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勇者「今日より旅立ちか」勇者(……それにしても腹が減ったな)
253
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 19:59:30 ID:wwoyvbmM
勇者「しかし、よく逃げる判断をしましたね」
女勇者「……正直、仲間を見捨てるのは心苦しいよ」
女勇者「しかし、少し交戦すれば分かる。あんな化け物を倒して腹を掻っ捌くなんてね……」
僧侶「今こうして生きているだけでも不思議なほどです」
魔法使い「とは言え、これからどうしたら……このまま町に進んでいいものなのか?」
勇者「追跡が振り切れていないのなら、今晩中に追いつかれますよ」
勇者「町に連れ込んでしまう危険性で言えば、他にもいるであろうフレイムアナコンダに見つかる事です」
僧侶「ほ、他?」
勇者「流石にあの一匹だけが下りて来たとも思えませんしね」
女勇者「あたしもそう思うよ」
254
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:01:08 ID:wwoyvbmM
勇者「一度、ヴォルケイノ首都に戻りましょう。軍を派遣してもらったほうがいいです」
勇者「準備さえあれば、あと数名いれば討伐できなくもないでしょうが、如何せんあちらの数が分かりませんし」
魔法使い「転移魔法が使えるのか?」
勇者「ええ。その為にも、フレイムアナコンダから逃げ切らないといけなかった訳です」
女勇者「魔法使いは使えないんだよな? それでも初級魔法、なのか?」
勇者「うーん、そうですね。厳密に言えば中級魔法ですね」
魔法使い「手間がかかる魔法なんだよ。それで習得にも無駄に時間がかかる」
魔法使い「おまけに一日一回しか使えない」
魔法使い「だから利便性の割に使える人間が少ないんだ」
僧侶「ですよね……」
255
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:02:41 ID:wwoyvbmM
魔法使い「しかし、こちらも送ってもらえるのか? その、大丈夫なのか?」
勇者「術者と一緒に転移するのであれば、4,5人程度は難しくないんですよ」
勇者「ちょっと手間が増えるだけです」
魔法使い「あ、そういえばそうだったか」
僧侶「転移魔法……行うのを見るのは初めてですが、どのようにするのですか?」
勇者「まず魔方陣を描きます」
女勇者「魔方陣?! 随分と珍しいな」
勇者「これが中々普及しない一因ですね」
256
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:04:14 ID:wwoyvbmM
勇者「地域、環境、天気によって陣も変わります。多少間違っていても転移できますが」ガリガリ
勇者「魔力の消費量や、術後の体調などに大きく影響を与えます」ガリリリ
女勇者「め、面倒臭そうだな」
魔法使い「そう、じゃないんだよ」
勇者「更には転移する場所までの距離によっても変わります」
勇者「ここら辺はかなり大雑把でも問題ないですけどね」
魔法使い「ここで挫折した」
僧侶「複雑……」
勇者「更には道中の地形も影響します」
勇者「ここからなら距離は短いですし、大きな森などがある訳でもないので描くものは少なくて楽ですね」
女勇者「う、うへぇ……」
257
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:05:57 ID:wwoyvbmM
勇者「陣が描けたら外周の円にこの魔法水を垂らしていきます」ターー
勇者「北の方角に描いたこれに自らの血液を垂らし、南に他の動物、魔物でもいいので血や肉などを置きます」
勇者「数分待って、今度は内部の陣に魔法水を……」
20分経過
勇者「これで魔方陣は完成です」
女勇者「うわぁ……」
魔法使い「凄いスムーズでも20分か……」
僧侶「これ……慣れていないと魔方陣を描くだけでも……」
勇者「かなりかかりますよ」
女勇者「普及しない訳だ」
258
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:08:15 ID:wwoyvbmM
ヴォルケイノ首都
勇者「到着です」
女勇者「す、凄い。一瞬で……」
魔法使い「発動させるまでが長いからなぁ」
僧侶「とにかく役場へ行きましょう」
勇者「それでは自分はこれで」
女勇者「え? ま、待ってくれ、せめてお礼を」
勇者「いえ、自分一人でしたら、転移魔法を使う余裕も作れなかったでしょうし」
勇者「共闘と考えて頂いていいですよ」
259
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:09:32 ID:wwoyvbmM
女勇者「しかし……」
魔法使い「引き止めるのも悪いよ」
魔法使い「何はともあれ助かったよ。本当にありがとう」
魔法使い「君の考えはどうあれ、何時か礼を返すよ」
勇者「そうですか? では、その時まで死なないように気をつけます」
僧侶「……戦士さん」
勇者「あ、すみません……」
女勇者「落ち込むなとは言えないが、生き残れた奇跡を噛み締めるんだ」
魔法使い「仲間一人を盾に、ね」
260
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:11:16 ID:wwoyvbmM
女勇者「……あの、もしよろしければ」
勇者「はい?」
魔法使い「女勇者」
女勇者「……」
魔法使い「君をPTに誘うつもりなだけだよ。でも一人で旅をしているのには訳があるんだろう?」
勇者「……ええ、まあ」
魔法使い「ただでさえ、グリーンレイクの勇者がこんな所に一人でいるんだ」
魔法使い「誘うだけ野暮ってもんだよ」
勇者「お気遣いありがとうございます」
魔法使い「ああ、また何処かで」
261
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:12:42 ID:wwoyvbmM
勇者「それにしても随分と回り道をしたもんだ」
勇者「しかし、フレイムアナコンダか……。生還できたのは本当に運がよかった」
勇者「とは言え、フランベの有用性も実証できたし、悪くはなかったな」
勇者「問題は一部ルートが閉鎖された事か」
勇者「フレイムアナコンダは、大きな集団に対しては警戒をするから」
勇者「何もなしに町へは行かないだろうからいいものの」
勇者「うーん、あまりヴォルケイノ火山の付近で行動したくないな」
勇者「商業都市からソードフォレストに向かうか」
勇者「一先ず今日は宿屋に向かうか。もう疲れたなぁ」ファ
262
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:14:05 ID:wwoyvbmM
宿屋 食堂
勇者「ふう、疲れた」グデー
「お待たせしました、こちらが今晩の食事となっています」コトッ
勇者「お、きたきた」ムクリ
暴れ軍鶏のチリンドロンソース煮
赤いトマトのソースと鶏肉の料理。
たまねぎやピーマンなどがみじん切り・短冊切りにされて入っている。
勇者(二食連続で鶏肉か。まあ仕方もなしだな)
