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提督「艦娘殺処分計画!?」
171
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 15:30:41 ID:ld51Pyrw
提督「まあ、暑いから麦茶でも飲んでけよ」コポポ
天龍「お、サンキュ」クピ
大和「も、申し訳ありません。頂きます」
提督「決号前に脱水症状にでもなってしまったら事だからな。水分補給はしっかり…痛っ…!」
大和「て、提督?どうされました??」
提督「…何でもない。麦茶が染みただけだ…つっ…」
天龍「お?虫歯か?」
提督「いや…大丈夫だって。問題ない…」
大和「…???」
172
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 15:42:08 ID:ld51Pyrw
その夜
コンコンコン
まるゆ「木曾さん、入りますよ」
木曾「…どうした、まるゆ」
まるゆ「秘書艦の大和さんから伝言です…明日1000、大和さんと天龍さんの随員として、軍令部へ同道するように、とのことです」
木曾「っ…」
木曾「…分かった。すまねえな、ありがとう」
まるゆ「…木曾さん、あの、まるゆ…」
木曾「…」
まるゆ「…決号ではあまりお役に立てないかもしれませんけど、もし…魚雷が切れたら呼んでください。すぐ、駆け付けますから」
木曾「…ああ。頼りにしてるぜ」ワシャワシャ
まるゆ「…」
木曾「…じゃあな、俺もう寝るからさ」
まるゆ「…はい。おやすみなさい」
バタン
173
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 15:43:46 ID:ld51Pyrw
まるゆ(木曾さん…)
大井「…どうだった?」
まるゆ「あ、大井さん…北上さん…。別に、いつもの感じでした…」
北上「…私達、決号を前にして、敵よりも木曾っちのほうが気に掛かっててさ…」
まるゆ「…明日、木曾さんは大和さんと天龍さんと一緒に軍令部におつかいに行くよう命令が出たんです」
大井「…そうなんだ。でも、よりによって天龍とね…」
北上「…ま、外出で多少は気がまぎれるかもだけどね」
まるゆ「そうなってくれれば、いいんですけど…」
大井「あんたにも心配かけて、すまないわね…」
174
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 15:49:07 ID:ld51Pyrw
また夜に再開します
175
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:35:53 ID:ld51Pyrw
その頃 倉庫
???「…」ゴソゴソ
ヲ級「…??」ムクリ
ヲ級『誰?誰かいるの?』
???「!!!」
ヲ級『ああっ!!!ノーちゃん!!』ガバッ
リ級『ホーちゃん!!ああ、無事で良かった!!』ギュッ
ヲ級『ノーちゃんこそ!!あの時、沈められたと思ってた…!!』ギュッ
リ級『けっこう喰らいはしたけど、あれぐらいで轟沈させられてたまるものかってもんよ!』
ヲ級『でも、よくここまで…』
リ級『日本軍のレーダーに引っ掛からないように、武装も艤装も全部近くの島に置いて、あとは泳いで来たのよ!』
ヲ級『そ、そこまでしてきてくれたの…!ありがとう!よくここが分かったね!』
リ級『拿捕されたからにはたぶんこんな倉庫じゃないかなって思ったの!』フンス
リ級『それもこれも、貴女を助けるためよ!他は薄情な娘たちでも、私はちゃんと貴女を連れ戻しにここまで来たんだから!』
ヲ級『…』
176
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:36:37 ID:ld51Pyrw
リ級『さ、ぐずぐずしてちゃいられないわ。急いで逃げましょう!』
ヲ級『…ノーちゃん』
リ級『え、何?』
ヲ級『一緒に、ここにいよう?』
リ級『…何を言ってるの?』
ヲ級『前にも言ったでしょ?私たちは、もう日本軍には勝てないって…』
リ級『…』
ヲ級『ほら、私はこうして何とか日本軍の庇護を受けて生きてるわ。ここの司令官クラスの将校も私を見に来たけど、別に取って食べられるわけでもなくそのままにされてるの』
リ級『そんなの、この先どうなるかは分かんないじゃない!』
ヲ級『見てよ、あれを』
リ級『あれ…?』
ヲ級『ここ数日で、ここの工場が増産してる弾薬よ。見てよ、いろんな砲弾や魚雷、機銃弾、挙句の果てには新しい砲身まで揃ってる』
リ級『…』
ヲ級『日本軍は間違いなく私たちへの大攻勢を企図してるわ。それも遠からず。そして間違いなく、あの大量の弾薬は私たちに飛んでくるはずよ』
177
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:37:10 ID:ld51Pyrw
ヲ級『…ここから逃げ出して本隊に戻って戦線復帰したところで、私たちの運命はもう決まったようなものなの!』
リ級『…だったら、今ここの弾薬を爆破して逃げ出せば…』
ヲ級『どうやって?よしんば爆破できても、そんな状況で脱出できるわけがないじゃない。それに日本軍の鎮守府はここだけじゃないんだよ?』
リ級『…』
ヲ級『…私だって、他のみんなのことは気がかりよ。あの砲弾がみんなの身体をいずれ貫いてくって考えたら…』
リ級『…』
ヲ級『けど、確実に死ぬ運命に向かっていくよりは、何とか生き残る道を探した方がいいに決まってるよ!いくらそれが利己的って言われても!そうでしょう!?』
リ級『っ…』
ヲ級『だってせっかく生まれ変わってきたのに!今度こそはノーちゃんと平和に生きられるって思ったのにっ!!!』
ヲ級『だったら…虜囚の辱めを受けても、一日でも長く生きてられたほうがいいじゃない…』
リ級『ホーちゃんは…』
ヲ級『…?』
リ級『貴女は私たちを…いいえ、私を捨てるのね!?』
178
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:38:01 ID:ld51Pyrw
ヲ級『そういうことを言ってるんじゃないの!ねぇ、お願いだから一緒にここで生き残ろうよ!』
ヲ級『もしそれが嫌だっていうのなら、私が戦線復帰する代わりにノーちゃんがここに残って!最悪でもそのほうがいいよ!』
リ級『ふざけないでっ!!』
ヲ級『…!!』
リ級『…せっかく生まれ変われたのに!今度こそは貴女を守ってみせるって誓ったのに!!』ブルブル
ヲ級『っ…!』
179
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:38:44 ID:ld51Pyrw
リ級『ねぇ、こんな悔しいことってある…!?私じゃ、貴女を守りきれないって言うの…??』
ヲ級『ノーちゃんの分からず屋!!それが叶わないから私はここにいるんじゃない!!』
リ級『っ…』ポロポロッ
ヲ級『ノーちゃん…』
リ級『…』グシッ
リ級『…さようなら、ホーちゃん』ダッ
ヲ級『あっ!待ってノーちゃん!行かないでっ!!!』
リ級『〜〜〜っ!!!』
リ級『許せない…!!ヨコスカ鎮守府の日本軍だけは絶対に許せない…!!!!!!!』
180
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:44:55 ID:ld51Pyrw
翌日 1000時
憲兵「みんな乗ったか?よし、海軍軍令部へ出発するぞ」ブロロロロ
天龍「…」ツーン
木曾「…」ツーン
大和「…」オロオロ
大和「あの…何か話しませんか…?」
天龍「…俺が?誰と?」
木曾「…」
大和「三人一緒にですよ」
天龍「…大和と二人ならいいけどよ」チラ
木曾「…そりゃこっちのセリフだ。大体、なんで俺がてめぇなんかと仲良く外出なんかしなくちゃいけねぇんだよ」チラ
天龍「あんだとぉ!?」
木曾「ぁあ!?」
181
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:45:41 ID:ld51Pyrw
大和「…いい加減にしなさい」ポン ギュッ
木曾「ぐ…」ミシ・・・
天龍「ぎ…」メキ…
大和「…もう、お二人とも。友軍艦どうしで仲違いするなんて、どうかしてます!!」
大和「艦隊は連携してこそ本来の力を発揮できるんです。それが上手くできなかったから、私たちは前世で屈辱を味わったんじゃありませんか」
木曾「…」
天龍「…」
182
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:46:24 ID:ld51Pyrw
天龍「あ〜あ。大和はいいよなぁ。正妻戦艦だもんなぁ。羨ましいぜ」
大和「えっ…///」
大和「その…ごめんなさい…」
天龍「何言ってんだよ。別に俺は提督一筋ってわけじゃねえ」
天龍「戦争が終わったら、普通の女としていい男を見つけるさ」
木曾(…戦争が終わったら、か……)
木曾(………普通……)
木曾(………ダメだ。俺には、やっぱりアイツしか…)
天龍「でもやっぱり大和が羨ましいよ。武装もスタイルも連合艦隊の中じゃ悔しいけどピカ一だしさ」
天龍「まぁ提督に見初められるのも無理はねえな」
大和「…大和自身は、そんなことはまったく思ってません」
大和「…大和は、ただ大きいだけの役立たずです」
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:47:14 ID:ld51Pyrw
天龍「お、おいおい、そんな風に自分を卑下すんなよ」
大和「実際そうです。…大和は、いままでいろいろな鎮守府を巡ってきました」
大和「最初はどの司令官も歓迎してくれるんです。大日本帝国海軍の象徴だった大和の着任を」
大和「…でも、すぐに気づくんです。大和がただの大喰らいの低速戦艦だってことに」
大和「…最終的に大和は鎮守府のお人形さんになるか、司令官たちの下卑た目に晒されるか…」
大和「…そして挙句の果てには維持しきれなくなって放り出され…その繰り返しでした」
天龍「…」
木曾「…」
大和「だから、大和はほとんど出撃させてもらえることもなく、各地の鎮守府を転々とすることになったんです」
大和「…それでも、大和はこの戦いで、一度だけでもいいから人々のお役に立ちたかった」
大和「そうでなければ、大和はまた無念だけを背負って朽ちていくことになるでしょうから…」
木曾「…?」
天龍「“また”……?」
