したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【ぼく勉】 文乃 「今週末、天体観測に行くんだよ」

474以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/07(土) 01:19:28 ID:045EXMvQ

バタフライフィールドさんのお話とかどうでしょう

475以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/07(土) 01:56:10 ID:xFu7Fop.
本誌読んだ時には全く気づかなかったわ

476以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/07(土) 02:15:47 ID:cF0YOMt6
おつおつー。長くても面白いし全然OK

茨の会とかメイド喫茶のキャラ達みたいなサブキャラの話もみたいな

477以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/07(土) 02:44:18 ID:kSeqCqQQ
相変わらずの高クォリティで安心した

478以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/08(日) 10:00:28 ID:5lwwXXN.
再開待ってたわ

479以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/09(月) 15:24:27 ID:4g.A2kuQ
水泳部の池田さんの話をぜひお願いします

480以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/09(月) 19:19:09 ID:zf5nzWSU
敗北者じゃけえ…

481以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/12(木) 23:39:44 ID:jPNv9trQ
おつやで

482以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/18(水) 00:20:23 ID:wPto6ljY
原作の雰囲気が不穏だからこのスレにあるss読んで凌ぐんだ…

483以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/24(火) 00:26:52 ID:SvCQQs/k
不穏さは一週で消えたな

484以下、名無しが深夜にお送りします:2019/09/29(日) 20:32:26 ID:0l2HjuyQ
シエンタ

485以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/08(火) 12:28:53 ID:OArscQ9g
アニメ始まってるじゃん

486以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/13(日) 02:58:43 ID:SrnLRntY
ここのssもアニメ化してくれませんかね?

487以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 00:42:17 ID:WREau8ic
アマプラで2話見たけど、>>1のssで読んだ文系が居眠りするやつと頭の中でごっちゃになってて笑ったわ
完成度高すぎ

488以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:50:59 ID:yuN6bUJk
>>1です。
投下します。


【ぼく勉】 文乃 「合宿最終日はバーベキューだよ、唯我くん!!」

489以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:51:55 ID:yuN6bUJk
………………勉強合宿三日目夜 うかり荘

成幸 「急にハイテンションになってどうした、古橋」

文乃 「だ・か・ら! バーベキューなんだよ、唯我くん!」

文乃 「今さっき先生方がお話してるのを偶然聞いちゃったんだ!」

文乃 「明日の午前の講習が終わったら、先生方のカンパでバーベキューらしいよ!」

うるか 「!? それほんと、文乃っち!」

文乃 「ほんともほんとだよ〜! 何でも、高級牛肉からブランド豚肉までそろえてくれてるみたいだよ〜!」

成幸 「分かった分かった。そりゃ楽しみだけど、明日に取っておこうな」

成幸 (今さっき風呂場でとんでもないことがあったばかりのにもう立ち直りやがった……)

成幸 (ほんと食いしん坊だな、古橋は……)

理珠 「まったく、文乃とうるかさんは食いしん坊ですね」

成幸 「騒ぐのはそれくらいにして、今日のおさらいをやって早く寝るぞ」

文乃&うるか 「「はーい」」

成幸 (……にしても、先生方のカンパでバーベキューか。塾講師ってのも大変だな)

490以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:52:31 ID:yuN6bUJk
………………翌日 昼

真冬 「………………」

ブルルルン……プスプスプス……

真冬 「迂闊。やってしまったわね……」

真冬 (夏休みも終わりに近いからと有給を取って峠を攻めに……もとい、ドライブをしにきたけれど)

真冬 (まさかガソリンがこんなに減っていただなんて……)

真冬 (こんな峠道でガス欠なんて洒落にならないわ。どうしたものかしら……)

真冬 (夏休みとはいえ世間は平日。さっきから車も通りかからないし……)

真冬 「ん……?」

キャッキャ……ワーワー……

真冬 「……喧噪。近くに人がいるようね。キャンプかしら」

真冬 (恥を忍んでガソリンを譲ってもらうしかないわね)

491以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:53:01 ID:yuN6bUJk
………………広場

ワイワイガヤガヤ……

成幸 「おー、さすがに大盛り上がりだな。先生方も太っ腹だなぁ」

文乃 「お肉がたくさんあるよ、唯我くん!」

うるか 「旅館の人がカレーも作ってくれてるみたいだよ!」

理珠 「あっちに冷やしうどんもあるみたいですよ!」

グイグイグイグイ

成幸 「わっ、わかったわかった。わかったから引っ張るなって……」

成幸 「食べ過ぎてお腹壊したりしないようにな。ほら、好きなもん取ってこい」

文乃&うるか&理珠 「「「はーい!!」」」

バヒューン!!!!

成幸 「だー、もう! 人がたくさんいるんだから走るなよー!」

成幸 「……って、もういないよ。まったく」

492以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:54:01 ID:yuN6bUJk
成幸 「……はしゃいじゃってまぁ」

クスッ

成幸 「ま、今日の午前中まで目いっぱい勉強がんばってたしな。これくらいのご褒美があっても……――」

「――なーにひとりで呟いてんだ、こーはいっ」

ピトッ

成幸 「ひうっ!? 冷たっ!?」

あすみ 「にひひ、ほんといい反応してくれるよな、お前って」

成幸 「先輩……。やめてくださいよ、もう……」

あすみ 「悪い悪い。ほら、麦茶取ってきてやったから飲めよ」

あすみ 「散々子どもたちの引率してノドカラカラだろ、“先生” ?」

成幸 「引率って……。あいつらは俺と同い年ですよ」

成幸 「でも、ありがとうございます。たしかにノド乾いてたから嬉しいです」

あすみ 「ま、確かに引率の先生というよりは、娘たちに振り回されるパパって感じだったけどな」

成幸 「ぶっ……! だ、誰がパパですか! 変な事言わんでくださいよ!」

493以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:54:34 ID:yuN6bUJk
あすみ 「にひひ。そういやそうか。お前はパパじゃなくて、弟なんだっけ?」

成幸 「へ?」

あすみ 「……なぁ? “成幸くん” ?」

成幸 「なっ……なんですか、いきなり……」

あすみ 「いや、べつに大したことじゃねーんだけどな。昨日から気になっちまってさ」

ニヤニヤ

あすみ 「お前と古橋、どうして姉弟ごっこなんかするに至ったのかが、さ」

成幸 「いや、本当に大したことじゃないですよ。お祭りの日に……」

成幸 「……!?」 ハッ


―――― 『大ありです 問題ないと思ってる時点で問題だらけです』

―――― 『あとで徹底的に補習です』


成幸 (あっ、あっぶねー!! 古橋に言うなって言われてるの忘れてたー!)

成幸 (危うく先輩に言ってしまうところだった……!)

成幸 (さすがあしゅみー先輩! 隙をつくのが上手い……!!)
   ※成幸くんが隙だらけなだけです。

494以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:55:14 ID:yuN6bUJk
あすみ 「? ん、どうした、後輩?」

ニヤニヤニヤニヤ

あすみ 「なんか言えない事情でもあるのかー? んー?」

成幸 「い、いえ、べつに、そういうわけではないんですが……」

成幸 「っていうか、先輩、その……」

あすみ 「ん?」

成幸 「ち、近い、です……」

あすみ 「………………」 ニィ 「……ほーぅ、やっぱり先輩に迫られるのが好みか、後輩」

あすみ 「密室じゃなくて悪かったな」

成幸 「だ、だからあれは違うんですってば! もー!」

あすみ 「にひひ。ほんとにからかい甲斐がある奴だよな、お前って」

あすみ 「……で? 何で姉弟ごっこなんてすることになったのか、そろそろゲロっちまえよ」

成幸 「結局その話蒸し返すの!?」

あすみ 「えー、教えてくれないのかよー、後輩ー」

成幸 「ダメなんです! 話しちゃダメって言われてるんです!」

495以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:55:48 ID:yuN6bUJk
あすみ 「へー……」 (話しちゃダメ、ねぇ……?)

