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モバP「雪美さんといっしょ」
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あと、割となんでもありです
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モバP「雪美さんや」
雪美「……どうした……の?」
モバP「宮本フレデリカ直伝のビズをしても良いかい」
雪美「……? ビズ……知らない……」
モバP「ヒントは挨拶の一種だ。何をやるかはお楽しみ。やるかい?」
雪美「…………」コク
スッ
チュッ チュッ
モバP「ビズはフランス語、英語ならチークキスとも言うかな」
モバP「正面から相手の左頬に右頬を、右頬に左頬をそれぞれ合わせる。That's it!」
雪美「……///」ポー
ちひろ「明らかにキスまでしていましたよね?」
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巴「強くなったのう、雪美」
雪美「……ありがとう……巴」
モバP「おっ、将棋教えていたのか」
巴「おう、Pか。見ての通りじゃ」
モバP「若いもんは上達が早いけぇの」
巴「何言っとるん、うちもまだ若いわ」
モバP「しかし教える側ってのも良いもんだろ? 自分にもフィードバックされるというか」ポン
巴「人の髪を気安くさ・わ・る・な・や」バシッ
モバP「まあ教えるのも良いけど後輩として可愛がられる経験も良いよなー」ワシャワシャ
巴「やめろ言うとるんに……雪美、こいつ取り押さえてイタズラするか」
雪美「する……!」
ちひろ「若いっていいものですね。参加はしませんけど」 チョマッ ドコサワッテンデイ!
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モバP「ただいま戻りましたー」
モバP「あれ? 電気消してあるし誰もいない? でも戸締りしていないとは不用心だな」
ガサガサ ガサガサ
モバP「ん、何の音だ? まさか泥棒じゃないよな?」 カチッ
カチッ
モバP「蛍光灯が切れているじゃないか。参ったな」
ガサガサ
モバP「俺の机の方から聞こえるな」
モバP「――そこにいるのは誰だっ」
クルッ
ペストマスクの怪人「……ミタナ」
モバP「ひっ!?」
-
モバP「! お、おい……そこに倒れているのは、雪美……か?」
怪人「……」
モバP「お前がやったのか? 畜生、何てことだ。そこをどけっ!」
ダッ
モバP「あっ、おい!」
ガシャーン!
モバP「待て! ここは五階だぞ!」ダッ
モバP「……!」
モバP「いない……窓の外には、誰も……一体どこに……」
モバP「いや、とりあえず雪美だ。……雪美!」
モバP「――う、う、う、う、嘘だろ……血だらけ……体っ……冷たい……」
モバP「雪美いいいっ!!」
-
――
モバP「うわあっ!」ガバッ
チク タク チク タク
モバP「……ここは……俺の家か」
モバP「生々しい夢だったなあ。ここ何年かあんな類のは見ていなかった」
トットットッ
カラス「カー」
モバP「うへっ!?」
ビクッ
モバP「あっ、驚かせてすまん」
モバP「……おいおいおい、どうして家の中にカラスが入り込んでいるんだ。どっから入ってきた?」
モバP「アイドルの誰かが手引きしたとも思い難いし……」
pipipi
-
モバP「ん? 朋からのメールか」
身近な異性の友人が大切な人の死に目に会うかもしれない
今朝の占いだよ。
こんなのが出てきたの初めてで、あたし嫌な予感がしたから一応Pに教えておくね。
モバP「……ゾッとするな」
カラス「……カー」
モバP「おっと待ってろ、今外に出してやるから」
ジッ
モバP「空きっ腹か? しかし野生のカラスに餌付けなんてして良いものか」
ジーッ
モバP「……みんなには内緒で、一回きりだぞ?」
カラスくんはリンゴを食わせてからベランダに出すと何事も無かったように飛び立っていった。
妙な胸騒ぎがしていた俺は、その後すぐに身支度をして家を出た。
冬ながら春さながらの陽気に恵まれた、そんな朝だった。
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モバP「おはようございます」
ちひろ「プロデューサーさん、おはようございます」
モバP「ちひろさん、何かおかしなことはありませんでした?」
ちひろ「いえ。どうかしたんですか?」
モバP「無かったなら良いんです。今朝からちょっと奇妙な目に遭っていまして」
ちひろ「あなたは年がら年中奇妙ですからね。さあ、仕事しましょう」
それから、プロデューサーとしての仕事に追われながら何事も無い一日が過ぎていった。
何か引っかかる感覚がありながらも時間が経つごとにそれも薄れていく。
夕方になり、雪美が事務所に顔を出す。
雪美「……P」
モバP「どうした? 雪美」
雪美「……」プイッ
スタスタ パタン
モバP「おっ、おい雪美っ!」
-
ちひろ「どうしたんですか? 構い過ぎて遂に嫌われました?」
モバP「……」ダッ バタン
モバP「雪美! 待ってくれ!」
モバP「はぁ、はぁ……一体、どうしたんだ?」
雪美「……」
雪美「……P……怖い……来ないで」
モバP「なっ……!?」
初めて見る冷たい目だったかもしれない。
俺の足は一歩踏み出そうとしたままで動けず、彼女が視界から去るのを見送る以外に出来ることは無かった。
事務所に戻るとちひろさんが備品が足りないが手が離せないと言う。
俺は外までひとっ走り買いに行くこととなった。
モバP「……考えても分からん」
カーカーカー
モバP「まだ冬やのにカラスが仰山飛んではるわ」
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バサバサバサッ!
モバP「わっ、何だ一斉にこっちに!? 鳥葬か? 鳥葬なのか!?」
カーカーカー
『……オモイダセ』
モバP「う、うわあああああっ!」
――
ハッ
モバP「……あれ? カラス……」
気づくと俺は、店の中で買い物かごを持って立っていた。
白昼夢を見るとはいよいよどこかおかしくなったのだろうか。
とりあえず買うものを買って戻る。
モバP「ただいま戻りましたー」
モバP「あれ? 電気消してあるし誰もいない? でも戸締りしていないとは不用心だな」
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ガサガサ ガサガサ
モバP「ん、何の音だ? まさか泥棒じゃ……待て、……俺は知っている」
モバP「夢だ。あれと同じことが……雪美!?」ダッ
ガサガサ
モバP「――おいっ!」
クルッ
雪美「……どうして」
モバP「えっ……!?」
雪美「どうして……ペロを……殺したの……」
モバP「! お、おい……そこに倒れているのは、ペロ……か?」
雪美「……」
モバP「違う! 俺がペロを殺したりなんかするものか!」
雪美「……」ツー
モバP「雪美、口から血が……あっ」 ドサッ
-
「な、何かの間違いだ。こんなの……俺は……俺は……!」
「……!?」
俺は窓ガラスを見た。
反射して自分の姿が映っていた。
黒づくめの、ペストマスクをした怪人だった。
「俺は……Pでは……無かっタ……?」
「俺は……ダレダ……?」
「オレ……? ワタシ……?」
「コレハ……ナニ……? アアアア」
「――そこにいるのは誰だっ」
クルッ
「……ミタナ」
「ひっ!?」
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「! お、おい……そこに倒れているのは、雪美……か?」
「……」
「お前がやったのか? 畜生、何てことだ。そこをどけっ!」
ダッ
「あっ、おい!」
ガシャーン!
「待て! ここは五階だぞ!」ダッ
「……!」
「いない……窓の外には、誰も……一体どこに……」
「いや、とりあえず雪美だ。……雪美!」
「――う、う、う、う、嘘だろ……血だらけ……体っ……冷たい……」
「雪美いいいっ!!」
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私はどこかの草むらの上にいた。
目の前にある澄んだ湖が、私の姿を映し出す。
黒づくめでペストマスク、そして黒い翼を持った、小さな体。
「……」
煩わしくなり、マスクを外す。
宵闇の帳が下りる前の僅かな光が、私の貌を見せてくれる。
……そうだ……私は……佐城雪美だった……。
「……ふふ……ふふふ……」
――
モバP「こうして哀れなPは夢と現実の境を見失い、佐城雪美に変貌してしまったのでした。続く」
雪美「怖く……ない、よ……? まかふしぎ……ただ……それだけ……」
紗南「プレイグナイト風の雪美ちゃんかあ……そのイベントどうすれば発生するの?」
光「Pは闇堕ち怪人マスクだったか! 安心しろ、アタシがきっと救い出してみせる!」
飛鳥「迷宮に囚われたヒトはやがて自我崩壊する……山月記の様だね」
ちひろ「中学生たちにもいいかげんな話をするな」
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裕子「むむむ……む〜ん……きえええぇいっ!」
シーン
モバP・雪美「……」サクサク モグモグ
裕子「……」
裕子「サイキック・ツッコミ!」ピシッ
モバP「あたっ! 何だよー」
裕子「お菓子食べながら見ていないでプロデューサー、何か助言をください!」
モバP「そうだな……音楽をかけながら作業をすると仕事の効率が良くなることがある」
モバP「こいつでリズムに乗りながらパワーを高めてみたまえ」カチッ
エッビバリダンスナーウ!