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:50:11 ID:ld51Pyrw
大和「前世の大和が、………たくさんの命を巻き添えに、そして見殺しにした無念です」
木曾「…」
天龍「…」
大和「大和たちを作り出した大日本帝国が滅びるきっかけとなった、あの大東亜戦争…」
大和「あの戦争の最期で…戦禍に苦しんでいる沖縄の…日本中の人々を守れなかったことが、大和にとってはあまりにも無念でした」
大和「それだけだったんです。それだけの思いがあって、大和は沈んでも沈みきれなかった…!!!」
大和「昭和20年3月、大和たち聯合第二艦隊は、沖縄方面への特攻出撃命令を受けました。地上戦が始まっていた沖縄本島に向けて、生還を期さない出撃を…」
大和「…結果は、お二人もご存知の通りですが」
木曾「…」
大和「もし…もしもの話です。大和が沖縄にたどり着き…いいえ、せめて主砲の射程距離内にまで近づけていたとしたら…」
185
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:51:11 ID:ld51Pyrw
大和「この大和は、46センチ砲の主砲弾を沖縄の米軍陣地に無慈悲に叩き込んだことでしょう。南北に分断され、米軍に蹂躙された沖縄本島の中央地帯の敵制圧下の地域に、です」
天龍「…着弾観測機がない状況でも…か?」
大和「だとしても、沖縄には太田海軍少将率いる海軍陸戦隊が上陸していました。通信機器も充実し、しかも硫黄島とは違い、現地の陸軍第32軍司令部と良好な関係を築いていた太田少将の陸戦隊との通信さえ繋がれば…」
大和「せめて嘉手納湾の敵橋頭保と物資集積地だけでもピンポイントで砲撃できたかもしれません。ややもすれば、米軍占領下の北飛行場及び中飛行場をかなりの期間にわたり使用不能にできるまでに破壊し尽くすことができたかもしれないんですっ!!!」
大和「持てる弾薬をすべて撃ち尽くして…いいえ、撃ち尽くす前に敵の艦載機に沈められたとしても…もしそれだけのことが実行できていたら…」
大和「沖縄の陸軍第32軍は戦線を一気に取り戻し、飛行場も奪還して…そうでなくても史実のような自殺的反攻作戦を強行し、その後南部撤退で住民まで巻き込むことは避けられたかもしれません」
大和「それどころか、飛行場を使用不能にすれば、迎撃される危険が少なくなって味方特攻機の突入可能性が高まり、米太平洋艦隊への打撃も期待できたでしょう」
大和「正規であろうと軽空母であろうと、敵空母をせめて発着艦できない状況に追い込めば、沖縄はもちろん日本本土各地への艦載機による機銃掃射攻撃も防ぐことができました」
大和「…そして、原爆投下機の緊急不時着飛行場としてのオキナワが使えないとなれば、米軍は原子爆弾で重鈍になったB29による本土への核攻撃を躊躇し、米世論も好戦的気運を薄れさせたでしょう」
大和「そうなれば…鈴木内閣は米トルーマン政権と、もっと穏やかな形での…講和を…」
大和「もし…もし大和さえ使命を全うできていれば…この国は、もっと多くの命とともに終戦を迎えられたかもしれないんですっ!!!!!」
天龍「っ…」
186
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:54:27 ID:ld51Pyrw
大和「……恐らく、あの時大和と共に沈んだ娘たちも、大和と運命を共にされた司令長官も艦長も、乗組員の皆さんも…似たような思いを持たれていたんじゃないでしょうか」
大和「大和は、そんな数多の願いを無にしてしまいました」
大和「大和のいままでの提督は、大和のそうした無念さを理解してくれませんでした」
大和「でも…提督は、大和に言ってくれたんです」
大和「俺は、前世でもっとも悲惨な運命を背負わされて沈められた大和にこそ、一緒に頑張ってほしい、と…!」
大和「…戦艦…いいえ、艦娘として、大和はこの方のためならもう一度沈められたっていいと思いました」
大和「そう思わせてくれるあの方のために、あの方の望む平和のために……大和は…すべてを捧げるつもりです…」
木曾「…」
天龍「…ああ。俺もさ」
天龍「手の付けられねえ腕白で、あっちこっちの鎮守府からつまみ出されてた俺を、あの提督は拾ってくれた」
天龍「他の司令官どもみたいに兵器やオナペットとしてじゃなく、艦娘として俺に向き合ってくれたんだ」
木曾「…」
187
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:56:22 ID:ld51Pyrw
天龍「そういうことだな。…なあ木曾」
木曾「んだよ」
天龍「横鎮に来て日が浅いてめぇにはうっとおしいかも知れねえけどさ、俺らや古くから横鎮にいる艦娘達には、俺らの提督は実の家族みてぇな大切な存在なんだよ…」
木曾「…そりゃ分かるさ」
天龍「ならちったあ敬えってもんだろ?違うか?」
木曾「…ふん。非礼は働いてる覚えはねぇぜ」
天龍「ったく…相も変わらずいけすかねえ野郎だ…昔っから全然変わんねえな…」
木曾「その言葉、そっくりてめぇに返す」
大和「昔?」
大和「…お二人は以前からご一緒だったんですか?」
天龍「…違う。木曾の野郎が前の鎮守府にいたとき、一度だけ俺たちと演習を組んだことがあったんだ」
大和「まぁ、そんなことがあったんですか」
天龍「ああ…くっそ面白くもなかったけどさ」
188
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:56:59 ID:ld51Pyrw
天龍「演習開始前のことだ。双方が向かい合ったとき、木曾の野郎がいきなり叫んだんだ」
大和「叫んだ…?」
天龍「こいつ何て言ったと思う?『お前らの指揮官は無能だな!』って抜かしやがったんだ!」
大和「ま、まぁ…」
木曾「……あれは景気づけみてぇなもんだって。別に本気でお前らの提督を愚弄するつもりだったわけじゃねえ」
天龍「何が“お前らの提督”だ!今やそれがてめぇの提督なんだぞ」
大和「…その演習の結果はどうなったんですか?」
天龍「…」
天龍「…引き分けだよ。格上のはずだった俺たち横鎮第一水雷戦隊は、こいつらと刺し違えなきゃならねぇ状態まで追い込まれた」
大和「まぁ…」
189
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 20:58:05 ID:ld51Pyrw
天龍「………俺は、木曾の野郎と相討ちだった」
天龍「誰かはよく覚えてねえけど、無名の鎮守府の提督にしちゃあ、こいつらの提督は優秀な司令官だったんだろうよ」
大和「へぇ…そんな方ならぜひお会いしてみたいものですね」
木曾(…もし、アイツともう一度会えたら…どんなに幸せだろうな…)
木曾(…くそっ!)
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:35:49 ID:ld51Pyrw
海軍軍令部
憲兵「着いたぞ。海軍軍令部だ」キキッ
大和「ありがとうございます」バタム
天龍「へぇ〜、ここが軍令部か…」
木曾「…」
大和「それじゃ、大和は書類を提出してきます。皆さんは軍令部内でゆっくり見学などされていて下さい」スッ
憲兵「お、俺は車で待ってるよ。憲兵腕章をつけたまま海軍軍令部に入るなんて気が引ける」
天龍「なに言ってんだよ。いいから来いって!」
憲兵「あ!引っ張るなって…」ヨロ
天龍「なぁ、ちょっと早いけどここの食堂でメシ食おうぜ!」
憲兵「え…いいのか?」
天龍「何遠慮してんだよ!ほら!」グイグイ
憲兵「俺だけ昭5式軍服だよ…浮きまくりだよ…」
191
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:36:35 ID:ld51Pyrw
木曾「…俺は適当にうろついてるからいいよ」
憲兵「え…?」
木曾「じゃあな。30分くらいしたら車んとこに戻る」スッ
憲兵「あ、待ちなよ、一緒に…」
天龍「放っとけって。気ぃ使ってくれてんだよ」
憲兵「気を遣う…?誰にだ?」
天龍「…ちっ」
憲兵「??」
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:37:19 ID:ld51Pyrw
木曾(…これが海軍軍令部か)テクテク
木曾(重厚だな。日本海軍の歴史がそのまま建物の貫禄になって息づいてる)
木曾(まるで…アイツが言ってた、江田島兵学校の校舎みたいだな)
カッ… カッ…
木曾(あ、将官がいる)
木曾(ちっ…こっちから敬礼しなきゃいけねえだろうな…)
木曾(あっ、なんだ、こっちには気づいてねえか…)
木曾(…)
木曾(………っ!!!!!!!!!!!!!!!)
ギィィ…バタン
木曾「〜っ!!!!」ダッ
木曾「ま、待って…!!」
193
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:38:12 ID:ld51Pyrw
軍令部食堂
天龍「海軍カレー二つ」
烹炊長「へいお待ち」ドン
天龍「ほら、海軍カレーだぞ」
憲兵「おお、早いな。あ、水持ってきた」コト
天龍「おっ、気が利くな。じゃあ食おうぜ」
憲兵「いただきます」モグ
憲兵「…うまいな」
天龍「だろ?」
天龍「海軍のカレーは天下一品だぜ」モグモグモグ
憲兵「…」ボー
天龍「…ぁ?どうした、俺の顔になんかついてるか?」
憲兵「…いや、すまない。ただ…」
天龍「…?」
194
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:38:57 ID:ld51Pyrw
憲兵「…艦娘もこうして俺らと同じように元気に食事するんだなって…」
天龍「…」
憲兵「す、すまん。気を悪くしたか?」
天龍「んなわけねーだろ。いや…そうだよな、俺らって、そんなに理解されてるわけでもないもんな」
憲兵「…俺は、お前らには偏見なんか持ちたくはないと思ってるよ」
天龍「そっか…。だったら俺らのこと、少しずつ理解してけってぇの…これからのためにさ」
憲兵「これから…?」
天龍「…!」ハッ
天龍「な、なんでもねえ!ほ、ほら早く食えよ冷めちまうぞ!!」
195
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:42:58 ID:ld51Pyrw
軍令部第一部長室
参謀(…もう決号作戦の発動まで日がない)
参謀(果たして、あの指輪は信頼に足るものなのか?)
