!!」
美子「響さん・・・・」

堀木正雄「フ・・手を取りあうなどと、それは断じて出来ぬ相談だな。立花響。」
堀木正雄「そこにいる柊美子は、老人達に利用されるだけのモルモットに過ぎん。彼女が信じている未来など妄想だ。」
堀木正雄「考えて見ろ?S.H.E.L.L.はアプリカントを人間と認識できていない。なのにどうして彼女は、文明曲線が自分の希望と言い切れるのかを?」

84以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/23(日) 21:53:46 ID:bNGvtyzQ
響「だとしても!あの再生された文明の世界は葉蔵さんと美子さん、そして真利愛さんが手を取り合えばこそ、実現出来ると私は信じる!!」
美子「響さん・・・」

堀木正雄「そう言うか・・・なら逆に君たちの世界はどうなんだ?聞いた話じゃ、ナノマシンによる治療も無い、医療も経済も我々の世界より劣っているじゃ無いのか?」
響達「!!!??」
堀木正雄「俺のアプリカントの力で聞き出した情報だ。君たちの世界もまた、強欲な老人共の権力や力で好き勝手されていると聞いている。自分たちの世界の問題も解決出来ないのに、この世界を救いたいなど・・・」
響「それは・・・・」
真利愛「堀木正雄!貴方に言われる筋合いは無い!!彼女達はそれでも私たちの世界を救おうとしているから!!」
堀木正雄「ほぉ?」

葉蔵「そうだ。俺は美子を・・・彼女達が信じる「繋がる未来」を信じる。」
美子「葉蔵さん・・・」 響「葉蔵さん・・」
堀木正雄「そうか・・・なら・・・」
堀木は持ってた銃を葉蔵に向けて発砲する    パンパンパン!!

真利愛「葉蔵!!」
真利愛が頭に向けて撃った銃弾を代わりに受ける
葉蔵「真利愛!?」 美子「真利愛さん!!」

堀木正雄「俺の邪魔をするか、和泉真莉愛・・・いや、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。」
真利愛「!?。」 翼「今・・マリアって・・・」
堀木正雄「和泉真莉愛という名はこの世界の調君を通して、作ったGRMP起動の際の偽造IDだ。」
堀木正雄「彼女のGRMPは和泉製薬独自の物でね。フォニックゲインだったか?それも無理矢理引き出すためのナノマシンが和泉製薬製のGRMPだ。彼女がその実験体だ・・」
真利愛「実験体って・・・・」
堀木正雄「あの企業は実験のためなら、なんだってするマッドサイエンティスト集団だ。シンフォギアだろうとGRMPだろうと技術を手に入れれば、それを兵器利用にする連中だ。」
堀木正雄「S.H.E.L.L.の老人達も技術は認めていたが、和泉製薬の事故の時に老人達の海外不信と流失阻止から、和泉製薬に関わる物全てを廃棄させた。おかげで、真利愛のGRMPはS.H.E.L.L.がコールしても起動できない粗悪品となった。まぁ、ヒューマンロストを起こさない限りはね・・・」
真利愛「だから・・・私がロスト現象を起こしたときに、私のアガートラームが起動できたのね・・・」

85以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/23(日) 22:42:26 ID:bNGvtyzQ
堀木正雄「そうだ。それが第4のアプリカントであるマリア、お前の力の正体だ。粗悪だった和泉製のGRMPがお前と共に進化し、他の人間のGRMPを吸っては人の姿へ再構築させる非道な力を手に入れたのだ、マリアは。」
響「人の姿を取り戻せる真利愛さんの力を知ってて、なんで真利愛さんの力を否定するのですか?」
堀木正雄「言わなかったか?ロスト体こそ、今この世界の真の人間の姿だと?俺はS.H.E.L.L.の前にロスト体を兵器に利用する奴らが許せなかったから、和泉製薬を最初に潰した・・・」
堀木正雄「全く・・・マリアといい、セレナという少女も、その人間性にはウンザリだった・・・」
真利愛「あなた・・・私のセレナを知ってたというの!?」 堀木正雄「そうだ。」

堀木正雄「俺がS.H.E.L.L.を破壊する最初の行動は、和泉製薬の破壊だった。あの企業は俺も関わってた時期もあり、あの企業には先に消えて欲しかったんだ。」
堀木正雄「俺は和泉の研究員に変装し、奴らの技術を盗もうとしたところ・・セレナに偶然会ってしまったのだ。」
堀木正雄「彼女がアプリカントに似た能力を持っていたのか、俺が普通ではない事を感じ、通報しようとした所、当時未完成だった初期のアンチGRMP薬を彼女に投与させた結果・・・」

昭和93年 和泉製薬 実験室
セレナ(LOST)「あぁぁ〜〜!?いだぃぃ・・クルシイ・・・」
突然なことに慌てる和泉製薬の研究員達

真利愛(過去)「セレナ!?セレナぁ〜〜〜〜!!」
セレナ(LOST)「オねえ・・ちゃん・・・・助けて・・・」
真利愛(過去)「セレナ・・・・」

了子「マリア、離れていなさい!!」 真利愛(過去)「でも、セレナが!!」
研究員「局長、GRMPが以上波形を・・・・」

セレナ(LOST)「あぁぁ・・アァァァ〜〜〜〜〜!!」
セレナ(LOST)の叫び声と共にヒューマンロスト現象が起こり、あたりはその巻添えを喰らった

爆発の後・・・
真利愛(過去)「うぅぅ・・・・セレナ?セレナは!?」
ドスン!!
真利愛(過去)「!?・・・・セレナ?」

86以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/23(日) 23:14:23 ID:bNGvtyzQ
巨大ロスト体「グぎゅおぉぉぉぉ〜〜〜〜!!」
そこに立っていたのは、この世の物とは思えない巨大で異形なロスト体になったセレナ(LOST)だった

Gatrandis babel ziggurat edenal〜・・
絶唱と思われる爆発に飲まれる和泉製薬の研究施設


場面は現在に戻り・・・
真利愛「!!??」
堀木正雄「あの場所でロスト現象が起こり、施設内はパニックになり、そして大きな爆発と共に和泉製薬の研究施設は世界からロストした。旧日本政府の政治屋共々各首脳を巻添えにしてな。」
美子「まさか・・・・和泉製薬の悲劇に堀木正雄が関わっていたなんて・・・」
翼「堀木正雄・・・お前はなんてことを!!」

真利愛「つまりセレナは・・・・セレナがあの化け物になったのは正雄さんなの?」
堀木正雄「あぁ。他に誰かが殺った証拠でもあるのか?」
真利愛「あんたが・・・あんたがセレナを殺したのか〜〜〜!!!」
恐ろしい顔をして堀木に駆け寄る真利愛

変異ロスト体「グゥゥゥゥ〜〜〜!!」棘を出す
真利愛「〜〜〜〜!?」
変異ロスト体の棘が真利愛の頭を突き刺して、真利愛は跳ばされる

真利愛「・・・・・・」眼が赤くなる
葉蔵「真利愛・・・・」グサっ!!
葉蔵もまた、同じく棘に頭と胸に刺さり、眼を赤くさせた

堀木正雄「冥府より戻りしオルフェウス。オルフェウスは2人もいらないんだよ・・・」
堀木の号令と共に変異ロスト体の4体が美子と響達を襲い始めた

87以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/24(月) 22:56:11 ID:SOeq9mJ2
響「うわぁ!?」 クリス「あたしらは殺しても構わないって事か!!」

葉蔵「・・・・・」 真利愛「・・・・・」
その間にも、葉蔵と真利愛はロスト現象によって、赤い炎と白い渦を発生させる

美子「くぅ・・・」ドローンからデバイスソードを取り出す
その間にも腕が鋏の変異ロスト体が美子に襲いかかってくる
翼「柊、それを貸せ!!」 美子「はい!!」
翼にデバイスソードを投げ渡す美子

