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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」
1
:
Mii
:2019/03/31(日) 10:37:38 ID:iLEqj1bw
このスレは
ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」
を前スレとする続編となります。
前スレをご覧になられていない方はそちらを先にどうぞ。
遅い進行のスレですが引き続き頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。
パルテナ「そのほか、いくつか注意点があります。
・スレ主のスマブラfor経験は、CPU(Lv.9)とのタイマンで
勝ち越せない程度の実力しかありません。
戦闘描写に過度な期待をすると酷いことになります。
むしろ、『うわあ、この描写ニワカだな』と粗探しするくらいの気持ちで
読むようにしてください(最重要)。
・前スレ同様、いろいろとパロデイ、メタ発言が散りばめられています。
キャラが自分たちの背景情報を活用する…みたいなご都合主義は
白ける方もいらっしゃると思います。そんな時は…
別のスレに移って、このスレのことは忘れましょう。
パルテナお姉さんとのお約束ですよ♪うふふふふ」
922
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:01:57 ID:d9f/CHtQ
〜キノコ城城下〜
ルカリオ(――――見つけたっ!)
まだそれなりの距離とはいえ…後姿をバッチリと捉え。
若干スピードを落として慎重に追跡。丁度いい、ロゼッタを下ろしてしまおう。
家屋の陰に隠れて小刻みに姿を見失う?波導を読む私にとっては些細な事項。
魔物達は、律儀に彼女だけ無視して暴れている。当然の帰結ではあるが歯痒い。
ルカリオ「トゥーンゼルダ!対象を発見した、あと1分もあれば仕掛けられる!」
トゥーンゼルダ『助かった!他の奴らはまだ遭遇できていなかったんだ!
位置が微妙に悪かったうえに、口頭で伝えるしかないからな…!』ホッ
ロゼッタ「あ、あの、ルカリオさん」
ルカリオ「ルカリオでいい、さん付けはこそばゆい」
ロゼッタ「で、では。ルカリオ、1分と言わず、貴方のスピードで10秒で急接近しましょうよ!
対処を余儀なくされて、簡単に目的の位置から追いやれるはずで――――」
ルカリオ「神速がちょっとPP切れになった、という苦々しい事情もあるが。
駄目だ、追いやるだけでは。いつ舞い戻られるか分からないからな。
時間に余裕は少しあるみたいだから、慎重に近づいて確実に仕留めたい。
察知されて空間転移など使わせてはいけない、気付かれていないのは僥倖だ」
923
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:05:14 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ「で、ですが……なんだか、嫌な予感が――
流石に、一切後ろを振り返らないのは無警戒すぎる、ような――
ゆ、油断しがちな私の分身らしいといえば、らしいのですが…」
ルカリオ「案ずることはない!むしろ、だからこそこのチャンスをものにすべきだ!」
小声で返しつつ、しなやかな足取りで接近、接近。もちろん裏道から、ばれないように。
隠形は得意な方だからな。ロゼッタはその限りではないから、もう少し近づいたら待機してもらおう――――
その時。
ロゼッタがグイッと、ありったけの力を込めて私の背を押しやった。
ロゼッタ「――――――――!!!
ルカリオ、全速力で相手を吹き飛ばして!速くっ!!」
ルカリオ「な、なにをいきなり急に、まだ街の外れは先―――」
こんな中途半端なところで、まさか術を始めるとはとても――――
924
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:09:05 ID:d9f/CHtQ
予想だにしないことが、発生した。
まだまだ城下を抜け出していないのに、偽ロゼッタが動きを、止めた、だと?
数秒の祈るようなそぶりののち、瞬く間に天に片手を掲げ――――
舞い降りる、光の束。静まる、空気。…………足元には、既に、魔法陣の片鱗がっ!?
ルカリオ(途中で、領域拡大を切り上げた、だと!?
追いつく間際の…都合のよすぎる、ギリギリ目一杯のタイミングで!?)
ロゼッタ「――――私たちを含めた追跡作戦が、敵方に漏れていますっ!
私のことは無視して、急いでください!」
ルカリオ「――――なんたる愚!なんたる油断か!」
相手を見くびり、驕っておいてのこの体たらくか!神速がもう使えないのが悔やまれる!
それでも再び、可能な限りの高速で駆ける!このヘマの埋め合わせは、命懸けで――――
そこに迫り来る、大剣の不意打ち――
ガノンドロフ「ハッ!!」ブウゥゥン!!
ルカリオ「ゴフッ!?」
あまりに狭かった視野。巨漢に横槍を許し、一気に肉薄されてしまう。
パワータイプのそれは、たちまち腹にめり込んで私を毬のようにはじき返した…!
925
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:11:27 ID:d9f/CHtQ
ルカリオ「ぐっ…貴様…!」
そびえ立つ、悪意の塊。
ずっしりと構えるは、ハイラルの三傑の一人にして、『力』の具現化のような男――
ガノンドロフ「無様だな――
フン、手間を掛けさせおって。とっとと発動しろ、小娘め」
なんだかんだ、私たちの敵であるのは確かなのだ。
完全な協力関係ではないとはいえ、タブー側を利するように動く、ガノンドロフ。
ロゼッタ(偽)「――――ははっ!最高のタイミングでのアシスト、感謝です。
ハアアアアアアアアアアアアアァァァ――――――――!!!」パアアアア
まだ残る、それなりの距離は、偽ロゼッタを安心させるには十分だったらしい。
足元で紫色に輝く、魔法陣。その輝きは瞬く間に勢いを増す。
一条の光が呻りと共に地を這い、私たちの足元を潜って――
今駆けてきた道を走り、城下の中心部へと駆けていく。
更に偽ロゼッタが伸ばす両腕に従うかのように、左右に走る光。
…届く先は、正多角形の隣の頂点に位置する別の分身体なのだと、素人考えでも容易に想像できた。
ロゼッタ「あ、ああっ!術式が完全に進行していますっ!」
激しい地鳴り、震える大地。私が受ける感覚も大層なものだが。
ロゼッタは特にけたたましい危険サインとして、魔法の発動をその身に感じているらしく、
苦しそうにふらついて頭を抱えている…!
926
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:13:16 ID:d9f/CHtQ
ルカリオ「くそっ!!」
気を改め、分身体に繰り出すは、八頸。
油断していた相手は受け止めることも出来ず、無残に屍を――――
さらすことなく、勝手に、自分から消えて行った。
こちらを伺う最後の表情は、勝ち誇ったなんとも醜悪なもの。
ルカリオ「……ロゼッタ」
ロゼッタ「…………はい」
ロゼッタの方を、半ば放心しつつ、振り返る。
いや、もしかしたら、術式が完成し切らず不発に終わり、要らぬ心配だった、とか…。
藁をもすがる気持ちで、返事を待つ。
ロゼッタ「…………………………………………
拡散術式。最高クラスのが、ガッツリ発動されちゃいました。
どう、しましょう」
振り向き返すロゼッタは、なんとも乾いた笑いを浮かべていた。
927
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:15:26 ID:d9f/CHtQ
切り替えだ。そうだ、頭を切り替えて仕切り直せ。
下手をすると、犠牲者を出すか出さないか、ではなく…
犠牲者を何人減らせるか、という状況に後退してしまったかもしれない。
それでも嘆くのは――――ああ、後回し。
ふと見れば、無防備なロゼッタへと、邪悪に笑って大剣を振り翳すガノンドロフ。
――――!?…どういうわけか、ロゼッタが回避行動をとらない!?
我に返って、素早くロゼッタとの間に滑り込んでガードするっ!
このあたりの覚悟の差は、やはり仕方がないものがあるか!
ロゼッタ「きゃぁっ!!あ、あぶな、かった…!!た、助かりました!
そ、そうですよね!今は死んだら終わりですよね!?残機制じゃ、ない!」
ルカリオ「人のことを言えた義理ではないかもしれないが、余所見をするな!
何を呑気なことを言ってるんだ、全く!脳天に刺されたいのか!」グググッ!
ロゼッタ「――――――――――――??」ズキン
ロゼッタ「……あ、は、はいっ!忠告痛み入ります!」
928
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:17:35 ID:d9f/CHtQ
ガノンドロフ「フン、消え失せろ、死にぞこないの雑魚が――」
ガノンドロフが続けざまに剣を振るう。それも2本。
片手で易々と振り下ろされる大剣はかなりの重量物。
ロゼッタを庇いながらだと流石に辛い!
丁寧に受けて堪えるしかなく、腕から血が滴り落ちる――!
ロゼッタ「―――――――強い…!」ブルッ・・・
ガノンドロフ「魔王の覇に今頃気付くとは、愚かしいにも程が――」
ルカリオ「…いや、流石にロゼッタは敵わないかもしれないが、
ファイター基準でいうとそれ程…というレベルだぞ。
私でもロゼッタを庇う必要さえなくなれば勝てる」
ロゼッタ「…あ、やっぱりですか?
最近、散々扱かれてきた『強者』と比べると、そこまで脅威ではないような気がしていました!
というわけで離れて見学しますっ!押し付けて申し訳ございません!」
ルカリオ「むしろ先に引き返しておいてくれ!すぐに追いかける!」
ロゼッタ「わ、わかりました!」
ガノンドロフ「」
929
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:19:20 ID:d9f/CHtQ
ガノンドロフ「…………ほほう?魔王に盾突くばかりか、愚弄するとは、無謀な獣よ。
ならばここで屍を晒すが――――」プルプル
ルカリオ「波導は、我に、有り――――!」スッ・・・
ガノンドロフ「無駄な真似をっ!」ブゥン!
シュンッ!