参謀(くそっ…こればかりは分からん…!艦政本部の管轄に第一部が介入するわけにも…)
参謀(……すべて、俺の杞憂であってくれればいいんだが…!)
ガチャ!
木曾「ハァ…ハァ…」
参謀「…誰だ?ノックもせずに入室とは…」
参謀「ぁ……!!!」
木曾「…“提督”っ!!!」
参謀「き…木曾…っ!!!」
木曾「ぁあ…!!!」ダッ
ダキッ
木曾「嘘…そんな、……わ、私…俺…ああ、!!!逢いたかった…逢いたかった…!!!!」
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:43:54 ID:ld51Pyrw
参謀「ああ…お、俺に会いに来てくれたのか…!!木曾っ………!!!!」
木曾「ああ…嘘だ…嘘だろ…嬉しい…軍令部に栄転してたのかよ、お前…!!」ポロポロ
参謀「お前と離ればなれになって何が栄転だというんだっ…!馬鹿馬鹿しい…!!!」
木曾「どうして、あの時、“戦争が終わったらまた会おう”と一言、言ってくれなかったんだよっ…!!!」
参謀「そうじゃない…ああ赦してくれ、赦してくれ、俺は…俺が…あまりにも…」
参謀「俺は…俺自身のあのパラオでの日々の幸福が、俺自身で心の底から信じられなかったから…!俺は卑劣な人間だ…!だから…!」
木曾「へっ…何を小難しいこと言ってやがる…!変わんねえな、お前…!」グシッ
参謀「そう簡単に変わってたまるものか、俺みたいな偏屈な男が…んぐっ…?」チュ
木曾「ん…」チュパ
参謀「…」プハ
197
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:44:50 ID:ld51Pyrw
参謀「…攻めてくれるじゃないか。ん?」
木曾「俺を雷巡にしたのはお前だぞ。忘れたのか?」
参謀「違いないな…ふふっ…」
木曾「あはは…!」
参謀「はは…ん?」
木曾「?」
参謀「…その指輪は?」
木曾「っ…!ち、違うんだ、これは決号作戦前に鎮守府の全員に配られた指輪で、決してケッコン指輪なんかじゃ…」アセアセ
参謀「…外せっ!!すぐに外せっ!!」
木曾「え…でも、横鎮の提督が軍命だからって…」
参謀「あの馬鹿野郎が…!いいから外すんだ!!」
198
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 21:47:58 ID:ld51Pyrw
コンコンコン
参謀「!?」バッ
木曾「!!」バッ
大和「失礼いたします。アポも取らず押しかけまして申し訳ありません。横須賀鎮守府秘書艦の戦艦大和です」
大和「…木曾さん?」
参謀「あ…いや、この雷巡には書類運びを手伝ってもらっただけだ」
大和「…?」
参謀「それで、何の用だ?」
大和「単刀直入に申し上げます。参謀殿は先日、私たちの艦隊司令に暴行をはたらかれましたね?」ギラッ
木曾「!?」
199
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 22:25:21 ID:ld51Pyrw
木曾「…待てよ。一体何の話だ?」
大和「提督は先日、口の中を切るケガをされてたんです。不思議に思って大淀さんに確認したら、数日前に提督は参謀殿に出頭を命じられていました。その場で、提督は参謀殿に…」
参謀「…」
大和「…提督は、私たちに心配をかけまいとその件については黙っておられたんです…」
木曾「…!」
参謀「…」
大和「無言は言外の肯定、と解釈してよろしいでしょうか?」
参謀「…」
大和「何とか言ってくださいっ!!!」
大和「よくも…よくも私たちの司令官に、酷い真似を…!!」
参謀「…貴様の知ったことではない。将官では将官の間でのやり取りというものがあるのだ」
200
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 22:40:29 ID:ld51Pyrw
大和「よくも…よくも私たちの大切な提督に、そんな酷い真似をっ…!!!」バンッ!
参謀「…貴様も、特殊物資…の指輪をしてるのか」
大和「ええ。それが?」
参謀「悪いことは言わん。外せ!」
大和「…よほど大和を怒らせたいようですね。いきなり何の話ですか!?これは提督と私たち横鎮艦隊の絆ですっ!絶対に外しません!」
参謀「外せ!軍令部将校の言うことが聞けないのか!?」
大和「いくら軍令部付であろうと、艦隊司令ではない将校の命令に従う義理はありませんっ!!」
参謀「大和…!!」
大和「…参謀殿、今から横鎮司令官に電話で謝罪してください。そうすれば大和も矛を収めましょう」
参謀「…」
木曾「…おい大和。軍令部将校を恐喝する気か?」
大和「…恐喝?大和はただ、正当な要求をしているだけです。それのどこが恐喝ですか?」
木曾「将校の間には俺らの理解の及ばないやり取りだってあるだろ。そこに首を突っ込みたいのか?」
大和「木曾さん…貴女はいったい、誰の艦娘ですか?」
木曾「…」
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 22:44:03 ID:ld51Pyrw
大和「…この参謀が貴女の過去の提督だというのは分かりました。ですが、それだけで貴女がこの方をなお庇いだてするというのなら捨ておくわけにはいきません。…口出ししないでください」スッ
木曾「…」バッ
参謀「き、木曾…」
大和「…どいて下さい」
木曾「…お断りだ。大和こそ下がれ」
大和「木曾さんっ!」
木曾「大和…!」ガシッ
大和「邪魔立てするつもりですか…?」ガシッ グググ
木曾「ぐっ…!」ズズッ
大和「…」グググ
木曾「っ…!」
参謀「…もういい、止めてくれ。木曾、大和、俺は…」
ガチャ
元帥「何の騒ぎかね…?」
202
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 22:47:36 ID:ld51Pyrw
参謀「元帥…!」
木曾「…!」ザッ
大和「!」ザッ
元帥「表を通りかかってみれば作戦部長室の中からこの騒ぎ声だ」
元帥「一体何事かね?」
参謀「…」
元帥「君は戦艦大和…か」
大和「はっ!」
元帥「横鎮司令官から話は聞いている。駿河の司令官が君に愚かな振る舞いをしたということ、元帥たる私としても慙愧に堪えない」
大和「そ、そんな…」
元帥「ちょうどよかった、君とは話をしたいと思っていた。先に私の執務室に行って待っていたまえ。最上階だ」
大和「で、でも…大和は今…」
元帥「行きたまえ」
大和「…はい」
バタン
203
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 22:56:27 ID:ld51Pyrw
元帥「…どういうことかね、参謀。説明してもらおうか」
参謀「…」
元帥「指輪の話をしていたのだろう?」
参謀「!!」
元帥「…話は部屋の外であらかた聞かせてもらった」
参謀「…悪い噂を耳にしました」
元帥「ほう?」
参謀「大本営統帥部は、決号作戦が終結すれば、艦娘を“処分”するつもりらしい、と…」
木曾「えっ…!?」
元帥「…まさか、その件でお前は横鎮の提督と何か話した…のか…?」
参謀「…」
元帥「…だんまりか」
204
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 22:57:42 ID:ld51Pyrw
参謀「…この際はっきりおっしゃってください。統帥部は…元帥閣下は、よもやそのようなお考えはお持ちではありませんよね?」
元帥「…くだらん。そもそもその話と指輪と、一体何のかかわりがあるのかね?」
参謀「艦娘のレベルを一定程度上げることのできる指輪…なぜ今になってそんなものが?」
元帥「…」
参謀「しかもあれは元帥直々のご命令で艦政本部が製造に着手したものと聞いております」
木曾「!!」
元帥「…」
元帥「…要するにお前は、私が小細工を弄して艦娘達を処分しようと考えているというのかね?」
参謀「…そうでないというのならば、いま私が電話を取って、決号に参加する各鎮守府の提督に、指輪を工廠にて精査するように命令しても差し支えないということですね?」
元帥「…」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 22:58:22 ID:ld51Pyrw
参謀「…お答え頂けないのであれば、そのようにいたします」ガチャ ピポパ
元帥「…仕方がない」ジャキッ
参謀「…!?」
木曾「え…!?」
ズダァーーーーーーーーーーーン!
206
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 22:59:16 ID:ld51Pyrw
ガチャ!
