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モバP「雪美さんといっしょ」
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あと、割となんでもありです
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サンタ「感激して泣きながら帰って行きおったわい。こういう時の為のケーキじゃ」
こずえ「ないすあしすとー……」
雪美「……Pは……何をしているの……?」
サンタ(モバP)「ばれたか」
芳乃「隠す気はありましてー?」
モバP「一応は、ねえ?」
雪美「……心配……した」モフッ
モバP「すまなかった。この時期は毎年、近所の幼稚園や老人ホームでサンタさんをやっているんだ」
芳乃「よき心掛けですー」ヨシヨシ
こずえ「ぷろでゅーさー……せいぎのみかただねー」
モバP「正義の味方になりたかった名残だねえ」
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モバP「ここからは一緒に帰ろうか。報酬としてケーキも貰っておいたぞ」
雪美「イチゴ……?」
芳乃「チョコレート……?」
こずえ「ちーず……?」
モバP「開けてビックリ玉手箱、中身は見てのお楽しみだ」
モバP「……或いはモンブランかも?」
芳乃「そなたも楽しみなのですねー」
雪美「……ふふ……クーラーバッグを持った……サンタさん……」
モバP「さすがにケーキは大きな袋では運べないからな」
モバP「ちなみに今夜はケーキとは別に、本場のノルウェーサンタを参考におかゆを食べるつもりでな」
こずえ「ひとつぶだけ……あーもんどをいれるんだねー」
モバP「そうそう、洒落ているのよ。で、幸運のアーモンドを当てるチャレンジャーをただいま募集中だ」
雪美「チャレンジ……する」 ワタシモデシテー コズエモー
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モバP「クリスマスと言えばサンタですが、この前見たんですよ」
ちひろ「何をですか?」
モバP「グリーンサンタです」
ちひろ「環境保全をテーマにしたそういう方々もいますね」
モバP「一般的に赤だったり別の色のものが、稀に緑だったりするとワクワクしませんか?」
ちひろ「スポーツカーとか某新聞の題字とかですか? ……ちなみに私は?」
モバP「ちひろさんは普段から緑基調なので特には。目には優しいですね」
ちひろ「言ったな? じゃあ赤いドレスでも着たら平伏しますか?」
モバP「赤は攻撃色でもありますからねえ。赤が緑に変わるとゴーサインですが、逆は……」
ちひろ「私が年中ゴーサインみたいに聞こえますけど」
モバP「えっ、ちひろさんにゴーしても良いんですか?」
ちひろ「馬鹿言っちゃいけねえや」
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雪美「また二人……いちゃいちゃ……している」
ちひろ「していません。雪美ちゃん側からそう言われる日が来るとは思いませんでした」
ちひろ「ふん、いいですよーだ。プロデューサーさんには私のサンタ姿見せてあげませんから」
雪美「……」キラキラ
ちひろ「って、雪美ちゃんがサンタしてる!?」
モバP「ああ〜」
雪美「……ちひろさんも……サンタに……なろう」
ちひろ「うう……かわいい」
――
ちひろ「なっちゃいました」キラキラ
モバP「即落ちいいですね!」 ソクオチイウナ
モバP「しかし、こうして揃うと仲の良い姉妹みたいです」
雪美「ちひろ……姉さん?」
ちひろ「……///」 ナゼテレル
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モバP「こうして乗せて抱き締めていると、雪美はぬくいな」
雪美「……」
モバP「賢者の時間か」
ちひろ「言い方」
ちひろ「それにしてもお二人はスキンシップが好きですね」
モバP「言葉にされると恥ずかしいです」
ちひろ「言葉にされなくてももう少し羞恥心を持った方が良いかもしれませんよ?」
モバP「そうですね。実際そんなに質量を感じたいとか、体の繋がりを求めているという訳ではないです」
ちひろ「言い方」
モバP「やっぱり心……ですか。心が近い所にあるから安心すると言いますか」
ちひろ「率直に言って変態だと思います」 エー
雪美「…………落ち着く……」
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モバP「雪美、おはよう」
雪美「! ……P、どうしたの……? 胸、大きいし……髪、長いし……美人さん……」
モバP「俺って人外じゃない? 実は割とその通りで、性転換もできることを失念していた」
モバP「ほら。体格は少し頼りないが、乗ってみるか?」ポンポン
ポスン
雪美「…………ママ……みたい……不思議……」
モバP「やっぱりこっちだと雪美はちょっと大きいなあ。じゃあ、今度は膝枕はどうだ?」
雪美「……」ゴクリ
――
ハッ
雪美「……夢……? ……でも……わるくない……かも……?」ポー
ちひろ「雪美ちゃんが今まで見たことない類の恍惚な顔をしていますね……」
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今日はここまで
ホットココアで
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モバP「冬は外を歩く猫を見かけなくなる季節だ」
モバP「温暖な頃にはよく見かけたあの子も、寒くなると消える」
モバP「あの子は冬を越せるのだろうか……」
雪美「不吉なモノローグ……だめ」
モバP「ごめんな。しかし雪美さんも、ある時ふいっとどこかに旅立ってしまわないだろうか」
雪美「……私は……どこにも行かない……」
雪美「だから……Pも……どこにも行かないで……」ギュッ
モバP「行くつもりはないよ。大人は止むを得ず嘘を吐かなくてはいけない時もあるが、俺の意思はその一点だ」
雪美「これだけは……絶対……約束……」
モバP「ああ。この約束が儚いものとならないように」
雪美「……はかない?」
ちひろ「人の夢と書いて、儚い」 オイ
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モバP「必要ないのに”あ、これ欲しい”と思うことがあるよな」
雪美「……ある」
モバP「以前そう思って、でも持ち合わせが無くて結局諦めた物をある日見つける」
雪美「……?」
モバP「買ってしまったんだよ……天空の城ラピュタの飛行石」ホラ
雪美「それが……欲しかったの……?」
モバP「飛行石だよ? ロマンがあると思いませんか? 浪漫飛行ですよ?」
ちひろ「米米CLUB知らないでしょ」
雪美「……でも……かっこいい」
モバP「ラピスラズリ、つまり翡翠で作られているらしいな。あ、ちょっと石の上に手を重ねてもらって良い?」
ポン
雪美・モバP「……バルス!」
ちひろ「目が、目がー! って、何言わせるんですか」
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モバP「冬と言えばこたつだぁ」ヌクヌク
雪美「うん……」ヌクヌク
モバP「小さい頃は潜り込んで隠れるのが好きだった」ミカンドウゾ
モバP「知らずに入って来た親を脅かしてみたりしてな」
雪美「息……苦しく……なかった?」ムキムキ
モバP「平気だった。体が大きくなってしまった今ではそんなことも難しいなあ」
雪美「……」パク
モバP「思えば好奇心が強かったんだな。そして自分のスペースを求めていたというか」
モバP「狭い所が落ち着くから押入れで寝てみたり、段ボールのトンネル迷路や隠れ家に憧れたり」
雪美「……男の子……ね」クス
モバP「そういう雪美さんも満更でもないのでしょう?」
雪美「……私も……隠れるのは……好き……」
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雪美「……P……そこにいて」フキフキ
モバP「どうした? あっ……ふーん」
ゴソゴソ ゴソゴソ
雪美「……ばあっ」
モバP「……おいっす」
雪美「……こんにちは」
モバP「……ははは」
雪美「……ふふ」
――
モバP「そしてこたつに入っていても俺の上に座る雪美さんであった」
雪美「……みかん……おいしい」アム
ちひろ「私も子どもの頃はああして伯父さんに……って、何してるんですか!」
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杏「おっす」
モバP「おう、杏か。どうした?」
杏「……雪美ちゃん、今日はいないんだね」
モバP「そうだな。寂しい寂しい」
杏「ダメだよー。最近プロデューサー、雪美ちゃんの時間を独占しすぎてない?」
モバP「……そう言われると、そうかもなぁ……いや、そうだ」
杏「いくら親しくても、親子、家族との時間はしっかり過ごさせてあげるべきだよ」
杏「個人差、環境差はあると思うけど、まだ小学生だもん。甘えたい、甘えさせたい時期だよね」
モバP「ああ。俺がわがまま言っちゃいけないな」
杏「ということで今日のプロデューサーは杏の貸し切りね」
モバP「寝取りですか」
