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歩夢「君の超高校級の心は輝いてるかい?」Part2

1 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:36:54 ID:.D1apNcw
※ラブライブ×ダンガンロンパ 2スレ目です
※そのため死亡描写あり〼
前スレ:
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1506186240/

2 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:38:46 ID:.D1apNcw


      【!】
前回の続きからSSを再開致します
よろしいでしょうか?

    前回終了時の状態
  Chapter.5 (非)日常編
 
  〔はい〕   いいえ

3 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:39:25 ID:.D1apNcw
モノっちー「いやいや、むしろ逆なんだよネ」

璃奈「逆……(>_<。)?」

モノっちー「ボクはこの部屋を“当時のままにしておいた”。保存資料みたいなものだよ」

モノっちー「以上、それなりに意地悪なヒントでした」

モノっちー「でもさ。この学園に来る前でも、毎日のように事件や事故のニュースはあったでしょ?」

モノっちー「どんなに凄惨な出来事でも、年月が経てば風化していくんだ」

モノっちー「忘れられないように保存していたボクは、むしろ感謝されるべきなのかもネ」

モノっちー「うけけけけ……」

歩夢(当時のままにしておいた……?)

歩夢(モノっちー以外の誰かが、こんなことを……?)

4 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:40:16 ID:.D1apNcw
────夜、歩夢の個室

ピンポーン

歩夢「……?」

歩夢(就寝アナウンスのしばらく後。突然、インターホンが鳴った)

歩夢(鞠莉さんの一件から、気を付けろと忠告は受けている)

歩夢(もし千歌ちゃんだとしたら──)ガチャリ

千歌「……」

歩夢「……」バタン

歩夢(扉をすぐに閉めるように。その言いつけ自体は守ったのだが……)

千歌「……危ないなあ。挟んだ衝撃で暴発したら、大変なことになっちゃうよ?」

千歌「歩夢ちゃんを撃ちたくはないからさ。少し、話を聞いてもらえないかな?」

歩夢(……結局、拳銃の脅迫に負けた私は、彼女を部屋に招き入れることになってしまった)

5 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:41:08 ID:.D1apNcw
歩夢「……何しに来たの?」

千歌「余計なことをしなければ撃つつもりはないから、あんまり警戒しないでよ」

千歌「余計な発言だったら、幾らでも受け付けるからさ」

歩夢「……ノートパソコンを盗んだのも、あなただよね」

千歌「まあそうなるね。ところで……歩夢ちゃんは見た? 第2多目的室」

歩夢「……っ」

千歌「その様子だと……見てないか、見ても大した発見は出来てないのかな?」

歩夢「そんなことを言いに来たんだったら……」

千歌「出ていけって? むしろ、歩夢ちゃんが出て行って、みんなをインターホンで起こした方が早いんじゃないかな?」

千歌「でないと、これの餌食になっちゃうかもね……と言いたいところだけど、中身は空っぽなんだよ、ほら」カチャリ

歩夢「……」

歩夢(弾倉の中には、弾が一発も入ってない。ただのハッタリだったのか)

6 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:41:59 ID:.D1apNcw
千歌「私はただ、手伝いをしてあげたいんだ」

歩夢「どういうこと?」

千歌「ここから脱出するための、だよ。というわけで、ちょっと耳貸してよ。モノっちーに聞かれたら不味いでしょ?」

歩夢「……」

歩夢(言われるがまま、彼女の話に耳を傾ける)

千歌「第2多目的室にも、小窓とそれを覆う鉄板があった。それくらいは知ってるよね?」

千歌「実はあの部屋の鉄板、少し外れ掛かってるんだ」

歩夢(あの部屋の、窓の鉄板が……?)

千歌「そう。だからさ、それを外せば学園の外に出られるんじゃないかな」

歩夢(外に……出られる……?)