副官「げ、元帥閣下!?」
元帥「…私なら大丈夫だ。それより………」
元帥「横須賀鎮守府を制圧し、艦隊司令を拘束せよ。要するに理由は何でもいい、陸戦隊を出してただちに横鎮提督を捕まえろ!」
副官「はっ!」ダッ
207
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 23:00:58 ID:ld51Pyrw
今日はここまで おやすみなさい
208
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/13(日) 23:06:33 ID:ld51Pyrw
>>201
訂正
大和「…この参謀が貴女の過去の提督だというのは分かりました。ですが、それだけで貴女がこの方をなお庇いだてするというのなら捨ておくわけにはいきません。…口出ししないでください」スッ
↓
大和「…この参謀が貴女の過去の提督だろうというのはなんとなく分かりました。ですが、それだけで貴女がこの方をなお庇いだてするというのなら捨ておくわけにはいきません。…口出ししないでください」スッ
209
:
1
:2016/03/27(日) 15:34:25 ID:Yv1uN.lY
少し投下
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 15:37:55 ID:Yv1uN.lY
横鎮 司令官執務室
コンコンコン
大淀「失礼いたします。お茶をお持ちしました」ガチャ
提督「お、サンキュ」
提督「…大和たち、もう軍令部に着いてるかなぁ」
大淀「ええ、もうとっくにその時間だと思いますよ」コト
提督「…天龍と木曾、半ば強引に一緒に外出させたけど、大丈夫かな…」
大淀「…あの二人については、大和さんも一緒ですし大丈夫でしょう。それを承知で、提督もあのメンバーで外出させたんじゃないですか?」
提督「ま、まあそうだけどさ。荒療治かもしれないけど」
大淀「…むしろ心配なのは、大和さんです」
提督「大和が…?」
大淀「…提督、大変申し訳ございません」スッ
提督「お、おい、いきなり何だよ」
大淀「…先日の軍令部での件、大和さんに問い詰められて…私、話してしまいました」
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 15:38:45 ID:Yv1uN.lY
提督「軍令部の件……ぁああああああっ!!!」
提督「お、俺が参謀に…先輩に一発喰らった件か…!!???…ええええ…大和には余計な心配掛けたくなかったのに…」
大淀「提督が口腔内を切られていたことを不審に思っていたみたいで…面目次第もございません…」
提督「…まあ、さすがに大和が先輩にお礼参りをするとは思えないけどな」
大淀「…私に詰問してきたときの大和さんの鬼気迫る様子を見れば、提督もひょっとしたらそのお考えを改めるかもしれません」
提督「…大和に何か乱暴されたりしたのか?」
大淀「そ、そんなことは決してありません!するもんですか!」
212
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 15:39:39 ID:Yv1uN.lY
大淀「…ただ、もし大和さんが軍令部で本当に参謀にお礼参りに行ったとしたとしても、怒らないであげてください」
提督「…」
大淀「戦艦大和は世界最高の戦艦です。かつて大日本帝国がその威信と技術力を結集した、芸術的ともいうべき艦艇兵器です」
提督「…それはそうだ」
大淀「その芸術性ゆえに、大和さんの魂は繊細で深いんだと思います。もちろんそれは姉妹艦の武蔵さんにも受け継がれていると思いますが」
提督「…うん、そうだな」
大淀「巨大な46センチ三連装砲や、世界無比の機銃群、分厚い装甲は大和さんの本質なんかじゃありません。あの当時の日本をその鋼鉄の身に気高く背負おうとした、哀しいまでに一途で純真な魂こそが、艦娘に生まれ変わった大和さんそのものだと思うんです」
提督「…」
大淀「だから…大事にしてあげてください。70年前に冷たい海の底へ葬られた彼女の魂を…愛おしんで、癒してあげてくださいね」
提督「…分かった。大和が何か軍令部でやらかしたとしても、俺がきちんと守ってやるよ。後で俺が頭ぁ下げれば済むことさ」
大淀「さすがです、提督」
213
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 15:40:16 ID:Yv1uN.lY
大淀「…ただ、もし大和さんが軍令部で本当に参謀にお礼参りに行ったとしたとしても、怒らないであげてください」
提督「…」
大淀「戦艦大和は世界最高の戦艦です。かつて大日本帝国がその威信と技術力を結集した、芸術的ともいうべき艦艇兵器です」
提督「…それはそうだ」
大淀「その芸術性ゆえに、大和さんの魂は繊細で深いんだと思います。もちろんそれは姉妹艦の武蔵さんにも受け継がれていると思いますが」
提督「…うん、そうだな」
大淀「巨大な46センチ三連装砲や、世界無比の機銃群、分厚い装甲は大和さんの本質なんかじゃありません。あの当時の日本をその鋼鉄の身に気高く背負おうとした、哀しいまでに一途で純真な魂こそが、艦娘に生まれ変わった大和さんそのものだと思うんです」
提督「…」
大淀「だから…大事にしてあげてください。70年前に冷たい海の底へ葬られた彼女の魂を…愛おしんで、癒してあげてくださいね」
提督「…分かった。大和が何か軍令部でやらかしたとしても、俺がきちんと守ってやるよ。後で俺が頭ぁ下げれば済むことさ」
大淀「さすがです、提督」
214
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 15:41:20 ID:Yv1uN.lY
>>212
-
>>213
重複スマソ
215
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 15:42:35 ID:Yv1uN.lY
コンコンコン
赤城「失礼しますね。提督、妖精さんがお話があるって言ってますよ」
工作妖精「…」ヒョコ
大淀「あら、妖精さん、お顔の色がすぐれないですね?」
工作妖精「ち、ちょっと疲れちゃっただけです…それより、提督…」
提督「…すまん、大淀と赤城は外してくれないか?」
大淀「…??分かりました、それでは…」
赤城「失礼しました〜」
バタン
提督「…で、どうだった?何かわかったのか!?」
工作妖精「…」
工作妖精「提督さん…いったいどうやってこの事に気づいたの…?」
216
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 15:52:56 ID:Yv1uN.lY
軍令部 食堂
天龍「〜♪」パクパク
憲兵(…男勝りに見えて、可愛いところもあるんだな)モグモグ
バターン!ドカドカッ
憲兵「な、何だ?」
衛兵A「いたぞ!艦娘だ!」ダッ
衛兵B「拘束しろ!!!」
憲兵「な…こ、拘束だと!?」
天龍「きゃっ…!おいてめぇ!いきなり何すんだよっ!!」ジタバタ
衛兵A「黙れっ!大人しくついて来い!」ガシッ
衛兵B「暴れるな!!」パシィン
天龍「痛っ!!!!」
217
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 15:54:04 ID:Yv1uN.lY
憲兵「貴様ぁあああっ!何をするか!!」ボカッ
衛兵B「ぐはっ!」ズデェン
衛兵A「何だ貴様ぁ…」
憲兵「横須賀憲兵隊だ!!その艦娘…天龍は自分の護衛対象だ。それ以上天龍に触れるな!」
衛兵B「こいつは海軍の艦娘だ。陸軍憲兵が余計な口出しをするな!」
憲兵「ふざけるな!俺は憲兵師団から彼女の護衛任務を拝領してる。いくら海軍関係者でも、これ以上は指一本触れさせないぞ!」
天龍「け、憲兵さん…」
衛兵A「くそっ…面倒なのがくっついてきたな…!」
衛兵B「しかたない、こいつも一緒に拘束するぞ!」ガシッ
憲兵「あ、こらっ!離せっ!」ジタバタ
天龍「くっ!ちきしょう!」ジタバタ
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 16:17:23 ID:Yv1uN.lY
元帥「…さて、お前は何とも余計なことをしてくれるものだな」
参謀「…これが、元帥閣下の本音でありますかっ…!」
元帥「私が撃ち抜いたのがお前の頭蓋でなく、電話機だったことに感謝してもらわねばな」
参謀「やはり、思った通りあんたは艦娘を殺処分するつもりだったのか…!」
元帥「今は多くは語らん。いずれ説明の機会は設けてやる。さて…」
木曾「…っ…」ガクガクッ
元帥「そこの雷巡。腰の剣を捨てろ。さもないとお前の頭部を、そこでバラバラに弾け飛んだ電話機のようにしてやる」チャッ
参謀「や…やめろ!!木曾、剣を捨てるな!!」
元帥「捨てろ。それとも、兵器の分際で、日本海軍の最高指揮官の命に背くというのか?」
木曾「……っ!」
元帥「捨てろと言っている。参謀には情けを掛けたが、お前などにははなから容赦するつもりはない。武器を捨てろ!!!」
木曾「…」
木曾「…」スッ
ガチャッ
参謀「き、木曾…」
219
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 16:18:27 ID:Yv1uN.lY
元帥「…それでいい。兵器が人に反抗しようなど、あってはならんことだ」
元帥「なあ木曾?」ブンッ
ゴッ!!