翼「ハァァァァ〜〜!!」後ろをとって、デバイスソードを変異ロスト体に刺し込む
変異ロスト体(鋏)「ぐぅ!?ぐあぁぁぁ〜〜〜!?」刺され、薬液を注入される
翼「よし!これでロスト体は・・・」
変異ロスト体(鋏)「・・・がぁぁ〜〜!!ぐうぅぅ〜〜!!」もがきながらも、まだ動く
翼「なんだと!?」
美子「そんな、薬液は注入したはずなのに!?」
堀木正雄「言ってなかったな。変異したロスト体を作り出したのは、俺のアンチGRMP薬だけではない事を・・・」

堀木正雄の後ろにカルマノイズが現れた
美子「あの黒い個体は・・・」 翼「カルマノイズ!?」
堀木正雄「カルマノイズ・・・それがハデスのザクロの真の名か・・・」
響「堀木さん・・・なんでカルマノイズと一緒に・・・」
堀木正雄「知りたいか?ならば教えてやろう。それは君たちがやってくる数日前・・・政府寄宿舎爆破事件のことだった。」

数日前 堀木正雄の前に2体のカルマノイズが現れた
堀木正雄「暴徒のロスト現象を見届ける際、俺の前に突然2体のそれは現れた。」
堀木正雄「その内の一体が俺のネットワークの中に勝手に入り込んだのが始まりだ。」
堀木正雄「その際に俺の力が高まった事を感じ、近くにいたロスト体の腕がショベルカーのように変化したのを目撃した。」
堀木正雄「俺は理解した。偶然であるが、この黒い個体は文明をいち早く崩壊させるために、冥府の神が授けてくれた贈り物なのだと・・。」

88以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/25(火) 21:51:16 ID:FJ0B6p0E
クリス「マジかよ・・・堀木正雄の文明崩壊にカルマノイズが手を貸したってことかよ!!」
堀木正雄「今、俺の中にはカルマノイズの一体が宿っている・・それが発する呪いも、この通りコントロールしているからな。」
響「カルマノイズをコントロールって・・・」

変異ロスト体(網縄)「グゥゥゥゥ〜〜〜!!」触手を伸ばす
美子達「きゃあ!?」捕まる
堀木正雄「そのおかげで俺の力は日々強くなって、このような変異体のロスト体を生み出せるようになった。」

ガゴーン!!
葉蔵(アプリカント)「ウォォォォ〜〜〜!!」 変異ロスト体(網縄)「!?」
葉蔵(アプリカント)が変異ロスト体(網縄)を捕まえて、空中で引き裂いた

変異ロスト体(棘)「グゥゥゥ〜〜!!」 変異ロスト体(鎌)「グゥゥゥゥ〜〜〜!!」
今度は2体の変異ロスト体が襲いかかってくるも・・・
真利愛(暴走)「グガァァァ〜〜〜〜!!」
2体の変異ロスト体を攻撃をかわし、2体の武器を同士討ちのようにして攻撃し、真利愛の武器でトドメを刺す

響「真利愛さん!!つぅ・・Balwisyall nescell gungnir tron・・」シンフォギアを纏う
翼「Imyuteus amenohabakiri tron・・」シンフォギアを纏う
クリスやセレナもシンフォギアを纏い始める

変異ロスト体(鋏)「がぁぁ〜〜!!」襲おうとする
葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」上から押しつぶして、変異ロスト体を引き裂く

堀木正雄「・・・・・・」めがねを拭いている
葉蔵(アプリカント)「グォォォォーーーー!!」右から攻める
真利愛(暴走)「ガァァーーー!!」左から攻める
堀木正雄「・・・・・!!」
両手を掲げ、挟み撃ちをしようとする真利愛と葉蔵を止めた

89以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/25(火) 22:26:05 ID:FJ0B6p0E
堀木正雄「葉蔵・・・お前の心臓を渡せ。」
葉蔵(アプリカント)「!!!??」止まる
真利愛(暴走)「!!!!??」止まる
堀木に命令された葉蔵(アプリカント)は命令に従うように、自身の心臓をえぐり出す

美子「あぁ!?」
響「なんで・・・葉蔵さんが堀木さんの指示を・・・」
堀木正雄「忘れたのか?ロスト体を操ることが俺の力だ。」
翼「だからか。ロスト体がお前を襲わなかったのはそういうことか!!」

葉蔵(アプリカント)「ぐぁぁぁぁ〜〜〜!!」心臓を取り出す
堀木正雄「俺が必要としてたのは・・・これだ。」
ケースを取り出し、葉蔵の心臓を入れる

堀木正雄「良いぞ葉蔵。あとはあの女どもを引き裂け!あのロスト体共々のようにな。」
堀木正雄「そして真利愛、お前はカルマノイズと一緒にシンフォギア装者を亡き者にしろ。せめてその力を俺のために役立てろ。」
真利愛(暴走)「がぅぅぅ・・・」 葉蔵(アプリカント)「ぐぅぅぅ・・・・・」

葉蔵と真利愛が美子と響きの前に近づこうとする。
響「葉蔵さん、真利愛さん・・・」
セレナ「やめて真利愛さん!!」攻撃する
葉蔵(アプリカント)「・・・グゥゥン!!」 セレナ「きゃあぁぁ〜〜!?」
セレナを電波塔に投げ飛ばす 

セレナ「ガフゥゥ・・・」 響「セレナちゃん!?」
葉蔵(アプリカント)「ウゥゥゥ・・・・ウゥ!?ウゥゥゥ〜〜〜〜」
真利愛(暴走)「あぅ!?あぁぁぁぁ〜〜〜!!」
突然、二人が頭を抱えて抵抗する素振りを見せる

90以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/25(火) 22:47:37 ID:FJ0B6p0E
堀木正雄「ほぉ・・抵抗するな葉蔵。お前は俺のオルフェウスだ!その女共を殺せ。」
響「葉蔵さんや真利愛さんは貴方の道具なんかじゃ無い!!」
美子「葉蔵さん!真利愛さん!!その人の言葉を聞かないで!!」
堀木正雄「邪魔をするな!モルモット共が!!」

クリス「・・・!?おい、上がお留守みたいだぞ、堀木!!」
堀木正雄「なに?」上を見上げる

厚木「堀木ぃぃぃ〜〜〜!!」ヘリから飛び降りる
堀木正雄「!?」銃を撃つ
厚木「ふん!!」攻撃をかわし、堀木の手を切る
堀木正雄「くぅぅ・・・」ケースを落とし、倒れる
厚木「逃げられないぞ!!」
堀木正雄「老けたなぁ・・・良いのか?お前のお姫様と仲間が引き裂かれるぞ・・・」
翼が真利愛(暴走)を、響が葉蔵(アプリカント)を押さえ込んでる

クリス「先輩!!」かけ寄ろうとするが・・
カルマノイズ「ーーーーーー」クリスの行く手を阻む
クリス「邪魔だぁ〜〜〜!!」BILLION MAIDEN
カルマノイズ「ーーーーーー」再生させながら突っ込んでくる

厚木「美子!みんな・・・がぁぁ!?」撃たれる
堀木正雄「つぅ!!」隙を突いて、厚木を踏みつける

91以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/25(火) 23:16:17 ID:FJ0B6p0E
堀木正雄「飼い主に伝えろ。時が来たと・・・」
そう言い、その場を去る堀木正雄

クリス「待て、堀木!!」
カルマノイズ「ーーーーー」邪魔をする
セレナ「うぅぅ・・は、クリスさん!!」XANA†TEARS
カルマノイズ「ーーーーー!?」動きが止まり・・・
クリス「こんやろ〜〜〜!!」ARTHEMIS SPIRAL
カルマノイズ「ーーーーー!!!」
ARTHEMIS SPIRALをまともに食らい、消滅する

真利愛(暴走)「がぅぅぅ〜〜〜!!」
翼「真利愛!!いい加減、目を覚ますんだ!!」短剣を取り出し・・
翼の技、影縫いで真利愛(暴走)の動きを止め、千ノ落涙で四股の動きも封じる
真利愛(暴走)「がぁ!?がぁぁぁぁ!!」もがく
翼「そこでおとなしくしてるんだ、真利愛!」