杏「サボりだな」
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杏「よっと」ポスン
モバP「杏は雪美とほとんどサイズ変わらないよな。おいくら?」
杏「企業秘密なんでお答えは差し控えさせていただきます」
杏「……プロデューサーはさ」
モバP「ん?」
杏「親の言うことやることが何でも正しい訳ではないと知った時、どうした?」
モバP「そうだなあ。今思えばすぐ収まった気がするが、反抗期になった、かな」
杏「……そっか」
モバP「杏の場合は?」
杏「無気力になっちゃった」
モバP「ある意味反抗だが、達観しちゃったという方が近いか」
杏「どうかなあ」
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モバP「いわゆる典型的なダメ親ならいざ知らず、ずっと尊敬できる親だったならそれこそ」
モバP「ある時に”これは間違っている”という部分を感じ取ってしまうと、辛いんだろうな」
杏「分かんない。今でも尊敬する気持ちはあるんだけど、揺らぎやすくなったっていうかね」
モバP「親じゃないが俺に対しては?」
杏「プロデューサーは子どもが反面教師にするタイプの親だろうね」
モバP「おお、もう……」
杏「保護者がよく出来過ぎてると甘えたまま成長しないかもしれないし、頼りないくらいが良いよ」
杏「まあ、プロデューサーが頼りないとダメか」
モバP「せやな」
モバP「もし親がコミュ力の塊で、でも自分がコミュ障で孤立してるなんて知ったら」
杏「あっ」
モバP「悲しみそうだから、俺は恐らくそういう外でのことは親に相談しないな」
杏「それダメなやつ」
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モバP「自分なりにいい顔を作ろうとして、小さな無理がどんどん積み重なって、やがて自己破綻を招く」
杏「あー」
モバP「結局ね、あたしに言わせりゃ、親より優れた子はいないし、子より優れた親もいないのよ」
杏「矛盾してるよ」
モバP「だから周りに期待し過ぎず、期待させ過ぎずに生きていくのが一番さ」
ニャニャニャンニャニャニャン
モバP「おっと、雪美からメールだ」
杏「変な着信音だね」
モバP「双子のケットシーだよ。何々……浮気してない? だって?」
杏「……」ジッ
モバP「……」ジッ
モバP「してないよなあ?」
杏「飴で手を打とうか」ニヤッ
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雪美「……」キラキラ
モバP「ヘッドドレスから裾までリボンとフリルたっぷりのゴスロリのドレス」
モバP「この雪美さん膝に乗せたい。いやむしろその姿で仰向けに寝た俺の上に覆い被さってほしい」
雪美「! ……」ササッ
ちひろ「警戒してるでしょ。あまり変なこと言うと拘束しますよ」
モバP「ごめんよ。いやぁ、いつ見てもお人形さんみたいで見事な姿だが、若干メイドっぽくもあるな」
モバP「年末と言えば大掃除、掃除と言えばメイド。この時期にぴったりだ」
ちひろ「ヘッドドレスがメイドを連想させるんですかね」
雪美「……」チョンチョン
モバP「自分で触ってみているな。しかしヘッドドレスやヘアバンド、良いですなあ」
雪美「……カチューシャ、は?」
モバP「カチューシャとかカチュームとかはヘアバンドの一種らしいね」
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モバP「それにしても昔ほどヘアバンドでおでこを見せる子をあまり見かけなくなった気がする」
ちひろ「普通に七三分けのような髪型で見せている子はよくいますがね」
モバP「髪を下ろす時のように、外した時に女の武器になるのに」
ちひろ「もう結構前ですけど、けいおんの田井中律とかですか」
ちひろ「でも、そういう世の男性方が求めるいわゆるギャップ萌えって、女の子の本質が見えていないのでは?」
モバP「そんなつもりじゃないんですがね。アクセサリーとしても良いと思いますよ」
ちひろ「まあ、時代の移り変わりはありますから、もしかしたらまた流行るかもしれませんね」
雪美「……私の……髪型は……?」
モバP「雪美さんは、言うならぱっつんかな? 髪型って様々だから一言で説明するのは大変だよ」
雪美「……ぱっつん……」
モバP「どれ、じゃあ話のついでにちょっとおでこ見せてごらん? ふひひ」
雪美「! ……」ササッ
ちひろ「とりあえずあなたの額には冷えピタ貼っときましょうかね」 ギャーツメタイ!
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モバP「足を蹴り合う仲って羨ましいと思わないか?」
悠貴「足癖が悪いのは良いことじゃないですっ」
モバP「そうだけども。ほら、向かい合った机の下でつんつくつんつんと」
悠貴「つんつくって……私はもっとキック的なそれかと思いましたっ」
モバP「昔聴いていたラジオの男女コンビのパーソナリティーが」
『こうやって話をしていますけど、机の下では足を蹴り合っていますから。ふふ』
モバP「それを聴いてすごいほんわかしてしまったのが忘れられないの」
悠貴「じゃれ合う感じですねっ! 良いっ!」
雪美「……足の長さが……足りない……」
雪美「……悠貴……任せた」
悠貴「任されたっ! ……えいっ! えいっ!」コツッコツッ
モバP「やったなこいつぅ」
ちひろ「何か違うけどこれはこれで微笑ましい」
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モバP「君たちの今年やり残したことを聞こう」
モバP「まずありす」
ありす「はい。大晦日に、Pさんと過ごせないことですね」
モバP「ありす……」ブワッ
モバP「でも、時系列的にまだ訪れていないことをやり残したと言うのはどうなんざんしょ?」
ありす「それもそうですね。では、去年の大晦日に、Pさんと過ごせなかったことです」
モバP「ごめんなぁ……」ブワッ
モバP「次に凛」
凛「はい。私は、プロデューサーを犬派に引き込めなかったことかな」
モバP「いや、犬も好きなんすよ。好きなんすけど、だけどやっぱりマ・マーのスパゲティ」
モバP「ねぇ知ってる? スーパーマリオの大好物って、キノコじゃなくてスパゲティなんだって」
凛「知ってるよ」 マーイーニーチーヒトーツー
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モバP「……」
凛「……」
モバP「……凛の目は優しいな」
凛「……ふふっ、何言ってんの」
モバP「次に輝子」
輝子「フヒ。私は……プロデューサーと初体験できなかったことだぜ! ヒャッハー!」
モバP「してはいけない(戒め)」
輝子「いけないのか……? 初体験……」
モバP「おっと、変な意味での初体験でないなら良いんだぞ? おかわりもいいぞ!」
輝子「……親友の……おかわり……お腹いっぱい……フヒヒ」
モバP「一体何の初体験なんだ」
輝子「……その時が来たら、な」
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モバP「次にあやめ」
あやめ「はっ! あやめはですね、ダーツがあまり上達しなかったことですね」
モバP「お前……みんな俺関係のことばかり言うのに、しっかり自分のことを言うとは」
あやめ「えっ、えっ? もしかして今回はそういうアレですか!?」
モバP「偉いぞ。このまま俺ネタで埋め尽くされるのかちょっと怖かったんだ」
あやめ「えへへ♪ 嬉しいです――って、ダーツに突っ込んでくださいっ!」
モバP「またまた、君の得物は手裏剣とクナイでしょ」
あやめ「投げる練習ですよっ!」
モバP「次にこずえ」
こずえ「はーい……とっぷあいどるに、なれなかったことー……」
モバP「真面目だぁ!? 力不足ですまない!」
こずえ「でもー……とっぷあいどるって……ひとりだけー?」
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モバP「ナンバーワンじゃなくてオンリーワン。誰か歌っていたがな」
モバP「同じ方向性からトップを超えられる一人だけしか成れないものではあってほしくない」
モバP「てっぺんがいくつもあるタイプの王冠のように、それぞれが個性でトップに立てば良い」
こずえ「こせい……よーし、がんばるのー」
モバP「次にみく」
みく「はい。Pチャンにご飯作ってあげられなかったことかにゃ」
モバP「気持ちだけ受け取っておくさ。ありがとう」
みく「照れるよ……って、素直だね。嫁さんと似てきたかな?」
モバP「似てると言っても伊吹吾郎と宇梶剛士並に似てる訳じゃない」
みく「その例え分かんないよ!」
モバP「ちなみにお魚の克服は?」
みく「やっぱこの人ダメだにゃ」
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モバP「七海ちゃん」
七海「七海ちゃん言うな。そうれすね〜、プロデューサーと海で泳ぎたかった!」
モバP「普通だな。……今から泳ぎに行くか?」
七海「行けるかい! ……って、何水着に着替えてるんれすか! え? もう出番終わり!?」
モバP「今から海に行くことになったが、最後に雪美」 エエッ!?