ガノンドロフ「ぬう!?小賢しい、フェイントなどとは――」
――――瞬間移動とまではいかないが。
――――相手の心を読み、裏をかいて一気に懐に忍び込み。
――――大剣が頭を掠めて切傷ひとつ。そのくらいなら安い代償だ。
ルカリオ(乾坤、一擲ッ!)
ルカリオ「でやあああああああああっ!!」ズドドドドドドドッ!
ルカリオの インファイト!
効果は 抜群だ!▼
ガノンドロフ「」\98.6%/
930
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:21:36 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ「わぁ…!」
ガノンドロフ「お、のれ――――!」ドクドク
一目散に走っていけばいいものを。
ロゼッタは足を止めてこちらを振り向いてしまっている。
そんなロゼッタには、私が、一瞬のうちに消えたようにみえたかもしれない。
神速を使ったときは手を繋いでいたから、逆に体感できなかっただろうがな。
ルカリオ「――――終わりだあああぁぁっ!!」ゴウッ!
鋼の拳が弾丸となって、ガノンドロフの顔面を貫いた。
ガノンドロフ「」チーン
ルカリオ「…いやまあ、実際に顔に穴が空いたわけじゃないけれども」
ロゼッタ「ソウデスネ、ソウ簡単ニ人体ニ大穴ナンテ空キマセンヨネー」
ルカリオ「…何故棒読み?」
ロゼッタ「アハハ」
931
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:24:03 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ「……失礼しました。――――あ、ガノンドロフが消えて行きます」
ルカリオ「…ああ、そうだな。
やはり本人ではなく、紛い物、か。まあいい。
今回の騒動にはもはや関われなくなっただろう。
おそらく、ハイラルの魔物に関しては士気も下がる。
…それにしても、抜群インファイトで確1取れないか。
まだまだ弱いな、私は――――」
ロゼッタ「……………………」フラッ
ロゼッタ(……あれ?な、なんだかさっきから息が…詰まる?胸が苦しい、ような――
…………………気のせいですか、よかった。今更怖気づくとか勘弁ですよね)
ルカリオ「おいロゼッタ、相変わらず集中力が途切れがちなのか?」
ロゼッタ「まあ、連戦のせいでHPが黄色ゲージに突入してそれなりに経ったとは
自覚していますけど…。でも、致命傷とかは特段受けていませんよ。
鍛えられた成果です、はい!」
ルカリオ「…そうか。大変だろうが、まだまだ気張って貰わなければ困ることになった。
最悪の状況を想定して動くぞ。
間もなく、間違いなく、OFF波動が繰り出される。
そう、それは――――」
――――ほんの5秒後の、ことだった。
932
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:26:14 ID:d9f/CHtQ
〜司令部〜
《タブー軍、偽者のロゼッタ達により拡散術式が発動したことで、やる気上昇!》
トゥーンゼルダ「――――っ!」ギリッ
《ルカリオ、ガノンドロフを撃破!ハイラルの魔物、大幅にやる気低下!》
トゥーンゼルダ「それはいい、いいことなんだが…!
手放しでは喜べない、な。
一体全体、どうして敵に情報が漏れた…!?」
キノピオ「…………?」ヒソヒソ
キノピオ「……………………?」ヒソヒソ
ソニック『おい、司令部!こちらソニック!一大事だ、報告するぜ!
もう少し早く伝える機会が有ればと思うと、ノロマな自分が腹立たしい!』
トゥーンゼルダ「ど、どうしたソニック!こちらもパニックになり掛けていて…」
933
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:28:33 ID:d9f/CHtQ
ソニック『情報が漏れた、しょうもない絡繰りが分かったぜ!
ルフレ…じゃなかったか、ギムレーって奴がいただろ?
そいつに一部の工作員キノピオが襲われてやがった!
瀕死の所をなんとか逃走優先で救出したが!』
トゥーンゼルダ「何だと!?」
ソニック『要するに、余ってた通信機を敵側が奪い取ったってことらしい!
そん時から、俺たちの情報のやり取りが筒抜けになってる!
…もちろん、この会話含めてな!伝えるかどうかちょっと迷ったぜ!』
トゥーンゼルダ「……!!」アゼン
ソニック『――――いいか、頼んだぞ!お前の知恵にかかってる!』プツッ
トゥーンゼルダ(ソニック…!迂闊に口を滑らせることを避けてくれたのか。
だが、私の方こそ、迂闊に指示を出すと、裏を掻く側が圧倒的に有利――
このドタバタ状況で、通信機の識別なんか、できていない!
ピーチなら割り出し可能かもしれないが、少なくとも私には無理難題!
通信機が、もう、使えないっ!?)
トゥーンゼルダ「み、皆!しばらくの間、各自判断で行動してくれ!
私からの指示は一旦保留とする!皆からの状況報告のみ、
随時…司令部に向けて行ってもらいたい!不甲斐なくて済まない!」
トゥーンゼルダ(これでは、あまりにも――)
934
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:30:33 ID:d9f/CHtQ
トゥーンリンク「ゼ、ゼルダ!しっかり!きっと対策があるはずだよ!」
ヒルダ「本当に、酷い…………」
ゼルダ「…もう我慢できません。私も会場外の助太刀に参ります!
トゥーンゼルダの警護は任せましたよ!」ダダッ!
トゥーンゼルダ「…あ、あ。たのみ、ます」ウツロ
トゥーンリンク「ねえ、元気出してってば!精神が揺らぎ始めてるよ!」ユサユサ
――――その時、だった。
『――永遠に。世界と、現世と、隔離されるがいい――!』
トゥーンゼルダ「…!?なんだか、みょ、うな、悪寒が」
ヒルダ「…っ!?な、なに、これ」ビクッ
トゥーンリンク「…やばっ!タブー、まさか――――!」
935
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:32:27 ID:d9f/CHtQ
隔壁に厳重に守られ引き籠っていたタブーが、動いた。
一瞬縮こまったかと思うと。膨れ上がり、そして――――
隔壁の中が闇に染まる。
中の様子が、一切推し量れないほどの、まっ黒。
皆が、驚愕の表情をする中――――
隔壁が、解除、された。
狂暴なナニカが、たちまち、会場を、城下を、覆い尽くす――――!
「OFF波動」、ここに発動。
936
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:34:02 ID:d9f/CHtQ
クッパ『――――――――皆、聞くのだっ!』
敵側に動きがばれるのも承知。
クッパの大音量の声が、突然通信機から発信される。
クッパ『ワガハイとピーチの策で、選手カードにはOFF波動に抵抗する仕掛けが
施されているのだ!そう簡単には石にならん!絶対に手放すな!
それと、多少は周囲の人間にもプロテクト作用がある!
石化を開始したり恐慌状態に陥ったりした一般人がいれば、
すぐさま駆け寄り保護するのだ!
この情報を聞いて、カード奪取に動く不届きな輩がいたなら
問答無用、容赦なく叩きのめすのだ!以上だ!わかったか!』
トゥーンリンク「た、たすかる、よ。少しは希望が、持てる、かな。
…なーんて、言ってられない、ね!」ガクッ
トゥーンリンクの 全ステータスが 下がった!▼
ヒルダ「う……な、なんです、か、これぇ…!」ガクッ
ヒルダの 全ステータスが 下がった!▼
トゥーンゼルダ「き、きっつい―――これ、が、OFF波動という魔法…
気力が、ごっそり、吸い取られていく――――!」ガクッ
トゥーンゼルダの 全ステータスが 下がった!▼
937
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:36:34 ID:d9f/CHtQ
トゥーンリンク「ほ、本当に怖いのは、なんといっても石化しちゃうこと、だよ!
偽者のロゼッタの仕掛けで範囲が広がって――
う、ううん。威力自体も、ぜ、前回より多少は上がって、る…!」
トゥーンゼルダ「そ、そんな――――――うっ!?」グラッ
トゥーンゼルダの 全ステータスの 低下が 止まらない!▼
トゥーンリンク「…!?し、しまった!ゼルダっ!絶望しちゃ駄目!
精神干渉も一癖あるよ!一度はまると、際限なく能力低下を招くよっ!
そういや…選手、カードッ!持ってないのかっ!
ほ、ほら!僕の選手カード、貸すから!
…予想以上に危険だ!僕たちも油断なんかできないけど…
特に今回初出場のファイター程度のレベルだと、ひとたまりもないぞ…!」
938
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:41:06 ID:d9f/CHtQ
パルテナ「ぐぅっ!?」ガクーンッ!
パルテナの 全ステータスが 大きく下がった!▼
ピット「パルテナ様!?急に倒れて一体――わわっ!?」ガクッ!
ピットの 全ステータスが 下がった!▼
パルテナ「…………い、いやあ。たまには地面で寝転んでみたいなー、
なんて思っちゃったもので」
ピット「……こいつは、きついや…!
パルテナ様は、もっと大変なことに――!?」
リンク「ついに、来ちまったか…!」ブルッ
リンクの 全ステータスが 雀の涙ほど下がった!▼
ピット「リンクずっこい」
リンク「知らねぇよ…」
939
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:42:57 ID:d9f/CHtQ
ルキナ「うっ…!?」ガクーンッ!
ルキナの 全ステータスが 大きく下がった!▼
ルフレ「…こ、これが――――力が、抜けていく―――」ガクーンッ!
ルフレの 全ステータスが 大きく下がった!▼
マルス「2人とも、しっかりするんだ!大丈夫、僕たちがサポートする!
ルキナッ!僕の選手カードを代わりに持っておいて!」
マルスの 全ステータスが ちょっと下がった!▼
アイク「勝手なこと、しでかしやがって――――!」
アイクの 全ステータスが やや下がった!▼
マルス「…アイク!予定を早めて、急ぎリンク達と合流するよ!
悔しいけれど、僕たちだけだと2人を護り切れないのも事実なんだ!
