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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」
1
:
Mii
:2019/03/31(日) 10:37:38 ID:iLEqj1bw
このスレは
ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」
を前スレとする続編となります。
前スレをご覧になられていない方はそちらを先にどうぞ。
遅い進行のスレですが引き続き頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。
パルテナ「そのほか、いくつか注意点があります。
・スレ主のスマブラfor経験は、CPU(Lv.9)とのタイマンで
勝ち越せない程度の実力しかありません。
戦闘描写に過度な期待をすると酷いことになります。
むしろ、『うわあ、この描写ニワカだな』と粗探しするくらいの気持ちで
読むようにしてください(最重要)。
・前スレ同様、いろいろとパロデイ、メタ発言が散りばめられています。
キャラが自分たちの背景情報を活用する…みたいなご都合主義は
白ける方もいらっしゃると思います。そんな時は…
別のスレに移って、このスレのことは忘れましょう。
パルテナお姉さんとのお約束ですよ♪うふふふふ」
857
:
Mii
:2020/08/29(土) 18:48:48 ID:kKysAgF6
リンク「悪いな!そのシルバーリングもまた、クッパ軍に作って貰った呪いの品でさ!
秘宝でも宝具でもなんでもないし、一度付けたら、ちょっとやそっとじゃ外れないぜ。
耐久10倍効果とかも嘘っぱち。前は俺が手を抜いてただけ。驚いたー?」
ロゼッタ(偽1)「…………!!」ギリッ
偽者から、余裕というものが無くなります。
むしろ、変に腕輪をひっぺがそうとしたせいで、確実に時間をロスして、とうとう――――
リンク「あーたーれぇ――――!!」グッ
ビシャアアアアアアアアアーーーン!!
ロゼッタ(偽1)「―ぁ――――」シュウ・・・
雨降りしきるフィールドに、特大の放電フィナーレ。
激しすぎる光に包まれて、偽者はたちまち滅されていきました。
フォックス「敵機撃墜ぃ!流石にこれは躱しきれないよなぁ!」
信じられないものを見たかのように、周囲の分身体たちも動きを止めてしまっています。
858
:
Mii
:2020/08/29(土) 18:51:20 ID:kKysAgF6
リンク「意義があるんなら、悲観し過ぎずに最初っから仕込みを使うべきだったな…!」
マリオ「いやでも、力及ばなかったみたいで嫌じゃないか…できれば頼りたくなかった」
リンク「一人でも不幸な人を減らすためなら?」
マリオ「躊躇わず使う、当然だな」
リンク「おう、それでいいんだよ」
ロゼッタ(相変わらず、規格外すぎる方々ですね)
クッパ「…ちっ、だからといって、不気味な扉や他の分身体が、
いきなりフッと消えてくれるわけではないらしいのだ。
まだまだやることは多そうなのだ!」
そう、ですよね。まだまだ気は抜いていられませんよね。
『……………………』
…なんだか、タブーの方も、あんまりショックを受けているようにみえません。
次の作戦に移ったからもうどうでもいい、用済みだ…ということでしょうか。
分身体、哀れなり。同情はいたしません。
859
:
Mii
:2020/08/29(土) 18:56:09 ID:kKysAgF6
マリオ「だいたいだな、なんだよあの異形の者たち。
落ち着いて考えてみりゃ、おかしいだろ。
キノコ王国の敵を呼ぶならまだしも、一体全体、何がどうなって――」
『失笑したくなるほど察しが悪い。…まあ、よかろう。
見事、彼女を倒したことに敬意を表し、開示してやろうか。
すなわち、こういう、事に過ぎない』
リンク「そいつは助かる。思い違いの強者の余裕って奴かな?
ぜひとも、倒されるまで勘違いし続けてくれると嬉しいな」
タブーがぱちんと指を鳴らすと、煙を纏って突如として現れし、2人の男。
…はて、知らない顔ですね。
一方は荘厳な顔つき、そしてもう一方は飄々とした顔つき。
共通して言えることは……悪役顔がとっても似合っています。
ただ、その程度の感想を抱いたのは、恥ずかしながら私だけだったようです。
ファイター各々、大きく顔色を変えることになっています。
知り合い…いえ、知っている敵なのですか?
860
:
Mii
:2020/08/29(土) 19:00:46 ID:kKysAgF6
一人目の方には、ゼルダ姫、そしてリンクが激情を露わにしました。
ゼルダ「…なん、ですって」
リンク「――――はあっ!?
どうしてお前がそこにいるんだよ――――答えろよ、ガノンドロフっ!!」
ガノンドロフ「――――フン、断る」
そして、もう一方は――――
ルキナ「な、なん、で――」ガタガタ
絶望の、形相。
「やあ。また敢えて嬉しい、とだけ言っておこうか。
寸でのところで逃げるなどとは、往生際が悪かったね、ルキナ。
僕…いや。『我』に面倒を掛けさせるとは、いけない子だ。
でも――鬼ごっこはもう、終わりにしよう」
ルフレ「――――邪竜、ギムレー……!!まさか――――こんなことって――――!!」
861
:
Mii
:2020/08/29(土) 19:05:08 ID:kKysAgF6
ひとりの女性の方が、蛇に睨まれた蛙のように、恐怖に支配されて…ガクガクと震え、たちまち尻餅をついてしまいます。
すかさずルフレと呼ばれる方が駆け寄っているみたいですが、功を奏していません。
ルキナ「――――――――あ、ああ!お、もい、だしました。
やぶれかぶれ、の、けっき、がだいしっぱい、して。みなごろしに、なって。
さいごの、ひとりに、なって。おいつめ、られ、て。
きんきゅう、てんいを、いしきがなくなりながら、かろうじて――」ガタガタガタガタ
リンク「トラウマ再発かよ…!落ち着け、ルキナ!今は俺たちが付いてる!」
ギムレー「なるほど、なるほど。意識の混濁が心の保全に奇跡的に役立った感じかい?
通りで、案外ピンピンしているわけだ」ニヤッ
リンク「心の保全に役立った、だあ?――――勝手なこと言いやがって。
…それにしても、あれって、ルフレと瓜二つというか、ルフレそのまんま――」
ルフレ「…………そうです。邪竜ギムレーとはすなわち、忌まわしきもう一人の僕。
僕と同化して完全な姿になろうと画策し、それが叶ってしまったのが、
おそらく『そこにいるルキナ』の世界…。軽蔑してくれて、構いません…………」
リンク「馬鹿野郎!!」ガツンッ!
ルフレ「ぐわっ!?」ゴロゴロ
リンク「軽蔑してやるよ!積もる裏話とかあるんだろうし、その事実自体は別にぜんぜん責めねぇよ!
でも、さっきのロゼッタ同様、そういう情報はちゃんと事前に伝えろぉ!!
準備できることが全然違ってくるだろうが!」
ルフレ・ロゼッタ「「は、はいぃっ!!」」
862
:
Mii
:2020/08/29(土) 19:07:58 ID:kKysAgF6
ギムレー「…とはいえ、ここにいる『我』は『我』ではないのだけれどね。
一通り国を征服して暇していたところに、興味深い話を持ち掛けられて、
写し身を提供したまでのこと」
ルフレ「…写し身?ど、どういうことだ?」
ギムレー「我の模造や異形たちを使って暴れたい、復讐の支えとしたいと持ち掛けられたのさ。
別に、我はそこの異常生命体とつるむつもりも、ましてや協力してやるつもりもない。
ただ、興味本位、だね。異形共の提供も含めて。
模造を作る力があるというのなら別に止めやしない。勝手にすればいい。
『我』の国には依然として『我』本人が万全の態勢で居座っているよ。
どう転んでも懐が痛まずに…うまく事が運べば、国をまた一つ潰せる。
悦に浸れる楽しみがあるならば…ひとつ噛んでやってもいいか、と考えたまでさ。
…ああ。やはり、興味本位に尽きるね」
マリオ「呆れるほど身勝手な参戦理由だな…」
ルフレ「…訂正してもらいたいね、あの場所は僕たちみんなの場所で、みんなの国だ。
断じて、お前なんかの所有物じゃあ、ない!」
ルフレが魔導書片手に強がっている様子ですが、怯えているのが見て取れます。
非常に強い拒絶感、嫌悪感。そして…絶望感。
863
:
Mii
:2020/08/29(土) 19:11:21 ID:kKysAgF6
リンク「…ちっ。コイツを倒してもルキナのいた世界が平和になるわけじゃないのか。
…じゃあ、何か?…お前も、影武者か何か?」チラッ
リンクが、そう言ってガノンドロフと呼ばれし者の方を見やります。
ガノンドロフ「さあ、どうだか――――」
リンク「あ、そりゃそうだわ。本体は半壊ガノン城で三途の川を、必死にばたついて犬掻きでもしているはずだもんな。
ここに来られるわきゃないか。変な置き土産残しやがって…」
ガノンドロフ「…………」ワナワナ
ガノンドロフ「…言っておくが。ここに連れてくることを許可した魔物どもは…
直近の争乱で余った輩ばかりだぞ。
使いどころに困ったから廃棄処分のつもりで譲ってやったのだ」
リンク「…直近の、争乱?ハイラルの?…ええと、それってつまり」
ゼルダ「――――あああぁぁ!?どう考えても暴走した私のせいですね御免なさいぃ――!!」
何故かゼルダ姫が絶叫して頭を抱えていらっしゃいます。
話を纏めると…特に協力関係にはないけれども、興味本位やら腹いせやらで、
厄介な者、3人が手を組んでしまった…そういうことでしょうか!?
864
:
Mii
:2020/08/29(土) 19:16:10 ID:kKysAgF6
『…………行けっ!』
ガノンドロフ「…指図するな、忌々しい」
ギムレー「…まあ、のらりくらり遊ばせてもらうとするさ」
異形「「「「「「「「RYEEEEEEEEEEEEEEE!」」」」」」」」ガバッ
マリオ「……!本格的に会場の中も外もてんやわんや、か!
これ以上、転生の扉とやらは増えないかもしれないが…
既に50、いや100くらいは開けられちまってるみたいだ!
ええい、皆!タブー用に戦力残しつつ、分担してあいつ等を抑えるぞ!
個々の戦闘力は大したこたぁない!人的被害、ましてや死者なんて出してたまるか!
ピーチ、そういうわけで司令塔となって指示を…
――――ピーチ?おい?いずこ?」
キノピオ「あわ、わわわわわ」マッサオ
ファルコ「な、なあ!非常に、言い出しにくい、ことなんだが…!」ダダダッ
865
:
Mii
:2020/08/29(土) 19:20:55 ID:kKysAgF6
〜異空間〜
ロゼッタ(偽)「さてと。これで頭脳は潰せたと思うのですが、如何でしょう?」
ロゼッタ(偽)「なんだかんだ言って、貴方が居なければ、マリオだろうとクッパだろうと…
せっかくの凄まじい戦力も、哀れ宝の持ち腐れ」
ロゼッタ(偽)「私たちで、徹底して時間稼ぎさせていただきますね♪
別に倒せるとは思っていません。安心してゆっくりしようではありませんか」
ざっ。ざっ。ざっ。
ピーチ(……………………やられた)
Sランク級、超緊急ミッション。
会場の観客、ならびにキノコ城城下の王国民・観光客を人質に取られかけての――――
拠点防衛戦、スタートと相成りました。
866
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/09/04(金) 21:18:59 ID:oh5Ujv5g
://youtube.com/watch?v=8Ch4X1AeEn0
867
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:09:51 ID:d9f/CHtQ
ドッカーーン!
ガラ、ガラ、ガラ…………!
あちこちで、火の手が上がる。
瓦礫が崩れる音がする。
キノピオ『緊急速報、緊急速報―!非常事態宣言でーす!
城下各地点に、数々の魔物が出現、襲撃を開始しております!
絶対に、無理して戦ったりして、致命傷を受けたりしないでください!
…あ、でも腕に自信がある方はどうか戦っちゃってくださーい!
城下に住まう皆さま、観光客の皆さま!係の者が避難経路へ誘導しますので、
落ち着いて冷静に、安心して従ってくださーい!よろしくお願い致します!
あと、安全なエリアはとことん安全にしておりますので!
逆に抜け出したりしないでください!以上、王国放送でしたー!』
キノピオたちが、広域放送で、あるいは拡声器片手に、必死の避難誘導を開始――!
人々が、不安げな表情を掲げながらも、黙々と付き従う。
そこには、絶対的なキノコ王国への信頼があった。
868
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:14:20 ID:d9f/CHtQ
〜キノコ城北 第7区〜
子供「…うえっ…みんな、どこぉ…!?」
一人の男の子が――うっかり話を上の空で聴いてしまい、はぐれている。
「たかが」、ちょっとあちこちが燃えているくらいの。
「たかが」、ちょっと見知らぬ姿の化け物がうろついているくらいの。
それ以外は、いつもの街中、いつもの遊び場のはずなのに。
それだけで…危険度、段違い。
まるで未知の巨大迷路に迷い込んだかのように、錯乱して、立ち尽くして、
にっちもさっちもいかない状況に陥っている。
――――スマブラ絶賛開催中という、いつもの、お祭り日和。それだけだったはずなのに。
――――なんでこんなことになっているのか、ちっともわからない。わかるはずもない。
869
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:16:41 ID:d9f/CHtQ
――――そうしていたら、目が合ってしまった。
子供「…………ひっ」
翼が生え、ぎょろりとした目で自分を睨む生き物と、鉢合わせしてしまったのだ。
子供「――――――――」ガクガクガクガク
すぐさま、踵を返して逃げなければならない。
なのに、頭も、腕も、脚も、何もかもが震えに震えて動かない。
ただただ、絶望の涙が流れるのみ。
そうこうしているうちに、化け物が、あざ笑うかのようにほくそ笑んで――
命を弄ぶべく、たちまち目前に駆けてきた。
翼をあからさまに威嚇するかのようにバッと拡げ、
男の子を飲みこまんとせんと口を大きく開け――――
魔物「GUOOOOOO―――」バッ
子供「う、うあああああああああああ――――」ポロポロ
トゲノコ「チャージアターーック!」ガツンッ!!