響「葉蔵さん・・・あなたはこんなことを望んでなんか無いはず・・・」
葉蔵(アプリカント)「グゥゥ〜〜!!」 響「きゃあ!?」
響は、葉蔵(アプリカント)に押し倒され、引き裂かれそうになる

葉蔵(アプリカント)「ウゥゥゥ〜〜〜〜!!」響を引き裂こうとする
響「ぐぅぅ・・・葉蔵・・さん・・・」抵抗する
美子「葉蔵さんダメェェ〜〜〜!!」
美子は瞳を赤くし、そのまま葉蔵(アプリカント)に抱きつく

葉蔵(アプリカント)「うぅ!?うぅぅ・・・」
動きが静まっていき、元の葉蔵の姿に戻っていく

92以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 10:04:34 ID:UfT5zv6E
葉蔵「・・・・・」倒れる
美子「はぁ・・・・」葉蔵を抱きしめる
響「葉蔵さん・・美子さん・・・」 翼「柊・・大庭・・・・!?。」
真利愛(暴走)「よう・・・ぞう・・・」
真利愛も元の姿に戻り、一同は苦ながらも静まりかえったのだった


地下 堀木正雄のアジト
堀木正雄「ようやく完成したよ、静子。俺の数十年の試行錯誤が、大庭葉蔵のおかげであっという間だった・・人生ってそんなものか、正直嫉妬したよ・・・」
静子と呼ばれるロスト体「・・・・・・・」
堀木正雄「クハハ・・・見てくれよ。傷口が再生しない・・・ゴホッゴホッ・・」
堀木の手には吐血のあとが・・

堀木正雄「アプリカントにも、限界寿命はあるらしい・・・おかげでこの無様な方法しか残らなかった・・・」
堀木正雄「地獄に落ちる覚悟は・・・いや、これ以上の地獄はないか・・・」
近くにあった紫の薬液の注射器を持ち、静子と呼ぶロスト体に投与する

静子と呼ばれるロスト体「オォ・・・オォォォォーーーー!!」
ロスト体は叫び声と共に動かなくなる
堀木正雄「ゆっくり眠れ・・静子・・・・」

?「奥さんとの別れは済んだのかしら?」
堀木正雄「!?。誰だ!!」
?「ゴメンゴメン!私よ。」
暗闇からヴァネッサが現れた

堀木正雄「・・・お前か、驚かすな。」
ヴァネッサ「無理はないわ・・合格者お墨付きの最後の看護師の私がテロリストである貴方に会っているなんて、これほどのスキャンダルは無いわ。」
堀木正雄「S.H.E.L.L.の職員にも俺と同じ考えを持つ者がいたとはな・・いや、以前のお前でもそうだったな?元和泉製薬の研究員よ・・・」
ヴァネッサ「そのこと、ワザと言ってるの?」

93以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 10:53:06 ID:UfT5zv6E
堀木正雄「そうだ。和泉の関係者は出世や保身のために他者を踏みつけ、上に媚びするゴキブリ以下の連中だ。にも関わらず、なぜ俺に手を貸そうとするのか?」
ヴァネッサ「そうね・・・あの人間の皮を被った化け物に嫌気がさしたって事で良いかしら?」
堀木正雄「人間を被った化け物かぁ・・・S.H.E.L.L.の老人達に例えるならそう言えるな。」

ヴァネッサ「私の作ったデバイス式GRMPマスクには、ある程度の周波数を持つ人と接触するとヒューマン・ネットワークからロストしたみたいになり、第2のアプリカントでも無い限り、発見が難しくなる。」
堀木正雄「そうか・・俺のネットワークからなら、彼女達の動きもわかるのはそういうことか・・・」
ヴァネッサ「それよりも・・例のアレは出来たなら、協力した報酬は払って貰うわ!」
堀木正雄「「エルザ」と「ミラアルク」を終わらせてあげるという約束だったか・・そうだな。」
堀木は同じ紫の薬をヴァネッサに渡す

堀木正雄「君はこれからどうするんだ?君のデバイス式GRMPマスクで奴らの追跡を攪乱はしているようだが・・S.H.E.L.L.の老人達は、既に君の裏切りに気づいているはずだ・・」
ヴァネッサ「その時は、私も本当の自分を取り戻して奴らに一矢報うわ!」
ヴァネッサ「私は、S.H.E.L.L.に人間としての全てを奪われた・・今の世界の姿が人間なら・・私は化け物でも構わないわ!!」
堀木正雄「ふん・・・お前も、覚悟は出来てるみたいだな・・・」
ヴァネッサ「当然よ。」

堀木正雄「ならば・・・ヴァネッサ、君にもう一つ頼みたい事がある・・・」
堀木はヴァネッサに黒い薬品を渡す
堀木正雄「お前の口から、真利愛と装者達にS.H.E.L.L.の真実を伝えろ。その後にこれを飲んで、エルザ達の元へ行くが良い。」
ヴァネッサ「良いわ・・・これで、私も終わらせることが出来るなら・・・」薬品を受け取る

94以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 21:48:27 ID:UfT5zv6E
第8話 第3の手記:エリア13

電波塔襲撃から一ヶ月・・・合格式まであと2日

響達の世界 S.O.N.G. 発令所にて
弦十朗「それで、あちらの状況は悪いままか?」
クリス「あぁ・・・葉蔵の心臓は再生したのは良いが、目を覚ます傾向が未だに無いんだ・・」
エルフナイン「こちらも、調さんや切歌さんはある程度回復しましたが・・マリアさんだけは未だに衰弱しつつありまして・・・」
クリス「だろうな・・・和泉真莉愛の身体はなんともないが、精神の方が荒れていてな・・堀木の奴に向こうのセレナが殺されていて、葉蔵やあたしらを傷つけた事への怒りと憎しみに捕らわれてるというか・・」
弦十朗「ともあれ、マリア君の精神的リンクが厄介だ。どうにか真利愛君の心を鎮める事が出来れば良いのだが・・・」
クリス「この件に対しては、あのバカでも難しいと思ってる・・・向こうの後輩達の力を借りることが出来れば・・・」
弦十朗「あぁ・・・彼女達も平行世界ながら、マリアとの繋がりはある。彼女達が目覚め、協力が得られれば・・堀木正雄を捕らえることも少しは可能となるだろう・・」

エルフナイン「それに向こうの世界では、あと2日で日本国主催の人間合格式が始まると聞いてますが・・・」
弦十朗「合格式かぁ・・・元より、人間は不完全な生き物だ。間違いや過ちも起こす事もある・・それを合格とか失格とかで決めようとするなどと・・・」
クリス「あぁ・・・よほど向こうの感覚が狂ってる事は間違いないな!堀木が1から人間をやり直したい気持ちは少しわかると思うが・・」
エルフナイン「堀木正雄は、大庭葉蔵さんを自身のオルフェウスと言ってましたけど・・」
弦十朗「オルフェウス・・・ギリシャ神話では自身の妻を取り返すために生きながら冥界に行ったと言う琴座のモチーフとなった人物だ。」
エルフナイン「一度死に、何かをした後に蘇る・・大庭葉蔵とオルフェウスはまさにその人と一致しています・・」
クリス「それに堀木は葉蔵の心臓を持って行ったきり、なんも動きを見せていないんだ・・」
弦十朗「堀木正雄・・・一体なにを企み、向こうの世界をどう崩壊させる気なのか・・・」

HUMANLOSTの世界 S.H.E.L.L. ミーティングルーム
美子「本当に申し訳ありません・・・私が皆さんをあの場所に連れて行かなければ・・・」
真利愛「別に良いわ・・・悪いのは、そこにつけ込んだ堀木正雄と、私が無力だったせいよ。」
厚木「いや、美子と君たちはまんまと堀木をおびきだせた。焦ってしくじった俺にも責任がある・・」