このままだと、雑兵相手に苦戦するような状態の2人を背負って、
ジリ貧の戦いをすることにもなりかねない!」
940
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:44:40 ID:d9f/CHtQ
アイク「まだこの辺りは制圧し足りないんだが…ああ、わかった!
…って、リンクの位置が通信機なしじゃ分からないぞ!
いっそのこと、敵にばれるの承知で使うか!?」
マルス「……通信機強奪を考えたのが、あのギムレーという男だからね…。
あの男の性格的に、因縁のあるルキナの場所を割り出せたら、
間違いなく不意打ちしてくるよ。あまり、好ましくはない。
トゥーンゼルダとリンクとのやり取りからある程度は推測がつく。
その付近で大暴れしているファイターがいれば、それがリンクだろう。
制圧被りしないよう、他のファイターも接近を避けていたはずだから!」
アイク「なるほど。リンクに負担を押し付けるのは情けないが…
それじゃあ、行くぞ!……って、ちょっと待った!
悲鳴が聞こえる!あっちに逃げ遅れた人がいるようだ!」ダダダッ!
マルス「――ナイスな判断だ!なんとしてでも助けよう!気付けて良かった!」
941
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:46:42 ID:d9f/CHtQ
翼竜たちが、一点に集って、誰かを襲っている。
その人は、血まみれになりながら、ただただ蹲っている。
アイク「そこを――――どけぇっ!!」ブウゥン!
いくら戦闘力が下がったとはいえ、所詮アイクの敵ではないね。
たちまちのうちに全部まとめて切り伏せてしまった。
目の前には震えたままの住人、あるいは観光客かな?
安心させようと、こちらを認識してもらうつもりで肩を抱いて揺すぶった。
タオルなんて気の利いたものは持ち合わせていなかったので――
僕なんかのハンカチで悪いけれども、さっさっ、と血を拭ってあげた。
――――拭ってあげようと、した。
アイク「――――」ピタッ
アイク「――――お、おい。まさか」
マルス「――――――――っ!アイク、君のカードを!」
――――絶望のあまりか、石化が、始まっているっ!?
――――本当に、効果を拡げていた、タブーの魔法!
――――おまけに…ファイターと一般人の差を、あまりにも舐めすぎていた!?
942
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:48:43 ID:d9f/CHtQ
今さらながら、アイクが選手カードを彼に押し付け、加護を与えようとするも――
住人「もう、だめ、だ――――し、しぬ、んだ――――」
マルス「――――待て!早まってはいけない!
待つんだ!僕たちが君を助けた!もう助かったんだ!だから!」
聴く耳を、持ってくれない。
ガタガタガタガタ、ただひたすら咽び泣いて。
その声が絶望を強めるたびに、カードの回復力などあざ笑うかのように――
足元から、瞬く間に、石化が、進む。
アイク「クソッ!クソッ!ちょっとは役に立てよ、
ピーチとクッパの自信作のアイテムだろ!そうなんだろぉ!」
固まる。
泣く。
固まる。固まる。
回復して、少し石化が解ける。
固まる。固まる。固まる。
泣く。泣く。泣く。
固まる固まる固まる固まる固まる固まる固まる固まる固まる――――――――
住人「 」
かんぜんに、石になった。
943
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:51:26 ID:d9f/CHtQ
マルス「――――――――」
天を、仰いだ。
アイクが、堪らず地面に拳を打ち付ける。
多少の鮮血とともに、舗装された道が瓦礫となって吹き飛んだ。
マルス「――――先を、急ごう」
アイク「はぁ!?…ちょっと、ちょっと待てマルス!耳を疑ったぞ!
この感じだと、この付近のぎせ…い、いや、被害はまだまだ広がるぞ、まさに今から!……拡がる一方だ!
俺たちが離れたら、本当におしまい――――」
マルス「だからって、人々を必ず石化から守れるとも分からないカード片手に、
付近を巡回して、闇雲に時間を費やすかい?――それこそ被害を拡げるよ!
今の皆の状況は、時限爆弾を括りつけられて放置されたのと同じだ。
そのタイマーを少し遅らせるだけじゃ、何も解決しない!
幸い、石化は死と必ずしも同義というわけでは…辛うじて、ない。
原因そのものを叩いて、全てを解除すれば、元通りなんだ。
――――そのためにも、僕たちという戦力を腐らせるわけにはいかない。
最速で敵を倒すために策を講じることが、今やるべきことだ」
アイク「ルフレやルキナのことは俺たちの手間を増やしてでも、
こうやって助けようとしているだろう!それと一緒じゃないか!」
――――はっと、した。そうかも、しれない。僕は自分勝手に過ぎるようだ。
――――助けたい人に優先順位を付けてしまっていたなんて。
――――冷静なように見えて、一番周りが良く見えていないのは僕なのかもしれない。
944
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:56:24 ID:d9f/CHtQ
ルキナ「――――――――」
アイク「――――あ、いや、ルキナ。ルフレ。
別に俺はお前たちを助けることを苦に思っているというわけではなくてだな!」クルッ
ルキナが、顔面蒼白にして、吐き気を堪えようと、うずくまっていた。
様子がすこぶる、おかしい。体が言うことを――聞いているようには、みえない。
ルキナの 全ステータスの 低下が 止まらない!▼
マルス「…………はっ!?
今の光景は、ルキナには毒すぎる!ルフレも時間の問題といったところか!」
ルフレ「…は、はは。マルス様には…敵いません、ね。
で、ですが。まだまだ虚勢は張らせて頂きますよ」ブルブル
マルス「…急いで離脱するよ、アイク!本格的に危うい!
妥協しよう。その住人を唯一の犠牲者と信じて、その人だけ背負っていくのは許す。
それ以上、君に負担を強いるわけにはいけない。分かってくれ」
周りには沢山の家屋、商店、飲み屋に飯処。少し歩けば公園だって旅館だって、
それこそ人がいておかしくないスポットは無数にある。
どうして、逃げ遅れた人が1人も他にいないと言い切れようか。
945
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:58:35 ID:d9f/CHtQ
いきなり背負われ恥ずかしがる…そんなそぶりを見せる余裕すらないのか、ルキナは。
覚束ない足取りながらも、ルフレも後に続いてくれた。
アイクは――――
アイク「――――――――ちくしょう!後で一発、殴らせろよっ!!」
あれやこれや、煮えくり返って。くぐもった涙声になりながらも。
住人担いで、なんとか後に続いてくれた。
せめて――リンクと合流するまで、通りかかった人たちだけでも救えたら。
心からそう願った。
946
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:03:02 ID:d9f/CHtQ
少年が、はぁはぁ息を切らせつつ走っている。
走りながら腕を引っ張るは、同じくらいの年の少女。
少年「ゴホッ、ゴホッ…勘弁、して、くれよぉ…!うるさいし臭いし煙たいし…
どっちに向かえばいいんだよ…!どっちかわかる!?」
少女「……………………あっち!」ビシッ
土埃まみれでせき込む少年に対し、少女は迷わず、繋がれていない手で指し示す。
少年「…指差してくれるのは嬉しいけど、その心は?」
少女「女の勘よ!」
少年は拍子抜けして転びかけながらも、やれやれと苦笑して示された方向へ。
こういったとき、一番よくないのは悩んで足を止めることだと、経験上よくわかっているから。
947
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:08:20 ID:d9f/CHtQ
少女「――っ!?何か来るわ!?」
少年「なら、よけーる!避けれなかったら…そのときまた考える!」
冴えわたる、第六感。
少年に引っ張られるまま少女もそのまま大きく動いて――
間一髪、上空からの狙撃を横っ飛びで躱す。
まさか振り向きもせず躱されるとは思っていなかったのか。
上空の影は無理に追い縋ろうと、碌に前も見ず旋回し――――
建物の突き出しに裂かれてあえなく墜落していった。
少年「うっしゃーラッキー!儲け儲け!あの竜アホだな!」タタタッ
少女「お茶らけたこと言ってないの!急いで急いで!」タタタッ
少年「いやいや、このくらいお茶らけてないとやってられないんだって!
俺たち、ヨワヨワだし!簡単に死ぬし!空元気バンザイってやつ!?
それに得てして、このくらいフザけてる位が一番死ににくいんだよ!」
少年はそう自虐するが。
角を曲がってバッタリ出くわした、剣を持って襲い来る不届き者。振りかぶった剣は相応に速いけれども――
少年「!?――そりゃあ!!」パアアァ!
雑兵「」チーン
少年「―危ねっ!?怖っ!?…チカラ無駄遣いしたくないんだけどなあ」タタタッ
――――ちょっとした下っ端くらいなら、なんてことはないらしい。
948
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:11:00 ID:d9f/CHtQ
少女「はいはい、ふざけるのはそこまで。
はやく探し出さないと、取り返しのつかないことになるわよ!」タタタッ
少年「ふざけてなんか…あー、はいはい。わかってるってー。
だいたい、事態が動いてからジタバタするんじゃなくて、
ファイターたちが一斉に瞬間移動してきた時、すぐコンタクトを取るか…
せめてストーキングしとけば楽だったんじゃあ。得意でしょ?」タタタッ
少女「ううううるさいわね!会場にいれば安心だと思ったのよ!
動かなくていいかもしれなかったし、局面を見極めてたの!
そしたら、ビューンって感じで一目散に駆け出されちゃったし!
あと、ストーキング得意とか言うな!
と・も・か・く!今頑張らなくて、何時頑張るっていうのよ!さあさあ!
姫様の期待を裏切るって言うの!?」タタタッ
少年「へーい。…それにしても、他のファイター達すら見当たんないや。
聞いて回ることもできやしない。やっぱり俺たち機動力ひっくー!