裕子「おっ? おっ? 何だかノッてきたかも? しれません!」
裕子「行きますよー、ムムムムーン……サイキック・Everybody Dance Now!」
早苗「何? ポールダンスでもしてるの?」
【さなえがしょうかんされた!】
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モバP「雪美さんマジ天使」
雪美「……」キラキラ
モバP「比喩ではなく本当に天使のような衣装なんだよな」
モバP「白で統一されたドレスにふわふわの翼、足は白タイツ、頭にはご丁寧に輪っかまで」
雪美「……天使って……何をすれば……良い……?」
モバP「人の側にいて加護を与えるのはどうですかね」
雪美「……かご……分かった……」
ポスン
雪美「これで……私は、どこへも……行けない……」
雪美「あなたを……守る……」
モバP「ははは、頼もしい奴じゃ……おふっ」
雪美「……?」
ちひろ「輪っかがプロデューサーさんの顔に当たってますね」
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今日はここまで
明日になればきっと言える
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モバP「世のお菓子には割とアルコールが含まれている物が多い」
雪美「……」クンクン
モバP「例えばこの美味しいラムレーズンサンドとかもな」
雪美「……」プイッ
モバP「幸い雪美さんはアルコールに敏感でこういうものには口を付けない」
モバP「児童が興味本位で食べて体調を崩すようなこともあるから、自分の判断で忌避してくれるのは助かる」
雪美「……」
モバP「でも一度酔った雪美さんを見てみたいと思ったこともない訳ではない」
雪美「……えっ」
モバP「……十年後な」
雪美「……うん……。それまで……一緒にいて……ね?」
ちひろ「志希ちゃんなら疑似的に酔う薬とか作れそうですけど、そこは言わぬが花ですね」
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モバP「志希は最近失踪しないよな」
志希「正直キミから逃げ切れる気がしないんだよねー。すぐ捕まる」
モバP「またまたご謙遜を」
志希「確かにヒントは残すし遠くには行かないし本気で逃げてる訳じゃないけどさ〜」
モバP「完璧に逃げようと思えばいつでも可能だが、それじゃつまんない! だろ」
志希「そーゆーこと。縛りの中で導き出すから楽しいのだ。……それ、どう?」
雪美「イチゴの……フレグランス……いい」
志希「それは良かった♪ にゃはは」ナデナデ
志希「こうして雪美ちゃんとキミをのんびり観察してるだけで、満足な最近のあたし。焼きが回ったねー」
モバP「じゃあ、発想を変えて新しいことにチャレンジしようぜ。筋トレとかさ」
モバP「志希がそういうこと言い出すのは、退屈になってきて現状打破したい時だろ? 知ってるぞ」
志希「そういうとこ分かってるからキミはズルいんだよねー。でも、よりによって筋トレ推すー?」
ちひろ「インテリ脳筋に目覚めた志希ちゃんは見たくないですねえ……」
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モバP「雪美さんはトレンチコートも似合うんですね。実にオシャレさんです」
雪美「……」キラキラ
モバP「帽子と合わせるとアンニュイな表情が実によく決まるな」
モバP「しかしおてては」
雪美「……猫の手」
モバP「ここにきて肉球手袋がカジュアルな方向に突き抜けているな」
雪美「これ……あったかい……」
モバP「触ってみても?」
雪美「うん……」
モフモフ
モバP「やだ柔らかい……」
-
モバP「でも指が使えないのが不便だな。どうやって抜くんだ?」
雪美「…………がんばる」
モバP「まあ押さえて抜くしかないか。手伝おうか?」
雪美「まだ……このままで、いい……」
モバP「そっか。……それにしてもトレンチコートはベルトで腰をきゅっと見せるのも良いが」
モバP「こうやって前を開いて、ミニスカートとコートの裾の長さの対比に耽るのも――」
ちひろ「思春期かお前は」
雪美「……そんなPは……こうする……」バッ
モバP「うおっ、肉球手袋で対面目隠しとは! ありがとうございます!」
ちひろ「Mの素質ありかお前は」
雪美「……ふふ……これで私は……見えない……」
モバP「肉球がプニプニして面白いっすねこれ」
雪美「……じゃあ……もっと……してあげる……」グイグイ
ちひろ「日常エンジョイ勢かお前は」
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ちひろ「あら、チョコレートを食べているんですね」
モバP「バレンタインにアイドルから貰ったりイベントで配られたりで山とありますよ」
モバP「チョコレートなどは幸い日持ちしますから、ゆっくり消費しています」
ちひろ「大人の方たちとかは配慮してチョコレート以外を渡されたりもしたようですね?」
モバP「違うお菓子であったり、日本酒、ワイン、焼酎。食べ物以外をくれた方もいました」
ちひろ「責任持って、平らげる訳ですか?」
モバP「勿論。男モバP、出されたものは残さず食べる!」
ちひろ「モテる男はお辛いですねぇ」
モバP「自分もアイドルだったならそれこそトラックいっぱい貰えたりするんでしょうか?」
ちひろ「まあチェック入ってそれらが口に入るかは知りませんけどね」
まゆ「プロデューサーさぁん。チョコレートが減らないようなら、加勢しましょうか?」
モバP「やぁ、まゆ。イベントで配られた奴なら良いが、アイドルから貰った物は俺が食べきるよ。ごめんな」
まゆ「いえ。貴方に渡したチョコレートなのに、食べてもらえない立場はまゆも嫌ですからね」
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ちひろ「それにしても、プロデューサーさんがアイドルから貰う分にも、どうなんでしょう?」
モバP「どうと言いますと?」
ちひろ「疑うつもりはないんですけど、例えば媚薬とか毒とか入れられていたりしませんか?」
まゆ「割とはっきり言いますねぇ」
モバP「毒……効かない体質なんだよね、俺」
ちひろ「キルアじゃないんですからそんなところで特異体質を発揮しないでください」
モバP「まゆ。これはA社からのだけど……はい、あーん」
まゆ「あーん……ん……おいひい」
ちひろ「話の合間にイチャつくのも止めてもらえませんかねえ……」
モバP「さて、俺はこれを……」パク
モバP「……ふむ。――うまい。だが毎年調合を変えて精力剤を入れてくるのはやめようね? と」カキカキ
まゆ「誰ですかぁ?」
モバP「志希」
ちひろ「バレンタインに託けて人体実験されていませんかね?」
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ちひろ「しかし、手紙に一枚一枚、貰ったチョコレートの感想を書くんですね」
モバP「そして怪盗のようにアイドルの枕元にこっそり置いてきます」
ちひろ「アイドルの寝床に忍び込んでいるんですか!?」
まゆ「ロマンチックじゃないですか」ウットリ
モバP「まゆには気づかれましたけどね」
ちひろ「本当に警察呼ばれてもおかしくない事案ですよ」
まゆ「そんなことしませんよぉ。プロデューサーさんは紳士ですから……うふふ」
ちひろ「含みがありますねえ」
雪美「P……アナトール……みたい」
モバP「やぁ雪美。……ネズミがチーズの味を鑑定してくれる話か。あれ良いよなあ」
モバP「まあ基本は感謝と、どこが良かったかを素直な気持ちで書き綴ります」
ちひろ「本当、マメですね。暇な奴とも言いますけど」
モバP「お酒なら一緒に宅飲みして直接感想を言いますので無駄がありませんが」
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ちひろ「二人とも、手紙貰えるのは嬉しい?」
まゆ「はい♪ 褒めてもらえれば張り合いが出ます」
雪美「次はもっと……おいしいのを……作ろうって……思える」
モバP「( ;∀;)イイハナシダナー」
ちひろ「ソウナノカナー?」
まゆ「まゆも最初は、惚れ薬とか入れていました。今は味にこだわるようになりましたけど」
雪美「ほれ薬……Pには……効かない」
ちひろ「雪美ちゃんは既に知っているのか……」
ちひろ「あ。ちょっと疑問なんですけど、惚れ薬と媚薬ってどう違うんですかね?」
まゆ「惚れ薬は惚れるだけ、媚薬は……ちょっぴり如何わしい意味も含む、という理解ですね……」
モバP「まゆの口から如何わしいなんて言葉が……変な気分だ。チョコレートのせいかな?」
まゆ「あっ……貴方に意識してもらえた……」
雪美「私も……意識して……」
ちひろ「よく考えたら何でドリンクは効くんだろうこの人」
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りあむ「うう……」
モバP「新人は最初はなかなか上手く行かないよなあ」
りあむ「ぼくはクソザコナメクジのスローロリスだよ! もうダメぽ」
モバP「少しは開き直れそうかい?」
りあむ「りあむちゃんのガラスハートはクラック。10代終わりかけでこれだよう。やむ!」
モバP「なに、年齢幅広いアイドルの子たちと接していれば自然と強心臓になれるよ」
りあむ「ここのPサマが言うとめっちゃ不安だけど大丈夫かな? かな?」
モバP「困ったら助けになるよ」
モバP「ただ油断しているといつの間にか常識人枠に入れられているかもしれないから気を付けて」
りあむ「えっなにそれこわい。ぼくが冷静にツッコミに回るとか、草も生えない! よ!」
雪美「こんにちは、りあむ……。私を……すこれ」
りあむ「早速やみ感染者がいる!? ぼくみたいになっちゃいけないよ! でも真似されたい!」
ちひろ「……また一人アイドルが変な方向に捻じ曲がった音がした気がする」
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あかり「あきらちゃん! りんごをあげるんご!」ハイ
あきら「自分に? ありがとう」クイッ
ガブガブガブ シャクシャクシャク
あかり「丸かじりとはワイルドですね! だがそれがいい!」
あきら「ごちそうさまデス」フキフキ クイッ
あかり「マスク戻しちゃうなんてそんなぁ、みんな大好き顔出しタイムが」
あきら「持ち芸みたいに言うなし」
ンゴ! デス
雪美「……仲、良さそう……。……あきらは……クール?」
モバP「ああ。……ギザ歯をマスクやマフラーで隠してるのって立派な属性だよねえ」
モバP「兄ぃくんと会ったことあるんだが彼いわく、懐くと指とかガジガジしてくるらしいぞ?」
雪美「あまがみ……愛情表現……」
あきら「こらPサン! それはガセ、いいね?」
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モバP「冬は夏が恋しいもんだね」
雪美「……そう?」
モバP「そう言いつつ夏になると冬が恋しくなるという逆もありきか」
モバP「様々なことに当てはまるが、気温的な意味でね」
ちひろ「現代は以前より夏はより暑く、冬はより寒くなっている実感がありますからどちらもしんどいです」
ちひろ「気温なら過ごしやすい春や秋くらいを望むべきでは?」
モバP「それが正解なんですが、やっぱり冬と対になるのは夏って認識がありまして」
モバP「こんな日に都合良く夏の時の暑さを借りてきて、打ち消し合うことが出来たら良いのになあ、と考えます」
雪美「……P……たまに……変なこと……考える……」
ちひろ「小学生でもしないような発想ということです。残念でしたね」
モバP「あっ、そっかぁ……」
雪美「でも……良いと思う……がんばれPくん……」 ガンバリマス
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今日はここまで
お金なんかはちょっとでいいのだ
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>>280
クソ甘ァ!!!