あすみ (どうせ大した話じゃねーだろと思ってたけど、ここまで隠そうとするとはな)

あすみ (それに、口止めされてる? 古橋にか?)

モヤモヤモヤ……

あすみ (なんかわかんねーけど、それはちょっと……ムカつく)

あすみ 「ちぇっ、ひどいよなー、後輩は」 チラッ

あすみ 「人に無理矢理キスしようとしといて、そんなツレない態度を取るのな」

成幸 「なっ……!?」 (あ、あの写真は……カラオケボックスでの写真……!?)

成幸 「それどう見ても先輩が俺にキスしようとしてるじゃないですか!」

――――ガサッ

真冬 「……失礼。ぶしつけで申し訳ないのですが、もしよろしければ、ガソリンを分けてもらえないでしょうか」

あすみ 「……へ?」

成幸 「へ?」

真冬 「……? こ、小美浪さん? 唯我君?」

成幸 「な……な、なんでここに先生が!?」

496以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:57:20 ID:yuN6bUJk
………………

あすみ 「へぇー」

ニヤニヤニヤ

あすみ 「峠を攻めに来たはいいけど、ガソリンの残量が少ないのを忘れていてガス欠、ですか」

真冬 「きっ、禁止! そう何度も言わなくてもいいでしょう、小美浪さん!」

真冬 「それに私は峠を攻めたりなんかしません! ちょっとドライブに来ただけよ!」

成幸 「ま、まぁまぁ。なんにせよ良かったですね。旅館の人にガソリンを分けてもらえて」

真冬 「その上、予備校の方にバーベキューにまで混ぜてもらってしまって……申し訳ないわ」


―――― 『ああ、一ノ瀬学園の先生ですか! 休暇中に生徒たちの様子を見に来るだなんて、熱心な先生ですね!』

―――― 『ぜひバーベキューに参加していってください! 生徒たちも喜ぶでしょう!」


真冬 (……予備校の先生にも盛大な勘違いをされてしまったわ。恥ずかしい……)

あすみ 「いやぁ、さすがは熱心ですね、真冬センセ?」

真冬 「や、やめなさいっ! 小美浪さん!!」

あすみ 「にひひひっ」

497以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:58:40 ID:yuN6bUJk
成幸 「ど、どうどうどう。先生、落ち着いてくださいよ」

成幸 「それに先輩もあんまりからかわないでください」

あすみ 「へいへい。わかったよ」

真冬 「……オホン。当然、最初からずっと落ち着いているわ」

成幸 (どこがだよ……)

成幸 「ところで、こんな奥にいないで、せっかくのバーベキューですし、何か食べに行きましょうよ」

真冬 「不可。そんなことできないわ」

成幸 「? どうしてですか?」

真冬 「あなたたちがいるということは、ここにはあの子たちもいるのでしょう?」

成幸 「あの子たち……? ああ、古橋と緒方ですか? まぁ、いますけど……」

真冬 「このバーベキュー、勉強合宿の最終日、最後の息抜きだと聞いているわ」

真冬 「あの子たちも、せっかくがんばった最後の息抜きに、私の顔なんか見たくないでしょう?」

成幸 「先生……」

真冬 「だから私はお誘いの面目が立つ間くらいここにいるわ。こんな端にあの子たちも来ないでしょう」

498以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 21:59:10 ID:yuN6bUJk
真冬 「……それに、まだあなたたちふたりに聞かなくてはならない話もあるし、ね」

ジロリ

真冬 「……さっきの話を詳しく教えてもらいたいのだけれど」

あすみ 「? さっきの話?」

成幸 「?」

真冬 「誤魔化そうとしたってそうはいきませんからね。さっき、とんでもないことを言っていたわね」


―――― 『人に無理矢理キスしようとしといて、そんなツレない態度を取るのな』

―――― 『それどう見ても先輩が俺にキスしようとしてるじゃないですか!』


成幸 「……!?」

あすみ 「あー……聞かれてたかー」

真冬 「………………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!

真冬 「……どういうことか、しっかり教えてもらうわよ」

499以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:00:27 ID:yuN6bUJk
………………

文乃 「ふんふんふーん♪」

ムシャムシャムシャムシャムシャパクパクパクパクパクパク

文乃 「お肉も野菜もカレーもうどんもサイコー! やっぱり夏はBBQだね!」

文乃 「りっちゃんもうるかちゃんも楽しんでるみたいだし、先生方も粋なことしてくれるよねぇ」

文乃 「唯我くんも……って、そういえばさっきから見ないなぁ」

文乃 (先輩もいないし、ひょっとして……)

文乃 (……ふたりで、こんなときまで勉強してたりして)

文乃 「………………」

文乃 (あり得るなぁ……)

文乃 (勉強は良い事だけど、休むときはしっかり休まないとだよ)

文乃 (仕方ないなぁ……) クスッ (文乃お姉ちゃんがお肉でも持って行ってあげようかな)

文乃 「まったく、本当に……」

文乃 「手のかかる弟だなぁ、成幸くんは」

文乃 (さて、どこにいるのかな)

500以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:01:04 ID:yuN6bUJk
理珠&うるか 「「………………」」 キョロキョロキョロ

文乃 「……? りっちゃん、うるかちゃん、どうかしたの?」

理珠 「あ、文乃。成幸さんを見かけませんでしたか?」

うるか 「見当たらないんだよねー」

文乃 「唯我くん? 偶然だね。わたしも探してたとこなんだよ」

文乃 (……ん? りっちゃんとうるかちゃん、うどんとカレーを持ってるけど、ひょっとして……)

文乃 「……ふたりとも、ひょっとしてそれ、成幸くんに持って行ってあげるのかな?」

理珠 「へっ? あ、いえ、べつに、その……」

アセアセアセ

理珠 「……そ、そうです。先ほどから見当たらないので、どうせ勉強でもしているのだろうと」

理珠 「うどん持って行ったら喜んでくれ――じゃなくて、食べるかな、と」 カァアアアア……

文乃 (おっ、乙女ーーーー!! 恋する乙女すぎるよりっちゃん!)

うるか 「べ、べつに成幸に喜んでほしいとかじゃないからね!」

うるか 「お腹空かせてたら可哀想だから、持って行ってあげるだけだかんね!!」

文乃 (こっちはこっちでテンプレ乙女ーーーー! ふたりとも可愛すぎるよ!)

501以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:01:42 ID:yuN6bUJk
うるか 「……? ところで文乃っち、その大量のお肉は?」

文乃 「……へ?」

ハッ

文乃 「えっ、あ、いや、これは、その……」

うるか&理珠 「「………………」」 ジーーーーッ

文乃 (ど、どうしよう。成幸くんに持って行くつもりだったけど、この二人に知られたくないし……)

文乃 「も、もちろん自分用だよ。お肉美味しいから、いくらでも食べられちゃうね!」

うるか 「おー、さすが文乃っち。食べまくってんね」

理珠 「文乃ならフードファイターになれると思います。すごいです」

文乃 (ひ、人の気遣いも知らず、この子たちは……!)

