レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
モバP「雪美さんといっしょ」
-
このスレは膝神様に監視されています
あと、割となんでもありです
-
275
モバP「やぁ、雪美」
雪美「! ……P……美玲……みたい……」
モバP「はっはっはっ、オシャレ眼帯だ。どうだ良いだろう?」
雪美「……」ポーッ
モバP「雪美も着けてみるか? こういう時の為にいくつか数があるぞ」
雪美「……」コク
モバP「では俺がクラブ柄だから、雪美はダイヤにしとく?」
雪美「……」コク
少女装着中……
雪美「……」キラキラ
モバP「ん、よく似合うぞー。ではせっかくだから仲間集めに行くか」
雪美「……仲間……?」
-
モバP「眼帯はあと二種類ある。スペードとハートだ。これの持ち主に値する子を探しに北へ!」
雪美「……いざゆかん」
ちひろ「……何か、着けたらビジュアルが大人びて剣士になりそうですね」
モバP「十兵衛ちゃんみたいな成長変身ヒロインは男子の性癖を少なからず歪めそうですが」
モバP「雪美さんが大人化する眼帯なんてあればごはん三杯は食べられてお話が一本書けますよ」
雪美「……晶葉なら……作れそう……こなみかん……」
ちひろ「いやあなた小学生ですから」
モバP「ところで、眼帯ですが」
雪美「……ちひろさんも……着ける……?」
ちひろ「いえ、遠慮しておきますよ」
ちひろ「というかプロデューサーさんが眼帯をしているとオシャレというかものもらいに見えます」
モバP「私だって中二病でオシャレしたいんです!」
雪美「……Pは……大人だから……ね」
-
ちひろ「それはそうと、トランプの柄って職業を現しているとも言いますね」
モバP「ダイヤが商人、クラブは農民、スペードは騎士、ハートは僧侶――でしたっけ」
雪美「私は……商人……?」
モバP「俺は農民か。でも、勇者パーティの職業でなりたいものを考えるのも良いものですな」
雪美「……武道家」
モバP「あの中華風コスチュームが雪美に……ぐはっ!」
雪美「……戦士」
モバP「あのビキニアーマーが雪美に……ぐはっ!」
雪美「……遊び人」
モバP「あのバニースーツが雪美に……ぐはっ!」
雪美「……賢者」
モバP「あのさとりのワンピースが雪美に……ぐはっ!」
雪美「……P……しっかりー……」 チーン
ちひろ「パリピですねえ」
-
276
ちひろ「プロデューサーさんはこの前、やけにプレゼントを貰っていましたけど誕生日か何かだったんですか?」
モバP「自分は可変誕生日なんで違います」
ちひろ「可変? 2月29日生まれ的なやつですか」
モバP「四年に一回しか歳を取らないって良いですよね」
ちひろ「そんなことある訳ないでしょう。で、何があったんですか?」
モバP「父の日ですね」
ちひろ「え」
モバP「事務所の中で紅一点ならぬ黒一点的な存在だからか、父性を感じてしまうアイドルも多いようで」
ちひろ「……プロデューサーさんに父性か……ぷぷ……あっ、笑っちゃいけませんね」
モバP「いえ、割と自分でも意外ですよ。マネージャー的な役割で慕われやすいのもあるんですかね?」
ちひろ「さあ、どうでしょうね……雪美ちゃんからも何か貰ったんですか?」
モバP「はい、下着を頂きました」 シタギ!?
雪美「……サイズ……合ってた……?」
-
277
モバP「雪美さんって箱入り娘というか、親御さんから大切に育てられているんだなと見て取れる」
雪美「……うん。……パパと……ママ……やさしい……」
雪美「今は……少し……忙しい……だけ」
モバP「なるべく寂しくはさせないよ」
雪美「……ありがとう……Pに……心……通じてる……」
モバP「でも、良い所のお嬢様なんかは正直、どう接したものかと思うことがある」
モバP「例えば、NHKしか見たことがない、なんて純粋培養な子が来たら話が合うのか心配だ」
雪美「……NHKも……楽しい……」
モバP「確かに教養・ドキュメンタリー系の番組をぼんやり見るのは何か満たされますが」
雪美「……大丈夫……こまったときは……いっしょ……。二人で……悩もう……」
モバP「そうだな。二人で……ん?」 ポスン
雪美「ここなら……もっと深く……分かり合える……ね」ニコ
ちひろ「三人寄れば文殊の知恵、私も混ぜてくださいよ〜」
-
今日はここまで
ここまでが今日
-
小学生の頃は長い髪の同級生の女子が鉄棒してるのを見るのが好きでした(隙あらば自分語り)
NHKだとチコちゃん、ブラタモリ、ダーウィンが来た、家族に乾杯、世界ネコ歩きが好き(隙自語)
-
278
モバP「小腹が空いたのでチーズトーストでも食べよう」
雪美「……うん」
ジリリリリリ チーン
モバP「焼けたのでいただきます」
雪美「……いただきます」
ハムッ
ミョーン
モバP「チーズが伸びるなあ」
雪美「……ん。……P……食べずに……私を見て……どこか、変……?」
モバP「いや、食べるのも好きだけど人の食べっぷりを眺めるのも好きなだけさ」
雪美「あまり……見られると……食べづらい……」
モバP「おうすまない。じゃあ俺も食べるとするか」
ちひろ「ナチュラルに朝食も一緒とはプロセスどこ行った……チーズだけに」
-
279
モバP「競泳水着の奈緒、ブルマの美玲……こういう仕事をやっていると常々思いますが」
モバP「頭沸騰しそうです」
ちひろ「許容量オーバーしている感じですか? 私がコスプレしても平気そうなのに」
モバP「大人がそういう格好をするのは切り離して見ることができますからね」
モバP「瑞樹さんの水着マフラーも至って冷静にグッドを出しました。しかし高校生以下は何かいけないことをしているような」
ちひろ「良心の呵責がありますか。意外と常識的な所もありますねプロデューサーさん」
ちひろ「冗談で露出を促すようなことは言うのにいざ脱がれると臆しちゃうなんて」
雪美「……」キラキラ
ちひろ「ただ、薄着の雪美ちゃん抱えながら言われても説得力が吹き飛ぶんですよねえ」
モバP「……自制心と耐性をつけるべく修行中です。雪美の誘惑に打ち勝つんだ!」
雪美「……というか……いっしょに……いたいだけ……」
ちひろ「常識と非常識、いや真面目と不真面目が同居してますね」
-
280
雪美「昨日は……仁奈と……お泊まり……した……」
仁奈「楽しかったでごぜーます!」
モバP「おお、良かったじゃないか。道理で今日は二人の距離が近いと思ったよ」
仁奈「えへへ……みんなと過ごすのも良いですけど、二人きりも新鮮でやがります!」
雪美「今度は……三人で……」キラキラ
モバP「考えておくよ」
ちひろ「考えておくな」
仁奈「そして雪美ちゃんに分身の仕方を教えてもらったので、これでひとりでもさびしくねーです!」
モバP「あれは教えられるものだったのか」
仁奈「でも、もし分身を愛してしまったらどうなるのでやがりましょうか?」
ちひろ「ナルキッソスかな?」
モバP「可視化できるようになったとはいえ自分は自分だ。それを他人のように隔てて依存すると分身が可哀想だぞ」
仁奈「自分は自分、ですか……」
-
モバP「まあ自分の世界にこもるようではいけないが、セルフトークはメンタルトレーニングとも捉えられる」
モバP「自分を好きになる、自己肯定は過ぎなければ悪いことではないと思う」
仁奈「やっぱり自分だけじゃ生きていけねーんですね。Pやみんながいて良かったですよ」
雪美「Pは……いいお兄ちゃん……」
モバP「お兄ちゃん気取るにはちょっと歳が離れているがな」
仁奈「アニキと呼ばせてくだせー!」
モバP「うむ、良かろう」
ちひろ「良いのかい」
モバP「そういや自分が小さい時には近所によく遊んでくれる兄ちゃんがいたな」
ちひろ「男女で少し感じ方も変わるでしょうけど、そういうのは良いですね」
モバP「自分には兄も従兄もいなかったから、身近な兄貴分を知る良い機会になった」
仁奈「仁奈は昨日、雪美ちゃんがお姉ちゃんみたいに感じましたですよ!」
雪美「……仁奈ったら……ふふっ」
ちひろ「人間、無いものを求めてしまうものですね」
-
281
ちひろ「”MISSION”惰眠を貪るプロデューサーさんを起動せよ」
雪美「……らじゃー」(゜-゜)ゞ
トコトコ ガチャッ
雪美「P……まだねてる……?」
モバP「……」スヤスヤ
雪美「……起きて」ユサユサ
モバP「……」スヤスヤ
雪美「……P……どうすれば……。…………あっ……!」ピコーン
雪美「……分身のじゅちゅ!」 アッカンダ
ボンッ!
雪美×7「……起きないなら……こうする……! とつげきー」 ワアアアー!
雪美雪美雪美
雪美モバP雪美 ドン!