魔物「」チーン
870
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:18:18 ID:d9f/CHtQ
子供「…………え?」
トゲノコ「正義は かあああぁぁーーーーっつ!!」
トゲノコ「エリート部隊なめんなやー!!」
トゲノコ「うおおおーー!!」
子供「…………………」
子供「あ、ありがとう…」グズッ
トゲノコ「…!?う、うおっ!勘違いすんなよ!
俺たちは…そう!クッパ様に断りもなく、横槍で――
キノコ王国を勝手に踏みにじろうとする奴が許せないだけだ!
別にお前を助けようと後を付けていたわけじゃないぞ!
俺たちは エリート だからな!お前のことなどどうでもいいのだ!」
トゲノコ「まあでも乗り掛かった舟だから、
とりあえずお前をみんなの所まで届けてやろう!
本当はふん縛って奴隷の如く引き摺るところだが、
ちょっとは気が咎めるから肩車で勘弁しておいてやる!
泣いて感謝するがいい!はっはっは!」
子供「…ありがとう、ございます…………」ポロポロ
トゲノコ「うあーっ!いい加減泣き止め!調子狂う!」アタフタ
871
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:20:29 ID:d9f/CHtQ
〜キノコ城西 第22区〜
敵傭兵「…………腹が減ったな」グゥゥ
敵傭兵「………………………………」キョロキョロ
敵傭兵「………………おお!!」
アイテム店店主の張り紙
『非常事態のため、回復アイテムを露店解放いたします!
必要量だけ、どうぞご自由にお持ちください!お代は結構です!
保存の効くキノコと野菜が揃ってます!加熱処理せずそのまま食べられます!』
敵傭兵「くく、馬鹿め。こんなことをして、敵を助けるとも知らず。
じゃ、適当に食ってやるか――――もぐ。
うわっぺっ、なんだこのしなびたキノコは。旨くもなんともねぇな、けっ!
こっちの野菜の方がよっぽど――――」ガブッ
白ピクミン「ギャァー」ハーイ
敵傭兵「」チーン
872
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:22:37 ID:d9f/CHtQ
敵傭兵「…おい、しっかりしろ!?――クソくらえ、罠だったのか!…………ん?」
赤ピクミン「ハーイ」ペシッ
赤ピクミンの ジャンプ攻撃!
敵傭兵に 0.1 ダメージを 与えた!▼
青ピクミン「ハーイ」ペシッ
青ピクミンの ジャンプ攻撃!
敵傭兵に 0.1 ダメージを 与えた!▼
黄ピクミン「ハーイ」ペシッ
黄ピクミンの ジャンプ攻撃!
敵傭兵に 0.1 ダメージを 与えた!▼
紫ピクミン「ハーイ!」ペシィッ
紫ピクミンの ジャンプ攻撃!
敵傭兵に 0.2 ダメージを 与えた!▼
敵傭兵「はぁ?それで攻撃のつもりか…?フンッ!」ザシュッ
ピクミンs「ギャー!」バタリ
敵傭兵「舐めんな、痛くも痒くもねぇ」ペッ
873
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:24:51 ID:d9f/CHtQ
―ハーイ!
――ハーイ!
――――ハーイ!
ドドドドドドドド…………!
敵傭兵「だからいい加減に――――」
赤ピクミン×1000「「「「「「「「ハーイ」」」」」」」」ドドドドドド
青ピクミン×1000「「「「「「「「ハーイ」」」」」」」」ドドドドドド
黄ピクミン×1000「「「「「「「「ハーイ」」」」」」」」ドドドドドド
紫ピクミン×1000「「「「「「「「ハーイ!」」」」」」」」ドドドドドドドドドドドド
敵傭兵「」
オリマー「あんた、『コピーフラワー』って知ってるか?」
ピクミンs「「「「「「「「「「「「「「「「ワー!!」」」」」」」」」」」」ペシペシペシペシペシペシペシペシ
敵傭兵「」チーン
874
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:27:57 ID:d9f/CHtQ
オリマー「露店に瀕死白ピクミン補充っと…………こいつ等、馬鹿だなー」
店主「キノコ王国民なら有毒性を知らない人はいませんからねー。
ところで、コピーフラワーってこう長くは続かないはずじゃ」ヒョコッ
オリマー「ピクミンたち、知能が低いのが幸い、
『タイミング合わせて踏め』
みたいな単純作業には滅法強いからなぁ…
ここは任せても大丈夫そうかな?他の所も仕掛けたいし」
店主「あ!だったら、残りのコピーフラワーも持って行っちゃってくれませんか!
オリマーさんなら使いこなせるはずです!」
オリマー「おー!こりゃ、ピクミン隊列が捗りそうだ!ありがとうございます!
お礼にいくらか赤ピクミン置いていく!火事場の作業に便利だから!」ダッ
店主「おおきに!」
オリマー「…………さってと、弱いファイターは弱いなりに…
精一杯、頑張ってみるとしますかね!」
875
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:30:07 ID:d9f/CHtQ
〜キノコ城南 第43区〜
住民「逃げろー!魔物が追いかけてきたぞー!」ダダダッ
誘導員「そこの路地に逃げ込んでくださーい!!」ダダッ
魔物「…………………ぐるるっ!!」ダダダダダッ!
バタンッ!
魔物「…………っ!」ゴツンッ!
魔物「………………………??」
バッタン「あぁン?この道通りたいってぇ?
別に良いぜ?そンかわり、10コイン寄越せや」ノッシ
魔物「……………………!?」
876
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:32:55 ID:d9f/CHtQ
バッタン「払えないだぁ?じゃあ通すわけにはいかねぇな!こちとら仕事なンでな!」
魔物「――」イラッ
ゴオオォォォォ!!
魔物の ブレス攻撃!▼
バッタン「…こいつはおでれぇた、ただ土埃を上げるだけの技かよ。
石の頑丈さを馬鹿にしてンのかぁ?ん?んん?」NO DAMAGE!
魔物「――!?」
バッタン「おらぁ、そのまま動くンじゃねーぞー!」バッターン!!
魔物「」チーン
バッタン「はっはっは!口ほどにもないヤツらめ!
これでもドッスンに比べりゃマシなンだぜ?警告はしてやれるからな!
アイツは視界の外から初見殺しで潰しに来やがるってのに!
まあとにかく、ちょいとクッパ軍の実力を見せつけてやらぁ!」
877
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:34:54 ID:d9f/CHtQ
〜キノコ城東 第56区〜
観光客「…あ、あれはっ!?」
観光客「まさかっ!」
――――辛うじて、ファイターたちの援助に頼らず異形の者どもと戦い抜いて来て。
――――流石に疲れ果て、それでも人々の命を守るため、必死に足を前に出す警備兵。
――――そばには震える観光客、まだまだ弱音などは吐けはしない。
――――そんあところに、ゆったりときらびやかに…平然と現れた、一人の美しい女性。
――――知る人ぞ知る、屈強なファイターの一人――!
――――たちまち一気に膨れ上がる、希望――!
キノコ王国軍兵士「あ、貴方はっ!」
彼女は静かに微笑み、苦労をねぎらう顔をしながら――――
ゼルダ?「全てのキノコ王国の兵達よ!争うことをやめ 私に従いなさい!
悪いようにはしません!」バッ!
観光客「――――っ!」
兵士「――――っ!」
皆が一斉に息を呑み、互いに顔を見つめ合って――――
878
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:36:47 ID:d9f/CHtQ
兵士「――――くそったれ、偽者じゃないですか!期待して損した!」
観光客「よく見りゃ、なんか本物より色が黒いぞ!2Pカラーか!
本物のゼルダ姫に謝れ!焼き土下座して謝れ!」
兵士「散々攻撃してきた奴らの仲間だろ、どうせ!
そんな子供だまし話術に引っ掛かるかよ、ばーかばーか!」
観光客「そもそも、キノコ王国軍もクッパ帝国軍も――
ハイラルのお姫様に従う義理なんてねーですよ?
偽者さんはそんなことすらわからないの?」
兵士「「「叩き潰せぇ!!」」」ウオオォォォ
ゼルダ?「」
<<キノコ王国軍、ゼルダ?の言葉により 怒りで『やる気上昇』!>>
879
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:39:27 ID:d9f/CHtQ
〜異空間〜
ピーチ(大丈夫、私が居なくても、きっとなんとかなる。
開催前からクッパとも協力して、できるだけの手は打っていたし。
そう簡単には、キノコ城は、キノコ王国は――挫けない)
ピーチ(他の皆をまとめ上げ、作戦を練ることだって、きっと誰かが――)
ロゼッタ(偽)「誰かが代わりを務めてくれる、なんて思っているのでしょうが、無駄ですよ?」
ロゼッタ(偽)「そうですとも。これでも、私たち――
ピーチ姫の実力を、高く高く評価しているのですから」
ピーチ「…………そりゃあ、どうも。
貴方たちに褒められても、全然嬉しくないけれどね」
ピーチ(私を異空間に残して去ってしまえるのなら、とっくにやっているはず。
つまり、彼女たちは私の拘束のために留まらなければならない制約がある。
本人と違って実力が不足していることが多少は反映されているのかしらね。
言い直せば、全員倒せば拘束から抜け出せることになるわ)
周りを一瞥。全部で6人。戦闘力的には、これでも私側に遥かに分がある。
問題は、転移一本やりで振る舞われたら1人倒すことも大変、という懸念があること。
となれば、ここはあれね。「ロゼッタならではの弱み」を探し出して、捻り出して。
油断させておいて一瞬で一網打尽にするしかない。
880
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:41:49 ID:d9f/CHtQ
ピーチ「…………いいわ、仕方ないわね。ゆっくりするの…付き合ってあげましょう。
お互い、相手を害するには策がない…そういうことでしょう?
それがどちらにとって好都合となるかは、わからないけれど」
ため息ひとつ、その場に腰を下ろす。
フシギな弾力の地面に、無警戒過ぎたかとひやっとしたけれど、
とりあえず牙をむいてくることはなくてよかったわ。
ピーチ「そんなに離れなくてもいいじゃない。
もうちょっとこっちに来て、おしゃべりでもしない?」
ロゼッタ(偽)「そこまで馬鹿ではありません。
私の警戒力で貴方の動きを見切れる程度には離れますよ」フッ
ピーチ「ちっ。面白くないわねー」
体育座りで、しかめっ面。緊張をほぐすため、あるいは緊張をほぐさせるため…
両手でほっぺたをグニグニ変形させて遊んでみる。
…うわ、思いの外、凝り固まってたわね、私の顔。嫌になっちゃうわ。
ピーチ「それでー?確かに統率力について聞かれたら、
『統率100です』って自信を持って返せる人間よ、私。
でも、どうして、私の代わりがいないって言い切れるのよ。
あの場には、国を治める人や、英雄と呼ばれてしかるべき人が
十分すぎるほどいたと思うのだけれど?」
881
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:44:28 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ(偽)「貴方の振る舞い全てが、そう思わせる」
ピーチ「…………え?」
ロゼッタ(偽)「別に、礼儀作法という意味合いではないですよ。
指導力、カリスマ、判断力、知識。美貌、柔軟性、慈愛、向上心。
貴方の実力を――間近で見てきたでしょう、『私』?
このようなことができる者など、貴方の他に誰もいない。
そう断言できる程度には、貴方のこと、見てきたのです」
ピーチ「…………まさかそこまで絶賛されるとは思わなかったわ。
なーんか複雑ね、ロゼッタ『本人』になら是非言ってもらいたかった。
そしたら私、大喜びで小躍りして、まる一日祝賀会を開いてたわよ」
ロゼッタ(偽)「だからこそ、周囲はピーチ姫ありきで動いてきた、動けてきた。
だからこそ、私たちが――隠し、見失わせる意義は途轍もなく大きい。
5割の勝率を10割にする程度、には。
タブー様とも照らし合わせたうえで、虎視眈々と狙っていた甲斐がありました…!」
882
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:46:57 ID:d9f/CHtQ
ピーチ「あらまあ、照れるを通り越して呆れるわ。それは流石に買いかぶり過ぎよ、他の人を舐めすぎ。
私だって、見習いたいな、敵わないなと悔しがることは幾らでもあるわよ?
そう、たとえばゼルダなら、私の代わりくらいササッと…
…あれ、なんでだろう。指示を出す格好は様になってるのに、
真面目に考えているようで予想外のことにテンパって
ズッコケる景色しか浮かばない!?」
ロゼッタ(偽)「ほら、みなさい」
ピーチ「…い、いやいや。流石に私の目が曇ってる、だけだから。
そ、そうよね?そうと言ってよね、ゼルダ!?
妙に高飛車な態度で反目買うとか、そんなことないわよね!?」
ロゼッタ(偽)「そもそも、周りの人々の適材適所を咄嗟に理解して割り振るなんて芸当、
彼女にできると本気で思ってますか?」
ピーチ「凄い痛い所を衝かれた!
…いやね!ゼルダだって立派な施政者なのよ!天才なのよ!
伝説のたびに知識がリセットされるような境遇だから私と差が付いただけで!」
ロゼッタ(偽)「本音が出ましたね、自分よりは劣ると」
ピーチ「むむぅ…そうは捉えてほしくないんだけれど…」
883
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:51:09 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ(偽)「それで、他の方はどうですか?
