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ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですね、是非!」
1
:
Mii
:2019/03/31(日) 10:37:38 ID:iLEqj1bw
このスレは
ロゼッタ「マリオカートに参戦…ですか?」
を前スレとする続編となります。
前スレをご覧になられていない方はそちらを先にどうぞ。
遅い進行のスレですが引き続き頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いします。
パルテナ「そのほか、いくつか注意点があります。
・スレ主のスマブラfor経験は、CPU(Lv.9)とのタイマンで
勝ち越せない程度の実力しかありません。
戦闘描写に過度な期待をすると酷いことになります。
むしろ、『うわあ、この描写ニワカだな』と粗探しするくらいの気持ちで
読むようにしてください(最重要)。
・前スレ同様、いろいろとパロデイ、メタ発言が散りばめられています。
キャラが自分たちの背景情報を活用する…みたいなご都合主義は
白ける方もいらっしゃると思います。そんな時は…
別のスレに移って、このスレのことは忘れましょう。
パルテナお姉さんとのお約束ですよ♪うふふふふ」
142
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:01:49 ID:u/po2OBc
ルフレ「す、すごい……!!なんて、強さだ…!」
ルキナ「…………!!」
強い、なんて表現では足りなすぎます。
…これが、勇者の、底力…!!
何か、私の心に、確かに灯るものが、有る気がします――。
ここ最近は、リンクさんの戦績がよろしくなかったようです。
…主に私のせいであるということを知り、申し訳ない気持ちで一杯です。
ま、まあ。そのこともあってか、
突然の復活に、会場のどよめきは収まることを知りません。
彼の名を連呼し続ける、観客のみなさん。
会場全体の雰囲気が、天を駆ける龍のように、躍動しています。
143
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:07:07 ID:u/po2OBc
……さらに、リンクさんは、己を、私を、奮い立たせる行動に出ました。
マスターハンド「…あのー、リンク選手?控室に戻られないのですか?」
リンク「あー、次の試合を待っているだけの俺のことは気にしないで。
フィールド整えたいならどうぞどうぞ、邪魔はしないから」
マスターハンド「ま、まさか休憩を取らず連戦されるつもりですか?
リンク選手といえど、明らかに不利になってしまいますが?」
リンク「このまま気持ちを途切れさせず、テンションを維持することによるメリットの方が
デカいと勝手に考えてるので、お構いなくー」ググッ
リンクは まだまだ はりきっている!▼
マスターハンド「なんと!?素晴らしい気合いの入りようであります!
……では、そのようにさせていただきます!」
ウオオオオオオオオオオオォォォォォ――――!!!
リンクさんの挑戦的な意志に、会場は一層沸き立ちます…!
リンク「…さあ――俺と戦いたい奴、不調に付け込もうと思ってた奴。
いくらでも、掛かってこいやぁ!!」ドンッ!
144
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:11:58 ID:u/po2OBc
〜夕方、控え室〜
リンク「どっはーぁぁぁ…………ち、ちかれた……。
よ、よーし、今日はこのくらいにしておくかー。
いわゆる、勇気と無謀は違うって状況だよな、うん!
…お、マリオにクッパ!どうよ、俺の活躍見てくれたかー?
ここ最近で最高に最強だったと我ながら思ってるんだけど」ゼェゼェ
マリオ「…滅茶苦茶なブーストが掛かってたな。
1000ポイント以上差が開いて、もはやリンクは優勝圏外かと思ってたが。
今日だけでポイント荒稼ぎして、100ポイント縮めやがった」ゴクリ
クッパ「あれだけ圧勝試合を繰り返したからな。…これはまだまだ油断ならんな。
だが、リンク。別にお前が強くなったわけではない。
一時的なテンションの高まりで戦闘力が底上げされているだけなのだ」
リンク「それで結構。理解してるし、気にしないよ。
現に、今はこうして反動でグロッキー状態だ、しな…。
でも、だからこそ、だ。分かっているからこそ――この底上げのおかげで――
今回の大会、俺が、ぜぇったいに、勝ぁつっ!
勝利に、ただひたすら、貪欲に!行ける所まで突き進んでやるっ!」ビシィッ!
145
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:15:50 ID:u/po2OBc
マリオ「言ったな、リンク!」ゴゴゴゴゴゴ
クッパ「生意気な!その言葉、のし付けて返してやる!!」ゴゴゴゴゴゴ
リンク「なんの、それこそ返り討ちってもんよ!」ゴゴゴゴゴゴ
受付「」ブクブク
ディディーコング「」ガクブル
ルイージ「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない
怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない」
ピーチ「3人とも!さっさと覇気を鎮めなさいよ!
強烈すぎて受付どころか他の選手まで失神者が続出してるんだけど!」
パルテナ「うう…まともに…立って、いられま…せん。
キャプテンファルコンさんは、よく仁王立ちしていられます…ね…?」フラッ
キャプテンファルコン「」
パルテナ「……??」チョン
キャプテンファルコン「」バターン
パルテナ「……………………あ、あれ?立ったまま気絶してた?
もしもし?もしもーし?」ユサユサ
146
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:18:39 ID:u/po2OBc
特に取りこぼしらしい取りこぼしもなく、先を行くマリオ、クッパ。
日程の3分の1が過ぎた頃にようやく、猛追を始めたリンク。
まだまだ大勢控える、歴戦の戦士たち。
さて、栄冠は誰の手に――――
147
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:21:49 ID:u/po2OBc
マスターハンド「相変わらず、雨知らずの天気っ!晴男でもいるのでしょうか!?
満員御礼も相変わらずなのは大変うれしいことです、ありがとうございます!
それでは、今一度、気を引き締めて――試合開始のカウントダウンですっ!」
クッパVSリザードンVSワリオVS Wii Fit トレーナー
ワー!ワー!
クッパ、オウエン シトイテヤルゾー!
クッパ「フンッ、生意気な声援を浴びせる市民どもだ。身の程をわきまえろ」
ワリオ「と言いつつ、内心嬉しいクッパさんでありましたとさ」
クッパ「……そこ、うるさい」
ワリオ「でもよ、俺は納得いかねーのよ。お前に対する声援の方が大きいってのがよー。
俺様がお前に劣ってるってか?そんな評価、糞くらえってんだ」
クッパ「ほほう、ならば実力を以って知らしめれば良かろう、単純な話なのだ」
ワリオ「まー、そーゆーこったな、分かってるじゃねーか」
148
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:25:13 ID:u/po2OBc
リザードン「グルルル…」
クッパ「おっと、リザードン。お前も、もちろん強者であることを忘れてはいないのだ。
ぶっちゃけると、ワガハイとマリオとリンクは別格だが…
その少し後ろから…淡々と着実に迫ってきている…くらいの実力は、しっかり認めているのだからな。
パワータイプであったり、炎を吐いたりという共通点もあることだし」
リザードン(グッ)
ワリオ「俺より評価高くね?それ。ムカつくんだが。
悪気はねーが、リザードンなんて所詮は…
数多のポケモンのうちのとある1体に過ぎないじゃねーか。
言ってみれば『通行人A』みたいなもんだぜ?
選ばれし戦士でも、ラスボスでもないんだぞ?いやまあ赤版の顔ではあるけど」
リザードン「……」イラッ
149
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:28:27 ID:u/po2OBc
クッパ「ワリオ、口が過ぎるぞ」
ワリオ「悪い悪い…そりゃ、俺もこいつの強さは認めてるけどよー。
というか、なんでこいつ、こんなに強いわけ?おかしくねぇ?」
クッパ「強いものは強いでよいではないか、本人たちの努力の結果なのだ」
パルテナ(観客席)「リザードンは…というか初代ポケモン勢は、その――
バージョン違いの本編ソフトが各世代、
外伝ソフトも割とあり、果てにはポケスタ系統にバトレボと
それこそキノコ王国メンツに劣らないくらい、
プレイアブルとして出まくってますよね…」
ピット(観客席)「え、赤版とファイアレッド版以外もカウントされるんですか!?
さすがにアーケードは含んでいないことを祈りますよ!?」
150
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:32:21 ID:u/po2OBc
クッパ「で」
ワリオ「だ」
Wii Fit トレーナー(女性)「今日も 一日 頑張りましょう!」ビシッ
クッパ「…どちら様?」
ワリオ「表情が読めん」
観客「ファイブ!」
観客「フォー!」
観客「スリー!」
観客「ツー!」
観客「ワン!」
パアアアァァン!!
実況「――――さあ、試合開始――!戦いの幕が…切って落とされたー!」
151
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:35:41 ID:u/po2OBc
Wii Fit トレーナー「……」スゥゥゥゥゥ
クッパ(よく分からんが、精神統一を始めたな。ヨガの類か?
まあ、すぐに動かないというなら、彼女は放置でいいだろう)
クッパ「よし、リザードン!まずは一発景気づけに、
灼熱ブレス対決と行こうではないか!怖気づくなら無理強いはせんがな!」ボオオオォォォォ!!
リザードン「ガオオォォォ!」ブオオオオオオォォォォ!!
リザードンの かえんほうしゃ!▼
ワリオ「うおっと、退散退散っと!バイビー!」スタコラサッサ
マスターハンド「フィールドど真ん中でブレスと火炎放射のいきなりのぶつかり合い!
これは会場の熱気以上に、熱い熱い戦いになりそ――」ゴクリ
152
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:42:20 ID:u/po2OBc
ワリオ「そこ、試合開始前からせっせと溜めてた――
超可燃性ブレンドの透かしワリオっぺ(威力MAX)あるぞ」
ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
実況「大爆発が決まったぁ――――――――っ!!!!!」
クッパ「」
リザードン「」
Wii Fit トレーナー「」ガフッ
153
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:52:08 ID:u/po2OBc
マスターハンド「一目散に退避したワリオ選手を除き、不意の大爆発で、
全員…壁や足場に叩きつけられましたぁっ!!」
ワリオ「ガハハ…ざまあみやがれ。続けて…ニンニクの息っ!!」ムハーッ
クッパは 毒を 浴びた!▼
リザードンは そらたかく とびあがった!▼
Wii Fit トレーナーは 猛毒を 浴びた!
代謝が 良すぎて 毒の巡りが 早い!▼
実況「いきなりの激しい攻防で、状態異常の選手が続出ですっ!
いきなりの大乱戦となりましたっ!」
クッパ「ぬおお!!ワリオ、流石に卑怯だぞ!!」ボロッ
ワリオ「いやあ照れるぜ」
クッパ「褒めてない!…うぐ、不快すぎる臭いまで充満して…」
リザードン「フッ!!」アセリ
クッパ「くそっ…そうだなリザードン。
もうこれ以上、下品な攻撃は食らっていられないのだ!」
154
:
Mii
:2019/08/17(土) 21:59:08 ID:u/po2OBc
クッパJr.「パパ、頑張れー!そんな、いろんな意味で汚いやつなんか、
けちょんけちょんにしちゃえー!」
ラリー「オイラ達の偉大なるクッパ様がお前なんかに負けるかー!」
ロイ「まあまあ。強者同士の対決、暖かく見守ろうよ。どっちも頑張れ!