文乃 「……ん?」

成幸 「……」

文乃 「あ、成幸くん。あんな茂みのほうで何やってるんだろ」

うるか 「? あ、ほんとだ」

理珠 「誰かと話しているのでしょうか。とりあえず行ってみましょうか」

502以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:02:32 ID:yuN6bUJk
………………

真冬 「まさかとは思うけれど、あなたたち、不純異性交遊をしているのではないでしょうね」

成幸 「うぇっ!? な、なんでいきなりそんな話になるんですか!?」

あすみ 「いや、まぁキスだの何だのの話を聞かれてたらそうなるだろ」

成幸 「先輩はどっちの味方なんですかー!」

真冬 「……唯我君、きみは小美浪さんに無理矢理キスをしようとしたの?」

成幸 「してませんよ!」

真冬 「じゃあ、小美浪さん、あなたは唯我君にキスをしようとしたの?」

あすみ 「んー……」

ニヤァ

あすみ 「……まぁ、それを肯定してもウソにはならないかなぁ」

成幸 「先輩!? 何言ってんですか!」

真冬 「……! ふ、不潔! やはり不純異性交遊をしていたのね!」

あすみ 「えー、やだなぁ、センセ」 ムギュッ 「不純じゃないですよ?」

成幸 「うぺぇ!? な、何で抱きつくんですか、先輩!?」

503以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:03:21 ID:yuN6bUJk
真冬 「!? 淫靡!! 離れなさい、小美浪さん!」 グイッ

成幸 「!?」

成幸 (ぎ、逆側から先生に……!?)

あすみ 「きゃー、センセったらだいたーん。先生も後輩に抱きつきたいんですか?」 グイッ

真冬 「か、からかわないでちょうだい! そんなわけないでしょう!」 グイグイ

あすみ 「どうだかなー?」 グイグイグイ

成幸 (り、両側から引っ張られて、やわらかいやら良い匂いやらで、何がなんだか……) フラフラ

文乃 「――成幸くーん? こんなところで何してるの?」

真冬 「!?」

シュバッ

成幸 「へ……? わっ……わわわっ……」 グラッ

あすみ 「……? のわっ……」

ドターーン!!!

文乃 「……? へ……?」

文乃 「………………」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!! 「……本当に何をやってるのかな、きみは」

504以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:03:54 ID:yuN6bUJk
成幸 「いてててて……」

成幸 「……ん?」

あすみ 「………………」

成幸 「………………」

成幸 (……これはあくまで俺の推察だけれど)

成幸 (古橋たちの声が聞こえて、先生は慌てて俺の手を離して茂みに隠れて、)

成幸 (そのせいで先輩に一方的に引っ張られることになった俺は、そのまま先輩の方に引っ張られ……)

成幸 (結果として、先輩を押し倒しているような姿勢になってしまっている……のだろう)

文乃&理珠&うるか 「「「………………」」」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!

文乃 「……ケダモノ」 ボソッ

成幸 「ち、違う! 断じて違うぞ! お前らは何か誤解をしている!」

理珠 「ほぅ。では成幸さんは、先輩を押し倒して何をするつもりだったのですか?」

成幸 「いや、べつに押し倒したつもりはないからな!?」

うるか 「成幸のヘンタイ! エッチ!」

成幸 「ストレートに傷つくからやめろ! 誤解だ!」

505以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:04:37 ID:yuN6bUJk
あすみ 「……おい、後輩。とりあえず重いから、どけ」

成幸 「あ、は、はい!」 イソイソ 「すみません、先輩……」

成幸 (先生、いくら古橋と緒方に会いたくないからって、急に手を放さないでほしいよ……)

理珠&文乃&うるか 「「「………………」」」 ジトーーーーーッ

成幸 (おかげで変な誤解をされてるし、正直に話してしまいたいところだけど……)

真冬 「………………」 フルフルフルフル

成幸 (茂みからの視線がすごい……。これは、話しちゃダメなやつだよな……)

成幸 (さて、どうしたもんか……)

あすみ 「………………」 ハァ (……ったく。しゃーねぇ後輩と先生だな)

あすみ 「……お前ら、何か勘違いしてるみたいだが、お前らが考えてるようなことはないぞ」

あすみ 「つまずいた後輩がよろけただけだ。偶然、アタシを押し倒したようになっちまったけどな」

成幸 「先輩……」

うるか 「な、なんだぁ。それだけかぁ」 ホッ

理珠 「そ、そんなことだろうと思ってました」

文乃 「そうだよね。わたしはもちろん、そう思ってたよ、成幸くんっ」

506以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:05:54 ID:yuN6bUJk
成幸 「お前ら、調子良いこと言うよなぁ……」

あすみ 「で、その食べ物、後輩のために取ってきてくれたんだろ?」

あすみ 「向こうのテーブルで食べるから、先待っててくれ。部屋に忘れ物があるんだ」

理珠 「分かりました! うどんもっと用意して待ってます!」

文乃 「肉も増やしておくね!」

成幸 「い、いや、それ以上はちょっと……」

うるか 「じゃ、待ってるねっ! 成幸! 先輩!」

トトト…………

あすみ 「……ふぅ。行ったか」 スッ 「出てきて大丈夫ですよ、真冬センセ」

真冬 「……感謝。うまく誤魔化してくれて助かったわ、小美浪さん」

あすみ 「ええ。後輩はアタシを押し倒した性犯罪者になりかけましたけどね」

成幸 「ぶっ……! 洒落にならんようなことを言わないでください!」

真冬 「……謝罪。急に手を放したのは申し訳なかったわ。ふたりともケガはないかしら?」

あすみ 「あれくらいでケガするようなヤワな身体はしてませんよ」

真冬 「そう……。よかったわ」

507以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:06:30 ID:yuN6bUJk
真冬 「………………」

成幸 「……先生?」

真冬 「あの子たち、とても楽しそうね」

成幸 「へ……?」

理珠 「……」 うるか 「……」 文乃 「……」 ワイワイワイ

成幸 「ああ……」 クスッ 「ええ。勉強は大変そうでしたけど、でも、充実してましたよ」

成幸 「たくさん頑張ったから、今はすごく楽しいんだと思います」

成幸 「そう……」

あすみ 「せっかくなんだし、声でもかけてったらいいじゃないですか」

真冬 「迷惑。あの子たちは、大嫌いな私の顔などみたくもないでしょう」

成幸 「そ、そんなこと……」

真冬 「………………」

クルッ

真冬 「予備校と旅館の方に挨拶をして帰るわ。これ以上、あの子たちと接触するリスクは避けたいから」

あすみ 「あれ、先生? キスのことはいいんですか?」 ニヤァ

508以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:07:17 ID:yuN6bUJk
成幸 「……!?」 (何でわざわざ蒸し返すんだ先輩!?)

成幸 (いや、間違いなく俺が困る様を見るためだろうけど!!!)