マリオやクッパは、自ら知識面ではピーチ姫に白旗を上げていますよね。
リンクも、考えるのは苦手のようですし。
3強といえど、あくまで本質は戦闘力のみです。
ルフレという軍師もいましたっけ。頭脳明晰そうではありましたが。
戦闘力が低すぎるうえに誰彼の能力も十分に理解し切れていない。
5年10年の経験の積み重ねでもあれば事情は変わっていたでしょうが」
ピーチ「見た感じ、基礎体力なら分身体の貴方よりは流石に戦闘力高いんだけど…」
ロゼッタ(偽)「…耳障りですね。…パルテナは女神だそうで。眉唾物ですが。
妙に皆の裏事情に詳しそうですが、やはり戦闘力が頼りなく」
ピーチ「見た感じ、基礎体力なら分身体の貴方よりは流石に戦闘力高いんだけど…」
ロゼッタ(偽)「…………」
ピーチ「続けて続けて」ヒラヒラ
青筋浮かぶロゼッタというのもちょっと面白い、かも。
884
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:54:03 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ(偽)「…要するに、です。最終結論として。
最低限の戦闘力を持ちつつ司令塔となって動ける人材など、
あの場にいるわけがないのですよ。
混乱の極みの中で、地獄の業火に焼き尽くされるのが関の山です」
ピーチ「…………」
ピーチ「そう、かもしれないわね」
ロゼッタ(偽)「やっとわかっていただけましたか、状況の深刻さに」フッ
ピーチ(実の所、『覚醒した』デイジーなら余裕でクリアできてるんだけど…。
まあでも、数時間単位の集中し切った暗示が必要みたいだし、難しいわよね…。
うう、お願いだから、誰か1人でもいいから適任者がいてほしいわ…!)
885
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:58:03 ID:d9f/CHtQ
〜急設 指令スペース〜
慌ただしく、戦闘員ならびに非戦闘員が行き交う――
キノピオ「キノコ王国軍、クッパ帝国軍と連携して各所で交戦中!」ダダッ!
キノピオ「申し上げます!各ファイターに、交信用の通信機を手渡し完了!
リアルタイムで、情報交換したり、指示があるポイントへ向かわせたりすることが可能です!
…皆さん超スピードで動き回るんですもん、辛かったぁー!」
「被害状況は、どうなってる。暫定のものでいい、ファイルを見せてくれ」
キノピオ「はいっ!できるだけ簡潔に、こちらにまとめてあります!」サッ
「貸せっ!すぐに目を通す!」
バサッ! バサッ!バサッ!
キノピオたちがギョッとするほど、激しくページをめくっていく音…!
886
:
Mii
:2020/10/25(日) 00:59:44 ID:d9f/CHtQ
「――――――――よし、大まかに把握した!
…聞こえてるか、皆!とりあえず、向こう30分の行動指令を出すぞ!
追加で指令が無い限り、脇目振らず従ってくれ!上から目線で済まないね!
マリオ!ルイージ!
今お前らがいる区画から、南東方面500m四方に大量の魔物が出現したよ!
幸い、ほぼ全員地上戦闘系だそうだ!適当に薙ぎ払え!」
マリオ『適当て』
ルイージ『もうちょっと具体的に指示してくれないの?』
「お前らの方が城下の地形や通路は把握してるだろ、なら任せた方が早い!
あえて言うなら、レンガ作りの家屋が多いか?延焼の危険性は低そうだ…
ならば、ほどほどにファイア主体で攻めろ! 住民の巻き込みを危惧せず済む!
異形はびこる戦場だ、未知の病原菌とかを焼き殺す効果も少しはあるだろう!」
マリオ『おっけー!任せろ!』
ルイージ『ブラザーアタックも狙って行こうね、兄さん!』
887
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:01:40 ID:d9f/CHtQ
クッパ『おい、ファイアならワガハイの出番だろう!マリオらの比ではないぞ!』
「アンタは駄目だ、火力が強すぎる!住民を蒸し焼きにする気か!
それに、狭い路地に入り込むにはその図体は少々不便だろ!他のポイントを言い付ける!」
クッパ『なにを生意気な、小娘が!』
「あいにく、今はこっちの方が指示系統として立場が上なもんでね!物怖じはしないよ!
従う気が無いなら失せてくれ!そうでないならひとまず飲みこんでくれ!
あとで土下座のひとつでもしてやる!それで満足してくれるかい!」
クッパ『…むう』
「それに、アンタの軍勢は喉から手が出るほど使いこなしたい。
開けた中央エリア一帯を…波状攻撃を仕掛けて、一気に制圧してほしいんだ!
思う存分暴れられるぞ!現金な話だが衆目の前で名誉も得られる!
どうだ、大魔王様。現場監督として腕が鳴るだろう!」
クッパ『…………ふん!ワガハイの性格をよくわかってるじゃないか。
なんともシャクだが、とりあえずは話を聞いてやるのだ!』ククッ
888
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:03:49 ID:d9f/CHtQ
「『大きい方の』リンクは、ピットと共に突っ切ってほしい!」
リンク『突っ切る…?』
「リンクは、3強の中ではマリオやクッパに比べて範囲攻撃の手数に劣るが、
機動力と火力とを高いレベルで兼ね備えたファイターだろう。
それを存分に活かしてほしい!酷かもしれないが、駆けて駆けて駆けまわれ!
苦戦中の区画が見つかるたびに連絡するから、全速力で駆け付けて瞬殺しろ!
ただし、司令部が察知していない危険地域を通りかかったら…
リンクの裁量で寄り道を許す!余裕がある限り『ひと当て』ちょっかい掛けておけ!
もちろん、それが済み次第、目的ポイントに改めて向かえよ!
ピットはリンクの補佐および上空からの偵察を頼む!
状況に応じて、リンクを抱えて飛翔移動までしてくれるなら万々歳だ!
自動的に、飛翔の軌跡を使うパルテナも同行だな!」
ピット『なるほど、そいつは合理的だ!すぐリンクと合流するよ!』
リンク『パルテナの戦闘力の低さは、俺がうまくカバーすればいいんだな!』
パルテナ『うう、実力不足が心苦しいですが…承りました!
ふっふーん!飛翔の奇跡…というか奇跡全般は空間魔法とは別腹みたいです!
これは儲けましたね!』
889
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:06:03 ID:d9f/CHtQ
「マルス、アイク!できれば、人を斬ることに躊躇しないことを見越して、
FE勢を人間型の敵にドカンとぶつけたいんだが、構わないな?」
マルス『何を今さら。時代は違えど、自分たちの国の尻拭いをするという意味でも、いいんじゃないかな』
アイク『それが利点になるというのが俺の中ではしっくりこないが、適任だというのなら喜んで受けよう』
「助かる。戦力不足かもしれないが、ルフレとルキナも連れて行ってやってくれるかい?
一番コンビネーションが上手くいくのは当然お前たちだろう」
マルス『それはもちろん構わないけれど…うーん、どうだろうね。
僕たちのグループだけで本当に固めちゃうと、
攻撃スタイル的に、特に僕とルキナが役割が被ることが出てきそうで』
ルキナ『すいません。そうなると、本当に私が用済みになってしまいますね…』
マルス『別にルキナを責めてはいないよ。少しばかり僕に年の功があっただけさ。
でも、酷い言い方をしてしまってごめん。
最近じゃ、リンクとの連携も中々よさそうな気がするよ。
そちらも考えておくのはどうだろうか』
「…ああ、それもそうか。じゃあ、もしリンク達と合流する機会が有ったら、
場合によってはルフレとルキナをリンクに引き渡してもいいぞ。
かわりにピットとパルテナを引き受けてほしい。
グループの特性を上手くスイッチして、それで戦況が好転するケースもあるだろうし」
マルス『わかった。じゃあ最初は、2人とも僕たちと行動だね』
ルキナ『よ、よろしくお願い致します、マルス様!すぐ合流します!』
890
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:09:07 ID:d9f/CHtQ
「ソニックはリンク以上に縦横無尽に駆け回って敵を翻弄!
ただし処理に時間が掛かりそうな場面に出くわしたら救援を要請すること!
…いやむしろ、9割がた状況把握のための偵察として動いてくれても構わない!
気になる戦況はどしどし報告してくれないか!」
ソニック『おいおい、俺に戦うなっていうのか?ふざけるなよ?』
「お前の速度は貴重過ぎるからな、仮にソニックが一切戦えなくても――
私の指示がより的確になって、他のファイター全員の戦闘効率が5%でも上がれば、
結果的に有り余るお釣りがくる!どうかわかってほしい!」
ソニック『…っはは!冗談だ冗談だ。そこまで俺の速さを評価してくれてるのは嬉しいぜ!
いいぜ、言われた通りに動いてやっても!』ダダダダダダッツ!!!
「恩に着る!
……そして、名を挙げなかった他の者たちは、城下に飛び出してしまっているなら
ひとまず今いる場所から無理に大きく移動・転回しなくていい!
必要があれば、すぐに私から要請を出すから、それを待ちつつ周囲をねじ伏せろ!
ただし、それほど試合会場から離れてないやつは一旦会場に戻れ!
できるだけ偽者のロゼッタ達を減らすのに協力しろ!タブーの警戒も現状薄いしな!
もちろん、この指示自体も状況に応じて臨機応変に人数調整させてもらうから頼むぞ!」
ファイター『『『『『『『『――――了解!』』』』』』』』
891
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:12:06 ID:d9f/CHtQ
「いい、返事だ。飛び入りだというのに、指示の出し甲斐があって嬉しいよ。
心の底から感謝する。それでは――――」
トゥーンゼルダ「皆、健闘を祈る!!」クワッ!
【テトラモード:統率96】
ゼルダ「…………」
ゼルダ「どうしてこうなった…………」ズーン
【統率85】
トゥーンリンク「いやだって、3伝説分の『荒波に飲まれ鍛えられた』
リーダーシップ経験値があるし、ね?」
892
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:14:26 ID:d9f/CHtQ
ゼルダ「私だって…私だって、かつての伝説たちの記憶、
無理やりですがシアとかいう魔女に戻されているのに…」
トゥーンリンク「うーん…。戻ったといってもまだ時間不足で馴染んでないっていうのと…
あんまり統率っぽいこと、各伝説でやってこなかったんじゃない?
捕まってるだけとか、潜伏してるだけとか、寝てるだけとか…。
少なくとも『うちのゼルダ』は、2回分はバリバリ指示を出してたよ?
…2回は言いすぎか。1.2回分、くらいかな」
ゼルダ「」ガーン
トゥーンゼルダ(代わりたいならどうぞ代わって下さいよ!いつまで私、
おばあ様に成り切って皆に振る舞わなければならないのですか!?
いや、それは確かに、魂としては私=おばあ様なんですが!
なり切ることも容易ではありますけど!妙にカリスマ発揮しますけど!
なんだかもう色々とややこしいんですけどっ!)
パルテナ(SS内のその設定、覚えている人いるんですかね…)
トゥーンゼルダ(……今誰かの呟きが刺さった気がします!)
トゥーンリンク「ゼルダ、頑張れ!周辺警護は任せてよ!」
トゥーンゼルダ「が、頑張ります!…じゃなくて、頑張ってやるよ!」グッ!
ゼルダ「…………」グズッ
ヒルダ「よしよし」ナデナデ
893
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:20:22 ID:d9f/CHtQ
魔道士「ヒャハハ!どんどん攻め立てるのだ!」グオォ
キノピオ「ももも、申し上げます!
キノコ城東の第63区、陥落寸前!魔物軍、ますます激しく進軍開始!
一般市民らの避難はすでに終えているのが不幸中の幸いです!
ですが今の警備兵だけではどうにもなりませーん!」
トゥーンゼルダ「――っ!早速出番だぞ、リンク!第63区に進軍せよ!
キノピオ、警備兵には無理だけはしないように伝えてくれ!」
リンク『まっかせろぉー!!』ダダダッ!
ピット『待ってリンク!速い、速いっ!合流できないんですけどっ!』
パルテナ『私など、もっと無理なんですけどっ!置いていかないでくださーい!』
リンク『2人とも、俺が片を付けるまでに合流できなかったら罰ゲームだぞー!』
ピット『無茶言うなぁー!!』
トゥーンゼルダ(…まあ、『大きい方の』全力で動けているうちは、
きっと大丈夫ですよね、そう信じましょう)
894
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:24:01 ID:d9f/CHtQ
マリオ「ファイアファイア、ひたすらファイア!」ボウッ!
ルイージ「お前たちなーんか、1発当たっただけで即アウトだぞー!
近付けるもんなら近付いてみろー!」ボウッ!
魔物「「「ギャアアアアアアア!!!」」」バタリ
マリオ「ふむ、一通り片付いた、か……!?」ビクッ
敵傭兵「所詮唯の魔法だろうが…!そして、魔法使いは物理面に弱いのが常識。
これでも――食らえぃ!!」ブンッ!
カキイィィ――ン!
ルイージ「え、だれが魔法使いって?まさかとは思うけど、兄さんのこと言ってる?」
マリオ「悪い、不意を衝いて近づいてきた度胸は大いに褒めるが、
そんじょそこらの使い手の剣じゃ素手で受けても痛くないんだ」パシッ
敵傭兵「え゙」
マリオ「むしろ剣の切っ先を握って剣を奪い取れるレベル」ズルッ
敵傭兵「」
マリオ「ついでに言うとそのまま剣の柄部分で殴り倒せるレベル」ブンッ
敵傭兵「」チーン
895
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:27:47 ID:d9f/CHtQ
ルイージ「まあ、そのくらいじゃないとリンクの剣戟で死んじゃうしね…。
にしても数が多すぎるよ、兄さん!どうするの!?」
トゥーンゼルダ『区画内の敵を減らすのはもちろんだが、
敵をポコポコ召喚している扉がどこかにあるはずだから破壊しろ!