木曾「ぐっ…!!」ドサッ
参謀「木曾っ!!!やめろ、やめてくれ!!!」ガシッ
元帥「黙って見ておれ!!」ガッ
参謀「ぐは!」メキャ
元帥「…人のかたちをしておると、さすがにどうもやりづらいな。顔は遠慮して腹にしてやろう」ケリッ
木曾「ぅあっ!!!」ボグッ
元帥「ふっ!」ケリッ
木曾「ぎっ…!」ボグッ
元帥「このっ…!このっ…!!」ケリッ
木曾「ぅ………」ボグッ
220
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 16:20:08 ID:Yv1uN.lY
参謀「や…やめろ…俺の木曾に…何を…」ヨロッ
元帥「何が俺の木曾かぁっ!!!」ゴチン
参謀「うぐっ!!」ドサッ
元帥「この…兵器の分際でっ!軍将校を…っ!!たぶらかしおって……!!!!」ケリッ
木曾「が…がはっ……」ボグッ
衛兵A「失礼いたします。食堂にて軽巡・天龍と、護衛の憲兵一名を拘束いたしました!」
元帥「留置室にぶち込んでおけ。それと、参謀と木曾も別々に入れておくように」
衛兵B「はっ!!」
元帥「さて…残るは…」
221
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 16:28:36 ID:Yv1uN.lY
提督「よ、妖精さん…?」
工作妖精「…あのね、提督」
工作妖精「あの指輪…特殊物資…、………あああ、信じらんない!!!」
提督「…え?」
工作妖精「あの指輪ね…ある信号を受信すると、艦娘の指に毒針を打ち込む仕掛けになってるの!」
提督「なん…だと…!?」ガタン
提督「それは…本当か…?」
工作妖精「本当だよ!…間違いないよ!」
提督「もし…その毒針が艦娘に打ち込まれたら…?」
工作妖精「終わりさ。毒針を打ち込まれた艦娘の生体は眠るようにその機能を奪われるの」
工作妖精「…そして二度と目は覚まさない。聞くも恐ろしい現代の毒林檎だよ…!」
提督「…!!!」ギリッ
222
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/03/27(日) 16:31:13 ID:Yv1uN.lY
とりあえず今日はここまで
223
:
1
:2016/04/06(水) 21:49:33 ID:0xvh5Lsk
少し投下
224
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 21:50:25 ID:0xvh5Lsk
佐世保鎮守府 司令官執務室
佐世保提督「…で、敵の殲滅を確認でき次第、横須賀鎮守府の司令官が大本営に向けてシ連送を打電して、決号作戦は…この戦争は終わるって流れだ」
摩耶「なぁんだ。おいしいところを持ってかれちまってんじゃないか。文字通り最後決戦だって言うのによ」
佐世保提督「横須賀は主幹鎮守府だからな。まあ俺たち佐世保より責任ある位置にあるんだ。二重の意味でな」
摩耶「横須賀の司令官とは同期なんだろ?鳥海が言ってたぜ」
佐世保提督「ああ。海兵128期の腐れ縁だ。…この戦争の初めには、同じイージス艦に乗り組んでいた」
摩耶「…」
佐世保提督「…あれからもう、何年たつんだろう」
佐世保提督「………ある日の事だ。ある海域で、我が大型タンカーが深海棲艦の攻撃を受けたと緊急電が入った。艦は緊急出撃、俺と奴はCICで固唾を飲んで戦いの時を待った」
摩耶「…聞くまでもねえとは思うけど…その戦闘の結果は…」
佐世保提督「…ダメだったんだ!同時に複数目標を探知できるはずのシステムが、神出鬼没のあいつらを完全には捕捉できなかったんだ」
佐世保提督「…スクリーンに、まるで無数の夜光虫のように突如浮かび上がっては消える、こっちを嘲笑うような深海棲艦たちの反射波の数を見たとき、CICは驚愕と絶望に包まれたよ」
摩耶「…」
225
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 21:51:29 ID:0xvh5Lsk
佐世保提督「砲雷長が悲壮な叫び声で飽和攻撃を下令した。復唱も忘れて、俺たちは艦の振動に無様に震えていた」
佐世保提督「…果たせるかな、ハープーンもアスロックも、変化自在に海上を滑り、艦に肉薄してくるあいつらに追いすがることすら出来なかった。唯一効果があったのは二門のCIWS…ガトリング砲だった」
佐世保提督「だが…たちどころに弾が尽き、砲身も灼けた。CICに赤く響き渡る警告音が、艦の終わりを告げた…給弾も虚しく間に合わず、CIWSは破壊され、身を守ることすらできなくなった艦は、やがて沈められた」
佐世保提督「…海に投げ出された俺はな、疲れ果てて海中に沈んじまう前に見たんだ。深海棲艦…もうはっきりとは覚えてないが、人型をしたやつが、俺の事を見ていた」
佐世保提督「…不可解なことに、奴らは漂流している俺たちをそれ以上攻撃してくることはなかった。タンカーの乗組員たちも生き残りは漂流してたが、彼らにもそれ以上の危害はなかった。そのうち、やつらは去っていった」
佐世保提督「沈みかけた俺を、内火艇に引っ張り上げてくれたのが、同期の…あの横須賀の司令官だった」
摩耶「…命の恩人、だったんだな」
佐世保提督「ただ…今もってわからない。なぜあの時、深海棲艦は俺たちに止めを刺さなかったのか…」
226
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 21:52:18 ID:0xvh5Lsk
摩耶「…初めて聞いたよ。提督も、奴らとの戦いで傷ついてたんだな」
佐世保提督「…内火艇の揺れに吐きながら、俺たちは無様に泣いてたよ。俺たちはもうダメだ、あいつらから日本を、人類を守ることは出来ないってな…」
摩耶「っ…」
佐世保提督「だが…お前たち艦娘は、俺たちを絶望から救い上げてくれた。勝利はもう目の前だ」
摩耶「…へっ」
佐世保提督「なあ、お前らも戦争が終わったら色々したいことをしろよ。俺たちはお前たちのおかげで、今を生き長らえてるんだからな…」
摩耶「ああ。言われるまでもねえよ!」
227
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:00:00 ID:0xvh5Lsk
横須賀鎮守府 正門近く
ブォォォオオオオオオオン
加賀「…?なんでしょう、鎮守府の表通りから装甲車が…??」
赤城「こっちに来ますね?」
キキキッ ガチャ!
陸戦隊員1「全員下車っ!打ち合わせ通りに制圧行動に入れ!散開っ!行けっ行けっ行け!!!」ダッ
赤城「あっ!!あれは海軍の…陸戦隊……!!!」
加賀「嘘…でしょう?これは…」
陸戦隊員2「動くなっ!両手を上げろ!」ジャキッ!
日向「…!!!」
伊勢「え、何?なんなのコレ…」
陸戦隊員4「大人しく指示に従え!あの倉庫の裏まで歩け!!」
228
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:00:44 ID:0xvh5Lsk
提督「そんな…一体、どういうことだよ…大本営は…艦娘たちを殺処分する気なのか!?」
工作妖精「…だろうね。恐らく、決号作戦が終了したのを見計らって…」
提督「どうしてだよ…どうして艦娘にこんな酷えことをっ…!」
提督「艦政本部は…いや、大本営は一体何を考えてこんな…」
提督「…まさか…参謀は、先輩はこの事を薄々感づいていた…から、俺からあの指輪を回収しようとしたのか…!?」
工作妖精「…戦争が終わってしまえば、艦娘たちはもう要らないから消えてもらおうってことなのかもね…!」
提督「!!!!!!!!!!!!!」
提督「この事に感づいたから…先輩は俺に…!!」
提督「くそっ!!どうする…どうすれば…」
229
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:01:40 ID:0xvh5Lsk
バタバタバタ
霧島「たっ大変です司令!武装した海軍陸戦隊が鎮守府内に突入してきましたっ!」
武蔵「まるまる一個中隊規模だっ!こっちにも向かってくるぞ!」
提督「何だと!!!!」
工作妖精「だ…大本営は…本気だね…!」
霧島「司令、指示を!私たちはどう対応すればいいですか!?」
提督「っ…と、とにかくこちらから先に手向かいはするな!妖精さん、君は隠れろっ!」
提督「それより、決号作戦に参加する他の鎮守府司令官にこの事を伝えなきゃ!外線で電話だ!」ガチャ
230
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:03:08 ID:0xvh5Lsk
陸戦隊員1「門を閉めろ。外部からの目をシャットアウトだ」
陸戦隊員1「…各班の浸透状況は?」
陸戦隊員3「順調です!一班が本館1階に到達しました!」
陸戦隊員1「…5秒遅れだな。よし、榴弾にて狙撃用意。信管はオフ。射撃位置は車両の陰だ」
陸戦隊員5「は!」ジャキッ!
陸戦隊員1「目標、鎮守府本館上の通信アンテナ基盤。狙え」
提督「出てくれ、佐世保…!!」ガチャ ジーコ ジーコ
陸戦隊員1「撃て」
バスッ
231
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:05:30 ID:0xvh5Lsk
長崎・佐世保鎮守府
ジリリリーン
佐世保提督「はい、佐世保司令官」ガチャ
佐世保提督「…??」
佐世保提督「もしもし?もしも〜し!!」
佐世保提督「変だな。切れちまった」チン
摩耶「どこからだ?」
佐世保提督「履歴はっと……横須賀…?」ピピッ
佐世保提督「かけ直してみるか…?」ガチャ…
コンコンコン
佐世保提督「入れ」
ガチャ
鳥海「はぁ…はぁ…」
摩耶「おう、どうしたよ鳥海」
鳥海「失礼いたします!!提督、たった今大本営より入電しました。緊急電です!」スッ
232
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:21:52 ID:0xvh5Lsk
食堂
暁「やったわ!今日のお昼はハンバーグよ!」
響「暁、慌てなくてもハンバーグは逃げないから安心して」
愛宕「あらあら、うふふっ」
電「…少し余らせて、あとでヲ級ちゃんにこっそり持っていってあげるのです」ボソボソ
雷「そうね。みんなにばれないようにするわよ」ボソボソ
ズダァーン!
キャァアアアアーーーーー!
233
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:22:57 ID:0xvh5Lsk
暁「え、じゅ、銃声!?」
副官「次はここを制圧するぞ!」ドカドカッ
北上「嘘でしょ…これ、なんかの演習…?」
大井「そ、そんな話、聞いてないわ!」
副官「全員その場から動くなっ!!両手を上げろ!」ジャキッ
龍田「何なんですか!?あなたたちは一体…」ズイッ
副官「黙れっ!」ブンッ
龍田「きゃあ!」パシィン
山城「た、龍田ちゃん!」
白雪「ぁ…ぁぁ…」ガクガク
扶桑「ど、どういう事なの…ふ、ふk」
副官「喋るなっ!黙って外に出ろ!急げっ!」
234
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:23:59 ID:0xvh5Lsk
出撃施設
吹雪「こ、こっちにも銃を持った兵隊さんが来ます!!」
大淀「早く、海上に退避を!あの陸戦隊の意図は分からないけど、黙って従うのも恐らく危険だわ!」
大淀(大和さん…もしかして、軍令部で何かとんでもないことでもしたのかしら…!?だから陸戦隊が…!?)