雪美「私は……仁奈と……お泊まり……したかった」
モバP「結構個人的なことだったかー。今度それとなく掛け合ってみておこう」
雪美「……ありがとう……そして……水着……寒そう」
モバP「何のピロシキ。……雪美さんは、今年は良い一年だったかい?」
雪美「うん……!」
モバP「ああ〜、キラキラしているなあ」
モバP「ということで今回は強引にお開き。また来年」
雪美「ばいばい……」
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モバP「今年もこれで仕事納めか。はい、終わり」
ちひろ「お疲れ様でした。これ、元気が出るように、サービスです」
モバP「ドリンクですか。ありがとうございます」
キュリッ ゴクゴク
モバP「優しい味がしますね。お姉ちゃんの味というか」
ちひろ「何を頓狂なことを言ってるんですか」
ちひろ「そしてこれは雪美ちゃんからです。一年の労いの気持ちをなるべく簡素に表してもらいました」
モバP「イチゴ大福! 大好物なんですよこれ。あんこの甘さとイチゴの酸味の不思議な出会いが」
ちひろ「はいはい。どうぞおあがりよ」
パク
モバP「……イチゴ、美味しいなあ」ホロリ
ちひろ「では、良いお年をお迎えください」
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今日はここまで
彼こそが海賊
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乙
伯父×ちひキテル……?
唐突に出てきた乙倉くんがメッチャ微笑ましい
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91
モバP「あけましておめでとうございます、佐城雪美さん」
雪美「あけまして……おめでとう」
モバP「今年もよろしくお願いします」ペコリ
雪美「……うん」
モバP「さて、皆にも渡していますが、はい――心ばかりのお年玉です」
雪美「……ありがとう……」
モバP「さて、目上的なことはここまで。おかえり雪美」
雪美「……」(つ゚-゚)つ
ヒョイ ポスン
モバP「定位置に戻ってきたな。これぞ実家のような安心感」
雪美「……重くなって……ない?」
モバP「ないよ。でも正月太りが心配なら後で一緒にトレーニングしようか」 ウン
ちひろ「ああ、日常に帰ってきたんだなって」
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モバP・雪美「……」 ←合体中
雪美「……P、……少し……姿勢を変えたい」
モバP「分かった」
ゴソゴソ モゾモゾ
雪美「……ここは……もう少し……こう」
モバP「あっ、そこはやめろくすぐったい」
雪美「……動かないで」
ゴソゴソ モゾモゾ
雪美「……できた」
\理想の座り心地/
雪美「……♪」スリスリ
ちひろ「寝床を整える猫みたいですね」
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93
モバP「雪美は初詣には行ったのか?」
雪美「うん……着物で……」
雪美「おみくじは……大吉」
モバP「それは良かったな。業界人たるもの、やっぱり行かないとな」
雪美「……行ってない……の?」
モバP「あああああああああ!! 忘れてたああああ!」
ちひろ「ええ……」
モバP「まあ、絶対に行かなくちゃいけないものでもないと思うんだ」
ちひろ「おいおい」
モバP「なので、行ったつもりになってこの梅ヶ枝餅でも食べましょうか」
雪美「おお……おいしそう……」
ちひろ「どちらに行ったつもりですかそれは。あ、温めましょうね。それとお茶も」
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――
雪美「おいしい……」モグモグ
ちひろ「熱いお茶請けに良いですね」
鈴帆『年始に大宰府天満宮に行ったけん、Pしゃんへのお土産たい』
モバP「って渡されましてね。ありがたいことです」
モバP「しかし大宰府みたいな大きい所に初詣、良かですなあ」
ちひろ「今から行けば良いじゃないですか。三が日は過ぎましたけど」
モバP「おみくじとかまだ買えるんですかね? 露店はもう無いだろうなあ」
雪美「……P……私……Pの分……持ってきた」ハイ
モバP「なんと! ありがとう……おっ、これは招き猫おみくじじゃないか。開けるぞ?」
雪美「……」コク
テレレレテレレレテレレレテレレレ ゴマダレー
モバP「おお、黒猫だ」
-
モバP「黒は家内安全か。一人暮らし中ではあるが、大切なことだな」
雪美「私たちも……Pの……家族のつもりで……いる……」
モバP「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」ナデナデ
ちひろ「その家族には私も含まれているんですか?」
雪美「うん……」
ちひろ「……雪美ちゃんが言うなら仕方ないですね」
モバP「照れちゃってー。ちひろさん、雪美には甘いですよね」
ちひろ「あなたにも充分甘いつもりですよ? プロデューサーさん」
ハハハハ フフ
雪美「それにしても……Pは……黒猫に……好かれる……」
モバP「本当になあ。でもそれは多分、雪美に出会ってからだぞ?」
雪美「……あっ」
ちひろ「お二人の甘々な関係には今年も敵いそうにないですね」
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94
ペチャクチャ
茄子「あ、自動販売機ですね。何か飲んで帰りましょうか」
ほたる「そうですね……」
雪美・モバP「賛成」
茄子「私はなっちゃんにしまーす」チャリン ピッ ゴトッ
ピピピピピ オオアタリ! モウイッポンエランデネ
茄子「ナイスですね〜、雪美ちゃん選んで良いですよ♪」
雪美「ありがとう……。カルピス……」ピッ ゴトッ
モバP「良かったな雪美」 ウン
ほたる「さて、私は……お茶にしようかな」チャリン ポチッ
シーン
ほたる「…………えっ」
-
ガチャ ガチャ シーン
モバP「釣りも出ない……飲まれたか。おのれウチのほたるを曇らせるな自販機めが」
ほたる「良いんです……このくらい」
モバP「このお茶が欲しかったんだな?」チャリン ピッ ゴトッ
モバP「はい。……コイツには後で俺からきつく言っておく、……なんてな」
ほたる「あ、ありがとう……ございます。……えへへ」パアッ
モバP「良い笑顔だぞ」
ゴクゴク
モバP「茄子は当たりを雪美にあげた、ほたるはお金を飲まれた、俺は代わりに一本買った」
モバP「これで三方一両損。大岡越前の名裁きと相成った訳だな。ハッハッハ」
茄子「でも、プロデューサーは飲まないんですか?」
雪美「はい……P」
モバP「てんきゅー」ゴクゴク
茄子・ほたる「何て自然な回し飲み……良いなぁ」
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95
奈緒「Pさんは年末年始は何をしていたんだ? 初詣に行かなかったとは聞いたが」
モバP「もう広まっているのか……年末は七海と一緒に南半球の海に泳ぎに行った」
奈緒「本当に行ったのか……」
モバP「時間が時間だけに強行日程だったがな」
七海「本当、何させてるんれすかね〜、この人は」
雪美「……照れてる?」
七海「……///」
モバP「後は仕事して、休みは実家に顔出して、しっかり食べて、寝て、楽しんで来たよ」
奈緒「七海に変なことしてないよな?」
モバP「甘やかしはしたな。二人きりだと結構デr」
七海「プロデューサー?」ツネリ
モバP「あう」
-
奈緒「……まあこの人なら大丈夫か。普段は雪美とベタベタだし、人外だし」
雪美「……人外……」ジー
モバP「公然と人外呼ばわりはやめてくださる?」
雪美「奈緒は……休みは、何をする……?」
奈緒「積みアニメの消化をな……」
モバP「忙しくても趣味に妥協をしない所はさすが奈緒だな」
奈緒「あたしは時間の使い方が上手すぎるPさんが羨ましいんだけどな!」
モバP「そりゃ人外だからな」
七海「自分では言うのか……」
雪美「……P……今度、奈緒にも……付き合ってあげて」
奈緒「いや、別にいいよ。一緒に見るのは恥ずかしいだろ?」
モバP「はたらく細胞にする? それともちおちゃんの通学路?」
奈緒「ガッツリ見る気だな!? いいってば!」
七海「……真に恐ろしいのは人外を手中に置く雪美ちゃんかもしれないれすね〜」
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96
礼「P君になぞなぞよ」
モバP「はい」
礼「Hになるほどかたくなるものは何だ」
モバP「鉛筆」
礼「男性が体の真ん中にぶら下げてるものは何だ」
モバP「ネクタイ」
礼「刺激を与えたりすると大きさが六倍になることもある体の器官は何だ」
モバP「瞳孔?」
礼「……こういうのは真顔で解答しちゃダメよ?」