高エネルギーの技をぶつけてやればいいはずだ!
敵側の増援を止められるぞ!念のため、直接殴ろうとはするなよ!』
マリオ「声を拾ってくれてたか!助かる!『転生の扉』とかいうやつか?
――――――――――――あれか!」
転生の扉「――――」ブウゥゥゥゥーーン
ルイージ「兄さん、この距離からいくよ!せーの!」サッ
ポイッ!ポイッ!ポイッ!
マリオ「怒涛の『スピードボム』、全弾食らっとけ――!!」ブウゥゥン!!
パリイィィィィ―――――ン!
転生の扉は 大ダメージを受けて 跡形もなく 崩れ去った!
そのまま 光となって 消えていく!▼
896
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:32:59 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ(偽)「――――――――っ!」ギリッ
<<第63区の『転生の扉』の破壊に成功!>>
<<キノコ王国軍、魔物軍への反撃により、やる気上昇!>>
マリオ「そのついでで、息を潜めた偽者ロゼッタ発見!
…くそ、すぐさま逃げられたか。そりゃそうだよな」
ルイージ「兄さん、どうする?ここを離れたら、しばらくたってから…
あの変な扉をまた作られるかもしれないよ?明らかに管理者っぽかったし」
マリオ「…………いや、離れよう!釘付けにされたんじゃ
何もできなくなっちまう。そこまで頭が回らないことを祈ろう」ダダッ!
ルイージ「…仕方ない、かあ!」ダダッ!
ロゼッタ(偽)「…………」
ロゼッタ(偽)「…………」
ロゼッタ(偽)「よいしょっと」
ロゼッタ(偽)「……………………油断大敵ですね。では、お言葉に甘えて――」クスッ
マリオ「――――お前がなぁ!」ズドンッ!
ロゼッタ(偽)「」チーン シュゥ・・・
897
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:35:33 ID:d9f/CHtQ
ルイージ「消えてく、消えてくー。
僕が言うのもなんだけど、ロゼッタって……
戦闘面での心理的駆け引き、経験不足すぎるね」
マリオ「正確に言うと、『調子に乗った時の駆け引きが愚策極まりなくなる』だな。
ディメーン戦でのロゼッタは冴えわたってただろ?
味方の命背負って、最悪を考えて動くときのロゼッタは強いんだよ。
調子に乗らないことでバランス取れてるんだよ。俺はそれでいいと思うぞ?
というか、隠れて動くんだったら相手が隠れることも予測しとけよと。
これだけ遮蔽物があると、俺と偽ロゼッタとの身体能力差じゃ…
気付いたころには手遅れ甚だしいんだよな」
ルイージ「言ってあげないでよ……」
<<キノコ城の陥落に注意せよ!>>
マリオ「させねぇよそんな事!」
ルイージ「ど、どうしたの兄さん?」
898
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:39:05 ID:d9f/CHtQ
パタパタ「キノコ城南の第35区にて!クッパ帝国軍、避難警護を行いつつ南東へ後退開始!
帝国軍に支障ありませんが、人員空白箇所が発生!徐々に押されています!」
トゥーンゼルダ「リンクは…流石にすぐ駆けつけるのは無理か」
サムス『南、だって?ちょうどいい塩梅に向かえるかもしれん!
あまり地理を把握していないから、現地までの誘導をお願いしたい!』
トゥーンゼルダ「ありがたい!ではサムスに向かってもらおう!今、どの区画にいる?」
サムス『…そう、だな。大通りを適当に蹴散らしつつ、ひた走っているんだが…。
…ああ、第28区を抜けて、たった今第33区に入ったところだ!』
トゥーンゼルダ「……………………ふむ。
そのまままっすぐひたすら進めば着く!最短距離で頼んだぞ!」
サムス『まっすぐ?…いやちょっと待て、さっそく目の前に行き止まりが見えてきたぞ。
左か右にしか行けないんだが。どこかでまた方向転換か?』
899
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:42:27 ID:d9f/CHtQ
トゥーンゼルダ「…キノピオ!あの辺りは、ただの食糧備蓄保管庫、だよな?
貰った地図にはそのように記されているんだが、合っているな?」
キノピオ「は、はい。そうですけど――――」
トゥーンゼルダ「――――そういうわけだ。そのまままっすぐ!」
サムス『……………………えええ…』
トゥーンゼルダ「そこをなんとか」
サムス『…ハァ、了解。言っとくが、弁償はしないからな!
――――シャインスパアアァーーーク!!!」ゴウッ!
倉庫「「「ぎゃああああああ」」」
キノピオ「」
サムス『…………小麦粉まみれ…ええい、気にしない気にしない!
最短距離で突っ込めぇ――っ!』ダダダッ!
900
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:45:17 ID:d9f/CHtQ
<<キノコ城東、第63区にリンク到着!ピット、パルテナも接近中!>>
トゥーンゼルダ「よし、予想以上に速かったな!さっさと片付けてくれ、リンク!」
リンク『お、おう。よく俺が到着したって分かったな。
うお、いるわいるわ、魔物達。懺悔の時間も与えてやらねぇぜ!』
ピット『し、死に物狂いでなんとか駆けつけたよ…ふう。
う、うわっ!ちょこちょこ人間も紛れ込んでるよ!?見るからに悪人だけど!
本来助けるべき存在の命を奪うって、勇気がいるなあ…!
リンク、どうする?FE勢に任せる!?それとも心を鬼にして斬ってくれる!?
ちょっと時間はかかるけど、生け捕りも検討してみるかなぁ――――』
リンク『…………』
敵傭兵『ぐへへ、死ねい!』ブンッ!
住民『う、うわあああああああ!!!』
リンク『はい、悪人確定。あらよーっと!!』ザシュッ!
敵傭兵『』チーン
ピット『ひぇっ!?――あ、あれ?や、やけに、あっさりなのね』ゾクッ
リンク『え、むしろなんで躊躇すんの?』
パルテナ『そ、それはその…人間殺しは咎める部分も少なからずあるのかな、と。
ピットなど、異種族なのに人型というだけでビクビクしていますし』
901
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:50:42 ID:d9f/CHtQ
リンク『いやいや…。種族で差別なんてしないぜ、俺。
それに、本人の意志とは別に操られてる、とかなら是が非でも助けたいけど…
俺、別に全人類を助けたい正義の味方とか聖人君子とかじゃないし』ザシュッ!
リンク『投降するならともかく、絶賛悪行中の根っからの悪人に慈悲なんてないぞ?
ましてや、今にも襲われようとしてる人の命と天秤にかけるとか馬鹿げてる。
何年、各伝説のパトロールやってきたと思ってるのさ。
悪人1000人斬りすることで善人1人が助かる可能性が1%上がるなら
俺は迷わず1000人斬るよ?』グサッ!
リンク『俺がもっと強かったら、善人を速やかに保護したうえで…
1000人の更生を気長に待つ余裕も…まあ、あるかもしれないけど。
あいにくまだまだ未熟なもんでな。手加減せず斬る。
敵さんが余裕を持たせないように狙って仕掛けた、全部の命は救い切れない、
だから善人のために悪人切り捨てるのは仕方ないし、責められる筋合いはない。
そのことをいつまでも気にして俺自身の調子が悪くなったら
トータルで救われる人が減るから、後悔すらしない。
文句言うならあの世で敵の親玉にどうぞ。それか自業自得と諦めてくれ』ザクッ!
ピット『ドライだ…』
パルテナ『ドライです…』
トゥーンゼルダ(ドライです…)
リンク(俺の出る幕がないくらい、統治者がハイラルを平和にしてくれてればなぁ…)ハァ・・・
ゼルダ(…!?今、リンクのため息が聞こえたような!?)
902
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:54:29 ID:d9f/CHtQ
〜試合会場〜
<<偽者の分身体、集団術式で空中庭園《スカイガーデン》を再展開!>>
ロゼッタ(偽)「「「「「「「「ハァーー!!」」」」」」」」パアアアアアアア!!
ヨッシー「うっ!?また仕掛けられちゃいましたよ!
タブーのFP、本当に無尽蔵にあったりするんですか!?」
ルカリオ「…また、こちら側の空間魔法が使えなくなる…だったか?
存外、味方の作戦に影響があるものだな」
<<タブー軍、空中庭園《スカイガーデン》の持ち直しにより、やる気上昇!>>
ルカリオ「…………………諸刃の剣、の作戦だな。敵も思い切ったことをする」
ロゼッタ(偽)「――――」シュウ・・・
ロゼッタ(偽)「――――」シュウ・・・
ロゼッタ(偽)「――――」シュウ・・・
<<バックファイアにより、集団術式に関与した分身体の一部が消滅!>>
903
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:56:29 ID:d9f/CHtQ
ピカチュウ「…ピ、カァ…………」パチィッ
ピカチュウの 雷のPPが 尽きた!▼
ルカリオ「ピカチュウ、ご苦労様。敵の自爆戦法ならびにお前のおかげで随分…
分身体の数を減らせたようだ」
ピカチュウ「ピカッ!」
フィールド中央、観客たちの目の前に堂々と居座る――タブー。
あの気持ち悪い動き、激しい攻防。これを興行とみなせる観光客には恐れ入る。
こんな大人数の避難は今更無理難題ということで、会場外部とは情報遮断、移動規制。
バリア機能頼みで居座って貰っているのだが、何時まで持つか…。中々の博打だな。
タブーがここまで居座ってくれているのならば、とっとと倒せばいい。
…それができたら、どれだけ楽なことか。
妨げるのは、何重もの箱となってタブーを覆い護っている結界だ。
単純に――魔力任せの重ね掛けの数が、半端ない。
渾身の波導弾を1発お見舞いしてみたが、
タブーに近づくにつれたちまち減速し、霧散してしまった。
壊れたところは魔力を即流し込んで、修復しているようだ。
…いや、違う。技を受けたところに自動的に魔力が流れ込んで、
タブーの意志などなくても自動修復するようになっている。
同じ箇所にピンポイントで連撃を与えてみたが、最初に凹ませてからの押し込む感覚がない。こちらのワンアクションよりも復元力の方が勝るとでもいうのか…!
先ほどの雷の攻撃を見て取って、更に念入りに守備を固めてきているようだ…!
904
:
Mii
:2020/10/25(日) 01:59:12 ID:d9f/CHtQ
デデデ「闇の衣を剥がさないと、ラスボスはどうにもならない…ってな!」
ロックマン「敵の攻撃自体は、屁でもないんだけどな…!」
訳知り顔のデイジーは言った。あんな結界、本物に比べればお粗末な紛い物、だと。
何より、あんな殻に閉じこもっていると自分も攻撃できない、と。
その主張は当たっている。要は、結界を跨ぐ魔法干渉は自分もロスがでかいのだ。
それこそ、飛んでくる空間魔法や触手攻撃は、口笛吹きながらあしらえるほど弱弱しい。
数だけは割と飛んでくるので、万が一にも観客席のバリアを壊されてはたまらないと、
ファイターたちが地道に受け流しはじき返しているこう着状況だ。
雨脚は弱まり、再び日差しが戻ってきた。
忌々しい、異形共を延々と繰り出し続ける扉たちは…
破壊した傍から、分身体たちが作り直して元の木阿弥。
ただ、分身体たちが1人、また1人と減り出しているおかげで、
少しずつ勢いは鈍ってきている。それは朗報には違いない。
ルカリオ「…………朗報、には違いないんだが」
どうも、胸騒ぎがする。
全部が全部、垂れ流しの異形任せで、碌にタブー自身は働こうとしない――
そんな状況を、タブー側が良しとしているのか、と。
もちろん、こちらとしては既に小火(ぼや)どころの騒ぎではなくなっているが。
まるで、時が満ちるのを待っているかのような――
905
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:02:18 ID:d9f/CHtQ
――バアアァァァン!
…おっと。首をブンブン振って雑念を払っていたら、
横で中型の魔物がガクンと体勢を崩して吹っ飛んだ音。
代わってその空間に斬り込んできたのは、渦中のお姫様だ。
ドック「うん、良い音だロゼッタ!爽やかな表情に飛び散る汗がベストマッチ!
徐々に感覚を掴んできたか!?」
ロゼッタ「えぇいっ!…ふふん、空間魔法を封じられたと言っても、
生粋の空間把握能力だけは健在なのです!
悔しいですが貴方の教え方も中々堂に入っていますし!ほんと悔しいですがっ!」
マック「ほ、本当に伸びがいいな…!自信無くしちゃうなあ、俺…」
ロゼッタ「とんでもない。これだけ短期間で型が整ってきたのは、
間違いなくお手本の貴方の動きが洗練し尽くされているからですよ!
所詮私は、動きの真似を重ねているにすぎません。
むしろ習えば習うほど驚いています…!」
ふと、ロゼッタの拳を見る。
純白のグローブ越し、普通の人には分からないだろうが…。
ルカリオ「おい、ロゼッタ。ドックたちの純粋な評価を聞けば、中々サマになってきているのは分かるが。
ちょっと戦果を急ぎ過ぎだ。だいぶ傷んできているぞ」
906
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:08:18 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ「……っ!?わかるのですか!?返り血はなるべく浄化したつもりだったのですが…
外出血でもしていましたか!?」
一瞬、拳を背中の後ろに隠そうとする素振りを見せ…観念したのか、すぐに止めてしまう彼女。
ルカリオ「私には波導…各人の命の振動のようなものを読み取る能力があってな。
一見して隠れている姿、あるいは感情の揺らぎを推し量ることができる。
そして、今のところロゼッタからは『痛みへの我慢』の感情が伝わってくる。
まあ、状況からして拳くらいしか疑えないだろう。…おまけに両腕か」
ロゼッタ「あ、あはは。別に我慢できかねるほどでは、ないんですよ?本当に。
ですが、どうしても繰り返し間隔が短すぎてですねぇ…」
ルカリオ「せめて、マックのようにちゃんとしたパンチンググローブを使え。いつか大怪我をするぞ」
私も、割と拳を多用するタイプだからな。先輩としてアドバイスできることは多いだろう。
ロゼッタ「いやでも、そんなもの持ってなくて…マック、いまさらですが予備のグローブがあったりしませんか?」
マック「あいにく持ち合わせがないが…そもそもグローブのサイズや形はしっかり吟味しないと意味がないぞ?