高雄「だ、ダメ…!出撃コードが変えられてる…!これじゃ出港できません!」
大淀「何ですって…!?」
陸戦隊員6「う、動くなっ!」ジャキッ!
大淀「っ!」
高雄「あああ…」
陸戦隊員6「…手を上げて出てこい。歩くんだ。倉庫裏まで来い」
吹雪「大淀、さん…」
大淀「…仕方、ありません…言われたとおりにしましょう…」
235
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:38:18 ID:0xvh5Lsk
ドカドカドカッ バタァーン!
陸戦隊員2「全員動くなっ!!」ジャキッ
提督「っ…!」
霧島「う、嘘…」
陸戦隊員2「あんたが横鎮司令官か!?」チャッ
提督「…なんだ貴様は。ここは海軍横須賀鎮守府だぞ。許可もなく武装し突入してくるとはどういう事だ!?」
陸戦隊員2「腰の拳銃をゆっくり床に置け」
提督「質問に答えろ!」
陸戦隊員2「答える必要はない。置け!」チャッ!
武蔵「く…」ジリッ
陸戦隊員2「そこの艦娘!動くなと言っている!」チャッ!
武蔵「う…」
陸戦隊員2「司令官、銃を置け。我々は必要な際には発砲を許可されている」
提督「…」スッ ガチャ
236
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:38:50 ID:0xvh5Lsk
陸戦隊員2「こちら02、司令官室を制圧した。艦娘2人の移送に誰かよこしてくれ」ピッ
武蔵「おい、いったいこれは何だ。いったい私たちが何を…」
陸戦隊員2「……さあな?」
237
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:42:01 ID:0xvh5Lsk
倉庫裏
副官「全員、壁に向かって立て!両手を頭の後ろで組んで跪け!!」ジャキッ!
川内「い、痛いよ!髪引っ張らないで!」
副官「兵器の分際で、ギャーギャー騒ぐな!」ブン
川内「あっ!」バシッ
神通「ね、姉さん!」
副官「これで全員か?」
陸戦隊員1「は。めぼしいところにいた艦娘はあらかた連行しました」
副官「よし。では大尉、このリストとエンピツを持ってついて来い」
陸戦隊員1「これは?」
副官「横須賀鎮守府に所属する艦娘のリストだ。今から全員がここにいるかどうかチェックする」
238
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:43:59 ID:0xvh5Lsk
佐世保提督「大本営から緊急電…???開封はしたか?」ペラ
鳥海「いえ、まずは提督にと…」
佐世保提督「…」ガサ
佐世保提督「…!?!?!?!?」
佐世保提督「な、なんだこれは?」
摩耶「…?」
佐世保提督「『別命あるまで決号作戦の発動を延期す。なお敵防諜の為各鎮守府間のいかなる交信も禁ず』」
鳥海「えっ??」
佐世保提督「どういうことだ!?作戦決行を前に、こんな急な延期って…」
鳥海「命令の発信者は誰になっていますか?」
佐世保提督「…元帥閣下、だ。わざわざ“厳命”の文句もついてる」
摩耶「おいおい…嘘だろ…?」
鳥海「…」
鳥海「…中央で、何かが起きているんじゃないでしょうか…!?」
佐世保提督「…!!!????」
239
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:49:49 ID:0xvh5Lsk
副官「巡洋艦はすべてそろっているな?」
陸戦隊員1「いえ…木曾と天龍がいないようですが」
副官「問題ない。そいつらは今軍令部だ」
副官「さて…次は駆逐艦だな。おい、お前の名前は?」
不知火「…」
副官「…聞こえないのか?名乗れと言ってるんだ!顔を背けるな!」
不知火「…っ」
副官「兵器風情が、強情を張るなっ!!」ブン
不知火「っ!」パシィン
白雪「ひっ!」
暁「ぁ…ああ…」ガクガク
不知火「…」ギロッ
副官「何だその目はぁあああ!!兵器の分際でっ!!!」ブンッ
不知火「うっ!」パシィン!
240
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:53:06 ID:0xvh5Lsk
陽炎「や、やめて!この娘は不知火よ!陽炎型駆逐艦二番艦の、不知火よっ!もう…やめて…!」
不知火「…」ポロポロッ
榛名「し、不知火ちゃん…!」ギュゥ
副官「まったく、手を焼かせやがって…!」
陸戦隊員1「………」
日向「何なんだこれは…私は悪夢を見ているのか…???」
伊勢「…夢だったら、いいのに…!!」
241
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:55:33 ID:0xvh5Lsk
吹雪「教えてください。いったいこれはどういうことですか?なぜ私たちが拘束されなければならないんですか!?」
副官「誰が質問を許可した!?」ズダァーン!
チューン
吹雪「っ…!!」
副官「次に余計な口を開いたら、次は耳を吹き飛ばすぞ」
副官(ちっ…実際の艦娘というものはもっと従順で大人しいものかと思ったが…くそ、認識を改めなければいけないな…)
副官(ここの提督は、艦娘を好きにさせ過ぎていたようだな…!)
副官(…ここまで意思を持って突っかかってくるとは…くそ、なんとかこいつらを納得させる根拠材料の足らないままここまで来てしまったのはまずかったか…)
副官「おい、大尉」
陸戦隊員1「は」
副官「…確認するが、艤装を着けない艦娘に対し、我々の89式小銃でこれを無力化することは可能だな?」
陸戦隊員1「…それは問題ありません。艤装さえなければ、拳銃弾でも十分…」
副官「分かった。もういい」
陸戦隊員4「大佐、驚くべきものを発見しました。ちょっと来てください」
副官「何だ?」
242
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 22:58:12 ID:0xvh5Lsk
陸戦隊員2「これです。倉庫の隅に繋がれていました。こいつは…紛れもなく…」
ヲ級「…」ブルブル
副官「ほう…上出来だ。いいネタを見つけてくれたじゃないか」ニヤリ
ヲ級「…!?」ブルッ
副官「ただちに軍令部に報告。急げ」
陸戦隊員3「は!」
副官「…さて、と」
副官「全員聞け!!!!自分は大本営海軍部スタッフであり、軍令部副官部所属の…大佐である!!」
ザワッ…!
霧島「ぐ、軍令部…!?」
副官「我々はかねてより身内の不審を内偵してきた」
副官「その調査の結果、恐るべきことが判明したっ!」
副官「貴様らの提督は、こともあろうに深海棲艦と内通していたのだっ!!!」
ザワッ…
243
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:00:08 ID:0xvh5Lsk
武蔵「な、何だと…!?」
愛宕「あ、あり得ないわ!」
龍驤「せや!そないなアホなこと、あってたまるかい!どうしてもと言い張るんなら、証拠出せや!」
副官「黙れ。兵器風情が口の利き方に気を付けんか!」チャッ
龍驤「…!!」ブルッ
副官「…だが、一理ある。確たる証拠を見せてやろう。そらっ!」
副官「これが貴様らの提督が匿っていた敵だ!」ドン
ヲ級『っ…!』ドサッ
副官「こいつが何だか分からん奴はいるか?」
副官「いったいこれは何だ!?おいそこの艦娘、答えろ」
244
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:01:53 ID:0xvh5Lsk
雷「し、深海棲艦…の、ヲ級…型、空母です…」
副官「声を出さんかぁあああっ!!!」
雷「お、ヲ級型空母ですっ!」
副官「こいつは敵か!?味方か!」
雷「て、敵です!!」
副官「ぁあ!?」
雷「敵です!!」
副官「叫ばんかぁぁぁ!」
雷「敵ですっ!!」
副官「そうだ!!貴様らに言われるまでもなく、こいつは間違いなく深海棲艦であり、人類の敵だ!!」
副官「その敵がなぜここにいる!?なぜここで処分されることなく生きている!?」
副官「なぜだ!?どうしてだ!?」
副官「答えは明白だ!!貴様らの提督が敵と内通していたからだっ!!!」
武蔵「っ…!?」
副官「貴様らの提督は貴様らをたばかり、こうして敵に情けをかけていたのだ!」
245
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:05:14 ID:0xvh5Lsk
ザワ…ザワ…
ホ、ホントニシンカイセイカンヨ
ヲキュウダワ ドウシテココニ…?? マサカ…テイトクガ…ホントウニ…??
