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ほむら「魔女の魂と私の魂と」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/02/17(日) 01:59:51 ID:71Xag3qM
ほむら(また、あのワルプルギスに勝てなかった)
ほむら(唯一まどかだけが、まどかの持つ膨大な魔力だけが奴を倒せる)
ほむら(私の微弱な魔力ではどう足掻いても奴を倒せない)
ほむら「けど、それとやらないのは別問題」
ほむら「さっさと退院して魔力の増幅方法を探さないといけないわね」
ほむら(今度こそ守ってみせるわまどか)
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/10/26(土) 19:12:52 ID:XS.8pR56
杏子「はぁ、旨かった・・・」
マミ「はしたないわよ杏子」
ほむら「良いじゃない。誰も見てないんだから」
杏子「分かってるじゃん!ほむら。マミももう少し柔軟になれよ」
マミ「もー、ほむらさんもあんまり杏子を甘やかさないの」
ほむら「はいはい、分かったわよマミ」
杏子「でもよー、すっかり暗くなっちまったな」
マミ「そうね、街灯があるところは明るいけど、少し外れると真っ暗ね」
ほむら「ええ、早く帰りましょ・・・使い魔の反応!?」
杏子「街灯の下の影だ!マミ!!」
マミ「既にリボンで拘束したわ。ただ・・・」
杏子「ただ、なんだよ?」
マミ「倒した反応も拘束から抜け出した反応も無かったの」
ほむら「もしかしたら、この付近に魔女の結界があるかもしれないわ。探しましょう」
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/10/31(木) 01:53:19 ID:zAyWHpmQ
杏子「見つからねーぞ!」
マミ「ソウルジェムにも反応がないわね」
ほむら「反応が無いなら一旦帰りましょう。また明日探索しましょう」
杏子「そうだな。明日さやかも連れて探すか」
マミ「腑に落ちないけど、遅くなると補導されかねないし早く帰りましょう」
杏子「そういえばよ、ほむらは未来を何度か経験してるんだろ?使い魔でなんの魔女か判断できないのか?」
ほむら「残念だけど、この時期はさやかと貴女のいざこざや、マミが死んだことによる戦力の穴埋めの為に、色んな所からの武器の回収であんまり魔女に関われてないの」
マミ「私この時点で死んでるの!?」
杏子「あー、確かにマミが居ねーとあいつとは揉めそうだな」
ほむら「武器集めはしんどいし、さやかはさやかで反骨精神がありすぎて自滅するしで、さやかが魔女化するまでの情報はあまり無いの。ごめんなさいね」
杏子「それはしゃーねーな。マミの責任って事で、明日マミには頑張ってもらわねーとな」
マミ「私だけの責任!?貴女も同罪よ杏子!」
杏子「いーや、マミが勝手に死んだのが悪いね。大人しく成仏しな」
マミ「今の私はまだ死んでないわよ!?杏子にも絶対に手伝って貰うからね!」
ほむら(私は明日見てるだけで良さそうね)
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/11/06(水) 00:22:46 ID:NDb8gnhs
マミちゃんが活き活きしてて嬉しい
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/11/06(水) 03:14:10 ID:JeRihXMQ
さやか「へー、昨日そんなことがあったんだ」
マミ「気が緩んでたとはいえ、使い魔を逃がしたのは久々の事だわ」
ほむら「杏子、貴女に午前中の間あの魔女の結界を探してもらったけど、その様子だと手掛かりは掴めてなさそうね」
杏子「お前らが学校に行ってから昼の今まで探しまくったが、使い魔の気配すらみせねーのよ」
まどか「杏子ちゃんお疲れ様。パパが疲れに効くハーブティーを水筒に入れてくれたから飲む?」
杏子「おー!ありがてえ!いただきまーす!」
さやか「でも、過去の時間軸だと私が一人で倒してたんでしょ?もしかして、私ってば索敵の才能が!?」
杏子「ぷはー、うめえ!ありがとうな、まどか。後、さやかは自惚れるんじゃねーよ。あたし達と変わらず、魔女だって食事の時は気を緩めてるものさ」
マミ「ここまで見付からないとなると、住民達の被害は無いと見ていいわね」
さやか「なーんだ。秘められた才能が開花すると思ったのになー」
ほむら「才能の開花はあるか分からないけど、今回の魔女は貴女に倒してもらうわ」
さやか「まじ!初戦闘かー、腕がなるね!」
まどか「大丈夫?無理しちゃダメだよ?」
ほむら「大丈夫よまどか。さやかに倒してもらうと言っても、私達も一緒に結界に入るし、危なかったら私がなんとかするから」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/11/11(月) 02:57:03 ID:sSgTb.og
さやか「よっしゃー!パトロール開始だー!」
杏子「浮かれて気を抜くんじゃねーぞ」
マミ「使い魔の反応はここら辺からだったから、今日はあっちに向かって探索しましょう」
さやか「了解ですマミさん!」
ほむら(そういえば、前の時間軸ではこの位の時期に杏子とさやかが出会ったのよね。その時に居た使い魔なら、マミが逃がす筈無いのに、そもそも道も違ったし、私が記憶にない魔女をさやかに任せるのは心配ね・・・)
マミ「美樹さんが心配?」
ほむら「マミ・・・確かに心配ね。私の知る限りでは、痛覚遮断でごり押した位しか情報が無いからね」
マミ「でも、ごり押しで勝てる程度の相手とも考えられないかしら?」
ほむら「確かに、そうなんだけど・・・それより気になるのは、さやかと対峙した魔女はまだ当分先のだった筈なの」
マミ「もしかして、さやかさんと戦った魔女とは、また別の魔女かも知れないってこと?」
ほむら「いえ、私の記憶ではその魔女までは、他のは出なかったと思うわ」
マミ「それじゃあ、何かしらの原因で魔女の発生時期が早まったと?」
ほむら「ええ、そして一番の懸念は、ワルプルギスの夜の発生時期が早まること・・・」
さやか「こっちから強い反応があるよー!」
マミ「一先ず、その話は後で考えるとして、今は目の前の問題に集中しましょう」
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/11/19(火) 03:42:36 ID:keif.sbk
さやか「なんか殺風景な結界だね」
一同が結界に入ると、使い魔も無く白い空間に黒い地面、漂う黒い瓦礫の様なものに、この場で唯一他の色をもつ太陽に似たシンボル。
杏子「あそこを見ろよ。居るぜ」
太陽に似たシンボルの近くに、魔法少女達と同年代と変わらない背丈の影が祈りを捧げていた。
杏子「あいつが魔女だろうな。さやか、見た目に惑わされるなよ」
さやか「分かってるよ。それじゃあ初陣いきますか!」
さやかが魔力を全身に込め、敵に向けて全力で駆ける。スピードだけで言えば、マミや杏子をも上回る瞬発力を有していると言える。
さやか「このまま斬る!」
魔女まで半分の所で剣を構えた瞬間、魔女の体から蛇のような形をした触手がさやかに襲い掛かる。
さやか「流石に一筋縄じゃいかないか。でもね!そんなんじゃ私は倒せないよ!」
迫り来る触手をすれ違い様に切り伏せる。痛みを感じる様子の無い魔女が、複数の触手をさやかに向けて放つ。
さやか「おっと!沢山出したところで、マミさんと特訓した私には通用しないね!」
全方位から来る攻撃に、走りながらも全てを察知し噛まれる前に最低限の動作で切り伏せる。
ほむら「凄い成長ね。過去の時間軸では痛覚遮断した相手に、無傷で死角からの攻撃も捌くなんてね」
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/11/26(火) 04:30:01 ID:tAwkZk52
切り伏せる側から次々と触手が襲い掛かる。しかし、さやかも一歩も引けをとらない所か、逆に射程圏内まで足を進める。
さやか「そんなんじゃ私は倒せないよ!!」
魔女の本体に切りかかるが、そこで遂に魔女が少しだけ顔を上げる。
さやか「なっ!?くっぉぬお!!」
顔を上げたただ一瞬、その僅かな動作が産み出したものは、触手と呼ぶには余りにもでかい、齢数百年と言われても納得してしまいそうな巨木らしき触手がさやかを襲う。
杏子「さやか!」
触手に飲み込まれたさやかを救出しに行こうとする杏子をマミが止める。
マミ「大丈夫よ杏子。大人しく見ていましょう」
杏子「ぐっ・・・分かったよ。マミが言うんだったら従うよ」
マミ(それに、ほむらさんが既に時間停止で安否確認はしてるだろうし)
ほむら(流石はマミね。さやかの力量を見極め、この攻撃でも必ず生きていると確信しているのね。時間停止して見に行く所だったわ。)
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/11/26(火) 13:44:50 ID:tq9d.Ol.