…あ。その前に、体操のお姉さんが…あまりにも強烈なニンニクの匂いに
顔を一層白くして痙攣しだしてるけど…あれ、大丈夫かなあ……」
ウェンディ「ねぇイギー、ロイってこんなに身長高かったかしら?
こんな立派な剣も持ってなかった気がするんだけど」ヒソヒソ
イギー「ん〜…………イメチェン?……強そうだからまあいいんじゃない?」ヒソヒソ
モートン「オラ…あのワリオってヤツ、嫌い。ナマイキ」
レミー「クッパ様が本気を出したらオマエなんてかーんたんに吹き飛ぶぞ!」
ルドウィッグ「皆、そんなに騒ぎおって…。我々は、ただ悠然と構えて
約束された勝利を目に焼き付ければいいだけだ」シレッ
155
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:02:14 ID:u/po2OBc
ピーチ「あーあ、クッパが激怒しちゃってる。知らないわよ…?
…それにしても、ゼルダもヒルダもロゼッタも付き合い悪いわね、
ちょっとくらい観戦に付き合いなさいよー。
というより、せめてゼルダはとっとと1戦くらい戦いなさいよ、
なーにを日和ってるのかしら」ブツブツ
マリオ「八つ当たり気味に借り出された俺がいるけどな。
…よし、次はどのドリンクバーを混ぜてくるかなー」
ピーチ「子供かっ!」ビシィッ
マリオ「いやいや、残さないから問題ないし。
このくらいの糖分なら、1分足らずでらくらく消費できるしな。
…それに、俺は至極真面目に挑戦してるぞ?
HPやFPを回復する画期的な組み合わせが見つかった例もあるからな」
ピーチ「なにそれもっと聞きたい!」ワクテカ
マリオ「…また今度な」
156
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:05:21 ID:u/po2OBc
キノピオ「ひ ひ ひ 姫様――!
た た た 大変です――!」ダダダダダッ
マリオ「…………げげっ」
ピーチ「…………また来たぁ」ガクーン
キノピオ「すすすすいません!なんとお詫び申し上げればよいか!」
ピーチ「…………………………………………で、今度は、なぁに?
できれば、悪いお知らせでないといいんだけれど」
キノピオ「…………」
キノピオ「えっとぉ、そのぉ。それが…」オドオド
ピーチ「……………………で、どんな悪いお知らせかしら?」
マリオ「どうせまた、ろくでもないことが起こったんだろ…?」ヤレヤレ
157
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:07:55 ID:u/po2OBc
キノピオ「な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
なんと…
Mr.ゲーム&ウォッチさんのハンマーが――何者かによって持ち去られてしまった模様で、
悲しみのあまりオイルパニックになったMr.ゲーム&ウォッチさんのせいで
修羅場になったんですよ!……はぁっ!言えたあ!」
ピーチ「また窃盗事件ですって――!?いい加減にしなさいよ!」ウガーッ!!
158
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:10:07 ID:u/po2OBc
Mr.ゲーム&ウォッチ「」ズウウゥゥン
ピーチ「うわ、すさまじいしょげ方をしているわ。
…しょげているのよね?間違ってない?
表情じゃあ、ちょっとわからないんだけど」
Mr.ゲーム&ウォッチ「……」ハッ
Mr.ゲーム&ウォッチ「……」ピコッ ピコッ
Mr.ゲーム&ウォッチ「……」ピコッ ピコッ ババーン
Mr.ゲーム&ウォッチ「……」ピコッ デンッ ピコッ ピロロロロロ
ピーチ「本当にごめんなさい、言葉もちょっとわからない!
この控室に通訳できる方いらっしゃらないかしら!?」
サムス「そもそもどうやって招集できているのか疑問なんですけど」
ピーチ「サムス、だまらっしゃい。…あれ?そういえばキノピオ?
そもそも…ハンマーが盗まれたって情報、どうやって把握したのよ、キノピオ」
キノピオ「ああ、それなら。偶然通りがかった……」
159
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:13:14 ID:u/po2OBc
・
・・
・・・
ポケモントレーナー「……?」ピタッ
Mr.ゲーム&ウォッチ「……」ピコッ ピコッ
ポケモントレーナー「……」
Mr.ゲーム&ウォッチ「……」ピコッ ピコッ
ポケモントレーナー「………………!」フムフム
Mr.ゲーム&ウォッチ「……」パアアアアア
・・・
・・
・
キノピオ「といった具合です。あとはニャースさんが通訳を」
ピーチ「そ、そう……ポケモントレーナー、あいかわらず一体何者…」
キノピオ「『万が一見つからないようなら、次の大会には
自動乱数調整でジャッジ9しか出ないチートハンマーを
新調してくるから覚えておいてよ』とも愚痴っているそうです」
ピーチ「それはやばいわねはやくみつけてあげないと」ガタガタ
160
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:15:17 ID:u/po2OBc
むらびと「ぼくじゃないよ、あれから周囲はよく観察するようにしてるし」ムスッ
ピーチ「う、疑ってないわよ」
むらびと「呼び出しておいて?」
ピーチ「…ごめんなさいちょっと疑ってました」
むらびと「むー…まあ、いいけどさ。事故とはいえ悪いことをしちゃったのは事実だし。
ほかに、ハンマーを盗めそうなスキルやアイテムを持ってる人はいないの?
というより、ロゼッタお姉ちゃんにもう一度、調査してもらった方が早くない?」
ピーチ「まあねぇ。でもロゼッタったら、ゼルダやヒルダを誘って…
観光やら修業やらに勤しんでいるみたいで。あんまり邪魔をするというのもねえ。
今日は自分に合った戦闘用アクセサリーを探してみます、とか言ってたわ」
むらびと「う、それはちょっと…確かに頼みにくいなあ」
161
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:20:02 ID:u/po2OBc
Mr.ゲーム&ウォッチ「」ズウウゥゥン
Mr.ビデオゲーム「とりあえず、俺の『ウルトラハンマー』貸しておくよ。
最近使ってやれてないし、フル活用しちゃってくれ。…使い方、教えておこうか?」ジャジャーン
Mr.ゲーム&ウォッチ「」ワーイ
〜フィールド〜
Wii Fit トレーナー
「――腹式呼吸! ――腹式呼吸っ!! ――腹式呼吸っ!!!
だ…大地よ 海よ そして会場に詰めかけているすべてのMii ファイター………
このわたしに ほんのちょっとずつだけ 運動貯金を 分けてくれ―っ!!」ゴオオオ!!
格闘タイプMii「うおおおおお!」10プンカンブン!
剣士タイプMii「でやああああ!」30プンカンブン!
射撃タイプMii「まかせろおお!」1ジカンブン!
Wii Fit トレーナー「…ああ、感じます!みんなの、元気の力っ!!」ブウウウウウゥゥン!
ワリオ「」
リザードン「」
クッパ「回復しつつ攻撃力を複利計算で高めるなあぁー!!物言いだ物言い!」
162
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:23:14 ID:u/po2OBc
ピーチ「ねえねえ、正直に答えてほしいの。
彼のハンマー盗んだの、貴方だったりしないかしら?」スッ・・・
ソニック「ないない。なんでそんなことする必要があるのさ。
そりゃあ、オレの自慢の快速なら――特殊能力なくても奪えないことはないけどな!」
デデデ「ないわー。愛用のハンマー裏切るとかないわー」ヘッ
ドンキーコング「ハンマーなど邪道、己の体で勝負だろ」ハア?
ロボット「…………」
へんけいアームに くみこめたら たのしそうだなと
ロボットは ちゅうにごころから ちょっと ほしそうにしている▼
ゲッコウガ「ゲコゲコ(変幻自在ウッドハンマー欲しいでござる)」ニンッ
ニャース「草結びで我慢しろ…というかそっちのほうがいいだろと言いたいにゃ」
163
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:26:21 ID:u/po2OBc
ピーチ「事情聴取も無駄骨だったかあ…
なんか、一部参考にならない供述をしてくれちゃってるけれど。
ああ、由緒正しき大会で二度も窃盗事件とか…あたまいたい」ガックリ
Mr.ビデオゲーム「よしっ!教えたとおりにやってみろ!
タイミングよくボタンを離せ――じゃなかった、
地面に振り下ろせよ……せーの!」
Mr.ゲーム&ウォッチ「…………!!」ピコッ・・・ ピコッ・・・ ピコッ・・・ パーン!
ピーチ「え、ちょ、ちょっと待って、ここ控え室なんだけd」
Mr.ゲーム&ウォッチの ウルトラジシーン!▼
ピーチ「!?」
164
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:28:49 ID:u/po2OBc
ジャッジ判定……………………マグニチュード、9!▼
ドッシイイイイイイイイイイィィィィン!
ピーチ「私はセーーッフ!!でも威力ひゃくじゅうぅぅー!?」フユウデ アタラナイ!
Mr.ビデオゲーム「でぇじょうぶだ、この建物頑丈なうえに免震機能完備だから」
ルカリオ「あばばばばばばば」グラグラグラグラ
ピカチュウ「チャァー!?」グラグラグラグラ
プリン「……ぷり?」ジブンガ フウセンデ ウイテイル!
リザードン「…………」コウカハ ナイヨウダ・・・
ゲッコウガ「…………ケロッ」ツバメガエシ マニアッタデゴザル
ポケモントレーナー「…………」ハイケイ セーフ!
ピーチ「部屋内で一部もろに食らってる選手がいるわよ」
165
:
Mii
:2019/08/17(土) 22:31:52 ID:u/po2OBc
――緊急地震速報です。
――本日午後19時02分ごろ、強い地震が発生しました。
――震源地はスマブラ試合会場付近、マグニチュードは推定9.0、
――震源の深さは地上…地上?15メートルとされます…。
――この地震による津波の心配はありません…。
――え、震度が2しかないから緊急地震速報で流す必要がない?
――た、大変失礼いたしました!誤報です!
――引き続き、スマブラの大会をお楽しみください!
ルカリオ「おいマリオふざけるな」ボカボカ
ピカチュウ「チャァ!(怒)」ポカポカ
マリオ「あ、はい調子のりましたすいません。
彼の素質が中々の物だったもんでついついイタタタタ」
Mr.ゲーム&ウォッチ「…………!」\アラーム/
ピーチ「そして貴方は二度とやらないで」
166
:
Mii
:2019/08/20(火) 21:24:20 ID:Unt4Zq0c
ピーチ「ほんと、御免なさいね。折角の買い物の途中に呼び出して…
それではロゼッタ師匠、どうかよろしくお願いいたします」
若干おどけながら、ロゼッタにバトンを渡す。
…結局、頼ることになっちゃったわね。
我ながら、他人任せとは恥ずかしい。主催サイドとして失格ね…。
ロゼッタ「い、いえいえ、お構いなく。
ゼルダ姫とヒルダ姫のアドバイスもあって、買い物も順調に済みましたから。
…えっと、また犯人探し…ですか。わかりました。お任せください!