睦月「あれが…如月ちゃんの…仇…!!!」
夕立「む、睦月ちゃん…」
ヲ級「ヲ…」ブルブル
副官「さあ艦娘ども、この憎むべき敵に石を投げつけろっ!」
246
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:06:40 ID:0xvh5Lsk
ザワ・・・
副官「さっさと投げんかぁ!こいつは世界平和の敵なんだぞっ!!」
副官「人類の敵なんだぞっ!こいつは!」ブンッ
ヲ級「!!!」ドガッ ドサッ
副官「このっ!!!」ケリッ
ヲ級「グッ…!!」グモッ
副官「いいか、こいつらは鬼畜なんだぞ!」ケリッ
ヲ級「ギャッ…!!」グモッ
副官「こいつらは我々の無辜の同胞たちを殺戮してきたのだ!こいつらのせいで、いったい何隻の輸送船が、タンカーが、艦船が喪われた!?何人の民間人が死んだ!?思い起こせ!!どうだ、憎いだろう!?」ケリッ
ヲ級「ゥ…!」ガハッ
副官「ほら、立てっ!!立つんだ!!」グイッ
ヲ級「…」ハァハァ
247
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:08:51 ID:0xvh5Lsk
副官「立たんかこの鬼畜がぁああっ!!」ブンッ
バキッ ドカッ
ヲ級「〜〜!!!」
ヲ級「ウッ…ヒグッ…」ポロポロ
武蔵「っ…」
白雪「…」
電「…」シクシク
副官「一丁前に人に情けを乞うかこの化け物がっ!!!」ハァハァ
ヲ級「…」ポロポロ
副官「さあ艦娘ども、こいつに石を投げろ!」
副官「遠慮はいらん。さぁ!これはお前たちの敵だぞ!!」
副官「…何をしている!!さっさと投げろ!!」
248
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:13:55 ID:0xvh5Lsk
ビュッ
ヲ級「!!」ヒッ
ゴッ ボトン
副官「…いま私に石を投げたのはどいつだ!?」
副官「出てこい!誰だ!?」
武蔵「私だ」ズイッ
武蔵「…尻の青い若造が、よくも私たちをここまで侮辱してくれたものだな…!!国をこの身体で守ってきた私たちに対して、海軍軍服を着た者からの扱いがこれか…!」
副官「う…動くな!!」チャッ
日向「…私たちを舐めるなっ!!」ヒュン
榛名「勝手は…榛名が許しません!!」ヒュン
電「電の本気を見るのです!!」ヒュン
瑞鶴「降参してる相手に、さらにムチ打つようなことなんかできるわけないじゃない!!」ヒュン
不知火「…外道がっ!」ヒュン
副官「ぐあっ!止めろっ!」
陸戦隊員1「……」
249
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:16:26 ID:0xvh5Lsk
睦月「…」ギュッ
睦月「えいっ!」ビュン
副官「ぐあっ!目がぁ!!」ゴン
夕立「ぽいぽいぽい!」ヒュヒュヒュ
吹雪「それっ!」ヒュン
副官「ぐああああああ!!痛ぁあああああ!!」
250
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:22:37 ID:0xvh5Lsk
副官「やめろ!やめんか!!」ズダァーン!
副官「艦娘の分際で!!こいつら全員を講堂へ連行しろ!!」
陸戦隊員1「…は」
陸戦隊員3「石投げを止めろっ!!」ズダダダダダッ!
キャー!
陸戦隊員4「大人しくしろ!全員両手を上げたまま講堂へ歩け!!」
副官「くそっ…!艦娘どもめ…!」
陸戦隊員1「……」
副官「何だ大尉。何かおかしいか?」
陸戦隊員1「いいえ。………このヲ級はどうされますか?」
副官「…元のように拘束しておけ。歩哨も立てておけ」
陸戦隊員1「は」
副官「それより、司令官はどこに拘束している?」
陸戦隊員1「1号車の中です」
副官「装甲車か。分かった、今から行く」
251
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:25:20 ID:0xvh5Lsk
今日はここまで おやすみなさい
252
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/06(水) 23:32:08 ID:HI8sGKBk
乙!
253
:
1
:2016/04/09(土) 23:05:38 ID:1Cc.g1Tc
今夜も投下します
254
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:07:17 ID:1Cc.g1Tc
佐世保提督「…中央で、何かが起きてる…!?」
鳥海「…作戦延期だけならまだしも、深海棲艦相手に敵防諜なんて話はおかしすぎます。しかも鎮守府間の合同作戦を前に、どうしてその連絡が禁止になるんですか?」
摩耶「そ、そうだよな…ヘンだぜ、これ」
佐世保提督「…」
佐世保提督「…と、とにかく総員に通達。決号作戦の延期のみ皆に伝えてくれ」
鳥海「よ、よろしいんですか?」
佐世保提督「…軍命だ。無視するわけにはいかない」
鳥海「は、はい…」
摩耶「…」
255
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:07:59 ID:1Cc.g1Tc
佐世保提督「あ…そうだ。横須賀から電話が掛かってきてたんだった。この件の確認も含めてかけ直さなきゃ…」ガチャ
鳥海「て、提督!?」
佐世保提督「なんだ鳥海…………ぁ…っ!?!」
『鎮守府間ノ如何ナル交信モ禁ズ』
佐世保提督「…」
佐世保提督「…」チン
256
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:08:51 ID:1Cc.g1Tc
陸戦隊装甲車 1号車内
提督「…貴様、いったいこれはどういうことだ…!?」
副官「これはこれは提督殿。何をそんなにお怒りですかな?」
提督「ざけるなっ!貴様、たしか元帥閣下の副官だったな!?」
副官「そうだ。私は元帥閣下のご意思のもと、日本の…いや人類の平和のために戦っている」
提督「何が人類の平和だっ!俺は知っているんだぞ、あの“特殊物資”には毒針が仕込んであるってことを!」
提督「せいぜい…艦娘の身体に多少何らかの害のあるドーピング薬もどきかと思ったが…、まさか毒薬だったとはな…!!!」
副官「…それが?いったい何だというのだ?」フン
提督「な、何だと…!?」
257
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:09:30 ID:1Cc.g1Tc
副官「まずは順を追って話をしようか。司令官、あんたは軍令部に…いや人類に対し、重大な背信行為を働いていたな?」
提督「何を言ってる!背信行為を働いているのはお前らのほうじゃないか!姑息な手段で艦娘たちを殺そうとs」
副官「なぜヲ級型空母が無傷で横須賀鎮守府内に隠匿されていた?」
提督「…っ!」
副官「答えろ。深海棲艦は我々日本海軍の、いな世界人類の敵だ。それをなぜ雷撃処分もせず拿捕し、のうのうと養っている?」
提督「…○月○日の哨戒出撃での戦果だ。ヲ級はすでに装備も戦意も喪失している状態だった。だから俺の判断で、処分ではなく拿捕させた」
副官「司令官、あんたは馬鹿か?」
提督「…」
副官「まずあんたの敢闘精神の欠如については呆れかえって何も言えないので置いておく」
副官「一番の問題は、なぜ連れて帰ったかということだ。いくら非武装だとて、連れて帰れば何らかの脅威に転じ得る可能性がゼロではないことが分からないのか?あまつさえそれをなぜすぐ大本営に報告しなかった!?」
提督「…」
258
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:11:29 ID:1Cc.g1Tc
副官「ともかく、ヲ級の拿捕はあんたの命令によると言うことで差し支えないということだな?艦娘どもが勝手に拿捕してきたというバカな話はないな?」
提督「そ、そうだ。それは間違いない」
副官「…ほぉ」ニヤリ
副官「聞いた通りだ。今の内容をただちに元帥閣下に報告しろ。当該出撃時の艦隊編成のデータも探して添付するように」
陸戦隊員3「は!」
提督「…?」
副官「さてさて…なぁ司令官。日本海軍も先は暗いな」
提督「なに…!?」
副官「ヒトと深海棲艦の区別もつかん馬鹿が、日本海軍の主幹鎮守府の司令官をしている。実に恐るべき話ではないか!」
259
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:12:02 ID:1Cc.g1Tc
副官「あんたに聞きたい。深海棲艦はヒトか?」
提督「…」
副官「答えは否だ。深海棲艦はヒトではない。駆逐級などの化け物は言うに及ばず、人型をしたものもいたところで、そいつらが即ヒトであるなどと断じる、そこにあんたの愚かさがある」
副官「あいつらはあくまでヒトの形をした化け物に過ぎん。サルがヒトでないのと同じように、そして…」
副官「艦娘が我々ヒトでないのと同じようにな」
提督「なんだと…?」
副官「司令官、逆に教えてほしい。いつから艦娘は我々ヒトと同じ権利を有するようになったのだ?」
提督「何を言ってる……艦娘…は、俺らと同じ…だろ?」
副官「…」ハァ
副官「もう一度、今の質問を違う言い方で問いかけよう。いつから艦娘は、法律上の人権享有主体となったんだ???」
提督「……………我が海軍刑法には艦娘の保護条項があるじゃないか。これはすなわち、艦娘が人権享有主体であるが故の法的規定だろう?」
副官「……」ハァ…
副官「確かに海軍刑法には艦娘の保護条項はある。保護条項はな。だが…はぁ、あんたみたいなアホの相手をするのは疲れるよ…」
提督「なに…?」
260
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:13:07 ID:1Cc.g1Tc
副官「なぁ司令官、本来ならば釈迦に説法と言いたいところだが、あんたには再度手取り足取り説明してやる必要がありそうだ」
副官「そもそも艦娘とは何か、だ。艦娘は、△年前に出現した深海棲艦…有機的な兵器存在であり、既存の艦艇では無力化できなかった人類の仇敵に対して、同じく有機的兵器として、我が国の理化学研究所が艦政本部と合同で開発した“兵器”だ」
提督「…その話は今までに何度も聞いてきた。だがな、艦娘は俺たちと同じように泣き、笑い、痛み、苦しむ、何も変わるところのない存在じゃないか…!!」
副官「話に水を差すな。私はそんな些末な外見的特徴を論じているんじゃない」
提督「なに…」
副官「ともかく、艦娘の生い立ちとはそういうことだ。人間の少女が艦娘として生まれ変わったんじゃない。あいつらは生まれながらにして兵器なんだ。それ以外の何物でもない」