雪美雪美
ちひろ「スズメバチを撃退するミツバチかな?」
-
282
ナターリア「ムウ、Que lastima……今日はエレベーター、使えないみたいダ」
モバP「点検中だな。安全の為だ仕方ない、階段で行くか」
ライラ「ライラさんは階段を使う人、頑張り屋さんだと思いますですよー」
モバP「ライラに頑張り屋さんと褒めてもらえるなら喜んで階段使うよ」
ナターリア「じゃあワタシたちモ、がんばってPについてくゾ!」
モバP「でも超高層ビルなんかはエレベーターが使えないと大変な苦労だろうな」
ライラ「ブルジュ・ハリファのエレベーターが止まったら大変でございますですよ」
モバP「見てきたかのような口ぶりだが、そこは敢えて突っ込まないでおこう」
モバP「だが、160階建てビルを階段で登ろうとか気が遠くなるのは間違いない」
ナターリア「上に取り残されても大変だナ! スライダーでもあれば良いケド!」
モバP「高さ828mの滑り台ってどんな絶叫アトラクションより怖いわ。お尻も痛いじゃ済まない」
ライラ「この前、大きな公園で初体験したローラースライダーもお尻が痛くなりましたですねー」
モバP「貴重なシーンを見逃した気がする」
-
ナターリア「ウォータースライダーならオシリも痛くならないのにナ!」
モバP「これからの季節、良いですな。人間流し素麺のように無心になって流されて」
ライラ「一人よりはボートでみんなで流れるのが好きかもしれませんですねー」
ナターリア「いいナ! ヨシ、やりたいことリストに付け加えておくゾ!」
モバP「仕事以外でナターリアとライラを連れてプールに行ったら嫌でも目立ちそうだ」
モバP「話はエレベーターに戻るが、じゃあもし俺たちがエレベーターに閉じ込められたら?」
ライラ「それは助けを待ちますですよ」
ナターリア「助けがいつ来るカ、分からないとこわいナ」
モバP「あの空間で何時間も、となるとな」
ナターリア「こわいからPに元気をもらうんダ!」ギュッ
モバP「ナターリアと極限状態に置かれたら一線超えてしまいそうだ」
ライラ「ライラさんもー」ギュッ
モバP「そんな形でライラと一線超えたら後で罪悪感で鬱になりそうだ」
-
モバP「……しかしこの346プロは広いな」
ナターリア「何でもアル! アイビキ部屋だってネ!」
ライラ「あらびき部屋? とは何でございますですか? ソーセージが食べられるのですか?」
ナターリア「……///」
モバP「ナターリア、耳年増でもそれで変なものを連想したらいかんぞ」
ライラ「???」
モバP「後でバナナアイスパフェを食べに連れて行ってあげるから、この話はやめよう」
ナターリア「エ? いいのカ? ワーイ!」コロッ
ライラ「豪華なアイス……! プロデューサー殿は太っ腹でございますですねー」キラキラ
モバP「よし、じゃあ行きますか……って……うん?」 シュコー
雪美「……」トコトコ
ライラ「……作業服のユキミさんが、点検中のエレベーターから出てきましたねー」
モバP「雪美さんは神出鬼没だなあ」
-
283
モバP「夢を打ち砕くような話を敢えてするのならば」
モバP「みんなの願いは同時には叶わないように世の中は出来ているのだと思う」
モバP「調和、バランスというものがあるからな」
モバP「極端な話が、Aが不老不死になりたいと願い、BがAに死んでほしいと願う」
モバP「一方の願いを叶えれば一方の願いが反故になる」
飛鳥「……ジレンマに塗れたセカイ、か」
飛鳥「それでもボクは、進める処まで進みたい。その先が袋小路だったとしても……」
グウウウウゥゥウ
「「「……」」」
雪美「……今のは……P……」
モバP「……すまん、俺はどうやらハラペコのようだ」
飛鳥「……フフッ。そんなに自己主張されちゃ、続きは後日にお預けだね」
ちひろ「今すごい腹時計が聞こえたなあ」
-
284
モバP「雨の季節は手持ちがかさばるな。徒歩なら傘が要るし、自転車に乗るならレインコートが要る」
雪美「……ながぐつ……も」
モバP「長靴か……歳を重ねるに連れ、全然履くことがなくなったな」
雪美「Pが……魚屋さん……とかなら……」
モバP「それなら履くかもな。ただサラリーマン的な仕事では使わないし」
モバP「プライベートでも女性ならブーツの感覚で履けるかもしれないが、男はねえ」
雪美「……そういう……もの……?」
モバP「ちなみに先日のキッズモデルの仕事で洒落乙なレインコートと長靴を着ていた雪美さんは素晴らしかった」
雪美「……本当……?」
モバP「ああ。ただレインコートは着ても外出先で結局脱ぐことになるのが勿体無いな。濡れているから置き場にも困るし」
雪美「うん……。……それは……ある」
ちひろ「何よりこの時期レインコートを服の上に着て自転車移動って結構暑いんですよね」
モバP「レインコートの下に下着だけって訳にはいかんですものね」 ソレハヘンタイデスネ
-
285
モバP「……」イイコイイコ
雪美「……♪」ムフー
ちひろ「おや、また雪美ちゃんを撫でてあげているんですね」
モバP「気持ち良さそうにしているでしょう? 雪美鳥は警戒心が強い分、慣れるとよく懐くのが特徴です」
ちひろ「何を仰っていますやら」
ちひろ「……雪美ちゃんはそんなに撫でられるの、好き?」
雪美「……うん……やさしい、手……。……それに……大きくて……形も……」
ちひろ「まさかの手フェチ!? まあ分からなくもないですね……この血管の浮き方やゴツゴツとした甲が」スッ
モバP「ちひろさんも男の手には一家言ありますねえ」
雪美「指を絡めて……手をつなぐと……ドキドキ……する……。ちひろさんも……やる……?」
ちひろ「やりませんよ。でも、良い手ですね」
モバP「ちひろ様はこの手を好きだと言うてくれる、働き者のきれいな手だと言うてくれましたわい」
ちひろ「そこまでは言ってません」
-
今日はここまで
野郎ども引き上げだ
-
乙
アイエエエ!?点検中のエレベーターから作業服の雪美が出てくるのナンデ!?
-
286
ガタンゴトン ガタンゴトン
雪美「……」スヤスヤ
モバP「俺にもたれかかり、眠る雪美さん」
モバP「ここは海辺の単線を走るローカル線」
モバP「座席はロングシート型で通路が広いが、二両編成で乗客はほとんどいない」
雪美「……」スヤスヤ
モバP「……静かだ」
雪美「…………ん……? ……P……?」
モバP「お、瞼が少しは軽くなったかい?」
雪美「……私を……置いて……行かないで……」ギュッ
モバP「安心おし。行き先が例え沼の底駅でもお前さんを一人にはしないさ」ナデナデ
モバP「しかし、海原電鉄を思い出すくらいだ。何かとても遠くへと行く感じがするね」
天の声ちひろ「プロデューサーさんがちょうどカオナシのポジションですね」
-
287
モバP(雪美さんは肝が据わっている、いや、場数を踏んで据わってきたと言えようか)
雪美「……」
モバP(だが今日は規模の大きな会場で、重要なイベント。さすがに気圧されているか……?)
雪美「……」
モバP(自分の弱みをあまり周りには見せたがらない所はあるので、一見はそんな雰囲気も出さない)
雪美「……」
モバP(集中力を高めているのかもしれないし、緊張を解そうと話しかけては却って良くないか)
雪美「……」ジーッ
モバP(でもこの子、目の前で俺のことを観察しているんだよなあ)
雪美「……Pと……私は……鏡……。Pが……不安だと……私も……不安……」
モバP「! ……心配させてごめんな。俺が思い詰めた顔をしていたらダメだな」
雪美「……うん……いい顔……」ニコ
-
288
モバP「アイドルは恋愛禁止なんて昔から言いますが」
雪美「……」チョコン
ちひろ「………………そうですね」
モバP「その長い間は何ですか」
ちひろ「別に」
モバP「気を取り直して、ここって自分以外は基本男っ気がないじゃないですか」
雪美「……P……ハーレム……だね……」
モバP「どこでそんな言葉を覚えたんだ……それでみんな異性と接点を持つのはなかなか大変だろうなと」
ちひろ「出会いは無いですね。もっとも同性で話は結構合いますから良いですけど」
モバP「そこです。自分だけは逆に異性としか接点がないんです。男子トークが出来る人がいないんです」
モバP「同性同僚の親友ポジション的な人が欲しいです」
ちひろ「いろいろと諦めてください」
モバP「(´・ω・`)」
-
ちひろ「私が思うに、プロデューサーさんが仮に315プロの人だったら、もっと周りに女子が欲しいとか言ってますよ」
モバP「……言いそう」
ちひろ「ヒトとは無い物ほど欲しくなり、美味しい物に恵まれてもそればかり食べていると飽きてしまう因果な生き物です」
モバP「で、水嶋咲ちゃんに癒しを求めたりしてしまう訳ですか」
雪美「……満更でも……なさそう……」
モバP「でもこの仕事に就いてから普段周りは女の子ばかりで、自分まで女子に染まりつつある感じがするんです」
ちひろ「あまり変に拗らせてプロデューサーさんがオネエみたいになってしまったら困りますねえ」
雪美「大丈夫……、Pは……頼もしい……男性……」
雪美「それに……他の男性が、入ると……たぶん……嫉妬する……」
ちひろ「あらあら」
モバP「妹や弟が生まれて構ってもらえなくなったお兄ちゃんじゃあるまいし……まあ嫉妬はするが」
ちひろ「するのかよ」
ちひろ「……プロデューサーさんって実は独占欲強くてめんどくさい系?」 ギクッ
-
289
モバP「多くの音を聞きながら過ごしていると、時に静けさが恋しくなる」
モバP「車の走る音、工事の音、民放番組のBGM、賑やかな人々の会話……それらから離れて、例えば丘の上」
雪美「……」
モバP「雪美と二人で、その声と息遣いまでよく聞こえる場所で、座って景色を眺める」
雪美「……」
モバP「……いいねぇ」
雪美「……少しは……賑やかな方が……楽しいのも……ある」
モバP「それもそうか」コロッ
雪美「でも……Pと……二人きりも……好き……」
モバP「せやろせやろ」コロッ
モバP「まあ、何しに来たかと言うと写真集の撮影なんですがね。そろそろ次行こうか」
雪美「……うん」
-
――
雪美「……たくさん……階段……上ったね……」
モバP「そうだな」
ソヨソヨ
雪美「ん……涼しい……」
モバP「そびえ立つ、ではオーバーかもしれないが見上げるほどの階段の先にある、木造のお堂」
モバP「高い木々に周りを囲まれて鬱蒼としてさえある場所にポツンと目立たずに在る」