探索の参考とする類似アイテムとして…マリオのウルトラハンマーをお借りしますね。
Mr.ゲーム&ウォッチさん、貴方のハンマーと…十分近しいですか?」
Mr.ゲーム&ウォッチ「」ポーン
ロゼッタ「…ポーン?…えっと。それでは、微力ながら頑張らさせていただきます!
むむむむむ…………えいっ!」ポワーン
ロゼッタが…杖を片手に目を瞑り、再び行われる、詠唱。
二回目ともなれば、皆、落ち着いて観ていられる。
…そういえば、最近、ロゼッタの周りにチコたちがいないわね。
嫌に珍しい。一体全体、どうしたのかしら。
167
:
Mii
:2019/08/20(火) 21:31:53 ID:Unt4Zq0c
ロゼッタ「……」
ロゼッタ「…………みつかりました」ホッ
おおおおお、という驚嘆が、控え室を包み込む。
むらびと「すごいや!こんなに簡単に見つけ出すなんて!
ロゼッタお姉ちゃんがいれば、探偵はいらないね!」
ピット「ハックションッ!……あれ、風邪かな?」
ファルコ「見事なもんだな、まったく」
ロゼッタ「あ、あはは。まあ、本当に見つかるまでは疑心暗鬼でいきましょう、ね?」
ピーチ「さすがね!よっ、人気者!…それで、場所はどちらかしら!?」
正直、若干の焦りがあるわ。さっさと解決してしまいたい。
ロゼッタ「どうやら、あっちみたいですね。ちょっと歩きますよ…………」
まあ、ロゼッタが見つけたというなら、確実ね。
さあ、みんなで安心して付いていきましょう。
問題は、誰がまんまと盗んでのけたのか、に尽きるのだけど…!
168
:
Mii
:2019/08/20(火) 21:35:57 ID:Unt4Zq0c
辿り着いた場所…は、意外にも程がある場所だった。
ピーチ「…………ほんと、頭が痛いわ…」コメカミ オサエ
ファルコ「……野次馬の俺だからこそ他人事で言えるが、こりゃ酷ぇな。
自覚無しに盗みましたパート2ってか。怒るに怒れなくてなお酷ぇ」
ロゼッタ「……そうみたい、ですね」ウーン
Mr.ゲーム&ウォッチのハンマー…で合ってる、はず。
あんなに真っ黒なハンマーだし。うん、間違いない。
ピーチ「動物の本能じゃ、仕方ない…と、言いたいとこだけど。
悪いけど、私、機嫌が悪いの。すさまじく。2時間ほどお説教ね。
…自分でも知らずにいつの間にか拾い集めてたとか……」ジロッ
ダックハント「クウゥン……」ショボーン
――会場からちょっと離れた公園に、いつの間にやら設置された…
――犬小屋の中に積まれたガラクタの中に、紛れ込んでいた。
――え、なに?主催者の私をからかうにもほどがあるんじゃないかしら。
――神様、私のこと嫌い?
169
:
Mii
:2019/08/20(火) 21:39:39 ID:Unt4Zq0c
ピーチ「というか、ちゃんとした部屋を用意してあげるから!
そこで期間中過ごしなさいよ!わかった!?ここ、公共の場所!
どっからこの犬小屋持ってきたのよ!?…え、自作した?やるわね!」
ダックハント「クゥウン…」ションボリ
ピーチ「『ガンマンのための人用の宿泊施設がいい』ですって?
そこまで気づかいできるなら人の物盗まないでよ!ああもうっ!」イライラ
ダックハント「クワァ!?」ビクッ
ファルコ「俺が言えた義理じゃねーが、落ち着けよピーチ」アセアセ
ピーチ「いい加減ストレス溜まってきてるのよこっちはぁーーーっ!!
選手の間で『次は自分の所持品が無くなるんじゃないか』って雰囲気が
漂い始めているの!神経尖らせすぎにもなるわよ!」
ピット「それより僕は、ピーチが犬の言葉を理解できてることの方が驚きだよ」
ピーチ「ピットだって、フォックスやファルコの言葉理解できるでしょ?」
ファルコ「よし、その喧嘩買った」
170
:
Mii
:2019/08/20(火) 21:47:28 ID:Unt4Zq0c
ピーチ「冗談よ。無口勢や不思議存在勢に比べれば…
犬の言葉を何となく把握するくらい、たやすいものよ」イライラ
パルテナ「なんだか、ストレスで倒れそうですね…
無責任かもしれませんが、落ち着いて深呼吸なさってください」
ピーチ「……………………そう、ね。やっぱり、そう見えるわよね。はぁ…。
いつもはこんなときは、デイジーに助けられてたんだけど、ね」ボソッ
パルテナ「デイジー…ですか?うーん、たしか…サラサ・ランドのお姫様ですね?
ピーチ姫と親交が深いという」
ピーチ「基本的にダメダメお嬢様で、なんともしがたい、お茶らけた人間だけど。
絶妙なタイミングでデイジーがボケて、私がツッコミ入れて。あるいはその逆で。
周りの人のストレスを機敏に読んで、ほどほどに発散させるのが、得意な子なの。
それこそ、時には自分から貧乏くじ引いてまで…周りを元気にしてくれる。
天然である可能性もあるけどね。元気はつらつな起爆剤であり続けるいい子よ」
パルテナ「わあ、本人が聞いたら照れくささに身悶えしそうな高評価ですね」
ピーチ(むしろ聞いてても許すから助けてほしいくらいだけど…
ほんと、今回の大会に参加してくれていないこと、悔やまれるわ……)ハァ
デイジー「クシュンッ。……風邪か?――まあ、どうでもいいや。
さあ、続けて、行ってみようか…!」ニヤリ
171
:
Mii
:2019/08/20(火) 22:02:49 ID:Unt4Zq0c
ピーチ「しっかし、こんな距離でも捜査可能だなんて。本当にロゼッタの空間魔法は有能ね!」
ロゼッタ「まあ得意分野ですから♪」ニヘラ
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………」
マリオ「…………ん〜?これで一応、めでたしめでたし、なんだよなあ…?
…うーん?」
ルカリオ「めでたくない、めでたくないぞマリオ!
おかげで明日まで療養が必要になった、私やピカチュウの身にもなれ!
メガ進化からのつるまい適応力インファを食らいたいようだな!」
マリオ「俺が反省しなきゃならないってのは置いておけば、だ!これでいいだろ!?」
ルイージ「この際、しっかりとしたセキュリティシステムで持ち物を預かった方がよくない?」
クッパ「心配せんでも、ルイージの持ち物は取る価値のないような物ばかりだから大丈夫なのだ」
ルイージ「そっか、それなら安心だね…ってちょっと待ってよ!」
ギャーギャー……
ピーチ(もう、みんな呑気なんだから…羨ましい。
…………お説教終わったら…………そうね、久しぶりに……
ゆっくりお風呂に入って、美味しい料理でも食べて…さっさと寝ましょう…)
172
:
Mii
:2019/08/20(火) 22:08:47 ID:Unt4Zq0c
〜夜、情報管理室〜
ピーチ「あ゛あ゛〜」ブオオオォォ
リンク「…ワイン片手に、風呂上がりっぽい艶っぽさで、簡易着のまま…
扇風機に『ワレワレハウチュウジンダ』宣言をしようとする5秒前の王国元首とか。
こいつは珍しいものを見た。天変地異の前触れ?」
ピーチ「きゃあああっ!?…なんだ、リンクね。驚かさないでよ!」
リンク「んで、この部屋、何?スクリーンがいくつも並んでごっちゃごちゃだけど。
ちなみに俺はルキナの体調報告ついでに司令部っぽい不思議部屋の探索に来た!
明日は休養日にする予定だから、息抜きみたいなもんだな!」
ピーチ「よしきた不法侵入、逮捕よ逮捕。…まあ、冗談はおいといて。
一応、大会を運営すべき立場として、一日の最後のお仕事よ。
各位置に設置した監視カメラの簡易確認と、集計された報告やデータの解析。
今はちょっと…疲れて魔が差したというか。忘れなさい。…よし、作業再開」カタカタ
リンク「うへえ、お疲れさん。なになに、どんなことが分かるんだ?
こういう光景見ると、無性にワクワクするよな!」
ピーチ「純真すぎる勇者ね…」
173
:
Mii
:2019/08/20(火) 22:13:21 ID:Unt4Zq0c
ピーチ「…まあいいわ、説明してあげる。説明しつくすまで帰ってくれそうにないし」
カタカタカタカタッ
リンク「…………タイピング速すぎない?手元、残像が見えるんですけど」
ピーチ「月で鍛えたわ」フフン
リンク「なるほどわからん」
ピーチ「まずは当然、不審者や不審物の確認。必要ならば排除を検討するわね。
いざこざが起こったら、周囲の状況を十分に吟味して…
フラストレーションの適度な散逸と捉えて黙認するのか、
あるいは介入するのか決めたり」カタカタカタカタッ
リンク「なるへそ、なんでもかんでも法で裁くぞーってわけには行かないのか」
ピーチ「その通りよ。王国民にしても観光客にしても、生活しにくくなるじゃない。
迷子の誘導や警備の巡回経路決め。
大会に影ながら貢献をしてくれた商店があったら、
それとなく口コミ、掲示板で紹介してあげたり。
物、人の動きの統計を取ることで流通を操作したり、ね。
ああ、やることが一杯よ!」カタカタカタカタッ
リンク「それ絶対1人でやることじゃないよな」
174
:
Mii
:2019/08/26(月) 21:22:27 ID:OHcTC85.
リンク「それにしても…すごいな、マジで。
ありとあらゆる情報網も駆使して、大会運営を支えているんだな!
とても真似できないな…
でもマリオに聞いたんだけど、ピーチが1人で頑張りすぎると
キノピオたちが全く成長できないんじゃ――」
ピーチ「…………」ピタッ
リンク「…………」
ピーチ「…………気のせいよ」メソラシ
リンク「…………キノセイカー、ナラシカタナイナー」
175
:
Mii
:2019/08/26(月) 21:32:22 ID:OHcTC85.
ピーチ「ほ、ほかにもね!このボタン、押してみて?」サッ サッ
リンク「……これか?」ポチッ
ババババババッ!!
リンク「…うおうっ!?画面中に…履歴がびっしりと!」
ピーチ「これは、10日前の私の行動記録ねー。
選手カードをいろんなところにかざして、特典が得られたことがあるでしょ?
ゲートを通過できるだけじゃなく、食事が無料になったり、
商品が安くなったり、要管理の特殊アイテムを扱えたり…。
それらの履歴が、全部、カードの中にしっかり残っているのよ。
これを調べれば、各選手が求めていることを整理して
次回以降にしっかりと活かすことができるわ!」
リンク「――へぇ」
176
:
Mii
:2019/08/26(月) 21:40:30 ID:OHcTC85.