95以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 22:33:19 ID:UfT5zv6E
翼「それに我々の対応不足もある・・・美子の直感は正しかったと言える・・」
美子「はい。全てが青空に包まれて・・・」
厚木「あの一瞬、第3曲線が再生曲線と融合した・・第4曲線も徐々に再生曲線と融合しつつあるが・・・」
真利愛「・・・・・・」拳を握り続けてる
響「(真利愛さん・・・あの時の事に怒りと憎しみを・・・・?)」

厚木「その事もあり、あの所長ですら合格者達に直談判する気になった・・問題は・・・」
真利愛「堀木正雄・・・あいつは今どこに隠れているんだ!!あいつは・・」
美子「真利愛さん、焦る気持ちはわかりますが・・・おそらくS.H.E.L.L.を直接破壊しに来る事は間違いありません。合格式の式典に合わせて・・」
厚木「厳戒態勢とはいえ、相手が奴である限り・・安心はできん・・真利愛は?」
真利愛「見つけ次第、私が堀木を叩きつぶす!!今度はあんなへまは取らないわ。」
翼「そうか・・・だが、焦りと単独行動は禁物だ!今一度、我々と連携して堀木正雄を・・・」

ヴァネッサ「美子さん、皆様方!!」走ってくる
美子「ヴァネッサさん、一体なにが?」
ヴァネッサ「今さっき、竹一さんと調さんと切歌さんの意識が戻ったんです!!」
真利愛「えぇ!?竹一や調がぁ!?」
響「良かったぁ〜〜!!3人とも無事で・・・」
ヴァネッサ「ですが・・私たちが大庭葉蔵さんを攫ったと言って、S.H.E.L.L.内部で暴れているんです!!」
真利愛「竹一達が・・・あいつららしいわね・・・」
響「止めないと!!あの人達を説得できれば・・・」
厚木「あぁ!それなら、あいつらの所へ行くぞ!!」
厚木と共に竹一達の所へ向かう響達

ヴァネッサ「翼さん!!これを・・」手袋を渡す
翼「なんだこれは?」
ヴァネッサ「合格者への通行手形よ。今なら、合格者に会う事が出来るわ!」
翼「なに!?合格者に会えるのか!?」

クリス「おい先輩・・・」 翼「悪い!先に行っててくれ!!」

96以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/26(水) 23:17:00 ID:UfT5zv6E
翼「・・・なぜあなたがこれを私に・・・」
ヴァネッサ「実は・・・・・」


合格者との対談部屋

合格者1「大庭葉蔵が目覚めぬそうですなぁ・・・?」
澁田「は!澁田機関、総力をあげて覚醒を試みておる次第です・・」
合格者1「君はそう言い続けるばかりだな・・・元よりあの男を合格者とするのは難しかったのではないのか?」
澁田「・・・・・」
合格者1「合格式は明後日・・国民の健康と安全のために、事前の策が必要だ。」
澁田「事前の策・・・・しかし、今も柊美子を中心とし、大庭の自我にリンクする措置を進めております。」
澁田「その他、第4のアプリカントである和泉真莉愛もなんとしても堀木正雄を倒そうと、その怒りを力に変えていく傾向が見られています。」

澁田「文明曲線の再生の隆起は、間違いなく大庭や真利愛によるモノなのです!!」
合格者1「第3のアプリカントと第4のアプリカント誕生以来、我々が日に日に数を減らしている事にも関係しているのかもしれない・・」
澁田「そ、それは・・・今しばらく、調査のためのご猶予を賜りたく・・・」
合格者1「澁田君!」澁田「ははぁ!!」
合格者1「認識が甘いのではないか?我々をなんだと思っていますか?」
澁田「ははぁ〜〜〜!!」
合格者1「我々は、国民の幸福と健康を引き受ける健康基準合格者なのですよ!」
澁田「委細、招致しております・・・」

翼「その合格者達は、今の国民の現状を本当に理解しているのでしょうか?」
澁田「!?。翼さん、なぜここに!?ここは君がまだ来る所ではないぞ!!」
翼「あなた方はそうやって、そんな空飛ぶ個室とやらで本当に今の日本の今を思っていると断言できると言うのか?」
澁田「翼君、合格者の前だぞ!!少しは頭を下げんか!!」
合格者1「構いませんよ澁田君・・・君が、かの平行世界から来たシンフォギア装者の一人ですな?」

97以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/27(木) 22:21:54 ID:HEoYurqA
翼「あぁそうだ。見たところ、そこにいる老体がここの長だと言える。私はあなた方に用があって、ここに来た!」
澁田「翼君、何故こんな場所に・・・私みたいな人でなければ来られないはず・・・」
翼の手にはヴァネッサから貰った手袋をしてある。

合格者3「なるほど・・・看護師のヴァネッサの計らいか。それで、用件とは何かね?」
翼「その前に、前者で話した事の答えを聞きたい!」
合格者1「我々がこの国の現状を真に理解してるかだったな・・無論、全てとは行かないが・・国民の現状は把握している・・」
翼「なれば!何故それを改善しようとしない!!この国は環境破壊・富裕と貧困の格差で既に人間として歪んでいるのではないのか!?」
澁田「翼君、そのような暴言を・・・申し訳ありません!!この者にはあとでキッチリと・・・」
合格者1「澁田君、少し黙ってくれないか?」 澁田「は、ははぁ〜〜!!」

合格者2「翼殿、気持ちは分からなくもない・・・確かに我々のやってることはこの地球の自然を壊し、労働者を機械のように扱っておる。」
合格者3「その代わり、我々健康基準合格者が国民の健康と調和し、例外がない限り死ぬことが無くなった世を実現させたのですよ。」
翼「その話は柊から聞いている・・だがその結果、我々の世界とは比べようがないほどの歪みを生み、今や死ぬことを楽しむ者までいる始末・・・」
合格者4「そう・・そして、この世界の唯一の脅威・・ヒューマンロスト現象があり、世界は崩壊と再生の真っ只中だ・・・」
合格者2「それを引き起こす堀木正雄をなんとしてでも抑え、我々はこのヒューマンロスト現象を克服しなければならないのだよ・・・」
翼「しかして、あなた方はどこまで生きるつもりなんですか?本来、細胞というモノは古いモノは消え、新しいモノへと変わるモノ・・古いモノが居座り続ければ、細胞そのものが壊疽するものぞ!!」
合格者3「それがなんだという!何も知らん若い青二才に国民の幸福と健康を任せられると思っているのか!!」
合格者4「もとい今現在の国民は少数を除き、我々の行いを大いに指示している。」
翼「それはS.H.E.L.L.が脳内物質を操作し、そう思わせてるに他ならない!!」
合格者2「なんと!?あなたは堀木と同様、社会の歪みは我らとS.H.E.L.L.が招いたモノだと申すのか!!」
合格者3「我々は国民の不安や恐怖を請け負っていましてねぇ!!」
合格者達「ガヤガヤガやガヤガヤガヤ・・・・」

合格者1「皆さん、静かに!!!翼殿、お主が我々をこれ以上侮辱するとなれば・・君たちの協力を打ち切らせて貰うぞ!!」
澁田「!?。それだけはご勘弁を!!翼、早く謝りなさい!!」
翼「・・・・・・」
合格者1「沈黙も、答えの内か・・・・・」
合格者は上へ登り去ろうとする・・・

98以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/28(金) 21:09:15 ID:0rAkWFII
翼「我らの仲間を通しての事だが、堀木は大庭葉蔵があなた方の生け贄にされると聞いた。」
合格者1「!!」
翼「ヴァネッサからも聞いている。トランスプラントの献体とし、第3のアプリカントと融合して健康基準に上書きする話を・・・」
合格者1「・・・・・・・」
翼「あなた方はそうやって・・・長く生きるためだけに若い世代から奪いながら生きているのか・・・・・?」

合格者1が下に降りてきて、顔を見せる
合格者1「風鳴翼・・・自分の正義を貫こうとするその意思は認めよう・・・しかし・・」
合格者1「その正義感こそが、自分の生命線を切ることになる事も知っての事かな?」
翼「なんだと?そのこけ脅しなどに私が・・・・」