263
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:16:02 ID:wwoyvbmM
勇者(鶏肉はぶつ切りにしたものか)
勇者(野菜と一緒にトマトソースで煮たものなのかな)ゴクリ
勇者(うーん、いい香りだ)パク
勇者(うんうん、美味い美味い)モグモグ
勇者(チリンドロンソースか。なんか、へんてこりんな名前だなぁ)モグモグ
勇者(しかし美味いな。このソース、パンとの相性も抜群だぞ)パク
264
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:17:30 ID:wwoyvbmM
勇者(それにしても、彼女達は不憫だな。助かったとは言え仲間が一人犠牲になった)モグモグ
勇者(かなり冷静に対応していたけど、多分それは自身の命も危機に瀕していたから)パク
勇者(今頃、苛んでいる事だろう)モグモグ
勇者(やはり、身一つで身軽でいるほうが、抱え込む事が少なくていいな)パク
勇者(いかんいかん、もっと味わって食べねば勿体無いな)モグモグ
勇者(暴れ軍鶏もしばらくお別れだしな)パク
265
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/05(木) 20:19:04 ID:wwoyvbmM
宿屋 部屋
勇者「ふう……美味かった」ドッカ
勇者「もっと……戦術も考えないとこの先……」ウトウト
勇者「とは言え、物資に頼った戦法も……」ウトウト
勇者「ふああ……今日はもう寝よう」
勇者(それに……この後は……魔王城? 自殺と変わら……なら、何処へ)
勇者(それも……後で……考え……)スゥ
266
:
雑談
:2016/05/05(木) 20:21:33 ID:wwoyvbmM
>>228
すまんね、フリーティケットシアターがサービス終了しちゃったから仕方ないんよ
基本的にURLとかは晒すつもりがないから、頑張ってぐぐってくれ
サイトの中身知っていれば苦もなく見つかると思うけど
267
:
明日役立たない雑学
:2016/05/05(木) 20:23:12 ID:wwoyvbmM
今更なことだけど
デミグラス
フランス語で正確にはドミグラスと言い、ブラウンソースを煮詰めたものの事。
ブラウンソースは、小麦粉とバターを茶色になるまで炒めたルーを、ブイヨンで溶かしのばしたソース。
ドミは半分、グラスは氷という意味。
但し料理に使う時は、煮こごりや煮詰める、単純に氷菓子等の意味になる。
亜人ちゃんは語りたいのデミってそういう事なんかね。
チリンドロン
スペイン・アラゴン地方の郷土料理でかなりポピュラーなソースらしい。
Wikiだと焼いた鶏肉からにじみ出る脂を使うらしいけども、
調べてみるとトマトやタマネギ、ピーマン。オリーブやニンニクにパプリカ等を炒め煮したソースっぽい。
トマト煮したもの・少し煮込んだただのトマトソースを、チリンドロンと称するものも見かけるけど、
流石にそれは簡略し過ぎで正しくないんだろう、と思う。
268
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/06(金) 02:04:23 ID:fba4v/y2
乙!!!
でもまとめサイトしか出てこなくて禿げそう
いつの間に閉鎖しとんねん
269
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/06(金) 09:29:43 ID:IhZxBN1U
おお、今までにない活躍
フランベってとこが、この勇者らしいw
乙
270
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:10:06 ID:HiLJ52LM
ソードフォレスト 辺境の町
勇者「うーん、いいところだ」
勇者「ここら辺はまだそこそこの森だから、森林浴にももってこいだな」
勇者「ここから先はより鬱蒼とするからな」
勇者「しかし、ソードフォレスト。あまり深くには行った事がないんだよな」
勇者「一体、どんなものがあるんだろう」ワクワク
勇者「ふふ、もう心はすっかり商人だ。勇者にさせられた時はげんなりしたが」
勇者「かなり良い機会だったな」
勇者(最も、肝心の魔王がなぁ)
271
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:14:19 ID:HiLJ52LM
勇者「何か面白そうな物はあるかな」
勇者「なんだこれ……へえ、シイタケ栽培キットか」
勇者「ちゃんと育つのかな、これ」
勇者「試してみたいけど、移動しながらは使えないしなぁ……」
勇者「一応、そういうものがあるってだけでも知っておけば、何時か役立つのかなぁ」
勇者「それにしても、結構色んなキノコの原木栽培ってあるんだな」
勇者「ふーん、結構難しそうなものもあるんだな。そこまでお手軽って訳じゃないんだ」
272
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:16:04 ID:HiLJ52LM
勇者「お、この弓、結構いいな」
勇者「やはり、ソードフォレストは木材を使った物も多くあるなぁ」
勇者「ここら辺にしておくかな」
勇者「腹も減ったし……キノコだな。キノコが食べたい」
勇者「キノコパスタもいいしキノコグラタンもいいな」
勇者「よし、お店を探すか」
勇者「しかし、あまり広くない町だし、そう何件もないんだろうなぁ」
273
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:18:23 ID:HiLJ52LM
勇者「うん? 見当たらないな……」
勇者「あの」
「はい?」
勇者「何処か、食事が出来るお店ってありますか?」
「ああ、それでしたらこの道を真っ直ぐ行って、突き当たりを右に曲がった所にありますよ」
普通の木造建物
勇者「ここ、かな?」
勇者「ううん、全くもって店にすら見えない」
勇者「でも、他にそれらしい建物もないし……」
勇者「しかしこうも様子が分からないと、中々入りづらいな……」
274
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:21:52 ID:HiLJ52LM
勇者「うーん……ん?」
兵士A「ふー食った食った」ガチャ
兵士B「ごちそーさん」
勇者「……」
勇者「町の兵士でも気軽に入れるお店、なのかな」
勇者「よし」
「いらっしゃい」
勇者(中は喫茶店っぽいんだな……ちょっと意外だ)
275
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:24:33 ID:HiLJ52LM
勇者(ほほう……やはりキノコ料理多し)
勇者(キノコ豚炒めミートパスタ。とてつもなく美味しそうだ)
勇者(キノコたっぷりクリームシチュー! 冬場だったら間違いなくこれだな)
勇者(へえ……各種キノコの網焼きか。これはこれでそそるなぁ)
勇者(よく見ると使われているキノコもちゃんと明記してあるんだな)
勇者(この吸い物はムキタケが使われているのか。食べた事がないな)
勇者(うん? ヤマブシタケの卵スープ?)