モバP「過去、確か幼稚園の頃に似たような場所に遠足に行った記憶があるが、ここ自体は来たことのない場所だ」
モバP「にも関わらず、懐かしさを感じるな」
雪美「……ふしぎ」
モバP「雪美はこういうロケーションにも綺麗に溶け込むなあ」
モバP「さあ、良い写真を撮ろうか」
雪美「……うん」
事務所のちひろ「スタッフ無しの個人撮影とかこれもうデートでしょ」
-
290
プクプクプク
モバP「……」
ツン
モバP「?」
七海「よっ」
モバP「おう七海か。今日もマーメイドのような瑞々しさだな」
七海「七海はいつも新鮮ピチピチれすよ〜。こんな所で何をやってるんれすか?」
モバP「たまたま入った店にアクアリウムがあったものだからつい眺めていました」
七海「そうれすかそうれすか〜、プロデューサーも分かってきましたね〜♪」
七海「水槽を見ていると癒されるんれすよね〜。そこに小さな世界があります」
モバP「水族館のスケールと比べると小さいが、こだわりが出るよな」
七海「オブジェの配置一つにもセンスが……いえ、主役はお魚れすけど!」
-
――
ゴクゴク
モバP「ふう……暑い日差しが照りつける夏は、涼しい所でアイスコーヒーを一杯」
モバP「たまらんですな」
七海「プロデューサーはコーヒー豆を買いに来ていたんれすね〜」
モバP「ああ。志保にコーヒーミルを貰ったから最近は家でも淹れるんだ」
モバP「コーヒー豆のレーダーチャートは見ていて飽きない。……これ見る? チラシだが」ハイ
七海「ふんふむ……イラストや図にすると分かりやすいれすね。で、プロデューサーの好みは?」
モバP「酸味のあるモカが好きだな。まあいろいろ飲み比べてフードペアリングを考えるのも楽しい」
七海「すっかり影響されていますね〜。……プロデューサー、海釣りに興味は?」
モバP「今の所は……しかし七海は髪のボリュームがすごくて目立つな。見惚れちまうぜ」
七海「羨ましいれすか? ウェーブしていてしかも長いれすからね〜、えへ♪」
七海「って、魚じゃなくて七海を釣る気れすかっ!?」
雪美「……Pに釣られた……アイドル……数知れず……」
-
291
モバP「食堂で食べるカレーライスと納豆は何故あんなに美味しいのだろうか」
ちひろ「どこの食堂ですか」
モバP「一般開放されている近くの社員食堂ですね。しかも安い」
ちひろ「プロデューサーさんはどこにでも出没するんですね」
モバP「想像してみてください。シンプルな内装に折り畳みテーブルとイス」
ちひろ「はい」
モバP「具がゴロゴロとしていないサラッとしたカレーライスに鮮やかな赤い福神漬け、コップの水」
ちひろ「(赤い福神漬けは着色料的にどうなのかな)はい」
モバP「陶器の小鉢に控えめに盛ってある納豆に、刻みネギ」
ちひろ「(今時の社食って納豆を器で出すんですかね?)はい」
モバP「いやあ、侘び寂びの風情がありますね。でも家で食べるより何故か美味しいんです」
ちひろ「そもそも食堂に行くなら定食とか食べましょうよ」
雪美「……学校の、給食のカレーも……とてもおいしい……」
-
292
雪美「……」ジーッ
モバP「雪美さんに対面で膝の上に座られていると不覚にも鼓動が高まりますね」
雪美「……」スッ
サワサワ
モバP「んふっ……」
ちひろ「!」
モバP「あぁっ……何か、変な、感じがする、から……そこは、やめっ」
ちひろ「雪美ちゃん、プロデューサーさんの一体どこを触っているんですか?」
雪美「……のどぼとけ……大人の……男性にだけ……ある……ふしぎ……」サワサワ
モバP「ああぁぁぁ」
ちひろ「私がもし男性ならそこ(喉仏)はあまり触られたくないと思いますよ?」
雪美「……本当……? P……」
モバP「……いや、意外と気持ち良いですこれ」 エェ…
-
今日はここまで
今日はCoCoカレー
-
乙
アイマス系の世界のPはアイドルを一本釣り(スカウト)するのが仕事だからね仕方ないね
-
293
モバP「七夕も無事に終わったな。イベントというのは来るまでは今か今かだが過ぎればあっという間だ」
雪美「……うん……。……織姫と……彦星が……一年に一日だけ……会える日……」
雪美「……今年は……会えた……?」
モバP「会えたことだろうよ。年一ルールなのに中止ありとかやってられん。俺なら天女連盟に異議を申し立てる」
雪美「ふふ……。一年も……会えないと……話したいこと……いっぱい、あるはず……」
モバP「ああ。俺なんて雪美と一日会わないだけでも話したいネタがどんどん湧いてしまうのに」
雪美「それに……二人……黙って、繋がっているだけでも……幸せ……」
ちひろ「しかし障害は恋する二人の思いを熱くすれば良いですけど、逆に冷ましてしまうかもしれません」
モバP「遠距離恋愛で自然消滅はきつい……お互いに吹っ切れるなら良いんでしょうが」
モバP「願い事を書いた短冊を吊るした笹の葉も七夕過ぎれば撤去ですから、この世は無常でもありますね」
雪美「……使った笹の葉は……どこに行く……?」
モバP「公園に持ち寄って供養するように焼くんだろうか?」
ちひろ「どんど焼きのしめ縄じゃないんですから」
-
294
雪美「……」
ムニムニ
ペタペタ
モバP「雪美さん、俺の顔に何か好奇心をそそられるような発見でも?」
雪美「P……おひげ……ない……」
モバP「ああ、しっかり剃ってケアしているからな。ご要望であればオシャレに髭を蓄えてみるが」
ちひろ「貫禄は出そうですよね」
雪美「……いい。……このままで……気持ちいい……から」
サワサワ
雪美「……♪」
モバP「最近他の子も何かこの顎を頻りに撫でてくるが、別に御利益なんて無いんだぞ?」
ちひろ「ビリケンさんの足の裏みたいな扱いですかね」
-
295
モバP「麦わら帽子に白いワンピースの女の子と言えば何をイメージしますか?」
ちひろ「夏の田舎の田園風景ですね。気が付けばこう刷り込まれていました」
モバP「ほぼ同じです。理想の美少女の一つの形なんでしょうかね」
モバP「さて、今日はそんな格好を雪美さんにしてもらいました!」
雪美「……どう……?」キラキラ
ちひろ「あらかわいい」
モバP「パーフェクトだ、ウォルター。よく似合ってるな。つまり雪美は理想の美少女。Q.E.D.」
雪美「……///」クイッ
モバP「麦わら帽子のつばで顔を隠そうとする恥じらいが初々しい」
ちひろ「ちなみにこれはどこで」
モバP「ワンピースは今日の仕事に使った衣装を借りてきました。麦わら帽子は……ホームセンターで購入」
モバP「という訳で帽子の方は雪美にそのままプレゼントだ。日差しが強い時に被ると良い」
雪美「……ありがとう……。大事に……する……」
-
ちひろ「何故にホームセンター」
モバP「ちょっと工作用に板を探しに行ったところ、見かけてティンときたものですからね」
モバP「この帽子は何か他とは違う。雪美にぴったり合うんじゃないか? と」
ちひろ「その発想力を別の方面に活かせないものですか?」
雪美「Pは……自由人……だね……」
モバP「せやで。で、ワンピースはミニ丈の物もあったのですが、このゆったりした長さのを選びました」
モバP「肌の露出控えめなイメージの雪美が薄めの白ワンピにノースリーブでミニスカートだとオーバーキルですからね」
ちひろ「プロデューサーさんのHP、頻繁にマイナスになってませんかね?」
雪美「……Pは……自由人で……むっつり……」
モバP「はい、むっつりはん」のヮの
ちひろ「その顔やめい」
雪美「……ちょっと……たくしあげて……みる……」ソーッ
モバP「雪美さんが魔性の女に……でも感じちゃう」 カンジルナ
-
296
モバP「……」
こずえ「……」チョコン
ちひろ「ありそうであまりない膝ペアですね」
モバP「そんなことはないでしょう? 本日は雪美さんはオフでいませんからね」
ちひろ「プロデューサーさんの膝占有率は雪美ちゃん八割で他二割という印象ですよ」
こずえ「こずえ、あんず、になもー……よくのるよー?」
ちひろ「サイズが小さい子ばかりですねえ」
モバP「大きい子は恥ずかしがると言いますか、作業中とかは邪魔になるから遠慮する感じですね」
ちひろ「頭で視界が遮られたら仕事は出来ませんしね」
モバP「我々大人の懐に収まる子なんて、普通は幼稚園児くらいまでです」
こずえ「ぷろでゅーさー、おっきいからねえー」
モバP「膝の上と言いつつ股の間に座らせるならもう少し身長あっても大丈夫ですね」
ちひろ「アイドルの子を乗せない、という選択肢はそもそも無いのか」
-
こずえ「ぷろでゅーさー……もっと、ぎゅーってしてー……しろー」
モバP「はいよ」ギューッ
こずえ「ふわぁ……」
ちひろ「うわぁ……」
ちひろ「……雪美ちゃんと抱き心地はやっぱり違うものですか?」
モバP「はい。感触とか匂いとかで目を閉じていても誰だか分かりますよ」
ちひろ「ある意味ソムリエですね。ワインとかと違って利用方法が無さそうですけど」
こずえ「……こずえもぷろでゅーさーに……ていすてぃんぐされるのー?」
モバP「何かやらしい」
ちひろ「こずえちゃんをテイスティングなんてとんだ変態ソムリエもあったものです」
こずえ「ぷろでゅーさーなら……なにしても……いいよー?」
モバP「そーかい。そんな天然で際どいことを言う子はこうしたるわー」ワシャワシャ
こずえ「えへへー……」
-
ちひろ「雪美ちゃんも最近は垢抜けてきましたけど、こずえちゃんは結構アプローチが大胆ですよね」
こずえ「そうかなー?」
モバP「あざとい。でも憎めない。目に入れても痛くない」
ちひろ「そういえば紅葉温泉の時、浴衣が少し着崩れ、というかはだけたのが映っていましたね」
モバP「あれは後で直してあげたんですが、何故か直す前のが使われていましたねえ」
ちひろ「プロデューサーさんが直したんですか?」
モバP「はい。普段から服を着せてとか言われますし、その時はスタイリストになりきります」
こずえ「いつもありがとうー……えらいぞー」
モバP「わーい、こずえは優しいなあ」
ちひろ「……」
ちひろ「……ところでプロデューサーさんって雪美ちゃん以外にはさん付け混ぜたりしませんよね」
雪美(そこは……私の……絶対特権……)
ちひろ「何かテレパシーが飛んできたなあ」
-
297
柚「Pサンって巴チャンと相性良いよね?」
モバP「良き友人とは思っているが、どうしてそう思うんだい?」
柚「だっていちごパスタをうめーうめーって食べるでしょー?」