真冬 「………………」

成幸 「ち、違うんですよ先生! キスも何もないです! 俺と先輩はそういう関係じゃ……――」

真冬 「――……不問。キス云々のことは、とりあえずおいておくことにするわ」

成幸 「……って、へ?」

真冬 「あなたの帰りが遅くなると、またあの子たちが探しに来るわ。だから、仕方なく、よ」

ジロリ

真冬 「ただし、不純異性交遊は絶対に許しませんからね」

成幸 「先生……」

あすみ 「……だってさ、後輩?」 ニヤリ 「じゃ、不純じゃない交遊としゃれ込むか?」

成幸 「良い感じの話で終わりそうだったのに何でそう蒸し返すんですかー!!」

あすみ 「……とまぁ、後輩からかうのはこれくらいにして、と」

あすみ 「……真冬センセ」

真冬 「……? 何かしら?」

509以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:07:58 ID:yuN6bUJk
あすみ 「あいつら、べつに先生のこと嫌ってなんかいないと思いますよ」

真冬 「っ……。何の根拠があって、そんなことを言うのかしら」

あすみ 「根拠と言われると弱いですけど……」

あすみ 「アタシも散々進路変えろって先生に言われましたけど、」

あすみ 「……アタシ、べつに真冬センセのこと嫌いじゃないですよ?」

真冬 「………………」

カァアアアア……

真冬 「……し、主観。客観性に乏しい、ただのあなたの感想だわ、それは」

あすみ 「ま、そりゃそうか」 クスクスクス……

真冬 「……失礼するわ。邪魔したわね。唯我君、小美浪さん」

トトトトト……

あすみ 「……結局何も食べずに行っちゃったよ。ま、緒方たちがいるなら仕方ないか」

成幸 「………………」 ニヤニヤニヤ

あすみ 「……あんだよ、後輩。その生暖かい目は」

成幸 「いや、先輩も優しいところあるなぁ、って……」 ニヤニヤニヤ

510以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:08:33 ID:yuN6bUJk
あすみ 「ほーぅ。いい度胸だな、後輩」

あすみ 「今度真冬センセにあることないこと吹き込んでやろうか?」

成幸 「じ、冗談です! それだけは勘弁してください!」

あすみ 「……ったく。すぐヘタれるようじゃアタシに喧嘩売るのは百年はえーっての」

あすみ 「………………」

あすみ 「……なぁ、後輩」

成幸 「……? なんですか?」

あすみ 「いつか、センセと緒方たち、フツーに話ができるようになるといいな」

成幸 「………………」

成幸 「……はい、本当にそう思います」

成幸 (……本当に、いつになるか分からないし、そんなときが来るのかも分からないけど、)

成幸 (あのまっすぐな奴らと、まっすぐな先生が、一緒に笑い合えるような日がくれば、いいな)

おわり

511以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:13:47 ID:yuN6bUJk
………………幕間1 「別腹」

うるか 「あ、センパイ! 成幸! 遅いよもー!」

あすみ 「悪い悪い。ちょっと手間取ってさ」

理珠 「先輩の分も取ってありますから、存分に食べてください」

成幸 「ああ、ありがとな……って……」

ドーーーーーン

成幸 「な、なんだこの肉の量は……」

文乃 「へ? 成幸くん、男の子だからたくさん食べるかなと思って、一人前+α取っておいたよ?」

文乃 「ちょっと多かったかな? じゃあ私も一緒に食べるね!」

うるか 「あれだけ食べてまだ食べるの文乃っち……」

文乃 「もちろん! お日様の下で食べるお肉は別腹だよねー!」 ムシャムシャムシャ

あすみ 「ツッコむ気も湧かねーな……」

おわり

512以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:14:20 ID:yuN6bUJk
………………幕間2 「姉弟」

あすみ (……ん、そういや結局姉弟云々のこと後輩に聞きそびれちまったな)

あすみ (ったく。何が姉弟ごっこだよ。アタシは後輩が弟なんてご免だけどな……)

ポワンポワンポワンポワン………………

成幸(弟) 『あすみ姉ちゃん、受験頑張ろうな!』

成幸(弟) 『大丈夫だよ! 姉ちゃんなら絶対国立医学部受かるよ!』

成幸(弟) 『えへへ。姉ちゃんのために、対策プリントたくさん作ったからな』

成幸(弟) 『俺、姉ちゃんの作ってくれるご飯大好き! 姉ちゃんの料理は世界一だな!』

成幸(弟) 『いつもありがとな、姉ちゃん。姉ちゃん、大好きだよ!』

………………ポワンポワンポワンポワン

あすみ 「………………」 ハッ 「……あ、アタシは何考えて……ん?」

ツーーーーーポタッ……

あすみ 「な、何で鼻血が……」

おわり

513以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 22:18:13 ID:yuN6bUJk
>>1です。
読んでくださった方ありがとうございました。

>>240さんから着想を得て書きました。
ありがとうございました。
夏ももう終わってから投下するなよと自分でも思いますが。
申し訳ないことです。
今回の話はアニメに準拠しているつもりです。


毎週、アニメの話からSSを書こうかなと思います。
近いうちに第二話に関係したSSも投下したいと思います。
ちょっと出足が遅れてしまいましたが、三話以降はアニメ放送後すぐくらいに投下できるようにがんばりたいです。


また読んでくれたら嬉しいです。

514以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/15(火) 23:38:52 ID:XP21mx9w
おつー

515以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/16(水) 06:33:41 ID:YMQGMkAM
乙です

516以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/16(水) 12:10:38 ID:sWV4VY4k
きてるやん!!
おつんこ

517以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/16(水) 15:31:02 ID:maOO1N7.
乙です
楽しみにしていました

518以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/16(水) 22:43:58 ID:EIKuiBbg
おつ

519以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/29(火) 21:43:59 ID:TGvyu8.2
アニメは旅館後のsns騒動カットか…

520以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/30(水) 23:57:30 ID:ipRpMCgc
再開来てたか乙
ここのssもアニメ化してほしいわ

521以下、名無しが深夜にお送りします:2019/10/31(木) 21:46:25 ID:ssobg012
ハロウィンssはよはよ��

522以下、名無しが深夜にお送りします:2019/11/06(水) 03:49:42 ID:mn.Omhak
シエンタ

523以下、名無しが深夜にお送りします:2019/11/07(木) 00:15:10 ID:iLuObUaI
ようやっとアニメ5話まで見たぞ
やっぱり敵対心丸出しの水希ちゃんかわいいよね

だから>>190このssも早くアニメ化して?

524以下、名無しが深夜にお送りします:2019/11/14(木) 21:23:53 ID:xtkT2/V6
舞ってるで

525以下、名無しが深夜にお送りします:2019/11/19(火) 05:04:16 ID:PO4bTZT2
やっぱ文系回面白いわ

526以下、名無しが深夜にお送りします:2019/11/20(水) 00:19:00 ID:tKMIRqCI
ほんと1年振りくらいに話進展しましたね

527以下、名無しが深夜にお送りします:2019/11/21(木) 01:24:13 ID:ZalBax36
本スレで語りたいのに語れないジレンマ
五等分も僕勉も今週は神回よ

528以下、名無しが深夜にお送りします:2019/11/22(金) 22:32:24 ID:69Y3XYnQ
いい夫婦の日記念ssはよ

529以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/01(日) 01:49:56 ID:ET2AQN0g
アニメが神回だったのでこのスレも復活はよ

530以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/09(月) 19:41:38 ID:G3/J96O2


531以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/26(木) 17:05:46 ID:Plix4l3.