勇者(ヤマブシタケって凄い珍しいキノコじゃないのか? 栽培方法が確立されているのか)
勇者(食べる機会なんてないしな……)
276
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:27:42 ID:HiLJ52LM
森林豚のステーキ 110G
ソードフォレスト固有種の豚のステーキ。
大きなシイタケとポテトが一緒に焼かれている。
ヤマブシタケの卵スープ 40G
鶏がらを使ったスープで、小さくほぐしたヤマブシタケが浮いている。
希少の割りに安価。
勇者(これがヤマブシタケ……何ていうか、何だろう)
勇者(味はどうだろうか)スス
勇者(う……これはまたキノコ臭というか風味が凄いな)
勇者(ちょっと、キノコ好きの上級者じゃないと食べ辛いな、これ)
勇者(けど、これだけ細かくても弾力があるのは嬉しい。中々の食べ応えだ)
277
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:34:29 ID:HiLJ52LM
勇者(さて、ステーキも)キコキコ パク
勇者(うんうん、肉厚だし美味いし文句なしだ)モグモグ
勇者(付け合せのポテト、ちょっと量が少ないところは気になるが)
勇者(この大きなシイタケでカバーだ)キコキコ パク
勇者(しかし、このシイタケ肉厚でとっても美味いな)モグモグ
勇者(何だか、全体的に弾力のあるものばかりになってしまったな。思った以上に腹が膨れそうだ)
勇者(それに今更だけどこれ、ポテトよりシイタケの方が物量多いんじゃないか?)
278
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:43:54 ID:HiLJ52LM
勇者(しかしこのキノコ三昧、好きな人に堪らないだろう)パク
勇者(もしかしてキノコ料理のレシピとか、どっかでまとめられていないかな)モグモグ
勇者(キノコ豚炒めミートパスタ、売れるんじゃないか?)パク
勇者(うーん、転移魔法が使えるとは言え、取り扱いの幅が広がり続けて行くのは……)ススゥ
勇者(異次元収納魔法だっけ。魔法で存在しない空間を作り、そこに物を出し入れする魔法)モグモグ
勇者(使える人なんて、殆どいないらしい超上級魔法……使えたらいいのにな)
勇者(ふふ、それでするのが行商人だなんて、魔法使いの人でなくても卒倒する話だ)
279
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:45:15 ID:HiLJ52LM
勇者「ふう……中々だった」
勇者「しかし、これからはキノコ料理ばかりになるだろうからなぁ」
勇者「ソードフォレストの人達は、どうやって飽きもせずにいるんだろう」
勇者「うん、この旅でそれも知っておかないと」
勇者「後でどっかのお店で聞いてみようかな」
勇者「キノコを飽きずに食べ続ける方法を聞きながら食べるキノコ料理。はは、なんだか滑稽だな」
280
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:48:52 ID:HiLJ52LM
……
勇者「ふう……ふう……」
勇者「まだまだ奥地でないはずだけど……ここら辺は随分と鬱蒼としているな」
勇者「そういえば、ここら辺って……確かサキュバスがいるんだったっけ」
勇者「聞いた話だと、上手く共存関係になっているとか……どういう状況なんだろ」
勇者「まあ、元々人をとって食う存在じゃないし、逆に有り難がる人もいるだろうし」
勇者「言うほど大変じゃないんだろうな」
281
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:51:52 ID:HiLJ52LM
町
勇者「へえ……意外と広い。元々開けた場所じゃなかったんだろうな」
勇者「先人の開拓の功績か……こういうところ、好きだな」
勇者「それにしてもサキュバス、全く見かけないな」
勇者「会った事がなかったから期待していたんだけどなぁ」
勇者「まあ仕方なし、か」
勇者「いつも通りにやるとするか」
282
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:54:58 ID:HiLJ52LM
勇者「ここはあんまり土産物ってないんだな」
勇者「それに勇者情報もあんまりだな……」
勇者「森の北にいる巨大アナコンダ注意とかあるけど、地元の人間だし危機管理は十分なんだろう」
勇者「あまり悪い話がないもんだ」
勇者「ともすれば逆に、自分が引っかかりかねないのが怖いところだなぁ」
勇者「一先ずソードフォレストの首都まで目指すんだ。ちゃんと魔物の情報を集めていかないと」
283
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 21:58:38 ID:HiLJ52LM
勇者「とは言え、ここら辺じゃあまり情報が得られなかったな」
勇者「ソードフォレストの中でも、比較的移動が手間な位置らしいし、もっと行き来しやすい」
勇者「大きい町に出てから、だな」
勇者「そうと決まれば今日は早めに休もう。まずは腹ごしらえだ」
勇者「と言っても、さっきから探してはいるけども、全くそれらしい店がない」
勇者「一体何処だ? この間と同じパターンか?」キョロキョロ
勇者「お、あそこはお店っぽいな」
勇者「というか、これで殆ど一周したのか……とりあえず、入ってみるかな」
284
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:00:30 ID:HiLJ52LM
「いらっしゃい。おや? 見慣れない顔とは珍しい」
勇者「そうなんですか?」
「道中大変だったろう。滅多に外から人は来ないよ。商人とか、ここに来る明確な理由がある人でもない限りにね」
勇者「なるほど……うん?」
勇者「このメニュー……あの、ここって食事って出来ないんですか?」
「あー悪いね。食事は宿屋が料理屋を兼任しててさ。ここは食材販売がメインの喫茶店みたいなもんだ」
勇者「はあ……そうでしたか」
勇者(うーん、困ったな。今は腹が減っているから料理が食べたいんだが……)
勇者(何も買わない頼まないは気が引ける)
285
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:03:37 ID:HiLJ52LM
勇者(かといって食材と言ってもなぁ)
勇者(適当にお茶して、宿屋でがっつり食べるか)
勇者(先にデザートというのも変な話だなぁ)
勇者(ケーキ三種にプリンにゼリーがちょっと。圧倒的に種類が少ない……うん? サキュバスプリン?)
勇者(どういう事だろう? サキュバスが従業員? うーん、これは面白そうだ)
勇者(ちょっと冒険気味ではあるけど、敢えて聞かずに頼むのが道理だな)
コーヒー 10G
到って普通のコーヒー。しかし安い。
サキュバスプリン 70G
超巨大なおっぱい型のプリンで乳首もちゃんとある。納得の名称だけどトラップ。
巨大プリンの所為で小さく見える生クリームとさくらんぼが、脇に添えられている。
あまりの大きさに高いのか安いのかよく分からないけど、作る手間を考えると多分安い。
勇者「」
286
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:10:49 ID:HiLJ52LM
勇者「これは……何とも。酷いですね」
「まあなんだ、滅多に他所の人が来ない楽しみってもんよ」
「因みに頼まなかったら、強めにオススメしている」
「大抵の人は興味本位で頼んでくれるよ」
勇者「でしょうね」
勇者(しかしこの量、食事がいらないほどだ)
勇者(……よし、食べるか)プリュン パク
勇者(!)