見てるよ
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/02(月) 00:09:13 ID:kJxZaJHI
さやか「うぉおおおお!!」
大木の様な触手の中からさやかの声が轟き、触手の一部が弾け跳ぶと同時に見慣れた姿が勢いよく出てくる。
さやか「あぶねー!奥の手の二刀流まで使わされちゃったよ」
ほむら「二刀流が奥の手?・・・・・・流石は頭さやかね」
さやか「頭さやかってなんだよ!?それ絶対悪口だろ!!」
マミ「まあまあ、一刀流と二刀流じゃ勝手が違うから、先ずは様子を見ましょ?」
ほむら「そうね、取り敢えず様子見ね」
さやか「くそぅ、言いたい放題言いやがって・・・今に見てろよ」
ほむら達を少し恨めしそうに見ながら構え直す。
さやか「今度こそ倒す!」
触手の上に飛び乗り走り出す。前後左右、足元からも触手がさやかに襲い掛かるが、器用に二本の剣で全てを切り伏せ、更に飛び上がる。
杏子「おー、高く飛んだな」
マミ「普通なら愚策だけど、美樹さんの能力なら高さは大きなアドバンテージになるわね」
さやか「スクワルタトーレ!!バージョン2!!」
マミ「安直な技名ね・・・後で考えてあげましょう」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/09(月) 01:13:44 ID:h7dw6Wrc
高く飛び上がり、天井付近で体を反転させると同時に足元に魔方陣を出し、地上の魔女に向かって跳ぶ。
先日の修行からさやかは考えていた。速さで何度も切り裂くやり方は、回復する敵や固い敵にはいまいち効果が薄いと。巴マミや佐倉杏子の様な特大の一撃が自分にも必要だと。
そして思い付いた。殆どの魔女の結界には、重力が地球と同様に存在する。その重力を利用しようと。高い所からの重力による落下速度に何処からでも勢いつけれる魔方陣の足場。さながら人間砲弾の出来上がりだ。ただ、さやかは一つ見落としているものがあった。
さやか(あっ、何も考えずに頭から突っ込んでるけど、どうやって斬ろう)
そう、突っ込むまでの過程しか考えてなかったのだ。このままでは本当に人間砲弾でしかなく、ただの自殺行為である。
さやか(ヤバイヤバイ!ヤバイ!!)
地面まで半分まで差し掛かった所で体をまた反転させようと試みたが、皮肉にも自分で勢いつけたせいで上手くいかず、背中から突撃して魔女の触手に串刺しにされるか、腹から落ちて一昔前の漫画みたいな無様な姿の人形の穴を開けることになるか、その前に串刺しだろうが。
そんな焦るさやかに救いの手が、まさかの相手から差し伸べられた。
さやか(魔女から触手が襲い掛かってきた!これなら上手く避けて、ついでに反転させる足場にもなる!)
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/16(月) 03:24:51 ID:J4XpfAPg
迫り来る触手を少しの動きだけで避け、残り5mを切ったところで触手を蹴り体を回転させ、そのままの勢いで剣を振り下ろす。
さやか「これで終わりだ!!」
さやかの剣は新たに出てこようとする触手すらお構い無しに切り伏せ、魔女の体を三等分に切り裂いた。
杏子「おお!あいつやりやがった!魔女を倒したぞ!」
魔女の体が光に包まれ、それと同時に結界も儚く消えて行く。結界が完全に消滅し現実に戻ってもまだ、さやかは魔女に攻撃した時と同じ姿で佇んでいた。
ほむら「さやかは何をしているのかしら?」
杏子「あの姿をよく見ろ。片膝をつき頭を少し下げてるだろ?手は剣を持って下げちゃいるが、あれは元魔法少女に対する祈りだろうよ」
マミ「確かに、魔女も元は私達と変わらない人間なのよね。美樹さんに見習って私達も祈りましょ!」
三人も膝をつき、今は亡き同胞を想う。
現実を知った彼女達には実は迷いがまだ残っていた。本当に魔女を倒していいのか?時を繰り返してきたほむらでさえ、心の片隅に思っていた。
しかし、魔女に対して祈るさやかを見て一つの決心がついた。これからは祈ろう。それがただの自己満足でしか無いと言われようとも、今を生きる私達に出来る最大の敬意だと信じて。
こうして静まり返る空間に、さやかから言葉が発せられた。
さやか「着地時に膝が砕けちゃったみたい・・・助けて」
この後、さやかの怪我が増えたのは言われるでもない。
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/16(月) 05:39:33 ID:1Y3mCyBY
草
さやかちゃんマジさやかちゃん
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/24(火) 01:13:30 ID:bAPbbK.w
さやか「もーう!!勘違いで怪我増やされちゃ、たまったもんじゃ無いよ!!」
杏子「だから悪かったって。今からお詫びとして、あたしオススメのラーメン屋連れてってやるって言ってるだろ」
さやか「今回はこれで許すけど、私の回復力じゃなきゃ大変だったんだからね!」
マミ「私、ラーメン屋なんて全然行かないから楽しみだわ!」
ほむら「私もラーメン屋は行ったこと無いから楽しみね」
杏子「おう!楽しみにしとけよ。おっちゃんもいい人だから気に入ると思うぜ!」
さやか「ところでラーメン屋は何処なの?」
杏子「ラーメン屋は風見野だからな。電車に乗るが時間もまだ早いし、食い終わったらまた風呂屋いかねーか?」
マミ「いいわね!広いお風呂で皆と入るのは楽しくて好きよ!」
ほむら「別に良いけど、前みたくあんまりべたべた触ってこないでね」
杏子「ほむらは心配になるほど細いんだよなー。逆に触りたくなるんだよ」
さやか「ほむらはもっと食べないとねー」
ほむら「はいはい、この話題はいいでしょ。もうすぐ駅に着くわよ」
209
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/24(火) 02:00:42 ID:bAPbbK.w
杏子「はぁー・・・旨かっただろ?」
さやか「あのおっちゃんもおまけしてくれたし、また行きたいね!」
ほむら「ラーメン屋のラーメン。美味しかったわ」
マミ「たまにはラーメンも良いわね。紅茶が飲みたくなっちゃったけど」
杏子「マミは紅茶狂いだな。ほら、電車が来たぞ」
ほむら「少し遅くなったから人が少ないわね」
マミ「あら?ホストかしら?格好いいわね」
杏子「うぇ・・・マミあんなのが好みなのか?」
マミ「違うわよ!ただ、ピシッとしたスーツって格好いいと思わない?」
さやか「確かに、演奏会でピシッとした衣装着てると、何割り増しかで格好よく見えるよね」
ほむら「私はあのタイプは苦手ね。それに見て。もう既に出来上がってるわよ」
「やっぱり女に金は持たっしゃだめっすよねー!」
「キャバ嬢が勘違いして、数年後も同じ額稼げんのかっての」
杏子「ちっ・・・ゲスい奴等だぜ」
さやか「・・・・・・・・・・」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2019/12/24(火) 03:06:00 ID:bAPbbK.w