532以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:36:27 ID:bivwmP6g
>>1です。
すみません、結局長らくお待たせしてしまいました。
待っていてくださった方、いらっしゃいましたらありがとうございます。ごめんなさい。

アニメ二話直後の話と思っていたければ幸いです。
ついでに、桐須先生のお誕生日記念のSSだと思っていただければ嬉しいです。

成幸 「俺ひとりで家事代行サービスですか?」

533以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:41:43 ID:bivwmP6g
………………朝 メイド喫茶HighStage

マチコ 「そうなの。唯我クンご指名なの。必ずひとりで来るように、って」

マチコ 「しかも時間指定は上限一杯で依頼は掃除だよ。変だよね」

成幸 「はぁ……?」

ヒムラ 「なにそれ? ちょっと怪しくない?」

ミクニ 「唯我クン可愛いからなぁ。ファンの妙齢のお姉さんとかじゃない?」

ヒムラ 「だとすれば、唯我クンが無防備にひとりで家に入った瞬間、パクッと……」

ミクニ 「!? だから時間が上限一杯なのね!? 唯我クンを目いっぱい堪能できるように!」

成幸 (何言ってるんだろうこの人たちは……)

マチコ 「うーん、そんなことになったらあしゅみーが悲しむよねぇ……」

マチコ 「怪しいし、やっぱり断っておいた方がいいかな」

成幸 「ちなみに、どんな方からのお願いなんですか?」

マチコ 「ああ、うん。お名前と住所はこれだよ。この人」

成幸 「……? ん?」 ハッ 「えっ、この人ですか……?」

マチコ 「へ? 唯我クン、知り合いなの?」

534以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:42:13 ID:bivwmP6g
………………マンション前

成幸 「………………」

成幸 (……なぜあの人がわざわざ俺を指名したのか、理由は分からなくはないけど)

成幸 (でも、何でわざわざハイステージにお願いをしたんだろうか……)

成幸 (ま、いいけどさ。そろそろ時間だし、インターフォン押すか……)

ピンポーーン……ガチャッ

?? 「正確。時間厳守ね。素晴らしい心がけだわ」

成幸 「どうも、こんにちは。ハイステージから家事代行で参りました、唯我です……」

成幸 「……って、わざわざ自己紹介する必要もないですよね……」


成幸 「――……桐須先生」


真冬 「ええ。では、お願いするわ。唯我君」

成幸 「はい。お邪魔します」

535以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:42:48 ID:bivwmP6g
成幸 (どうせいつもどおりグチャグチャなんだろうな……)

成幸 「……!?」

キラキラキラ……!!!!

成幸 「なっ……!」

真冬 「どうかしたかしら?」

成幸 「……す、すごく綺麗な部屋ですね。桐須先生」

真冬 「あら、どうもありがとう」 フフン

成幸 (すごいドヤ顔だ。がんばって掃除したんだろうな……)

成幸 「でも、家事代行の依頼は掃除になっていますけど……」

真冬 「謝罪。どうやら、生来の綺麗好きがたたってしまったようね」

クスッ

真冬 「……と、いうことで、掃除に関してはしてもらうことはないわ」

成幸 「へ……? でも先生、時間は上限一杯指定されてますけど……」

536以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:43:20 ID:bivwmP6g
真冬 「ええ。だから、あなたには他に何をしてもらおうかしら」

成幸 「……!?」


―――― 『なにそれ? ちょっと怪しくない?』

―――― 『唯我クン可愛いからなぁ。ファンの妙齢のお姉さんとかじゃない?』

―――― 『だとすれば、唯我クンが無防備にひとりで家に入った瞬間、パクッと……』

―――― 『!? だから時間が上限一杯なのね!? 唯我クンを目いっぱい堪能できるように!』


成幸 (ま、まさか、ヒムラさんとミクニさんが言っていた通り……!?)

真冬 「さ、唯我君。早く出しなさい」

成幸 「だ、出しなさいって、いや、そんな……」

真冬 「どうせ持っているんでしょう? 勉強道具」

成幸 「いや、俺は、その、そういうのは……」

成幸 「………………」

成幸 「……へ?」

537以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:44:10 ID:bivwmP6g
………………

成幸 「………………」

カリカリカリ……

真冬 「完璧。だいぶ基礎が身についてきているわね。いいことだわ」

成幸 「あ、はい。ありがとうございます、先生」

成幸 (……何をアホな勘違いをしていたんだろうか、俺は)

成幸 (いや、でもまさか、お金を払って俺を家に呼んで、勉強させるとは思わないもんな……)

成幸 (……っていうか俺、何で仕事中に勉強してるんだろう)

真冬 「……ん、そろそろお昼ね。休憩しましょうか」

成幸 「はい、わかりました。お茶でもいれますね」

真冬 「いいわ。君は座ってなさい。私がいれてくるから」

成幸 「あっ……」

成幸 (……俺が動く前に、本当に台所に行ってしまった)

成幸 (俺が家事をしなくちゃならないのに、先生にさせるのは申し訳ないな)

成幸 (っていうか大丈夫かな。また湯飲みでも割ってケガでもしないかな……)

538以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:44:44 ID:bivwmP6g
真冬 「お待たせ。緑茶よ……って」

真冬 「……救急箱を持って何をしているの、君は」

成幸 「あ、いえ。先生がいつケガしてもいいようにスタンバイしてました」

真冬 「……君は本当に私のことを何だと思っているのかしら」

成幸 (……ドジっこ無防備女教師)

真冬 「今、とてつもなく失礼なことを考えていないかしら……?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!

成幸 「め、滅相もないです! お茶、いただきます!」 ズズズ……

真冬 「まったく……」 ズズズ……

成幸 「………………」

成幸 「……あの、先生」

真冬 「? 何かしら?」

成幸 「どうして俺を指名して家事代行をお願いしたんですか?」

成幸 「しかも、掃除を依頼していたのに、しっかりと掃除してあるし……」

真冬 「前と同じよ。教師の威厳を保つために、小美浪さんには汚い部屋なんて見せられないわ」

真冬 「だから君を指名して家事代行をお願いしたのよ」

539以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:45:14 ID:bivwmP6g
真冬 「そうしたら偶然掃除をする気になってきて、君が来る前に部屋が綺麗になってしまったの」

真冬 「それだけよ」

成幸 「………………」

成幸 「……いや、それで納得しろというのはいくらなんでも無理ですよ、先生」

真冬 「ん……」

成幸 「………………」 ジーーーーッ

真冬 「……分かったわ。白状するわよ」

真冬 「この前のお詫びよ。それから、日頃の感謝かしら」

成幸 「へ……?」

真冬 「この前、小美浪さんと一緒に家事代行に来たとき、あなたに掃除をさせてしまったでしょう?」

真冬 「あなたに申し訳ない事をしてしまったから、そのお詫びと……」

真冬 「いつも、あなたに掃除をさせてしまって、勉強時間を奪ってしまっているから……」

真冬 「その感謝の気持ちも込めて、バイトの時間も勉強をさせてあげようとしたの」

カァアアアア……

真冬 「羞恥。自分で話すと恩着せがましくて嫌だわ。だから言いたくなかったのよ……」

540以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:46:01 ID:bivwmP6g
成幸 「先生……」

クスッ

真冬 「唯我君……?」

成幸 「……まったくもう。最初は何事かと思いましたよ。そんなことを考えてくれてたんですね」

成幸 「ありがとうございます。そのお気遣いだけで嬉しいです」

成幸 「でも、さすがに勉強を教えてもらってお金は受け取れないですよ」

真冬 「不可。後で払うからちゃんと受け取りなさい。それは正規の契約に基づいた謝礼なのだから」

成幸 「でも……」

真冬 「日頃掃除をしてもらっているのだから、それくらいさせてちょうだい」

真冬 「でないと、一生あなたに頭が上がらなくなってしまうわ」

成幸 「……わかりました」 ニコッ 「ありがとうございます、先生」

真冬 「それから、もう一つ……約束もあったから」

成幸 「へ? 約束……?」

ピンポーーーーン

真冬 「来たようね。ちょっと待っていてちょうだい」

541以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:46:42 ID:bivwmP6g
成幸 「?」 (お客さんかな……?)