7 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:42:34 ID:.D1apNcw
千歌「この学園の秘密とか、モノっちーの正体とか。色々気にはなるだろうけど、そういうのは脱出してからでいいんだよ」

千歌「まずは安全な場所に逃げる。それでいいと思わない?」

歩夢(千歌ちゃんの話は、もっともだ)

歩夢(この学園を脱出さえしてしまえば、モノっちーも迂闊に手出しは出来ないだろう)

千歌「でもさ。全員があの部屋に行って、モノっちーに気付かれたらおしまいでしょ?」

千歌「だから、私がモノっちーの注意を引きつけておく」

千歌「その上で……これを使って欲しいんだ」

歩夢(そう言って、何かの箱を渡された)

歩夢(中を確認して見ると、ドライバーやレンチ、ハンマーなどなど。いわゆる工具セットだ)

千歌「流石に、4階から逃げるとなればロープは準備しておいた方がいいかもね」

千歌「そういうワケだからさ。頼んだよ」

8 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:43:33 ID:.D1apNcw
歩夢「……待って。だったら、鞠莉さんを襲う必要はあったの?」

千歌「ちゃんと理由はあるよ。けど、話すのはここを無事に出られたら」

歩夢「……」

千歌「じゃあね。おやすみ、歩夢ちゃん」

歩夢「お、おやすみ……」

歩夢(渡された箱を手にしながら、考える)

歩夢(確かに、千歌ちゃんの話は筋が通っている。脱出してしまえば、全てを終わらせることが出来る)

歩夢(その筈なのに……この感覚は、何だろう?)

歩夢(何かが歯に詰まっているような違和感は……何なんだろう?)

歩夢(大切な何かを忘れているような……)

9 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:44:15 ID:.D1apNcw
歩夢(……っ、何を考えているんだ、私)

歩夢(疑問を全て投げ出してでも、ここを出ることが最優先の筈)

歩夢(だったら、答えは決まっている)

歩夢(……そう言い聞かせて、私は布団に体を潜らせた)

10 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:44:57 ID:.D1apNcw
〜モノっちー劇場〜

悪意とは関わるな……そういう考えが、世間に蔓延っているよネ。

けど、本当にそれでいいのかなって、ボクは思うんだ。

悪意を持った人は、どこからでも湧いて来る。

突然、自分が悪意にさらされる時が来るかも知れない。

そういった時のために少しは悪意を知っておくべきだと、ボクは思うんだ。

悪意を知っていれば、それに対する対処が思いつく。

悪意を知っているから、友人だと思っていた人が悪意を持っている可能性に気付くことが出来る。

要は、一種の予防接種みたいなものだネ!

……けど気を付けて欲しいのは、予防接種とはウイルスを身体に投与するもの。

付き合い方を間違えると、オマエもウイルスに乗っ取られるかも知れないよ……?

11 ◆8TImjtGSKs:2019/08/23(金) 19:46:01 ID:.D1apNcw
今回はここまで。
2スレ目突入です。もうしばらくお付き合い頂ければ、幸いです。

12以下、名無しが深夜にお送りします:2019/08/23(金) 23:23:50 ID:9lc3Cel6
いきなりセーブしますか?って出てドキッとした
楽しみにしてる

13以下、名無しが深夜にお送りします:2019/08/24(土) 01:50:20 ID:mKPEAxEM
おつおつ
μ’sの影がちらついてまいりました

14以下、名無しが深夜にお送りします:2019/08/27(火) 22:42:56 ID:XZkWOs62
乙!ついに2スレ目か……次回も楽しみにしてる

15以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/20(金) 07:38:49 ID:YNRV7SvM
追いついた!期待!

16 ◆8TImjtGSKs:2019/11/04(月) 22:57:38 ID:ypS3Bcfk
────学園生活21日目

キーンコーンカーンコーン

モノっちー『おはようございます、朝7時になりました』

モノっちー『さてさて、今日も1日頑張っていきましょう』

プツン

歩夢(昨日の千歌ちゃんの話が、脳裏にこびりついている)

歩夢(学校からの脱出……どうにかしてみんなに伝えたいけど、どうやって伝えよう?)