「女が何か言ったら、暴力で解決すればいいんだよ!」
「流石です!ショウさん!」
さやか「あんたたち・・・」
ショウ「なんだい?お嬢ちゃん」
「もう遅いしあんまり出歩いちゃダメだよ」
さやか「なんで女の人にそんなに酷いの?そんなに男が偉いの?」
ショウ「あぁ、聞こえてたんだな」
「やっべ、呑みすぎて声でかくなってましたかね?」
さやか「答えてよ。貴方達みたいな男の人ばかりじゃ無いって分かってても、そう思う理由を知りたいの」
ショウ「はぁー・・・嬢ちゃん。俺達ホストはな夢を売ってるんだ。多少だけど、金の為に高いのをねだってるが、あいつらは勘違いして勝手にそれ以上に貢いでくる」
「酷い奴なんて、夫のお金使って貢いでますからねー」
ショウ「お嬢ちゃんが聞いてた女も、俺達に貢ぐ為にキャバ嬢になって、おっさんを相手にしてるんだ。馬鹿だと思わないか?誰が金の為に、好きでもないおっさんと酒呑んで、身体をべたべた触らせる女の事を好きになるんだよ。そんな所を見てるとよ、女って信用できないと思っちまうんだよな」
「まぁ、男でもキャバ嬢に本気になっちゃうやつ居ますけど、女はのめり込み方が凄いっすからねー。将来、自分の奥さんがホストにはまって家族の金を注ぎ込まれると考えるとねー」
さやか「それはあんた達を応援してるからでしょ!女はね、好きな人の事なら自分を犠牲にしてでも、助けてあげたいと思う生き物なの!確かにそれで、悪いことしちゃう人も居るけど、そこはあんた達が止めてあげなさいよ!」
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/07(火) 22:03:40 ID:dvme7Hyc
ショウ「君はまだ若い。後ろの子達も含め、まだ純粋だ。これから大人になるにつれて嫌な思いもしていくだろう。俺達だって女を食い物にして、こんな生活をしているから、もしかしたら罰が当たるかもしれない。でも、それ以上に金が必要なんだ。命より金が重要だとは思わねえ。だが、金が無ければ何にも出来ねえんだ。怪我や病気を治すことも、遊びに行くこともな」
「今、保険証があっても高いっすもんねー。公園に居ると、子供の保護者から白い目で見られますしー」
さやか「確かに、お金がないと大変な思いをするのは分かったけど、もう少し優しくして上げる事は出来ないの?」
ショウ「不可能ではないが・・・おいおい、そんな目で見るなって・・・」
「ショウさんって子供に弱かったんですね。意外っす」
ショウ「屑野郎以外は誰だってそうだろ。あーもう!分かったよ!少しは優しくするから、そんな目でこっち見るな!」
「あっ、折れた」
さやか「絶対だよ!悲しませちゃ駄目とまで言わないから、ちゃんと向き合ってあげてね!」
ショウ「分かった分かった。お嬢ちゃんの勝ちだ。今度、しっかりと話すよ」
さやか「それならよし!もうつくからバイバイ!」
ショウ「へいへい、さようならー」
「気を付けなねーお嬢ちゃんー」
さやか「ごめん皆、抑えきれなくて」
ほむら「彼等があれで変わるとは思えないけど、貴女が溜め込んでることを発散出来たのならそれで良いわ」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/16(木) 02:14:51 ID:mIgaNy4E
ホストもホストなりの生き方があるもんな
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/16(木) 23:08:27 ID:0SaR8txM
杏子「やっぱ、広い風呂は最高だぜ」
マミ「家のお風呂では味わえない、いい気分よね」
さやか「上がったらコーヒー牛乳をくいっと。疲れが癒えますなー」
ほむら「はぁ、のんびりしてるところに悪いけど、貴女達に報告があるの」
杏子「どうしたよ?」
ほむら「貴女達と出会って既に数週間。もうすぐワルプルギスの夜が来るわ」
マミ「もうそんなに経っていたのね・・・」
ほむら「ええ、そこで私は明日から武器集めで家を空けるわ」
さやか「大丈夫なの?危ない事しちゃ駄目だよ」
ほむら「大丈夫よ。何度も同じ事繰り返してるもの。そこで貴女達には、最後の自由時間を悔いを残さないように過ごしてほしいの。勿論、私が居ないときでも家は使っていいから、杏子は安心して」
杏子「余計なお世話だよ・・・でも、ありがとうな」
マミ「ワルプルギスは何時に来るの?」
ほむら「統計では一週間後。作戦会議をしたいから、前日に私の家に集合ね」
さやか「はぁ、一週間後か・・・」
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/22(水) 02:10:06 ID:IWhlHzJQ
杏子「んー・・・もう朝か」
マミ「やっと起きたの?朝ごはん用意してあるわよ」
杏子「ほむらは?」
マミ「私が起きた頃にはもう居なかったわ」
杏子「そうか。なあ、一日ここを開けてもいいか?」
マミ「・・・・・・分かったわ。明日、私もここ任せていい?家に戻って両親に挨拶をしたいの」
杏子「お互いあれだな・・・」
マミ「私達に過去は変えられないわ。でも、今を生きる皆を助けることはできる。その為にほむらさんも来てくれた」
杏子「そうだな。あいつの為にも、皆の為にも絶対に勝たないとな!さやかにも二日、時間をやるからその後は特訓だって伝えといてくれよ」
マミ「分かったわ。私はもう学校に行くけど杏子は?お弁当は台所に置いてあるからね」
杏子「ありがとうなマミ。朝食を食って片付けてから出るよ。鍵は掛けとくよ」
マミ「そう?私は明日学校に行った足で、そのまま家に行くからお願いね」
杏子「分かった。またなマミ」
マミ「またね杏子」
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/22(水) 02:55:14 ID:IWhlHzJQ
杏子「片付けも終わったし、そろそろあたしも行くかな・・・」
用意された弁当を持ち、玄関の鍵を閉め自分の家に向け歩き始めた。
杏子「時間もあるし、電車は使わずにのんびり歩いていくか」
学校とは逆の方向に歩いてるから学生の集団と被る事は無かったが、それでも数人の中学生や小学生が歩いている所が杏子の目に写る。
杏子(あたしも契約してなかったら、いや、そんなこと考えても仕方ないよな)
それからも、歩みを進めながらは所縁ある地を見つけては思い耽るを繰り返して、お昼に差し掛かる頃に目的地を目視した。
杏子「やっと着いたか・・・・・・ただいま」
廃墟になった教会に入っていく。外見に違わず内装も荒れて居るが、気にせず椅子に座り道中で買った水を飲みつつ弁当を広げる。
杏子「いただきま・・・折角の教会だし、食前の祈りをしておくか」
杏子は祈りを唱え弁当を食べ始める。
杏子「やっぱマミの弁当はうめーな。手料理はやっぱりうめーよ。でもさ、どうしてだろうな・・・これで満足してるはずなのに、もう一度、後一度だけで良いから皆で母さんの料理食べたいな」
少し涙ぐみながらも弁当を食べ終え、食後の祈りを済ませ立ち上がった。
杏子「散歩がてら、夕飯買ってくるよ。すぐに戻ってくるから」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/22(水) 03:34:35 ID:IWhlHzJQ