真冬 「ご苦労様です。どうもありがとう」

成幸 (いや……)

真冬 「……お待たせしたわね。さ、机の上を片付けてくれるかしら」

成幸 「へっ? 先生、それって……」

成幸 「店屋物?」

真冬 「ええ。少し早いけど、お昼ご飯にしましょう」

コトッ

真冬 「これで、やっと約束が果たせるわね。さ、どうぞ」

成幸 「……!?」

成幸 (こ、この四角い器は、お重!? これは、まさか……)

成幸 (噂に名高い超高級品の……)

パカッ

成幸 「ほんとにうな重だー!?」

キラキラキラキラキラ……!!!!!

542以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:47:19 ID:bivwmP6g
成幸 (キラキラと独特の光沢を放つ焦げ目……)

成幸 (身の合間から見えるタレの染みこんだご飯……)

成幸 (そして何と言ってもこの、香ばしいタレの香り……)

グゥゥゥウウウ……

成幸 (なんて食欲をそそる食べ物なんだ……!!)

成幸 (でも……)

真冬 「? どうかしたかしら?」

成幸 「こ、こんなお高い食べ物を、いただいていいんでしょうか……?」

真冬 「……? 何を言っているの、唯我君。約束したでしょう」

成幸 「えっと……すみません、さっきから言ってる “約束” って……」

真冬 「したわ。小美浪さんとふたりでうちに来たとき」

真冬 「……あなたに掃除をしてもらったときに」

543以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:48:07 ID:bivwmP6g
成幸 「へ……?」


―――― 『うわっ なんでたった数日で元に戻ってるんですか!』

―――― 『え……? 教師の威厳? はぁ……』

―――― 『えっ うな重!!?』


成幸 「あっ……」 ハッ 「あのときですか!」

真冬 「ええ。思い出してもらえたようで何よりだわ」

真冬 「そういうことだから、遠慮する必要はないわ。食べてちょうだい」

成幸 「じ、じゃあ、そういうことなら……」

成幸 「いただきます!」 モグッ…… 「……!?」

成幸 (う、うなぎやわらかー! タレとからまって、ご飯とよく合うなー!)

成幸 (うな重って、こんな美味しいものなのか……)

モグモグモグ……

成幸 (し、幸せ……) ジーーーン……

真冬 「………………」 クスッ (……まったく。美味しそうに食べてくれるものね)

544以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:49:10 ID:bivwmP6g
………………夜

成幸 「………………」

ピピピピピピ……

成幸 「あっ、仕事終わりのアラーム……ってもうこんな時間か」

真冬 「時間が経つのを忘れていたということは、集中できていた証拠よ。がんばったわね」

成幸 「はい。いつもより頭が冴えている感じがします。ありがとうございました、先生」

真冬 「……だから、何度も言わせないでちょうだい。日頃のお返しよ」

真冬 「さ、では暗くなる前に帰りなさい。今日は家事代行ご苦労様でした」

成幸 「何もしてないですけどね」

成幸 「うな重もごちそうさまでした。めちゃくちゃ美味しかったです」

真冬 「それも約束を果たしただけよ。気にすることはないわ」

真冬 「……いつも、本当にありがとう」

成幸 「っ……」 ドキッ 「い、いえ。べつに、そんな……」

成幸 (な、なんだろ。今日の先生、妙にしおらしくて、少しヘンな感じだ……)

545以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:49:49 ID:bivwmP6g
真冬 「………………」

成幸 「………………」

ドキドキドキドキドキドキドキドキ……

成幸 (な、なんか、調子狂うな……――)

ガタッ……

成幸 「ん……?」

バタバタバタバタドンガラガッシャーン!!!!

成幸 「!?」

真冬 「あっ……」

成幸 (クローゼットと戸棚から一斉に、物が雪崩のようにくずれ落ちてきたぞ!?)

真冬 「………………」

成幸 「……あの、先生? 片付けたって言ってましたよね?」

真冬 「………………」 プイッ 「……一応、片付いてはいたでしょう?」

成幸 「ゴミや不要物をどこかに押し込めることを片付けとはいいませんよ!」

真冬 「む……」

546以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:50:19 ID:bivwmP6g
真冬 「………………」

プクゥ

成幸 「またそんなむくれた顔をして……」

成幸 (……まったくもう)

クスッ

真冬 「……な、なんにせよ、あなたの家事代行の時間は終わったでしょう。早く帰りなさい」

成幸 「ええ、そうですね。家事代行は終わったので……」

スッ……

真冬 「……っ、何をやっているの。片付けは私がやるわ。だから君は――」

成幸 「――家事代行は終わったので、いつもどおり一緒に片付けをしましょうか、先生」

真冬 「へ……?」

成幸 「今日はいつも勉強を教わるのを、先払いしてもらっちゃいましたし」

クスッ

成幸 「さ、先生も。早くやりましょう」

547以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:50:54 ID:bivwmP6g
真冬 「唯我君……」

クスッ

真冬 「……まったくもう。またお返しをしなくちゃいけないじゃない」

成幸 「それより何より、まず部屋を汚さないようにしてください」

真冬 「し、辛辣。正論は時に人を傷つけることを知るべきだわ、君は」

成幸 「はは……」

成幸 「………………」

成幸 (……先生、いつも俺が掃除をしていること、感謝してくれてたんだな)

成幸 (でも、先生)


―――― 『時間が経つのを忘れていたということは、集中できていた証拠よ。がんばったわね』


成幸 (それと同じくらい、俺も……)

成幸 (先生が勉強を教えてくれること、感謝してるんですよ)

おわり

548以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:51:46 ID:bivwmP6g
………………幕間 「におい」

葉月 「んー?」

成幸 「ん、どうした、葉月。兄ちゃんにそんなにべったりくっついて」

葉月 「なんか、兄ちゃんの服から良い匂いがするの。美味しそうな匂い……」

成幸 「あ、ああ。今日兄ちゃん、ごちそう食べて来ちゃったからな……」

成幸 「ごめんな、葉月。いつか兄ちゃんがお金稼げるようになったら、葉月にも食べさせてあげるからな」

水希 「………………」

ギラリ

水希 「……そうだね、葉月。お兄ちゃんから匂いがするね」

水希 「どこの誰か知らないけど、発情した年上のメスネコらしき匂いが……!」

和樹 「そっち!?」

おわり

549以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 00:58:34 ID:bivwmP6g
>>1です。
読んでくださった方、ありがとうございました。
長らく間を開けてしまって申し訳ありません。

宣伝というわけではないですが、本日、某イベントに参加します。
夏はこの一連のスレで投下したSSを小説調に直して頒布というかなり手抜きな内容だったのですが、
今回はきちんとイベントのために書いた小説を頒布します。
恐らく明日ぼく勉で参加するのは私だけかと思いますので特定は簡単かもしれません。それが何だというわけではありませんが。
とりとめもない自分語りをしてしまいました。申し訳ないことです。


来年はできるだけ間を開けないようにこのスレにSSを投下し続けたいと思います。
本編も佳境に入ってきたような気がしますが、今後が非常に楽しみですね。明日のアニメもとても楽しみです。
このスレも、時々覗いていただければ幸いです。

本年、見ていただいた皆さん、レスをくださった皆さん、ありがとうございました。
また来年も見て頂ければ、レスをいただければ嬉しいです。

550以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 03:49:05 ID:mybs7Tvg
おつ。来年もよろしく

551以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/28(土) 04:37:45 ID:6QT4AYjQ
乙です
久しぶりの投下ありがとうございます
来年も宜しくお願いします

552以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/29(日) 16:56:02 ID:FLk5IAt2
おおお!!