モバP「ああ。……そのくらいで相性良かったら人類皆家族だよ。ワッハッハ」
モバP「いや、癖はあるかもしれないが常識に囚われなければ美味しいと思うよ」
柚「いつか髪がイチゴ色になりそうだよね」
モバP「オラのPちゃんが不良になっちまっただ! って親から言われそうだ」
柚「Pサンのお母さまはチチだったのかあ……ってそんな訳あるかいっ!」
モバP「でも、家族は顔が似るっていうのが食べ物によるそれだとしたらさ」
モバP「例えば俺が柚と同じものをずっと食べていたら、俺の髪が柚みたいな色になっていく可能性も……?」
柚「……もしそうなったら、髪型もおそろでいきたいねっ♪」
モバP「男のぱっつんはちょっと憧れるが、平子真子みたいにそれなりに美形でないとなあ」
雪美「……Pは……きれい系よりは……かわいい系……」 エッ
-
298
モバP「今年は梅雨入りも明けも遅いですね。雪美さんの髪も湿気でやや跳ねてます」
雪美「……」チョコン
ちひろ「それでも膝の上には乗るんですね」
ちひろ「梅雨は、偏西風が蛇行しているせいで季節進行が遅いんでしょうかね? 知りませんけど」
モバP「梅雨の花と言えば紫陽花。しようか、と書いてアジサイです」
モバP「雪美……しようか」
雪美「……うん。……して……」
ちひろ「何をおっぱじめるんですかね」
モバP「男女が密着してすることと言えば決まっているでしょう」
モバP「髪を梳かすんですよ」
ちひろ「あっはい」
-
モバP「今日の雪美には、そうだなあ……三番櫛を使おうか」
ちひろ「ここは3番アイアンで打とうかみたいに言うんですね」
モバP「髪は繊細ですからね。状況・状態に合わせて歯数やヘアブラシを使い分けています」
――
サラサラ
雪美「……♪」
ちひろ「気持ち良さそう」
モバP「凛に聞きましたが、紫陽花の花言葉は”家族の結びつき”や”移り気”とかあるそうで」
モバP「色によっても変わるらしいですが、とにかく良くも悪くも様々です」
ちひろ「プロデューサーさんは変な所で知識が豊富ですね」
モバP「アイドルに教えてもらうことはいろいろとありますが、頭に残りやすいものとそうでないものはあります」
モバP「紫陽花は、ポガティブな曲を聴くのと似ているかもしれません。何か好きなんですよね」
雪美「……私も……好き……」
-
299
モバP「エレベーターで異世界に行く方法なるものがあるらしいな」
小梅「そういうのはね……それに興味を持った時点で、引き込まれやすくなるんだよ……」
モバP「やだこわい」
モバP「まあ一人でエレベーターで遊ぶなんていい大人失格なので、やりませんがね」
小梅「今、私たち……三人だから、ね……」
モバP「もう一人はどの辺にいるのかな?」
小梅「ここ、だよ」
モバP「あ、どうも。こんちゃっす」
小梅「……ふふ……こんにちは、だって」
モバP「でもこういう狭い空間で下を押しているのにどんどん上がっていったり、行けない階に行ってしまうのは怖い」
小梅「う、後ろの張り紙が、書き変わっていたり……三階までしかないのに、四階に行ったり……?」
モバP「ライトを消すだけの高時給な宿直かな?」
-
チーン ゴカイデス プシュー
雪美「……」テクテク
モバP「お、雪美が乗ってきたな」
小梅「……?」
シュー ガタン
モバP「さあ、このまま一階まで止まらずに行けるかどうか……って、あれ? 何か上昇し始めてない?」
小梅「惨劇の、予感……」ドキドキ
チーン &%$カイデス プシュー
モバP「……!!」 …ン?
モバP「これは……丸くて青い、地球……なんてことだこれは軌道エレベーターだったのか!」
晶葉『あー、すまない。雪美だけだと思って誤ってM8階への停止許可を出してしまった』
モバP「晶葉か? これ……マルチディスプレイか」
晶葉『そうだ。そこはちょうど良い空間があるので私の実験に使わせてもらっている』
雪美「……私も……お手伝い……してる……」
-
300
モバP「最近ズボンを履き忘れる夢をよく見るんですよ」
雪美「……夢じゃなくても……ある……?」
モバP「そこまでうっかりはしない。昔草履で小学校まで行って気づいたことはある」
ちひろ「いや充分うっかりでしょうそれ」
モバP「で、その道の専門家にお尋ねしたところ」
朋『自分を見失っているんじゃないの?』
モバP「と言われました」
ちひろ「朋ちゃんは夢占いの専門家だったのか……」
雪美「服……着てなかったら……すぐに……気づく……」
モバP「やっぱりそんなもんなのかな?」
モバP「夢では何か、家から遠くまで来てしまって、取り返しのつかない段階で気づくんだよね」
ちひろ「で、衆目に晒される訳ですね」 ハイ
-
雪美「…………P……そういうことが……したいの……?」
モバP「したくないよ。さすがの俺もある程度の恥の概念は持っているからな」
モバP「でも潜在的な露出願望があるとすれば洒落にならないから不安だな」
雪美「……良かった……。……ならたぶん……大丈夫……」
ちひろ「人に見られたい願望くらいはあるかもしれませんね?」
雪美「……だったら……いっしょに……アイドル……やればいい……!」
モバP「プロデューサーであるだけで精一杯だよ。やりたいとほんの少しも思わない訳じゃないがさ」
ちひろ「ほんの少しはやりたいのか……」
モバP「女性の場合は、スカート忘れても気づかないことってあるものですか?」
ちひろ「下にレギンスやショートパンツを穿く用のミニスカートをそのまま素で穿いてしまうことはあるかもですね」
モバP「アンダースコートを忘れてスコートしたり、サポーターを忘れて水着着たり、裸エプロンするようなものですかね」
ちひろ「最後の! ……とにかくスカート部分が全く無いのに気づかないことは普通は無いと思いますけど」
雪美「……裸エプロンは……忘れただけで……本当は、上に……何か……着る……?」
ちひろ「それ普通のエプロンとしての役目ですね」
-
今日はここまで
そら(いきなりPC落ちて書き溜め消えたら)そう(やる気無くなる)よ
-
乙
つば広帽+ロングヘア+ゆったりした長さのワンピース とかいう数え役満
-
301
モバP「床屋で髪を切ってもらった。すっきりしたよ」
雪美「……つるつるには……しないの……?」
モバP「そこまで全力でボケる気はない。俺は普通オブ普通の社会人だ」
雪美「……」ジーッ
モバP「言っとくが薄毛で悩んだりはしていないぞ? 特別剛毛って訳でもないが」
雪美「ふふっ……分かってる……」
モバP「でもな、散髪した後って何故かいつも体の調子がほんの少し崩れてしまうんだよ」
モバP「髪も体の一部なのだろうな。養分を一方的に吸うだけではなく、共有しているというか」
ちひろ「頭が軽くなって一時的に平衡感覚が崩れているんじゃないですか?」
モバP「髪の量が雪美さん並ならそうなるかもしれませんが、切ったのはほんの少しですし」
雪美「Pも……ウィッグ……着けてみたら……髪の重さ……分かるかも……」
モバP「腰まで届くロングヘアーにしたらどれだけ頭の感覚が変わるのかはちょっと興味あるな」
モバP「……ところでたまにはサイド三つ編み以外のちひろさんも見てみたいです」
ちひろ「指名料取るぞ?」
-
302
モバP「夏と言えば、でアイドルには水着仕事は定番だ」
モバP「種類は様々あるが、未成年がよく着せられがちなのがスクール水着」
雪美「……着てると……思った……? 残念……いつもそう……甘くない……」
モバP「そんなガードが固い雪美さんもいい女やで」
雪美「……そう……?」
ちひろ「本当にガードが固かったら膝の上に座ってないと思うんですよ」
ちひろ「でもスク水って、こう言っちゃなんですけど、当時ダサいというか野暮ったく思ったものです」
モバP「地味で均一的で……でも学校アイテムは青春補正で素朴でも輝いて見えますよ、多分」
雪美「……青春……すごい……」
モバP「まあ今の学校指定水着ってスパッツ型セパレートタイプが多くて何か窮屈、というか運動着感が強いな」
雪美「スカートの方が……かわいく……見える……」
モバP「スカートはスカートで水泳するのに邪魔にならないか? と思わなくもないが」
モバP「雪美のはスパッツ型だからなあ。着てみたいのは分かるぞ」 ウン
ちひろ「どうして知っているんですかねえ」
-
303
雪美「……」ジッ
モバP「雪美さんが物陰から顔だけ出してこちらをじっと見つめている」
モバP「保護したい」
モバP「無視できないから俺も雪美さんの方をじっと見てしまって仕事が手につかない」
ちひろ「これは雪美ちゃん依存症を起こしていますね」
ササッ
モバP「あ、隠れてしまった」
モバP「……よし、仕事するか」
雪美「……」ヒョコッ
モバP「と思ったらまた……」
雪美「……」ニコッ
モバP「……」ムラッ
ちひろ「おい待て何でそこで興奮する」
-
モバP「誘っているんだろうが俺はここから動かんぞ」
雪美「……?」
モバP「雪美からこっちに来なければ俺の膝には座れない。さあどうする」
雪美「……」
モバP「さあさあ」
雪美「……P」
モバP「ん?」
雪美「一体いつから……ひざの上にいないと……錯覚していた……?」
モバP「……何っ!?」
雪美「……気づいて……私は……ここ……」チョコン
モバP「……??? どうして俺の膝の上に雪美がいる……? ではあそこにいる雪美は……いない!?」
モバP「……ウチの雪美さんの人間離れが半端ない」ナデナデ
雪美「……これが愛の……なせる業……♪」
ちひろ「幻影を見るようにまでなったか……まあ私も見えましたけど」
-
304
仁奈「がおー! お姫さまは渡さねーでごぜーますよ!」
モバP「ぬぬぬ、現れたな強そうなドラゴンめ」
仁奈「これでも喰らいやがれくださいですよ! うがー!」ボバアアア
モバP「熱っ! くっ、こんなん貰ってたら薬草がいくらあっても足りねえぜ」
モバP「こうなりゃ短期決戦だ、覚悟っ!」シャキン
モバP「でやああああっ!!」
テレレレレーン
仁奈「きゅ〜……」
モバP「はぁはぁ……やっと静かになったか。こっちが美味しく焼き上がっちまうところだった」プスプス
モバP「さて……ローラ姫様、遅くなりました。今助けに参りましたぞ」
雪美「……おお……勇者さま……」
モバP「!?」
雪美「!?」ビクッ
-
モバP「……いやぁ、何か思ったよりも幼いお姫様ですね」
雪美「……勇者さまは……思ったよりも……大きい……」