志希にゃん以外からも薬盛られてるの草
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雪美「ふふっ……つかまえて……ごらんなさーい……」
モバP「あははっ、雪美、待て待てー」
雪美「こっちよ……はやくはやくー……」
モバP「お転婆な奴めー、逃がさないぞー」
雪美「……ふふっ」ギュンッ
モバP「……っ!?」
モバP「雪美っ! ちょっ、まっ! 速いって! 足速っ!」
モバP「ふんぬっ! 負けるものかぁああ!」ダッ
モバP「ぬおおおおおおおおお!」
――
モバP「夢の中って上手く走れませんよねえ。いつも雪美に追いつけません」
ちひろ「夢でまでいつも雪美ちゃんに会えるなんて羨ましい」
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モバP「おや……雪美、おはよう」
雪美「……うん……おはよう……」ポー
モバP「ぼんやりしているなあ。珍しく髪がハネているし」
雪美「えっ……本当……?」
モバP「おっちょこちょいさんめ。待ってろ、髪様を鎮めてあげよう」
――
モバP「はい。これでいつものクールに決まった雪美だ」
雪美「ありがとう……でも……」
モバP「何だ?」
雪美「Pも……髪が……はねてる……」
モバP「……あらー」
雪美「……座って……。Pのは……私が……鎮める……」
ちひろ「私の心も鎮めてほしいなあ」
-
145
モバP「バニーガールは欧米だと性の象徴とされ場によっては規制対象だ」
モバP「ましてや未成年にバニーの衣装なんて着せていたら」
モバP「日本ってクレイジーやな、と外国の人は思うのだろうか?」
雪美「……猫と……そんなに……違わない……」キラキラ
モバP「しかし雪美は着たがりさんだった」
モバP「頭にウサ耳、バニースーツの上に薄手のスラックスを重ね穿き……何か鼻がツンとするな」ムー
ちひろ「ちょっと刺激感じ過ぎじゃないですか? でも前髪の横分けでグッと大人っぽくなりますねえ」
雪美「……ドキドキ……してきた」
モバP「雪美が爆発しないか不安だ……これ一体どこから持ってきたんですか?」
ちひろ「コスプレ好きを侮るべからず。私のルートですよ。いろんなサイズあります」ジャン
モバP「あんたも好きやのう……」
ちひろ「あら、でも雪美ちゃんで見られて嬉しいでしょう?」
モバP「本当に感謝しかないです。一体何を企んでいる?(錯乱)」
-
モバP「これ、スラックスの下は普通にレオタードなんですか?」
雪美「……見る……?」
ちひろ「ダメですよ〜。愛梨ちゃんのような直レオタードはお見せできません。想像で補完してくださいね」
雪美「……ダメ……だって。……ふふっ」
モバP「ぐぬう」
モバP「しかしアイドルと言えど小学生、お仕事であまり煽情的な衣装は風紀上NGな訳で」
モバP「これは実質、激レア雪美だな。よく目に焼き付けておこう」
雪美「……これを見た……あなたは……ラッキー……♪」クルン
ちひろ「ドリンクなど買っていただければ後で写真送りますよ?」
モバP「商売すな! ……言い値で買います」
千秋「私にもください」
ちひろ「千秋ちゃんいつの間に……」
雪美「千秋……! ……千秋も、一緒に……バニーに……なろう……」
千秋「えっ……それは……///」
-
146
モバP「雪美さん雪美さんあそぼじゃないか」
雪美「……今は……ダメ」プイッ
モバP「……しょぼん」
千秋「誰だって一人になりたい時はあるものよ。仲睦まじい人でも例外ではないわ」
モバP「そうだな……」
――
雪美「P……かまって……」
モバP「雪美すまない。今はどうしてもこの作業を終わらせねばならんのだ。今度にしてくれ」
雪美「……分かった……」
雪美「……」ジッ
モバP「……ここをこうして……ああ、いかん。やり直しじゃないか……」
雪美「……またね……」 パタン
-
――
モバP「話をしようと思ったが、ハードスケジュールでくたびれて寝てしまったか」
雪美「……すー、すー」
モバP「こんな社用車ですが、家まで送っていきますよお姫様。ゆっくりお休みになられてください」
モバP「ふわぁあ……っと、いかんいかん。俺も疲れているのかな。気を付けよう」
――
ギィ
雪美「……P……?」
ちひろ「あら、雪美ちゃん。もしかしてプロデューサーさんに用があるの?」
ちひろ「残念ですけど、打ち合わせに付き添いにで、今日も夜まで帰って来ないと思いますよ」
雪美「……」
ちひろ「そんな悲しい顔をされると辛いです……」
ちひろ「そうだ、お菓子でも食べていきませんか?」
-
――
杏「最近雪美ちゃんの相手してる?」
モバP「それが近頃は間が悪くて、なかなかね」
杏「雪美ちゃん、気を抜くと自分のことは後回しで良いからって遠慮し始めるからね」
モバP「最初の頃はそうだったな。分かっているつもりではあるんだ」
杏「分かってるつもりで相手の気持ちの確認を怠っていると、すれ違いが起きるよ」
モバP「疲れや忙しさに気を回しすぎず、俺から話しかけるべきだったか」
杏「でもボタンのかけ違いに気づいた時には、大切な人は寝取られていた」
モバP「鬱展開の王道はやめてくれ」
りあむ「Pサマ〜! めっちゃやむ! 本当にやんじゃうぞ! 良いのか!?」
モバP「おーよすよすどうした」
杏「……うちのプロデューサーって替えが利かないのがシステムとしては致命的だよねえ」
モバP「システム言ってやるな」
杏「ここは杏が面倒見るから、行ってあげなよ。――りあむ、一緒にサボろうぜ!」 オイコラ
-
――
雪美「……」
ガチャ
ちひろ「はい、あとは若い二人でね」 エッ
バタン
モバP「いきなり休憩室に連れて来られた……雪美か?」
雪美「……P!」ダキッ
モバP「おお……不安がらせていたみたいだな。ごめんな」ナデナデ
雪美「違う……私が……Pの誘い……断ったのが……」
モバP「そんなことで雪美と距離を置いたりしないよ。後でフォローしなかった俺の慢心だった」
モバP「雪美は俺が思っている以上に、俺のことを考えてくれているんだな」ギュッ
雪美「……」ギュー
モバP「……」ヨシヨシ
-
雪美「………………ふぅ……ありがとう」
モバP「いい顔だねえ。解決したら気持ちの切り替えが早い、さすがだ」
雪美「……でも……Pに、かまってもらいすぎ……良くない……?」
モバP「どうかな……雪美は俺に構ってほしいんだな?」
雪美「……うん」
モバP「良かった。俺もよく雪美に構ってほしくて誘ったりしているから、お互い様だ」
雪美「……なるほど……」
モバP「そして今はお互いに受け入れる余裕もある。このままゆっくりしよう」 ウン
――
ガチャ
モバP「……戻りました」
雪美「……///」ポーッ
ちひろ「事後っぽい雰囲気を醸し出すのやめましょうね」
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モバP「美味しそうなドーナツがいっぱいだな」
雪美「……カラフル」
法子「おひとつどーぞ♪」
モバP「このグリーンはメロンチョコかな? それともアイシングかな? いただきます」ヒョイ
法子「雪美ちゃんも、選んでね?」
雪美「ピンク色……貰う……」
モグモグ
モバP「美味しいなあ。こんな見て良し味良しの市販ドーナツ、幼い頃はたまにしか食べられなかった」
法子「じゃあ、反動が来ていたりする? よくドーナツを大人買いしちゃうとか」
モバP「いや、代わりにカーチャンがよく揚げドーナツを作ってくれていたから満たされていたよ」
モバP「ホットケーキミックスか何かを使っていたのかな? 型抜きした穴の部分の丸ドーナツも食べたなぁ」
法子「家庭の味ドーナツ……何だかそれはそれで羨ましいかも」