たぶん俺のグローブを貸したところでしっくりこないことになる」
ロゼッタ「そうですか……………………」
ロゼッタが、一瞬しょんぼりしたあと、うんうん唸り出した。
ロゼッタ「……………………空間魔法が、使えるようになれば…
要塞法衣《バリケードローブ》を改良して、あるいは――」ボソボソ
――あいにく、小声のため聞き取れなかったが。
907
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:11:32 ID:d9f/CHtQ
ドック「よぅし、つかの間の休憩、終わりっ!もうひと頑張りするぞ、マック!ロゼッタ!」
ロゼッタ「は、はい!…あ、あの!ルカリオさん!
私は…私の分身体の動向チェックも兼ねて、なるべく会場の傍にいようと思うんです!
何か不審なことを分身体が仕出かし始めたら、声をかけてくれませんか?」
ルカリオ「ああ、わかった。まあ、結構分身体も減ってきたことだし、
もしかしたらあっさり全滅するかもしれないけれどもな!
お前がそこまで責任感に押し潰されることはないさ」
彼女を安心させる意味でも、すこしおどけて話してしまった。
我ながら、らしくない。まあ、彼女も気が気じゃないだろうからな。
ロゼッタ「…………あ、本当です。かなり数を減らしていますね。いいことです。
――――って、流石にちょっと減り過ぎじゃないですか、これ?
何時の間にこんなに倒して…私の気のせいでしょうか」
周りを改めて見渡して、彼女はそう、宣った。
908
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:15:31 ID:d9f/CHtQ
ルカリオ「――――」
ピカチュウの雷で、確実に1人ずつ葬っていって。
集団術式の代償で、勝手に葬られていって。
ファイターの奮闘のおかげで、ときたま転移との鬼ごっこに打ち勝って。
何人か、ピーチの隔離の為に別行動をとったそうで。
確実に、着実に人数を減らしているはずで――――
ルカリオ「……確かに、それでも少なすぎる」
10人、いや下手をすると20人ばかり、人数が食い違う気がする。
何故だ、と考え出すのは簡単だが――愚かだ。
今はそれより、せっかく私がここにいるのだから――――
ルカリオ「今から、偽者たちの波導を、捉えよう。協力してほしいのだが――」ホイッ
ロゼッタ「……ええと、手を繋げばいいのですか?」ギュッ
ルカリオ「ああ。ロゼッタと気配が似ていて、なおかつ負の感情が溢れていればそれが偽者だからな。
ロゼッタの空間魔法ほど索敵範囲は広くないが…同時に全数ヒットしてくれるのが強みだ。
波導を記憶に刻んで…よしっ!」バッ!
909
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:17:53 ID:d9f/CHtQ
目をそっと閉じるけれども、イメージとしてはカッと見開く感覚。
神経研ぎ澄ませて、周り全体を「波導のチカラで観る」。
ただひたすらに、観る――――
なるほど、しっかり観えてきた。
そのうち、会場内にいる偽者は、現時点ではどうでもいい。
ぽつぽつと、城下の区画に留まっている奴らもいるが、
これは転生の扉とやらを管理するためにもともと待機しているのだろう。
つい最近飛び出していった、なんてことではなさそうだから、緊急性はなさそうだ。
ファイターの誰かと交戦になり次第、倒されてくれると期待している。
…問題は、一目散に移動していく「波導」だ。
特に周囲に被害を加えているような進路採りではない。
ただ、その位置と移動方向に首をかしげる。
ルカリオ「全部で、16…いや17人、か。不可解な動きをしているな。
会場など知ったことかと、一目散に外へ外へと離れていく様子だぞ…?」
ロゼッタ「…え?」
910
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:24:01 ID:d9f/CHtQ
ドック「おーい、早くしろよー!サボりとは感心しないな!」
ロゼッタ「ちょ、ちょっと待ってください。すいません…。
え?17人が、一目散に?」
ルカリオ「ああ。それも、全員バラバラの方向に」
――ある程度の戦力を潜伏させて保険を掛けておこうという算段か?
――それならば願ったりかなったりだ。目論見が筒抜けなら対処もしやすい。
――適当なタイミングで、根こそぎ成敗してくれよう。
だが。
ロゼッタは、そうは捉えなかったようだ。
あくまで怪しい行動と捉え、熟考し出す。
ロゼッタ「…………………………………………
もしも、敵の、立場だったら―――――――」
動きを止めてしばし。
びくぅっと震えて、ロゼッタが顔を青くした。
ロゼッタ「――――っ!?かく、さん――!?そんな、まさか、でも――
タブーのFPがあれば、可能……!?」
ルカリオ「――――何か心当たりがあるのか?」
ロゼッタは、息を詰まらせてから、とにかく慌てふためいた様子で。
ロゼッタ「……『拡散術式』の準備に入った可能性が有りますっ!
ああっ…!遊び心で紙の上で術式を組み立てたのが仇になっちゃいましたっ!」
911
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:28:53 ID:d9f/CHtQ
ルカリオ「…拡散術式?なんだ、それは」
いきなり専門用語が飛び出してきた。門外漢なので噛み砕いた説明が欲しい。
ロゼッタ「むかーしむかしに、私が開発してしまった空間魔法の一つです!
必要な人員も、FPも、多すぎる夢物語に終わって、机上の空論どまり。
とても使えなどしませんでしたけどね!
正多角形の幾何学的配置に術者を配置して同時発動させる、
ただの集団術式では収まらない、いわば『共同制作の巨大魔法陣』!
とりわけ、正十七角形配置は最高クラスのスペックを誇る制圧力計算です!
は、発動してしまったら、とんでもないことに――――!」
ルカリオ「ど、どうなるんだ?正確に教えてくれ!」
通信機を通して、司令部にも伝えられるようにすることを忘れない。
重要事項は、速やかに全員で共有だ。
トゥーンゼルダが、通信機越しに息を潜めるのが分かった。
912
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:33:21 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタは、一拍、二拍、空けてから――
ロゼッタ「――っ!私の記憶が、正しければ……この魔法は、それ単独では意味をなしません。
ただ、この魔法が発動中の領域で、行使者からみて味方の誰かが…
音、とか。光、とか。『空間を伝播していく』特性を持つ魔法を放った場合、
『距離に対して減衰しなくなる』んですよ!
囲んだ領域の全域にわたって、100%の出力で魔法干渉を受けてしまいます!!」
背筋が、凍った。
空間を伝播する、特性、だと?
ロゼッタ「あああ…!仕掛けてきたからには、明らかにその類の魔法を持ち合わせている…
そう捉えるべきってことですよね!?何か、御存じ――――はわっ!?」
ルカリオ「――――『神速』っ!!」ヒュゴウッ!
堪らず、駆けた。ロゼッタの腕を掴み、紙のように舞わせながら。
913
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:36:49 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ「わ、わわわ、わ!?ちょ、ちょっと!
どちらまで私を連れて行こうというのですかぁ!」
一瞬にして遠ざかるボクシング師弟が、なにか喚いているが。
冗談ではない。ふざけすぎている。それをされたら、一貫の終わりだ。
ルカリオ「まさか!城下、全域にわたって――――撃つつもりか!
――――『OFF波動』をっ!!」
ロゼッタ「お、OFF波動!?それは一体…!?」
あれは、まずすぎる。
あの切り札だけは、まずすぎる。
ルカリオ「OFF波動――ピーチによって命名されたそれは――
たちまち周囲の者の時を止める、端的に言えば石化させてしまう、
絶望一直線の範囲魔法だ!」
ロゼッタ「――――!?」
そう、「波動」。明らかに、ロゼッタの言う伝播特性の魔法と見て間違いない!
どうやらタブーは、悪事を働くにうってつけすぎる人材を手に入れてしまったようだ!
914
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:39:34 ID:d9f/CHtQ
ルカリオ「絶望一直線、と言ったが。これはあながち飛躍した表現というわけでもない。
耐魔法というか、魔防というか、特防というか。
耐性が低いものほど速やかに石化していくのもそうなのだが!
波動自体に『恐怖、絶望、諦め』の感情を強く揺さぶる作用があるとのことで、
それに絡めとられると、耐性がますます下がる。その結果、石化は一層加速する。
つまり悪循環。『もう駄目だ』と悟ってしまうと後戻りができない厄介さ…!」
ロゼッタ「そんな…!心が閉ざされ切って、しまうと、どうなるのですか!?」
ルカリオ「石の体の奥底に魂が引っ込んでしまい――ああ、残酷過ぎて語る気もない!」
前回大会では。奴は、会場に出現して、いざ大暴れ…とは意気込んだものの。
所詮は、OFF波動については会場の広さ程度に効果を拡げるのが関の山、タブーの限界。
観客は、一部動揺する者もいたがバリア機能でなんとか致命傷は避けられ…
ファイターたちは、一般人に比べれば石化スピードは相当遅く、諦めも悪かったのだ。
結果として、誰も狂わず、死なずに済んだ。
おまけに言うと、マリオに至っては「なんか動きが鈍くなったな、風邪か?」で済ませ。
ついでに言うと、デデデ大王が偶然、石化対策バッジなんてドンピシャな保険を発動。
「むしろお前の仕込じゃないのか!」という総ツッコミのオチまで付いたという。
そんなこんなで、スマブラ上位陣の反撃を食らって、ものの10分で退場したのだ。
少なくとも見かけの上では袋叩きからの余裕勝ちであり、演目ということで貫いて、
大会はつつがなく閉幕させることに成功。…こうしてみると、情けない悪役だな。
…だが。今回は、訳が違う。
たぶん、ファイタークラスが食らう分には、そこまで脅威ではないだろうが。
一般人が無差別に食らったりなどすれば、取り返しのつかないことになる!
915
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:43:37 ID:d9f/CHtQ
ルカリオ「その、拡散術式とやら!解除するには、どうすればいいっ!」
ロゼッタ「お伝えしますから、とりあえず、下ろしてくださいよ!…ふう。
…え、えっと、ですねっ!
仕掛けようとする偽者の私を、拡散術式発動前に1人でも倒すか…
倒せないまでも、無関係な所に追い出してしまえば、発動は阻止できます!
綿密な位置関係と、同時刻の術式発動が根幹の魔法なので!
逆に、一度発動してしまったら――術者自らが破棄するか――
術者のFPが尽きるまで解除されないと思ってください!
今回の場合、FPの供給元はタブーで間違いないので、
偽者の私を全滅させたところで魔法自体は取り消されません!」
ルカリオ「要するにタブーを倒すまで解除されなくなるのと同義だな!?
何が何でも発動を阻止しなければならないということか!
――――おい司令部!聞こえていたか!?
当てがある者全員を、街の外へ散っていくロゼッタ達の撃破に向かわせろ!
既に私も最寄りの対象まで向かっているところだ!
参考人として本物のロゼッタを連れて行く!」
トゥーンゼルダ『わ、わかった!そちらは任せたぞ!他の方面はなんとかして見せる!』
916
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:45:42 ID:d9f/CHtQ
本物のロゼッタを言葉通り「振り回している」が、仕方がないことだ。
ルカリオ(身長1.2m)「背負えないので、このまま――『神速』続行っ!!」ダダダダダダッ!!
ロゼッタ(身長2.05m)「ま、またっ!?
う、浮いてますっ!体が浮いてますけどぉ――――!?
あと腕がちぎれ、そう、ですよっ!!」ブオォォォ
ルカリオ「私もPPとスタミナをゴリゴリ削っているんだ!我慢してくれ!」ダダダダダッ!
ロゼッタ「酷いっ!?」
『……………………』
『……………………』
『……………………』
『……………………そろそろ、動くと、しよう』
917
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:48:42 ID:d9f/CHtQ
〜異空間〜
ロゼッタ(偽)「…………っ!」ピクッ
ロゼッタ(偽)「…………っ!」ピクッ
ロゼッタ(偽)「…………っ!」ピクッ
ピーチ「え?…ど、どうしたの、いったい」
何度かヒステリックボムを仕掛けてはみたものの、案の定回避に専念されて。
やれやれFPが勿体ないと、手持無沙汰の睨めっこ。
一体どれだけの時間付き合っていた事やら。
いきなり、ブルッと震えたように見えた偽者たち。
私としては、なにかタブーにとって不都合なことが起こった…と思いたいところ。
――――思いたいところ、だったんだけど。
彼女たちは、徐々に徐々にと、口元を綻ばせて行って…。
ロゼッタ(偽)「…………時は、満ちた。タブー様がいよいよ、動かれる時」
ピーチ「…は?」
不吉な台詞。ハッタリであってほしいのに、
クスクスと小さく笑って、こちらを振り返っては、なお笑う。
不気味。不愉快。白状しなさい。
918
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:51:55 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ(偽)「『ロゼッタ』としての知識にはこれっぽっちもありませんが――
ピーチ姫、貴方はご存知なのでしょう?