杏子「買い物の前に、久々にあそこに寄ってくかな」
教会を出てしばらく歩き、ゲームセンターに着いた。
杏子「さてと、記録は抜かれてないかなー・・・あっ!抜かれてるじゃねーか!抜かし返してやる!」
ダンスゲームにコインを入れ、降ってくる矢印に合わせ躍りながら足元の矢印が印された盤を踏んでく。
杏子「しゃー!はぁ、はぁ、三回で抜いてやったぜ!」
息を荒げながらも、一位の文字の横にニックネームを打ちゲームセンターを去る。
杏子「余計な運動で腹減っちまったな。ついでにお菓子でも買ってくか」
スーパーに寄り、弁当や菓子パン、お菓子等、一人では食べきれない程の量を買って教会に帰る。
杏子「すっかり夕方になっちまったな。祈りを済ませたら夕飯にしようか」
買い物袋を端に置き、膝をつき頭を下げ手を組み祈りを捧げ、ぽつぽつと喋り始めた。
杏子「父さん、母さん、もも、そっちで元気にしてるか?あたしはこんなんだけど元気にしてるよ。実はな、もうすぐワルプルギスの夜っていう最強の魔女が隣町に出るんだ。そこには友達や、こんなあたしを家族って言ってくれた奴も居るんだ。あっと、魔女がなんだかいい忘れてたな。あたしも最近知ったんだが、あたし達魔法少女の成れの果てらしい。ふっ、あながち父さんの言ったこと間違いじゃなかったな。悪魔か、確かにそうだったかもな。でも、それでも守りたいものがあるんだ」
そこで杏子は少し口を紡ぐ。
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/22(水) 04:29:08 ID:IWhlHzJQ
一呼吸おき、再び話し始める。
杏子「もしさ、やりきったらさ、悪魔なあたしでもまた迎え入れてくれるかな?皆で一緒に食事できるかな?今まで悪さしたことを、父さんに怒られながら、母さんと笑いながら、ももと遊びながら一緒に居られるかな?無理かな・・・」
その瞬間、大人の手が頭を撫でるような暖かさが、母のような優しい温もりが肩に、子供特有の暖かくも小さい手の感触が組んだ手に、杏子はすかさず飛び起きた。
杏子「父さん!母さん!もも!」
教会は当然だが杏子以外誰も無く、温もりの正体は割れたスタンドガラスの隙間から射した夕陽だった。
杏子「ふっ・・・・・・分かったよ。頑張ってくるよ。それより飯にしようぜ、父さん達の分も買ってきたよ。出来合いの弁当だけど、あたしは料理できないんだから大目にみてよな」
テーブルを引っ張り出し、四人分の弁当を置き食前の祈りを捧げた。
端から見ればただの奇行だが、杏子の目にはハッキリと家族の姿が、楽しい一家団欒が心を満たしていった。ついでに四人分のお弁当もしっかりと平らげた。
杏子「星が綺麗だな」
時間も過ぎ、割れた天窓のから見える星を見ながら菓子パンやお菓子を食べていた。
杏子「あいつらの前じゃこんな不摂生はできねーから、今日だけの特別だな」
頬を膨らましながら怒るマミや、冷ややかな目で無言の圧力を掛けるほむら、おちょくってくるさやかに、心配そうに注意するまどか、全員の顔が浮かび少し笑みを溢す。
杏子「あーあ、なんだか早くあいつらに会いたいな」
買ってきた物を全て食べ終えた杏子は満足したのか、長椅子に横になり寝始めた。素敵な笑みを浮かべながら。
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/23(木) 00:45:54 ID:MDHvchDc
全員幸せになってくれよな
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/30(木) 17:54:13 ID:tzVEtjx6
マミ「ただいまー・・・って、今日は私だけだったわね」
部屋の電気をつけ大量の買い物袋をテーブルに置く。
マミ「明日に帰ってくる杏子のご飯用意しないと」
自分の晩御飯の準備をしながら、自分の明日の朝ごはんとお昼のお弁当、杏子の1日分の食事の仕込みを済ませた。
マミ「ふぅ、流石にこの量の仕込みは疲れるわね」
出来上がった食事をテーブルに置き、退屈を紛らわす為にテレビをつけた。特に好きでもないバラエティー番組を見ながら食事を終えて、お風呂を沸かし始めた。
マミ「うーん・・・凄く暇ね・・・前までと同じ状況なのにー。明日はお菓子の材料買って帰ろうかしら」
そんなこんなでだらだらとしていると風呂から音楽が流れる。
マミ「沸いたようね・・・折角だから秘蔵の入浴剤でも使っちゃいましょ」
日頃の疲れが溜まっていたのか、風呂を早々と済ませ床についた。
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/31(金) 01:28:57 ID:mgr6Y5fY
マミ「んーっ!はぁ、静かな朝ね」
身支度を整えパンをトーストしながら、杏子の朝ごはんと自分用のベーコンエッグを焼く。
マミ「はー、忙しい忙しい。っと、トースト出来たわね。それにベーコンエッグ乗せてっと」
器用なことに片手でトーストを食べつつ料理をこなす。トーストを食べ終わる頃には朝食は出来上がり、ラップを掛け自分のお弁当箱に予め作り置きしておいたおかずを詰め、出掛ける前に再度身支度を済ませ家を出る。
マミ「いってきます」
鍵を閉め通学路に歩みを進める。後一週間もしない内にワルプルギスが来るとは思えないほど穏やかで、最近QBも見ないせいかこの平和が続くものだと錯覚してしまう。しかし、裏では着実に戦闘準備を進めているし、心の奥底で死への恐怖心が沸き上がってくるのを感じられる。暖かい陽気なのに寒気を感じる。そんな事を考えていると、聞き慣れた声が前のから届く。
さやか「ちょっと恭介!あんまり無茶しちゃダメだって!」
まどか「そうだよ。まだ時間あるしゆっくり歩こう?」
恭介「大丈夫だよ。事故から病院で怠けてたから、筋力を戻すために運動しないとね」
マミ「皆おはよう。上條くん、あんまり無理しちゃダメよ?治り掛けで無理するのが一番危ないわよ」
さやか「マミさんおはようございます!マミさんのいう通りだぞ恭介」
まどか「おはようございますマミさん。今日、マミさんの自宅に戻る日でしたっけ?」
マミ「そうね。貴女達も昨日言ったように、悔いを残さないよう過ごしなさいって、ほむらさんからの伝言よ。特にほむらさんは、貴女に念押ししといてって言われたわ。美樹さん」
さやか「ほむらも余計なお世話だっつーの。まあ、今日その事で恭介ともう一人とで話すつもりだけどね・・・」
恭介「結局、放課後の話しに来るもう一人って誰なんだい?」
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/01/31(金) 02:51:29 ID:mgr6Y5fY
マミ(あの後、結局誰か話さなかったけど、流れ的にあの緑髪の子よね。大丈夫かしら?)
本日最後の授業を聞きながら今朝の事を考えていた。幼少の頃から魔法少女をやってたマミからしたら、色恋沙汰は新鮮で内心もっと踏み込んで聞きたい節があったが、先輩の威厳を考え泣く泣く抑えていたのだ。
マミ(でも、ワルプルギスが終わったら、お祝いの席ついでに聞くのもありね!)