モバP「アイドルがからかってくることも多いので、変に取り乱して墓穴を掘りたくないんです」
雪美「……P……パスポートの、性別・SEXがFって……どういう意味……?」
モバP「えっ/// えっと、その……」
礼「でも不意打ちには弱いのね」
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97
モバP「何だかんだあって成人式。雪美も大きくなったなあ」
モバP「大正浪漫な女子袴も良いが、やはり振袖よな」
雪美「……」キラキラ
モバP「はんなり京美人、よう似合うてはりますわ。あ、皮肉やあらしまへんよ」
雪美「……またそうやって、茶化すんだから……いけず」
モバP「しかし俺も十年も経てばすっかり中年のおっさん。歳は取りたくないもんだよ」
雪美「……ごめんね……Pと……結婚……できなくて」
モバP「そんな顔しない。楽しかったこれまでの時間を気まずい思い出にはしたくないだろ?」
雪美「うん……行ってくるね」 テクテク
――
モバP「うーん……雪美、幸せになれよぉ……zzz」
鈴帆「起きんしゃいPしゃん、鈴帆が来たばい?」ユサユサ
ちひろ「いや、そこに跨るのはまずいですよ鈴帆ちゃん……」
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今日はここまで
行けるところまで
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98
雪美「P……」スッ
モバP「あっ」ピクッ
雪美「……耳……冷たい」
モバP「外歩いて来たからな。雪美はどうだ?」スッ
雪美「……」キョトン
モバP「おっと、こっちは猫耳か。自然過ぎて思わず間違えたよ」スッ
雪美「やっ……」ピクッ
モバP「お互い様だ。……雪美は全体的に温かいな」
雪美「……Pは……二回さわった……おかえし」ギシッ
モバP「近いよ雪美さん」
雪美「……耳……温めてあげる」ハー
ちひろ「私も拳を温めといた方が良いですかねえ?」
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99
モバP「レッスンが上手くこなせなかったか」
雪美「……うん」
モバP「そんな日もあるさ」
雪美「……」
モバP「前を向いて行こうぜ。きっと君なら乗り越えられる」
モバP「……と、無責任な言い草かもしれないな」
雪美「……そんなことは……ない」
モバP「技術的にあまり突っ込んだアドバイスはできないが、大切なのは失敗から目を背けないことだ」
モバP「何でもこなせて当たり前、ではないからな。目標ができたと思おう」
雪美「……うん。……目標……」
モバP「それを超えた先に、達成感があるはずだ」
ちひろ「良いことは言っている風でも膝の上に座らせていると絵面がね……」
-
100
雪美「……」ジッ
モバP「……?」
雪美「……P……高い……」
モバP「それは何というか……ごめんなさい?」
ちひろ「何でもすぐ謝るのは良くないですよ」
モバP「はい」
雪美「……」
モバP「確かにこうして立って面と向かい合うと、俺は視線を下げ、雪美さんは見上げることになる」
モバP「……ならば、しゃがんでみる」ストン
オイデオイデ
ちひろ「犬を呼ぶ飼い主の図」
雪美「違う……そうじゃない……」
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雪美「……Pと……入れ替わって……みたい……」
モバP「君の中に入ってその目から僕を覗いたらちょっとは物分かりが良くなるのかしら的な?」
ちひろ「今夜月の見える丘にかな?」
モバP「入れ替わることはできないが、代わりにこの脚立に乗ってみないか?」
ちひろ「それは年末の掃除に使ったやつですね」
トン トン トン
雪美「おお……高い」
モバP「今の雪美さんは俺より高いぞ。足元は気をつけてな」
雪美「うん……。……でも……P……来て」
モバP「ただいま参りまする。……ここで良いかな。……ん?」
ナデナデ
モバP「ああ……何と心地良い」
雪美「……Pのように……上から……こうしてみたかった……」
ちひろ「念の為に脚立を支える係やめても良いですかね?」
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101
モバP「クラリスさんじゃないですが、糸目の人って底知れない怖さがあるキャラにされがちですよね」
ちひろ「そんなこと言って良いんですか? クラリスさんがこっち見ていますけど」
モバP「えっ」
雪美「……?」
ちひろ「本気にしましたか?」
モバP「驚かさないでくださいよちひろさん」
ちひろ「まあ、そうやって勝手にイメージを膨らませて怖がったりからかったりするのは良くないのでは」
ちひろ「そういうの、風評被害って言うんですよ」
雪美「……ふうひょうひがい……ダメ……」
モバP「一理あるな。クラリスさんはクラリスさんだ」
ちひろ「でも、どうして糸目がそういうイメージになるのかは興味ありますよね」
モバP「下敷きとなるインパクトの強いキャラクターがどこかにいるんでしょうが」
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モバP「糸目にもカーブ系とまっすぐ系と釣り目系があって、怖いイメージを作るのは釣り目な気がします」
ちひろ「キツネ目ってやつですか。キツネは昔から人を化かす動物とされてきましたからね」
モバP「タヌキもそうなんですが、どうも見た目のせいか大らかなキャラクターにされがちと言いますか」
ちひろ「キツネはシャープですからね。更にはお稲荷さんとか九尾とか格の高そうな伝承が多いですし」
雪美「……私は……キツネと……タヌキ……どっちだと……思う?」
モバP「雪美さんは、強いて言うならキツネに近い動物なんじゃないかな」
ちひろ「動物言うなし」
モバP「でもキツネを擬人化すると大体金か、銀髪寄りになりますねえ。塩見の周子さんのような」
ちひろ「周子ちゃんがこっち見ていますよ」
モバP「二度も人を担ごうとしたってそうはいかねえや」
周子「お腹すいたーん♪」
モバP「今度は本当にいたよ」
-
周子「なになに、何の話してるの?」
モバP「教えてあげるから、ちょいと薄く目を閉じて笑ってみて」
周子「何されるのかなー? はい、これでいい?」
モバP「ん、穏やかで優しい顔に見えるな」
少女説明され中……
周子「なるほどねー、糸目かー。……んー、シューコちゃんもと思ったけどダメ。前が見えねェ」
モバP「やろうと思ったら大変なんだよな糸目って」
ちひろ「クラリスさん、あれで普通にしているのはやっぱり凄いのかもしれませんね」
周子「……糸目とは違うけど、雪美ちゃんの目も、強く訴えかける力を持っているよね」
雪美「……」ジッ
周子「むむ……おやつ食べたい? あたしもなんだよねー。という訳でPさんどこか連れてって?」
モバP「君が食べたいだけなんとちゃいます?」
雪美「たいやき……食べたい……」 ホラ
-
102
モバP「見よ、この筋肉美を」
雪美「……」(゚△゚)
モバP「栗みたいな口しやがって」
ちひろ「呆れているんですよ。というか事務所で服を脱ぐな」
モバP「いや、話の流れで見たいと頼まれたものですから」
ちひろ「自重してください」
雪美「……ちひろさん」
ちひろ「どうしましたか?」
雪美「……私も……あんな風に……なれる……?」
ちひろ「やめておいた方が良いですよ」
雪美「……いつか……Pを、肩車……してあげたい……」
ちひろ「雪美ちゃん。その志はともかく優しい心だけは捨てないでね」トオイメ
-
103
比奈「プロデューサー。今ちょっとネタに詰まっていまして……何か会心のアイデアはないっスかね」
モバP「触手純愛なんてどうだい」
比奈「アイドルに何てものを描かせる気っスか」
モバP「いや、荒木先生はR指定系もいけないことはないのでしょう?」
比奈「割とダメです」
モバP「なら、純愛なんで健全ソフト路線でも良いのよ」
比奈「プロデューサー、そういう性癖をお持ちなんっスね……」
モバP「モンスターと心通わせる系のが好きなだけで他意はないよ?」
比奈「本当っスか……? 描くとしたらギャグっぽく、ですかねえ」
モバP「良いね。今時は女騎士とオークなんかもギャグに走ることが多いし」
比奈「ただ、そういうのは結局エグい本元をリスペクトした上での面白さではないかと」
-
比奈「例えば触手とじゃれ合うにしてもどうするか、ですねえ」
モバP「まずは服を脱ぎます」
比奈「えっちぃのは嫌いです」
モバP「液でじわじわ溶かす触手くんは三下ですよ。服が勿体無いじゃないですか」
比奈「そういう問題ですか」
モバP「そしてお風呂で体を丁寧に洗ってあげましょう」
比奈「ペットか何かっスか」
モバP「あとはリラックスしてきたところにお酒でも勧めれば、気分よく絡んできてくれます」
比奈「絡み酒っスね」
モバP「……」
比奈「……もうちょっと真面目に考えてもらえませんかね」