――全てを凍てつかせる、闇の波動のことを」
ピーチ「――――っ!OFF、波動!」
ピンと、きた。当然よね。忘れなどできようはずもない。
――とうとう、お出ましという訳ね。
ロゼッタ(偽)「ふむ…OFF波動、ですか。そのように呼ばれているのですか。
シンプルながら、中々よい響きではないですか。褒めてあげます」
ピーチ「…………ふん、やれるものならやってみなさいよ。
ファイターたちを舐めるんじゃないわよ?あんな攻撃、簡単に打ち破って――」
素の力が高いほど、アレには抵抗しやすいもの。
おまけに今回は。念には念を入れて。
デデデ大王の作ったバッジ効果を、各ファイターの選手カードにスナッチさせたんだから。
もともとの抵抗力と合わせて、無視できるところまで影響を少なくできているはず!
ロゼッタ(偽)「ああ、いえいえ。そんなことは、こちらにもリスクが有るので…
ひとまずは、しませんよ」
ズン、と空気が重くなった。
ロゼッタ(偽)「貴方が大切にして止まない――王国民に牙を向けたら、
貴方はどのように慟哭してくれるのでしょうね?」
919
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:54:51 ID:d9f/CHtQ
ピーチ「――――ちょ、っと」
体が、震える。
ピーチ「なに、を、するつもり。そんな広範囲に展開できる、訳――――」
そんな、一気に――タブーの力が膨れ上がるわけが、ない。
ロゼッタ(偽)「ああ、言い忘れていましたね。
かれこれ二百年ほど前に、私――拡散術式というおあつらえ向きの魔法を、
机上ではありますが編み出していてですね。
これを…そう。『OFF波動』と併用することで、効果範囲をグンと広げられるのですよ」
ピーチ「――――っ!?」
何という、有ってはならないマリアージュ…!?
ロゼッタ(偽)「どのくらい、広がるのか、知りたいですか?
…うーん、どうしましょうかね?どうしてもというのなら…ふふ」
ピーチ「――――」
必死に、心臓を、落ち着かせようとする。うるさい。うるさい。
そして――――
あいかわらず、絶妙な距離を保ち、私に打倒されないよう警戒したうえで――
ただ一言、小声ながらも澄んだ声ではっきりと、伝えてくる。
920
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:57:10 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ(偽)「――――キノコ城城下、全域くらい、わけないんですよ」
――――――――――――。
どばっと、冷や汗。眩暈までもがお出迎え。
その直後に湧いてくるのは、烈火の怒り。
ロゼッタ(偽)「おやおや?流石のピーチ姫も、
激昂せずにはいられなかったようですね?」
ピーチ「……あんた、たちぃ………!許さ、ない、わよ…………!」ブチブチッ
最高に、切れている。今の、私。
腹の中、煮えくり返ってるわ。
でも、彼女たちの態度を観る限り、本当に本当のこと、らしい。
もしも、一般市民がまともに受けたら、おそらくきっと致命的。――猛烈な、吐き気。
唇噛みしめ血を垂らしながらも、それでも。
最後の踏ん張りで押し止まって、自身の短絡的な突進を食い止める。
ピーチ「…それ、で。何が望み、よ。
みんなの命乞いをすればいいのかしら。
それとも私1人の命と引き換えに見逃してくれる?」
921
:
Mii
:2020/10/25(日) 02:59:12 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ(偽)「ふ、嫌ですねぇ。そんなこと、しませんしません」
ピーチ「――え?」
ロゼッタ(偽)「その気になれば、自分が死ぬ方が王国の損失と『客観的に』割り切って
自分が生き延びる方を迷わず選択するお人でしょう?
ディメーン戦で身に染みてわかっていますよ。
ですから、そう。変な選択肢など、最初から与えません。
単純に、絶望してほしかっただけ――――」
ピーチ「な――――」
ロゼッタの姿で、なんてことを言ってのけるのかしら。
野蛮な言い方が許されるなら、八つ裂きにしてやりたい。
ロゼッタ(偽)「トラップを発動させ全てを終わらせるのは――――
残念ながら、規定事項です!」バッ!
922
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:01:57 ID:d9f/CHtQ
〜キノコ城城下〜
ルカリオ(――――見つけたっ!)
まだそれなりの距離とはいえ…後姿をバッチリと捉え。
若干スピードを落として慎重に追跡。丁度いい、ロゼッタを下ろしてしまおう。
家屋の陰に隠れて小刻みに姿を見失う?波導を読む私にとっては些細な事項。
魔物達は、律儀に彼女だけ無視して暴れている。当然の帰結ではあるが歯痒い。
ルカリオ「トゥーンゼルダ!対象を発見した、あと1分もあれば仕掛けられる!」
トゥーンゼルダ『助かった!他の奴らはまだ遭遇できていなかったんだ!
位置が微妙に悪かったうえに、口頭で伝えるしかないからな…!』ホッ
ロゼッタ「あ、あの、ルカリオさん」
ルカリオ「ルカリオでいい、さん付けはこそばゆい」
ロゼッタ「で、では。ルカリオ、1分と言わず、貴方のスピードで10秒で急接近しましょうよ!
対処を余儀なくされて、簡単に目的の位置から追いやれるはずで――――」
ルカリオ「神速がちょっとPP切れになった、という苦々しい事情もあるが。
駄目だ、追いやるだけでは。いつ舞い戻られるか分からないからな。
時間に余裕は少しあるみたいだから、慎重に近づいて確実に仕留めたい。
察知されて空間転移など使わせてはいけない、気付かれていないのは僥倖だ」
923
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:05:14 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ「で、ですが……なんだか、嫌な予感が――
流石に、一切後ろを振り返らないのは無警戒すぎる、ような――
ゆ、油断しがちな私の分身らしいといえば、らしいのですが…」
ルカリオ「案ずることはない!むしろ、だからこそこのチャンスをものにすべきだ!」
小声で返しつつ、しなやかな足取りで接近、接近。もちろん裏道から、ばれないように。
隠形は得意な方だからな。ロゼッタはその限りではないから、もう少し近づいたら待機してもらおう――――
その時。
ロゼッタがグイッと、ありったけの力を込めて私の背を押しやった。
ロゼッタ「――――――――!!!
ルカリオ、全速力で相手を吹き飛ばして!速くっ!!」
ルカリオ「な、なにをいきなり急に、まだ街の外れは先―――」
こんな中途半端なところで、まさか術を始めるとはとても――――
924
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:09:05 ID:d9f/CHtQ
予想だにしないことが、発生した。
まだまだ城下を抜け出していないのに、偽ロゼッタが動きを、止めた、だと?
数秒の祈るようなそぶりののち、瞬く間に天に片手を掲げ――――
舞い降りる、光の束。静まる、空気。…………足元には、既に、魔法陣の片鱗がっ!?
ルカリオ(途中で、領域拡大を切り上げた、だと!?
追いつく間際の…都合のよすぎる、ギリギリ目一杯のタイミングで!?)
ロゼッタ「――――私たちを含めた追跡作戦が、敵方に漏れていますっ!
私のことは無視して、急いでください!」
ルカリオ「――――なんたる愚!なんたる油断か!」
相手を見くびり、驕っておいてのこの体たらくか!神速がもう使えないのが悔やまれる!
それでも再び、可能な限りの高速で駆ける!このヘマの埋め合わせは、命懸けで――――
そこに迫り来る、大剣の不意打ち――
ガノンドロフ「ハッ!!」ブウゥゥン!!
ルカリオ「ゴフッ!?」
あまりに狭かった視野。巨漢に横槍を許し、一気に肉薄されてしまう。
パワータイプのそれは、たちまち腹にめり込んで私を毬のようにはじき返した…!
925
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:11:27 ID:d9f/CHtQ
ルカリオ「ぐっ…貴様…!」
そびえ立つ、悪意の塊。
ずっしりと構えるは、ハイラルの三傑の一人にして、『力』の具現化のような男――
ガノンドロフ「無様だな――
フン、手間を掛けさせおって。とっとと発動しろ、小娘め」
なんだかんだ、私たちの敵であるのは確かなのだ。
完全な協力関係ではないとはいえ、タブー側を利するように動く、ガノンドロフ。
ロゼッタ(偽)「――――ははっ!最高のタイミングでのアシスト、感謝です。
ハアアアアアアアアアアアアアァァァ――――――――!!!」パアアアア
まだ残る、それなりの距離は、偽ロゼッタを安心させるには十分だったらしい。
足元で紫色に輝く、魔法陣。その輝きは瞬く間に勢いを増す。
一条の光が呻りと共に地を這い、私たちの足元を潜って――
今駆けてきた道を走り、城下の中心部へと駆けていく。
更に偽ロゼッタが伸ばす両腕に従うかのように、左右に走る光。
…届く先は、正多角形の隣の頂点に位置する別の分身体なのだと、素人考えでも容易に想像できた。
ロゼッタ「あ、ああっ!術式が完全に進行していますっ!」
激しい地鳴り、震える大地。私が受ける感覚も大層なものだが。
ロゼッタは特にけたたましい危険サインとして、魔法の発動をその身に感じているらしく、
苦しそうにふらついて頭を抱えている…!
926
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:13:16 ID:d9f/CHtQ
ルカリオ「くそっ!!」
気を改め、分身体に繰り出すは、八頸。
油断していた相手は受け止めることも出来ず、無残に屍を――――
さらすことなく、勝手に、自分から消えて行った。
こちらを伺う最後の表情は、勝ち誇ったなんとも醜悪なもの。
ルカリオ「……ロゼッタ」
ロゼッタ「…………はい」
ロゼッタの方を、半ば放心しつつ、振り返る。
いや、もしかしたら、術式が完成し切らず不発に終わり、要らぬ心配だった、とか…。
藁をもすがる気持ちで、返事を待つ。
ロゼッタ「…………………………………………
拡散術式。最高クラスのが、ガッツリ発動されちゃいました。
どう、しましょう」
振り向き返すロゼッタは、なんとも乾いた笑いを浮かべていた。
927
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:15:26 ID:d9f/CHtQ
切り替えだ。そうだ、頭を切り替えて仕切り直せ。
下手をすると、犠牲者を出すか出さないか、ではなく…
犠牲者を何人減らせるか、という状況に後退してしまったかもしれない。
それでも嘆くのは――――ああ、後回し。
ふと見れば、無防備なロゼッタへと、邪悪に笑って大剣を振り翳すガノンドロフ。
――――!?…どういうわけか、ロゼッタが回避行動をとらない!?
我に返って、素早くロゼッタとの間に滑り込んでガードするっ!
このあたりの覚悟の差は、やはり仕方がないものがあるか!
ロゼッタ「きゃぁっ!!あ、あぶな、かった…!!た、助かりました!
そ、そうですよね!今は死んだら終わりですよね!?残機制じゃ、ない!」
ルカリオ「人のことを言えた義理ではないかもしれないが、余所見をするな!
何を呑気なことを言ってるんだ、全く!脳天に刺されたいのか!」グググッ!
ロゼッタ「――――――――――――??」ズキン
ロゼッタ「……あ、は、はいっ!忠告痛み入ります!」
928
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:17:35 ID:d9f/CHtQ
ガノンドロフ「フン、消え失せろ、死にぞこないの雑魚が――」
ガノンドロフが続けざまに剣を振るう。それも2本。
片手で易々と振り下ろされる大剣はかなりの重量物。
ロゼッタを庇いながらだと流石に辛い!
丁寧に受けて堪えるしかなく、腕から血が滴り落ちる――!
ロゼッタ「―――――――強い…!」ブルッ・・・
ガノンドロフ「魔王の覇に今頃気付くとは、愚かしいにも程が――」
ルカリオ「…いや、流石にロゼッタは敵わないかもしれないが、
ファイター基準でいうとそれ程…というレベルだぞ。
私でもロゼッタを庇う必要さえなくなれば勝てる」
ロゼッタ「…あ、やっぱりですか?
最近、散々扱かれてきた『強者』と比べると、そこまで脅威ではないような気がしていました!
というわけで離れて見学しますっ!押し付けて申し訳ございません!」
ルカリオ「むしろ先に引き返しておいてくれ!すぐに追いかける!」
ロゼッタ「わ、わかりました!」
ガノンドロフ「」
929
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:19:20 ID:d9f/CHtQ
ガノンドロフ「…………ほほう?魔王に盾突くばかりか、愚弄するとは、無謀な獣よ。
ならばここで屍を晒すが――――」プルプル
ルカリオ「波導は、我に、有り――――!」スッ・・・
ガノンドロフ「無駄な真似をっ!」ブゥン!
シュンッ!
ガノンドロフ「ぬう!?小賢しい、フェイントなどとは――」
――――瞬間移動とまではいかないが。
――――相手の心を読み、裏をかいて一気に懐に忍び込み。
――――大剣が頭を掠めて切傷ひとつ。そのくらいなら安い代償だ。
ルカリオ(乾坤、一擲ッ!)
ルカリオ「でやあああああああああっ!!」ズドドドドドドドッ!
ルカリオの インファイト!
効果は 抜群だ!▼
ガノンドロフ「」\98.6%/
930
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:21:36 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ「わぁ…!」
ガノンドロフ「お、のれ――――!」ドクドク
一目散に走っていけばいいものを。
ロゼッタは足を止めてこちらを振り向いてしまっている。
そんなロゼッタには、私が、一瞬のうちに消えたようにみえたかもしれない。
神速を使ったときは手を繋いでいたから、逆に体感できなかっただろうがな。
ルカリオ「――――終わりだあああぁぁっ!!」ゴウッ!