ふむ、と俺は一思案。
選手カードがそこまでハイテクだとは、思ってもいなかった。
いや、キノコ王国の技術なら、このくらいお茶の子さいさいか。
もっと前の大会の時からある、ピーチご自慢のシステムなのかもしれない。
――もしかしたら、使えるかも。…いやいや、素人の絵空事か?
リンク「……………………」フム
ピーチ「…………どうしたの?それとも、凄すぎて声も出ないかしら?」フフッ
リンク「あ、いや。素人発想のツマラナイことだから気にしないで」
ピーチ「そう言われると気になるわよ…試しに言ってみなさいよ、ほらほら!
私だからこそ気付かない盲点を、第三者のリンクがあっさり見つけてくれたのなら…
それこそ万々歳ってものよ、ね?」
そうピーチはおどけて、ウインクして見せる。――ええい、ままよ。
177
:
Mii
:2019/08/26(月) 21:50:54 ID:OHcTC85.
リンク「それじゃ、言うけど。
今までの所、盗難騒ぎが2回あったよな?
あいにく、俺はゴタゴタしてて、あんまり関与できなかったけど」
ピーチ「うぐぅ…改めて、不甲斐ないわね、私…そ、それで?」
リンク「使用した特典の記録だけと言わずさぁ。
いっそのこと、最低限のプライバシー保護を施したうえで、
移動履歴まで分かれば楽だったのになーって。
今は非常事態だし、文句言う奴はそうはいないぞ。
GPS機能くらい…ついてないの?
ある2人の移動履歴が同時刻に重なってたら、
一緒に行動していたか接触があったんだな…なんてこともわかるじゃないか。
まあ、選手がカードを常に携帯していることが前提だけど」
ピーチ「……………………」
ピーチ姫が、目をパチクリと瞬かせる。
…あれれ、本当に盲点だったのか?
178
:
Mii
:2019/08/26(月) 21:58:33 ID:OHcTC85.
リンク「……………………ピーチさん?おーい?」
ピーチ「……………………それよ!!!
リンク、あなたって天才!?その手があったわ!!」ガバッ
のわっ!?…ビックリした。
がばぁっと上半身を乗り出したせいで寝間着が肌蹴かけたが、気にした様子はないようだ。
はしたないぞ、お姫様。
リンク「ま、まあ…今更って感じがあるけどな」
ピーチ「そんなことないわ!というより、GPS機能ならとっくの昔に機能中よ!
データは全て本部…つまりここのデータベースに今でも送られてきているはず!」
リンク「そーなの?」
ピーチ「追跡するつもりはなかったから、機能をデフォルトOFFにしているけれど!
1時間もあれば、ちょちょいとプログラム作成して全員の経路表示くらいやってみせられるわよ!!
燃えてきたわーっ!!」ゴオオオオ
リンク「へえ、そりゃあ…。
……って、今から!?今から1人で取り掛かるのか!?
抱え込みすぎだろそれ!?社畜か!?」
179
:
Mii
:2019/08/26(月) 22:06:53 ID:OHcTC85.
〜1時間後〜
ピーチ「ZZZZZ……」クカー
ピーチは ちからつきた▼
リンク「…というわけです」
マリオ「…ったくー。まあでも、ほんとお疲れってところだな。
おけおけ、メイドの1人か2人呼んで、キノコ城の寝室に放り込んでもらうよ。
リンクもサンキューな」ピポパ
リンク「そうしてもらえると助かる…」
リンク「…え、キノコ城にメイドっているの?」
マリオ「そりゃあ…いるけど?数は少ないけどな。何をそんなに驚く」
リンク(雑用含めてピーチが全部1人でこなすから知らんかった…!)
180
:
Mii
:2019/08/26(月) 22:16:31 ID:OHcTC85.
ドドドドドドドド――――!
メイド「ししし、仕事ですかぁ――――!?
お仕事、ですかぁ――マリオ様っ!!」ドドドドドドドドド
マリオ「あ、え、うん」
メイド「広い広いキノコ城に、たった5人しか雇われなかったから!
どれだけっ!どれだけっ!キツイ毎日になるかと思ったらっ!
毎日毎日毎日毎日っ!1時間の水やりと、2時間の掃除をやるだけっ!
大抵の仕事は技術班が製作したロボットや機械がやってくれるっ!
ちょっとした応用事は、姫様御自ら…あっさりと片付けてしまわれるっ!
気を使われているとしか思えない雑談にちょっと付き合ってっ!
あとは寝ているだけで、美味しい料理が勝手に出てきて、高給取りっ!
大変失礼ながらっ!!姫様は――
私どもを、不甲斐なさと申し訳なさに苛みながら憤死させるお積りですかぁ!
どうやら今は、デイジー様やロゼッタ様のような、気を許せるご婦人方もいらっしゃらないようで!
1年半ぶり…いえ2年ぶりくらい?のまともなお仕事だひゃっほーい!!
誠心誠意、丁重にキノコ城の寝室までお運びすればよろしいのですねっ!!」
マリオ「」
181
:
Mii
:2019/08/26(月) 22:23:21 ID:OHcTC85.
メイド2「その役割、譲るわけにはまいりませんっ!!」ダダッ
メイド3「私こそが、もっともっと苦労すべき堕落者なのでございますっ!!
どうかその役目、お譲りください!」フンッ!
メイド4「倒してでも 奪い取る!」ズサァッ
メイド1「よし、では正々堂々…じゃんけんで!」
メイド2「異議なし!」
――じゃーんけーん……
メイド5「こうやってバカ騒ぎして、肝心の姫様を放置する…漫画的ノリが一番ダメ。
というわけで、冷静沈着な私は勝手な決めごとを無視して
姫様をさっさと運ばせていただきます。好きなだけジャンケンしておいてください」ヨイショ
ピーチ「ZZZ……」
マリオ「…なんだこのコントは」
リンク「やっぱり俺の感覚の方が合ってたじゃないかマリオさんや」
182
:
Mii
:2019/08/26(月) 22:31:35 ID:OHcTC85.
〜深夜〜
カタッ カタッ カタタッ…。
リンク「さってと…見よう見まねで、解析解析ぃっと。
マリオに断ったうえで、今回迷惑をかけた罪滅ぼしも兼ねて
ひとりぽつんと黙々と、解析を進めてるリンクさんでしたー。
明日は休みだしなー!
さっすがピーチ、初心者の俺でも簡単に推測できるところまで
操作方法を落とし込んでいてくれてるぜ!助かる!
キノコ王国が誇る頭脳とはこのことだな!」カタッ カタッ
リンク「試しに200時間くらいは、みんなの足取りを地図上で追ってみて…
実用性を確かめてみるかあ!まずは俺の選手カードのデータから!」バッ
リンク「ここで、食事を摂ってるな…」
リンク「…あー、これは会場で暴れまくってた状態か。光点が動かないや、はは…」
リンク「ここで残機が減ってるな…っておいぃ!変な叫び声の効果音とかやめぃ!
…シーカーストーン機能?なんだよそれは!」ウガー
183
:
Mii
:2019/08/26(月) 22:40:47 ID:OHcTC85.
〜1時間後〜
リンク「ようやく終わった…って、もう1時間経ってるのか。
しみじみと思い出しながらだったから時間食ったなあ。
次からはテキパキ確認していくか。さあ、2人目っと!」
〜更に1時間後〜
リンク「なるほど、マリオもクッパも、中々試合会場に入り浸ってたんだな…
優勝条件が厳しいってのは変わらないな、気を引き締めないと。
さあさあ、どんどん行くぞ!」
〜更に2時間後〜
リンク「……ふわぁ…えっと…やべっ、ちょっと寝落ちしてたか…。
ちょっと巻き戻して、経路を追い直すか…眠くなってきた…」
184
:
Mii
:2019/08/26(月) 22:49:22 ID:OHcTC85.
〜更に2時間後〜
リンク「…眠い…眠すぎる…でも中途半端にやめたくない…。
寝るな、寝るなよ、俺。こんなにすぐ寝るから、
いっつも寝ぼけているところから冒険がスタートするんだぞ…くう…。
えーっと、次は…ダックハントの移動がぁ……………
なんだよコイツ、絶対このあたり、人の家の敷地か地下水路通ってるだろ…
自由奔放すぎる奴だな………ふわぁ…」
リンク「…………あれ、また寝落ちかよ、巻き戻し巻き戻し…………
あ、そういや…休養日では、あるけど。
ルフレを修行してやる、約束、してたっけ……」パタリ
〜明朝〜
マリオ「おーいリンク、おはようさん。調子はどうだ…………」ガチャッ
リンク「ZZZZZ・・・」
マリオ「おい」
ピーチ「あらまあ」
185
:
Mii
:2019/08/26(月) 22:56:12 ID:OHcTC85.
リンク「いやー、引き受けておいて自分が途中で眠るとは面目ない。ふわぁ…
朝食まで持ってきてもらえるなんて、至れり尽くせりだな」モグモグ
ピーチ「まったく…まあ、有難うね。本当は私の役目なのに手伝ってくれて」
マリオ「でもさ、使い勝手はチェックしたんだから十分じゃないのか?
あとでピーチと情報共有しておけよ」
リンク「そのつもりだ…と、言いたいとこだったんだが。
…せっかくだから、先に全員分の行動履歴を見ておきたい。
ま、引き続き作業したいってことで、いいかなピーチ?」
ピーチ「まあ…好きにしていいけど?興味がわいたっていうんなら」
リンク「よしきた!…さてと、今日も一日頑張りますか!ルフレの特訓はあるけど!」ウーン
リンク(ちょーっと、気になることができたんだよなー…)
186
:
Mii
:2019/08/26(月) 23:04:27 ID:OHcTC85.
キノピオ「ひ ひ ひ 姫様――!
た た た 大変です――!」ダダダダダッ
ピーチ「…………きゃああああああああああぁぁぁ!!!
マリオ、バトンタァァァーッチッ!」ズサァァッ!
マリオ「混乱状態を引き継ぐから嫌です。
とんぼ返りかボルトチェンジにしてください」
ピーチ「ボケてる場合じゃなーい!もう嫌なのっ!!
私の精神摩耗がマッハなのよっ!」ウルウル
キノピオ「ににに逃げないでください姫様!
正真正銘の一大事ですっ!!」
ピーチ「無茶を言わないでー!」ダダッ
マリオ「…………今度は」ヤレヤレ
リンク「…………何さ?」アキレ
キノピオ「あの、ええとっ!!!」マッサオ
187
:
Mii
:2019/08/26(月) 23:13:24 ID:OHcTC85.
キノピオ「な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
な
なんと…早朝からの大、大、大事件ですっ!!
キノコ城の一区画が突如、何者かによって襲撃を受けて…
宿泊されていたロゼッタさん、ゼルダさん、ヒルダさんが危険な状態ですっ!