モバP「ハハハ、言うね。大きいのと小さいのとで案外釣り合っているかもしれないな」
雪美「……うん」
モバP「さて、こんな辛気臭い洞窟とはおさらばしやしょうぜ」
雪美「……」(つ゚-゚)つ
モバP「……モンスターが出たら降ろすぞ?」
雪美「……」コク
ザッザッザ ギュイーンギュイーン(キメラ)
モバP「そんなことがあってやっとドラゴンの手からローラ姫を救い出した」
モバP「しかしラダトームに着いたのは夜だったので、仕方なく町の宿屋に泊まることとなった」
テレレレテテテーン
葵「おはようございます。ゆうべはおたのしみでしたね」
モバP「!?」
雪美「!?」ビクッ
-
葵「ふふふ、照れんでも良いっちゃ良いっちゃ」ニヤニヤ
雪美「……///」
モバP「今何となくその場の流れに乗ったな?」
葵「で、どこまでやったんよ?」
モバP「言えるかそんなの。王様に引き渡さねばならんのに」
雪美「……勇者さま……夜も……勇者さま……」
モバP「ベタな下ネタやめんか。ほら、行きますよローラ姫」
雪美「朝ごはん……まだ……」
葵「用意しとるけん☆」
モバP「……まあ、これまで幽閉されていて食事もロクに取れなかっただろうから仕方ないか」
雪美「……よく……種や木の実……もらった……。……ドラゴンさんに」
モバP「あ、貰っていたのか」
雪美「おかげで……スプーンより……重いものも……持てる……」フンス
モバP「力の種投与されまくったかあ……」
-
【食事後】
葵「でも勇者さん、隅に置けないっちゃ。町娘さんとも何度も泊まったけんね?」
雪美「……」ジト
モバP「だって後ろに着いてくるんだもん。いろいろ試すだろう?」
モバP「どうにかして旅に連れて行けないかと思ってねえ。勇者ロトは三人連れだったらしいのに俺は一人旅だし」
雪美「……このローラも……つれていって……くださいますね……?」
モバP「そんなひどい」
雪美「それ……私の……セリフ……」
モバP「連れて行きたいのは山々なんですがまだ竜王を倒していないから……」
葵「ほうほう……倒したら責任取ると?」
モバP「……責任取る前に言質を取られそう」
仁奈「もういっそ竜王もみんなで倒せば良いんでごぜーますよ」
モバP「!?」
雪美「!?」ビクッ
仁奈「!?」ガタッ
-
雪美「ドラゴンさん……ついてきた……の……?」
仁奈「負けたからお仕事なくなりやがりました。がんばったのに……」
モバP「俺がやったこととは言え、何か気の毒になってきた」
雪美「勇者さま……」
モバP「ドラゴンよ、昨日の敵は今日の何とやらだ。共に行くか?」
仁奈「良いんでごぜーますか? ルールとか、その……」
種バ種「ルール? なぁに大丈夫だ、戦闘に参加せずともちょいと種を集めてきてもらえりゃ……」
葵「目が種になっとるっちゃ」
――
モバP「これが我々の前世または別次元の出会いだったんじゃ……。続く」
雪美「……そうだったのかー……」
ペロ「ニャー」
ハナコ「ワン?」
ぴにゃこら太「ぴにゃー……」
ちひろ「動物その他にもいいかげんな話をするな」
-
305
モバP「雪美と一緒にドラえもんを見ていたんですが」
ちひろ「本当、何でも見ますねえ……」
モバP「宿題をやってもらうのに二時間後と四時間後と六時間後と八時間後の自分を呼び出すって斬新ですよね」
ちひろ「そんな回ありましたね。ただ斬新と言っても初出は半世紀近く前とかだと思うんですけど」
雪美「……半世紀……五十年……?」
モバP「情報が無いと五十年前なんて想像がつかないよな」
雪美「私が……生まれる前から……世界がある……ふしぎ……」
ちひろ「とりあえず、使えるひみつ道具はありそうなのにあの選択をしちゃうドラちゃんはちょっとポンコツだと思います」
モバP「そうかな? 自分も未来から自分を何人か借りてきてみたいものですがね」
ちひろ「やろうぶっころしてやるされるかもしれませんよ?」
モバP「大丈夫。未来の自分は未来に返さずに借りパクしますから」
ちひろ「未来こわれる」
雪美「……未来を……盗んだ男……P……」
-
306
モバP「夏場の印象的な格好の一つに裾結びというのがある」
モバP「グラビアではシャツを使ってビキニやショートパンツと組み合わせることが多いな」
雪美「……着てると……思った……? ……着てる……」キラキラ
モバP「突発的に大胆になる雪美さんがまた好きです」
雪美「……そう……///」
ちひろ「ガードが固いのはどうした」
モバP「裾結びはへそ出しでなくてもいろいろオシャレにアレンジができるから良いぞ」
モバP「まあ今の雪美さんはばっちりへそ出しだが」
雪美「……変じゃ……ない……?」
モバP「ああ。煽情的もとい健康的で大変なことにいや大変よろしい」
雪美「……」ホッ
モバP「へそ出しに慣れたら今度はベリーダンスの衣装とか着てみないかい?」
ちひろ「この大人は……」
-
307
雪美「……こんにちは……」
ちひろ「あら、雪美ちゃん。ごめんなさい、今プロデューサーさんは不在です」
雪美「……いない……? ……残念……」
ちひろ「もう少ししたら戻ってくるかもしれませんから、待っていますか?」
雪美「……うん」
テクテク
雪美「……」ジッ
ちひろ(……プロデューサーさんの席にまっすぐ向かって行きましたね)
雪美「……よ……っと」
雪美「……Pの……イス……、今は……私の……」チョコン
ちひろ(微笑ましい)
ちひろ(……私も社長がいない間に社長室の立派なイスに座ってみたいと思うことはありますけど、それとは違うなあ)
雪美「……P……まだかな……♪」
-
今日はここまで
そんなもんだろう
-
そうだろうか(妖怪惑星クラリス)
-
308
心「やっほ、プロデューサー」
モバP「あれ、ちひろさんじゃない。ちひろさんどこ?」
心「お姉ちゃんとはぐれた少年みたいだなおい☆」
心「ちひろちゃんはお休み。はぁとが代役だぞ♪」
モバP「わぁいはぁとちゃん、Pはぁとちゃんだいすき。カシューナッツみたいなツインテール」
心「カシューナッツ言うな。これ結構作るの時間かかるんだぞ」
モバP「アイドルが事務員の代役してて良いんですかね……?」
心「急に素に戻らないのっ。はぁとが直々に手伝ってあげるよ♪ 嬉しいだろ? ハイって言え☆」
モバP「はい、よろしくお願いしますね」
雪美「心……Pも……こんにちは……」
モバP「おお雪美。Ich liebe dich!」
雪美「……Danke」
心「甘ぁ〜い! はぁとよりスウィーティーだし何故かドイツ語だし?」
-
309
モバP「天然パーマで羽が生えていて金属を齧ったり分裂したりする妖精アイドルが欲しいです」
心「プロデューサーったら、ガッちゃんなんかアイドルにして何をする気だ☆」
モバP「世界征服はできそうですよね。ゴム以外何でも食べるようだとアイドル事務所は廃業になりそうですが」
心「可愛い顔で『クピプー』じゃすまないな♪ 変なこと言ってないで仕事しろよ☆」
モバP「分かってますって。それはそうとモノマネ上手いっすね」
心「はぁとのこと惚れ直した? んもう、もっと素直に褒めてくれても良いんだぞ?」
モバP「じゃあもう一回お願いします。次はしっかり録音もするので」 ヤメロヨ☆
雪美「ゴムは……かじれない……斬鉄剣も……こんにゃくは……切れない……」
モバP「下手に硬い物より柔らかい物の方が苦手、とはコミュニケーションにも通ずるものがあるな」
心「フワフワぽよぽよしてる子ほど何考えてるか分からないってのはあるかも?」
モバP「カービィかな? まあ、人の考えていることなんてそう分かるものじゃありませんがね」
雪美「……Pは……私のこと……分かってくれる……のに……?」
心「プロデューサーと雪美ちゃんは人並以上の関係ってことか♪ 砂糖吐くぜ☆」 サトウダケニ? オイコラ☆
-
310
モバP「外暑いっすね心先輩」
心「はぁとって呼んで♪ てか心さんまでは良いとして先輩って何だよ☆ はぁとはそんなにパイセンか?」
モバP「はぁと」
心「うん、なぁに?」
モバP「あなたは休憩時間にお茶じゃなくてタピオカジュースを持ってくるんですね」
心「良いじゃんタピオカ☆ スウィーティーでトロピカルだぞ」
モバP「まあ良いでしょう。それにしても空調効いた事務所から出るとムワりますよ。参っちゃう」
心「プロデューサーは飛び回るのが仕事だから大変だわな〜」
モバP「そして戻ってきてみれば何故か目の前には事務員服のしゅがーはぁとですよ。新鮮!」
心「うふふー、もーっとはぁとを見てくれても良いんだよ♪」キラキラ
雪美「……便乗……」キラキラ
モバP「ミニ事務員服の雪美さんまで……! 剥き身のエビをぶら下げられているに等しいな」
心「プロデューサーに喜んでもらえるから着てるんだもん♪ それっ、昂れ昂れ〜☆」
-
モバP「」シュウウウウウ
心「ヤバい、プロデューサーから煙が出てるっ!」
雪美「P……もどっておいで……」
モバP「呼び戻されました」
心「便利な構造してるんだな☆ ……アイドルが全員サキュバスになっても良いようにはしとけよ?」
モバP「この世の終わりかな?」
雪美「……でも……この服……スカートの……スリット……大胆……///」
モバP「改めて言われると意識して見てしまうんだが」
心「意識しなくても清純派雪美ちゃんの腰つきをチラチラ見てただろ? はぁとも見ろよ☆」
モバP「……」ジッ
心「きゃっ、そんな熱い視線を注がれたら〜……おい、目を細めすぎだぞ。そんなに眩しいか☆」
モバP「こんなミニのタイトスカートが正装になっているちひろさんや音無小鳥さん、七草はづきさんといった世の中の事務員さんは凄いですね」
雪美「……いなくて分かる……ちひろさんの……すごさ……」
心「本人はそういう所で分かってほしくはなかったと思うけどな☆ まっ良いか♪」
-
311
モバP「雪美さんは夏場でも相変わらず体を寄せることを厭わない」
雪美「……寄らば……大樹の……陰……」
モバP「それが落ち着くと言うのなら良いが、汗とかニオイとか、こうしてほしいというのがあれば遠慮なく言ってくれよ?」
雪美「……ん」コク
モバP「……思えば、以前はもう少しプラトニックな距離感だった気がするな。いつからこうなったか」
雪美「……Pと……私が……けんかした……日……」
モバP「ああ、そんなこともあったな。あれだけ強く衝突したのは初めてだった」