鋼の拳が弾丸となって、ガノンドロフの顔面を貫いた。
ガノンドロフ「」チーン
ルカリオ「…いやまあ、実際に顔に穴が空いたわけじゃないけれども」
ロゼッタ「ソウデスネ、ソウ簡単ニ人体ニ大穴ナンテ空キマセンヨネー」
ルカリオ「…何故棒読み?」
ロゼッタ「アハハ」
931
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:24:03 ID:d9f/CHtQ
ロゼッタ「……失礼しました。――――あ、ガノンドロフが消えて行きます」
ルカリオ「…ああ、そうだな。
やはり本人ではなく、紛い物、か。まあいい。
今回の騒動にはもはや関われなくなっただろう。
おそらく、ハイラルの魔物に関しては士気も下がる。
…それにしても、抜群インファイトで確1取れないか。
まだまだ弱いな、私は――――」
ロゼッタ「……………………」フラッ
ロゼッタ(……あれ?な、なんだかさっきから息が…詰まる?胸が苦しい、ような――
…………………気のせいですか、よかった。今更怖気づくとか勘弁ですよね)
ルカリオ「おいロゼッタ、相変わらず集中力が途切れがちなのか?」
ロゼッタ「まあ、連戦のせいでHPが黄色ゲージに突入してそれなりに経ったとは
自覚していますけど…。でも、致命傷とかは特段受けていませんよ。
鍛えられた成果です、はい!」
ルカリオ「…そうか。大変だろうが、まだまだ気張って貰わなければ困ることになった。
最悪の状況を想定して動くぞ。
間もなく、間違いなく、OFF波動が繰り出される。
そう、それは――――」
――――ほんの5秒後の、ことだった。
932
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:26:14 ID:d9f/CHtQ
〜司令部〜
《タブー軍、偽者のロゼッタ達により拡散術式が発動したことで、やる気上昇!》
トゥーンゼルダ「――――っ!」ギリッ
《ルカリオ、ガノンドロフを撃破!ハイラルの魔物、大幅にやる気低下!》
トゥーンゼルダ「それはいい、いいことなんだが…!
手放しでは喜べない、な。
一体全体、どうして敵に情報が漏れた…!?」
キノピオ「…………?」ヒソヒソ
キノピオ「……………………?」ヒソヒソ
ソニック『おい、司令部!こちらソニック!一大事だ、報告するぜ!
もう少し早く伝える機会が有ればと思うと、ノロマな自分が腹立たしい!』
トゥーンゼルダ「ど、どうしたソニック!こちらもパニックになり掛けていて…」
933
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:28:33 ID:d9f/CHtQ
ソニック『情報が漏れた、しょうもない絡繰りが分かったぜ!
ルフレ…じゃなかったか、ギムレーって奴がいただろ?
そいつに一部の工作員キノピオが襲われてやがった!
瀕死の所をなんとか逃走優先で救出したが!』
トゥーンゼルダ「何だと!?」
ソニック『要するに、余ってた通信機を敵側が奪い取ったってことらしい!
そん時から、俺たちの情報のやり取りが筒抜けになってる!
…もちろん、この会話含めてな!伝えるかどうかちょっと迷ったぜ!』
トゥーンゼルダ「……!!」アゼン
ソニック『――――いいか、頼んだぞ!お前の知恵にかかってる!』プツッ
トゥーンゼルダ(ソニック…!迂闊に口を滑らせることを避けてくれたのか。
だが、私の方こそ、迂闊に指示を出すと、裏を掻く側が圧倒的に有利――
このドタバタ状況で、通信機の識別なんか、できていない!
ピーチなら割り出し可能かもしれないが、少なくとも私には無理難題!
通信機が、もう、使えないっ!?)
トゥーンゼルダ「み、皆!しばらくの間、各自判断で行動してくれ!
私からの指示は一旦保留とする!皆からの状況報告のみ、
随時…司令部に向けて行ってもらいたい!不甲斐なくて済まない!」
トゥーンゼルダ(これでは、あまりにも――)
934
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:30:33 ID:d9f/CHtQ
トゥーンリンク「ゼ、ゼルダ!しっかり!きっと対策があるはずだよ!」
ヒルダ「本当に、酷い…………」
ゼルダ「…もう我慢できません。私も会場外の助太刀に参ります!
トゥーンゼルダの警護は任せましたよ!」ダダッ!
トゥーンゼルダ「…あ、あ。たのみ、ます」ウツロ
トゥーンリンク「ねえ、元気出してってば!精神が揺らぎ始めてるよ!」ユサユサ
――――その時、だった。
『――永遠に。世界と、現世と、隔離されるがいい――!』
トゥーンゼルダ「…!?なんだか、みょ、うな、悪寒が」
ヒルダ「…っ!?な、なに、これ」ビクッ
トゥーンリンク「…やばっ!タブー、まさか――――!」
935
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:32:27 ID:d9f/CHtQ
隔壁に厳重に守られ引き籠っていたタブーが、動いた。
一瞬縮こまったかと思うと。膨れ上がり、そして――――
隔壁の中が闇に染まる。
中の様子が、一切推し量れないほどの、まっ黒。
皆が、驚愕の表情をする中――――
隔壁が、解除、された。
狂暴なナニカが、たちまち、会場を、城下を、覆い尽くす――――!
「OFF波動」、ここに発動。
936
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:34:02 ID:d9f/CHtQ
クッパ『――――――――皆、聞くのだっ!』
敵側に動きがばれるのも承知。
クッパの大音量の声が、突然通信機から発信される。
クッパ『ワガハイとピーチの策で、選手カードにはOFF波動に抵抗する仕掛けが
施されているのだ!そう簡単には石にならん!絶対に手放すな!
それと、多少は周囲の人間にもプロテクト作用がある!
石化を開始したり恐慌状態に陥ったりした一般人がいれば、
すぐさま駆け寄り保護するのだ!
この情報を聞いて、カード奪取に動く不届きな輩がいたなら
問答無用、容赦なく叩きのめすのだ!以上だ!わかったか!』
トゥーンリンク「た、たすかる、よ。少しは希望が、持てる、かな。
…なーんて、言ってられない、ね!」ガクッ
トゥーンリンクの 全ステータスが 下がった!▼
ヒルダ「う……な、なんです、か、これぇ…!」ガクッ
ヒルダの 全ステータスが 下がった!▼
トゥーンゼルダ「き、きっつい―――これ、が、OFF波動という魔法…
気力が、ごっそり、吸い取られていく――――!」ガクッ
トゥーンゼルダの 全ステータスが 下がった!▼
937
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:36:34 ID:d9f/CHtQ
トゥーンリンク「ほ、本当に怖いのは、なんといっても石化しちゃうこと、だよ!
偽者のロゼッタの仕掛けで範囲が広がって――
う、ううん。威力自体も、ぜ、前回より多少は上がって、る…!」
トゥーンゼルダ「そ、そんな――――――うっ!?」グラッ
トゥーンゼルダの 全ステータスの 低下が 止まらない!▼
トゥーンリンク「…!?し、しまった!ゼルダっ!絶望しちゃ駄目!
精神干渉も一癖あるよ!一度はまると、際限なく能力低下を招くよっ!
そういや…選手、カードッ!持ってないのかっ!
ほ、ほら!僕の選手カード、貸すから!
…予想以上に危険だ!僕たちも油断なんかできないけど…
特に今回初出場のファイター程度のレベルだと、ひとたまりもないぞ…!」
938
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:41:06 ID:d9f/CHtQ
パルテナ「ぐぅっ!?」ガクーンッ!
パルテナの 全ステータスが 大きく下がった!▼
ピット「パルテナ様!?急に倒れて一体――わわっ!?」ガクッ!
ピットの 全ステータスが 下がった!▼
パルテナ「…………い、いやあ。たまには地面で寝転んでみたいなー、
なんて思っちゃったもので」
ピット「……こいつは、きついや…!
パルテナ様は、もっと大変なことに――!?」
リンク「ついに、来ちまったか…!」ブルッ
リンクの 全ステータスが 雀の涙ほど下がった!▼
ピット「リンクずっこい」
リンク「知らねぇよ…」
939
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:42:57 ID:d9f/CHtQ
ルキナ「うっ…!?」ガクーンッ!
ルキナの 全ステータスが 大きく下がった!▼
ルフレ「…こ、これが――――力が、抜けていく―――」ガクーンッ!
ルフレの 全ステータスが 大きく下がった!▼
マルス「2人とも、しっかりするんだ!大丈夫、僕たちがサポートする!
ルキナッ!僕の選手カードを代わりに持っておいて!」
マルスの 全ステータスが ちょっと下がった!▼
アイク「勝手なこと、しでかしやがって――――!」
アイクの 全ステータスが やや下がった!▼
マルス「…アイク!予定を早めて、急ぎリンク達と合流するよ!
悔しいけれど、僕たちだけだと2人を護り切れないのも事実なんだ!
このままだと、雑兵相手に苦戦するような状態の2人を背負って、
ジリ貧の戦いをすることにもなりかねない!」
940
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:44:40 ID:d9f/CHtQ
アイク「まだこの辺りは制圧し足りないんだが…ああ、わかった!
…って、リンクの位置が通信機なしじゃ分からないぞ!
いっそのこと、敵にばれるの承知で使うか!?」
マルス「……通信機強奪を考えたのが、あのギムレーという男だからね…。
あの男の性格的に、因縁のあるルキナの場所を割り出せたら、
間違いなく不意打ちしてくるよ。あまり、好ましくはない。
トゥーンゼルダとリンクとのやり取りからある程度は推測がつく。
その付近で大暴れしているファイターがいれば、それがリンクだろう。
制圧被りしないよう、他のファイターも接近を避けていたはずだから!」
アイク「なるほど。リンクに負担を押し付けるのは情けないが…
それじゃあ、行くぞ!……って、ちょっと待った!
悲鳴が聞こえる!あっちに逃げ遅れた人がいるようだ!」ダダダッ!
マルス「――ナイスな判断だ!なんとしてでも助けよう!気付けて良かった!」
941
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:46:42 ID:d9f/CHtQ
翼竜たちが、一点に集って、誰かを襲っている。
その人は、血まみれになりながら、ただただ蹲っている。
アイク「そこを――――どけぇっ!!」ブウゥン!
いくら戦闘力が下がったとはいえ、所詮アイクの敵ではないね。
たちまちのうちに全部まとめて切り伏せてしまった。
目の前には震えたままの住人、あるいは観光客かな?
安心させようと、こちらを認識してもらうつもりで肩を抱いて揺すぶった。
タオルなんて気の利いたものは持ち合わせていなかったので――
僕なんかのハンカチで悪いけれども、さっさっ、と血を拭ってあげた。
――――拭ってあげようと、した。
アイク「――――」ピタッ
アイク「――――お、おい。まさか」
マルス「――――――――っ!アイク、君のカードを!」
――――絶望のあまりか、石化が、始まっているっ!?
――――本当に、効果を拡げていた、タブーの魔法!
――――おまけに…ファイターと一般人の差を、あまりにも舐めすぎていた!?
942
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:48:43 ID:d9f/CHtQ
今さらながら、アイクが選手カードを彼に押し付け、加護を与えようとするも――
住人「もう、だめ、だ――――し、しぬ、んだ――――」
マルス「――――待て!早まってはいけない!
待つんだ!僕たちが君を助けた!もう助かったんだ!だから!」
聴く耳を、持ってくれない。
ガタガタガタガタ、ただひたすら咽び泣いて。
その声が絶望を強めるたびに、カードの回復力などあざ笑うかのように――
足元から、瞬く間に、石化が、進む。
アイク「クソッ!クソッ!ちょっとは役に立てよ、
ピーチとクッパの自信作のアイテムだろ!そうなんだろぉ!」
固まる。
泣く。
固まる。固まる。
回復して、少し石化が解ける。
固まる。固まる。固まる。
泣く。泣く。泣く。
固まる固まる固まる固まる固まる固まる固まる固まる固まる――――――――
住人「 」
かんぜんに、石になった。
943
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:51:26 ID:d9f/CHtQ
マルス「――――――――」
天を、仰いだ。
アイクが、堪らず地面に拳を打ち付ける。
多少の鮮血とともに、舗装された道が瓦礫となって吹き飛んだ。
マルス「――――先を、急ごう」
アイク「はぁ!?…ちょっと、ちょっと待てマルス!耳を疑ったぞ!
この感じだと、この付近のぎせ…い、いや、被害はまだまだ広がるぞ、まさに今から!……拡がる一方だ!
俺たちが離れたら、本当におしまい――――」
マルス「だからって、人々を必ず石化から守れるとも分からないカード片手に、
付近を巡回して、闇雲に時間を費やすかい?――それこそ被害を拡げるよ!
今の皆の状況は、時限爆弾を括りつけられて放置されたのと同じだ。
そのタイマーを少し遅らせるだけじゃ、何も解決しない!
幸い、石化は死と必ずしも同義というわけでは…辛うじて、ない。
原因そのものを叩いて、全てを解除すれば、元通りなんだ。
――――そのためにも、僕たちという戦力を腐らせるわけにはいかない。
最速で敵を倒すために策を講じることが、今やるべきことだ」
アイク「ルフレやルキナのことは俺たちの手間を増やしてでも、
こうやって助けようとしているだろう!それと一緒じゃないか!」
――――はっと、した。そうかも、しれない。僕は自分勝手に過ぎるようだ。
――――助けたい人に優先順位を付けてしまっていたなんて。
――――冷静なように見えて、一番周りが良く見えていないのは僕なのかもしれない。
944
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:56:24 ID:d9f/CHtQ
ルキナ「――――――――」
アイク「――――あ、いや、ルキナ。ルフレ。
別に俺はお前たちを助けることを苦に思っているというわけではなくてだな!」クルッ
ルキナが、顔面蒼白にして、吐き気を堪えようと、うずくまっていた。
様子がすこぶる、おかしい。体が言うことを――聞いているようには、みえない。
ルキナの 全ステータスの 低下が 止まらない!▼
マルス「…………はっ!?