…はぁっ!言えたあ!」
3人「「「!?」」」
188
:
Mii
:2019/09/10(火) 06:05:57 ID:.pV0z6vc
――キノコ城の一画は、異様な光景に包まれていた。
――モクモクと、黒煙が無情にも立ち上る。
――構造物があちこち崩れ、モニュメントが原型を留めず消し飛んでおり…
――まるで、戦争が、あったかのよう。
――ロゼッタの後ろ姿が、見えた。
――一刻も早く駆け付けたいと、走る、走る。
――酷いくらい血まみれで這いつくばって、なおも手を伸ばしてもがく彼女の姿があった。
――手を向ける先には、立ちすくむことしかできていない、ゼルダとヒルダ。
――彼女たちも、ロゼッタ同様…満身創痍であることが見て取れる。
――位置関係からして、ロゼッタを…庇った?
189
:
Mii
:2019/09/10(火) 06:08:17 ID:.pV0z6vc
――そして。
ピーチ「…なに、あれ」ゾッ
リンク「…ブラック、ホール?いや違う、時空の…ハザマ?」
直径30メートルはあろうかという、光と闇が混ぜこぜになった謎の円盤が…
ごうごうと重低音を立てて鈍く回転しながら、こちらに面を向けている。
力なく立ちすくむ2人との距離は――
たったの、1メートルくらいしか残されていなかった。
じり、じりと吸い込まれていく。
ヒルダ「―――――――」
ゼルダ「…こん、なのに。負けてやるもの、ですか。
…ヒルダっ!死にたくなかったら足掻きなさい!早く!」
激しい陰圧に、対抗し続けていたらしいゼルダ。
しかし、離れること、叶わない。動かないよう踏ん張ることすら、限界が来たみたい。
踏ん張る足元が震え、摩擦の跡を激しく残しつつ――ずる、ずると下がっていく。
190
:
Mii
:2019/09/10(火) 06:11:30 ID:.pV0z6vc
ロゼッタ「ああっ!マリオ、ピーチ姫っ!お二方を…どうかお二方を、
助けてあげてくださいっ!私ではどうすることもっ!!」ポロポロ
ロゼッタがこちらにようやく気づき、必死の訴えを行う。
声を張り上げることすら、辛くてたまらないはずなのに。
ピーチ「…っ!よし、後は任せてロゼッタ!
マリオにリンク、無責任で悪いけど分析なしに突っ込んで!
回復は私がなんとかしてみせる!」
マリオ「了解っ!」
リンク「任せろ!」ザッ!
――そして、絶望的に、救出には時間が足りなかった。
191
:
Mii
:2019/09/10(火) 06:15:06 ID:.pV0z6vc
「――あ」
その放心の声は、一体誰の声だっただろうか。
ヒルダの体が。
そして、間もなく、ヒルダを必死に引っ張ろうとしていた、ゼルダの体が。
吸引に、とうとう捉えられた。
ヒルダ「…い、や。死にたく、な――」ウツロ
ゼルダ「…なんとか、生き永らえてみせます、か――」ギリッ
2人の体が、円盤の中に、消えていく。
体が、光の粒になって、溶けて、いく。
ものの3秒で、完全に――消え去った。
カッと、一瞬だけ、一際眩しく光り輝いたかと思うと…
謎の回転体は――緩やかに動きを遅くしていき…
ぴしり、と音を立てたと同時にひび割れ。ぱりんと、割れた。
そこに、ゼルダとヒルダの姿は…残って、いない。
ロゼッタ「嫌あああああああああああああああぁぁっ!!!!」
192
:
Mii
:2019/09/10(火) 06:18:14 ID:.pV0z6vc
病室は、あまりにも重苦しい空気が立ち込めている。
ロゼッタの治療そのものは割とすぐに終わったものの、
彼女はただひたすら泣くばかりで。己の無力さを呪う言葉を吐くばかりで。
誰も、声をかけることができない。そんなこと、おいそれと、できようがない。
むらびとが、あまりにも不安だったのか、私のドレスをクイクイっと引っ張った。
ルキナが、自分の境遇に重ねてしまったのか、既に涙目になっている。
なんとか慰めてあげてほしい、ということらしい。…わかってる、わかってる、けど…。
ロゼッタ「わ、私が…もっと強ければっ!こんなことには、ならなかった、のに…!!」ポロポロ
――私は、この王国のトップ。今回の大会の、主催者。
――感情のまま、立ち往生してはいられない。必要なのは客観的な即断力。
――城の一画の修復作業は絶賛開始中。ただ、大会中の完了は絶望的。
――事態の収拾に向けて、今ここにいるロゼッタ警護役以外の選手たちは…
すでにグループに分けてパトロールに向かわせた。
――未だ、ゼルダとヒルダは、見つからない。
――それでも、やらなければならないことは、あるらしい。
193
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:11:44 ID:1o4lZnlk
マリオ「精神摩耗の激しいピーチにばっかり、頼ってられないな。
ここは俺に任せとけ」ズイッ
ピーチ「…悪いわね、私自身も…一杯で」
眩暈も結構ある感じ。心も体も調子が悪すぎる、はぁ…。
マリオは小さく「気にするな」とだけ答えて、ロゼッタの傍に立つ。
マリオ「ロゼッタ、2人が何処かに囚われたのは…断じて、
ロゼッタのせいなんかじゃない。ロゼッタは最善を尽くしてくれた。
ロゼッタを恨む奴は…それこそ、ハイラル代表のリンク含めて、誰もいない」
リンク「ああ、その通りだぞ、ロゼッタ。
むしろ、2人のことをそこまで想ってくれて、本当にうれしいよ」ニコッ
ロゼッタ「で、ですが――――!」ポロポロ
視線を彷徨わせながら、ロゼッタは蚊の鳴くような声で呟く。
ホント、損な性分をしているんだから。
194
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:13:39 ID:1o4lZnlk
マリオ「いいか、聞いてくれ、ロゼッタ。
キノコ王国の、そして俺たちの威信にかけて。
いなくなった2人は、なんとしてでも取り返す。
だから、元気を出してくれ」ポンッ
ロゼッタ「…ふ、ふたりが、生きている保証なんて、ど、こにも――」ポロポロ
マリオ「それがあるんだよ、実は」フフン
ロゼッタ「――――――――――ほ、ほんとう、ですか!!」
一瞬固まって目を見開いた後、涙顔のロゼッタが、ようやくまともに顔を上げる。
…ロゼッタの体格が大きいせいで。ベッドに寝た状態とか関係なく。
ロゼッタの目線の高さ>マリオの目線の高さなのは気にしない。
マリオ「ほい、ピーチ解説」
……あ、ここで唐突に振ってくるの?ごめん、分かってないんだけど。
一拍遅れて、ブンブンと首を振る。
195
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:15:07 ID:1o4lZnlk
マリオ「あー…ピーチがそこまでポンコツ化しているとは重症だな…。
いや、別に大したことじゃない。
『あの不可思議なチカラに、ロゼッタが捉えられなかった』という事実。
これが全てを物語っているんだ。
どういう戦いがあったかは知らないが、ロゼッタ。
お前も、2人と同様に攻撃を受けたんだろう?」
ロゼッタ「…は、はい!その通りです!
朝起きて、3人で朝食を摂っているさなかに、いきなり激しい爆発音が。
何事かと駆けつけてみれば、城のあちこちが酷いありさま。
慌ててピーチ姫に連絡を取りに行こうとしましたが、
その場を動くことも叶わない怒涛の攻撃と引力を身に受けて、
あ、あのような…状態に――!」
より発言の自信を増したとばかりに、マリオが腕を組んで頷いた。
196
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:16:30 ID:1o4lZnlk
マリオ「そんなところか。…でもそれ、よく考えるとおかしいんだ。
キノピオが気付いて、一目散に俺たちを呼びに来るまでの時間。
俺たちがキノピオの一報を聞きつけて向かうまでの時間。
正直、かなりの時間だけ後手を引いちまってる。それなのにだ。
言っちゃ悪いが、ヒルダはともかく、ゼルダが太刀打ちできない攻撃に…
ロゼッタがあそこまで対抗できるはずがないんだよ。
ゼルダはどっちかというとヒルダを庇うのに専念してたみたいだし」
リンク「…確かに。強さ的にはゼルダ姫>>ロゼッタ>>ヒルダ で合ってるよな?」
クッパ「…ふむ」
…い、言われてみれば。でも…それって、どういうこと?
――――まさか。
マリオ「暗躍する者――何者か未だに分からんが――
やろうと思えば、ロゼッタだって難なく亡き者にできたはずだ。
ロゼッタ自身が思い切り白旗を上げていたしな。
それが、満身創痍とはいえ助かった。
これは、『あえて助けた』という考え方をするべきだ」
ざわっ…と、限られた人数しかいない病室が騒がしくなる。
197
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:18:30 ID:1o4lZnlk
むらびと「そそそ、それって、どういうこと!?」
マリオ「つまり、犯人の目的は、恨みで選手の命を奪うこと…とかじゃない。
どっちかというと、慌てふためく俺たちをみて愉しみたいっていう愉快犯だな。
都合よく、これまで事故が小刻みに起きてきただろう?
その情報を何らかの方法で入手して、便乗してやろうとか考えたんだぜ、きっと。
犯人の思惑通り、今の俺たちのテンションはズタボロだ」
むらびと「最悪じゃん、そんなの!」カッ
マリオ「…だが、逆に言えば、命を奪うことに執着をしているわけではない、と言える。
いつぞやのディメーンよろしく、むしろ生かして交渉材料に使った方が
犯人サイドとしても動きやすいからな。
結論として、生きている可能性も割と高いと言える」
しぃんと病室が静まり返る。
各々が、マリオの言葉を一語一句、頭の中で噛みしめている。
198
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:20:15 ID:1o4lZnlk
ピーチ「…でも、今のマリオの推測自体に、わりと多分に希望が混ざってるわよね。
確実に真綿で締めるように命を奪っていくことに悦を感じる…
猟奇的な犯人だったらどうするの?」
マリオ「……そんな谷底に付き落とすような発言しないでほしいんですが。
それを言われると『後の祭です、どうしようもありません』と無慈悲に返すしかないじゃん」
…それも、そうか。
でも、周りの皆は、マリオの意見に同調しようとしている。
ゼルダとヒルダの生存を、信じようとしている。
なら、私もそう動くだけ。
マリオ「やれやれ、ピーチの横槍が入っちゃって話の締め方が難しいけど…
ともかく、ロゼッタ。繰り返すが…2人は、絶対、助けて見せる。
俺に、俺たちに、任せとけ!!」
ロゼッタは、マリオを見つめる。
更に更に、大粒の涙を流し始める。
そうよね、心配しないで、ロゼッタ。なんとしてでも、彼女たちは――!
199
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:22:30 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「――――――――っ!!お願い、いたし、ます――っ!!」ガバッ
マリオ「へぶっ」
感極まってしまったのか。
上半身をガバッと動かしたロゼッタが、反応が遅れたマリオに――
マリオの頭を抱え込む形で、思い切り抱き着いて一層激しく泣き出した。
ピーチ「…………」
ピーチ「……………………」
ピーチ「…………………………………………
ちょっと待ったああああああああぁぁぁぁぁ――――――――っ!!」
200
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:24:27 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「…はい?」ナミダメ
なぜ急に叫ばれたのかがわからないのか、顔だけこちらに向ける、涙目のロゼッタ。
マリオ「」
何気に成長してきた胸を押し付けられて、完全に石と化したマリオ。
リンク(あ、なんかデジャブ)
ルキナ(あ、あ、ああああ…)カァッ
おいそこ、なにがあった。ああ、あの夜の邂逅か。
…って、そうじゃなーい!