プスリ!!
翼「ウゥ!?」注射器に刺される
澁田「許せ、翼・・・」
翼「まさか、あなた・・・・」
薬を打たれ、倒れる翼

合格者1「どうやら・・裏切り者のヴァネッサが装者達を焚きつけたらしい・・・」
澁田「では、彼女達はもう・・・・」
合格者1「あぁ・・・心苦しいが、第4のアプリカント共々S.H.E.L.L.から切除しなければならんようじゃな・・・」


S.H.E.L.L. 廊下
看護員「いけません!!ここから先は関係者以外立ち入り禁止なんですよ!!」
竹一「うっせえ!!葉蔵はどこだ!あいつになんかしたら、ただじゃ置かねぇからな!!」
切歌(LOST)「葉蔵さん、今助けに行くデスよ!!」 調(LOST)「葉蔵さん!!」

99以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/28(金) 22:03:45 ID:0rAkWFII
真利愛「調、切歌!それに竹一!!」
竹一「真利愛!?良かった、お前無事だったのか!!」
調(LOST)「良かった・・真利愛が無事で・・・」
切歌(LOST)「真利愛、葉蔵がS.H.E.L.L.に捕まっているみたいなんデスよ!!真利愛も一緒に助けにいくデス!!」
竹一「S.H.E.L.L.の奴、俺たちを家畜にしてる処か親友の葉蔵を実験材料にするなんて・・・」
真利愛「落ち着きなさい!!葉蔵は・・・」
調(LOST)「真利愛・・・?」
竹一「おい・・葉蔵がどうしたって?おい、応えろよ!!」
真利愛「・・・・・・・・」


S.H.E.L.L. 集中治療カプセル室
そこでは葉蔵が昏睡状態でカプセルに入っており、美子が精神にリンクしている

竹一「おい・・その話は本当なのかよ・・・真利愛?」驚愕
真利愛「えぇ・・・貴方たちは、堀木によって死んで、ロスト体という怪物になって・・・私が生き返らせた・・」
切歌(LOST)「う・・嘘デスよ・・アタシらが化け物になって、真利愛を一度殺したって・・・」
調(LOST)「それで私たちを生き返らせるために、真利愛まで化け物になってまで私たちを・・・」
響「信じたくはないと思うけど・・・真利愛さんの言ってる事は本当の事なの・・・」
真利愛達が話した、竹一達の身に起こったことや今日までの話に驚愕を隠せない竹一達

竹一「ふ・・フハハハハハ、アッハハハハ!!!」
真利愛「竹一・・・?」
竹一「・・・・・クソォォ〜〜〜!!」地面を叩く
竹一「なんだよ・・・最初っから俺は、堀木やS.H.E.L.L.に道化をやらされていたのかよ・・・」
真利愛「竹一・・・」

葉蔵が入っているカプセルに近づき・・
竹一「なぁ・・聞こえているか葉蔵?俺・・・勝ったつもりが、初めっから負けていたんだよ・・・・はは、笑えるよなぁ?葉蔵も知らなかったからな・・・」
竹一「恒子やマダムもいなくなった・・・俺たち、これからどうすればいいんだよ・・・なぁ?」

100以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/28(金) 22:57:20 ID:0rAkWFII
葉蔵(昏睡)「・・・・・・・」
竹一「聞こえるわけないか・・・今まで一緒にいた俺がそう感じるからな・・」 真利愛「竹一・・・・」
響「別に、ロスト体のことは竹一さんだけの事ではありません・・・」
切歌(LOST)「そ、そうですよ!!葉蔵さんだって、堀木正雄に騙されて・・眠ってたあたし達より酷い目に会ったんデスよ!!」
調(LOST)「むしろ、私たちを元に戻してくれた真利愛に感謝したいぐらいだよ・・・」
真利愛「調ちゃん・・切歌ちゃん・・・」
竹一「・・・・・・・」

竹一「・・悪かった真利愛。俺には理解がおいつかねぇ・・・俺を一人にしてくれ・・・」
竹一は部屋からとぼとぼと去って行く

クリス「よほどショックだったんだな・・・マダムや自分のことが。」
真利愛「竹一・・・・」
切歌(LOST)「しかしなんでなんなんデスか!!竹一やあたし・調を化け物にして、あげくに葉蔵さんを利用してこの国を滅ぼすつもりだったなんて・・・」
調(LOST)「私たち、あんな人の策略にはまっていたなんて・・・」
真利愛「調や竹一は悪くないわ・・・悪いのは貴方の心の隙につけ込んだ堀木正雄よ!!」
響「真利愛さん・・・」

真利愛「調達だけじゃないわ・・・私の妹だったセレナを殺して、葉蔵をこんな目に合わせた血も涙もないあの第1のアプリカント・・・」
真利愛「今ここに居たら、ブっ殺してしてやりたいわ!!」
セレナ「殺すって。真利愛さん・・・」
切歌(LOST)「真利愛・・少し見ないうちに、アタシらより怖くなってきてるデス・・・」
調(LOST)「真利愛・・・・・」

澁田「厚木君、みんな!!」入ってくる
響「澁田さん!?」 厚木「所長、どうしたんですか?」
澁田「大変なんだ・・・・風鳴翼が攫われた!!」
クリス「な・・先輩が!?」 響「翼さんが・・・」
澁田「不覚を取った・・S.H.E.L.L.の内部に堀木の内通者が隠れていた・・・」
厚木「内通者!?誰ですかそいつは!!」

101以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/28(金) 23:31:26 ID:0rAkWFII
澁田「・・・・ヴァネッサだ。彼女はデバイス式GRMPマスクに記録される身体データを堀木正雄に横流しするよう細工していたんだ。」
響「そんな・・・ヴァネッサさんが・・」 真利愛「堀木・・・・!!」

クリス「それで、先輩はどこに?」
澁田「GRMPマスクについている追跡用GRMPによると、アウトサイドにある江東区:豊洲のあの場所で反応が消えてしまった・・」
厚木「あの場所・・・特殊警戒地区である「エリア13」の事ですか!?」
クリス「エリア13・・・なんだそこは?」
澁田「エリア13・・・即ち、旧和泉製薬研究所本部・・・和泉製薬の悲劇の爆心地だ。」
真利愛「!!!??」

澁田「あの場所は堀木正雄が最初に起こした大規模のヒューマンロスト現象が起きた場所・・あの場所にはヒラメでも対処しきれないロスト体が多く隔離されている。」
厚木「堀木が生み出した突然変異のロスト体をあそこで隔離し、どうにか変異体による被害は最小限に抑えられては居るが・・・」
クリス「つまりあそこは、ヒラメでも対応できないロスト体の不法投棄現場なのかよ・・・」
響「そんな場所に連れていかれたなんて・・・早く助けなきゃ!!」
真利愛「えぇ・・・あの場所に堀木正雄が潜んでいるかもしれない・・・」
厚木「あぁ、堀木はロスト体を操る力がある・・・潜伏するにはちょうど良い・・」

澁田「装者の皆さんには、厚木君と共にエリア13に第5出動を命じる。ヴァネッサや堀木の潜伏先に対し、こちらから総攻撃をかける!」
調(LOST)「その作戦、私たちも参加させてくれますか!?」 切歌(LOST)「アタシも行きたいですよ!!」
響「調ちゃん!?」 真利愛「調・・切歌・・・」
厚木「無茶だ!!君たちは目覚めたばかりで、それに・・・」
調(LOST)「確かめたいんです!真利愛が話した事が、本当だという証拠を掴むために!」
切歌(LOST)「アタシら、たとえ辛くてもそれを受け入れる覚悟は出来てるデスよ!!」
真利愛「貴方たち・・・・」

102以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 10:01:31 ID:Zw2AZN2c
澁田「わかった・・・君たちの所持品は返そう。すぐに準備をしたまえ!!」
調(LOST)「はい、キリちゃん!」 切歌(LOST)「ガッテンデース!!」
真利愛「美子さん、葉蔵を頼んだわよ。」
美子(通信)「はい。真利愛さんも気をつけて。」
真利愛達は葉蔵達を美子に任せて部屋を出る