ソニックさんとかでも通りかからないかな、運んでもらえるんだけどっ!」タタタッ
少女「そこ、無い物ねだりしない!」タタタッ
949
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:15:42 ID:d9f/CHtQ
少年「………………………………………………………
いや、ここはあえて――現状打破とジンクスブレイクを兼ねて、無い物ねだりしてみよう」ピタッ
少女「…………は?」ピタッ
少年「――――――――――――――――――――――――――――――――
うわああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ――!!
体が石になるるうううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅ!!
だあぁれえぇぇかあぁぁ、たぁすけええええてえええええええぇぇぇ――!!!!」
少女「」
しかし、なんとも単純な子供じみた作戦ながら、ファイターの注意を引くには十分。
甲高い悲鳴に呼応するように、飛んできたファイターが一人――!
少女「うわあ、恥を知らない馬鹿は、馬鹿なりに役に立つ場面が――」
少年「ほらみろ、効果てきめん!最初からこうしておけば――」
デイジー「天が誰呼ぶ我を呼ぶ!世界を救えと皆が呼ぶ!
泣く子も駄菓子で黙らせる、ステキなお転婆お姉さん!
サラサ・ランドの王女、デイジー参上!!」ズサァーー!
少年「」
少女「」
950
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:19:01 ID:d9f/CHtQ
デイジー「リアクションが欲しいなっ!…いやいや、それよりも!
どうしたの、大丈夫!?ケガはない!?
石になり始めたってホント!?…あれ、そうでもない!?
というより、私誰だかわかる!?デイジーだよ!
そこそこメディアに露出してるから知られてると思うけど!
おっと、露出って言ってもイカガワシイ意味じゃないよ、念のため。
姿をあっちこっちで見かけるって意味だよ。知ってた?偉いぞ♪」
怒涛の如く、しゃべくるお姫様。最後はウインクで締めて見せる。
少年と少女は、唖然とするばかりで、しばらく動くことができなかった。
少年「いや、ほんと――――さっさとやっとくべき頭脳プレイだったんじゃね?
悔やまれるにも程があるんだけど」
少女「…そうね。喜ばしきことなのに悲しくなってくるわ」
デイジー「???」
あちこちで爆発音が聞こえると言うのに、
ため息と、腑抜けた言葉を吐いてしまうのは仕方がない。
951
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:23:23 ID:d9f/CHtQ
デイジー「――――あれ?貴方たち、どこかで会ったこと、あるような、ないような……」
少年「おおっ!さすが、放と…いや情報通なデイジーさんなだけのことはあるね!
できればそこは『ある』と断言してほしかったけど」
デイジー「…放蕩って言おうとしたね!?子供だから大目に見るけど。
…いや待った、子供に言われたからこそ憤慨するべきなのかな私は?」
少女「――――――――お願いが、あります」
少女が、真摯な表情でぺこりと一礼。
デイジー「…んん?どうしたの畏まって。言ってみて?」
基本、困った人は放っておけない性分のお姫様なもので。
気さくに話しかけ、気さくに提案に乗っていく。
少女「…私たち、この時の為に――ずっと、構えていたんです。
『仲間』は決して多くはないけれど。おまけに一人一人は、弱いかも、だけど。
頼られたからには、数年かけて――準備してきたんです。
もちろん、招待されて、大会自体を、お祭り騒ぎを、そっと楽しんでいたっていう事実もある、けど。
裏方として目立たないよう、そう、ひっそりと――」
デイジー「…え?え?な、なんの話?」
952
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:26:39 ID:d9f/CHtQ
少年「デイジーさん。アンタを探してたんだよ、まさしく!
運がいいのやら悪いのやら!…いや、きっといいに決まってる!
さあ反撃の狼煙だ!…というわけで、協力してほしいんだ!
こればっかりは、俺たちだけじゃどうにもならなかった!
アンタがいないと、俺たち輝けないっぽい!」
デイジー「は、はあ?」
少女「…『こうなった時』は貴方を頼るよう、貴方の親友から――――
そう、ピーチ姫から、託されました。ずっとずっと、前から。
私たちに、チカラを貸して、くれますか?」
デイジー「――――っ!?」
953
:
Mii
:2020/12/08(火) 23:55:57 ID:vbzBgpp2
――神速が尽きようとも、状況が芳しくないことは承知の上で、走る。
――本物のロゼッタ引き連れ、ひとまずは会場に舞い戻ろうとする形で、ひた走る。
ルカリオ「…………」チラッ
――ただ。その、相方が、すこぶる奮わない。
――最初は、絶句。しばらくして、沈黙。…やがては、懺悔。
ルカリオの 全ステータスが やや下がった!▼
ロゼッタの 全ステータスが 大きく下がった!▼
――もちろん、OFF波動によって、私より強い干渉を受けてしまっている…というのは。
彼女の動きを縛り付ける理由の一つだ。断じて無視できるものではない。
――だが。それよりも遥かに深刻な問題が、まさに「転がっている」。
ロゼッタ「…………」グズッ
ルカリオ「……………………」
ロゼッタ「…………ごめんなさい」
ルカリオ「……………………」
ロゼッタ「…………ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい――」ポロポロ
954
:
Mii
:2020/12/08(火) 23:58:48 ID:vbzBgpp2
脚こそ動きを止めはしないが、ボロボロと泣き続けて、終いがない。
顔をくしゃくしゃにして泣き腫らして、ただただ懺悔の言葉を呟き続ける。
――――道のあちこちに佇む、「石化した」人々の姿を、目の当たりにして。
いくら私が、いやファイターたちが「責任を感じなくてもいい」と諭したところで、
きっと彼女には通らないだろう。胸が張り裂けそうなほど苦しんでいるに違いない。
ピーチ曰く、「半分といわず9割くらいが優しさでできている人物」らしいから。
ロゼッタ「私なんかが、大会に、来るんじゃ…なかったんです――っ!」タタタタッ
ルカリオ「――――いい加減に、やめておけ。自棄はそのくらいにしておくんだ」タタタタッ
ロゼッタ「自棄なんかじゃ。自棄なんかで、片付け、ちゃ――!」ポロポロ
ルカリオ「強盗に遭った人の金が悪事に利用されたとして、被害者を責める奴があるか!
必要以上の自虐は却って自分を貶めるぞ!」
ロゼッタ「――――っ、で、も」ポロポロ
ルカリオ「『自分が必死に足掻けば、まだ助けられる未来がある』――それを自覚しろ!
そして実践しろ!反省も後悔もその後でいい!」
ロゼッタ「――――は、い」ポロポロ
未だ、彼女は――泣き止まない。
固まった1人目を発見してしまったその時から、泣き止むことを知らない。
955
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:02:33 ID:craZkK.E
ドッスン「ウッス!横移動で様子を見に来てやったぞ!調子はどうだ!」ゴオォォ
バッタン「おおドッスンか!無理やり通路を通ろうとする敵は片っ端からペチャンコよ!それが俺たちの役目ってもンだろうよ!」
ドッスン「そうか――――だが、気ィ抜くなよ!噂だと、敵の親玉が繰り出した魔法とやらのせいで――
一帯が大変なことになってるらしいぜ。
なんでも――――――――――――しまいには、体が、石に、なっちまうらしい!」
バッタン「い、石に!?そいつはおでれぇた!怖いな!」
ドッスン「ああ、そんな魔法を食らったら、ひとたまりもないだろうな!」
バッタン「……俺たちには全く関係のない話だな!」
ドッスン「いや、『石でできている』と『石化した状態』が狭義で等しいかはわからんぞ?
だいたいあれだ、ファイターの一人で――鋼タイプのルカリオって奴も、
過去にその魔法に干渉された覚えがあるらしい!」
バッタン「なン――だと?」
ドッスン「俺たち、メタルマリオにはダメージを与えられないだろ?つまり『石<鋼』だ!
その鋼が魔法の効果を無効化できないとなると、安心はできん!油断は禁物、しっかり対策しておこうぜ!」
バッタン「お、おうっ!…で、どう対策するんだ?」
ドッスン「それは石頭の俺には分からん。お前が考えるんだ!というかその答えを聞きに来た!さあ教えろ!」
バッタン「あっちゃああ!ずっこけるぜぇ!」バッターン!
956
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:04:17 ID:craZkK.E
キノピオ「…………」
住民「 」カチコーン
自警団「 」カチコーン
観光客「 」カチコーン
キノピオ「…………ふええ、どう、しよう…」グズッ
キノピオ「…………………………………………」
キノピオ「…………僕たちも、なにか、やるんだ」
キノピオ「…そ、そうだそうだ!ただ逃げ惑うだけなんて、もう嫌だ!」
キノピオ「で、でも…一部鍛え上げているキノピオ除いて、所詮僕たちの力なんて――」
キノピオ「…………………………………………っ!!
なにも、皆さんは、死んじゃったわけじゃない!助けを待ってるだけなんだ!
その願いをかなえるためにも、僕たちで運ぶくらいはできるはずっ!
巻き添えを食らわないところまで、安全地帯まで――退避させるんだ!」
キノピオ「そ、そうだよっ!持ち運び走力ならそれなりに自信があるもん!
戦って勝つことだけがすべてじゃない!
マリオさんたちが憂いなく思う存分戦えるようにするというのも
立派な仕事の…助け合いの一つだよ!塵も積もれば山となるっ!」
957
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:05:35 ID:craZkK.E
キノピオ「よ、よーし。じゃあ、怪我が浅いキノピオは…勇気を出して!
逃げ遅れて石になっちゃった人たちを、安全地帯まで、避難場所まで運ぶよー!
避難経路、把握した?防災マップ、しっかり持った!?
回復アイテムがあればなお良し!
無理だけはしないように!自分の命、大切にしてね!」
キノピオ「で、でも、避難場所でも石になっている人が続出していたら――――
僕、もう立ち直れない、かも――――」
キノピオ「――――――――――――――――今はそんなことは考えないっ!