雪美「みんな……仲良しが……一番」
-
104
カチカチ
雪美「P……何を……調べているの?」
モバP「日本海側の天気と学力の関係」
ちひろ「また結構どうでも良いことを調べていますねえ」
モバP「特に北陸ですね。金沢では弁当忘れても傘忘れるな、なんて言うそうで」
ちひろ「天気が悪い日が多いとインドア活動が中心になって勉強に熱が入るのでは? ですか」
モバP「はい。石川県は学力テスト一位だそうで、ひょっとしたらそういう関連性も? ……と」
雪美「P……」
モバP「何ですか雪美さん」
雪美「真面目に……お仕事した方が……良いと思う……」
モバP「よし、やるぞ! まずはこの書類を片づけるんだ!」
ちひろ「雪美ちゃんが煽ってくれると素直なんですよねえ」
-
105
モバP「雪が積もったので雪合戦でもしないか?」
ペロ「ニャー」
雪美「お断りします……」モゾ
モバP「しまった、そういえば雪美さんは猫属性だった。道理でコタツで丸くなる訳だよ」
モバP「……しんしんと舞い降る雪……美しい光景だな」
モバP「雨は地面に当たって音が出るが、それがない。静かだ」
雪美「雪……美しい……」
モバP「雪美……か」
モバP「小学校の宿題で自分の名前の由来を親に聞かされた記憶だけあるなあ」
モバP「その時に聞いたはずの肝心の由来はもう忘れてしまったが」
モバP「……ねーねー雪美、どうして雪美は雪美って名前なの?」
雪美「……秘密」
ちひろ「しかしペロちゃんは知っています」 ニャー
-
今日はここまで
登坂車線ここまで
-
触手純愛とはいったいどういうジャンルなのか
-
106
モバP「今日は給食に好きな物が出たのか」
雪美「うん……イチゴのムース……」
雪美「……Pにも……食べさせたかった……」
モバP「気持ちだけでも嬉しいよ。ありがとう」
モバP「デザート回は得した気分になれるんだよな。イチゴでもジャムだったら出現率は高いが」
雪美「あれも……ビュッフェのとは……違う……」
モバP「給食のは袋が透明だが、ビュッフェのはポーションタイプだな。あれはちょっとリッチな気分になる」
雪美「分かる……」
モバP「ああ、でも給食かぁ。また食べたいなあ」
モバP「でも、調べてみると今の給食は以前より相対的に質素になっているようだな」
雪美「……私には……ちょうどいい……量……」
モバP「君たちアイドルは な ぜ か 体重が軽すぎる子が多いので気になります」
ちひろ「タブーに触れちゃいかんよキミィ」
-
107
モバP「雪美は落ち着いた、良い声だよな」
雪美「……どう聞こえるかは……人による……」
モバP「謙遜しているな」
モバP「例えば、深夜や早朝ラジオの独特の静けさの中で淡々と喋っていたら、俺が視聴者なら惹き込まれる」
モバP「勿論、現状その時間帯に仕事をさせる訳にはいかないんだがな」
雪美「……ラジオは……あまり……聴かない……」
雪美「……でも……朗読は……好き……」
モバP「ラジオドラマも良いが”朗読!”というのもオツだね」
雪美「……私でも……できる……?」
モバP「時間があるなら、お仕事ではないが、ボイスレッスンがてらちょっとやってみるか」
モバP「雪美の感覚でこの、銀河鉄道の夜を読んでもらおう」
――
ちひろ「その後、プロデューサーさんはトリップして倒れたそうです」
-
108
雪美「いつもの……」
モバP「膝の上……」
モバP「はぁ〜、疲れている時はやっぱりユキミニウムの摂取が一番だ」
雪美「……私……吸い取られて、いる……?」
モバP「早く抜け出さないとカラカラに干からびてしまうかもなぁ〜?」
雪美「……!」
モバP「……!!」
雪美「……そんなわけ……ない……」ペシ
モバP「あろうはずがございませんわな」
モバP「まあ、あまりにも長くこの姿勢のままでいればエコノミークラス症候群にはなるかもな」
雪美「……じゃあ……降りる」ピョン
モバP「あらあら」
ちひろ「そりゃ人間は何時間も膝の上に誰かを乗せることを想定して作られていませんからね」
-
109
幸子「プロデューサーさん!」
モバP「何だい幸子」
幸子「プロデューサーさんは女の子の扱いを分かっていませんね!」
モバP「そんなことはないぞ」
幸子「ほう、ではお手本を見せてもらいましょうか」
モバP「構わんぞ。――雪美さん」
雪美「うん……」 ヨジヨジ ポスン
モバP「よしよし」ナデナデ
雪美「……」(*゜-゜*)
幸子「ボクが言いたいのはそういうことじゃありません!」
雪美「……幸子も……座ってみる……?」
幸子「い、良いんですか?」
-
【交代タイム】
幸子「……ふ、フフーン。悪くないですね!」
モバP「幸子はいつも体を張って頑張っているのに、俺はこのくらいでしか労えないな」ナデナデ
幸子「プロデューサーさんは、いろいろボクたちを楽しませようとしてくれるじゃないですか」
幸子「自分を卑下しないでください? この、撫でる手でしか伝わらないこともあるんです」
モバP「男の子の扱いをよく分かっているようだな」
幸子「当然です! アナタはボクがどんな時でもカワイイを保つ為に欠かせない存在ですから、無下に扱えるはずがないでしょう?」
モバP「優しいな。とりあえず、無理はするなよ? 俺も無理をすることになるから」ナデナデ
幸子「んっ……分かりました」
モバP「しかし幸子も膝の上に乗るのに抵抗が無いんだなあ」
幸子「何ですか、いけませんか?」
モバP「育ちの良さが普段の所作で感じられるから、こういうのははしたないとか思わないのかなと」
幸子「……背徳感はないこともないです」
-
幸子「パパ以外の異性、それも年上の膝の上で落ち着けるって何でしょうね?」
モバP「落ち着くのか?」
幸子「普段の雪美さんの気持ちが分かります」
雪美「……幸子も……ひざ教に……入ろう」
幸子「怪しい宗教ですね! でも雪美さんが教祖様なら……いえ、冗談ですよ?」
幸子「……手が止まっていますよ? もっとなでてください」
モバP「分かりましてごぜーます」ナデナデ
幸子「あっ」ピクン
モバP「どうした」
幸子「そこはちょっと、敏感なので……優しくしてください///」
モバP「外ハネに神経が通っているのか君は」
幸子「……プロデューサーさん、女の子の体のことも知らないなんて可哀想ですね」ハァ
ちひろ「謎多き乙女の構造よ」
-
110
モバP「想像すると怖いものってありますよね」
ちひろ「改まって何ですか? リアルには想像しなくても怖いものだらけですけど」
モバP「ちひろさんの怖いの基準がよく分からないですが」
モバP「例えば、偶然入ったカフェが何と男の娘カフェで、しかもその日は島風デーだったら」
ちひろ「耐性がない人への精神攻撃はやめようね」
雪美「……また、変な話……している?」
モバP「聞かれた?」
音葉「雪美さんの耳は、ヘッドホンで塞いでいたから大丈夫……」
モバP「気を利かせてくれてありがとう、音葉」
音葉「いえ……。Pさんの声、やはり直接が良いですね……」
モバP「やはりって、そのヘッドホンで何を聴かせているのかな?」
音葉「録音したPさんボイス、です……。ふふ……」
-
雪美「Pも……聴く……? これ……気持ちいい……」
モバP「いや、自分の録音された声を聴きたいとは特に思わないなあ」
音葉「心地良い波長……。そして、照れの感情が20%……」
モバP「人の声の成分分析するのか。いつか声を聴いてミックスジュースを作ったり曲を作ったりしないだろうな?」
雪美「……面白そう」
モバP「それはそうと、君たちは想像したら怖いものはあるかな?」
音葉「…………」モンモン
雪美「…………!」ピキーン
音葉・雪美「うう……」ブルブル
モバP「先にイメージしてしまったか。君たちは想像力豊かだから注意しないといけなかった」
音葉「手を握って、もらえますか……」
モバP「分かった。……雪美もな」ギュッ ギュッ
ちひろ「一体何をイメージしたんですかねえ」
-
111
モバP「こういう仕事柄か、アイドルによくお土産を貰うんですよね」
ちひろ「プロデューサーさんがしてあげるから、みんなお返しをしてくれるだけですよ」
モバP「嬉しいことなんですが……という訳で、お菓子です」ドサ
ちひろ「ウチのお菓子のストック棚が盛況していますね」
モバP「ちょこちょこつまめるのは良いんですが、太らないか心配です」
ちひろ「私もです。あと、お菓子ばかりでなく、ドリンクも飲んでくださいよ」
モバP「野菜も食べなさいみたいに言いますね? 後ろ向きに検討します」
ちひろ「ケチー」
モバP「ドリンク、効くには効くんですが、こういうのは適度に頼らないと、耐性的なものが出来て効果が薄まるんですよ」
ちひろ「本当かなー?」
モバP「まあ薬なんかは欠かさず飲み続けないと効果がリセットされるとも言いますが」
ちひろ「それは本当でしょう」
-
ちひろ「それはそうと、ここにある巨大な箱は何なんですか?」
モバP「”開けてください”と書いてありますし、大方予想はつきますが」
ちひろ「開けてみましょうか。良いですよね?」 ハイ
ババーン!