ピーチ「感動したのは分かったから、とっととマリオから離れなさいよゴラァ!
マリオもさっさと引きはがしなさーい!!!」グイッ
マリオ「」
マリオは こおってしまって うごかない!▼
201
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:26:02 ID:1o4lZnlk
むらびと「よし帰ろう」クルッ
ファルコ「賛成」クルッ
クッパ「おっと持病の仮病が」クルッ
リンク「管理室で解析の続きしよーっと。あとはヒーローのマリオに任せよう」クルッ
ルキナ「あ、ええと、ええと。私も、お暇させていただきます」クルッ
ロゼッタ「ピーチ姫、痛いです!強く引っ張らないでくださいっ!」ギューッ
マリオ「」
ピーチ「抱きしめる力強くするなぁ――!
ああもう、なまじ病人相手だから力加減が難しいっ!?
アンタたちも手伝いなさいよぉ薄情者――!!!」
…結局、ひっぺがすのに5分程度費やしました。
益々、体がふら付いてきた気がする…。
202
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:27:50 ID:1o4lZnlk
マリオ「…………」ハッ
ピーチ「よし、とっとと退散するわよ、こんなとこ!」
ロゼッタ「そう、ですか…」ショボン
ようやく、マリオが正気に戻ったし…やってられないわ…。
名残惜しそうにするロゼッタを一切振り返さずにマリオと一緒に病室を出る。
無自覚とはいえ、ロゼッタ、恐ろしい子…!
マリオ「…………」
マリオ「…………」
マリオ「…………」
マリオ「…………………………………………やれやれ」ハァ
203
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:31:12 ID:1o4lZnlk
〜情報管理室〜
リンク「…………」ジーッ
……やっぱり、寝ぼけての勘違いとかじゃなかった。おっかしいなー?
うーん?何故に?どして?
コンコン。
リンク「どうぞー?」
マリオ「お、やってるやってる。どんな感じだ、リンク?」ガチャッ
リンク「お、色男のおでましだ。お疲れさまっしたー」ケラケラ
マリオ「お前だけには言われたくない」
リンク「…なんでさー。
え、調べてきた内容?あ、マリオも聞いてくれよ。
みんなの行動履歴を紐解いて行ってるんだけど、なんか腑に落ちないんだ」
マリオ「ほほう?どんな具合に?」
リンク「百聞は一見に如かず、だな。…ちょっとこいつを見てくれ」カタッ カタッ
204
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:33:23 ID:1o4lZnlk
パッ!!
リンク「これ、ダックハントの行動記録ね。
道なき道を、すっげー縦横無尽に動いているのが呆れるけれど。
選手カードをほっぽり出したりしていなくて助かった」
マリオ「うわ、あちこちで無料食事イベントに有り付いてやがる。
食欲に忠実だなあ、ははは。…会話とかどうしたんだろ」
リンク「そんでもって……ほいっと」カタッ カタッ
パパパッ!
マリオ「あ、履歴の線が1本増えたな。これ、誰のだ?」
リンク「Mr. ゲーム&ウォッチのだよ。まあ、ダックハントに比べれば
ずっと行動範囲は狭いな。大して施設利用履歴もないし」
マリオ「あのなりで一般施設に入ったらギョッとされるから自重してるのかな。
だとしたら悪いことをしたな…。
で、いろんなところで線が交差してるな。
このどこかで、Mr. ゲーム&ウォッチがハンマーを落として、
他の人に気付かれる猶予さえなくダックハントがつい拾っちゃったと」
205
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:35:30 ID:1o4lZnlk
リンク「いや、それ、違う」
マリオ「…違う?」
リンク「線だけ見ると重なってるけど、どの交点も時間帯がずれてばっかりだ。
最低でも1時間は…ずれてる。
ほぼ同時刻に2選手が同地点にいた形跡、なんてものは…………
この2選手間には――存在しない」
マリオ「…………なんだって?」
リンク「あんな目立つハンマーなのに、通りかかった人が悉く無視するなんて、
有り得るのか…?まあ気味悪がられ続けた可能性が0とは言えないけど…」
マリオ「……!!」
206
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:38:19 ID:1o4lZnlk
リンク「あ、ついでにさ。その後で、むらびととファルコの相互関係についても、
なんか気になって調べてみたんだよ。
むらびとは…『シロ』だ。
さっきと同じく、同時刻同地点の状況がなかった。
こっちについては、どう言い訳しようが『ぶつからないと』
アイテムの移動が起こり得ないんだっけ。訳が分からなくなってきてるよ…」
マリオ「……サンキューな、リンク。
おかげで、ほっそいほっそい俺の仮説が信憑性を増してきたぞ」
リンク「は?なんだよそれ?」ハァ?
マリオ「ときにリンク。もう、全員分の行動履歴を調べ上げたのか?」
リンク「あ、いや。プライバシーのことも考えて、とりあえず女性陣は後回しにしてた。
ピーチに止められたらそこで素直に止めておくか…って感じで。
まあ、ようやく男性陣および性別不明陣の解析が終わったから、
そろそろ申し訳ないが女性1人目のサムスについて調べ始めようと…」
マリオ「そりゃあ、ちょうどいい。
…順番変更だ。ゼルダとヒルダについて追跡を開始してくれ。
とりあえず急ぎだから、現在の位置だけでいい」
リンク「…………!!!あ、そりゃあ、最初からそうすべきだったな、迂闊っ!!
早速やってみるぜ!現在の2人の位置…どうぞっ!」カタッ カタッ
207
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:41:58 ID:1o4lZnlk
パッ!!パッ!!
リンク「…ああっ!!」
表示は…………なんと、大会会場を示している!
リンク「と、とりあえず、会場にいる…というか、
どこかのフィールドに幽閉でもされているのか!?
くそっ、さすがにこれ以上拡大はできないか…!」カチッ カチッ
マリオ「実は2人とも既に命はなくて、
俺たちを誘導するために選手カードだけ罠設置されている、
とかでなければな」
リンク「おっそろしいこと言うなよ…
よ、よし!急ぎ、みんなで捜索に…!」
マリオ「いや、そのまえに、あと1つ…いや、2つだけ」
リンク「ど、どうしてだよ!急いだ方がいいだろ?」
マリオ「いいから、頼む」
208
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:44:44 ID:1o4lZnlk
リンク「……わかったよ。そこまで真剣な顔をされたら断れないよ。
で、なにをすればいい?」フッ
マリオ「その2人の履歴、なんだが。
ちょっと時間は掛かるけれど、今の光点の位置が動き始めるまで、
どんどん履歴を遡っていってくれないか?」
リンク「…は?別に、いいけど。
昨日までは普通に、ロゼッタとあちこち見て回ってただろ…?」
マリオ「いいからいいから」
リンク「無駄なことが好きだな…じゃあ、いくぞ?」カタッ カタッ
【1時間前 動きなし】
リンク「こんなの見て、なにか分かるのか…?」フゥ
【2時間前 動きなし】
リンク「…………」
209
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:46:33 ID:1o4lZnlk
【4時間前 動きなし】
リンク「…………あり?そろそろ動いてもいい頃、だよな…?」
【24時間前 動きなし】
リンク「…………え、なにこれ、おかしいだろ?壊れてるのか?ここまで見させておいて」
【1週間前 動きなし】
リンク「はああああああああ!?」
【1か月前 動 き な し 】
リンク「」
マリオ「はあああああぁぁぁ……………」タメイキ
210
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:51:40 ID:1o4lZnlk
リンク「なんだよなんだよ、なんだってんだよ、これ?
何がどうなってるんだ!?」
訳がまるでわからない。
普通にいたよ!ゼルダ姫とヒルダ、ふっつーにいたよ!?
リンク「…ハッ!?ま、まさかその頃から、
選手カードを会場に落としてたとか、か?
おっちょこちょいすぎるだろ」
マリオ「ちゃうちゃう」
マリオは満足と呆れが混ざったような…不思議な顔をしている。
何か合点がいったらしい。幸か不幸か。
マリオ「混乱しているところ悪いが、2つ目のお願いだ。
…………ロゼッタの履歴、同じように追跡してほしいんだけど」
リンク「お、おう…………わ、わかった…」
それが、マリオの仮説とやらを信じる助けになるのなら。
211
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:54:02 ID:1o4lZnlk
〜数日後、とあるフィールド〜
ロゼッタ「あ、あのう。怪我は完治しましたが、一体どうして私は、
こちらに連れて来られたのですか?おまけに…」
リンク「それは、俺もマリオに聞きたい」
クッパ「全くなのだ、忙しいというのに」
マリオ「まーまー。ごねるピーチをなんとかかんとか躱して、
ようやくロゼッタを連れ出せたんだから。
一応一命を取り止めたとはいえ、現状で一番…
命を狙われる可能性があるのは、間違いなくロゼッタだ。
力の弱さを完全に理解されてしまったからな。
というわけで、ちょっと俺たち『3強』が、一夜漬けででも――
ロゼッタを鍛えてあげた方がいいと考えたまでだ」
212
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:55:55 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「……ええっ!?あなた方を相手に、特訓、ですか!?
私などではとても耐えきれませんよ!?」
マリオ「なに、心配するな。思いっきり手は抜くから。
それに、3人のうちロゼッタの相手をするのは1人だけ、と決めておく。
残り2人は、ロゼッタの戦術・身のこなしをじっくり観察して、
あとでアドバイスする、というスタイルを取ろうと思う」
ロゼッタ「無茶ですよね!ね!」チラッ
リンク「…まあ、3強全員が時間を奪われるなら、優勝争いに不公平は無し、か。
いいぜ、やってみよう」
クッパ「…やれやれ、なのだ。やるからには徹底的に、なのだ」
ロゼッタ「」
213
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:58:20 ID:1o4lZnlk
マリオ「判断がおそーい!バックステップが甘―い!」ドンッ
ロゼッタ「あいたっ!…あ、でもなんとか…耐えられる」ドンッ
マリオ「手加減はするって言っただろ?でも余所見はするなよ、
うんざりする位の攻撃は繰り返すぞ、反撃してみろ!」ダッ
ロゼッタ「わわわっ…や、やってみますっ!」
マリオ「どうしたどうした、そんなんじゃあ
キノコ王国の平和は任せられないぞー!」ズガガガ
ロゼッタ「そのような大役、任された覚え有りませんよ!?」
リンク「…………」メモメモ
クッパ「…………」メモメモ
214
:
Mii
:2019/10/07(月) 05:59:38 ID:1o4lZnlk
リンク「当たり前のことを言わせてもらうけど、
避ける実力も十分にないのに、剣に対して正面から突っ込むなよー!