やるぞー!」
キノピオ「「「「お、おーーー!」」」」タッタッタッ
キノピオたちの 全ステータスが 凄く下がっている!▼
キノピオ((((か、体が重いぃーーーー!!))))
958
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:08:47 ID:craZkK.E
リンク「はああぁっ!!まだまだぁっ!…どうしたぁピット、流石に疲れてきたか!
なんだったら敵の掃討は俺に全部任せちゃってもいいぜ!」ブンッ!
ピット「はぁ、はぁっ…魅力的な、提案、だなあっ!でも、あいにくまだまだ頑張れるよ!
えいっ!やあっ!とぉっ!」ガンッ!
パルテナ「ぐぐ…………すいません、正直私、2人のあとを単について行ってるだけですね…」タタタッ
ピット「そんなことありませんって!パルテナ様をお守りできて光栄です!
パルテナ様がいるだけで僕にとっては百人力ですよ!」タタッ
パルテナ「まあ、漢らしい♪さすがピットですね、それではもうちょっとお願い――」
ぴしり。
パルテナ「…………あら?」ゾワッ
パルテナ「………………………………」
959
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:14:56 ID:craZkK.E
パルテナ「……………………ねえ、ピット」ピタッ
ピット「…あ、ちょ、ちょっとまずい!ゴブリンが湧き出してきたっ!
すいません!後にしていただけないでしょうかパルテナ様!今、頑張って敵をなぎ倒している最中なのでっ!
ご安心ください!パルテナ様には指一本触れさせませんよ!」ガンッ!
パルテナ「実はですね、私。お姫様抱っこっていうものに憧れているんですよ。
乙女として仕方がありませんよねー。年齢考えろとか禁句ですよ禁句」
ピット「……………はい?」
パルテナ「まあ、ただ。それだと、両手が塞がって、酷く相手を束縛すると思うんですよ。
緊急事態まっただ中で、そこまでお荷物になるのはどうなのかなぁと。
というわけで、妥協して…おんぶで運ばれるのも大目に見るべきと考えます」
ピット「お、仰っている意味がよく――」
パルテナ「と、いうわけで。限界一杯の『飛翔の奇跡』、今、掛けておきますね」パアアアアアアアアアァァ
ピット「ふわっ――!?力がみなぎって――ですから、どういうことですか一体全体!?
せっかくの奇跡の力、ひとつだけにつぎ込むのは流石に勿体ない、ん、じゃ――――」
パルテナの 石化が 始まっている!▼
960
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:19:32 ID:craZkK.E
リンク「…なっ―――早、過ぎるだろ!?」
パルテナ「残念ながら――どうやらタイムリミットみたいです。
――もう、動くこともできません。してやられましたー」
ピット「え、な」ガクガク
パルテナ「身長差のせいでピットに背負われても引き摺られそうですが、不可抗力ですから気には留めません。
でも、なるべくなら飛翔して回避してくださいね?大事に扱われると、きっと私がちょっと喜びます」
ピット「そ、そんなこと、言ってる、ひま、なんて」
パルテナ「そんな顔しないでください、ピット。幸か不幸か、石化には慣れてますから…なーんちゃって!
――みなさんを。ピットを。信じていますから」
ピット「あ、ああ、あああ…………!」ガクガク
パルテナ「――ちゃちゃっと私を助けてください、宜しくお願いします。
希望を捨てないで、前を向いて――」
ピット「――――っ!――――っ!!」
パルテナ(ニコッ)
パルテナが 完全に 石になった!▼
パルテナ「」
961
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:22:30 ID:craZkK.E
リンク「……………………」
ピット「……………………絶対、お助け、します、から」グズッ
リンク「…泣くな、ピット。敵の思うつぼだぞ!」
ピット「――――泣いてなんかないやい!」
リンク「そっか…なら、いい。俺が背負おうか?正直きついだろ?」
ピット「…いい。僕が、運ぶ」ヒョイッ
パルテナ「」
ピット「――――――――タブー、絶対に――――許さない――――!」
リンク「全く…だな!」
「…………まさか、な」
「こ、これは…僕としても――流石に想定は――」
リンク「…その声は――――って、おいぃ!?
なんだよその背負ってる2人…いや3人は!?」
962
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:25:17 ID:craZkK.E
住人「」
住人が 石になっている!▼
ルキナ「」
ルキナが 石になっている!▼
ルフレ「」
ルフレが 石になっている!▼
マルス「…笑ってくれ。気付いた時には手遅れ、一般人を助けられなかった。
芋ヅル式に、2人もたちまち弱って――――」
アイク「ふとした瞬間に体が強張って、もう…なんとも、ならなかった――
俺たちは…無力だ――――っ!」
ルキナ「」
ルフレ「」
リンク「――――――――貸せよ」
マルス「…え?い、いや、もう君の負担も大きくなっていて――」
963
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:27:49 ID:craZkK.E
リンク「黙って貸せって言ってるんだよ!」ガンッ!
マルス「わっ…と、と!?」
リンク「石像2人分、背負うくらいでちょうどいいハンデだぜ。
…よし、テキトーに紐で縛って背中に固定してっと。
こんなもんか。扱い雑で悪いな!見逃してくれ!」ギュッ!
アイク「ご、強引な奴だな――!壊してくれるなよ?」
リンク「あったりまえだ。お前ら2人は反省しろ!猛省しろ!
ルキナとルフレに、何を思ってこんなひっでぇ、絶望の顔をさせた!
もうちょっとやる気みせろ!」
アイク「…っぐう――――」
マルス「……返す言葉も、ないね。2人の痙攣した泣き顔は、一生僕の脳裏に刻まれていくよ」
リンク「もういい。…俺も言いすぎた、悪い。
――とにかく余裕がねえや、お前らは固まりはしないという前提は
流石に死守してもらうぞ。他の場所の救援に向かってくれ。
…俺は今から、暴れるわ。巻き添え食らうんじゃ、ねぇぞ」
アイク「――――!」ビリッ
マルス「――――ああ、頼もしいこと、この上ない。
よろしく、頼んだよ、誇り高き勇者」
リンク「ハッ!言ってろ!」
964
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:30:04 ID:craZkK.E
ピット「――――僕はまだリンクに付いてくよ。
パルテナ様もそれを考慮しての、飛翔の軌跡だと、思う」
パルテナ「」
ピット「…うん、きっとそうだ。だから、置いてくなんて言わないでよ」
リンク「りょーかい!ヤバイと思ったら上空に逃げろよ、
1秒後には大地が更地になってるかもしれないからなぁ!!!」
ピット「が、合点承知の助!」
マルス「…そういえば、気が動転していたよ。
ルキナとルフレの石化のこと、心苦しいが司令部に伝えなければ――
――こちら、マルス。辛いお知らせだ。
ルフレとルキナが、耐久限界で――――石化、した。戦闘不能だ。
リンク達と合流したはいいものの、パルテナまで―――」
トゥーンゼルダ『なんだ、と!?……………』
965
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:31:36 ID:craZkK.E
マルス「信じたくないのは嫌というほどわかるけれど――」
トゥーンゼルダ『い、や。…その前に、聞きたい、ことが、あるんだ』
マルス「…え?聞きたい、ことだって?一体なんだい――」
トゥーンゼルダ『――――お前たちは、『本物のマルスたち』か?』
マルス「……………………どういう、こと、だい?」
966
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:33:12 ID:craZkK.E
〜少し時を、遡る〜
トゥーンゼルダ「――――どうする、なにが、できる――――
運を天に任せるしか策がないのか――――!?」
トゥーンリンク「…情報を制限するよう仕向けたのは諸刃の剣なんだよね…
敵に下手な情報提供はしなくて済むけど、
敵にばらしても問題ないはずの、広めるべき情報伝達まで
みんなが無意識のうちに避けよう避けようとしてる…?
切られてる通信機が増えて来てるよ。いいの、これ…!?
撃墜の程度とか制圧具合とか、分かんなくなってきた!」
トゥーンゼルダ「そんなこと、私に、言われて、も」
トゥーンリンク「あ、駄目!大丈夫、冗談冗談!だから意気消沈しないで!」
『――――――――』
ヒルダ「…あ!久しぶりに通信…届いてませんか?」
トゥーンリンク「…よし!噂をすれば!いいニュースでありますように!
音量を上げて――――」
967
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:37:45 ID:craZkK.E
ルフレ『こちら、ルフレです!ちょっとまずいことに!
同時多発的に敵が出現して、第40区あたりで…
マルス様とアイク様が分断されてしまいました!』
トゥーンリンク「バッドニュースかあ…」ガクッ
トゥーンゼルダ「それは大変だ!ルフレと…ルキナは、どのような状況だ!
簡潔に説明してくれないだろうか!」
ルフレ『僕はアイク様と一緒に東側へ、ルキナはマルス様と一緒に西側へ!
正直、僕はアイク様の戦闘の邪魔をしないよう、通路脇や広場の隅で縮こまっているので精一杯で…!
それでも庇われる荷物なのは如何ともしがたく、
ルキナもおそらく似たような状態に陥っているかと!』
トゥーンゼルダ「…そう、か」
トゥーンリンク「…………」
ルフレ『救援を呼んでもらうことは出来ないでしょうか!
大変なのは百も承知なのですが――――!』
トゥーンゼルダ「わ、わかった。背に腹は代えられない。
なんとか近くのファイターを――――」
968
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:40:45 ID:craZkK.E
ヒルダ「…………トゥーンリンク?どうしたのですか、難しい顔をして。
もちろん、状況は芳しくないのは当然なのですが」
トゥーンリンク「…………ねえ、ルフレ。
きみ、やけに元気だね?」
ルフレ『な、なんだい藪から棒に』
トゥーンリンク「いや、僕やゼルダは割ときっついからさあ。
声からも疲労感がありありと分かるっていうか。
……きみ、本当にルフレ?」
トゥーンゼルダ(……!?まさか、ギムレーとやらの成りすまし!?)ハッ!