雪美「……お菓子かと……思った? 残念……私でした……」
モバP「……」
ちひろ「……」
雪美「……?」
モバP「……! こんな所に居たのか雪美、会いたかったぞ!」ダキッ
雪美「P……苦しい……///」
ちひろ「さっきの間は何なんですか」
モバP「誰か入っているとは読めましたが、中身が意外過ぎて固まってしまいました」
ちひろ「予想していなかったのか……」
-
モバP「全く。雪美が幸子みたいな茶目っ気を見せるとは思わなんだよ」ギュー
雪美「……///」
ちひろ「いつまでやってるんですか」
モバP「おっとやりすぎた」パッ
雪美「……おどろいた?」
モバP「ああ、驚かされたぞ。そして、その衣装は黒猫の着ぐるみか」
雪美「似合う……?」キラキラ
モバP「似合う似合う、お似合いですよお嬢さん。またモフモフさせろ」
雪美「本音……出てる」
バタバタ キャー
ちひろ「あれ? もう一個、怪しげな容器がある」 パカッ
ペロ「ニャ!」
ちひろ「サザエさんかな?」
-
112
モバP「小学生の諸君、寒いと朝はお布団から出るのが辛くないか?」
晴「いや? 起きたばかりで布団にこもっていても何にもならねーし」
モバP「二度寝したいとかは思わない?」
晴「何だそれ? 大人ってそんなにダルいのか?」
モバP「わたくし、疲れた大人なのでしてー」
雪美「添い寝……したら……疲れ……取れる……?」
モバP「してくれたら安心してリラックスのデトックスで疲れも取れるだろうな」
晴「何する気だよ」
モバP「でも雪美は普段、ひょっとしてペロが布団の中に入ってきたりするのかな」
雪美「……うん、する」
晴「柔らかくて温かそうだなー。オレはさすがにサッカーボール抱いては寝られねーし」
ちひろ「においが付きそう、というのは野暮ですか」
-
今日はここまで
メルモンここまて
-
外ハネに神経が通ってると髪切る時にうっかり外ハネのところを切ろうとしたら激痛が走りそう
-
113
雪美「……」パチッ
モバP「?」
雪美「……」パチパチッ
モバP「……うっふん」バチンッ
雪美「……ペロ」
ペロ「ニャー!」バッ
モバP「むごっ! ぐぐ、ふざけて悪かったから顔は堪忍してやあ」
雪美「……ふふ」パチッ
モバP「アイコンタクトも様々だが、今日は瞬きで来るか」
雪美「両目を……パチパチ、させると……猫は……リラックス……する……」
モバP「大島弓子の古い漫画に確かそんなことが描かれていたな」
雪美「Pも……リラックス……しよう……」
ちひろ「ひょっとしてプロデューサーさんって、ヒトととして認識されていないんですかね?」
-
114
モバP「寝起きの雪美さんは夢現でいることがあるね」
雪美「……うん」
モバP「大抵は無反応無表情のクール分全開だが、たまに夢と勘違いしたような行動を取るから面白い」
雪美「……してる?」
モバP「してるとも。愛を囁いてきたり抱き着いてきたり、結構大胆不敵だ」
雪美「……覚えて……ない……」
モバP「よく考えればそんな状態やそもそも寝顔なんて、たくさん見ているんだな」
雪美「もう……。……私も……Pの寝顔……知ってる……」
モバP「一緒に仮眠とかするからなあ。俺の寝ている時ってだらしなかったりしていないか?」
雪美「ううん……。でも……手を握ると……うれしそうにする……」
モバP「その時の俺はきっと良い夢を見られているんだろうな」
雪美「Pと……楽しい夢……見たい……」
ちひろ「プロデューサーさんは割と常時夢現なところありますよね」
-
115
モバP「本日の雪美さんは度なし眼鏡を付けているな」
雪美「大人の……変装」フンス
雪美「……これで……Pと……デート……し放題」
モバP「やったね!」
ちひろ「やらせません」
モバP「しかし、眼鏡をかけたくらいでは意外とバレないようでバレるんですよね」
ちひろ「経験がおありですか?」
モバP「休日にちょっと格好つけて歩いていたら道路向こうの遠目から美嘉に見破られました」
雪美「Pは……雰囲気が……出てるから……」
モバP「しかしウィッグ付けたり帽子被ったりすると結構判別が難しくなることはありますね」
モバP「雪美さん、こっち」オイデオイデ
雪美「……何?」トコトコ
-
モバP「君にはこの帽子を被せてあげよう」
雪美「……お……」
モバP「もふもふパンダのニット帽です。今日のチェックと黒柄のレイヤードのコーディネートに似合うと思います」
雪美「……ちひろさん……どう?」キラキラ
ちひろ「可愛いです。頭に何か被るとまた雰囲気変わりますね。雪かきを思い出します」
モバP「よし、デート行こうか雪美」
ちひろ「プロデューサーさんは仕事中に遊びに行かないでください」
雪美「……!」ピコーン
雪美「……変装……Pは……私が……」
モバP「おっ、俺を変身させてくれるのか? いいやつで頼む」
【コーディネート中】
雪美「……できた」
ガチャ
馬マスクP「どうですかね? これじゃ目立って仕方なさそうですが」アッハッハ
ちひろ「アフォガードかな?」
-
116
雪美「P……宇宙人って……いるの……?」
モバP「おうどうした雪美さん」
雪美「学校……クラスで……議論……してる……」
雪美「私は……いると……思う……」
モバP「俺もいると思うぞ」
雪美「……本当?」
モバP「ああ。現にウサミン星人なんてのもいるしな」
雪美「………………うん……」
モバP「そうディレイのある反応をしないでくれ。言った自分が申し訳なくなった」
モバP「コホン……宇宙人はいると思う。これだけ宇宙が広そうなのだからな」
モバP「ただそれは我々人間に認識が可能なものであるかは分からない」
雪美「……認識」
-
雪美「……宇宙人は……見えない……の?」
モバP「普通の人は幽霊が見えないのと同じように、宇宙人も五感では分からないかもな」
モバP「基本違う次元にいて、何かの拍子でチャンネルが合ったりでもしない限り」
雪美「……今、ここに……隠れているかも……しれない……?」
モバP「しれないね。第一、水に覆われたちょっと寒めの青い星で酸素で生きている生物という存在だ」
モバP「これが宇宙全体からすると割とイレギュラーすぎて、規格に合わせられない気がする」
雪美「……」
モバP「生物は宇宙空間では生きていけない。なら宇宙人は生物形ではない別の何かとして存在しているのかもしれない」
モバP「……そんな風に一般のイメージとは違う方向で思いを巡らすのも面白いな」
雪美「……未知の世界……難しい」
モバP「専ら変な話ばかりして申し訳ないね。良かったらここに座るかい?」
雪美「……うん。……頭を……リフレッシュ……しよう」 ポスン
モバP「……まあ何を隠そう、俺こそ実は宇宙人なんだがね。自慢して良いぞ」 エー
ちひろ「もうちょっと真面目な宇宙人はいないものですかね」
-
117
雪美「P……徹夜……したの?」
モバP「気象関係でトラブルに見舞われてな。大変だったよ」
雪美「意識は、大丈夫……? ……眠くない? 何か……食べる……?」
モバP「世話を焼いてくれるのは嬉しいなあ」ナデナデ
モバP「だが大丈夫だ。今から仮眠室でゆっくり休むよ。あ、相手出来なくてごめんな。おやすみ〜」
雪美「……マイペース……」
――
モバP「……zzz」
雪美「眠くない……でも……Pと、一緒にいたい……」
モバP「……ん……う……」
雪美「……苦しい、の? ……スーツのまま……だから……」
雪美「……!」ピコーン
雪美「……脱がせて……あげよう……」
-
――
雪美「……」
雪美「……無理……。……緩める、くらいしか……できない……」
雪美「こんなに……重くなる……の……?」
モバP「……zzz」
雪美「……いつも……おつかれ……さま」ナデナデ
雪美「……」ジーッ
雪美「……目……開かない……?」
雪美「……」ソーッ
雪美「…………」
雪美「……///」
――
モバP「……!」パチリ
雪美「……すー、すー」 ア、アッタカイ
-
118
ズズズ プハー
モバP「熱い緑茶が美味しいですね」
雪美「……」 ←冷ましてる
ちひろ「今の子の多くは、茶柱が立つ、と言ってもピンと来ないらしいですね」
モバP「雪美はどう? 知っている?」
雪美「……知ってる……」
モバP「かしこい」
モバP「まあ、自分も現象としては知っていますが実際に見たことはありません」
ちひろ「注いだお茶に、その元になる茎が紛れ込むことが今はほとんど無いですからね」
ちひろ「ただ、必ず茶柱が立つお茶、というのが販売されているとは聞きますけど」
モバP「へぇ……でもそれは偶然立つからありがたいもののような気がしますよ」
ちひろ「でも一度は生で立った茶柱、見てみたくありませんか?」