勇者(なんだこれ! まったりとしたコクであり、しつこ過ぎない。凄い美味しいぞ)
287
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:12:32 ID:HiLJ52LM
勇者(しかも甘すぎないけどしっかりと甘い!)パクパク
勇者(これはとんでもない物だぞ)プリュパク
勇者(にしても、ソードフォレストってそこまで畜産が高い訳じゃないはず)パクモグ
勇者(一体何のお乳を使ったらこんな美味しいプリンができるんだろう)ススゥ
勇者(コーヒーは普通だな)
勇者(しかし、何とも手が止まらないプリンだ。堪らない、堪らないぞサキュバスプリン)
勇者(これは良いトラップだ。かかって得する。素晴らしい)
288
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:15:12 ID:HiLJ52LM
勇者「うう、げふ……」
「はは、まいど」
勇者「うーん、腹がぱんぱんだ」
勇者「せめて、もうちょっと中腹の町で、キノコ料理の口直しに食べたかったかもしれない」
勇者「まあ、不満はないけども」
勇者「しかしこれは……確実に太るな。恐ろしい食べ物だった」
289
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:18:42 ID:HiLJ52LM
女性「あら貴方、あのプリンを食べたの?」
勇者「え? ええ、そうですが……何故?」
女性「ふふ……」スゥ
サキュバス「あたしがサキュバスだからよ」
勇者「……」
サキュバス「……え、何その反応」
勇者「答えになっていないので、その点については不満ですが」
勇者「町人として共存している事に軽く感動を覚えています」
サキュバス「え、あ、はい……え、そこなの?」
290
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:21:49 ID:HiLJ52LM
勇者「それで、何故分かったんですか?」
サキュバス「貴方からあたし達サキュバスと同じ魔力を感じたからよ」
勇者「どういう事ですか?」
サキュバス「あれはあたし達の母乳よ。だから摂取すると一時的に、あたし達の魔力を帯びるの。僅かにだけどね」
勇者「母乳……出るのですか?」
サキュバス「そりゃあ勿論。少し魔力は消費するけども、子を産まずとも出るわよ」
勇者「へえ、知らなかった。ふーむ、サキュバスのお乳で作った巨乳プリン、面白い事考えるなぁ」
サキュバス「だから何で反応するのがそこなの?」
291
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:24:33 ID:HiLJ52LM
サキュバス「貴方、他所の人でしょ? ふふ、今夜は楽しまないかしら?」ヌラ
勇者「唇舐めながら言われましてもね。この腹具合ですと、正直のんびりしていたいですし」
サキュバス「何この人ブレない」
勇者「むしろ談笑等の方がいいですね。ああ、そうだ。サキュバスの方はどういう食生活を?」
勇者「精だけですか? 必要な道具や欲しい物ってありますか?」
勇者「転移魔法ありますので、各地の特産や材料を販売致しますよ」
サキュバス「何なのこの人」
292
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:27:45 ID:HiLJ52LM
二日後
サキュバス「はい、1000G」
勇者「どうも。しかし、これだけの魚油、どうするんですか?」
サキュバス「美容にいいのよ。ウォーターサーフェスでも、一部でしか作られていないから」
サキュバス「そこの町に行った事がある人で助かったわぁ」
勇者「サキュバスなら精さえしっかり取っていれば、美容を気にする必要がないのでは?」
サキュバス「まあね。でもケアを疎かにしていい理由にはならないわ」
勇者「なるほど」
293
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:32:32 ID:HiLJ52LM
勇者「ですがこの量は流石に」
サキュバス「仲間に売るのよ」
勇者「堂々と転売宣言ですか」
サキュバス「サキュバス相手に、一切抱く気が起きない変人が何言っているのよ。そっち趣味?」
勇者「そういう訳ではないです。そもそもサキュバスの方とは基本、一夜の恋というのも理解しています」
勇者「が、自分はそうした事はもっと真摯に向き合いたいですし、あまり抱える物を多くしたくないのです」
サキュバス「面白い矛盾を言うわね」
勇者「不器用なだけですよ」
294
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:33:36 ID:HiLJ52LM
勇者「ああ、そうだ。伝達魔法の魔石を持っていますので」
サキュバス「ふんふん」サッ
勇者「自前で持っているんですか……」
サキュバス「あたし達からしてみれば、こんなの簡単に作れるしねー」
勇者「へえ」
サキュバス「まあ、元の現物がないと、そっちの魔石の所持者と繋がる物は作れないけれどもね」
サキュバス「あ、あったあった。ま、何かあったらまた連絡するわー」
勇者「ええ、またのご利用お待ちしています」
295
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 22:37:45 ID:HiLJ52LM
勇者「うーん、思いがけず新しい顧客が出来た感」
勇者「出来ればまた話でもして、欲しそうな物を発掘したいものだ」
勇者「逆にこちらから魔法関連で頼む事もあるだろうし……」
勇者「……」
勇者「全ての魔族とこうして交流がなされれば、色々と発展していくのだろうけど」
勇者「まあ、難しいんだろうなぁ」
勇者「何時か、魔王の国の人とも接点を持ちたいものだなぁ」
296
:
明日役立たない雑学
:2016/05/22(日) 22:40:39 ID:HiLJ52LM
ヤマブシタケ
キノコの一種で白いボンボンみたいな形をしている。
クヌギ・クルミ・シイなどの広葉樹に生える。
広く北半球温帯以北に分布しているが、天然は珍しく中々お目にかかれない。
名前の由来は、子実体が山伏の装束にある梵天というのに似ているからだそうな。
ウサギタケ、ハリセンボン、ジョウコタケなんて呼び方も。
生薬としても利用されていて猴頭という名称。
認知症や更年期障害等への効果が期待されているが、臨床と成分・メカニズムの解明は不十分らしい。
中国では四大山海の一つで、特別な香りや味はないため、スープや吸い物に適している。
卵の中華スープにしてみたけど、めっちゃキノコの風味きつかったんですが。品質の問題?
尚、スーパーなんかでも気軽に買える。群馬だからか?
297
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/22(日) 23:49:33 ID:JnSluTmw
本当にブレないな勇者
乙
298
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/23(月) 00:38:48 ID:vpxUY6Hg
乙
299
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/23(月) 01:02:16 ID:x0Hdr60M
乙
行商で世界繋いじゃうんじゃなかろうか?この勇者
300
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/23(月) 01:20:53 ID:fzslHfe.
圧倒的に色気より食い気だなこの勇者はww
301
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 19:58:37 ID:6zJt5vLY
母乳プリンだというのに…www
302
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 21:43:24 ID:ghhqJ4C.
勇者「ふう、だいぶ道が楽になってきた。とすると、そろそろ町だろうか?」
勇者「それにしても、この辺りは薬草が豊富だなぁ」
勇者「少し調合しておこうかな」
勇者「流石にソードフォレストで売っても、大した額にはならないだろうから」
勇者「自分で使うか、他所で売ってしまおうか」
勇者「まあ、かさ張る物でもなし。時間の許す限り、集めておくか」
303
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 21:45:41 ID:ghhqJ4C.