969
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:43:53 ID:craZkK.E
ルフレ『…ああ、ギムレーとのいざこざから疑われている、ということですか。
なるほど、もっともですね。その疑われ方はとても傷付くけど…。
ええと、ルフレ本人だという証拠を見せればいいですか?』
トゥーンゼルダ「証拠…?」
アイク『俺だ、アイクだぞ。確かにルフレと一緒にいるな。
ドジ踏んで、マルスと別れることになってしまった。情けないぜ。
――おい、俺からの通信、無事に届いてるか?』
トゥーンゼルダ「…!?」
トゥーンリンク「……ありゃ!?」
アイク『お、よかったよかった。そんなわけだ。
俺もいるからには信じてもらえるだろ、流石に。なにぶん敵が多くて多くて、なっ!』ズバッ!
トゥーンリンク「ご、ごめん!僕ったらとんでもない失礼なことを!」
アイク『いいってこった。それより急ぎ頼むぜ、
ルフレの奴が手傷をズカズカ貰い始めてな』
ルフレ『あはは…………』
970
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:45:49 ID:craZkK.E
トゥーンゼルダ「…………疑心暗鬼になって、悲しくなるな」フゥ
トゥーンゼルダ「…さて、それでは――――」
マルス『――こちら、マルス。辛いお知らせだ。
ルフレとルキナが、耐久限界で――――石化、した。戦闘不能だ。
リンク達と合流したはいいものの、パルテナまで―――』
――――時が、止まった。
971
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:47:27 ID:craZkK.E
トゥーンゼルダの、唇が、強張る。
トゥーンゼルダ「なんだ、と!?……………」
マルス『信じたくないのは嫌というほどわかるけれど――』
トゥーンゼルダ「い、や。…その前に、聞きたい、ことが、あるんだ」
マルス『…え?聞きたい、ことだって?一体なんだい――』
トゥーンゼルダ「――――お前たちは、『本物のマルスたち』か?」
972
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/12/10(木) 23:34:36 ID:bd04jhks
思う存分、時間を引き伸ばされた感覚。汗が、滴り落ちる。
声をかけることも出来ず、トゥーンリンクが青ざめた様子で…私を見ている。
ヒルダ姫も、似たような表情。見ていられない。
…それでもきっと、私ほどの青ざめ方じゃ、ないでしょう。
――――少なくとも、どちらかが、ニセモノ。
――――下手をすると、こちらの攪乱のため両方ニセモノ、なんていう…
――――悪趣味極まりない結末が待ち構えている、かも、しれない。
何の因果か、私が指示を出さなければならない。
トゥーンゼルダ「……すまない、マルス。
たった今、その『ルフレ』からの救援要請が入っていたものでな」
マルス『…なっ!?』
トゥーンゼルダ「おまけに、本人である証拠として、アイクの通信まで寄越してきた。
…はは、笑えて来る」
マルス『…………!!』
状況を察したのか、マルスが絶句するのが通信機越しにもわかった。
なんだろう、この理不尽な境地。
973
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:39:08 ID:bd04jhks
…どうなろうと、どのみち敵が仕掛けてきたことだけは確かなのだから、
あっさりネタ晴らししても敵に新情報を与えるわけじゃない。
そういう影響がないことだけが…なけなしの救い。
だが、私は既に、正常な思考を放棄しようとしている。
マルス『…わかった。僕たちこそ本人であると声高に叫びたい所ではあるけれど、
冷静に証拠を示した方が賢明そうだ。
こういった場合、本人しか知り得ない質問をしてもらうのが鉄板だろうか。
さあ、手短に問いを投げ掛けてほしい――』
トゥーンゼルダ「…は、は」
マルス『……トゥーンゼルダ?』
トゥーンゼルダ「お前が本当に『マルス』で、戸惑っているのか。
それとも『偽マルス』で、内心ほくそ笑んでいるのか。
…もう、わからない。分からないんだ。
重圧で、頭の中、ぐっちゃぐちゃで……わかんないよ」
マルス『…………』
トゥーンゼルダの 全ステータスが 下がっていく!▼
974
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:44:43 ID:bd04jhks
トゥーンゼルダ「ルフレとルキナの戦闘力を考えれば、
お前の言う通り、石化しているのも十分あり得る。
でも、アイクの通信を聴かせてみせた『あちら』を、疑う理由が、見つからない。
…疑ってみろ、もう…なんでもありだぞ?
声色や口調をまんまと盗み出せるなら――
本人しか知り得ない知識を盗み出せないと――どうして、言い切れる?
お前が本人証明しようとしてみせたところで、私は全く判断に活かせない。
むしろ…さらに思考のドツボに嵌るんだ」
アイク『まどろっこしいな!そんな変なこと考えるなよ、トゥーンゼルダ!
どう考えても、ホラを吹いてる不届き千万なギムレーの野郎は…そのマルスだ!』
切れていないままの通信で聴き耳立てていたか、反対側からの主張が届いてきた。
その声は正義からくる憤慨か、それとも悪意からくる焚き付けか…。
マルス『……そうか!もしやこれは…ロゼッタとの、合わせ技――っ!
ロゼッタの分身体の何人かをあらかじめファイターたちに化かしておいて、
あとは大会期間中に観察を重ねて、癖や口調を学習させておけば――
それこそ、大会の映像なんて幾らでも放送媒体がはびこっているし――!
うん、なんだか信憑性があるような気がしてきたよ!
ひとつ言えることは…ギムレーは本当に悪趣味なんだね――――
時代は違えど、同郷の者として恥ずかしいよ…』
アイク『お、負け犬の遠吠えか?偽者め。マルスを騙るんじゃない』
975
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:47:35 ID:bd04jhks
トゥーンゼルダ(ピクッ)
――――的を得ている、痛快な解釈の、気がする。
――――だが、待て。
アイク『…それにしても、まんまと自供したな。
あいにく、そんな事は考えもしなかったぞ、俺は。
なんせ、俺はただのアイクだからな。
日頃からそんなセコイことを考えている奴じゃなきゃ、発せられない台詞だ』
マルス『言うに及んで――――なんなら、こちらだって本物のアイクを――』
アイク『それこそ、お前たちがニセモノだからいくらでも用意できるんだろ?』
トゥーンゼルダ(……………………)ウプッ
――――たす、けて。
――――その場に、座り込んで、何も考えられなくなってしまう。
――――慌てふためいて、トゥーンリンクとヒルダ姫が駆けよってくる。
アイク『まあ、俺は司令部を信じるからな。
両方に戦力を割くなんて到底無理な話だろ?
どっちを助けてくれるのか、司令部に任せるさ』
ルフレ『よろしく、お願いします』
マルス『……………………トゥーン、ゼルダ。僕は――――』
976
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:49:52 ID:bd04jhks
死んだ目になり、トゥーンリンクとヒルダ姫を振り払って虚ろに立ち上がり。
目を閉じて、考えること、10秒。
――――これ以上は、時間を、浪費できない。
マルスの声の方が、敵だ。
…そう決めつけて、楽になりたいだけなのかも、しれない。
トゥーンゼルダ「――――――――――――――――
今すぐ、アイクとルフレの救援を実行する!
マルスの方は、味方陣営を撤退させるぞ、無駄な争いは避けろ!」
不可逆になるかもしれない、最悪を招くかもしれない、その一歩を踏み出し――――
977
:
Mii
:2020/12/10(木) 23:53:48 ID:bd04jhks
ルフレ『あ、ありがとうござい――――』
アイク『そう来なくっちゃあ――――』
マルス『……悔しいよ。それが、君の、判断――――なんだね――――』
トゥーンゼルダ(私は、これで――――――――)
《第47区、偽アイクと偽ルフレの奸計により、キノコ王国軍命令系統の攪乱を開始!》
トゥーンゼルダ「え」
《第32区、石化したルフレ、ルキナ、パルテナを救護しつつ、リンク、ピット激戦中!》
《激戦により複数の城壁が崩壊! リンク、魔力開放により驀進(ばくしん)中!2000体撃破!》
《リンク、緩やかに体力減少! ピット、大苦戦!》
トゥーンゼルダ「!?」ガバッ!
978
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:00:29 ID:5vzh9i8A
トゥーンリンク「ど、どうしたの!?」ギョッ
トゥーンゼルダ「い、いまの情報は真ですか、キノピオ!?」
キノピオ「え?な、なんのことですか?」
キノピオ「お、おっかないですよ、トゥーンゼルダさん!さっきから…!
時たま…誰も進言していないのに、まるで天の声でも聴いたかのように
情報を得たり一人勝手に納得したり、ってことがありますよね?一体何が?」
トゥーンゼルダ「一体何が…って、そんなことがあったのですか!?…あ、いや、あった…のか!?」
アイク『おい、何を急に意味不明な会話をしているんだ。
早く援軍を!頼むから!本当にやばいんだ。仲間だろう、一致団結して――――』
トゥーンゼルダ「…………」
《――――いい加減に――――――――》
トゥーンゼルダ「……………………っ!?」ビリッ
《いい加減にしなさいよ、このド外道勢力があああぁぁぁ――――――――っ!!》
トゥーンゼルダ「脳に響くぅー!?」キイイイイイイイィィィィ――――ン
979
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:06:49 ID:5vzh9i8A
〜『キノコ王国の』森の奥深く〜
ラナ「いい加減にしなさいよ、このド外道勢力があああぁぁぁ――――――――っ!!」パアアァァァ!!