モバP「そうですねえ」
-
ちひろ「ペットボトルやお湯を注ぐだけの粉末も良いですけど、やっぱり急須を使って淹れたいものです」
モバP「ですが若い時分は花より団子、趣より量、という感じでお茶はガブガブ飲みたい主義でした」
モバP「丸い茶椀に慎ましやかに注がれたくらいでは物足りなかったんですね」
ちひろ「男の子ですねえ」
雪美「……んっ…………ほのかな……苦味」
雪美「……ちひろさんの……お茶……好き」
ちひろ「ありがとう雪美ちゃん」
ちひろ「ちなみに私が雪美ちゃんくらいの時はジュースとか大好きでしたね」
モバP「家では家族行事の時でもないとジュースは無かったです」
ちひろ「健康志向で良いじゃないですか。若い内からお茶に慣れておきましょう」
モバP「ただ牛乳はあったのでお茶代わりにやはりガブガブと」
ちひろ「牛乳はあまりがぶ飲みには向かない飲み物だと思うんですけど……」
雪美「……だからPは……こんなに大きい……」フムフム
-
119
雪美「P……手を……貸して……」
モバP「何か手伝うのか? ……あ、本当に”手”を貸すのか」
雪美「Pの手……大きいから……塗りやすい」
モバP「保湿クリームだな……雪美の手の動きがマッサージみたいだ」
雪美「……終わり」
雪美「今度は……顔を……寄せて」
モバP「はい」
ヌリヌリ
雪美「……できた」
モバP「至れり尽くせりで俺はお坊ちゃまかな?」
モバP「リップクリームで唇も瑞々しくなったぞ。ありがとう」
雪美「お世話……楽しい……」
モバP「ああ……もし雪美さんが専属メイドになったら俺は温室育ちのダメ男になりそうだ」
-
モバP「しかし最近は乾燥しているから、保湿ケアはしないとな」
雪美「うん……」
モバP「寒い=天気が悪い=雪=湿気ありと思いやすいが冬場は乾燥しがちだ」
モバP「乾燥時ほど猛威を振るうインフルエンザにも注意が必要」
雪美「手洗い……うがい……欠かさずに」
モバP「そうだな。最近見かけるアイドルたちはマスクを着用している者も少なくない」
モバP「幸い、感染者はまだ出ていないが気を付けていても罹るものは罹るから怖い」
雪美「体を大事に……ね」
モバP「ああ。俺が倒れるとみんなが困ることになるからな」
雪美「うん……あなただけの……体じゃない……から」
モバP「よし。じゃあ行ってくるよ」
雪美「P……行ってらっしゃいの……キス……」
モバP「リップクリームを塗ったばかりでするのかい?」
雪美「……あっ」
ちひろ「……こんな時どんな顔をすればいいか分からないの」
-
120
モバP「体が冷えるこの時期、熱い湯に浸かりたいならやっぱり銭湯だなあ」チャプ
モバP「まだ時間の早い今は他に人がいないし、貸し切り状態だ」
モバP「ふー……」
モバP「普段、俺とコミュニケーションを取るのにいろいろと遠慮がないアイドルたちもいるが」
モバP「公共の場ではさすがに分別をつけるから、まさか男湯に侵入してくるはずもなく、安心だ」
ガラッ
モバP「!」
近所の爺さん「……おう兄ちゃん、また来とるんかあ」
モバP「どうも」
モバP「と、フラグも立て放題だ」
――
モバP「上がりましたよっと」
雪美「P……温かくなった……ね」ホカホカ
ちひろ「まあ、一緒に来てはいるんですけどね」ホカホカ
-
今日はここまで
今日から俺はマ王
-
一緒に銭湯に来るちっひ何だかんだ仲良いな……
乙
-
121
モバP「最近は雪美に触発されてか膝に乗ってきたがる子が増えてきた気がする」
雪美「……大変……?」
モバP「体のことなら大丈夫だ」
モバP「撫でるオプションとかを付けると仕事はやや滞るが大したことではない」
雪美「……ご苦労を……かける……」キリッ
モバP「ハハハ、良いってこと」
モバP「……それより雪美は、他人を乗せることで嫉妬したりはしないのか?」
雪美「……しない。……それより……良さを……知ってほしい」
モバP「ならばその良さに惹かれてお客さんが増えているのは本望か」
雪美「でも……Pと……一番深く……繋がっているのは……私」
雪美「……良さを……一番、分かっているのも……私」ギュッ
ちひろ「雪美ちゃんはクールだなぁ(白目)」
-
122
モバP「アイドルには様々なお仕事があるし、企画によっては様々な衣装が用意される」
雪美「……にゃー」キラキラ
モバP「こうして雪美が幼稚園児のようなチャイルドスモックを試着しているのもその一つだ」
雪美「……にゃー」ワキワキ
モバP「ネコミミと、襟元に鈴も付いていますし」
雪美「……にゃー?」
モバP「意図せずまじまじと観察してしまう。良いぞ良いぞ」デレデレ
モバP「雪美はこういうぶかっとしたものもフィットするなあ」
雪美「ンギャア」
モバP「……俺もしかして幻覚を見ていて、ペロに話しかけたりしていないよな?」
雪美「……ふふ……ごめんなさい……大丈夫……私……だから」
ちひろ「あら、尻尾まで付いているんですね。……何か今動いた気がしますけど」
-
123
モバP「久々の何もしない休日も良いものだ」
モバP「どこにも行かず、家でのんびりと過ごす」
加蓮「そうだね」
雪美「一理ある……」
モバP「本来そこに”誰とも会わず”も付け加えられるはずなんだがな」
モバP「お聞きの通り、今日はどこにも連れて行かないぞ」
加蓮「良いよ。ただPさんと、ダラダラ過ごしたいだけだもん。ねっ?」
雪美「……」コクン
モバP「なら構わん。ただプロデューサーの男の家に女子アイドルが居て大丈夫か?」
加蓮「あまりにいろんなアイドルが頻繁に出入りしているから、お咎めなしだね」
モバP「謎理論。社宅に格安で住まわせてもらっているから贅沢は言えないが」
モバP「みんなが近くに寄った時の休憩所になっているのは確かだな」
雪美「……便利」
-
モバP「まあ俺は家に居ないことの方が多いし、物置になるよりは、節度を守って利用してもらうのも良いさ」
加蓮「……お父さ――じゃなくてっ、Pさん」
モバP「おやおや、リラックスし過ぎて間違えたか? あるあるだな」
加蓮「違うの! もうっ! そんなに歳離れてないのに!」
雪美「……P……休み……邪魔して……迷惑じゃ……ない……?」
モバP「いんや? 誰か居る方が楽しいからな。共にぐうたらしようじゃないか」
モバP「加蓮や雪美とは充分打ち解けていると思っているから、気疲れもしないよ」
雪美「……良かった」
モバP「ところで、小腹空いたろう。実家の実家から送られてきたポテトを今フライにした」コト
加蓮「わーい! Pさん分かってる〜♪」
雪美「……いいの?」
モバP「俺が好きでサービスしているんだから気にしない!」
モバP「さ、箸もディップ皿もレタスサラダも出したし、手を合わせて」
「「「いただきます」」」
-
124
モバP「はぁ」
莉嘉「どうしたのPくん」
モバP「以前は平気だった虫を触るのが苦手になって歳を取ったなと実感して」
莉嘉「そういうのいけないんだよー? 心の老化は体の老化! これお母さんの格言!」
莉嘉「Pくんは若いじゃん! 何ならアタシがそれを実感させてあげよーか?」ガバッ
莉嘉「わはははー☆」グルングルン
モバP「目が回るわ〜……パッショナブルな励ましありがとうございます」
モバP「莉嘉は虫さん平気なんだよね」
莉嘉「平気だよ☆ 大したもんでしょー?」
モバP「ああ。だがこの先もそのままでいられるかな? 若さゆえの蛮勇・無敵感といったものは誰にもあるものだ」
莉嘉「それまで平気だったことが大人になってダメになるのってさ」
莉嘉「それ、ただキョーミ無くしただけなんじゃないかな?」
モバP「そこに気づくとは大した奴だ……」ナデナデ エヘヘー
-
モバP「しかし、カブトムシなんかはまあ良いとして、どんな虫でもって訳にはいかないだろう」
莉嘉「まーそこはねー。触ると危ないのはいるし、キライな虫だっているけど」
モバP「直接触る訳ではなくても、害虫にも臆さない男勝り婆ちゃんや肝っ玉母ちゃんみたいなのは凄いよなあ」
莉嘉「それはちょーすごいってゆーか、迫力ある!」
雪美「……」テクテク
モバP「おう雪美さん。雪美さんは昆虫とか触ったりできるかい?」
雪美「……」ニコッ
雪美「……できない」
ズコー
モバP「余裕の表情と見せかけてフェイントか」
モバP「しかし、成長してから抵抗が無くなるような人もいるだろうし分からんな」
雪美「Pが……怖がってたら……私も……怖い……」
莉嘉「じゃあ、苦手は克服しないとねっ☆ Pくん?」 ウッス
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125