葉蔵の精神:深層領域
その後、美子の精神が葉蔵の深層領域に達した。
美子「やはり葉蔵さんの心は、あの日に捕らわれたまま・・・」
美子は心臓のような塊に触れる
美子「受け入れてくれてる・・所長、あともう少しで葉蔵さんは・・・」
澁田(通信)「実は、そのことなんだが・・・・」


江東区豊洲 エリア13(旧和泉製薬研究所本部)
変異ロスト体達「グゥゥゥゥ〜〜〜!!!」「ヌゥゥゥ〜〜〜!!」
変異ロスト体達が壁を登ろうし、電撃で落ちていった

ヘリの中では
厚木「このように壁を作って、ロスト体の監視をしながら対応策を考えることが精一杯だった。」
クリス「こりゃあ・・骨が折れそうだな・・・」
切歌(LOST)「それがナンボデスか!!誰だろうが倒すまでデスよ!!」
響「ダメだよ!!真利愛さんに助けられたのは良いけど、切歌ちゃんや調ちゃんはもうGRMP起動が出来ないかもしれないんだよ!!」
切歌(LOST)「そ、そうなんですか!?」
調(LOST)「それは事実ね・・見て?私たちの身体にGRMPの反応は無いわ・・・」
調(LOST)のパソコンで切歌(LOST)のバイタルを検証していた

103以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 11:14:14 ID:Zw2AZN2c
真利愛「おそらく、私の力の影響ね・・貴方たちも・・私と同様、普通じゃなくなっているわ・・・」
調(LOST)「そう・・・・でも今は、響さんの仲間を救って・・堀木に言いたいことを言わないと!」
切歌(LOST)「ようは、生き残れば良いことですよね!!」
真利愛「えぇそうね・・堀木を殺して、葉蔵の所へ戻らないと・・・・」
セレナ「真利愛さん・・・・」
厚木「隔離上、上の方から降下する形で突入する。気をつけろ・・ここ最近、飛行能力を持ったロスト体が出たという噂もある。」
響「はい!わかりました!!」

響「Balwisyall nescell gungnir tron・・」
聖詠と共に装者はシンフォギアを纏い、纏えない真利愛達を担いでエリア13へ降下する

変異ロスト体(飛行)「グガァァ〜〜!!」
クリス「ったく、早速お出ましか!!」GIGA ZEPPELIN
飛行するロスト体をクリスが撃ち落としていき・・
響「はぁぁぁ〜〜!!」
響の渾身の拳がロスト体を吹き飛ばしていく
セレナ「よし・・こちらに!!」 セレナが真利愛達の護衛をする

研究所ゲート
真利愛「扉がある・・・」
調(LOST)「任せて!!」パソコンを取り出し、解析する

ガチャン!
調(LOST)「あいたわ!!」真利愛「よし、行くわよ!!」
調(LOST)の助けもあり、響達は奥へと奥へと進んでいく

104以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/29(土) 11:18:03 ID:Zw2AZN2c
旧和泉製薬研究所 地下通路

ピーーーガガガ・・・
クリス「ちぃ、通信が乱れてやがる・・」
セレナ「一体、翼さんはどこに・・・・」
真利愛「ここ・・・私、覚えているわ・・・」
響「真利愛さん?」
真利愛「こっちに来なさい!」
真利愛について行く響達

旧和泉製薬研究所 ある実験室跡地
切歌(LOST)「真利愛・・ここは一体?」
真利愛「・・・・ここだわ・・・この場所で私は・・・・セレナを・・・」
セレナ「真利愛さん・・ここで一体、こっちの私と何があったんですか?」
真利愛「・・・本当は、薄々気づいていたの・・・この場所で、妹のセレナがロスト体になっちゃって・・・」

真利愛「セレナに、トドメを刺したのは・・・私よ。」

みんな「!!!??」
セレナ「貴方の世界の私を、貴方が・・・」
切歌(LOST)「どういうことですか!?妹さんは堀木正雄に殺されたって・・・」
真利愛「あいつはただ、セレナをロスト体にしただけ・・・実際に殺したのは私よ・・・」

響「話してください・・ここで一体何があったんですか?」
真利愛「・・・・・・・・・・」

105以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/31(月) 22:16:59 ID:UkZcBVtk
死に戻りの葬送曲(レクイエム) 
メモリア 真利愛の手記:人間失格


恥の多い生涯を送ってきました。私には、人間という存在とその生き方が・・・全然分からないのです・・

昭和90年:和泉製薬研究所
研究員「では、投薬献体167番「マリア・カデンツァヴナ・イヴ」。ここに立て!」
マリア(LOST)「はい・・・・」

当時の私は、和泉製薬という場所でナノマシン・万能特効薬開発のお手伝いとして大人達の仕事を手伝ってました。
手伝いと言っても、好きでもないお薬を飲んだり・注射を打たれたりされて、私がどんな反応をするかでお薬やナノマシンを作る。カゴにいるネズミさんでも出来る仕事です。

研究員「156番の作用でこの献体の身体が良くない・・・失敗だな。」 
156番「あぁ・・・あぁぁ〜〜〜〜!!」どっかに連れてかれる
マリア(LOST)「・・・・・・・・・」震える

そんな幼かった自分にとって、一番に恐怖を覚えるのは「検査の結果」でした。
自分らの身体の中の薬の効果が悪い方向に行くとどっかに連れてかれ、その子は二度と私たちの前に戻ってきませんでした。
大人達はちゃんとした治療を受けて、違うところで暮らしてるって言いますが・・私にはその大人達に殺されているとしか感じませんでした。
自分たちの身体とその中に入っているモノが良いやつで無ければ殺される・・良い物じゃなければ殺される・・それが私にとっての脅迫だと認識しておりました。
つまり私は、人間は良いモノは生き続け、悪いモノは死んでいく・・大人達はそのどれなのかも含めて人間の存在理由が何一つ分からないのです・・・

研究主任「マリアちゃんは貴方は他の奴とは比べようもないぐらい良質なGRMPが出来はじめてるなぁ!!」
研究員A「さすが、我ら和泉製薬全ての薬品に適用してる献体だな・・あの子なら・・・」
研究員B「主任、またあの献体があれを!!」
研究主任「あぁ・・またかぁ・・・・」

106以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/31(月) 22:59:12 ID:UkZcBVtk
私の身体は、色んなお薬とナノマシンが服用され、何一つ悪い事が起こっていないので、大人達からは特別扱いをされていて・・

献体の子供「あいつだけ、特別扱いしやがって・・・・」

妹以外の子供からは白い目で見られ、私と妹を仲間はずれにするのです・・
つまりわからないのです。
彼らが思っている事も、なぜ私だけが特別なのかいう理由さえも、まるで見当がつかないのです。
そのため、私が心を許せるのは妹のセレナしかいませんでした。
そのセレナも、時に大人達に連れられ・・戻っては来るが、全然そばにいてくれない時も沢山ありました。
私(マリア)は孤独で、なにをすればあの子供達や大人達に嫌われないのかが分かりません・・・

マリア(LOST)「見てみて!!こんなことも出来るんだよ!!」ふざけながら大きいコンテナを回す
セレナ(LOST)「アハハ、凄いよマリア姉さん!!」 マリア(LOST)「でしょ!!」
研究員「全く・・・あのこと来たら・・・」

私には「アガートラーム」という特別な鎧を着ることが出来る唯一の献体なのは、少し前に別の大人に教えられました
胸の中に響いてくる歌を歌うことで、鎧の力を引き出し、色んな芸当が出来るようになるのです・・・

その事実から編み出した考えが「道化」でした。
それは自分の人間に対する最後の求愛であり、妹に必ず会う手段でもありました

マリア(LOST)「はぁ!!せい!!」出された物を次々に壊す
見学者「おぉ〜〜!!」 研究員「良し!次!!」 
私の着るアガートラームの性能を向上するために、色んな実験や演出を行い、見る人の注目を浴びせました
そしてこの道化が実にセレナに会え、私にフィットしていました
「人間は恐ろしいから、とにかく怒らせてはいけない!そんな人間のそばにいるセレナが何かされるのも嫌!!」
自分がこのアガートラームを使いこなし、曲芸を成功させればセレナに会わせると言う条件の元、その芸を成功させてセレナに毎日のように私の方から会いに行ってました。