勇者「これは……ヒール草! 凄いな、こんな珍しい薬草を見つけられるだなんて」
勇者「しかもよく見ればココの実もあるじゃないか」
勇者「もう少し熟すと美味しいんだよなぁ。うーん、タイミングがズレてしまった」
勇者「これは毒食み草か。ちょうど実もついている……」
勇者「潰すと恐ろしく臭いから取り扱い注意だけど、毒を持つ生物を返り討ちにできるんだよなぁ」
勇者「……」
勇者「えい、背に腹は代えられない、これも採集だっ」
304
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 21:49:10 ID:ghhqJ4C.
町
勇者「すっかり暗くなってしまったなぁ」
勇者「情報収集は明日にして、どっかで食事をしてから宿に向かってしまおう」
勇者「というか、明るい建物自体が少ないな」
勇者「ここの人達は夜はすぐに寝てしまうのだろうか?」
勇者「……そうか、この辺りから狩人が多くなるんだっけ。なら納得かもしれない」
勇者「ともすれば、まだ明かりがあるような所は、お店の可能性が高いんだな」
305
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 21:51:46 ID:ghhqJ4C.
勇者「ここはいい匂いだな。食べ物屋かな」スンスン
勇者「後は酒場っぽいところとあれは宿か? あそこは……道具屋か?」
勇者「流石に、この時間に酒場に入るのは勇気がいるし……」
勇者「ともすれば悩む間もなしっ」グッ
「おや、こんな時間に珍しい」
勇者「まだやっていますか?」
「ええ、やっていますよ、ご自由におかけ下さい」
306
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 21:54:31 ID:ghhqJ4C.
勇者(ほうほう、ここは肉とキノコに野草類か)
勇者(肉という事はやはり狩人が活躍しているのかな)
勇者(ほーキノコの肉詰めっ。これは美味そうだな)
勇者(うん? ラージフラットのステーキ? なんだこれ)
勇者(魔物? 部位? 聞いた事がないなぁ)
勇者(しかもステーキなのに70G。小さいのかな。ラージなのに)
勇者(しかし、気になるな。うーん)
勇者(よぉし、今日は肉とキノコ、これだな!)
307
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 21:57:37 ID:ghhqJ4C.
ラージフラットのステーキ 70G
巨大キノコのステーキ。大人の手ぐらいの大きさ。
シンプルにグリルで焼いたものにガーリックソースがかかっている。
マッシュルームのアヒージョ 25G
マッシュルームと野草が入ったアヒージョ。
可もなく不可もなく。
勇者(うーん、これは)
勇者(ラージフラット、想定外にキノコだった)
勇者(いかんな、キノコがダブってしまったぞ)
308
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 22:00:14 ID:ghhqJ4C.
勇者(しかしこれはなんとも、大きいキノコだ)
勇者(しかも、何というか、香りがいい)スンスン
勇者(食べてみるか)キコキコ
勇者(ナイフとフォークでキノコを食べる日が来るとは。分からないものだな)パク
勇者(ほほう、こんな感じか。悪くない)モグモグ
勇者(キノコにガーリックソースだなんて、ただのソース味かと思ったけども)キコキコ
勇者(主張し過ぎず、キノコの香りを引き立たせている。こんなキノコ料理、初めてだぞ)モグモグ
309
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 22:03:16 ID:ghhqJ4C.
勇者(アヒージョも)パク
勇者(うん、これは普通だな)モグモグ
勇者(けど、野草が入っていてこの味か。もっと苦味が強いかと思った)パク
勇者(安定した味、って感じか)モグモグ
勇者(しかしどっちを食べてもキノコ)キコキコ
勇者(何だか堂々巡りをしているようだ)モグモグ
勇者(とは言え、少しキノコを侮っていたかもしれない)キコキコ
310
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 22:06:23 ID:ghhqJ4C.
勇者「うん、美味しかった……」
勇者「あ……」
「どうしました?」
勇者「一つ、聞いてみたかったんですが、皆さんってキノコをよく食べるのですか?」
「まあ、ソードフォレストの人間は皆そうだと思うよ」
勇者「飽きたりしませんか?」
「んー、君、グリーンレイクの人だよね? パンって飽きるかい?」
勇者「……なるほど、育ち、ですか」
「まあ、そうだろうね。キノコなんて、それだけで種類も味もあるからね。飽きないもんだよ」
311
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/24(火) 22:10:02 ID:ghhqJ4C.
「まいどねー」
勇者「うーん、腹も膨れたし眠くなってきたな」
勇者「宿屋をとって、とっとと休むかな」
勇者「しかし、そもそも飽きない、か」
勇者「違う環境で育った自分は、一体いつ食べ飽きるのかなぁ」
勇者「せめて、この国を出るまではもってほしいものだなぁ」
312
:
明日役立たない雑学
:2016/05/24(火) 22:13:07 ID:ghhqJ4C.
マッシュルーム
和名でツクリタケ。言わずと知れた食用キノコ。
マッシュルームは成長具合で味が変化するキノコである。
イギリスにおいては大きさによって名称が変わる。出世茸。
マッシュルームそのものも種類がある中で、日本で親しまれているあのマッシュルームは、
ボタン・マッシュルーム、クローズドカップ・マッシュルーム、オープンカップ・マッシュルーム、
フラット・マッシュルームと名称が変わっていく。
ボタンをベイビー、フラットをラージフラットを呼ぶ事もあるそうな。
因みにオープンカップから、マッシュルームの傘は黒くなる。
また、大きくなるとあの歯ごたえがなくなるが、香りが増していくそうな。
アヒージョ
スペイン語でニンニク風味という言葉。
オリーブオイルとニンニクで煮込む代表的なスペイン料理。
料理名において、正確には「アル アヒージョ」と言い、エビを使用する場合は「ガンバス アル アヒージョ」となる。
313
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/25(水) 20:03:37 ID:c50YrK66
来てた!乙!
椎茸かと思いきやマッシュルームか、成長具合で味変わるとは知らんかった
茶色いのと白いのとあるよな
314
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:08:45 ID:xKqXpYms
翌朝
勇者(うーん、やはり勇者の情報は少ないか……)
勇者(首都南西の道を通って国外に出て行くのが主流か?)
勇者(しかし、そこを抜ければ元ヒューズヒルの現戦場だ。何か対策とか考えあっての事だろうか?)