モバP「雪美が泣いたんだった……。表情を変えず、声も出さず、ただ涙だけが溢れ出すように流れていって」
モバP「それを見た時、俺はとんでもない喪失感に苛まれて、年甲斐もなく一緒に泣いてしまった」
雪美「……Pに……初めて……強く……抱き締められた……」
雪美「たくさん……謝られた……。……それから……ずっと……抱き合って……後は……よく、覚えて……ない……」
モバP「それからだろうか、何だか共依存みたいな状態が始まってしまったのは」
雪美「……」
-
モバP「喧嘩の理由など肝心なことが思い出せないし、あれはただ変な夢を見ていただけなのかもしれない」
モバP「それにしては共通してリアルな出来事として記憶に残っているのが不可解だ」
雪美「……」
モバP「もうこの話はやめようか。……そういえば、雪美を背負うことはあまりなくなったな」
雪美「……えっ? ……そう……?」
モバP「膝に座らせたり抱える方が頻繁なせいか、最近は背中が寂しいね」
雪美「……じゃあ……今度は……おんぶ……して……?」
モバP「任せろ!」
雪美「……でも……あなたの……背中……、いつ見ても……大きい……」
雪美「……頼りがい……あって……少し……うらやましい……」
モバP「俺は雪美に頼られることに幸せを感じるから問題ない」
雪美「……ずるい……私だって……Pに……頼られたい……」
イチャイチャ
心「やっぱりはぁとも喋らせろよ☆」
-
312
雪美「……」チョコン
モバP「……心先輩も膝に乗ってみます?」
心「じっとしてるのは性に合わないから乗らないぞ☆」
雪美「……でも……本当は……?」
心「はぁともあすなろ抱きしろよお兄ちゃん☆」
モバP「……ん? お兄ちゃん?」
心「痛い姉を見るような視線と歳を示唆する反応はやめろ☆ はぁとが妹だったって良いだろ?」
モバP「現実ではお姉ちゃんだから、妹になってみたい願望は分かります」
雪美「心は……妹……いる……」
心「ラブリーマイシスターよっちゃんが実家にね♪」
モバP「よっちゃんさんとはこの前会いましたが……心先輩が溺愛するのも頷けます」
心「何勝手に会ってんだよおい☆ ってマジ?」
モバP「お姉ちゃんトークで盛り上がりましたよ。先輩愛されてますね」
心「後で詳しく聞かせてもらうからな☆」
-
モバP「それはそうと、創作世界では姉より妹の方が優秀にされがちな風潮ありますね」
心「人のコンプレックスをあまり抉るなよ☆」
モバP「まあ序列と逆転してるから目立つだけで実際統計的にそうなのかは怪しいもんです」
モバP「個人的には長女長男としての立場の苦悩とかは理解できるので、そういう時はお姉ちゃんを応援したいです」
美嘉「プロデューサーがアタシを応援してくれると聞いて」
モバP「おお美嘉。美嘉は例えばお姉ちゃんなりの妹へのジェラシーとかある?」
美嘉「あるよ。莉嘉、人と仲良くなるのがめっちゃ上手いんだよね。ほんと太陽みたいな子っていうか」
美嘉「アタシはプロデューサーの前だから素に戻って言うけど、結構根暗だし、莉嘉とは正反対かも」
モバP「それでも理想のカリスマギャルになるべく、強気で努力しているんだよな」
美嘉「姉としてギャルとして尊敬されてるから頑張らないとって思うし、やっぱり莉嘉が可愛い」
心「莉嘉ちゃんは周りを引っ張る力があって、誰にでも好かれたり慕われるタイプだな♪ 姉でなくともそう勝てる子はいないっしょ☆」
美嘉「そうやって莉嘉のこと褒められると何かアタシまで嬉しくなるんだよねー……ヘヘ★」
モバP「ふむ、姉妹は仲良しが一番だな。これ以上の平和があろうか、いやない」
美嘉「……ところでプロデューサーの膝に乗る雪美ちゃん、いつ見ても良いなあ」
雪美「ここが……私の……特等席……」
-
313
モバP「時間があったので社内ジムのフィットネスバイクを使用させてもらっている訳だが」
雪美「……」
モバP「これでもかとペダルを漕いでいる所を雪美さんに見つめられているのは恥ずかしいな」
モバP「しかもスポーティーな半袖とショートパンツ姿でいられたらこちらも見ない訳にはいかない」
モバP「っと、坂道モードで重くなった……」
雪美「……」
モバP「雪美は何もしないのか?」
雪美「……Pを……見ていたい……」
モバP「そっかー」
――
モバP「ふう、このくらいにしとこかー」
雪美「……おつかれさま……堪能できた……」ツヤツヤ
モバP「何か潤ってる」
-
モバP「それにしても、ジムのこういうのを見るたびにこれで発電できたらな、と思う」
雪美「……発電……?」
モバP「ああ。例えば自転車の前輪に付いている発電ライトだ」
モバP「自力で漕げば漕いだ分だけ光る――自給自足で夜道もより安全だ」
雪美「……」コク
モバP「これがジムなら運動して鍛える為にペダルを漕ぐだけで、副産物で電気まで作れる」
モバP「作れるのに発電装置が無いとその漕いだエネルギーが利用できないのが勿体無く思ってしまう」
モバP「……まあ、一人が発電できる量は頑張って漕いでも僅からしいがな」
雪美「みんなでやれば……大きな力に……ならない……?」
モバP「アイドルはみんなで大きな力になるが、自転車発電は実際は費用対効果が見合わないのかもしれん」
モバP「SFではよく見かけるんだがな。奴隷や囚人なんかが自転車漕いで電気を作ってそれを売って生活」
晶葉「科学がより進歩すれば、発電効率が上がって夢じゃなくなるかもな」
雪美「……晶葉。……晶葉も……運動……?」
晶葉「籠ってばかりいても良くないからな。このランニングマシーンで、発電してる気になってリフレッシュだ」
モバP「つもり貯金みたいだな」
-
314
モバP「百貨店デパートなどに行くと、化粧品売り場を通ることがある」
モバP「そこ、すごい甘い、甘ったるい匂いがするんだよ」
雪美「……私は……平気……」
モバP「そうか? クラクラしないか?」
雪美「……大丈夫」
モバP「大丈夫か。でも、カーチャンの化粧品もあんな匂いだったな」
モバP「男だから慣れないのかなあ」
雪美「……」
モバP「……」スンスン
モバP「こうして膝の上にいる雪美さんの匂いには、もうすっかり慣れたがな。安心する匂いだ」
雪美「……におい……かがれると……はずかしい……」
モバP「ちょっと調子に乗った。すまない」
雪美「……いい……でも、最近……Pのにおいが……薄くなってる……。……もっと……包んで」
心「これではぁと、じゃなくて心が折れないちひろちゃんは凄いなーって☆」
-
315
ザザーン
モバP「ウェミダー!」
雪美「……何語……?」
モバP「わぁ、これが346プロ所有のプライベートビーチですかー」
モバP「洞窟からしか入ってこられない入り江に砂浜……秘境だな」
雪美「……ロマンチック」
モバP「ただ、立地的に来づらくて不便なのであまり利用されていません」
モバP「という訳で、我々が現状視察に来ました」
芳乃「調査員一号でしてー」
七海「調査員二号れすよ〜」
風香「ちょ……調査員三号です……」
雪美「……調査員……四号……」キリッ
モバP「……どう見ても遊びに来たようなメンバーだなあ」
-
モバP「じゃあプロデューサースキルで手早く周辺調査してくるんで」
シートシキーノパラソルタテーノニモツオキーノ
モバP「君たちはこのあたりで砂の感触や水の冷たさ、水着の着心地などを調査していてくれたまえ」
「「「「はーい」」」」
――
モバP「ふーむ……この辺りは危険な野生動物がいる訳ではないし、そもそも手入れはしっかりされている」
モバP「景観を考えると人工物は入れない方が良いのだろうが、どうも物寂しい。小屋とか置けないかな」
モバP「いろいろと浮かぶアイデアを報告書にぶち込みまして……こんなもんか」
モバP「ただいまー」
風香「あっ……おかえりなさい」
モバP「風香一人か。みんなは……って」 スクッ
風香「Pさん! えっとですね、えっと……こ、この水着、どうですか?」バッ
モバP「……目の前でラッシュガード脱いで見せつけてくるとは驚いた気合いの入り方だ。無論とても良い」b
風香「ご、ごめんなさい……じゃなくて、ありがとうございます///」
-
――
モバP「いかん、あのボディーで胸の開いたビキニは下半身に悪い……芳乃はこの辺にいるんだったか?」
芳乃「あっ、そなたー」
モバP「芳乃も水着に着替えていたんだな。芳乃は市松模様や縦縞横縞がよく似合うな」
芳乃「そなたが好きだと言いますのでー、紐のような物の方は諦めましてー」
モバP「紐なんて着られたらこっちの理性がポップコーンのように弾け飛んでしまうわい」
芳乃「失せ物探しはお手の物ですー。そなたの理性も拾い上げて見せましょうー」
モバP「言いおるわ」
モバP「それでどうした、その大きな貝は。拾ったにしては大きいな?」
芳乃「ふふふー、実はー、そなたを待ち伏せしていたのでー。ぶおおー♪ ぶおおー♪」
――
モバP「あれー? おかぴーぞー? 一瞬で岩場に移動したなあ」
モバP「お、七海じゃないか」
七海「プロデューサー! 七海はこうして釣りをしているのれすよ〜」
モバP「君らは相変わらず自由に行動し過ぎだよなあ」
-
七海「プロデューサーと海に来るのは久しぶりれすね」
モバP「ああ」
七海「……あっ///」
モバP「?」
七海「何かあの時の記憶が甦ってきたれす。あわわわわ……釣りは平静釣りは平静」
モバP「ハハハ、でも七海はこうして見るとやっぱり海が似合う。釣りをする姿も様になっているよ」
七海「もう……プロデューサーは女たらしれす!」 クイクイ
モバP「おい、引いてるぞ」
七海「わっ!? ちょっ!」
――
モバP「さて、俺も少し泳いでみるとするか……って何だこの水着布地少なっ」
モバP「誰がこんなハイビスカスブーメランとすり替えたのか……あっボイスレコーダーだ」
麗奈『アンタもたまには恥ずかしい目に遭うといいわ! アーッハッハッ……ゲホゲホ』
モバP「………………まあすぐ着替えるから我慢しよう」
-
【着替えタイム】
モバP「……はぁ、サポーターだけ穿かされてる気分だ」
モバP「どれ、準備体操はしっかりとやっておきましてっと……そういやあいつら準備体操したのか? 日焼け止めは?」
オイッチニ オイッチニ
モバP「合流したら聞くか。さあ入ろう」
チャプ
モバP「……おお、やっぱり海水は海水でなかなか冷たいな。少しすれば慣れるか」
モバP「少し深いところまで行ってみようか……」
ザバザバザバ ザバッ!