107以下、名無しが深夜にお送りします:2020/08/31(月) 23:29:34 ID:UkZcBVtk
マリア(LOST)「今日の私はどうだったかな・・?・・・ちゃんと出来てたよね?」
セレナ(LOST)「も〜う、マリア姉さんは心配性なんだから・・・」
セレナは心配される自身をよそに会いに来る私に寄り添いながら、心配してくれます
セレナは自身が知っている人間は大丈夫と言ってくれますが、私にはセレナとは逆の感情を持つのです。

マリア(LOST)「(とにかく人間が怖い・・・)」


昭和93年 7月17日 和泉製薬研究所 G20 世界各首脳訪問日

その日は各国々からとても偉い人間達がやってくる特別な日であったため、道化である私に大人達は特別な芸当を沢山披露するようにと言われました。
その人間達を不満にさせることがあれば、セレナの身も余計に危なくなる事を察知した私は、以前より深くなる人間恐怖に耐えながらその人間達が出してくる無理難題を次々とクリアしていきました。
そして、最後の演技をしようとしたその時・・・・

研究員「主任、来てください!!セレナが・・・」
研究主任(了子)「なにぃ!?」
マリア(LOST)「え・・・・セレナ!?」

突然の事だった・・・セレナが倒れた事に紛らわせていた人間恐怖があふれてきて、すぐさまにセレナの所へ向かったのでした・・・
それがセレナとの最後の別れになるとは知らずに・・・・


セレナがいる緊急治療室
セレナ(LOST)「あぁぁ〜〜!?いだぃぃ・・クルシイ・・・」
突然なことに慌てる和泉製薬の研究員達

108以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/01(火) 20:14:55 ID:gaUnDUEQ
マリア(LOST)「セレナ!?セレナぁ〜〜〜〜!!」
セレナ(LOST)「オねえ・・ちゃん・・・・助けて・・・」
マリア(LOST)「セレナ・・・・」
青く肌がひび割れていくセレナに何もして良いのか、私には全然わからなかった。

了子「マリア、離れていなさい!!」 マリア(LOST)「でも、セレナが!!」
研究員「局長、GRMPが以上波形を・・・・」
私は無力だった。そして、自分が道化である事が私やセレナにとっての大きな間違いだった事を、ここで知った

セレナ(LOST)「あぁぁ・・アァァァ〜〜〜〜〜!!」
セレナの悲痛な叫び声と共に大きな爆発が起こり、私を含む人間達はその爆発の巻添えを喰らったのだった・・

爆発の後・・・
マリア(LOST)「うぅぅ・・・・セレナ?セレナは!?」
気がついたときには辺りが地獄の業火のように包まれていた。そこでセレナの無事を確認するべく、辺りを見回した

ドスン!!
マリア(LOST)「!?・・・・セレナ?」

巨大ロスト体「グぎゅおぉぉぉぉ〜〜〜〜!!」叫ぶ
マリア(LOST)「あぁ・・・いやぁぁぁ〜〜〜〜!!」
私は叫んでいた。セレナがいた場所にこの世の物とは言えない化け物の姿に恐怖し、腰が抜けて動けませんでした・・

巨大ロスト体「グおぉぉぉぉ〜〜〜〜!!」辺りにいる人間達を殺していく
お偉いさん方「ワァァァ〜〜〜きゃあ〜〜〜!!」襲われ、次々とロストする

米国大統領「Hey!コレハイッタイ、ドウイウコトデスカ・・・」
巨大ロスト体の触手に刺され、ロストする
安倍総理「あべ〜〜〜あべ〜〜!!!」
奇声を上げながら逃げる総理大臣も、巨大ロスト体に踏みつぶされてロストする

109以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/01(火) 20:52:23 ID:gaUnDUEQ
局長「マリア、何をしてる!!あの化け物を殺すんだ!!」
マリア(LOST)「・・・・・」首を横に振る
その時の私は、初めて大人の言うことに従うことが出来ませんでした・・・いや、出来なかったのです。
あの怪物は紛れもないセレナが実験の影響で変貌した姿だと自身には感じたからなのです。
私が見ていない間に、あの人間達がセレナに何かしている・・私の恐れていた事が見事に当たってしまった瞬間でした。

巨大ロスト体「グォォォォーーーー!!」
局長「ウゥワァァァァァ〜〜〜!?」
巨大ロスト体に喰われてしまう局長

巨大ロスト体「グゥゥゥゥ〜〜〜・・・・」マリア(LOST)に近づく
マリア(LOST)「セレナ・・・・」

この時、異形の怪物になったセレナに私は殺される事は確実だと確信していました。
普通の人間なら、死にたくないという気持ちで逃げようとする素振りをしますが、私にはそのような気持ちになる事はなく、ただ呆然と立ち尽くしていました。
セレナを守れなかった、セレナをこんな化け物にしてしまったのは私のせいだと・・・
なので、私は異形となったセレナに殺される事を考えました。むしろ、一人では死にたくなかったので・・
セレナと一緒に死ぬことを考えてました・・・

マリア(LOST)「Gatrandis babel ziggurat  Emustolronzen fine el baral zizzl Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl〜〜・・・」
マリア(LOST)が歌った絶唱による衝撃波と爆発が巨大ロスト体を含む辺り全てを飲み込んだ

私の脳裏に浮かんだ歌を歌った私は、私が纏うアガートラームから放出された光に飲み込まれ、セレナも・研究所も・全てを飲み込んでいました
この光が私とセレナを死なせてくれると、私は信じていました・・・

110以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/01(火) 22:53:57 ID:gaUnDUEQ
和泉製薬研究所 周辺の廃墟
調(LOST)(幼少)「おとうさ〜〜ん!おかあさ〜〜ん!」
切歌(LOST)(幼少)「泣かないでデスよ!!あたしがついていますから!!」
調(LOST)(幼少)「キリちゃん・・・」

幼少の切歌や調の前に人影が見えてきた
調(LOST)「ヒィ!?」 切歌(LOST)「だ、誰ですか!?」

マリア(LOST)「・・・・・」全体血まみれ
私はあの光からギリギリ血まみれで助かってました。 そうして化け物になったセレナだけが死んでしまいました。

切歌(LOST)「だ、誰・・デスカ?」
マリア(LOST)「誰・・・?私は誰なの・・・私は・・ただ苦しいだけなのに・・」
その時の私は、妹のセレナを含む全ての記憶を失っていました。今思えば、あの時セレナを死なせて私だけが生き残ってしまった事への自分の罪意識の否定が無意識にそうさせたと思っています。

調(LOST)(幼少)「あなた・・人間なの?お化けなの?」
マリア(LOST)「・・・・・・」
切歌(LOST)「ねぇ・・・ワザ、ワザ?」
マリア(LOST)「ワザ・・?」
切歌(LOST)「調・・・この子、触れるし・・話せるデス。だから、お化けじゃないですよ・・」
調(LOST)「でも・・・・・」

堀木正雄「どうしたんだい、君たち?」
マリア(LOST)「貴方は・・・?」
堀木正雄「俺か?俺はただの通りすがりさ・・・」

あの廃墟から私と切歌達を助けてくれたのは、「堀木」という男の人でした。
その時の私たちは堀木という人の事を知らぬまま、手当をして貰って、横浜の小さな孤児院に送ってもらいました。
この時私は、堀木から新しいGRMPとそのIDを貰い、月読調から「和泉真莉愛」という名前を貰いました。
そうして私は、切歌と調の二人と共に過ごす事になり、二人とは無二の親友となっていきました。

111以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/04(金) 22:21:57 ID:4d6/corE
昭和104年

発育とは不思議なモノと感じたのは私が17になった頃、私の身体が日に日に美しく・胸も大きくなって来てる事を身をもってしりました。
その頃から、他の人間・・特に男という人達からにやけた視線を向けられるようになりました