提督「…」
副官「今度はあんたに聞きたい。元々艦娘は兵器として生まれてきた。その前提は天地がひっくり返ってもあり得ない。にもかかわらず、誰がそもそも“艦娘はヒトである”と言い出した?」
提督「え……?」
副官「答えろ。今の今まで、どこの研究所が、どこの省庁が、どこの政治家が、どこの軍部局が、どこの法律条例が、『艦娘はヒトである』などと規定した!?」
提督「……………」
副官「言ってないんだよ、誰もそんなこと。勝手にそう思い込んでいたのはあんたらのような馬鹿だけだ」
提督「っ…!!!!!」
261
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:13:43 ID:1Cc.g1Tc
副官「…海軍刑法における艦娘の保護条項だと?そんなもの、民法上の善管注意義務の延長に過ぎん。艦娘にかかわる法的関係は人権ではない、あくまで物権だ。すなわち、日本海軍が艦娘に対して持つ、絶対的な支配権であり、処分権だ。財産権と言い換えてもいい。ともかく…」
副官「大本営や国はな、最初から艦娘をヒトとして認識したことなどないんだよ。連中はあくまで“兵器”だ。そこをあんたら現場司令官はみんな誤解している。一部の国民すらそうかもしれん。まあ、今回は我々もそこに付け込んだのだがな」
提督「…外道どもめ…!貴様ら、はなっから戦争が終われば艦娘を亡きものにするつもりだったのか!指輪に憧れを持つ艦娘たちの純情を逆手に、よくも貴様らは…!!」
副官「なぁ、司令官。我々を失望させないでくれよ」
副官「あんたら海兵128期は、開戦初期に散々艱難辛苦を耐えてきた、いわば海軍の至宝じゃないか。元帥閣下もそうおっしゃっておられる」
副官「そして今や艦娘たちを操り、敵に完全勝利しようとしている。もうこの戦争の幕引きは目の前なんだ。そうすれば世界の平和はすぐそこだ。そんな平和な世界に、果たして艦娘どもは必要か??」
提督「どうあっても艦娘たちを…殺すって言うのか…!!」
副官「戦争が終わってなお、兵器を野放しにしておこうとでも言うのか?」
提督「野放しだと!?核兵器を田舎の倉庫に放置していた旧ソ連じゃあるまいし…」
副官「…なんにも分かっていないな。だいたい、艦娘一隻を維持するのに、年間どれだけの費用がかさんでいるか…」
提督「それは武装させた場合の話だろう!?戦争が終わり、軍籍から外して一般人として生きていくことさえできれば…」
副官「黙れっ!!!絵空事を言うなっ!!」ダンッ
提督「っ!?」
262
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:14:49 ID:1Cc.g1Tc
副官「…どうせあんたら現場司令官には分からん問題だ。裏方の事情をあんたらなんかが分かってたまるか…!」グッ
提督「…」
副官「なあ司令官。あんたはどうか知らんが、私は世界平和のためにこの戦争を戦っているんだ」
提督「それは俺だって同じだ!」
副官「ならまだやり直せる。では司令官、多少延期する形とはなるが、最終決戦の主幹鎮守府司令官として、決号作戦を発動してもらいたい。粛々と、なんのためらいもなく、だ」
提督「…断るっ!いずれにしろ貴様らはその後艦娘たちを殺す気だろうが!」
副官「貴様、それでも日本海軍の軍人か!?」
提督「その言葉そっくり貴様に返してやる!」
副官「…話は平行線のようだな」
提督「当たり前だっ!!俺の艦娘たちを解放しろ!!俺をここから出せっ!!艦娘たちのところに…」
副官「もういい、黙れ」ブン
提督「えっ…?」
ドスッ
提督「」ドサッ
263
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:16:16 ID:1Cc.g1Tc
副官「…しばらくは目を覚まさんだろう。この男を軍令部に移送しろ」
陸戦隊員3「は!」
副官「やれやれ…。まったくこの鎮守府は、どいつもこいつも…!!」
264
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:18:43 ID:1Cc.g1Tc
訂正
>>260
副官「今度はあんたに聞きたい。元々艦娘は兵器として生まれてきた。その前提は天地がひっくり返ってもあり得ない。にもかかわらず、誰がそもそも“艦娘はヒトである”と言い出した?」
↓
副官「今度はあんたに聞きたい。元々艦娘は兵器として生まれてきた。その前提は天地がひっくり返っても変わらない。にもかかわらず、誰がそもそも“艦娘はヒトである”と言い出した?」
265
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:22:58 ID:1Cc.g1Tc
軍令部 元帥執務室
大和「結局…提督のケガの件、中途半端に終わらせられちゃったな…」グッ
大和「…ずっと待ってるけど、元帥閣下はまだ来ないのかなぁ」
ガチャ
元帥「待たせたな」
大和「閣下…」ザッ
大和「…先ほどから、階下が騒がしいようですが。何かあったんですか?」
元帥「……まあ座れ」
大和「え、えと…」
衛兵A・B「…」
大和「そ、そちらは…?」
元帥「…必要だからここに呼んでいる」
大和「…どういうことですか。これじゃまるで取り調べではありませんか。大和がいったい何をしたと…」
元帥「黙れ」ギロ
大和「え…?」ゾクッ
266
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:24:04 ID:1Cc.g1Tc
元帥「…お前には問いたいことがある。まず…」
元帥「戦艦大和。お前は、我々の味方か?」
大和「ど…どういうことですか?」
元帥「聞いた通りだ。答えろ」
大和「…我々、とは?海軍のことですか?日本のことですか?人類ですか?」
元帥「その全てだ」
大和「言うまでもありません。大和は日本の、人類の味方です」
元帥「世界平和のために犠牲になる覚悟はあるか?」
大和「もちろんです」
元帥「…そうか。わかった。では、今の答えを踏まえて聞きたいことがある」
大和「…?」
元帥「…お前の提督は、深海棲艦と内通していたことが判明した」
大和「何ですって…!?そんな馬鹿な!信じられません!」
元帥「だが真実だ」
大和「嘘です!」
267
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:26:52 ID:1Cc.g1Tc
元帥「そうか。ならばお前が去る○月○日の哨戒出撃において旗艦をつとめた戦いで、敵ヲ級型空母を処分せず拿捕し連れ帰ったことをどう説明するのだ!?」
大和「っ…!」
元帥「お前の言うことが正しいとすれば、お前は艦隊司令の許可なく勝手に敵を捕虜にして鎮守府に連れ帰り、我々大本営はおろか艦隊司令にもそれを報告せず、鎮守府を、いな本土を危険に晒したという訳か。これがどれほど重大なことか、お前には分からなかったのか!?」
大和(…そんな、まさか…もう見つかってしまったなんて…)
元帥「…大和。本当の事を言え。ヲ級の拿捕は、艦隊司令の…横鎮提督の命令によるものだな?」
大和「ち、違いますっ!!!」
元帥「ならばお前にすべての責任があるということか!?」
大和「そうです…!!」
元帥「話にならん」
大和「え…?」
元帥「ただの兵器が責任能力など負えるわけがなかろう。責任の所在を問うとなれば、それはひっきょうお前たち艦娘を管理する艦隊司令に対して、ということになる。違うか?」
大和「そ、そんな…!」
元帥「何が納得できんのだ?自分がただの兵器と呼称されたことか?それとも、責任の所在がお前の艦隊司令にあるということがか?」
大和「………っ!」
268
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:27:50 ID:1Cc.g1Tc
元帥「…ともあれ、お前たちの提督は大罪人だ。現在我々はあの男を拘束しているが、軍籍を剥奪せねばならん」
大和「えええっ!!!!????」
元帥「それだけではない。あの男は刑法上の外患誘致罪も問われることとなる。いずれにしろ、刑は免れん」
大和「そんなっ…!!!!!!」
大和「違うんです!提督は何も悪くありません!ヲ級の拿捕を決定したのは私です、大和です!!」
元帥「世迷い言を言うな!兵器がみずから何かを決めて行動できるはずがなかろうが!思いあがるなっ!!」
大和「っ…!!!!!」
大和「…」
大和「………おかしなこと、言わないでください」
元帥「なんだと?」
大和「…おかしいじゃないですか。提督がヲ級を保護したからと言って、どうしてそれが即内通になるんですか」
大和「ヲ級は人型なんですよ!それをつぶさに見た提督が情けをかけられたところで、なぜそれが人類への裏切りとまで飛躍させられてしまうんですか!!」
元帥「黙れぇえええええっ!!!」バン!
大和「っ!」
269
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:28:47 ID:1Cc.g1Tc
元帥「もう我慢ならん。身の程をわきまえん兵器めが!許さんぞ!…服をすべて脱げ!」
大和「な…!?」
元帥「脱げと言っておるのだ!早くしろ!…さもなければ、お前の提督にはもっと苛烈な対応をすることとなる」
大和「そ、そんな…!」
元帥「それが嫌なら、脱げ。脱ぐのだ!!」
大和「っ………」
大和「…」プチ ハラリ
大和「…」パチン ファサッ
大和「…」ブルブル
元帥「よし。では大和を両側から拘束しろ」
衛兵A・B「はっ」
ガシッ
大和「何を…なさるんですか…」
元帥「何を?決まっておるだろう」カチャカチャ シュルッ
大和「っ…!?!?!?!?!?」
270
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/04/09(土) 23:30:00 ID:1Cc.g1Tc
元帥「ひざまずかせろ」
衛兵A・B「はい」
大和「元帥閣下…!あなたは、今まで私に様々な性的嫌がらせをしてきたどの提督よりも…下劣ですっ!!」ギロッ
元帥「…」スッ
バシィーンン!!!
大和「ぁあああああああっ!!!」
元帥「…」スッ
バシィィーン!!!!!!!!!
大和「ぃ、痛いっ!!止めて下さい!やめ…」
バシィィーン!!!!!!!!!
大和「ぅぁああっ!!!」
バシィィーン!!!!!!!!!
大和「ひぎぃっ…!!」
バシィィーン!!!!!!!!!
大和「ぃ…っ、ひぃ…」ガクガク
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