ちひろ「もしかして:アメリカンドッグ」モグモグ
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モバP「たまにボウリングに行くと筋肉痛になりません?」
ちひろ「……本格的に歳ですかあなたは」
モバP「普段使わない所を動かしているせいなんでしょうが、人間の体って面白!」
ちひろ「客観的に言いますねえ」
モバP「それとはまた違いますが、昨日は雪美と張り切り過ぎまして若干腰が痛いのです」
ちひろ「……」チラッ
雪美「……?」キョトン
モバP「ダンスのことなんですが、何を想像して雪美の方を見たんですか」
ちひろ「いや何しでかしたのかと。まあプロデューサーさん、身持ちが堅いと身内から評判ですからね」
モバP「それは女性に対して使う言葉な気が」
ちひろ「それにしても破天荒な存在のあなたでも人並に体を痛めたりはするんですね」
モバP「いや〜それほどでも〜」 ホメテナイ
雪美「……Pの腰使い……激しいから……」 イミシンデスネ イミシンイウナ
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こずえ「ぷろでゅーさー……だっこしてー」
モバP「……すまないこずえ。見ての通りだ」
杏「おっす」
仁奈「えへへ」
モバP「右に杏、左に仁奈と小脇に抱えていて俺の手は塞がってしまっているのだ」
雪美「……」ヒソヒソ
こずえ「……んー……なるほどー」
こずえ「だったらー……かたぐるまで、たのむー」
モバP「よっしゃ、それだったら良いぞ!」
【合体】
モバP・杏・仁奈・こずえ「わっはっはっはー」
雪美「P……とても……立派……」パチパチパチパチ
ちひろ「アイドル三刀流とは腕を上げたなあいつ……」
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150
雪美「私は……Pにとって……どんな存在……?」
モバP「一つに絞れないが、とりあえず神様みたいな側面はあるな」
雪美「……神様……?」
モバP「膝の上に御座す神様――膝神様とでも言おうか」
雪美「……」
モバP「徳の高い神様だよ。雪美さんが俺に乗ってくれていると、何もかも上手く行く気にさせてくれる」
雪美「させてくれる……だけ?」
モバP「神様はきっかけをくれるだけ。人は最後は自らの手で切り開かなくてはならない」
モバP「でも、だけでも心強い。ここで護ってもらっているという安心感があるというかね」
雪美「……私の方が……護られて……いるのに……変なの……」
モバP「まあそれで言うと俺の膝は神様を祀る神棚ってことになるのかな」
ちひろ「プロデューサーさんには榊の代わりにイチゴの葉でも飾りましょうか」
-
今日はここまで
俺たちに明日はない
-
乙
モバマスは未成年どころか年齢1桁台の薫ちゃんに白ビキニ着せたりするからなぁ
-
151
モバP「雪美。クッキー作ってきたんだが一つ食べるか?」
雪美「うん……」
サクッ
雪美「おいしい……形も……P……上手……」
モバP「些細なことでも褒められると本当に嬉しいな〜このやろ〜」クネクネ
ちひろ「トナカイかな?」
雪美「……でもP……失敗……しない……」
モバP「それは表に出さないからそう見えるだけだよ。お仕事も多くは本番の成功のみを見せる」
モバP「裏で多くの失敗や過程があっても、身も蓋もない言い方をすれば結果だけが残るんだ」
雪美「……みんな……努力、してる……Pも……」
モバP「そう。人の見えない所まで想像して理解するのは難しいが、そうなれたら立派だな」
ちひろ「でも私には訳ありの割れクッキーいっぱいくれますよね」サクサク
-
152
雪美「……どう……?」キラキラ
モバP「雪美さんはどうして何を着させても、俺のハートを射抜いてしまうのかしら?」
モバP「ノースリーブとミニスカートのチア衣装、良いぞ。ロングポニーでステージでも必ず目立つ」
雪美「……私が……チア……。……変な……気分……」
モバP「チアリーディングをやっている女子はアメリカのスクールカーストでは上位とか聞いたことがある」
モバP「海外学園ドラマによくいる勝気系ボンキュッボンな子がこれだったりそうじゃなかったり」
雪美「……Pは……私より……智香みたいな……体……好き……?」
モバP「本場を理想としてチアを追い求めるなら成長して鍛えられた体の方が見映えする」
モバP「ピラミッドを組んだり、跳ね上げたり、受け止めたり、アクロバティックなことをするからな」
モバP「だが、今の雪美は雪美として出来るチアをやれば良い。それが一番だ」
雪美「……了解……私のチアを……やってくる……」
雪美「……がんばれ……がんばれ…………と、がんばる……」フレフレシャンシャン
モバP「この独特のローテンションが好きなの」
-
153
モバP「……俺は今、夢の中か」
雪美「……P」
モバP「お、雪美だ。何の用事かな」
雪美「……今日こそ……私と……契りを……交わして……」
モバP「そうだったな。何がそうなのか知らんが夢はそういう設定で動くもんだからな」
モバP「うーむ、こんな明晰夢を見るのはいつ以来か」
雪美「……キス……して」
モバP「夢とはいえ知り合いとストレートなキスをするのは気が引けるが……流れに従うか」
チュッ
モバP「……」
チュチュ
雪美「……もっと……んっ」
-
雪美「ん……んん……」
モバP(うわあ、何か罪悪感と情けなさを自覚する)
モバP(でも柔らかくて悪くない心地だ……)
雪美「……ぷは……」
ガバッ
モバP(雪美、俺に乗りかかっているのに軽いなあ。俺の頭の中にある仮想の存在だからか)
雪美「もっと……深く……繋がりたい……」トロン
モバP「! ……ごめんよ。俺はもう――」
――
モバP「……」パチリ
モバP「――目が覚めてしまったんだ」
晶葉「おはようP。夢の映像化実験、終了だ……雪美が好きなのは分かるぞ? だが……」
モバP「うわ、よりによってこんな時にあんな夢を見たのか」
晶葉「……雪美に扮したショゴスを愛でるのはどうかと思う」 エッナニソレハ
-
154
モバP「ひな祭りイベントもこれにて一段落。皆さんお疲れ様でした」
モバP「……ふぅ……春の陽気が一気にやって来て活気づくとはこのことか」
雪美「……P」ヒョコッ
モバP「何だ雪美さんか。どうした? 私をさらって一緒に遠くまで逃げてくれるとか?」
雪美「……変なこと……言わない。……Pも……おつかれさま……」
モバP「基本的に自分たちは裏方だから最後もアイドルの皆を労う立場だ」
モバP「じゃあ裏方は誰に労ってもらえば良いのか? という時にアイドル側から一言でも声をかけてもらえるのはとても嬉しい」
モバP「ありがとう、佐城雪美さん」
雪美「……P……まっすぐ……見てくれるから……好き」
モバP「……雪美」
雪美「……P」
ちひろ「先に恥ずかしくなって目を逸らした方が負けなのか、ずっと見つめ合っていますね」
-
155
モバP「ちょっと早いが春はイチゴの季節だな」
雪美「……イチゴ狩り……行きたい……」
ありす「良いですね。行きましょうよ、Pさん」
モバP「イチゴガールズよ、その手のお仕事はしっかり受けてあるぞ」
雪美「……ノー、お仕事」
ありす「イエス、家族サービス」
モバP「俺はお父さんじゃないから。……まあ、誘ってもらったら行かなくてはな」
ありす「さすがPさん、話が分かりますね。下調べは任せてください」
雪美「……勝負下着……何にしよう……?」
モバP「堂々と勝負下着言うな。オフで一泊遠征はさすがに時間が取れないので近場日帰りでお願いできませんか」
ありす・雪美「……残念」
ちひろ「お父さん、仕事してください」
モバP「あ、今の”お父さん”は熟練度高いですね」 ハ?