冗談抜きで真っ二つになるぞー!俺、みねうちは得意じゃないんだ」ブンッ
ロゼッタ「ひいいいいぃぃっ!手加減の文字はどこに!?」
クッパ「…………」メモメモ
マリオ「…………」メモメモ
クッパ「炎こそが最強!全てを焼き尽くせば解決なのだ!
ロゼッタの実力だと、掠っただけで全身に火が回るかもしれんぞ!
服だけ燃えて裸になるとかは気にしなくていい!体ごと燃え尽きるからな!」ゴオォ
ロゼッタ「きゃあああああああああ――――っ!!
逃げるしかないじゃないですか――!!」タタタッ
マリオ「…………」メモメモ
リンク「…………」メモメモ
215
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:01:20 ID:1o4lZnlk
・
・
・
マリオ「これにて特訓、しゅーりょー!!いやあ、よく頑張ったな」
ロゼッタ「はぁ、はぁ、はぁ…………」チーン
マリオ「いやあ、寝そべってピクリとも動かない」
クッパ「全く、特訓と言えどやりすぎなのだ」
リンク「俺はマリオがピーチに天誅受けないか心配だぞー」
マリオ「それは考えない方針で」HAHAHA
ロゼッタ「…で、では。皆さん、お疲れさまでした。
私は、戻ることに…致します」ヨロッ
216
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:04:08 ID:1o4lZnlk
リンク「あ、そのまえに、ロゼッタ。
最後の保険として、俺からこいつを、大会期間中、貸しておくよ。
マリオからしつこく頼まれたもんでね」
キラーン!
ロゼッタ「……これは、なんですか?
とても美しい、腕輪ですね。吸い込まれそうな…」
リンク「『いにしえのシルバーリング』って言っていう、激レア防具でな。
手首に装着しているだけで、あらゆるダメージを10分の1程度にしてくれる
失われたはずの国宝級産物だ。ゼルダ姫に激怒されそうではあるけどな。
しっかり固定できるから、肌身離さず持っておけ…というか装着しておけよ?」
ロゼッタ「じゅ、10分の1!?反則級ではないですか!
最初からこれをくださいよ!?」スチャッ
217
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:06:34 ID:1o4lZnlk
リンク「装着したところで…突然の騙し討ちぃ!」ブンッ!
ガツンッ!!
ロゼッタ「きゃっ!?ああああ、あぶないじゃないですか!?酷すぎます!」ドサッ
リンク「今の剣戟、痛かった?結構本気出してたけど」
ロゼッタ「……………………痛く、ない」
リンク「よしよし、性能はバッチリだな」
ロゼッタ「あ、ありがとうございます!!」パアア
リンク「呼び止めて済まなかったな、じゃあ、今日はゆっくり休んでくれ」
ロゼッタ「本当に、お世話になりました!」タッ タッ タッ
218
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:11:07 ID:1o4lZnlk
マリオ「…………」
リンク「…………言われた通り、あのリングを渡したけど…さてと」
クッパ「…………それで」
リンク「俺たちのいる場所と…『ロゼッタたち3人が』いる場所、
違うのはなんでだ?」
クッパ「ログに有った『FP(フィギュアプレイヤー)』って…なんだ?」
マリオ「 『Rosalina? 再チャレンジ数:0回(3Dワールド)』 は
いくらなんでも言い逃れできないよなあ…やれやれ…
抱き着くことでばれるとか、本人と同じく、墓穴は掘りやすいんだなあ…」
219
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:13:19 ID:1o4lZnlk
〜1か月以上、前 『とある』フィールド〜
ゼルダ「はああああああっ!!…ちぃっ、びくともしない!
こう、強い力をぶつけることで空間に穴が開いたりしないのですか!?
精神と何とかの部屋みたいに!」バコッ ズドドド・・・
ヒルダ「ゼ、ゼルダ姫。あまり暴れ回らないでください、
体力を、体力を消耗してしまいます!!」アタフタ
ゼルダ「こうしているっ!間にもっ!
私たちの『ニセモノ』が、外で悪事を働こうとしているのですよ!
落ち着いていられるものですか!!」ドガガガ
220
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:14:12 ID:1o4lZnlk
・
・・
・・・
ゼルダ「…!?」
ロゼッタ(分身)「…ああ、ついやりすぎちゃいました」クク
崩れ落ちる、ロゼッタの体。――分身体が、本体を、何故!?
ゼルダ「……貴方!なんてことをするのですか!
…さては分身体として不完全だったのね、生かしておけない。
私の全力、受けてみなさいっ!
ヒルダ姫、緊急事態です!迂闊に動いてはなりませんよ!」
ヒルダ「は、はい!」
ゼルダ「残りの分身のお二人さんも、協力してください!」
ゼルダ(分身)「わかりました!」バッ!
ヒルダ(分身)「ロゼッタを助けるのです!」バッ!
ロゼッタ(分身)「ハ、ハ、ハハハハ――」ブゥゥン
ゼルダ「何をしようとしても、無駄ですっ!!」ダダッ
221
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:19:15 ID:1o4lZnlk
ドゴッ……!!
ゼルダ(分身)「…そう、何をしても、無駄なのです」ニヤリ
まさかの、不意打ち。
ゼルダ「がっ――!?い、一体、なに、を」
ヒルダ(分身)「…くく、うまくいきました。今です!!」
ロゼッタ(分身)「…………空間隔離《エア・ロック》――――っ!!」パアアアア
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・!!
ゼルダ「!?」
ヒルダ「な、なんですかこの――刺さるような空気!?」
222
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:20:40 ID:1o4lZnlk
そのとき、反逆した3人の分身体が、想いも寄らぬ行動に出た。
一目散に、フィールドと外とを繋ぐ出口に駆けていく。
つい一斉に飛び掛かってくるものと思い込み、
所詮は私が本気になれば十分張り合えると冷静に判断したつもりで身構えていた、
なにより倒れたままのロゼッタ本体を放置することも出来ず、反応が遅れた。
一瞬安堵しかけて…………
敵の意図を察して、顔面蒼白になった時には、時すでに、遅し。
バタン、と扉は閉められ――――
おぞましい暗黒の結界によって、扉は姿を失った。
・・・
・・
・
223
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:22:33 ID:1o4lZnlk
ゼルダ「これもそれもっ!ロゼッタ、貴方が無駄に空間魔法を使えるからっ!!
どう落とし前を付けてくれるのですかっ!」クルッ
ロゼッタ「すいませんすいませんすいませーーん!!
絶賛、誠心誠意、解呪に努めさせてもらっておりまーす!!」パアアアアア
チコ「ママを虐めるなー!頑張ってるんだぞー!!」フヨフヨ
チコ「そうだそうだー!!」フヨフヨ
チコ「ママの力になりたいっ!」フヨフヨ
ヒルダ「ロ、ロゼッタも…あんまり無理はしないでください…
病み上がりですのに…」
ロゼッタ「おかげさまでといいますか、してやられたといいますか…
分身体がいなくなった途端に体調不良はコロッと治ったんですよ!
おかげで言い訳にできませーん!」パアアアアア
224
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:25:47 ID:1o4lZnlk
ゼルダ「だいたい、話を聞けば、分身体の魔法レベルは50で頭打ちなのでしょう!?
ずっとレベルが高い本体なら、あっさり解呪できてしかるべきでしょうが!」
ロゼッタ「発動前なら、分身体の空間魔法をインターセプトする位、楽勝ですよ!
でも、今回は既に発動しちゃってるんですよぉー!
秩序を乱すのに比べて、秩序を正すのは恐ろしくコストがかかるんです!
さすが私、空間庭園《スカイガーデン》の無効化までピンポイントで
掛けちゃってくれてますし!!ああもう!!」パアアアアア
ゼルダ「…つまり、どういうことですか?分かりやすく話しなさい」
ロゼッタ「パソコンにパスワードを設定するとしますよね!?
十分パソコンに詳しければ1分でできる行為ですよね!?
じゃあ、悪戯で出鱈目に設定された100桁のパスワードを
同じ達人に『ノーヒントで解いてみろ』って命令して、
1時間で…いえ1日2日でできると思いますか!?
初期化による強引解除も出来ないおまけ付きです!」パアアアアア
ゼルダ「……!!」サアッ
225
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:28:31 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「ここまで『解きにくさ特化』の結界を張られていると、
正直どうしようもありません!試行錯誤するしか――!」パアアアアア
ヒルダ「……そ、そんな。どの程度、掛かるのですか?」
ロゼッタは一瞬息を飲んだ後、重苦しい声で…返す。
ロゼッタ「…単純計算で、ざっと1000年以上。
下手をすると桁数がもっと増えるかもしれません」パアアアア
ヒルダ「」
ゼルダ「」
226
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:30:37 ID:1o4lZnlk
ロゼッタ「…あ、で、でもですね!『ヒントがあれば』ずっと早くなりますよっ!」
一瞬意識を持って行かれたが、ロゼッタの言葉に息を吹き返す。
ゼルダ「…ヒント?」
ロゼッタ「早い話が、私たちが閉じ込められていることに気付いたマリオ達が、
この閉鎖された空間に多少なりとも干渉してくれればいいのです。
それこそ、扉の入り口側を思い切り殴ってくれる…とかでも構いません。
繋ぐべき先の空間の情報を、一気に入手することができます!
大会が終われば間違いなく点検が行われるでしょうから、
私としては最悪でも大会終了時には出られると踏んでいますよ!
私の努力は割と無駄になりますがっ!」パアアアアア
ゼルダ「ホッ、よかった…ここで死ぬことになるだなんて御免ですよ…
……って、よくないですよ!
大会期間中、分身体たちを野放しにするということではないですか!!!」
ロゼッタ「そうなんですよねぇ…………」パアアアア
227
:
Mii
:2019/10/07(月) 06:35:07 ID:1o4lZnlk
ヒルダ「そ、そんなことよりも、大変です!!」バタバタ
ゼルダ「何ですか!!こんな時に!!
ヒルダ姫も脱出の為に策を講じてください!」ギロッ
ヒルダ「それはそうなんです、けど!
最長で3か月耐えなければならないとして…
ライフラインがあるのは僥倖ですが、食料がありません!!」マッサオ
ゼルダ「あ」
ロゼッタ「あ」パアアアアア
私たちは、一体どうなってしまうのでしょうか――。
228
:
Mii
:2019/10/12(土) 20:53:24 ID:VNNXsmsg
〜3日後〜
ヒルダ「…………」グッタリ
ゼルダ「…………」グッタリ
ヒルダ「…………」
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………おなかが、すきました」グゥゥ
ゼルダ「…………分かりきっていることを言わないでいただけますか?
……余計に空腹感が増すのですが」グゥゥ
ヒルダ「…………」チラッ
ロゼッタ「――――ああ、もうっ!空腹、空腹ですっ!
昔の私なら、この位の食事抜き、全く問題なかったのに!?
自分の体の変化が恨めしいですよ、後悔などありませんがっ!