そんな下らない事を考えていると、授業が終わりを迎え下校の時間になった。マミはすぐさま学校を飛び出し、行きつけのスーパーで夕飯とお菓子の材料を買って、久々の我が家の玄関を開けた。
マミ「スゥー・・・ハァー・・・我が家の匂いね。そんなに離れてないつもりだったけど、懐かしく感じるわね」
制服を着替え、多少の埃っぽさを感じたから掃除をし、お菓子作りに取り掛かり始めた。 手際よく進め、夕飯の時間の前にはケーキを1ホール完成させた。
マミ「いい出来ね。時間も時間だし、食後のデザートで頂きましょうかしら」
久々のケーキが待ってるからなのか、夕飯をそそくさと済ませケーキを3切れと写真たてを置いた。
マミ「パパ、ママ、私が作ったケーキだよ。何時もはあんまりお供えしなかったけど、もしかしたらこれが最後かも知れないから、今日は一緒に食べて欲しいな」
沸かしたお湯で紅茶を入れ、ケーキを食べ始めた。
マミ「もし私もそっちに行ったら、パパとママ怒るかな?怒るよね。でも、私、皆を守りたいの。つい最近だけど、後輩ができて仲間が出来て、昔仲違いした子も戻ってきてくれたの。こんな私を家族の様に接してくれて、短い間だったけどとっても楽しかった。だから、皆のお姉さんとして全力で戦って・・・それでそっちに行くことになったら、受け入れてくれるかな?」
少し寂しくなり写真たてを触ると、縁が取れ写真がテーブルに滑り落ちた。家族で撮った最後の写真。まだ幼い自分に、若いパパとママ。不意にいつに撮ったのか気になって後ろを見た。
マミ「パパとママはいつでもマミのみかただよ。かなしいことがあったらパパとママがすぐにかけつけるからね。パパとママより・・・」
写真の裏には幼いマミに宛てたであろう言葉が綴られていた。今までは事故の瞬間の両親の顔しか頭に過らなかったマミだったが、その日初めて笑顔の両親の顔が浮かび上がった。
マミ「ありがとうパパ、ママ。私、頑張るよ」
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/01(土) 01:04:16 ID:25WqBiAY
恭介「さやかはまだかなー?」
日もかなり落ち、自分以外に誰も居ない教室に夕日が差し込み少し寂しさを感じていた。
さやか「おまたせー恭介!」
恭介「遅いよさやか・・・っと志筑さん?」
仁美「こんにちは上條さん・・・」
さやか「実は今日、二人で恭介に告白して、どっちか決めて貰おうと思ってたんだけど」
仁美「私、以前に告白して振られてしまったのでそれをお話ししていたら、予定より遅くなってしまいましたわ。申し訳ありません」
恭介「いや、こっちこそあの時はごめん・・・」
さやか「ストープ!事情は聞いてたけど、先ずは私の話を聞いて!」
恭介「そういえば、さやかも僕に告白を?」
さやか「確かに告白もしようと思ってたけど、本題は違うの」
仁美「そうだったのですの?てっきり、振られた女の前で見せ付けるように付き合う為かと・・・」
さやか「私そんなに酷く見える!?」
恭介「まあ、さやかが気が利かない事は昔からだったから」
さやか「恭介までっ!?」
223
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/01(土) 01:24:28 ID:25WqBiAY
さやか「もう!真剣に聞いてよね!」
恭介「ハハハ、冗談だよさやか」
仁美「ところで、本題はなんなんですの?」
さやか「恭介には伝えたけど、実は今、命の危険がある仕事をしているの」
仁美「命の危険!?さやかさんは中学生ですのよ!バイトだって禁止されているのに、そんな仕事をしてるだなんて!辞めるべきですわ!」
さやか「そう言うわけにはいかないんだよ」
仁美「誰かに脅されていますの!?それなら私がパパに頼んで、どうにかしてもらいますわよ!」
さやか「ありがとう仁美。恋敵の私にここまで親身になってくれて。でも、これは私が選んだ道なの」
仁美「上條さんからも、さやかさんを説得してください!」
恭介「そうしたいのは山々なんだけど、その原因を作ったのは僕なんだ」
仁美「そんな・・・上條さん、貴方、人の恋心に漬け込んで、そんなことをさせる人でしたの!?」
さやか「違うんだよ仁美!私が恭介の為に、勝手にやったことなんだよ!」
仁美「それでも、さやかさんが命の危険を犯すほどの事を見過ごして良いわけが!」
さやか「二人とも、私を見てて」
三人しか居ない教室、その内二人から見られる中さやかは魔法少女に変身した。
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/01(土) 02:19:05 ID:25WqBiAY
さやか「恭介にも初めて見せるね。この姿は」
青を基調とした服に白いマントが風にはためく。
仁美「さやかさん・・・その姿は・・・?」
さやか「皆に秘密にして欲しいんだけど、魔法少女なんだ私」
仁美「魔法少女?あのアニメとかのです?」
驚きを隠せない表情から出た言葉に、昔の自分に重なりふと思う。ほんの数週間前には自分もそんな事を考えていたなと、もう引き返せない所まで来てしまったと。そして、二人に表情は見せないように、夕日を眺めながら魔法少女の真実を説明した。ワルプルギスの夜が見滝原に迫ってることも。
恭介「そんなことを聞いてない!僕はさやかにそんな辛い運命を背負わせてまで治りたく無かった!」
まだ完治していない足を引き摺りながらさやかを掴み振り向かせる。面と向かって怒るために、しかし、その表情を見るや否や怒る気も失せ、さやかに垂れかかる。
恭介「ずるいよ。そんな顔したら怒れないじゃん」
仁美「さやかさん、さやかさんの笑顔に涙は合いませんよ」
ポケットからハンカチを取り出し、さやかの涙を拭う。しかし、手が震えているせいか必要以上に力が籠っていたようだ。
さやか「あはは、痛いよ仁美。それに仁美だって泣いてるじゃん」
恭介を椅子に座らせ、改めて二人に向き直る。
さやか「二人にお願いがあるの。それとこれを・・・」
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/01(土) 02:45:12 ID:25WqBiAY
夜も更け外も静まり返りそれでもまどかは眠れないでいた。向かいにはぬいぐるみに紛れQBが座っている。
まどか「ねえQB、本当にほむらちゃん達はワルプルギスの夜に勝てないの?」
QB「勝てないは正確ではないね。君が魔法少女にならない限り、勝つのは限りなく低い確率ってだけだよ」
まどか「そんなの一緒だよ・・・」
QB「でも、君は契約をしないんだよね。僕には訳がわからないよ」
まどか「分かってる癖に、私はほむらちゃん達を信じるもん」
QB「信じるって不確かな物より、まどかが契約してくれたらワルプルギスの夜は退けられるのに」
まどか「QBにはなに言っても分からないもん。私達、人間の事は」
QB「感情の無い僕たちには分からないね。でも、僕たちも分かっていることはあるよ」
まどか「なにが分かってるのさ」
QB「ワルプルギスの夜が、ただの魔女とは違うって事さ」
まどか「それって!?・・・QB?」
QBは既に何処かに消えていた。それからはQBは誰の前に現れることなく、時間はワルプルギスの夜前日まで過ぎていった。
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/01(土) 03:28:19 ID:25WqBiAY
ほむら「皆、集まったようね」
ほむらの家に久々に五人揃った。
ほむら「明日のワルプルギスの夜に向けて、最後の作戦会議よ」
杏子「それだけどよ、初っ端からほむらの能力で止めて、油断してる隙に最大火力ぶつけて撃破じゃ駄目なのか?」
マミ「3つ目の能力は、今までのと比では無いくらい増幅するんでしょ?」
ほむら「確かに私も考えていたわ。現れた瞬間に止めるのは、でも無理なことが分かったの」