歩夢(モノっちーに気付かれないようにする必要があるけど……)

歩夢「……あれ?」

歩夢(ベッドから身を起こして食堂に向かおうとすると、ドアの下に折りたたんだ紙が挟まれていることに気が付いた)

17 ◆8TImjtGSKs:2019/11/04(月) 22:58:21 ID:ypS3Bcfk
歩夢(拾い上げ、その紙に書かれた文章に目を通す)


『決行は今日の夜9時半』

『その頃になったら、私はモノっちーの注意を引き付ける』

『あとは、歩夢ちゃん次第だよ ちゃんと全員で脱出してね チカ』


歩夢「……」

歩夢(どうやら、責任重大な役目を任されたらしい)

歩夢(今日1日を使って……上手く、みんなに声を掛けて行くしかなさそうだ)

18 ◆8TImjtGSKs:2019/11/04(月) 22:59:07 ID:ypS3Bcfk
────食堂

歩夢「璃奈ちゃん、ちょっといい?」

璃奈「どうしたの(・v・)?」

歩夢(朝食を食べ終えた私は、準備を整え始める。脱出のため、全員に話を通す必要があるからだ)

歩夢(まずは、たまたま近くに居た璃奈ちゃん)

鞠莉「何なに、二人とも内緒の話?」

歩夢「あはは……まあ、そういうところ、かな?」

鞠莉「じゃあ、私たちは一旦退散しておきましょうか」

しずく「え、あ、はい!?」

梨子「ちょっと、まだお皿洗ってないのに……」

鞠莉「いいからいいから♪」

歩夢(ウインクをして、鞠莉さんは残っていた人たちを食堂から引き上げさせた)

19 ◆8TImjtGSKs:2019/11/04(月) 22:59:47 ID:ypS3Bcfk
歩夢「……」

璃奈「……(・v・)」

歩夢(いざ2人になってみると、どことなく気まずい)

歩夢(普段はお喋りなのに「自由に喋ってください」と言われると途端に喋れなくなるような……そんな現象)

璃奈「前に言ってたよね。私、恥ずかしいから顔を隠してるって(・v・)」

歩夢(結局、璃奈ちゃんから話題を提供される体たらく。この調子で残りのみんなに話を通せるのかちょっと不安)

歩夢(でも今は、璃奈ちゃんの話を聞いてあげよう)

歩夢「うん、その璃奈ちゃんボード、お手製なんだよね」

璃奈「実はね。もしこの学園を出られたら、ボードを取りたいって思ってるの(・v・)」

歩夢「ボードを……?」

20 ◆8TImjtGSKs:2019/11/04(月) 23:00:26 ID:ypS3Bcfk
璃奈「私、子供の頃から感情を表に出すのが苦手で。仏頂面、ロボットみたいってよく言われてた(・v・)」

歩夢「だから……どうにかしたい、って思ったの?」

璃奈「うん。最初は、周りの人たちを真似していけば感情豊かになれるかなあって思ったの(・v・)」

璃奈「真似事をしていくうちに、いつの間にか顔も声もコピー出来るようになってた(・v・)」

歩夢「それが……璃奈ちゃんの、才能のキッカケだったんだ」

璃奈「そう。気が付いたら、変装師とかディスガイザーとか、そう呼ばれるようになった(・v・)」

璃奈「何となく響きが格好良いって思ってたし、変装のクオリティを高めて行くのはとっても楽しかったよ(・v・)」

璃奈「でも、どんなに人の笑顔や怒った顔を真似しても“天王寺璃奈”の顔は固いままだった(>_<。)」

璃奈「ずっと誰かに変装したままってワケにはいかない。だから、璃奈ちゃんボードに頼るしかなくなった(>_<。)」

歩夢「……」

21 ◆8TImjtGSKs:2019/11/04(月) 23:01:08 ID:ypS3Bcfk
歩夢(どういう言葉を、掛けてあげればいいのだろう)

歩夢(感情を学ぶためだった筈の変装が才能になり、本来の目的を見失ってしまった)

歩夢(そんな、残酷で皮肉めいた境遇を語る璃奈ちゃんに、どんな言葉を……)

璃奈「でもね。ここでみんなと過ごしていると、すっごく楽しかった(・v・)」

歩夢「えっ……?」

璃奈「モノっちーは、学生生活の記憶を奪ったって言ってた。私も、どのくらい記憶が飛んだのかは分からない(・v・)」

璃奈「でも、段々分かって来た。元の学生生活は、きっと私に沢山の表情をくれていたんだろうって(・v・)」

璃奈「居なくなっちゃったみんなも、元の学校ではきっと優しくて、私に笑顔をくれたんだろうって。証拠はないけど、信じられる(・v・)」

璃奈「だから……色んな顔をくれたみんなに、恥じないようにしたいんだ。だから私は、ボードを取りたい(・v・)」

璃奈「きっと……元の私も、そうしていただろうから(・v・)」


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