今の光景は、ルキナには毒すぎる!ルフレも時間の問題といったところか!」
ルフレ「…は、はは。マルス様には…敵いません、ね。
で、ですが。まだまだ虚勢は張らせて頂きますよ」ブルブル
マルス「…急いで離脱するよ、アイク!本格的に危うい!
妥協しよう。その住人を唯一の犠牲者と信じて、その人だけ背負っていくのは許す。
それ以上、君に負担を強いるわけにはいけない。分かってくれ」
周りには沢山の家屋、商店、飲み屋に飯処。少し歩けば公園だって旅館だって、
それこそ人がいておかしくないスポットは無数にある。
どうして、逃げ遅れた人が1人も他にいないと言い切れようか。
945
:
Mii
:2020/10/25(日) 03:58:35 ID:d9f/CHtQ
いきなり背負われ恥ずかしがる…そんなそぶりを見せる余裕すらないのか、ルキナは。
覚束ない足取りながらも、ルフレも後に続いてくれた。
アイクは――――
アイク「――――――――ちくしょう!後で一発、殴らせろよっ!!」
あれやこれや、煮えくり返って。くぐもった涙声になりながらも。
住人担いで、なんとか後に続いてくれた。
せめて――リンクと合流するまで、通りかかった人たちだけでも救えたら。
心からそう願った。
946
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:03:02 ID:d9f/CHtQ
少年が、はぁはぁ息を切らせつつ走っている。
走りながら腕を引っ張るは、同じくらいの年の少女。
少年「ゴホッ、ゴホッ…勘弁、して、くれよぉ…!うるさいし臭いし煙たいし…
どっちに向かえばいいんだよ…!どっちかわかる!?」
少女「……………………あっち!」ビシッ
土埃まみれでせき込む少年に対し、少女は迷わず、繋がれていない手で指し示す。
少年「…指差してくれるのは嬉しいけど、その心は?」
少女「女の勘よ!」
少年は拍子抜けして転びかけながらも、やれやれと苦笑して示された方向へ。
こういったとき、一番よくないのは悩んで足を止めることだと、経験上よくわかっているから。
947
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:08:20 ID:d9f/CHtQ
少女「――っ!?何か来るわ!?」
少年「なら、よけーる!避けれなかったら…そのときまた考える!」
冴えわたる、第六感。
少年に引っ張られるまま少女もそのまま大きく動いて――
間一髪、上空からの狙撃を横っ飛びで躱す。
まさか振り向きもせず躱されるとは思っていなかったのか。
上空の影は無理に追い縋ろうと、碌に前も見ず旋回し――――
建物の突き出しに裂かれてあえなく墜落していった。
少年「うっしゃーラッキー!儲け儲け!あの竜アホだな!」タタタッ
少女「お茶らけたこと言ってないの!急いで急いで!」タタタッ
少年「いやいや、このくらいお茶らけてないとやってられないんだって!
俺たち、ヨワヨワだし!簡単に死ぬし!空元気バンザイってやつ!?
それに得てして、このくらいフザけてる位が一番死ににくいんだよ!」
少年はそう自虐するが。
角を曲がってバッタリ出くわした、剣を持って襲い来る不届き者。振りかぶった剣は相応に速いけれども――
少年「!?――そりゃあ!!」パアアァ!
雑兵「」チーン
少年「―危ねっ!?怖っ!?…チカラ無駄遣いしたくないんだけどなあ」タタタッ
――――ちょっとした下っ端くらいなら、なんてことはないらしい。
948
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:11:00 ID:d9f/CHtQ
少女「はいはい、ふざけるのはそこまで。
はやく探し出さないと、取り返しのつかないことになるわよ!」タタタッ
少年「ふざけてなんか…あー、はいはい。わかってるってー。
だいたい、事態が動いてからジタバタするんじゃなくて、
ファイターたちが一斉に瞬間移動してきた時、すぐコンタクトを取るか…
せめてストーキングしとけば楽だったんじゃあ。得意でしょ?」タタタッ
少女「ううううるさいわね!会場にいれば安心だと思ったのよ!
動かなくていいかもしれなかったし、局面を見極めてたの!
そしたら、ビューンって感じで一目散に駆け出されちゃったし!
あと、ストーキング得意とか言うな!
と・も・か・く!今頑張らなくて、何時頑張るっていうのよ!さあさあ!
姫様の期待を裏切るって言うの!?」タタタッ
少年「へーい。…それにしても、他のファイター達すら見当たんないや。
聞いて回ることもできやしない。やっぱり俺たち機動力ひっくー!
ソニックさんとかでも通りかからないかな、運んでもらえるんだけどっ!」タタタッ
少女「そこ、無い物ねだりしない!」タタタッ
949
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:15:42 ID:d9f/CHtQ
少年「………………………………………………………
いや、ここはあえて――現状打破とジンクスブレイクを兼ねて、無い物ねだりしてみよう」ピタッ
少女「…………は?」ピタッ
少年「――――――――――――――――――――――――――――――――
うわああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ――!!
体が石になるるうううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅ!!
だあぁれえぇぇかあぁぁ、たぁすけええええてえええええええぇぇぇ――!!!!」
少女「」
しかし、なんとも単純な子供じみた作戦ながら、ファイターの注意を引くには十分。
甲高い悲鳴に呼応するように、飛んできたファイターが一人――!
少女「うわあ、恥を知らない馬鹿は、馬鹿なりに役に立つ場面が――」
少年「ほらみろ、効果てきめん!最初からこうしておけば――」
デイジー「天が誰呼ぶ我を呼ぶ!世界を救えと皆が呼ぶ!
泣く子も駄菓子で黙らせる、ステキなお転婆お姉さん!
サラサ・ランドの王女、デイジー参上!!」ズサァーー!
少年「」
少女「」
950
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:19:01 ID:d9f/CHtQ
デイジー「リアクションが欲しいなっ!…いやいや、それよりも!
どうしたの、大丈夫!?ケガはない!?
石になり始めたってホント!?…あれ、そうでもない!?
というより、私誰だかわかる!?デイジーだよ!
そこそこメディアに露出してるから知られてると思うけど!
おっと、露出って言ってもイカガワシイ意味じゃないよ、念のため。
姿をあっちこっちで見かけるって意味だよ。知ってた?偉いぞ♪」
怒涛の如く、しゃべくるお姫様。最後はウインクで締めて見せる。
少年と少女は、唖然とするばかりで、しばらく動くことができなかった。
少年「いや、ほんと――――さっさとやっとくべき頭脳プレイだったんじゃね?
悔やまれるにも程があるんだけど」
少女「…そうね。喜ばしきことなのに悲しくなってくるわ」
デイジー「???」
あちこちで爆発音が聞こえると言うのに、
ため息と、腑抜けた言葉を吐いてしまうのは仕方がない。
951
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:23:23 ID:d9f/CHtQ
デイジー「――――あれ?貴方たち、どこかで会ったこと、あるような、ないような……」
少年「おおっ!さすが、放と…いや情報通なデイジーさんなだけのことはあるね!
できればそこは『ある』と断言してほしかったけど」
デイジー「…放蕩って言おうとしたね!?子供だから大目に見るけど。
…いや待った、子供に言われたからこそ憤慨するべきなのかな私は?」
少女「――――――――お願いが、あります」
少女が、真摯な表情でぺこりと一礼。
デイジー「…んん?どうしたの畏まって。言ってみて?」
基本、困った人は放っておけない性分のお姫様なもので。
気さくに話しかけ、気さくに提案に乗っていく。
少女「…私たち、この時の為に――ずっと、構えていたんです。
『仲間』は決して多くはないけれど。おまけに一人一人は、弱いかも、だけど。
頼られたからには、数年かけて――準備してきたんです。
もちろん、招待されて、大会自体を、お祭り騒ぎを、そっと楽しんでいたっていう事実もある、けど。
裏方として目立たないよう、そう、ひっそりと――」
デイジー「…え?え?な、なんの話?」
952
:
Mii
:2020/10/25(日) 04:26:39 ID:d9f/CHtQ
少年「デイジーさん。アンタを探してたんだよ、まさしく!
運がいいのやら悪いのやら!…いや、きっといいに決まってる!
さあ反撃の狼煙だ!…というわけで、協力してほしいんだ!
こればっかりは、俺たちだけじゃどうにもならなかった!
アンタがいないと、俺たち輝けないっぽい!」
デイジー「は、はあ?」
少女「…『こうなった時』は貴方を頼るよう、貴方の親友から――――
そう、ピーチ姫から、託されました。ずっとずっと、前から。
私たちに、チカラを貸して、くれますか?」
デイジー「――――っ!?」
953
:
Mii
:2020/12/08(火) 23:55:57 ID:vbzBgpp2
――神速が尽きようとも、状況が芳しくないことは承知の上で、走る。
――本物のロゼッタ引き連れ、ひとまずは会場に舞い戻ろうとする形で、ひた走る。
ルカリオ「…………」チラッ
――ただ。その、相方が、すこぶる奮わない。
――最初は、絶句。しばらくして、沈黙。…やがては、懺悔。
ルカリオの 全ステータスが やや下がった!▼
ロゼッタの 全ステータスが 大きく下がった!▼
――もちろん、OFF波動によって、私より強い干渉を受けてしまっている…というのは。
彼女の動きを縛り付ける理由の一つだ。断じて無視できるものではない。
――だが。それよりも遥かに深刻な問題が、まさに「転がっている」。
ロゼッタ「…………」グズッ
ルカリオ「……………………」
ロゼッタ「…………ごめんなさい」
ルカリオ「……………………」
ロゼッタ「…………ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい――」ポロポロ
954
:
Mii
:2020/12/08(火) 23:58:48 ID:vbzBgpp2
脚こそ動きを止めはしないが、ボロボロと泣き続けて、終いがない。
顔をくしゃくしゃにして泣き腫らして、ただただ懺悔の言葉を呟き続ける。
――――道のあちこちに佇む、「石化した」人々の姿を、目の当たりにして。
いくら私が、いやファイターたちが「責任を感じなくてもいい」と諭したところで、
きっと彼女には通らないだろう。胸が張り裂けそうなほど苦しんでいるに違いない。
ピーチ曰く、「半分といわず9割くらいが優しさでできている人物」らしいから。
ロゼッタ「私なんかが、大会に、来るんじゃ…なかったんです――っ!」タタタタッ
ルカリオ「――――いい加減に、やめておけ。自棄はそのくらいにしておくんだ」タタタタッ
ロゼッタ「自棄なんかじゃ。自棄なんかで、片付け、ちゃ――!」ポロポロ
ルカリオ「強盗に遭った人の金が悪事に利用されたとして、被害者を責める奴があるか!
必要以上の自虐は却って自分を貶めるぞ!」
ロゼッタ「――――っ、で、も」ポロポロ
ルカリオ「『自分が必死に足掻けば、まだ助けられる未来がある』――それを自覚しろ!
そして実践しろ!反省も後悔もその後でいい!」
ロゼッタ「――――は、い」ポロポロ
未だ、彼女は――泣き止まない。
固まった1人目を発見してしまったその時から、泣き止むことを知らない。
955
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:02:33 ID:craZkK.E
ドッスン「ウッス!横移動で様子を見に来てやったぞ!調子はどうだ!」ゴオォォ
バッタン「おおドッスンか!無理やり通路を通ろうとする敵は片っ端からペチャンコよ!それが俺たちの役目ってもンだろうよ!」
ドッスン「そうか――――だが、気ィ抜くなよ!噂だと、敵の親玉が繰り出した魔法とやらのせいで――
一帯が大変なことになってるらしいぜ。
なんでも――――――――――――しまいには、体が、石に、なっちまうらしい!」
バッタン「い、石に!?そいつはおでれぇた!怖いな!」
ドッスン「ああ、そんな魔法を食らったら、ひとたまりもないだろうな!」
バッタン「……俺たちには全く関係のない話だな!」
ドッスン「いや、『石でできている』と『石化した状態』が狭義で等しいかはわからんぞ?
だいたいあれだ、ファイターの一人で――鋼タイプのルカリオって奴も、
過去にその魔法に干渉された覚えがあるらしい!」
バッタン「なン――だと?」
ドッスン「俺たち、メタルマリオにはダメージを与えられないだろ?つまり『石<鋼』だ!
その鋼が魔法の効果を無効化できないとなると、安心はできん!油断は禁物、しっかり対策しておこうぜ!」
バッタン「お、おうっ!…で、どう対策するんだ?」
ドッスン「それは石頭の俺には分からん。お前が考えるんだ!というかその答えを聞きに来た!さあ教えろ!」
バッタン「あっちゃああ!ずっこけるぜぇ!」バッターン!
956
:
Mii
:2020/12/09(水) 00:04:17 ID:craZkK.E
キノピオ「…………」
住民「 」カチコーン
自警団「 」カチコーン
観光客「 」カチコーン
キノピオ「…………ふええ、どう、しよう…」グズッ
キノピオ「…………………………………………」
キノピオ「…………僕たちも、なにか、やるんだ」
キノピオ「…そ、そうだそうだ!ただ逃げ惑うだけなんて、もう嫌だ!」
キノピオ「で、でも…一部鍛え上げているキノピオ除いて、所詮僕たちの力なんて――」
キノピオ「…………………………………………っ!!
なにも、皆さんは、死んじゃったわけじゃない!助けを待ってるだけなんだ!
その願いをかなえるためにも、僕たちで運ぶくらいはできるはずっ!
巻き添えを食らわないところまで、安全地帯まで――退避させるんだ!」
キノピオ「そ、そうだよっ!持ち運び走力ならそれなりに自信があるもん!
戦って勝つことだけがすべてじゃない!
マリオさんたちが憂いなく思う存分戦えるようにするというのも
立派な仕事の…助け合いの一つだよ!塵も積もれば山となるっ!」
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