さやか「なんで急に分かったのさ」
ほむら「私の魔女が教えてくれたの。ワルプルギスの夜は存在そのものが魔力の塊みたいなもので、自ら魔力を消費しない限りどんなにダメージを与えても倒すことができないの」
まどか「でも、私なら倒せるってQBが・・・」
ほむら「ええ、まどかの魔力ならワルプルギスを大きく上回るから倒すのは可能ね。それほどの魔力を使ってしまったら魔女になって、それこそ地球の終わりになるわ」
杏子「ならどーすりゃ良いんだよ。魔力を使ってくれるのを指咥えて待ってればいいのかよ」
ほむら「確かに普通の魔女だったら打つ手無しだった。でも、相手は自分の結界を持たない魔女。使い魔を作り出すにも、自分の魔力を消費しているの」
マミ「つまり、使い魔を倒し続けて魔力を消費させた所を、貴女の能力で止めて叩こうって訳ね」
さやか「簡単に言うけど、使い魔って一匹一匹が魔法少女並みの強さなんでしょ?きつくない?」
ほむら「勝つにはきつくてもやるしかないの」
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/01(土) 04:12:50 ID:25WqBiAY
ほむら「この資料を見て貰えば分かるように、ワルプルギスはこの地点に出現することが多いわ」
杏子「おいおい、避難所は学校なんだろ?近くはねーが、この距離じゃ被害が出る可能性があるぞ」
ほむら「分かっているわ。最初は私とマミが、私が集めた武器で集中砲火して、ここの地点まで押し出すわ。これが集めた武器の資料よ」
マミ「こんなものまで・・・まるで戦争ね」
さやか「うわっ!?こんなの映画の中でしか見たこと無いよ」
まどか「こんな兵器でもワルプルギスは倒せないんだね」
ほむら「魔力を消費させてなければ、これ全部でも押された程度にしか感じないんでしょうね」
杏子「それでこの地点まで吹っ飛ばしたらついに本番か」
ほむら「ええ、ワルプルギスは必ず使い魔を出してくるわ。それを出来る限り倒すの」
マミ「それじゃあ作戦会議は終わりって事で、ご飯食べない?明日に向けて体力回復させないと!」
さやか「賛成ー!ほむらが帰ってくるまで特訓ばっかりでくたくただよー」
杏子「折角だから肉が食いたいぞマミー」
マミ「そう言うと思って、今日は奮発して焼き肉にステーキ肉、なんでもあるわよー」
さやか「すごーい!まどか!これお肉なのに凄い綺麗だよ!」
まどか「あはは、さやかちゃんたら」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/14(金) 02:42:29 ID:vzjc6ofA
まどか「まだ寝ないの?」
ほむら「ええ、皆は?」
まどか「もうぐっすりだよ」
ほむら「そう・・・」
まどか「明日、勝てるよね?」
ほむら「分からない。私の中の魔女も覚悟しとけって」
まどか「ほむらちゃんは、自分の魔女と会話できるんだね」
ほむら「偶然だったんだけどね」
まどか「もう一人の自分かー。なんか格好いいね!」
ほむら「格好いい・・・ね。貴女はいつまでも貴女なのね」
まどか「えー?どういうことー?」
ほむら「そのままの意味よ。さぁ、そろそろ寝ましょ」
まどか「もうちょっと話したかったのにー。明日、頑張ってね」
ほむら「ええ、絶対勝ってみせるわ」
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/14(金) 03:36:14 ID:vzjc6ofA
さやか「まどかはちゃんと送ってきたんでしょうね」
ほむら「避難所まで送ったわよ。貴女こそ最後の挨拶してこなくて良かったのかしら?」
さやか「もう言いたいことは伝えてあるし。てか、最後になんないし!さやかちゃん大勝利で終わるから見てなよ!」
杏子「威勢は良いが、調子にのってへまするなよ」
マミ「まあまあ、それよりまるで台風ね。魔女がこんな異常気象を起こせるなんて、流石は伝説の魔女ね」
ほむら「そろそろ時間よ。休んでないで行くわよ」
暴風雨によりあまり意味をなしていない、パラソルのついたオープンテラスの椅子から魔法少女が立ち上がる。それと同時にパラソルがテーブルごと空を舞い、椅子も風下へと転がっていく。
マミ「あーあ、結構お気に入りだったのに」
杏子「あんな雨も凌げないパラソルの何処が良いんだか」
さやか「うへー、制服がもうびっしょびっしょだ」
ほむら「直にそんなの気にしてる暇無くなるわよ」
日頃なら多くの車が行き交う大通り、しかし今はたった四人の少女が歩いているだけである。歩みを進めていると突如、雨風の音以外に陽気な音楽が微かに流れてくる。
ほむら「来たわね」
音楽と共に不気味なパレードが始まる。人ではない何かが奏で、きらびやかな装飾が街を覆う。魔法少女の適正が無い人には見えないが、何も知らない適正持ちは恍惚に見いるだろう。しかし、始まりがあれば終わりも当然訪れる。古い映写機の様なカウントダウンが街の色を奪い、空の一部をカーテンが覆い隠す。
ほむら「今度こそ、必ず勝つわ」
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/14(金) 04:31:29 ID:vzjc6ofA
ほむら「準備はいい?まず、私とマミが用意した兵器で予定地点まで押し込むわ。貴女達の仕事はそれから。私達を敵と認識して使い魔を出してくるから、避難所に近付けないようにしつつ、やれるだけやって」
杏子「オーライ。吹っ飛ばすの確認したら所定位置につく」
さやか「了解!何百何千来ようが、全部さやかちゃんが倒しちゃうよ!」
ほむら「期待してるわ」
カウントが遂に0になりカーテンが開かれる。
高層ビルすら超す体躯に、足の代わりに駆動する歯車。きらびやかなドレスに身を包み、逆さのままけたたましく笑う。それが伝説の魔女。ワルプルギスの夜。
ほむら「マミ!」
変身と同時に時を止める。マミは既にリボンをほむらに繋ぎ、ほむらと共に駆ける。
杏子「おっ、始まったな」
魔女の近くで爆発が起こる。衝撃で魔女は飛ばされ、その先でも新たに爆発に襲われ、段々と元の位置から遠ざかる。
さやか「もうすぐで予定地点ね」
川を挟み予定地点の工場地帯が見えてくる。
今まででも凄い爆発だったが、窓ガラスすら大きく震わす爆発が数度起こり、魔女が工場地帯に墜ちる。
杏子「耳を塞げ!鼓膜破れるぞ!」
耳を塞ぐと同時に工場地帯全体を巻き込む大爆発が起こり、衝撃波で対岸のビル郡の窓ガラスが一斉に割れる。
さやか「ぬぉぉおお!凄い衝撃!」
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/14(金) 05:19:12 ID:vzjc6ofA
ビルの屋上に待機していた杏子とさやかは地獄の様な光景に息を飲む。一地区まるまる爆弾で爆発したのだから無理もない。しかし、それすら序章に過ぎなかった。
ほむら「計画通り押し込んだけど、これは予想外だったわ」
いつの間にか戻っていたほむらとマミに目を向けることなく杏子は問いかける。
杏子「あれ全部倒すのか?少々話が違うようだが」
さやか「あれは少々って話じゃないでしょ」
黒煙が上がっていたはずの工場地帯は黒い壁で覆われていた。いや、正確には黒い壁に見える程の数の使い魔で空を埋め尽くしていた。
マミ「数にして数万は居そうね」
杏子「さやか、何百何千じゃ足りねーぞ。目標、一人辺り一万って所だな」
さやか「うへー、でもやるしかないよね」
ほむら「多少の数のズレはあるけど、計画通り私とマミは空中の使い魔を、貴女達は地上の使い魔をお願いするわ」
杏子「良いけどよ、何処から何処までが地上の使い魔なんだ?奴等、大概が浮いてるぜ?」
ほむら「上の使い魔はこいつで蹴散らすわ」
盾の中から台座に設置された、人が持つにはでかすぎる銃が二丁ビルの屋上に設置された。
ほむら「年代物だけど、対空機関銃。これなら使い魔も怖じ気付いて地上に逃げ出すわ」