ラナ「ゼェ、ゼェ、ゼェ――――無駄に、魔力、使っちゃったぁ…………!
し、死ぬぅ……魔女裁判に掛けられたわけでもないのに……!
こんな可愛い女の子が死ぬよ…リンクに告白も出来ずに…」フラッ
ラナ「でも、いい加減、アッタマ、来たぁ…………!ブチ切れたぁ…っ!!
そこまでチート攪乱使うって言うんなら、私だって――――
『世界の監視者』として、命削ってリンクの…
…じゃなかった、キノコ王国のチートアシスト、してあげるんだから、ね……!
シアッ!魔力回復薬、お代わりっ!」
シア「…………は、はひ、どう、ぞ……」ヨロッ・・・
ラナ「ごくごく…プハァ!…よっし、あと15分働けます!キラッ☆
ほら、あなたも魔力回復薬とっとと飲み干して!ここが正念場でしょうが!
もっとキビキビ動いてよ、ねえ!?
人が動くと書いて働くと読むんだよ!シアさん!」パアアアアアア!!
シア「…イ、イヤ、アノ、ソノ…シアチャン、貴方ニサンザン魔力送リツヅケテ、
ヒカラビソウ、ナンデスケレドモ…………」パアアアアア!!
980
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:09:54 ID:5vzh9i8A
ラナ「ああ!?事件の大元を辿れば、どっかの誰かが
いろいろ仕出かしたことが今回の騒動の始まりでしょうが!
責任とろうって気はないの!?有るよね!?有れ!」クワッ!
シア「…ソノトオリデゴザイマス。ナンデモアリマセン」ブルブル
ラナ「…………まったくもう!だいいち、魔法を行使しているこっちよりは…
ずっとずっと、マシ、でしょう、が!」パアアアアアア!!
シア「だって、私は魔導書の適性あんまりないし…」
ラナ「そうだよね、だから私が孤軍奮闘するしかないんだよね。
あーあ、鼻血は出るし、嘔吐はするし、いいことないなあ…さいってー」ゴホッ・・・
シア「…………」
ラナ「――――――――――――――――
『Gospel Of Grimoire《魔導福音》――――――――』
――――――――――――――――――――――――――――」ビリッ!!
舞い散る、大量の紙、紙、紙。
光となって消えてはいくが、『ナニカ』が刻まれ、それが彼女の脳に焼き付く。
よろけふらつき、血を吐きそうになる頻度も、無視できないほどになってきた。
981
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:13:40 ID:5vzh9i8A
――――魔導福音。
魔力が存分に編み込まれた白紙の魔導書のページを、惜しげもなくまき散らし――――
その瞬間瞬間に、監視先にて発生した事項・事件を。達成したことを。
天啓、すなわち神の意思で書き記させる『監視者』としての権能。
それを、ひたすらに、ただひたすらに使い倒しては、
藁をもすがる思いで――信じてくれたらと、匿名のテレパシーで投げていく。
シア「…馬鹿な子。
そんなにリンクを助けたいのなら、直接助ければよかったのに」パアアアアア!!
ラナ「誰のせいだあああああぁぁぁぁぁ――――っ!」ウガアアアァァ!!
シア「…え、私のせいか!?」
ラナ「あー、はいはい、シアはいいよねえ!よかったよねえ!
敵としてとはいえリンクと対峙することは果たせて!
むしろ、シアこそ…リンクの目の前でいい所見せるだけで仲良くなれたりしてねえ!
悪人がちょっといいことをすると凄く褒められるっていうテンプレで!」
シア「」
982
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:18:35 ID:5vzh9i8A
ラナ「私はねぇ!シアがハイラル城を急襲したとき――――
シアの急進策に呆れ、咎めたくなりながらも、気を取り直して
『仕方がない、じゃあリンクの味方としてお近づきになろーっと!』って考えて、
フィローネの森で最低限の食い止め戦をこなしつつ――
シア対策をリンクにどう伝授しようかとか、
リンクとのコンビネーションとか、
あとは印象をよくするようなチャーミングな仕草とか、
服のコーデとか…いろいろと考えてたんだよ!」
シア「何それあざとい!」
ラナ「そうしたら、どうなったと思う?
ちょっと、ワンポイントのお化粧直しをしている…たった10分の間に、
リンクが一瞬で付近一帯の敵を殲滅して、通り過ぎて行ったんだよ!?
扉を往復したら、疲労困憊気味だったはずの味方が万歳三唱する光景が、
目に飛び込んできた私の気持ち、わかる!?わからいでか!
おかげで、リンクを追いかけることすらできず…気付いたら全部終わってたんだよ、戦争っ!
私、リンクと赤の他人のままなんですけどっ!
今リンクに会っても、『好きの反対は無関心』を体現するだけだよ!?
いや、下手をすると…シアっていう恥さらしの半身として認識が固定されかねない!
そんなの反対!断固反対なんだからっ!
ハイラル王国と一戦交えるんなら、せめてもうちょっと粘ってよ!
ハイラル城を数日は防衛戦に徹させるくらいは頑張ってよ!役立たず!」
シア「恥さらしって言うなあ!善の心、何処に行った!?」
983
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:23:15 ID:5vzh9i8A
ラナ「そんなわけでっ!影の活躍をして、下地を作ってからじゃないと、
私、リンクに会いたくないの!そのくらいの乙女心わかってよ!
まあ、この事件が起きなかったら、本当に1観客人で終わってただろうけど!
リンクの戦いを見て歓声を上げるだけのっ!ああでも本当にカッコよかったなあ…!
それとも、際どい衣装を恥ずかしげもなく着て…盗撮までして…
CEROを無駄に上げてる人には、そんな可憐さを読み取るのは難しい?」
シア「べべべ別にCERO上げてないし!
CERO:Bくらい割とゼルダの伝説シリーズ中にあるし!」
ラナ「各国年齢制限あり+『セクシャル』分類はゼルダ無双が初めてなんだけどぉ?」ユラァ
シア「ごめんなさい」
984
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:26:20 ID:5vzh9i8A
ラナ「と、に、か、くっ!
『陰で俺たちを助けてくれた恩人は君だったのかあ!』ってリンクに褒めてもらって!
ととととりあえず文通くらいから始められたらなあと思うラナちゃんでした!」
シア「乙女かっ!……………………あ」
ラナ「拍子抜けする暇なんてないよ?まだまだこれから!
さあさあ、次の『魔導福音』のタイミングまでもう少し――――」
シア「らな ごめん。
疲労と、注意力散漫で、魔法陣への魔力展開ミスって、今までの会話…
てれぱしーさきに つつぬけに なってたわ」
ラナ「………………………………………………」
シア「てへ、ぺろ…?」
ラナ「嫌ああああぁぁぁ!? ちょっとおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ――――!?」
985
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:33:10 ID:5vzh9i8A
〜司令部〜
《嫌ああああぁぁぁ!? ちょっとおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ――――!?》プツッ
トゥーンゼルダ「…………」
トゥーンゼルダ「…………あ、うん。通信機の交信、フルオープンにして…
アイク、救援を呼ぶとして…今…具体的に第何区にいる?」
アイク『ああ、どれどれ…お、第47区だな、よろしく頼んだ――――』
トゥーンゼルダ「皆に次ぐ!耳の穴かっぽじって聴いてくれ!
第47区にアイクとルフレの姿を騙った敵あり!可能ならばとっ捕まえろ!!
『大きい方の』リンクが女誑しだったおかげで道が開けた!」
トゥーンゼルダ「なんで!?」ガーン!
アイク『』
ルフレ『』
マルス『え、ええ?う、嬉しいけれど…どういう風の吹き回しかな!?』
リンク『聞き捨てならない俺の悪評が聴こえてきたんですけどぉ!?』
986
:
Mii
:2020/12/11(金) 00:35:11 ID:5vzh9i8A
>>985
訂正
《嫌ああああぁぁぁ!? ちょっとおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ――――!?》プツッ
トゥーンゼルダ「…………」
トゥーンゼルダ「…………あ、うん。通信機の交信、フルオープンにして…
アイク、救援を呼ぶとして…今…具体的に第何区にいる?」
アイク『ああ、どれどれ…お、第47区だな、よろしく頼んだ――――』
トゥーンゼルダ「皆に次ぐ!耳の穴かっぽじって聴いてくれ!
第47区にアイクとルフレの姿を騙った敵あり!可能ならばとっ捕まえろ!!
『大きい方の』リンクが女誑しだったおかげで道が開けた!」
トゥーンリンク「なんで!?」ガーン!
アイク『』
ルフレ『』
マルス『え、ええ?う、嬉しいけれど…どういう風の吹き回しかな!?』
リンク『聞き捨てならない俺の悪評が聴こえてきたんですけどぉ!?』
987
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:15:42 ID:9jbC8ECY
〜第28区 王国指定避難所〜
ロゼッタ「――――――――――――――――」
見るんじゃ、なかった。
通りがかった避難場所に、胸騒ぎがして寄り道してみれば―――
自らも苦痛に顔を歪ませつつも、えっさほいさと運ぶキノピオたちと…
次から次へと担ぎ込まれてくる、石像の、山、山、山。
取り返しのつかないことを、してしまった愚かさよ。
目の前が真っ暗になって、泣き崩れて、しまう。
ロゼッタ「――――――――っ!」ポロポロ
周りから、「なんてことをしてくれた」という非難の目が飛んで…こない。
キノピオ「ロゼッタさん!救援に来てくれたのですね!助かります!私たちだけじゃ、どうにもこうにも人手不足で…!」
キノピオ「よーし、これでこの避難場所は安泰だあ!」オー!
無理やりにでも、明るく振る舞うキノピオたち。
大なり小なり怪我を負いながらもなんとか石化には至らず、手当を受けている人たち。
――――まだ、私のことを罵倒し詰ってくれたほうが、救われたかもしれないのに。
――――身の置き処がどこにもなくて、ただただ情けなくて――――!