勇者(魔物は……北部の奥地にヴェノムドラゴンがいるぐらいか)
勇者(お、そうか。鶏の体に尾が蛇のバジリスクがいるんだったか)
勇者(この先、鶏肉あたりは満足にありつけそうだな)
勇者(しかしバジリスクか。毒食み草では効果がない毒を持つ魔物だったはず)
勇者(遭遇しても出番はなしだな)
315
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:12:16 ID:xKqXpYms
……
勇者「これは……」
バジリスク「」ボロボロ
勇者「明らかな剣の傷。誰か、というよりどっかの勇者が通ったか?」
勇者「勿体無いな、これは。いや、そんな余裕がなかったという事か」
勇者「しかし、こんな所にいるという事は、気をつけないといきなり襲われる可能性もあるのか」
勇者「流石に不意打ちを食らって、バジリスクの毒を回避できるとも思えないし気をつけないとだなぁ」
勇者「確か足の爪……蹴爪に毒があるんだったか」ゴソゴソ
勇者「よし、取れた。貰っておこう」
勇者「ついでに良さそうな羽も……。矢の材料として売れるといいな。ここじゃ無理か。無理だよなぁ」
316
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:14:47 ID:xKqXpYms
勇者「それにしても、本当にあの町以外は歩きやすいもんだな」
勇者「そろそろもっときつくなってもいいような気がするが」
勇者「もしかしてソードフォレストの首都って、まだまだ先なのか?」
勇者「うーん……最悪、そこまで行かなくてもいいか?」
勇者「いや、今後のプランもないし進むだけ進むとするか」
勇者「本当にこの後どうしようかなぁ……」
317
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:17:10 ID:xKqXpYms
勇者「……」スラァ
勇者(ふー……ふー……はぁー……)スハァ
バジリスク「!」ガザザッ
勇者「くっ!」ガギィィン
バジリスク「ケーーーーー!」
勇者「よし、先制防いだぞ」ビリビリ
318
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:18:55 ID:xKqXpYms
バジリスク「コケーーーーー!!」ダダッ
勇者「よっ!」ガギィ
勇者(受け流して背後を取り……)
勇者「風塵魔法!」バァァァ
バジリスク「!!」ザァァッ
勇者「氷結魔法!」
バジリスク「コッコッ!」ビキビキ
勇者「足さえ封じれば」バッ
勇者「たあああ!」ザンッ
319
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:20:39 ID:xKqXpYms
……
バジリスク「」ドクドク
勇者「さて、そろそろ血抜きもいいか?」
勇者「うーん、いざ獲ってみると扱いに困るな」
勇者「あまり時間もかけてられないし、皮は諦めて中の肉だけ切り出すか」
勇者「流石にこの大きさの羽を一人で毟るのは容易じゃないしなぁ……」
勇者「うん、そうしよう」ザクザク
320
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:22:15 ID:xKqXpYms
勇者「出来れば、鶏サイズでツボ抜きした中に香草やら何やら詰め込んでローストしたいが……」
勇者「たっぷり鶏肉ローストで我慢するか……」
勇者「まあ、それでも贅沢と言えば贅沢かな」
勇者「しかしこの量、焼くとなるとちょっと木の枝の数が不安だな」
勇者「少し、取りに行って来るか」
鎧を着た男「ひゅー……ひゅー……」
勇者「わぉ……」
321
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:24:23 ID:xKqXpYms
勇者「兵士さん? しかしこんな鎧見た事がない」
勇者「うーん、なんだ? この紋章は? どっかのお偉い家の方?」
勇者「……」
勇者「え、うん? まさか魔王軍兵士?」
勇者「……」ゴソゴソ
勇者「うわ、見た事ない貨幣。間違いない、この人魔族だ」
勇者「うーん、困ったな。立場上、止めを刺すか見殺すべきなんだろうけど」
勇者「後味悪いよなぁ」
322
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:26:29 ID:xKqXpYms
勇者「武器と、魔法道具的なもの……」ゴソゴソ
勇者「剣と短剣と魔石が一個……魔王軍兵士の人もカツカツなのかなぁ」
勇者「とりあえずこれは没収。命に別状がないレベルまで軽ーく回復魔法」パァ
兵士「はぁ……はぁ……」
勇者「とりあえず連れて行くか」ズリズリ
勇者「……」シィン
勇者「複合魔法・リジェネレーション!」クワッ
兵士「はぁ……はぁ……」シゥシゥ
勇者「ううーん、相変わらず効き目が悪い……まあ、少しずーつでも傷が塞がっていっているみたいだし」
勇者「今のうちに焼き始めるか」
323
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:28:16 ID:xKqXpYms
……
兵士「……うぅ」パチ
勇者「……」ジャァァァァ
勇者「胡椒は少量でも発揮する味付け具合って」
勇者「旅人の味方って感じだな」パッパッ
兵士「おま、え……」ムク
勇者「あ、気がついた」
兵士「……助け、たのか? 人間、ではないのか」
勇者「いやまあそうなんですけどね。俺個人はそっちに恨みがないし。いや侵略者か……ううん」
324
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:31:00 ID:xKqXpYms
勇者「まあ、起き上がれるようになったのなら、とりあえずこれを」コト
バジリスクだけロースト
ゴロッゴロのバジリスクの鶏肉だけを焼いたもの。皮なしなのでパリパリ感なし。
胡椒を振りかけて味付け。
兵士「……」
勇者「……」
兵士「いいのか?」
勇者「獲って成仏、食べて供養。でも食べ手が少ないって事で」
325
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:32:28 ID:xKqXpYms
兵士「……」モグモグ
勇者「……」モグモグ
兵士「普通に鶏肉だな」
勇者「うん、普通に鶏肉」
兵士「……」パクパク
勇者「……」パクパク
兵士(飽きる)
勇者(飽きてきた)
326
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:34:35 ID:xKqXpYms
兵士「ふー……食った食った」
勇者「だいぶ、回復してきたようだな」
兵士「ああ……何と言えばいいか分からないが、その、感謝する」
勇者「いいよいいよ。俺も勇者だけど、正直戦いたい訳じゃないし」
兵士「そうか……人間にもそういう考えがあるんだな」
勇者「というと……お違い世知辛いですな」
兵士「ああ」
327
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:36:57 ID:xKqXpYms
勇者「あ、そうだ。ちょっとそちらの武器とか没収しているんで」
兵士「分かっているよ。助けてもらったんだ、このぐらいの措置、こちらから願い出るところだ」
勇者「しかし、何でまたこんな所に」
兵士「孤立してしまってな。最初は六名ぐらいいたのだが、追撃と魔物の襲撃で今や自分だけだ」
勇者「あー……ご愁傷様です」
兵士「まあ、生きていれば丸儲けの環境だからな」
兵士「不幸を嘆くより、生き延びている事に喜ぶとするよ」
兵士「今、どの辺の位置なんだ?」
勇者「ここがこうでこうでああで」
兵士「恐らく、俺のいた戦場はこの辺り……随分と奥に逃げてきたんだな」