さやか「うわー。私達の出番あるのかな?」
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/02/28(金) 23:38:42 ID:4DM03fB6
マミ「魔力での強化終わったわよ!何千発撃っても、銃身が焼けて撃てなくなるって事は無くなるわ!」
二丁の対空機関銃はマミにより、ややファンシーな見た目にはなったが、弾が尽きるまで壊れることの無い最高の銃へと変貌した。
ほむら「流石よマミ!早速、使い魔を蹴散らしましょ」
引き金を引くと手がしびれる程の反動と共に、弾丸が次々と使い魔へと飛んでいく。
ほむら「曳光弾で弾の弾道が分かるけど、それは相手にも私達の居場所を教える事になるから、気を付けなさいよマミ!」
マミ「曳光弾なんて初めて知ったわ!弾道が赤く光ってなかなか綺麗ね!それに、この私が居場所を知られたからって、使い魔を逃がすと思ってるのかしら?」
赤い閃光が黒い壁に吸い込まれると同時に、空をも覆い尽くしていた使い魔達が動き始める。
さやか「うへぇ、壁が迫ってくる。あれ全部魔法少女並みの強さの使い魔なんだよね」
杏子「なーに、たかが使い魔だ。魔法少女と同じ強さだろうが木偶には変わりねーよ」
赤い閃光が迫り来る壁を崩すが、隙間から使い魔が漏れ出てくる。
杏子「さてと、あたしたちも行くとするか」
さやか「りょーかい!」
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/03/10(火) 03:16:23 ID:Slh0u/4o
ほむら「くっ、流石に抜けていくわね」
マミ「杏子達の方に誘導出来てるから大丈夫よ。それより、ワルプルギスが沈黙している方が、私的には気掛かりだわ」
過去に何度も戦ったときには高笑いを上げ暴れまわっていたワルプルギスの夜は、沈黙を貫きその場に不気味に浮かんでいるだけである。
ほむら「何を考えているか分からないけど、自ら動かなかったことを後悔させてやるわ」
上空の使い魔を迎撃している傍らで、遂に下の方にも使い魔の魔の手が伸びていた。
杏子「これで百体!木偶が本物の魔法少女に勝てる筈がねーだろ!」
使い魔の武器ごと槍で貫きその勢いで多節棍に槍を切り替え、両側から挟み撃ちを仕掛けた使い魔を一凪ぎで切り裂く。
さやか「どんなに数が多くても、絶対に私達は負けない!」
使い魔が振り下ろした大剣を片方の剣で受け流し、もう一方の剣で仕留める。
杏子「少しはやるようになったじゃねーかさやか!」
さやか「あんたとマミさんに前日までしごかれたからね!」
迫り来る使い魔を二人は次々と切り伏せる。上では機関銃で迎撃しうまく立ち回っていた。
このまま使い魔を処理し、ワルプルギスを倒せると誰もが思ったその時だった。笑い声が不気味に木霊し状況が一変した。
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/03/31(火) 04:02:41 ID:bc0dXVBw
さやか「ちょっと!あれヤバイんじゃない!?」
さやかの指差す方向には眩い輝きを放つ塊が幾つも出現していた。
杏子「なんだありゃ・・・一つ一つが桁違いの魔力じゃねえか!あんなの街に何発も撃たれたら、塵一つ残らねーぞ!」
さやか「そんな!なんか防ぐ方法無いの!?」
杏子「そんなの分からねーよ!使い魔と戦いながらじゃ、防ぐ以前に回避できるかも分からねーよ!とにかく、ほむら達と合流するぞ!」
心なしか動きが良くなった使い魔を処理しつつビルに向かっていると、塊の一つが更に発光し炎の様な閃光がほむら達の居るビルを襲った。
さやか「ほむら!!マミさん!!」
杏子「バカ!!余波が来るぞ!!」
ほむらとマミが居たビルから後ろは通り過ぎた閃光により瓦礫すら消し飛び、一瞬の間を置き近くのビルが衝撃波により爆発したかのように瓦礫やガラスの破片が飛び散り、敵味方関係なく襲い掛かる。
杏子「間に合え!!」
さやかの手を掴み足を魔力で強化して反対側のビルの中に避難し、瓦礫は回避出来たものの衝撃波でコンクリート壁に叩き付けられ、それでも勢いは収まらず遂には鉄筋コンクリートが耐えられなくなり、ビルが杏子達を残したまま倒壊したように思えた。
ほむら「大丈夫かしら?」
杏子「すまねえほむら。助かった」
さやか「いててて、あんなの反則だ!」
マミ「結界を張ったから時止めを解除しても大丈夫よ」
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/03/31(火) 04:44:50 ID:bc0dXVBw
瓦礫の山の片隅にリボンで出来た結界の中で魔法少女達は息を潜めていた。
杏子「なんなんだあの攻撃は。あんなの聞いてねーぞ」
ほむら「ごめんなさい。私の調査不足だったわ」
さやか「それより避難所は大丈夫なの!?皆は!?」
マミ「時止めで貴女達を探している時に確認したけど、軌道は逸れてたから倒壊してるとかは無いはず」
さやか「良かった・・・」
杏子「でもよ、避難所を標的にされた時、あたし達四人の結界でもあれは防ぎきれないぞ」
ほむら「一発だけなら気をそらせると思うわ。潜水艦のミサイルが一発残ってるから、それをワルプルギスに向けて撃てば、迎撃するために放つはずよ」
マミ「まって!こっちに向かって強い魔力が迫ってくる!時止めを!」
ほむら「分かった!」
瞬時に灰色の景色に移り変わり、リボンの結界から抜け出して様子を窺うと光線がこちらに向けて放たれている瞬間であった。
さやか「危なかったー。さっさとここから離れちゃおうよ」
マミ「そうね。今、放たれている塊を抜かしたら、残りの塊はあと3つね」
杏子「一発でもやべえのに、ほむらのミサイルの分を減らしても後二発なんて、確実に避難所がぶっ潰れちまうぞ」
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/05(日) 10:55:28 ID:gWp/VxeY
さてどうなる
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/21(火) 15:52:35 ID:H1gnsTSM
ほむら「とりあえず、私はワルプルギスにミサイルを撃ち込んでくるから、貴女達は残りの塊の処理方法を考えといて」
そう言うと同時にほむらはその場から姿を消す。
杏子「考えとけって、簡単にいってくれるぜ」
マミ「でも、あの光線を防ぎきれれば逆にチャンスかもしれないわ」
杏子「なんでチャンスなんだ?」
マミ「光線が放たれ終わった場所には、ぽっかり穴が空いたように使い魔が居なかったの。この事から推測するに、大量の使い魔の魔力を全てあの塊に変換して、あれだけの高出力を出してるんだと思うわ」
杏子「なる程な。使い魔の数を減らしたいこちら側としては、あれを防げばチャンスになるって事は分かったが、実際問題あれを防ぐ手立てはあるのか?」
マミ「それは・・・この中で一番強度が高い貴女の結界を、私のリボンで補強したとしても一発防げるかどうか」
杏子「覚悟決めるか・・・」
さやか「ねえ!私思い付いちゃったんだけど!」
絶望的な状況にまさかの人物から声が上がる。
さやか「ほむらの2番目の能力を使えばあの光線を止められるんじゃない!?」
杏子「バカか、あれは留めてるだけで解除すれば同じ力が・・・いや行けるぞ!ナイスださやか!」
マミ「確かに、避難所さえ守れれば良いものね。これなら皆を守れるわ!ありがとう美樹さん!」
さやか「えへへへ、そんなに褒められるとさやかちゃん照れちゃいますなー」
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/04/21(火) 16:52:35 ID:H1gnsTSM
三人が話し合ってる最中、肌で振動を感じれる程の轟音が鳴り響く。