553以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/29(日) 23:33:11 ID:FLk5IAt2
遅れてアニメ見たら酷過ぎてビビったわ

554以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/30(月) 00:50:23 ID:GpJqPOZY
まあ、作者がうるかエンドにするって決めたんだからしゃあない
もう辛くて原作読めないが
このssスレだけ楽しみにしてます…

555以下、名無しが深夜にお送りします:2019/12/31(火) 03:21:53 ID:eMIy9H3g
アニメネタバレはしないでしょ(願望)
3期を完全に潰された方が辛いよ

556以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/01(水) 08:50:24 ID:.YtgyuNg
おつんこ!

コミケのタイミング悪いな
あのアニメと同日の開催て
うるか好き以外全滅したで

557以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/01(水) 09:28:23 ID:Pg.blAn6
まあ何はどうあれ>>1のssは神
今年も楽しみに待ってます…!!

558以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 18:17:43 ID:8j7WrGb.
後生だからコミケの本委託してくれ

559以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:00:59 ID:cJVSX9MM
>>1です。
投下します。


【ぼく勉】 理珠 「もう気づいてしまいましたから」

560以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:01:30 ID:cJVSX9MM
………………年末 七緒図書館

理珠 「うー……」

文乃 「むむむむ……」

うるか (リズりんと文乃っち、難問に当たってるみたいだなぁ)

うるか (クリスマスからずっと根詰めてるもんね。センター受ける組は大変だ)

うるか (でも最近険しい顔してることが多い気がするなぁ。うーん……)

ハッ

うるか 「……ねぇねぇ、リズりん、文乃っち」

理珠 「? なんですか、うるかさん?」

うるか 「大晦日の夜なんだけどさ、一緒に初詣に行かない?」

文乃 「へ? 初詣?」

うるか 「うん! 息抜きとゴーカクキガンも兼ねてさ! 最近ふたりとも根詰めすぎだかんね!」

文乃 「うるかちゃん……」

理珠 「うるかさん……」

561以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:02:26 ID:cJVSX9MM
文乃 「せっかくだし、行こっか、りっちゃん」

理珠 「そうですね。少しくらいならいいですよね」

うるか 「せっかくだし、みんなも誘っちゃおっか! あたし、海っちと川っちに声かけてみんね!」

文乃 「んー、じゃあわたしも鹿島さんたちに声かけてみようかな」

理珠 「では、私は関城さんに声をかけてみます」

うるか 「えへへ、なんか楽しみになってきたね! 屋台で色んなもの食べよーね!」

理珠 「まったく……。うるかさん、メインはお参りと合格祈願ですからね」

文乃 「ふふ、そんなこと言って、りっちゃんも屋台のうどんが楽しみなんじゃない?」

理珠 「む……。それは、否定しませんが……」 プイッ 「文乃はずるいです」

文乃 「えへへ、ごめんごめん。わたしも屋台の食べ物楽しみだよ」

文乃 「アメリカンドッグに焼き鳥に焼きそば……。あと牛串とか……」

うるか 「ふ、文乃っち。どんだけ食べるつもりなの……」

562以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:04:14 ID:cJVSX9MM
うるか 「……あっ、でさ、あのさ」

カァアアアア……

うるか 「べ、べつに他意はないけどさ。その……のけ者にするみたいで嫌だし……」

うるか 「なっ、なな、成幸もさ、その……誘って、みよっか、とか……///」

うるか 「べ、べつにヘンな意味はないからね!? と、友達として? 誘ってあげるだけで……」

理珠 「おお、それはいいですね。成幸さんこそ根を詰めすぎな気がします。いい気晴らしになると思います」

うるか 「そ、そうだよね!」 パァアアアアアア……!!! 「じゃあ、こばやんと大森っちに誘ってもらうね!」

文乃 (うるかちゃん乙女すぎるよ。色々とだだ漏れだよ……)

文乃 (ここにいるのがりっちゃんじゃなかったら色々とお察しされてるところだよ……)

理珠 「……成幸さんが、来る。成幸さんと一緒に、お参り……///」

理珠 「ふふふ。楽しみです……///」

文乃 (りっちゃんはりっちゃんで色々と漏れてるよ……)

文乃 (まったく。ふたりとも可愛いんだから) クスッ

文乃 「………………」

文乃 (……成幸くん、来るのかぁ)

563以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:04:57 ID:cJVSX9MM
文乃 (べつに、だからってわたしは、ふたりと違って何かあるわけじゃないけど……)


―――― 『ねーねーどうかなぁ唯我君? ゆ・か・た! 似合ってる?』

―――― 『ふ 2人とも似合ってるな』

―――― 『古橋なんてとくに板についてるというか…… 大和撫子って感じだよな』


文乃 「………………」

文乃 「……わたし、振り袖でも着てっちゃおうかな」 ボソッ

文乃 (そしたらまた、夏祭りの時みたいに褒めてくれるかな……)

ハッ

文乃 (わ、わたしってば、何バカなこと考えてるのかな。そんなの……)

うるか 「文乃っち……?」 理珠 「文乃……」 ジーーーーッ

文乃 「へ……? へぇ!?」

文乃 (ひ、ひょっとしてわたし、声に出してた!?)

うるか&理珠 「「………………」」 ジーーーーーーーーッ

文乃 (ま、まずいよ〜〜〜! 2人とも滅茶苦茶こっち見てくるよ〜〜〜〜!)

564以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:06:20 ID:cJVSX9MM
うるか 「いいね! 振り袖って着たことないけど着てみよっか!」

文乃 「へ……?」

理珠 「わたしも興味があります。和装は慣れていますが、振り袖は着た事がありません」

文乃 「あ……そ、そうだよね。ふたりも着てみたいよね!」

文乃 (せ、セーフ! 成幸くんに関してのところは声に出してなかったみたい!)


―――― ((そしたらまた、夏祭りの時みたいに褒めてくれるかな……))


文乃 「っ……」

文乃 (わたし……何考えてるんだろ。成幸くんはわたしの弟みたいなもので、りっちゃんとうるかちゃんの好きな人で……)

文乃 (でも……――)

うるか 「――でも、振り袖ってどうやって着るの? っていうか、家にあるかなー」

文乃 「へ!? あ、そ、そうだね。たぶん美容室とかでレンタルと着付けをしてもらうんだと思うけど……」

文乃 「……よく考えたら年の瀬の今からで間に合うかな。もうどこも予約で一杯かな」

うるか 「うーん……」

理珠 「美容室ですか……」

565以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:07:53 ID:cJVSX9MM
理珠 「………………」

文乃 「りっちゃん?」

うるか 「リズりん?」

理珠 「……ちょっと聞いてみないと分かりませんが」

理珠 「予約が空いているであろう美容室に心当たりがあります」

566以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:08:30 ID:cJVSX9MM
………………大晦日

文乃 「………………」


―――― 理珠 『電話をしてみたところ、快くオーケーをしてくれました』

―――― 理珠 『振り袖もたくさんあるから、好きなものを選んでもらって構わないとのことです』

―――― 理珠 『大晦日の夕方くらいに伺う予約を取ったので、待ち合わせて一緒に行きましょう』

―――― うるか 『さっすがリズりん! すごいね!』


文乃 (……水を差すようで嫌だったから何も言わなかったけど、怪しいよね)

文乃 (着付けまでしてくれる美容室って、この時期すごく忙しいんじゃないのかな……)

文乃 (しかも、ついこの前まで自分で髪を切ってたりっちゃんがそんな美容室をしってるなんて……)

文乃 (……変なお店だったら、わたしがりっちゃんとうるかちゃんを守らないと)

うるか 「あ、文乃っちー! こっちこっちー!」

文乃 「あっ、うるかちゃん、りっちゃん」

理珠 「全員揃いましたね。では――」

「――――きゃァーーーーーーッ!! すごい逸材揃いだわァ!?」

567以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:09:02 ID:cJVSX9MM
文乃 「!?」

ドドドドドド……!!!!