勇者「出会った自分がびっくりですよ」
328
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:38:40 ID:xKqXpYms
兵士「何か礼がしたいのだが……生憎とこの身ではな」
勇者「あ、この魔石って何なんですか?」
兵士「ああそれはだな……お? へえ、魔法に心得があるのか。プロテクトをかけやがったな」
勇者「魔石の作動を阻害する行為をそう言うんですか。なるほどなるほど」
兵士「変わってるな、お前。そいつは伝達魔法を魔石化したものだ」
勇者「へえ!」
兵士「音等は送れないが文字を送るものでな。視覚に作用する魔法との複合したものだ」
勇者「文字、か」
329
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:40:05 ID:xKqXpYms
兵士「正直、これが生命線ではあるものの、常に現在地が把握できる環境じゃない以上」
兵士「助けも呼べないし、あまり意味はないな」
勇者「貰ってもいいですか?」
兵士「え? ……。よし、貸してくれ」
勇者「……」サッ
兵士「……言っておいてなんだが、本当に渡すんだな」
勇者「嘘をついている様子がないみたいなんで」
兵士「はは、ありがと」
兵士「……」スッスッ
魔石「」パァァ
勇者「はー……浮き出た文字に触って文章を作るんですね」
兵士「ああ、その通りだ。凄いだろ」
330
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:42:10 ID:xKqXpYms
勇者「へー……文字、同じなんだ」
兵士「まあ、大昔は人間とも交流があったと聞くしな。ある程度、文化も同じなんだろう」
兵士「よし、これで初期化完了だ」
兵士「悪いが、軍属の設定も消させてもらったから諜報とかできない」
兵士「これでも良ければ」スッ
勇者「おおお、ありがとうございます」
兵士「そ、そんなに喜ばれると気味が悪いな。持っていても、連絡を取れるのはこの魔石を持つ魔族だぞ」
勇者「それはそれで未知の可能性が開かれたと言いますか」
兵士「ふーん?」
331
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:44:21 ID:xKqXpYms
勇者「こうしてこうでこうっと。登録できた、かな」
兵士「どれ……ああ、問題ない。というかさっき勇者と言ったが、なんだこの紹介文」
兵士「商人の真似事もしているのか」
勇者「ええ、まあ」
兵士「変わっているな。ま、それで連絡とって、何れはこっちの国で商売でもしてくれ」
兵士「一部の魔族にとってしてみれば、人間達との交易というのは、興味がつきない話題でもあるんだ」
勇者「行けるルートがあれば、の話なんだよなぁ」
兵士「まあ、な」
332
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:46:25 ID:xKqXpYms
兵士「世話になったな」
勇者「こちらこそ」
勇者「あの、こんな事を言うのもどうかと思うけども」
兵士「?」
勇者「どうかご無事で」
兵士「……ああ、あんたもな。何時か酒を交わしたいものだ」
勇者「……下戸なんで」
兵士「そん時は酒の肴で飯でも食ってくれ。俺は飲むからよ」カラカラ
勇者「それは……いいですね」
兵士「じゃあお互い達者でな」
333
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/26(木) 23:48:30 ID:xKqXpYms
勇者「……」
勇者「ルート、か」
勇者「戦場を通らず魔王国へのルート」
勇者「でもばれたら……」
勇者「しかしこれは一攫千金のチャンスのようにも思えるし何より……」
勇者「よし、少しこの路線で考えてみるか」
334
:
雑談
:2016/05/26(木) 23:52:15 ID:xKqXpYms
>>313
茶色のはブラウンマッシュルームかな
イギリスではチェストナッツマッシュルーム。直訳すると栗キノコ
こちらは、ポータベリニ、チェストクローズドカップ、ブレックファスト、ポータベロって名前が変わる
因みに、イギリスでは新鮮な養殖マッシュルームを生食するそうで、そのままサラダにとか
主に小さいマッシュルーム(香りが少ないもの)が生食されるそうな
どんな感じかかなり気になる
335
:
明日役立たない雑学
:2016/05/26(木) 23:56:04 ID:xKqXpYms
バジリスク
古代の伝承ではヤマガカシに似ており、頭に鶏冠みたいなものがある
体を半分上げて移動し、彼らが鳴らす音は蛇を散らすとか何とか
中世においてはコカトリスと同一視されるようになったそうな
因みに石化の力はコカトリスの方で、バジリスクは毒
鶏と蛇っていうのは中世あたりで生まれたイメージらしい
336
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/27(金) 00:37:44 ID:hZEkBoTE
乙!
販路開拓ルートかな
>>334
ブラウンはまた違う名前なのか、白いのと同種だと思っ…生食…だと…?
337
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/27(金) 23:22:40 ID:V33hXn0w
最初から一気読みしてしまったんだが空腹がヤバい
乙!
338
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:33:08 ID:rTxqkbdU
町
文字伝達魔石「」キラキラ
勇者「それにしてもこの魔石、一切音が出ないんだな」
勇者「魔石の明かりさえ見られなければ、敵地でも使用可能という訳か」
勇者「差し詰め隠密向け、て事だろうか」
勇者「それに使用時における魔力の放出も、文章の送受信の時だけ」
勇者「一方、こちらのは通話中は常に魔力を放出しなくちゃいけない」
勇者「中々面白い違いだなぁ。短時間で多くの情報を得る為に、燃費と隠密性を捨てるか否か」
339
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:36:11 ID:rTxqkbdU
勇者「にしても、こちらの魔石は元が文字によるやり取りな分、常時見られる情報量も多い」
勇者「紹介文の文字制限もかなり緩いなぁ」
勇者「なんか、アイドルっぽい人とかいるし。眺めている分にはこちらの方が断然面白いな」
勇者「うーん、それに比べて自分の紹介文の事務的感半端ない」
勇者「まあ、受注がもらえるとも限らないし気長に考えるとするか」
勇者「そういえば、あちらとこちらに特産とかの違いってあるのかな」
勇者「魔物の種類によっては、収集物で稼げそうだ。問題は情報と道のりか……」
340
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:39:22 ID:rTxqkbdU
勇者「ま、今はやれる事をするか」
勇者「ここの町は随分とキノコの乾物が多いんだな」
勇者「キノコか……栽培地がある程度限定されてしまうからな」
勇者「あの旅館の板前さんはどうなんだろう。今度連絡があったら聞いてみるか」
勇者「しかし、ヴォルケイノ火山の周囲にも森はあったし、案外キノコそのものの供給はあるのかも」
勇者「うーん、特別な物は乾物ぐらいか」
勇者「この辺で切り上げるかな」
341
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:42:26 ID:rTxqkbdU
勇者「腹が減ってきたがお店がない……もしかして、ここも宿屋が料理屋を兼任しているのかな」キョロキョロ