モバP「うわっちょ!?」
雪美「……P……おそい……」ダキッ
モバP「雪美さん……何してたんすか」
雪美「ゴーグルして……海の中……見ていた……」
-
――
モバP「ふう。不意打ちするから何か未確認生物に襲われたかと思った。でも良かった、雪美で」
雪美「……私になら……おそわれても……良い……?」
モバP「雪美さんは鮫のように齧ってきたりはしないだろうからな」
雪美「……」
モバP「ふう……しかしやっぱり波打ち際に座る程度が良いや。深い所は何か嫌な感じがする」
モバP「昔溺れかけたことがあるせいかな。プールじゃ平気なのにな、ハハハ」
雪美「……ごめんなさい……」
モバP「気にするな。それより水着、スカート付きのビキニか。うーん、いつまでも見ていたい姿だな」
雪美「……じゃあ……もっと近くで……見て……」
ポスン
モバP「雪美さんは遠慮が無いなあ」
雪美「それは……Pの……せい……。たぶん……」
雪美「……P」
モバP「……雪美」
-
風香・芳乃・七海「……」ジーッ
モバP「……お前らもいつの間にか近いな」
雪美「……」キョトン
芳乃「皆で平等にー、そなたとの時間を求めたゆえー」
七海「でもそこまでいくとずるいれす〜」
風香「……」ドキドキ
モバP「分かった。この辺で個別面談は終わりとして、後はみんなで遊ぼうじゃないか」
雪美「……ざんねん……もうちょっと……だったのに……」
風香「ところでPさん、そ、その水着……」 エ?
「「「!?」」」
「へ、変態れす///!」「そ、そなた……///」「……すごい///」
雪美「……あっ」
雪美「……///」カーッ
モバP「……自分なりの釈明はしたいが聞き入れてもらえるかなあ、これ」
-
――
ブロロロ
モバP「やれやれ系もびっくりなやれやれだ。結局がっつり海で遊んだよ」
モバP「幸い曇っていたし日焼け止めはしっかり塗っていたからみんな今後の活動に支障は出まい」
モバP「俺の立場的な支障は知らんが、この子たちは物分かりが良い方だから大丈夫なはずだ」
雪美「……」スゥスゥ
芳乃「……」スゥスゥ
七海「……」スピー スピー
モバP「みんな車ではよう眠っとるわ。疲れたかな」
風香「Pさん」
モバP「あ、一人は起きてるパターンでしたか。何だい風香」
風香「その、今日はありがとうございます。また少し、自分を変えられた気がします」
モバP「それは良かった」
風香「あと、常識も少し変わりました」 ダメダッタ
-
今日はここまで
だけどぼくにはクーラーがない
-
316
モバP「言うまでもないことだが雪美さんはクールだ」
モバP「無愛想とまではいかないが表情や感情の起伏は大きくなく、ちょっとやそっとでは動じない」
モバP「だから天然で思わぬボケを披露したり、不意にドキッとさせる言動をしたり、良い意味でこちらのペースを乱される」
雪美「……」ウツラウツラ
雪美「……っ!」
雪美「……」キョロキョロ
雪美「……P……どこ……? さっきまで……いたのに……いない……」
モバP「後ろだ」
雪美「……そこに……いたの……」ホッ
雪美「…………私の……そばに……いて」
モバP「……!」ズキューン
モバP「……不覚にもその言葉に堕ちた。――雪美も離れるな。俺のそばにいろ」
雪美「……」ドキドキドキ
-
317
モバP「はぁ……」
雪美「P……どうしたの……?」
モバP「俺がピアノ経験者ということがどこからかバレてしまって、一曲弾いてよ、とアイドルたちにせがまれてさ」
モバP「謙遜しながら仕方なく満を持して披露したら、何か思ったよりも下手になっていた」
雪美「……がっかり……された……?」
モバP「致命的な下手じゃないが上手くもない、ネタにもならない微妙なムードというか……うん」
モバP「こういうのは続けていないと腕が鈍ってしまうんだなと思い知ることになった」
雪美「……Pの……そんな、かっこわるい所も……Pらしさ……」
雪美「でも……ピアノ……弾けるの……すごい……」
モバP「女子にモテたくて一時猛練習していたからな。おかげで指使いは研ぎ澄まされ」
モバP「こう見えても学生時代はゴールドフィンガーと呼ばれていた」ワキワキ
雪美「……そう……私は……Pの……ゴールドフィンガーに……いつも……弄ばれて……」
モバP「……下ネタだなあ。ごめん」
-
318
モバP「雪美よ、アイスでも食べるか」
雪美「……」コク
モバP「よし分かった。こういう時の為に冷凍庫に入れてあるものがある」
ガチャ パタン
モバP「これよこれ。チューブアイスだ」
雪美「……すき」
モバP「では半分に割るぞ」
雪美「……」コク
モバP「……集中」
カッ
モバP「せいやっ!」
パキッ
雪美「……割れた……」
-
――
シャリシャリ
雪美「……冷たくて……おいしい……」
モバP「夏は普通のアイスクリームやかき氷のような氷菓も良いが、何かやっぱりこれが好き」
雪美「……二人で……分けられるの……良い……」
モバP「お一人様ならただ冷やしてから取っ手をねじってそこから中のシロップを吸う食べ方もあるようだが、喉にくるんだよな」
モバP「だからよくこうして誰かと分けて食べていた」
雪美「……割るの……手……汚れなかった……?」
モバP「コツを掴めば、きれいに分かれなかったり飛び散ったりせずに割れる」
雪美「本当……?」
モバP「まあ良い子は真似せずにハサミとかで割るのが良いのかな?」
モバP「柔いと割るのに失敗しやすいが、半冷凍くらいのが美味いのが悩ましい」
雪美「……P……少年の目……してる」クスッ
-
319
モバP「たまに雪美から感じられる猫っぽさを挙げようと思う」
雪美「……?」
モバP「暑い時はそうでもないが、一眠りする際に体を丸める時がある」
モバP「膝を曲げて横向きに寝る雪美さんを見ると、鍋に丸まって寝る猫を連想する」
雪美「…………無意識」
モバP「いや実は俺も結構そうなっていることがある。狭い所好きな性質が寝相に出てしまうのか知らないがな」
ンナア
雪美「……ペロが……いっしょに……おひるね……しようって……言ってる……」
モバP「ペロからお誘いか……猫の睡眠時間は一日で平均十四時間。薄明薄暮性で朝と夕が主な活動時間」
モバP「夏は特に日中が暑いからな。気温の下がってきた夕方あたりが動きやすい……と言っても都会の夏は夕方でも暑いが」
雪美「……おひるね……しないの……?」
――
モバP・雪美・ペロ「Zzz……」
-
320
モバP「日本のお菓子にしては良い形をしているな、と思うものに鈴カステラがある」
雪美「……」モクモク
モバP「この鈴のようでいてウキや栗のような目を惹く上下二色」
雪美「……」ハムハム
モバP「……雪美は何をしていても、食べ方一つ取っても絵になるなあ」
雪美「……」ゴクン
雪美「Pは……これ……何で……知った……?」
モバP「ローゼンメイデンの翠星石が美味しそうに食べてるイラストを見かけたのがきっかけで」
雪美「……ほー」
モバP「俺はアニメやゲームで美味しそうな食事シーンを見ると、同じ料理を食べたくなる病なんだ」
雪美「……私も……。例えば……トムとジェリーの……ゼリー……とか」
ガシッ
モバP「雪美ってば本当、気が合うな!」
雪美「……Pったら……大胆……///」
-
321
モバP「雪美、卓球しようぜ」
雪美「……?」
モバP「今度の仕事で卓球やるかもしれないだろ? ちょうど遊戯室に卓球台が入ったんで練習しとこう」
雪美「……良いの?」
モバP「周りが慣れているのに自分だけずぶの初心者だと疎外感が出たりするからな」
モバP「というか旅館で風呂上がりに浴衣をはためかせて卓球する雪美さんが見たい」
雪美「……それは……ともかく……、うん……やる……」
モバP「よし。そのやる気がまずは何よりの強みだ」
――
カコッ カコッ カコッ
キュィィィィン コンッ
雪美「……やった」グッ
モバP「ボールが物凄い変化したぞ今。というか初心者じゃない?」 …ウン
-
322
モバP「雪美は暑さが苦手である」
モバP「またそれを我慢しがちな性格のため、体調には気をかけてやりたい」
雪美「……夏祭りや……プールは……好き……」
モバP「雪美は喋るのがあまり得意でない」
モバP「ただし意思表示を嫌う訳ではなく、彼女なりのペースで伝えようとしてくる」
雪美「……」ジーッ
モバP「雪美は大きな音を好まない」
モバP「怯えてしまうのと、小さな声で伝えたい言葉をかき消されてしまうのを怖れる」
雪美「……聞こえなかったら……悲しい……」
モバP「そんな雪美だが、なかなか充実した生活を送っていると言える」
雪美「……みんなが……そしてあなたが……優しくしてくれる……から……」
モバP「たまには静けさの中で彼女の息遣いに耳を澄ませてみるのも良いだろう」
雪美「……それでは……また……あした……」
-
今日はここまで
タピオカココナッツミルクだって?