文乃 (変な女の人がすごい勢いでこっちに走ってくる!? 変質者!?)

理珠 「あちらの方が美容室の烏丸さんです」

文乃 「あれが!?」

烏丸 「は、はぁ、はぁ……」 ゴクリ 「ち、近くで見ると、改めてすごいわァ……!」

烏丸 「緒方さん、ご紹介ありがとう! あなたのお友達だけあって美人揃いねェ!」

烏丸 「ダイヤにルビーにサファイア……! 壮観な光景だわァ!!」

ツーーーー……

烏丸 「い、いけないわァ。興奮しすぎて鼻血が……」

文乃 (紗和子ちゃんといいこの人といい、りっちゃんはこの手のヘンタイに好かれるフェロモンでも出してるのかな!?)

うるか 「あはは、なんかすごい人だねぇ、文乃っち」

文乃 「あの人を笑って済ませられるあたりうるかちゃんも大物だよね……」

牧上 「……あっ、いた! ちょっと、店長! 勝手に店飛び出してどこかに行かないでくださいよ!!」

568以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:09:47 ID:cJVSX9MM
………………SALON'DE KARASUMA

牧上 「先ほどは店長が大変失礼致しました……」 ペコペコ

文乃 「い、いえ……」 (この店員さん、苦労してそうだなぁ)

牧上 「ヘンな人ですが、腕は確かなので安心してくださいね」

烏丸 「牧上さァん! 準備できたかしら!? 私もう我慢できないわァ!」

文乃 (そうは言っても不安だよ……)

烏丸 「ん……? んん!?」 ズズイ

文乃 「ひっ……!? な、なんですか?」 (近い! 近すぎだよこの人!)

うるか 「ほんとにすごい人だね、文乃っち」 クスクスクス

文乃 「笑ってられるうるかちゃんもなかなかだよ……」

烏丸 「この香りは……あなたたち、恋をしているわねェ?」

文乃&うるか 「「!?」」

文乃 「な、何を、いきなり、そんな……」

うるか 「こ、恋なんて、なんのことやら分からないかなぁ〜……?」

569以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:10:18 ID:cJVSX9MM
烏丸 「誤魔化してもダメよォ。この毛先から香る恋する乙女のフレグランスを見落とす私じゃないわァ」

烏丸 「し・か・も」

クスッ

烏丸 「この後、ひょっとしてその相手と会う予定があるんじゃないかしらァ?」

文乃&うるか 「「!!??」」 ギクギクッ

うるか 「な、何のことだか〜、わ、わかりませんなぁ〜」

アタフタアタフタ

うるか 「こ、恋とかフレグランスとか、身に覚えがないというかなんというか〜」

文乃 (誤魔化すうるかちゃんも可愛いなぁ……) ホッコリ

烏丸 「武元さんは認めてくれないようだけど、あなたはどうかしら? 古橋さん?」

文乃 「へ!? い、いやいや、わたしも何のことだか分かりませんけど!?」

570以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:11:22 ID:cJVSX9MM
烏丸 「あら、ほんとにィ?」

文乃 「本当ですよ! 恋とか、そんなの……」


―――― 『星のこと話してる古橋 俺は好きだけどな』

―――― 『起きてる』


文乃 「!?」

文乃 (わ、わたしのバカバカバカ! 何で成幸くんのことなんて思い浮かべてるのよー!)

文乃 (成幸くんはりっちゃんとうるかちゃんの好きな人なんだからー!)

文乃 (そういうのじゃないんだからー!)

ポカポカポカポカポカ!!!

うるか 「ふ、文乃っち大丈夫? 急に自分の頭たたき出してどうしたの……?」

烏丸 「フフフ、可愛い子たちねェ」

烏丸 「あら……?」

理珠 「………………」 ペラ……ペラ…… 「……ふむ、なるほど。こんな髪型もあるのですね……」

理珠 「毛染めは……受験に支障が出る可能性があるのでやめておいた方がいいですね」

571以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:12:18 ID:cJVSX9MM
烏丸 (一心不乱に女性向け雑誌を読んでいる……?)

理珠 「ふむふむ……」

烏丸 「………………」


―――― 『あ あの…… 美容室って初めてでよくわからないのですが……』

―――― 『そこまでするものなのですか……? 私あまりお金は……』


烏丸 (以前とは全然違うわね。すごくいいことだわ……)

烏丸 「……緒方さん、ちょっと待っていてちょうだいねェ。先に二人をやってしまうから」

理珠 「はい、わかりました。待ってます」

烏丸 「……さ、では始めましょうか、武元さん、古橋さん」

烏丸 「ふたりの魅力を振り袖で最大限引き出すヘアメイクをしてあげるわァ!」

うるか 「はーい! よろしくお願いしまーす!」 文乃 「あはは……よろしくお願いします」

烏丸 「さァ! ルビーとサファイアの原石をピッカピカに磨いていくわよォ!」

牧上 「店長! 採算のことは考えてくださいね!?」

572以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:19:15 ID:cJVSX9MM
………………

うるか 「………………」 文乃 「………………」

キラキラキラ……!!!!

うるか 「な、なんか、すごいね、文乃っち」

文乃 「う、うん。少し髪を整えてもらっただけなのに、なんか、綺麗になった気分……」

文乃 (腕は確かだったんだなぁ、あの人……)

烏丸 「フフ♪ お相手さんに褒めてもらえるといいわねェ」

うるか 「!? だ、だから、べつに相手なんて……」

うるか (でも、成幸が褒めてくれたら……えへへ……///)

文乃 (ふふ、いちいち可愛いなぁ、うるかちゃん)

文乃 (ダメダメ朴念成幸くんが褒めてくれるわけないけど、でも、もし褒めてくれたら……)

文乃 「……///」

牧上 (店長じゃないけど、このふたり可愛いな……)

牧上 「……では、着付けとメイクをしますので、こちらへどうぞ」

文乃&うるか 「「はーい!」」

573以下、名無しが深夜にお送りします:2020/01/02(木) 20:19:45 ID:cJVSX9MM
烏丸 「……さて、お待たせしたわねェ、緒方さん」

スッ

烏丸 「前より髪が伸びたわねェ。どうする? 前みたいにエクステを使ってみる?」

理珠 「いえ、あれは重くて大変なので……」

理珠 「それに、今回は一時的なものではなく、その髪型をできるだけ維持したいと思っているので……」

烏丸 「あら? イメチェンしたいってことかしらァ」

烏丸 「なら、どんな髪型にしたいかしら?」

理珠 「それが……先ほどから雑誌を読んでいるのですが、よく分からなくて……」

理珠 「どんな髪型が有効なのか、まるで分からないのです」

烏丸 「有効……?」

理珠 「はい」

スッ……

理珠 「好きな相手が、どんな髪型が好きか。どんな私なら好きになってくれるか……」

理珠 「それが、まるで分からないのです」

烏丸 「!?」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板