-
156
モバP「……」テキパキテキパキ
美優「Pさん、今日はいつにも増して真剣ですね……」ポー
ちひろ「普段から真剣みたいな言い方ですけど、最近暖かくなってきたせいかポンコツ化していましてね」
ちひろ「ちょっとコレで気合いを入れてもらいました」
早苗「ちひろさん特製ドリンクを授けたと。あらま献身的だこと」
ちひろ「私もたまには楽をしたいんです。他意はありません」
早苗「そんなこと言って随分と仲良いじゃあ〜りませんか」
ちひろ「まあ日常で異常なハードワークをこなしている友人ではありますね」
美優「基本ほぼ二人で二百人アイドルの事務所を回しているって非常識ですよね……」
ちひろ「鬼や悪魔の方がもう少し良い職場にいるんじゃないかと思いますよ。見たことないですけど」
美優「少し、手伝いますね……」 アリガトウゴザイマス
早苗「確かにそれで相方に気を抜かれちゃうと死活問題だわね。でも、気候の問題かな?」
-
ちひろ「と言いますと?」
早苗「P君って暖かくても寒くてもアイドルたちとよく遊んで食べて眠ってない?」
美優「ふふっ……そう言えば」
ちひろ「食う寝る遊ぶの三大欲求に正直なのは羨ましいことです」
早苗「でも大人向けの”遊ぶ”だったらシメなきゃいけないんだけどね」
ちひろ「じゃあ、あれは片桐判定としてはどうです?」
雪美「……P……お仕事……?」
モバP「……雪美……ちょっと懐に来い」ヒョイ
雪美「えっ……あ……」ポスン
雪美「…………仕方ない、にゃー……」
美優「カンガルーの子どもみたいですね」ホワホワ
早苗「満更でもなさそうなのがなー。でもあれはなー」
早苗「あたしもやってもらったことあるからアウトにできない……」 オオ、モウ……
-
157
モバP「紗南の番組にゲストとして出るからゲームに慣れたい?」
雪美「……」コク
モバP「なるほど、雪美はテレビゲームの類はやらないタイプだよなあ……わかるわ」
モバP「じゃあ、畳部屋だがここで、少しマリオカートでもやってみるか」
雪美「……じゃあ……Pが……私の……コックピット……」ポスン
モバP「雪美は大胆だなあ」
【レース中】
モバP「…………ふふふ」
雪美「……何……笑って……」
モバP「コーナーで体が傾くタイプか。親近感が湧いてつい。すまん」
モバP「俺の体まで一緒に傾いてしまった。そういう特徴は好きだぞ」
雪美「……それなら……許す。……♪」
ちひろ「女の子を乗せているとはいえ、胡座でゲームしている後姿は何とも哀愁が」
-
今日はここまで
夕食はドン勝だ!
-
しょご……
初めての出番で他人がちゅっちゅしてる夢を見せられた晶葉ェ
-
158
モバP「日常の一風景」
モバP「ボルダリングをする雪美さん」
雪美「んっ……」
雪美「……ほっ……」ヒョイッ
雪美「……うう」
雪美「…………よっ」パシッ
雪美「やった……P……見て……!」
モバP「見てるぞー。雪美さんは今日も絶好調だな」ニコニコ
雪美「……ふう」
ストン
雪美「……これ……伝わりにくい……」
モバP「でも雪美さんの掛け声を聴いているだけで耳が幸せ」
ちひろ「ここの社内ジム何でもあるな」
-
159
モバP「雪美さんは水着でも薄着でもあまり気にせず俺の上に座るじゃないですか?」
雪美「……うん」
モバP「俺も何でもないかのように平然と座らせているじゃないですか?」
雪美「……うん」
モバP「……毎回理性を保っている自分が怖い」
雪美「……怖くない、よ……? 大丈夫……」
雪美「……あなたは……私の……Pだから……変なことは……しない」
モバP「雪美は俺を誘惑するがな。しかも俺はそれを楽しみにしてしまっている」
雪美「……でも……この繋がりは……もっと……崇高な……ものだから」
モバP「崇高、か。難しい言葉を知っているなあ」
モバP「ちなみに今日の、チュニックワンピース&スパッツという格好も、結構クるものがあるね」
雪美「……それは……ほめてるの……?」キラキラ
ちひろ「変に溜め込む人は破局的な爆発をしたりしますからね」
-
160
モバP「温水プールで雪美を見ていて思ったんだがな」
雪美「……うん?」
モバP「ゴーグル女子って良いね。陳腐な言い回しをするなら、萌えるってやつだ」
雪美「萌え萌え……?」キョトン
モバP「雪美にそれをやられると感情が芽吹くというより燃え滾ってしまうな」
雪美「P……気をつけて。……燃えすぎると……灰になる……」
モバP「ハイにはなっても灰にはならんさ」
雪美「……はい?」
モバP「……それはともかく、ゴーグルだ。スイマー系、ライダー系、スノースポーツ系、エンジニア系など様々だが」
モバP「目を保護する装備感、それを女性が着ける凛々しさ。何かに立ち向かう感じがする」
モバP「ちょうどここにバイク用のがあるんだ。良かったら着けてみたまえ」
雪美「……」スチャッ
モバP「雪美はこっちのゴーグルも似合うね」
-
雪美「でも……外した方が……Pは……見やすい」
モバP「普段は外す、そのオンオフがまた魅力だな。……いつか二人でバイク旅しない?」
雪美「……Pは……バイク……乗れるの……?」
モバP「お恥ずかしながら、免許は持っているが趣味のレベルにまでは昇華出来ていない」
雪美「……免許……いいな……」
モバP「でも自分の為じゃなくて誰かの為に趣味に入れ込めるのってちょっと憧れなのよ」
雪美「……Pの場合……ただ旅を、したいだけ……かも……」
モバP「見透かされているな。……二人で旅する時は、雪美さんが運転、俺は喋るモトラドかな」
雪美「運転するの……私……?」
モバP「冗談だよ。でも雪美に運転や整備してもらえるのなら俺はエルメスになっても良いや」
雪美「……P……バイクに、なると……困る」
雪美「抱きしめて……もらえない……」
モバP「……そういうことをさらっと言っちゃう雪美にはかなわんな。悶えるぞ?」
ちひろ「そういうとこだぞ」
-
161
みく「Pチャン、また袋ラーメン食べてる」ガサガサ
モバP「ゴミ箱を調べるでない。猫かお前は」
みく「心配なの。アイドルのセーフハウスと化したPチャン家だけど、独りの時は食事が雑だもん」
モバP「孤食はつい作るのも手抜きをしてしまいがちだな。社会問題とされるのも分かる。健康に悪そう」
みく「他人事みたいに言わないの。……これはチキンラーメンだね」
モバP「同じラーメンでも鍋汚して洗わなくて済むから楽なのよ。最悪お湯入れずに齧っても良いし」
みく「想像以上に酷い不精だにゃ……早く何とかしないと」
モバP「外食でなく自宅で孤食という機会自体はそんなに多くないんだがな」
モバP「男メシとか、やる気がある時は作るんだよ。キャベツの千切り丼とか」
みく「それは男メシじゃなくて貧乏飯!」
モバP「李衣菜には、ロックですね! と言われたぞ」
みく「ロックされるのはこっちの食欲にゃ。ええい、今からみくがご飯作る!」
-
モバP「……」
みく「あ、サカナ料理は作らないよ」
モバP「まだ何も言っていない。……でも以心伝心って凄いなー」
みく「図星かっ!」
雪美「……みく。……Pも……どうしたの?」
みく「雪美チャン! 聞いてよ〜、またPチャンが堕落してるの!」
雪美「いつものこと……」ニコ
モバP「」ガーン
みく「人をもてなしてばかりで自分を大切にしないPチャンにはおしおきが必要にゃ!」
モバP「何か理不尽」
雪美「おしおき……プロレス……?」ワクワク
みく「いや、ご飯を作ってあげたいんだけど……Pチャンは普段お嫁さんに何を仕込んでいるの」
モバP「雪美さん意外とアグレッシブなの……」
-
――
みく「という訳で買い出しに出た訳だけれども」
未央「みくにゃんの手料理楽しみだなあ。不肖本田未央、ご相伴に与らせていただきます!」
卯月「未央ちゃんったら。私たちも手伝うんですよ?」
凛「働かざる者食うべからずってね。ただしプロデューサーは台所に立つの禁止」
みく「何か増えた」
モバP「仕事終わりのニュージェネに出くわすとは、犬も歩けば棒に当たるもんだ」
雪美「……にぎやか……楽しい……」
みく「みくがPチャンにご飯作ってあげる予定が、何か趣旨がズレて行きそうだにゃあ」
藍子「あっ、一際目立つ集団がいると思ったら、Pさん御一行じゃないですか!」
響子「また何か面白いことでも企んでいるんですね? 私たちも乗りますよっ!」
みく「どんどん増えるよ!?」
雪美「……町は……アイドルで……いっぱい」
-
162
ちひろ「今日は一日、忙しそうでしたね」
モバP「ホワイトデーの贈り物を皆さんに渡して回っていまして」
ちひろ「数が多いのに手渡しにこだわるところが律儀ですね」
モバP「そこが自分の唯一の取り柄ですから」
ちひろ「勉強できる子がテスト日に全然勉強してないよって言うのに似た嫌味に聞こえますけど」
モバP「では、嫌味ついでにお菓子も受け取ってください」ハイ
ちひろ「ありがとうございます。……手作りなんですね。まさか全員に?」
モバP「基本はそうですね。知り合いの櫻井君の屋敷の大きな厨房を借りて作りました」
ちひろ「櫻井……屋敷……あっ」
雪美「……P……やっぱり……ここにいた……」
モバP「おっと雪美さん! 実はな、雪美さんに渡したいものがあって」
雪美「……! ……えっ……なぁに……?」 ハイコレ ワァ
ちひろ「……私の扱い軽くないですか?」
-
163
モバP「先日他所の事務所のプロデューサーと話す機会がありまして、情報交換などしたんです」
モバP「何でもあちらさんは家が頻繁に燃えるらしいですね」
ちひろ「それは尋常じゃありませんね」
雪美「……どういうこと……?」
モバP「車が突っ込んできて炎上したり、延焼に巻き込まれたり、火の玉が降ってきたり、とにかく運が悪いと」
モバP「憐れんだアイドルの家に居候するようになってからはそんなことも起きなくなったそうだ」
雪美「……良かった……火事……怖い」
モバP「別のプロデューサーも対人運が悪いようで、よく担当アイドルに刺されるとか」
ちひろ「よく刺されるってその方のアイドルは蚊か何かですか」
モバP「でも強靭な肉体と豪運で事なきを得て、今では壁を乗り越えてハーレムを作っているそうです」
ちひろ「……プロデューサー界は魔境ですね。それらの話が本当であるならですけど」
モバP「まあ自分もアイドルと懇ろになるなんてオチは都合が良すぎるとは思いますが」 ソッチジャナイ
雪美「Pは……Pだから……良い……」
-
164
モバP「本格的に温かくなってきましたねえ」
ちひろ「エルニーニョ現象のターンでは暖冬冷夏だとか言いますね」
モバP「厳寒猛暑は辛いのでその方が助かると言えば助かりますが」
雪美「……同意」
モバP「ただ温暖化の影響で冷夏も冷夏になりきらないんじゃないかって天気予報士が言っていました」
ちひろ「次にまたラニーニャ現象のターンが来た時を考えると憂鬱ですねえ」
モバP「それはそうと沖縄では三月からもう海開きだそうで」
ちひろ「へぇ、早いですね。私も一度はプライベートで泳ぎに行ってみたいものです」
雪美「……いっしょに……行く……?」
ちひろ「うん、行く」
モバP「即答か」
ちひろ「何だったら有給取りますよ? アイドルと一緒に素の旅行なんて贅沢は滅多に味わえません」
雪美「……でも……Pも……いっしょに……来てもらう……」
ちひろ「二人して休んだら会社回らないですね……」 カナシイナァ
-
165
ペロ「ニャー」
モバP「おうペロっち。元気にしていたか? 良い気候になってきたな!」
ペロ「フシャー!」
雪美「……ペロっちは……馴れ馴れしい……だって」
モバP「それはすまなんだ。では改めて……ペローンちゃんおっは!」
ペロ「ンギャギャ!」
雪美「……ぼくを……ドローンみたいに……呼ぶな……」
モバP「分かった。……ペロお嬢様、湯浴みなどなさいませんか? どうぞこちらへ」
ペロ「…………うー」フイッ
ペロ「……」チラッ
雪美「……普通に呼んでよ……ばか……」
モバP「ペロ」 ニャ!