勇者「仕方がない、とっとと宿をとってそこで食べてしまおう」
「食事? ああ、他に店はないよ。メニューはこちら」
勇者「どうも」
勇者(ソードフォレストは宿屋と料理屋を一体化させる文化があるようだけど)
勇者(一体何なのだろうか。やっぱ森を切り開く関係で、土地を狭く使いたいとかなのかなぁ)
342
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:45:45 ID:rTxqkbdU
勇者(ここもキノコと鶏、というかバジリスクかな)
勇者(キノコパスタ……そろそろいってみるのもいいな)
勇者(うん? バジリスクのガランティーヌ? 馬鹿な)
勇者(こんな場所でそんなオシャンティな料理があるなど……本当なのかな)
勇者(別にガランティーヌが特別好き、という訳ではないけども)
勇者(ソードフォレストの宿で提供されるガランティーヌ。怖い物見たさの好奇心が抑えられないぞ)
勇者(しかも一人前とか四人前とか分かれているけど、どういう事だろう)
勇者(普通に一人前じゃダメなのか? というか六人前って何でだ)
343
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:48:30 ID:rTxqkbdU
バジリスクのガランティーヌ 一人前 60G
予想を大きく覆して、ツボ抜きしたバジリスクに香草等を詰め込んだロースト。
動体部分を輪切りにしたものが、皿の上で山のようになっている。
勇者(こう来たか。恐るべしソードフォレスト)
勇者(最早も何もガランティーヌじゃない)
勇者(ただの香草詰めしたローストバジリスクじゃないか)
勇者(しかしこの値段でこの量、田舎ならではというか、とっても嬉しいじゃないか)
344
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:51:22 ID:rTxqkbdU
勇者(更にはこの小型の鉈のようなナイフ。肉の大きさ共に豪快さがとてつもないぞ)ガチャガチャ
勇者(こんなでかいフォークも、山賊や海賊のお話でしか登場しないもんだと思っていた)ザク
勇者(何とも粗野な食欲が溢れてくるものだ)バグゥ
勇者(ほほうっ! これはいいローストバジリスクだ)モグモグ
勇者(何気に色んなスパイスを使っているんだな。しかも外側は黒胡椒をかけてあるのか)ザクザク
勇者(中々大味だが、これは飽きないな)バグ
勇者(この間のバジリスクと被る、とか思ったけども、全然そんな事ないぞ)モグモグ
勇者(別、既に全く別の料理だ!)
345
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:54:27 ID:rTxqkbdU
勇者(それに何と言っても、やはり鶏肉といったらこの皮のパリパリ感。これがないと始まらないな)バクバク
勇者(そして噛み締めれば感じる、肉のジューシーさと言ったらない)モグモグ
勇者(これで一人前……となると六人前は丸々一匹のバジリスクか。それはそれで食いでがあるんだろう)ザク
勇者(しかし、こう出てくるのなら手羽先も食べたかったけど……流石にそうは上手くいかないか)バグゥ
勇者(だけど、大満足の量と味だ)モグモグ
勇者「げっぷ」
勇者(ふう、美味かった)
346
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 12:57:23 ID:rTxqkbdU
勇者「ふー」ゴロリ
勇者「このペースなら2,3週間ぐらいで首都に到着するな」
勇者「その後、どうしようかな」
勇者「大陸の端の方からあちら側にアプローチしようかな」
勇者「一旦、ソードフォレストを抜けてから北を目指さないと、ヴェノムドラゴンと遭遇する可能性があるし」
勇者「結構な長旅になりそうだな」
勇者「しかも完全に敵地か……そもそもあちらまで行ってどうしよう」
勇者「町に入ったら即殺される? 人間かどうかって見た目で分かるものなのかな」
勇者「うーん、難しいな」
347
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 13:00:24 ID:rTxqkbdU
一週間後 廃墟
勇者「な、んだ……これ」
勇者「一体何が……」モォッ
勇者「!」ズザァッ
勇者「この僅かな香りは……ヴェノムドラゴンの毒か?」
勇者「だいぶ日にちが経っているのか、毒性はもうないみたいだな」
勇者「確か外気に触れているダメなんだっけ。あれって何日ぐらいなんだろう」
勇者「しかしこれは……首都の方は大丈夫なんだろうか。生息地はもっと先のはずだよなぁ」
348
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 13:03:24 ID:rTxqkbdU
更に一週間後
勇者「……町が、ない」
勇者「そうか、さっきの町の次が首都だったか……」
勇者「早めに到着できないと、本格的にサバイバルしないといけなくなるなぁ」
勇者「出来れば食料確保が優先される前に、到着したいものだけど」
勇者「しかしなんだってこんなに拓けた道なんだろう」
勇者「首都の周りはある程度開拓されているのか?」
勇者「けど、割と首都周りは鬱蒼としているって聞いたいたのだが」
勇者「考えていても仕方がない。先に進まないと」
349
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 13:06:36 ID:rTxqkbdU
ソードフォレスト 首都
勇者「つ、疲れた……」フラフラ
勇者「もう食料もないし……とにかく腹いっぱい食べたい」ヨロヨロ
勇者「えい、もう、この店でいいや」
「いらっしゃいませー」
勇者「うう……もう考える余力もない」
勇者「あの、何かいっぱい食べられる料理とスープを下さい」
「は、はぁ……」
350
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 13:09:14 ID:rTxqkbdU
「お待たせしました、ごゆっくりどうぞー」
ベックオッファ 100G
大きな耐熱容器に入っている。
じゃがいもやたまねぎ、ニンニクや肉類が入っているようだ。
ソパ・デ・ケソ 35G
ニンニクスープにチーズとパンが入っている。
コンソメの香りが食欲を掻き立てる。
勇者「ほほぅ……」
勇者(何だかよく分からない料理が出てきたがとっても美味しそうだ)
351
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 13:12:30 ID:rTxqkbdU
勇者(この焼き物はなんだろう)バグ
勇者(ニンニクと肉は何だろう……鶏ではないな)モグモグ
勇者(あとはじゃがいもと玉ねぎ?)バグ
勇者(しかもこれ、層になっているんだ。変わっているな)モグモグ
勇者(味付けはなんだろう。多分、肉とか漬け込んでいるんだろうな)パク
勇者(塩胡椒とハーブっぽい感じがやや強めか。しかし美味しいな)モグモグ
352
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/05/29(日) 13:15:13 ID:rTxqkbdU
勇者(スープは)ズズゥ
勇者(うーん、ニンニクが効いていて美味い!)ズズ
勇者(そこにパンにチーズか。ちょっとした軽食になるなぁ、このスープ)モグ
勇者(うんうん、滅多にしないが店員さんお任せメニュー、実にいいじゃないか)
勇者(それにしても流石首都なのかな。こんな料理があるもんなんだなぁ)
勇者(何時もなら相当な腹具合だろうけども、今日の腹にはすっぽり収まる丁度いいサイズだ)
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