モバP「街は早くもバレンタイン商戦といった風でチョコレートが嫌でも目につくな」
雪美「限定品……おいしそう」
晴「実際うまいんだろうぜ。テレビで北欧の専門店を特集していたけど、すげー気合い入ってた」
モバP「海外デザインのチョコレートって我々の感覚からすると結構ファンシーだ」
晴「町並みからして何かカラフルだったりするよなー」
雪美「……マーブルチョコレート……みたいに……鮮やか……」
モバP「最近食べてないなあ。あれを見ると碁石を思い出すよ」
晴「形は似てるけどさあ……」
モバP「マーブルチョコレートと言えば、お皿に並べてお湯をかけてカラーアートを作る動画があるな」
晴「えっ何だそれ」
モバP「色が溶け出して面白いグラデーションになるんだ。本家はチューイングキャンディーだが」
晴「へー……まあやってみたいとは思わねーや」
雪美「食べないの……もったいない……」
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モバP「とにかくビビッドカラーは日本にはあまり馴染みきらないところがあって新鮮ではあるな」
モバP「レインボーケーキやギャラクシーケーキなんて食べ物なのか一瞬疑ってしまうよ」
晴「それはこの前のロケで見たな。確かに体に悪そうな色してたぜ」
雪美「晴は……チョコレートや……ケーキより……ガムの……イメージ……」
晴「昔から好きだからな。でもPにアイドルに誘われてから、何て言うのかな」
晴「もうガムで変にボーイッシュ? 気取らなくても良いやって思うようにはなってきたな」
モバP「晴にとってはガムは嗜好品であると同時に、自分をアピールする物でもあったんだな」
晴「かもな。まずいろんな人と交流するのにガム噛んでたらちゃんと喋れねーからな」
モバP「ハハッ、ちげえねえ」
雪美「晴……プロ意識……かっこいい」
晴「よせやい、照れるぜ」ヘヘッ
雪美「言葉選びが……Pっぽくは……なってる……」
晴「責任取れP」
-
モバP「それはそうと、ガムも最近食べないねえ。俺は口寂しい時は飴派だし」
晴「オレの好感度が2ポイント減って杏の方に行ったぞオイ」
モバP「ガムは味なくなるとペッしないといけないのがなあ。チョコと一緒に食べると溶けてくれるが」
雪美「……初耳」
晴「どっからそういう知識を仕入れてくるんだアンタは」
モバP「大人の雑学だよ。尚、口の中はあまり愉快なことにはならない」
晴「だろーな」
晴「……Pは、バレンタインはチョコレート以外でも貰えたら嬉しいもんか?」
モバP「うれしいよ! 晴がくれるものは何でもうれしい!」
晴「あげるとは言ってねーだろ。……そっかー良いこと聞いたぜ」
モバP「世間では贈るお菓子によってそれぞれ意味があるらしいが、細かいことを気にし過ぎてもな」
モバP「後でフォローが要るならそれはそれでお互いをよく知り合うきっかけになるってもんさ」
雪美「……ポジティブ……すてき」
モバP「よせやい、照れる」 オイマネスンナ
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126
薫「おにはーそとー!」
仁奈「ふくはーうちー!」
モバP「マッチ一本火事の元ー!」
ちひろ「それは違うやろ」
雪美「鬼は……どこ……?」
モバP「鬼とはな、我々人間の心の中に潜むものだ」
雪美「私の中にも……いるの……?」
モバP「ああ。そして心が弱った隙に雪美を乗っ取って悪さをするかもしれない」
薫「大変だー!」
仁奈「一体どうしたら良いんでやがりましょーか?」
モバP「節分豆は体の中に投げる、つまり食べて鬼を追っ払えば良いのだ」
ちひろ「何か慣習を曲解しているように見えますけど」
-
モバP「という訳で小袋入りの炒り豆どうぞ」
ちひろ「……いただきます」
雪美「……」ポリポリ
モバP「よし、これでこの二人は救われた。次行くか小鬼一号二号」
薫・仁奈「世直しじゃー!」
ちひろ「想像を遥か超えてフリースタイルだった……あなたたち鬼側だったんですか」
モバP「鬼に身を窶して鬼気迫る感をですね……うっ!」ガクッ
薫「せんせぇ!」
仁奈「隊長!」
モバP「二人ともすまない。ここまで頑張ってきたが……オラもう力が出ねぇ……」
薫「死なないでせんせぇ!」
仁奈「あなたが死んだら一体誰がこの星を守りやがるんですかリーダー!」
雪美「薫、仁奈……これを……食べさせて」
薫「分かった!」
-
仁奈「はい、あ〜んしやがりください」
カリッ モグモグ ゴクン
モバP「……」
モバP「……ふ」
モバP「ふっかあああああつ!」
薫「せんせぇ!」ガバッ
仁奈「ボス!」ガバッ
雪美「……」ポリポリ
ちひろ「茶番グダグダですけど。あと呼称統一しましょう仁奈ちゃん」
モバP「仙豆食べてる気持ちになるでごぜーますよ」
ちひろ「やかましい」
薫「はいはーい! 次はかおるに食べさせてー♪」
仁奈「その次は仁奈にもおねげーします!」
雪美(……仙豆?)ポリポリ
-
127
ナターリア「P! エホウマキという訳でもナイ、ノリマキ食べヨ!」
雪美「一緒に……作ってきた」
モバP「お、ありがとう。どれどれ……?」
モバP「……すごく……太くて長いです……」
ナターリア「男の子はタクサン食べテ、大きくならないとネ! ムフフ」
モバP「最後の笑いが意味深だな。では早速いただこうか」
モグモグ
モバP「美味い。この具は、納豆、アボカド、玉子に穴子? か」
モバP「ちょっと変わった取り合わせではあるが、即効で元気が出るようだよ」
雪美「……ふふ」モクモク
ナターリア「Pに元気になってもらいたいからナ!」ニコニコ
ちひろ「地味に精の付く物を詰め込んでますね……あ、おいしい」
-
今日はここまで
まだふみも見ず天橋立
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乙
虫が苦手じゃないデレマスアイドルといえばコハルチャーン
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128
モバP「……」(-_-)
雪美「……」(-_-)
ちひろ「ちょっと、額と額くっつけて何してるんですか!」
モバP「静かに……」
雪美「…………」
モバP「…………」
雪美「……ん……同期……完了……」パチッ
モバP「良し。これで例えどちらかが斃れたとしても、心は共にある」
雪美「……P……行ってくる」
タタタ
モバP「ちょっとしたSFごっこです」
ちひろ「真顔で言わないでください」
-
129
モバP「雪美」
雪美「何……?」
ツン
雪美「……?」
モバP「雪美の頬、柔らかいな」
雪美「……P」
グニグニ
モバP「あっあっ、ほっぺた引っ張らないで」
雪美「Pのも……やわらかい……楽しい」グニグニ
モバP「止めないのならこっちからももう一度だ」
雪美「……だめ。……大人しく……して……」グニグニ
ちひろ「雪美ちゃん、意外とやり返しますよね」
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130
雪美「……P」
モバP「おっ、どうした雪美」
雪美「……あげる」
モバP「チョコレートかぁ! 嬉しいな、ありがとう……って」
タタタタッ
モバP「何も恥ずかしがることはないと思うが、行っちゃったよ」
ちひろ「受け取り方が普通過ぎてつまらない-346点」
モバP「どうしろと」
ちひろ「捕まえてハグしてキスの一つでもすれば良いじゃないですか?」
モバP「して良いんですか?」
ちひろ「勿論早苗さんには通報しますけどね」
モバP「まあ、また後で会うでしょうからそこでしっぽりと」
ちひろ「置き早苗さんしておきましょうか?」
-
ちひろ「しかし、見れば可愛らしい手作りですねえ」
モバP「本当ですよ。俺はつくづく幸せ者です」
ちひろ「大人はあまり相手に渡す為に手作りを、とはなりませんからね」
ちひろ「市販の高給なやつや珍しい物をチョイスして、それをどうぞと渡す感じです」
モバP「例えは変ですが自由課題みたいなもので、センスが試されますね」
ちひろ「作るにしても買うにしても、か」
ちひろ「……で、食べないんですか?」
モバP「雪美に貰った手作りチョコレートですよ? あまりに尊くてどう手を付けたものか」
ちひろ「勿体無くて食べずにいつまでも持っておく……ベタですね」
モバP「……ちょっとだけ」
――
モバP「……食べちゃったぁ」スッカラカン
ちひろ「自制心そんなに無かったですね」
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