………………はあああああっ!!!」パアアアア
ヒルダ「…………ロゼッタ、空元気で気合いを高めなくても…
もう、解呪は断念して…体力温存に努めて…ください。
助けが来る前に命を落としてしまいますよ」
ロゼッタ「大丈夫です、残機があるのでっ!」パアアアア
229
:
Mii
:2019/10/12(土) 20:55:22 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「…………ロゼッタ。もしかして…勘違いしていますか?
餓死含めて、体調の都合で死亡した場合――
残機があったとしても健康、満腹状態では復活しませんよ?」
ロゼッタ「」ピタッ
ヒルダ「…ど、どういうことですか、ゼルダ姫?」
ゼルダ「それが可能なら、不治の病に侵された人は片っ端から残機を与えたうえで
死んでもらうことが流行りますね。…しかし、無理なことが分かっています。
ピーチ姫いわく、残機復活は、あくまで体の『ガワ』を元通りにするだけです。
もちろん、外傷ならば……治ってめでたしめでたしですが。
今の私たちの場合、餓死からの復活を遂げたとして、
体内エネルギーの枯渇による機能障害は確かに治りますが…
機能障害をもたらした…根本の問題は解決されていません。
復活したそばから、たいした猶予もなく…ふたたび機能障害を起こし始めます」
ヒルダ「…そ、それが延々と繰り返されるのですか…?」ゾッ
ゼルダ「ええ。延々と苦痛に苛まれることとなります。精神に異常をきたしますよ。
よろしいのですか?ロゼッタ?」
ロゼッタ「よろしくないので休憩します」ザザッ
ゼルダ「そうですね、それが賢明だと思います」フッ
230
:
Mii
:2019/10/12(土) 20:57:46 ID:VNNXsmsg
ヒルダ「ロゼッタ…貴方の空間魔法で、なんとかならないのですか?
食べ物を出現させる、とか」
ロゼッタ「できなくはないですけど…」
ヒルダ「そうですよね、流石に無理難題ですよね…………
って、えええええええ!?可能なのですか!?」
ロゼッタ「ちょっと、やってみますね。料理にリクエストはございますか?
そこの机の上に出現させますから」
ヒルダ「え、え、えええ?……………………
………………………………ふわふわ卵のオムライスで」
ロゼッタ「オムライスですね!ふわふわかどうかは分かりませんが…それっ!」パアア
ポンッ!!
ヒルダ「…わああああああ!!ほ、本当に美味しそうなオムライスじゃないですかぁ!
何故、早く教えてくれなかったのですか!!
こ、こ、これは頂いても構わないですか!?お願い致します!」グゥゥ
231
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:00:00 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「待ちなさいヒルダ姫!先に私が毒味をして差し上げますっ!」ズイッ
ヒルダ「ああっ!勝手に席に着くだなんて、最低ですよっ!
ゼルダ姫はゼルダ姫で、ロゼッタに何か食べ物を出して貰えばいいではないですか!」
ゼルダ「ふふふ、世の中、弱肉強食なのですよっ!
ヒルダ姫は改めてロゼッタに依頼しなさい!
ああ、そうでしたロゼッタ、スプーンをおひとつ頂けますか?」
ヒルダ「どいてくださいっ!!」
ゼルダ「お断りしますっ!!」
ギャーギャー!
ロゼッタ「あのー、盛り上がっているところ、大変申し訳ないのですが…」
ゼルダ「ああ、スプーンは難しいのですか?
…仕方が有りません、この際、はしたないですが…
殿方には誰にも見られていないですし、手づかみで――っ!」サッ
232
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:02:34 ID:VNNXsmsg
ロゼッタ「それ、私の記憶をもとに構成した……ただの幻影(イリュージョン)ですよ?」
ゼルダ「」スカッ
ヒルダ「じゃあこれに何の意味が!?」
ロゼッタ「美味しそうで、お腹が満たされる…とか?」
ヒルダ「どう考えても余計にお腹がすきますよ!!」
ロゼッタ「結局のところ、空間を切り離されているので、
私のスターピース倉庫を始めとして他のエリアにアクセスできないんですよ…」
ヒルダ「それを早く言ってください…
あと、スターピース倉庫って一体なんですか…………」ガックリ
233
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:05:29 ID:VNNXsmsg
チコ「ぱくぱく」
チコ「もぐもぐ」
チコ「あんまりおいしくないけど、食べ物なら一杯あるのにー」
ヒルダ「……地面や壁を食べて凌げるのなら苦労しませんよ」
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………」
ロゼッタ「…………」
ゼルダ「…………はやく、リンク、来なさいよ…」グッタリ
ヒルダ「…………」グッタリ
ロゼッタ(……私の空間魔法で、木製のものを原子レベルまで分解して、
組み換え直して炭水化物を作る…うん、流石に神の領域ですね、できません!
どうシミュレートしてもエネルギー的に大損になりますし…)
234
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:07:21 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………」
ロゼッタ「…………」
ゼルダ「…………」
ヒルダ「…………」
ロゼッタ「…………」
・・・・・・
チコ「……………………あれ?今、何か、音がしなかった?」
ロゼッタ「気のせいじゃないですか?私たち以外、誰も――」
235
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:10:06 ID:VNNXsmsg
ガタンッ!
ゼルダ「…………確かに、あちらの部屋…仮眠室の方から聞こえましたね。
初日にちょっと覗いたくらいで、利用はしませんでしたけど」
ヒルダ「更に扉をロックされて狭い部屋に閉じ込められてはたまらない…って
無意識に思っていたみたいです。皆さんも同じですか?」
ロゼッタ「はい」
ゼルダ「ええ」
ヒルダ「…………何の音だと、思います?」
ロゼッタ「時間差で働くトラップを仕掛けられていた、とか」
ゼルダ「…あり得ますね。正直、今の私たちの状態では――
スマブラでいうところの平均的な強さのファイター1人を仕掛けられた程度でも、
まず…まともには、張り合えません」
236
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:12:55 ID:VNNXsmsg
ヒルダ「ど、どうするのですか!?」
ゼルダ「ヒルダ姫、声を落としなさい。ばれてしまいますよ。
……一か八か、扉の前で待機して、不意打ちを仕掛けましょう」ヒソヒソ
ロゼッタ「それを敵が察知して、中々現れずに膠着状態に入ったら…?」ヒソヒソ
ゼルダ「……そうなれば、疲労困憊のこちらが先に倒れてしまうのは自明の理。
10分待機して動きが無ければ、逆にこちらから特攻する…という作戦で行きましょう。
ファイターなら、何が何でも殲滅。初撃が運命の全てを左右します。
爆発物、有毒物の類なら、速やかに翻して反対の部屋に駆け込む。
ロゼッタ、可能ならば空間魔法で…扉の向こうに押し戻すなり、
隔離するなり抑制するなりしてください。方法は問いません」
ロゼッタ「――――っ、わかりました。それで、問題は有りません。
それではここからは無音で行動しましょう」
ヒルダ「…そん、な。わ、わたくし、まだ覚悟が…!」
心が痛みますが、泣き顔のヒルダ姫の口を、手で素早く押さえます。
まだしばらく、ひっくひっくと悲しみに暮れていましたが、30秒ほどして…
ようやく、震えも弱まり、落ち着いてくれました。
237
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:14:57 ID:VNNXsmsg
音を立てずに、3人で、扉の傍に近寄ります。
扉は、向こう側に開く、一般的な片開きタイプ。
不意打ちが扉に邪魔されることはありません。
幸い、この間に襲撃されずに済みました。…助かりました。
気配が、悠々と近づいてくるのがわかります。
小物がゴトンと落ちた音、とかなら杞憂で済んだのですが、
そうは問屋が卸さなかったようです。
気配が、扉のすぐ奥までやってきました。
ゼルダ姫とヒルダ姫に、アイコンタクト。理解したのか、すぐに頷きが返ってきます。
さあ、正念場が――。
がちゃり。
扉が、ギイイイと開いていき――
238
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:17:35 ID:VNNXsmsg
ゼルダ「はあああああ――――っ!!」キランッ!
ロゼッタ「やあぁ――――っ!!」パアアアアッ!
ヒルダ「て、てやぁ――――っ!!」ピカーッ!
デイジー「グッドモーニーング!呼ばれて飛び出てお邪魔しまゴフゥッ!?」グサーッ
ゼルダ「……あら?」
ロゼッタ「…えっ」
ヒルダ「……あ」
ありったけの魔法を食らい吹き飛んだのは……
まさかまさかの、デイジー姫だったのでした。
239
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:19:58 ID:VNNXsmsg
すったもんだして、落ち着きを取り戻して。
とりあえず、危機なんてものは、はなからなかったみたいです。
そして…ゼルダ姫が、頭を抱えています。
ゼルダ「変装して受付の眼を欺いて適当なフィールドに潜り込んだはいいものの、
3徹した反動で――――3日間寝てた…ですって?正常ですか?」
デイジー「そーそー!私も驚いたよ、目が醒めてみたら!
時計の日付表示が3日も進んでいるんだもん!」
ヒルダ「か、仮眠室はちらっと覗きましたけれど、
デイジー姫の姿など見えませんでしたよ?」
デイジー「ははは、デイジーでいいって。よろしくね、ヒルダ。
うーん…3日前はフラフラだったからよく覚えていないけど、
確か…なるべくばれないようにって思考に従うままに、
若干ホコリっぽいベッドの下で寝てたからなあ。
改めて考えると、自分でも頭がおかしいとしか思えないね」
ヒルダ「え、えええ…………」アキレ
240
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:21:43 ID:VNNXsmsg
――拍子抜けしてしまいましたが、まずは。
――デイジー姫に、現状の厳しさを伝えねば、なりません。
ロゼッタ「実は、いま、私たちは…私の分身体たちの反逆によって、
このフィールドに閉じ込められているのです。
巻き込んでしまい、本当に申し訳ございません」
デイジー「え、ええ、えええええええ!?
そんな大変なことになってるの!?ってか、分身体ってなに!?
ロゼッタ、とうとう影分身を使えるようになったの!?」
ロゼッタ「実分身です」
デイジー「名前は変えたけど、実際の所は影分身だったりするんだよn」
ロゼッタ「実分身です」
241
:
Mii
:2019/10/12(土) 21:25:58 ID:VNNXsmsg
デイジー「…あ、うん。わかった。わかったからそんなに睨まないで。
うわ、あのおどろおどろしい結界がそうなのかー。
それで、脱出するメドはあるの?も、もちろんあるよね?ねっ?
私、スマブラ大会に参加したいってひたすら思った挙句に
ここまで素っ頓狂なことをやってきたんだけれど」
ロゼッタ「今の所、大会終了まで出られそうにありません…
重ね重ね、申し訳ございません…」
デイジー「そんなぁ!?せっかく苦労して苦労して潜りこんだのに!?」
うがーっと頭を抱えて天井に叫ぶデイジー姫。
ある意味呑気なデイジー姫を、ゼルダ姫とヒルダ姫が
何いってるんですかこの人は、という目で見やります。
…私は思っていませんよ。…多分。
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