ちひろ「通訳雪美ちゃんが割と迫真なんですよね」
-
今日はここまで
今日も今日とて
-
>>321
お嫁さん……仕込む……プロレス……よし閃いた!
-
166
モバP「世の中にはドールというものがあり、表情のバリエーションの一つに眠り目がある」
雪美「……」ウトウト
モバP「眠りかけのような薄目の状態――ちょうど今の雪美さんみたいな」
雪美「……ん……」カクッ カクッ
モバP「雪美……?」
雪美「……!」ピクッ
雪美「…………P……?」
モバP「仮眠室に行こうか」
雪美「……ん」コク
ちひろ「おねむな雪美ちゃんは口数が減りますねえ。まあ誰でもそうでしょうけど」
モバP「学校で体育の後の授業中とか、一度こうなるとなかなか起きていられないんですよね」
モバP「では、ちょいと夢の旅に行ってきます」
ちひろ「あ、プロデューサーさんは添い寝なんてせずに早く戻ってきてください」
-
167
モバP「日常の一風景」
モバP「宵の空の星を眺める雪美さん」
雪美「……いい……天気……」
雪美「暗く……なっていく……」
雪美「空気も……冷たく……」
雪美「…………」
モバP「?」
雪美「……さみしい……」
モバP「スケールの大きな存在に臨むと圧倒されるよな。そして孤独感を覚えたりする」
モバP「もしも倒れそうになっても、俺が雪美を受け止めてやるさ」
雪美「……頼りに……してる……」
ちひろ「私を受け止めてくれるのはこの土手の原っぱだけでしょうか」
-
168
モバP「雪美よ、世界は広いか?」
雪美「……うん」
モバP「俺が少年の頃も、世界は広かった。そう見えたよ」
雪美「……今は……違うの……?」
モバP「今は世界は狭まった。技術の発展が理由じゃない。それもあるのかもしれないが」
モバP「肝心なのは自分の体が大きくなって、頭の容量、もとい知識も増えたこと」
雪美「……」
モバP「単純に体の大きさが二倍になればスペースの感じ方も変わる」
モバP「広かった実家の部屋も今では小さなものさ。広さは変わっていないのにな」
雪美「……Pも……いつか……小さく……見えるように、なる……?」ペタペタ
モバP「ああ、相対的にな。そして老いると今度はまた世界が広く、遠くなっていくのかもな」
雪美「……ふくらんで……しぼむ……風船……みたい……」
-
モバP「風船か……そんな膨らむ前の雪美さんだが、今は今を心行くまで楽しんでほしい」
モバP「歳なりの制約はあるだろうが、様々な経験をしてほしいんだ」
雪美「……校長先生が……そういうこと……言う……」
モバP「それがいつか、懐古する楽しみになる。それは悪いことではないと思う」
雪美「……Pは……楽しかったの……ね」
モバP「うん。昔は良かった昔に戻れたら、ではなく楽しかった過去があるから今と未来がある」
雪美「……思い出が……支えに……なる……」
モバP「個人的見解だがな。でももし良かったら、一緒に楽しい思い出を作ろうや」
雪美「……良かったら、なんて……分かりきってる……くせに……」
ギュッ
雪美「……Pは……私にとって……あまり、プロデューサー……らしくはない……かも」
モバP「そこはちょっと危惧する所ではあります」
雪美「でも……大事な……友達……、……それ以上…………」
ちひろ「プロデューサーらしさも取り戻してください」
-
169
かな子「Pさんは食べるの好きですよね」
モバP「これだけが楽しみなんですよ――ってのは冗談だが、異論はない」
かな子「何で太らないんですか?」
モバP「いろいろ削ぎ落した実にスリムな質問だな」
モバP「端的に返すと、その分だけ頭と体を働かせているんだヨ☆」
かな子「……」ジーッ
モバP「疑いの眼差しを向けるのはやめたまえ。……もしかして、少しはぽっちゃりしていた方が好き?」
かな子「そんなことはないですよ。ただ、ちょっと羨ましいなって」
モバP「自己管理も仕事の内だが、あまり気にし過ぎると体に毒だぞ」
モバP「自分も以前、ちょっと増えたことに焦って食事の量を減らしたことがあるが、体調が悪くなった」
かな子「それはいけないですね。ケーキ食べます?」
モバP「いただきます! 飲み物はコーヒーにする? それとも紅茶?」
-
――
モバP「かな子の作るケーキは美味しいな。夕飯が食べられなくなりそうだ」
かな子「Pさん、いつも美味しそうに食べてくれますね♪」
モバP「美味しく作ってきてくれるんだもの。当たり前だ」
かな子「でも、夕飯を食べられなくなるのはちょっと、良くないかな?」
モバP「そういう時は時間を空けた上で軽いものでバランスを取るから俺は平気だよ」
雪美「イチゴ……イチゴ……♪」ハムッ
雪美「んん…………おいしい……!」ニマー
モバP「雪美がトロットロに蕩けておるよ。いい仕事してますねぇ」
かな子「えへへ、うれしいなぁ」
モバP「さて。食べた分はしっかりパフォーマンスに変換してみせるぞ」
雪美「カロリーは……レッスンで……使う……! かな子も……やる……?」
かな子「う、うん。……いっぱい食べる人はフットワークも軽い、かぁ」
ちひろ「そこの二人は代謝が良いというか、燃焼効率が良いんですよね」
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170
モバP「雪美さんは基本的に対外には清楚系路線で売っている訳だが」
モバP「プライベートでは結構意表を突くような多彩な変化をする」
雪美「……P……?」
モバP「見惚れていた。伊達メガネにスタジアムジャンパー、デニムのミニスカートに(倒置法)」
雪美「……もっとよく……見る……?」キラキラ
モバP「見過ぎると良識が弛緩しそうなので、参りましょうか」
雪美「……参る」
モバP「デニムのミニスカートは裾がフレア状になっているのも良いが、やっぱりスクエア型は破壊力があるな」
モバP「シンプルでアクティブに見えてコケティッシュ。雪美が一般人であっても目を惹くよ」
雪美「……みんな……私とは……思わない……はず」
雪美「……でも……これもたぶん……あなたのせい……。……喜んで……くれるから……」
モバP「何だか、ごめんねぇ……そういう方向性を目覚めさせちゃって」
通りすがりの美嘉「アタシは逆に肌を隠す方向にするのもアリ……?」
-
171
文香「……」パタン
モバP「読み終わったみたいだな」
文香「……はい」
モバP「どうだ? 俺のおススメは面白かっただろう」
文香「大どろぼうホッツェンプロッツ……何故またこの本なのでしょうか?」
モバP「たまには童心に戻って児童文学をじっくり読み直してみるのはいいぞ」
モバP「意外と幼少時には読み取れなかった新しい発見があったりする」
文香「……プロデューサーさんらしいですね」クスッ
――
モバP「話は変わるが、今日の文香はオフショルダーか。いつか着たことがあったな」
文香「はい。……自分で言うのも何ですが、大胆ですね」
モバP「そういう服を着てみるのは、ちょっとしたスリルがあったりするものか?」
文香「……どうでしょうか」
-
文香「……しかしプロデューサーさんは、絶妙な露出具合が好きだと、小耳に挟んだものですから」
モバP「俺に見せるのが目的とは……アイドルの君たちも、さりげないアピール好きだよねえ」
モバP「そういう所は俺も好きだが」
文香「……それはプロポーズの言葉として受け取っても?」
モバP「面白いことを言いなさる」
モバP「あ、俺はワンショルダーもオシャレだなと思う。あとは片方だけ肩紐を掛けてみたり」
モバP「オフショルダーならタートルネックくらいのノースリーブと合わせるとこれも変則的で良い」
文香「……ほうほう、その手が……プロデューサーさんのフェティシズムは深いですね」
モバP「何か突然キャラ変わった?」
文香「いえ、全然……」
雪美「……こんにちは……あっ……! P……文香と……逢引?」
モバP「逢引や逢瀬とは違うよ。読書タイムが終わって息抜きの最中だ」
モバP「雪美も読む? マチルダは小さな大天才、という本だが」 ヨンダコトアル ナニッ!?