-
323
雪美「……」テクテク
雪美「……!」ササッ
モバP「……」スタスタ
雪美「……」ジーッ
モバP「……??」
モバP「……」スタスタ
雪美「……」テクテク
スタスタ テクテク
モバP「……?」
クルッ
雪美「……あっ……気づかれた」
モバP「何か御用かな? それともスニーキングミッション?」
雪美「……P……見つけると……うれしくて……尾行……したく……なる……」 ホドホドニナー
-
324
モバP「夏休みといえばキャンプよな」
モバP「大自然の中でテントを張ってカレーライスを作ったり夜に天の川を見たり」
雪美「……だれと……行くの……?」
モバP「家族と、ということもあれば小中学生対象のサマーキャンプに親から派遣されることもある」
モバP「夏休みだからって家でダラダラすんな、修行してこいって感じで」
雪美「……そんなこと……あるの……?」
モバP「ああ。当然ダルいとか言って行きたがらない子もいる。不便な非日常の環境に置かれる訳だから」
モバP「だが終わってみれば友達も作れて楽しい良い思い出になるものさ」
雪美「……キャンプ……」
雪美「……Pと……私と……みんなで……行きたい……ね」
モバP「アイドルをやっていると却ってそういう機会が巡って来にくいだろうからなあ」
紗南「行くならやっぱり連れにキャンプガチ勢がいると良いよね」
モバP「だな。俺はアウトドア用品を見るのは好きなんだが、大抵はそれで満足しちゃう頭でっかちだ」
紗南「Pさん、PCで登山グッズとかよく検索してるもんね」 ア、ミタナ?
-
325
モバP「暑い夏――アイドルたちの疲労も溜まってきている」
モバP「屋外では容赦のない日差しと高温。屋内でも舞台に立てば、照明に熱を浴びせられる」
雪美「……」クタッ
モバP「おつかれさま、雪美」ナデナデ
雪美「……ん」
比奈「ソファーでプロデューサーの膝枕にうつ伏せしてる子は初めて見たっス」
モバP「比奈も疲れたろう。無理してないか? 俺が少しでも肩代わりできたら良いんだがな」
比奈「してないっスよ。プロデューサーと一緒でスね」
モバP「おや、俺が無理していないとは心外……いや否定はしないが。では、割と余裕?」
比奈「手を抜いている訳じゃないっス。ただ、倒れたり怪我したりして迷惑かけたくないでスからね」
比奈「無理して原稿を落としては元も子もないのと同じでスよ」
モバP「さすが眼鏡を外すと覚醒する美人だ。考え方が立派」
比奈「マンガのそういうキャラ好きっスけど……描く側の私がそれに当てはめられると何か恥ずかしいっスね」
-
モバP「ところで、お疲れならマッサージなどしませんか?」
比奈「男のプロデューサーが女のアイドルにマッサージってそれなんて」
モバP「変なもんじゃありませんよ。通信教育で習った本場のテクニックをご堪能あれ」
比奈「それって本場と言えるんスかね……?」
モバP「ちなみに、雪美さんには既に施術済です」ポン
ピクンッ
雪美「あっ……! ふぅ……」
比奈「……小学生相手にいろいろと何してるんスか」
雪美「これ……とても……よく……きく……。……おすすめ……」クタッ
モバP「どうです〜? やりませんか〜? ぐひひひひ」
比奈「怪しすぎるっスよ! ここは私が止めなきゃいけないんスよね!?」
亜季「P殿のマッサージでありますか! 是非とも受けてみたいものですな!」
比奈「」
――
比奈「あ……肩が軽くなった……」 ワタシモデアリマス!
-
326
モバP「むむむむむ……」
雪美「……P……何してる……の?」
モバP「ああ、スマホに液晶保護フィルムを、ズレたり気泡ができたりしないように貼ろうとしているところだ」
モバP「――よし、できた」
雪美「……P……結構……器用……?」
モバP「几帳面なだけで不器用な方さ。まあこんなもんだろう」ポチポチ
雪美「……見えない」
モバP「覗き見防止タイプのだからな。昔集めていたレンチキュラーのシールやカードみたいだ」
雪美「じゃあ……こうする……」
ムニッ
モバP「頬っぺた同士をくっつけるのってかなりの恋人ムーブじゃないですかね」
雪美「……こ、恋人じゃ……ねーし……」テレッ
凛「恋人というか……正妻ムーブ?」
-
327
モバP「雪美さんは座っている時は何かイス状の物に腰掛けていることが多い」
モバP「では畳や芝生といった段差のない所ではどうだろう」
雪美「……」チョコン
モバP「体育座りです」
モバP「しかもスカート……ふおおおお」
雪美「……?」キラキラ
モバP「今日はあなた、長いのじゃなくてミニ気味のフリルワンピースなのよ?」
雪美「……ふぅ……これ……涼しい……」
モバP「それで体育座りって、何とは言わないが見えちゃうでしょ? 脛で絶妙に隠せてはいるものの」
雪美「……」ジト
モバP「でも見えそうで見えない――これが良い。この角度が一番魅力的だ」
モバP「顔はもう少し物憂げに、視線は逸らして……うん、完璧ね!」
雪美「……P……欲求を……隠さなく……なってる……?」
モバP「夏の雪美さんの肌色に堪え兼ねてポンコツ化してるなと我ながら」
-
328
雪美「P……それは……時計……?」
モバP「これは懐中時計だな。成人祝いに祖父から貰ったアンティークだ」
雪美「……おおー」キラキラ
モバP「小さい頃に見せてもらってからずっと欲しいと思っていた物だから、それはもう嬉しかった」
雪美「……すてき……」
モバP「元々鎖がないから吊るすことはできないが、俺のとても大切な宝物だな」
雪美「……それなら、いつか……Pに……鎖を……プレゼント……したい……」
モバP「他の誰でもない雪美に、鎖を補ってもらえるならこれ以上の幸せはないな」
モバP「だが、鎖を買う為に黙ってその長い髪を切って売ってしまったりはしないでくれよ?」
モバP「俺は俺で雪美に、とびきり良い櫛をプレゼントしたいと思っているからな」
雪美「でも……そんな行き違いも……きっと……しあわせ……かも……」
雪美「”賢者の贈り物”……知ってる……」
モバP「良い話だよな、あれは」
モバP「それはそうと、以前は懐中時計って海中でも使える防水時計だと勘違いしていたなあ」 チガウノ?
-
329
モバP「おやおや、こんな所にカラフルな海苔巻きかな?」
メアリー「ダーリン、それはカリフォルニアロール、ヨ。アタシが作ったのだから間違わないでほしいワ」
モバP「何と……すまんなあ。おっちゃん流行り物には疎くて。パッと見た感じだと色的にソイシートかと思ったよ」
雪美「……ソイシートも……はやりもの……だぞ……」 ソウカ?
モバP「で、これメアリーが作ったのか? へぇ、本格的だなあ……いや、本格的カリフォルニアロールは見たことないが、雰囲気がね」
メアリー「レディーなら母国の料理も作れて当然ダワ♪ さ、食べて?」
モバP「はむ……んん……おお! アメリカ料理にしてはなかなかエスニックだな。美味い!」
メアリー「本当? 嬉しいワ、ダーリン。ウフフ」
モバP「じゃあ俺はメアリーにジャパニーズ海苔巻きを御馳走しよう。ポークたまごおにぎりだ!」ジャン
メアリー「何コレ! おっきなスパムと玉子焼きが……ワイルドダワ!」
雪美「それ……日本というか……沖縄……」 マアヒトクチドウゾ
――
雪美・メアリー「おいしかった」ニパッ
-
330
モバP「……ちょっくら休憩するか」
ボスン
モバP「事務所のソファーの座り心地はいつでも快適だな」
ガチャ
雪美「……」
モバP「?」
テクテク
雪美「……」
ポスッ
雪美「……ちょっと……休憩しに……来た……」
モバP「奇遇。俺と同じだな」
雪美「Pも……? …………同じで……良かった……」ポテッ
モバP「膝の上じゃなく隣に座って寄りかかってくるのはいつもと違うな」
雪美「……今日は……ひかえめ……。……でも……これも……いい……」
|
|
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板