988
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:20:50 ID:9jbC8ECY
煤けた汚れや血の滲みがある人たちが、私を目に留めたのか駆け寄ってきてくれますが…!
子供「どうしたのお姉さん、どこか痛いの?…痛いの痛いの、飛んでけー!」
観光客「何を泣いてるんだ、元気出せよー!いろいろと戦闘について任せっきりで申し訳ないけどさ!」
ロゼッタ「ち、違うんです、そうじゃなく、て!
そんなに、気遣ってもらう資格なんて、サラサラ、なく、て……!
私は――――私の、せい、で――っ!わた、しが、ぜんっぶ…!」ポロポロ
「大丈夫です、みんな助かりますよ。助けて、みせます」
突然、落ち着いて投げ掛けられる、あどけない声。
ロゼッタ「――――――――!?」クルッ
泣き腫らしながら振り返ってみれば、そこにいたのは…銀髪の、1人の少年。
少年「『他力本願で、無茶ぶりで、申し訳ありませんが。
とにかく、苦しんでいる人たちを、事前に分かっている避難ポイントに!
一刻も早く、固めてほしいんです!集めてあげてほしいんです!』……
これが、僕たちがあちこちで説いて回ってる、お願いです。
あとは、僕たちで、なんとかします!」
989
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:25:05 ID:9jbC8ECY
ロゼッタ「――――あなたは?」
少年は、目を見開いた私の問いに答えることなく、話を進めます。
少年「僕たちの、蓄積してきた…実験分析データによれば。
完全に石化してから、後戻りできないほど魂が不可逆的に潰されて、
精神的な『死』を迎えるまでの猶予時間が、約4時間。
完全に石化してから、治癒治療次第で十分に元の健康状態までの復活が…
叶うまでの猶予時間が、約2時間。
――余裕ぶってはいられないけれど、間に合わないわけじゃ、ない。
僕たちのミッションは、99.99%の人々の石化を2時間以内に解き続けることと――
どうしても漏れてしまった人についても、最低4時間以内に石化を解くこと!
僕たちの任務であり、責任であり――――ピーチ姫の、御渇望ですから。
潤沢な予算、訓練所を使わせて頂いただけのことはありますからね!」
ロゼッタ「な――――」
――――そのとき。けたたましい着地音とともに、見慣れた麗らかなお姫様が――
デイジー「あらよーっと!!」ドッズゥゥゥン!!
ロゼッタ「……っ!デイジー姫!」
990
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:27:56 ID:9jbC8ECY
デイジー「さっき振りだねロゼッタ!ってなんで泣いてんの!?酷い顔になってる!
…あ、やっぱいいや。私が馬鹿だった。答えなくて、いいよ」
――見れば、両脇に……少年少女、1人ずつ、抱えています。
――救出した子供たちでしょう、か?
デイジー姫は、2人をパッと離したあと…優しい表情で、私を抱きしめて…
背中をよしよしと撫でてくれました。
…不謹慎にも、ほっとしてしまいます。
少年「…うん、一番石化時間が長い人で、推測1時間30分。ぎりぎりセーフだね。
もうちょっと早く来てほしかったけれど、間に合ってくれてありがとう」
少年「…おい、こちとらデイジーさんを見つけるのに苦労したんだぞ!
一時はもう駄目かと思ったぜ。とにかく、結果良ければすべてよし、だ!」
少女「言い合ってる暇じゃないわ、早く精神準備をして!」
ロゼッタ「――――私、取り返しのつかない、ことをしてしまいました」
ルカリオ「まだ言うか、ロゼッタ……はあ。
それで、デイジー。深刻さがあまり感じられないその表情、もしや――」
991
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:33:33 ID:9jbC8ECY
デイジー「…うん!ちょっとね!ピーチの用意周到さに恐れおののいてるところ!
よっしゃ!ロゼッタを戦線復帰させるためにも、とっととやっちゃうぞ!
準備はいーい、2人ともっ!もしホラ吹いてたんなら、どつくよ!」ダッ!
少年「あたぼうよ!」グッ!
少女「いつでも行けるわ!」グッ!
そう聴くや否や。デイジー姫が、思い切った行動に出ます。
片手ずつ、2人の背中に押しやって――――
――この構え、既視感が…!!
デイジー「――――久しぶりのぉ!
『花々の祝福《フラワーギフト》』、発動っ!」ゴオオォォォ!
ロゼッタ(――――やはり!)
眩く光る、デイジー姫の手――――!
少年「……せ、背中焼けるっ!…あり?そうでも、ない?」ゴゴゴ・・・
少女「…あったかくて、気持ちいいわ――凄い力…!本当だったんだ…!」ゴゴゴ・・・
992
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:38:48 ID:9jbC8ECY
2人は、背中から感じる、強烈な光、熱を。そして、大量のFPを――――!
最高の恍惚感と共に、受け止めていることでしょう。
かつての私は、最高の心地よさに、自然と目を瞑り、身を委ねていったものでした――
デイジー「アンタ達の限界一杯まで…FP、受け取れやぁ――!」ゴオオォォォ!
少年「―――さぁって!満腹満腹!時間は有限、勇気は無限!
他力本願のFP…いやPPを糧に、やってみようじゃ、あーりませんか!」
少女「何年もの特訓の成果、見せ付けてあげるんだからっ!
他の避難場所も、まだまだ後が控えてるんだからねっ!」
――――彼らは、一体、何者。
私の心中を察したかの如く、3人目の彼が、ようやく答えを返します。
少しずれていた眼鏡を、スッと直しながら。
ロイド「申し遅れました。僕の名は、ロイドと言います。頭脳ならそう簡単には負けませんよ。
残念ながら非力だし、超能力なんて使えないんですけどね。『2人と違って』。
そして、彼らは、僕の大切な友達の――――」
993
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:41:49 ID:9jbC8ECY
〜異空間〜
ざわ、ざわ、ざわ。
ロゼッタ(偽)「…どういうことですか、その報告は!
『石化被害者が増えたり減ったりする』?
増えるのはともかく、減るわけがないでしょう!」
ロゼッタ(偽)「で、でも仲間からの伝達では実際に…!
石化したはずの、ただの一般人まで、再び動き出し逃げ惑う例が散見される、とのことで――」
ロゼッタ(偽)「そもそも空間魔法はこちらが一方的に掌握・制圧しているのですよ!
そんな馬鹿な話が、あるわけ――――!」
ピーチ(最後の、最後の、砦。皮一枚――――繋がった!!
ここを突破されたら、本当に、終わり。あとは、もう、天に祈るだけっ!!
…ううん、仲間たちを信じるだけ!!)
994
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:45:51 ID:9jbC8ECY
〜司令部〜
トゥーンゼルダ「…………ふふ、慌ててる、慌ててる、偽アイクに偽ルフレめ。
それにしても。
…………おーい、ラナ、だったかー?聴こえているか!
その、なんだ。色々と恥ずかしかったかもしれないが…助かった。本当に。
できれば、この騒動中、まだまだ力に縋りたいのだが…
あさましい私を許してはくれまいか」
《――――――――――――――――――――――――》
トゥーンリンク「ゼルダが空を見つめて独り言言ってる…」
《――――――――――――――――うぅ》
《――トゥーンゼルダさん、怒ってない?》
トゥーンゼルダ「…ホッ。怒るものか、大助かりだったよ。最悪の事態を回避できた。
私に助太刀してくれるほど、回り回って…リンクがもっと喜ぶぞ」
《な、なんだか餌をちらつかせてない!?それに諸手を挙げて乗りそうな自分も自分だけどっ!
――――ちょっと待って、その前にさっきの魔導福音の結果を――――》
トゥーンゼルダ「――――!!ああ!ぜひ聴かせてくれ!今更疑ったりなど…しない!」
995
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:49:58 ID:9jbC8ECY
《――――――――――――――――――――――――えっ?》
トゥーンゼルダ「…………ど、どうした…?」ゴクリ
《――第三勢力、第29区ならびに第11区に出現!
キノコ王国軍との共闘、ならびに石化被害者の治癒を開始!――だって!凄い凄い!》
固まること、数秒。
嬉しい体の悲鳴と、激しい鳥肌が襲い掛かってきた。
トゥーンゼルダ「…………救助でも延命でもなく、治癒だとっ!!
本当か!?そんなこと、できるのか!!
おまけに――――第三勢力!?一体何者だ!?」
996
:
Mii
:2020/12/12(土) 18:55:50 ID:9jbC8ECY
〜第29区〜
ニンテン「―――――――――ヒーリングゥ――――――――」パアアアアアァァァ!!
アナ「――――――――γ’(ガンマ・ダッシュ)――――――――っ!!」パアアアアアァァァ!!
ロゼッタ「――――――――っ!!?」
パリイィィィ―――――――ン!
ロイド「集めた、集まった避難者まとめて――――『全員を』石化から解放します!
いたちごっこかもしれませんが、時間稼ぎにはなりますよ!」
ニンテン「ガクッ…一瞬にして、PPからっけつになりやがった、けど…!
MOTHER軍、ここに進撃、開始だぁ――――っ!!」
アナ「ハァ、ハァ……そこは進撃じゃなくて巡回、でしょ…ハァ、ハァ…」
ニンテン「そこ、水を差さない!!」
不思議なチカラ…超能力を持つ少年たちが、
私には――神の遣いの如く映ったのでした。
997
:
Mii
:2020/12/13(日) 04:50:31 ID:9GX1QhWw
このスレはレス数が1000に近づいたため、次スレを用意したうえで更新停止となりました。
次スレは
ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか、今度こそ」
となります。よろしくお願いします。
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