文香「……読書も良いですが、プロデューサーさんの観察も面白いですね」
-
172
モバP「雪美のランドセルは何故赤い〜」
モバP「それは緑じゃないからさ〜」
ちひろ「何言ってんだこいつは」
雪美「……P……来た……、今日も……よろしく……」
モバP「ほい、ではランドセルを下ろしてもらいまして」
ポスン
雪美「……雪美……着艦」
ちひろ「雪美ちゃんは艦載機だったのか……」
モバP「つまりわたくしは空母ということですわね」
ちひろ「やめろ気色悪い」
雪美「……航空機は……燃料ないと……飛べない……。だから……いっぱい……補給、して……?」
モバP「はいよ。今日も寿命が長く保つように80%の満タンで良いな?」 ウン
ちひろ「バッテリー式なのかよ!」
-
今日はここまで
長崎は今日も雨だった
-
173
モバP「日常とは異なる一風景」
モバP「山奥のバス停の待合所に座っている雪美さん」
雪美「……バスは……二時間に……一本……、そんな……秘境……」
雪美「……団長の……気持ちに……なるですよ……」
ニャー
雪美「あっ……猫……、……ふふっ……一緒に……待つ……?」
地猫・雪美「………………」
ブロロロ
雪美「? ……きた……!」
プシュー ガシャ
雪美「……○○……一緒に……帰ろう……?」
ちひろ「このPV、動画サイトに上げたら再生数が凄いことになっていますね」
-
174
雪美「……プロデューサー、さん……」
モバP「佐城さん、これが今日のスケジュールです」
雪美「……」
モバP「……雪美と敬語で呼び合うのはどうもしっくりこないな」
雪美「……」コク
モバP「フォーマルシーンや単純に仕事の場でタメ口を使っていると咎められても仕方がない」
モバP「だから使い分けるのだが、ついつい素が出てしまったりするな」
雪美「……難しい……」
モバP「でも、親しい年下の子が常に敬語で話してくるのはそれはそれでロマンはある」
モバP「言葉だけ敬語で態度は対等、もしくは少し上から目線なんてなかなか強烈よね」
雪美「……そうですね。はぁ……全くこの人は……、……こんな感じ……?」
モバP「雪美は理解が早いなあ」ナデナデ
ちひろ「ロマンとは」
-
175
モバP「年度末、卒業シーズンだなあ」
ちひろ「もう大方はその段階を過ぎて春休みに入っていますけどね」
モバP「この時期になると人の環境は常に新しく変化していく無常なものだと思い知る」
モバP「憂鬱ですよ……本当に」
雪美「……P……何か……あるの……?」
モバP「……実はな、俺……」
雪美「……」
ちひろ「まさか退職するとか異動するとか担当外れるとか言いませんよね?」
雪美「……えっ……」ジワッ
モバP「そんな安いドッキリはしませんって。雪美、悲しい顔をするのやめて心が痛い」
雪美「……いなくなるの……許さない……」ギュッ
ちひろ「罪作りな男ですね」
モバP「ちひろさんが不穏なことを言うからです」
-
ちひろ「まあ会社が絶対に辞めさせませんから要らぬ心配ですよね」
モバP「なにそれこわい」
ちひろ「あなたが会社の主柱になってしまっているということです。人柱ですね」
モバP「同僚を人柱呼ばわりする人がいますか」
ちひろ「でも責任感の強いプロデューサーさんは、そういう扱いも悪くないと思っている」
モバP「……///」ポッ
雪美「……P……やめたくても……やめられないの……?」
モバP「みんなと仕事や交流が出来て楽しいから辞めたいと思わない。役得ですもん」
ちひろ「下心満載じゃないですか」
モバP「というかそもそも辞める気なら年度末にいきなり言うのは社会人にあるまじき様ですよ」
モバP「遅くとも一ヶ月前には報告して充分な引き継ぎをしておかないと迷惑がかかります」
ちひろ「そこは真面目なのか」
雪美「……良かった……。Pが楽しいなら……みんなも……うれしい……」
-
モバP「……雪美」
雪美「……P……」
ダキッ
モバP「プロデューサー楽しい……ヤバい……へへ……」
ちひろ「利害が一致しているのは結構ですけど、ところで一体何に憂鬱だったんですか?」
モバP「おう、それそれ。実は昔から行きつけだった駄菓子屋さんがあるんですが」
モバP「そこが三月限りで辞めるそうで。おばあちゃん高齢だったし仕方ないのかなあ」
ちひろ「個人的な事過ぎませんかねそれは」
モバP「古いゲーム台とかもたくさん置いてあって今でもたまにアイドルたちと行っていたんですよ?」
雪美「……あそこ……無くなるの……? ……悲しい……」
モバP「冗談でしょうが、おばあちゃんから”お店継ぐならあげるよ?”って言われた時は心が揺らぎました」
ちひろ「……割とプロデューサーさん離脱の危機だったんですね」
モバP「雪美。最後にもう一回、遊びに行くか!」 ウン
-
176
モバP「雪美はプロデューサー業には興味ある?」
雪美「…………えっ」ポカーン
ちひろ「相手は何歳だと思っているんですか」
モバP「まだ早いのは承知で、雪美は俺の良き理解者だ」
モバP「俺の仕事をよく(膝上で)サポートしてくれるし、体力があって気が利いて度胸もある」
モバP「勿論、アイドルとして昇り詰めてくれるのが本望だが、もしも同じ道を志したいと思うのなら」
モバP「いつか一緒にプロデューサーをやってみたいものだな。見果てぬ夢だ」
ちひろ「修羅の道に誘うのはやめなさい」
雪美「……先のことは……分からない……けど……今はまだ……アイドルで……いたい……」
雪美「……でも……プロデューサーだったら……Pと…………ん、……何でも……ない……」
モバP「夫婦プロデューサーとかカッコいいよな」
雪美「……はっきり……言うの……ダメ……」コツン
ちひろ「こういうムードの時は正直席を外したいんですけど仕事があるし……」
-
177
杏「プロデューサーってさ」
モバP「ん、何だ?」
杏「雪美ちゃんと同衾したことはあるの?」
モバP「……アルヨ」
杏「声を上ずらせるならそこはせめて”ナイヨ”でしょ」
モバP「シンプルに同じ布団を被って休むくらいは、多少はね?」
杏「人畜無害だねえ。そこが良い所でもあるんだろうけどさ」
モバP「同衾(意味深)について聞きたいのであれば、分かりきったことじゃないですか」
モバP「それやっちゃうと犯罪。豚ボックスに入ることになるよ」
杏「モダンな言葉を使っちゃって……そっかぁ、思ったよりもまともだね」
モバP「まとものハードルが地面すれすれレベルに低くないですか?」
杏「そんなプロデューサーに当たって良かったと思うよ」
-
雪美「……P……レッスン……終わった……」
モバP「おかえり雪美。ちょっとやる気が欠乏しているんでハグさせてくれないか?」
雪美「……めっ」
杏「冷静に見ると最後の一線は越えていなくてもこういうのは結構アウトだよね」
モバP「ジョークで軽口叩き合っているようなものだと思ってもらえれば」
杏「思えないよ」
モバP「あっはい」
雪美「……杏と……Pは……息が、合っている……」
杏「友人だからね。その割には仕事では手心を加えてくれないのが不満かな」
モバP「君にはこれでも最大限好きにさせてあげているつもりだよ」
杏「杏だけ好きに出来てもプロデューサーが付き合ってくれないとなー。例えば同衾とかね」
モバP「そろそろ杏ちゃんには口を閉じていただきましょうかねえ」ハイアメ
杏「貰える物は貰っておく」パクッ
雪美「……どうきん……?」
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178
「「「ごちそうさまでした」」」
モバP「ロケの帰りに寄ってみた食事処だが、川のせせらぎが聞こえるのが実に落ち着くな」
モバP「水が絶えず流れる音を聞きながら寝たり休まると何か心が安らぐ気がするよ」
小梅「でも水辺は……良からぬものを……引き寄せるよ」
モバP「そんな話も聞くが、実際多いものなのか?」
小梅「うん。でも、プロデューサーさんは大丈夫……だと思うよ?」
小梅「見えない人は……あっちもそんなに、干渉できないから」
モバP「霊感ないんだよなあ。信じていない訳じゃないが心の底では信じきれていないのか」
小梅「ただ、見える人と一緒にいれば……つられて見えるようになるかも……えへへ」
モバP「OH……。って、雪美はさっきから大人しいがどこを見ているのかな」
雪美「…………」
雪美「! ……? ……私……今……何を……」
小梅「雪美ちゃんは……うん。何か強い力で守られているよね」
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179
雪美「……P……」
モバP「……?」
雪美「聞いた……。喋り過ぎて……のど……痛いの……?」
モバP「……」コク
雪美「分かった……。……今日は代わりに……私がいっぱい……喋る……」
モバP「……?」
雪美「……? ……大丈夫……私も……やる時はやる……」フンス
モバP「…………」