杏子「うお!?一般人は魔女が見えないとはいえ、こんな盛大にやってたら絶対ただの嵐じゃないってバレるだろ」
マミ「それよりほむらさんは大丈夫かしら?」
ほむら「問題ないわ。それよりなんか作戦は練れたのかしら?」
杏子「おい!急に現れてビックリさせんなよ!」
マミ「ええ、中々の案を美樹さんが思い付いてくれたわ」
さやか「さやかちゃんはこのチームの頭脳だから、当然の結果でもあるけどね!」
ほむら「オムツとオツムは似てる言葉だけど、意味は全く違うわよ」
さやか「はえ?どゆこと?」
ほむら「何でもないわ」
マミ「なる程!頭脳=オツムじゃなくて、新人=赤ちゃん=オムツって言いたかったのね!はぁ、スッキリしたわー」
ほむら「やめて!ちょっとしたジョーダンを解説しないで!」
杏子「あははは!顔真っ赤じゃねーか!」
ほむら「それより!作戦は!」
マミ「そうね。時間もないし、移動しながら説明するわ」
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/07(木) 04:08:03 ID:4/UywgKc
ほむら「成る程ね。私の魔法で衝撃の軌道を変えるのね」
マミ「いけそうかしら?」
ほむら「今はただやるだけよ」
大半の建物は瓦礫と化し僅かに残る建物郡の中に人の居る避難所が視界に写る。
杏子「相手さんも気づいた様だぜ」
さやか「こっからは絶対に退けないね!」
避難所との丁度中間に四人の少女がまるで邪魔をするかの如く立ちはだかる。邪魔だ。
ほむら「こっから先は壊させない!」
壊したい。全てを。
さやか「うそ・・・二発同時に撃つつもり!?」
壊れろ。壊れろ。
マミ「やることは変わらないわ!」
杏子「こいよ!あいつらはやらせねー!」
壁・・・?邪魔・・・全部邪魔。
壊れろ。
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/05/07(木) 05:22:55 ID:4/UywgKc
眩い光は嵐の夜を照らし、遂には街を真昼の明るさにする程の発光をしていた。
ほむら「くる!」
ほむらの能力が施された結界に光線が衝突する。
ほむら達の見立て通り、光線は衝撃を結界に残し滞りなく塞き止められていく。しかし、光線により発生した突風が瓦礫を舞い上げ、無差別に、そして避難所にも降り注ぐ。
さやか「避難所は私が守るよ!」
足元に出現させた魔方陣を蹴り避難所に飛ぶ。
ほむら「頼むわよさやか」
杏子「あいつなら大丈夫さ。それよりも」
マミ「結界が押されてるわ。三人でも止めきれないなんて・・・」
ほむら「それだけ相手も本気なのよ。これさえ凌げば確実にワルプルギスを倒せる!」
杏子「そうだな」
杏子から魔力が膨れ上がったと同時に、結界を補強するように結界が追加されていく。
ほむら「杏子!」
杏子「なに、心配するな。ワルプルギスを倒す魔力は残してあるよ。それに、あたしが死ぬ前にこいつを使いきらないと、約束破ることになっちまうだろ?」
そう言ってソウルジェムに触れるように設置されたグリーフシードを撫でる。
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/06/19(金) 01:09:43 ID:QNfv9i1o
みとるで
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/06/28(日) 23:59:32 ID:m0YdrAhw
襲い狂う光線が遂に終わりをむかえる。
明るかった空が再び闇に覆われ、結界に溜め込まれた光線の力が衝撃波や突風となり避難所に当たらないように上手く分散されていく。
ほむら「遂にこの時が、貴女を倒す時が来たわね。ワルプルギスの夜」
ワルプルギスを守る使い魔は既に存在せず、嘲笑いも無くなりぶら下がるかの様に逆さまだった身体を起こしていた。
杏子「へっ!身体を起こしてよ。マジになったようだぜ」
マミ「それだけワルプルギスも後がないのよ」
さやか「っととー!たっだいまー!ワルプルギスはご機嫌斜めそうだねー」
ほむら「ご苦労様さやか。街一つ瓦礫の山にしといてまだご機嫌斜めなんて、本当にふてぶてしい魔女よね」
杏子「違いねえな」
四人揃った魔法少女達は最強の魔女を前にクスクスと笑う。
ほむら「それじゃあ、私の能力の射程圏内に入るまで、手筈通りに行くわよ」
マミ「了解よ」
杏子「遅れんなよなさやか」
さやか「杏子こそ。私のスピードにちゃんと付いてきなよー」
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/06/29(月) 00:39:30 ID:sHCM8.Cc
ほむら「行きましょう。これが最後の戦いよ!!」
杏子「行くぞさやか!」
さやか「おうよ杏子!」
近接の二人が勢い良く飛び出す。全身に魔力を惜し気もなく注ぎ込み、物凄いスピードで駆ける。
マミ「私達も急ぎましょ!」
ほむら「ええ、お願い」
ほむらは魔力節約の為マミにしがみつき、高層ビルの残骸等にマミがリボンを巻き付け、振り子運動の要領で器用に飛んでいく。
杏子「おっ!ついに仕掛けて来たぞ!」
魔法少女が近付くのをワルプルギスが当然許す筈もなく、無数の瓦礫を浮かべ杏子達に向かって雨のように降らせる。
さやか「おおっ!?凄い数だけどマミさんとの修行に比べたら、こんなの剣で防ぐまでもないね!」
石の大きさの瓦礫は身体を捻らせる程度の最低限の動きで避け、人を潰せるような瓦礫には魔方陣を上手く使い軌道を反らして切り抜ける。
杏子「なかなか様になってきたじゃねーか!」
さやか「とーぜん!魔法少女さやかちゃんの実力はまだまだこんなもんじゃないよー!」
杏子「あんまり調子に乗ってるとへまするぞー!」
244
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/06/29(月) 01:39:18 ID:NWBHhPQQ
さてどうなるかな?
245
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2020/07/07(火) 05:56:31 ID:45kl/Als
ほむら「向こうは大丈夫そうね」
マミ「二人が囮として頑張ってくれてるけど、流石にこの規模だと流れ弾が来るわね」
なるべく魔力を消費させたくないほむらを抱え移動するマミは、わずか数十センチのリボン数本だけで飛来する瓦礫を弾く。
ほむら「気をつけてマミ!ワルプルギスが損傷の少ないビルを投げてくる気よ!」
マミ「こっちの位置は悟られてない筈だけど・・・ビルを二つも用意してる辺り、大まかな位置の予測はされてそうね」
ワルプルギスは迷うことなくさやか達が居る方向と同時に、ほむら達の居る方向にもビルを飛ばしてきた。
ほむら「マミ!時を止めるわよ!」
過去幾度かビルを投げつけられ苦渋を飲まされたほむらだからこそわかる事。それは、魔法少女は魔力の込もってない無機物による攻撃、それも圧倒的な質量の攻撃に弱いと言う事実。
マミ「止めなくても大丈夫よ。私に任せて」
ほむら「私達魔法少女だって、数千トン以上もあるビルを止めることは不可能よ!」
マミ「確かにこの後に何もないならいざ知らず、ワルプルギスをこの後に相手しなければ行けないものね。だからこそ、ここはベテランである私に身を任せてほしいの」
マミはしっかりとほむらを抱きしめ、避けるのでもなく敢えて降ってくるビルに向かって跳ぶ。
ほむら「うぅ・・・任せるわよマミ!」
マミは一直線にビルの一角にあるエレベーターが設置されてたであろう縦穴に入り、壁を蹴りながらたった一発天井に向けて小型マスケット銃を撃ち、ヒビだらけの天井に穴を開けビルから難なく脱出を果たす。
ほむら(凄い!やっぱり純粋な技術ではマミには敵わないわね)
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