孤児院:真利愛達の部屋
調(LOST)「今日も注目の的だったね、真利愛。」
真利愛「えぇ・・・私の身体、そんなに変なのかなぁ・・・?」
切歌(LOST)「そんな事ないですよ!男の人は大抵、美人な女性に裏で欲情しているんですよ!!」
調(LOST)「キリちゃん・・・その言葉、どこで覚えたの?」
切歌(LOST)「竹一も同じような事を言ってたからつい・・・」
竹一と大庭葉蔵とは、同じ孤児院で育ち、彼らもまた唯一の友達だ。

切歌(LOST)「真利愛!真利愛は将来、沢山の男の人にモテモテになると思うデース!羨ましいデスよぉ〜〜!!」
このセリフは切歌が冗談で言っていると思っていましたが、切歌も想像もできないほどの悪魔の予言になる事を、自分は後年で思い知ることになりました。
しかし私にも思い当たるふしはいくつかありました。


昭和109年

男「ふぅ・・・あんた、スッゲぇ良い閉まりだったよぉ・・・」
真利愛「・・・・・」
男「ふん。気絶してんのかよ・・・」
5年が過ぎ、切歌は竹一と共に暴走を繰り返す道に進み、調はハッキングを仕事とする道に進んでいましたが・・
私は男の人を自分の身体を使って喜ばせながら、転々として住み処を変えながら暮らしていました。いわゆる淫売という職業です。

最初の頃は男の方からの提案で、私と抱くことで高価な金を渡してやるとせがまれ、渋々断れなくその依頼を受けおりました。
最初に男しか持っていないモノを自分の中に入れたとき、とても痛い思いをしましたが、徐々に快楽に流され、最終的にその男の言うままになってました・・

112以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/04(金) 22:52:14 ID:4d6/corE
私がそんな仕事を続けていく内に私はある思想に取り付かれていき、どんな男と寝ても何も感じなくなったのです。

真利愛「私はただ・・人間に愛されたかったからじゃないかって・・・」
それを最初に気づいた時から私はセレナのことを思い出しました。
そしてそんな自分が恥ずかしく・醜く感じるようになりました。
私はただ、人間が怖かったんじゃない・・人間に私の存在を認めて欲しかった・愛されて欲しかっただけだったのだ。
そんな事を小さい頃にセレナを失った事に私は嘆きました。セレナだって、私を心から愛してくれる人間だった。そんな人間を失ったから・・・

昭和111年。美子や立花響達に出会うまで、私は竹一や切歌、そして二人と仲が良かった堀木正雄と過ごし・・
酒と男にふけながら、自身に取り付いているあの思想を忘れるために自殺ごっこという自殺未遂をたびたび繰り返していました。
そんな私をある人間からはとても狂った淫乱狂人と呼ばれ、またある人間からはとても変わった道化だと呼ばれました。
誰かにそう呼ばれても私は気にする事は一切ありませんでした・・これが、私の中にある本性であり、私が過ごしてきた恥の多い生涯だから・・・

ただ・・・・数ある男の中で、大庭葉蔵だけは違っていました。
たまにバァに来る私を見ず、絵を描くだけで生きる意味を見出せないその素性に私は心に惹かれるのです・・・

真利愛「これら全ては私が経験した私の生涯の全てです・・ふふ、笑っちゃうよね?」
真利愛「平行世界から来た私とそっくりなマリアという女性と生き方がまるで違う。そして私と違って、マリアの方がまともで良い人生を歩んでいる。」
真利愛「私はマリアと違って・・・身体も、心も汚れている・・・。」


真利愛「人間・・・失格ってやつね・・・・」
そう真利愛はそう話し、自身の物語をバットエンドで醜いモノと主張し、幕を閉じる

113以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/05(土) 17:40:19 ID:7akaCLNE
第9話 第3の手記:未来を信じること

旧和泉製薬研究所 ある実験室跡地
真利愛から>>105〜112の事を聞いた直後

クリス「それがあんたの心の底にある心の闇なんだな・・・」
セレナ「真利愛さん・・・・」
響「・・・・・・」
調(LOST)「真利愛・・・私達にも言えない事があったなんて・・・」
切歌(LOST)「水くさいですよ・・・真利愛。」
真利愛「今まで隠していてごめんなさい・・・私の方が、貴方たちを心から信じることが出来なかった・・・」
響「じゃあ、堀木正雄さんを本気で憎んでいたのは・・・」
真利愛「知らず知らずに自分の罪を他人のせいにしていた・・・ホント私、最低よね・・」
響「真利愛さん、私は・・・・」

ヴァネッサ「確かに、聞いてて最低最悪よね・・・マリア・カデンツァヴナ・イヴ。」
響達「!!?」
装者達の後ろから、サングラスをかけたヴァネッサとマシンガン等の武器を備えた変異ロスト体2体が居た

切歌(LOST)「あいつがヴァネッサという堀木の仲間デスか!!」
響「ヴァネッサさん・・・・」
クリス「あんた、堀木とグルだったのか!!翼はどこへやった!!」
ヴァネッサ「そちらこそ、澁田さんからの命令で私がここに居ると聞いてここに来たの?」
響「なんで・・・なんでS.H.E.L.L.を裏切ったんですか?どうして・・・」
ヴァネッサ「響ちゃん・・・私ね、はなっからS.H.E.L.L.の合格者の味方をしてた訳じゃないの。」
セレナ「どういうことなんですか・・・?」
ヴァネッサ「言葉の通り、私は堀木に協力しながらS.H.E.L.L.を中の方から監視してきた・・・そんな時にある事を聞いてね。」
クリス「ある事・・・?」

114以下、名無しが深夜にお送りします:2020/09/05(土) 22:46:23 ID:7akaCLNE
エリア13 外部
外では沢山の装甲車が爆破物の設置を準備していた

厚木「空爆を重ねて、エリア13を丸ごと爆撃だと!?まだあそこには装者や第4のアプリカントが残っているのですよ!!」
別部隊隊長「この件については、極秘事項ですので・・・」
厚木「くぅ・・(老人達の仕業か!彼女達を巻添えに今回の件を隠蔽しようと・・・)」

葉蔵の精神世界内では
澁田(通信)「大庭葉蔵を脳死と判定し、臓器移植によって合格者との融合を計る。第3のアプリカントの細胞レベルにおける優位性を健康基準に上書きするのだ。」
美子「そ・・・・そんな・・・!きょ・・拒否・・・・拒否します!!!」
過呼吸を起こし、気絶してしまう

そして旧和泉製薬研究所 ある実験室跡地では
真利愛「葉蔵が合格者の生贄になることって・・・」
ヴァネッサ「そう。貴方と葉蔵を健康基準にするって事はそういうこと!」
セレナ「そんな・・どうして!!」
ヴァネッサ「合格者もまだ死にたくない理由があるからね。国民の健康と寿命を人質に世界を支配するためにね。」

ヴァネッサ「私はね、若くてもあの老人達より健康基準を大きく上回るほどの健康体を持つ子供2人を主治医の担当になったことがあるの。」
ヴァネッサ「その子達は、いつか私たちが健康基準になってお祖父ちゃんおばあちゃん達を楽にさせたいと言っていたわ・・私もそれに応えるために、和泉やS.H.E.L.L.と共に働いたわぁ・・」
真利愛「貴方も、和泉製薬の研究員だったのね・・」
ヴァネッサ「まぁ、支部で働くさえない方だったけどね・・・」
ヴァネッサ「和泉が潰れる際、私はS.H.E.L.L.に鞍替えをし、2人の健康を見守ってきた。そんなとき、あの老人達から2人を合格者として迎えたいと立案が来て、私は2人の未来や願いを考え、合格者として迎えたわ・・」
ヴァネッサ「そこで、私が一番の間違いだったことを思い知った・・・」
真利愛「思い知ったって・・・まさか!?」
ヴァネッサ「そう。健康基準に加える話は嘘だった・・・あの老人達の延命のためだけに身体をいじられ・・最後にロスト体という動けない骸としてエリア13に捨てられていたわ・・・」


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