雪美「……ふふっ……喋らなくても……何となく……分かる……? ……遠慮しないで」
雪美「…………えと……あ……最近は……花粉が……多い? けど……大丈夫……?」
雪美「…………やっぱり……こういうのは少し……苦手……」 ナデナデ
雪美「ん……ありがとう……じゃあ……Pに……甘える」スリスリ
ちひろ「何か起きそうで何も起きないいつもの展開でした」
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180
モバP「桜が咲いているねえ。早いもんだ」
雪美「……きれい」
モバP「桜は散るのが早く、見頃はすぐに過ぎてしまう」
モバP「そんな儚さに美意識を見出すのが和の心と言えるのかな」
雪美「……」ジッ
モバP「ちなみに今の私の心は君のそのジャンパースカート姿にかき乱されているが」
雪美「…………Pは……儚くは……見えない……」キラキラ
モバP「言ってくれるなあ」
モバP「良いさ。俺は少し捻くれていてね、美化してもらえなくても長く咲き続けたいんだ」
雪美「……でも……その方が……安心……できる……」ギュッ
モバP「参った、雪美さんに手を繋がれると弱いんだよ」
雪美「……ふふ……これからも……ずっと……」
ちひろ「エンディングNo.180 『桜と共に』」
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今日はここまで
ここはどこの箱庭じゃ
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乙
同衾ネタを見てたら比奈せんせぇが添い寝に誘ってくる健全絵を思い出しました(スレチ)
https://twitter.com/fnfall1a1/status/958081835291918337
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181
モバP「おはよう雪美」
雪美「……P……! おはよう……」
雪美「これから……お仕事……行くの……? 私も……学校……」
雪美「場所はちがっても……いっしょだね……。途中まで……二人で……行こう……」
モバP「おお、良いねえ」
テクテク
モバP「……雪美は最近、感情表現が豊かになってきたなあ。よく喋るようにもなったし」
雪美「……そんなこと……ない……」
モバP「無表情クール系ヒロインはそのままでも良いが、それが心を開くとよりグッとくる」
雪美「……?」
モバP「だが人を属性・記号で見ている訳ではないぞ? 雪美は雪美だから好きなのだ」
雪美「……Pは……好きなものに……正直……だね……」
雪美「私も……もっと正直に……なる……」ダキッ
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182
モバP「日常の一風景」
モバP「首を傾げる雪美さん」
雪美「……」キョトン
モバP「あざとい」
雪美「……」クイッ
モバP「あっ、元に戻った」
雪美「……」
モバP「でも艶やかで滑らかなその髪が重力に沿って傾き垂れるのはたまらないものがあります」
雪美「…………」キョトン
モバP「あっ、また……。雪美の髪は量も多いせいか結構ダイナミックに動くねえ」
雪美「……」クイッ
ちひろ「雪美ちゃんは結構素で猫のような挙動をしますよね」
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183
ガチャ
ちひろ「こんにちは。新しいアイドルの子ですね?」
雪美「……うん」
ちひろ「担当になってもらうプロデューサーを早速、呼び出しますから少し待っていてくださいね」
雪美「……」
ちひろ「千川です。……はい。……ええ、そうです。来てもらえますか?」
ガチャ
モバP「来たぞ」
ちひろ「お早いですね。佐城雪美ちゃん、こちらがプロデューサーさんです」
雪美「……」ポカーン
モバP「私がプロデューサーのモバPだ。君のような年頃の子は初めてだが、これからよろしく」スッ
雪美(……丸太、みたいな……腕……、手も……大きい……)
雪美「……」ブルブル
-
ちひろ「あら、怖がらせちゃダメですよ? プロデューサーさんったら」フフフ
モバP「こんな外見だ。所属アイドルからは熊男と呼ばれているが、まあ最初は仕方あるまい」
雪美(……浅黒い肌……髭……鋭い目……)
モバP「まずはその天中殺か暗剣殺といった顔は私に全部預けて、笑顔の練習から始めようか」ギラッ
ちひろ「プロデューサーさんの笑顔、素敵です……」
雪美(……笑顔が……邪悪……すぎる……)クラッ
雪美(つっこみ……不在の……恐怖)
雪美(……たすけて)
――
ちひろ「こうならなくて済んだ今の世界は、絶妙なバランスで成り立っているのかもしれませんね」
モバP「雪美ならこれはこれで何とか適応していきそうだがな?」
雪美「……私を……買い被らないで……」
ちひろ「ところでプロデューサーさんはキャラ変えとかなさらないんですか?」 ナイデス
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184
モバP「たまに自分でも意外なくらい仕事に集中・没頭できて高揚感を感じる時はないか?」
凛「あるよ。言うなら、ゾーンに入る、って感じだね」フッ
モバP「あれは気持ちが良いよな。作業も捗るし」
凛「だね」
ちひろ「それを狙って発揮できるようになれたら良いんですけどね」
モバP「人間のやる気スイッチに通じるものがありますね。なかなか見つからないが」
ちひろ「第一あなたは普段から雑念が多すぎるんですよ。そりゃ見つからない訳です」
モバP「男は敷居を跨げば七人の敵ありとはよく言ったもんでござい」
凛「プロデューサーの敵は……内にありそうだね」
モバP「俺の中には傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲の七人の侍が」
ちひろ「それは七つの大罪だ」
凛「敵だらけ……それでも私たちは戦わないといけないんだ、現実と」
-
モバP「とりあえずゾーンに入っている最中は作業の手は区切りがつくまで休めない方が良い」
モバP「何かの拍子に接触が切れてしまうと、それまでの勢いが忽然と止まってしまう」
ちひろ「ただし止まろうがやる気が削がれようが、仕事は待ってくれませんけどね」
モバP「で、結局モチベーションが戻らないまま手を付けることもしばしば。乗りきれないのです」
凛「相当にマイペースだなぁ。……あっ、雪美だ」
雪美「……こんにちは」
雪美「……P……乗せて……?」ピョンピョン
モバP「……」
モバP「……いいぞ〜。こいこい」ニヘラ
ヒョイ ポスン
雪美「……」ムフー
凛「ぴょんぴょんは反則だよ……」
モバP「はぁー……何か雪美が乗ると余計な思考は全部吹っ飛ぶね」
ちひろ「なおその後のインプットが」
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185
雪美「最近……学校で……よく声を……かけられる……」
モバP「知名度的にはもう、ちょっとした有名人さんではあるだろうからな」
雪美「……少し……うれしい……」
モバP「良かったなあ。雪美は見てくれも良いから隙が無い」
雪美「……良くしたのは……P……」
モバP「せやろか? まあ芸能活動を始めて垢抜ける子は多いから間違いでもないか」
モバP「プロデューサーはシンデレラに魔法をかける魔女のようだとか誰か言っていたな」
雪美「Pが……魔女……」ジッ
雪美「……ふふっ」
モバP「笑うな」
雪美「……でも……Pは……王子様……の方が……合ってる……」
モバP「王子様、か」
モバP「俺は裏方側の人だから王子様役としてはどうなんだかな」
-
雪美「シンデレラが……がんばるのは……王子様の……ため……」
雪美「……私も……Pのためなら……がんばれる……」
モバP「雪美……」ジーン
モバP「ただそれだと魔女がちょっと立場がないから……魔女と王子様は実は繋がっているということで良いかな?」
ちひろ「何だその新解釈」
モバP「で、そんなシンデレラの体現とも言える雪美さんは現在上下ともジャージで膝の上な訳ですね」
雪美「……たまには……がんばらない……シンデレラ……」キラキラ
モバP「頑張らないのにこんなにキラキラできるとは……やはり天才か」
モバP「それにしても学校生活は上手くやれているようで何よりだ」
モバP「俺からすると有名故に高嶺の花として周りから距離を置かれたり遠慮されたりしないのかと思うが」
雪美「……みんな……エリート……だから……浮いてない……」
モバP「個性が特別にならない良い環境にいるんだなあ」
ちひろ「やさしい世界……なのか?」
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