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少女魔王「に、日本だと···?」
123
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/10/12(日) 00:54:58 ID:ldQNnqP6
しえん
124
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/12(日) 22:46:15 ID:16o3WQCs
魔王(くっ、屈辱…子供扱いされるとは…)
男「全く、ケーキ一つでここまで喜べるなんざ、幸せな奴だな、お前」
魔王「…何?我が幸せ?」
男「こっちの世界じゃあな、幼い頃から誕生日を祝う為にバースデーケーキ用意すんだよ」
魔王「何だとっ!?狡いぞ!!」
男「ズルいとか言われてもな…」
魔王「…しかし、産まれた日を祝う、か…ふむ」
男「…祝って欲しいのかよ?」
魔王「そ、そうでは無いが…何だその目は、本当だぞ!」
男「はいはい。…とりあえず、今日はあれだ。お前が今日ここに来た祝いって事で」ゴソ
魔王「む、何を…」
男「…服、やるよ」
魔王「………」
男「何か言え」
魔王「あ、あぁ…」
125
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/12(日) 23:17:36 ID:16o3WQCs
魔王「……ふふふ」
男「あ?」
魔王「成程、言っていた意味が分かったぞ」
男「…あの二人が何か言ったのか。おい教えろ」
魔王「あまり素直では無いが世話好きで動物好きな優しい奴だ、とな」
男「何だ、そりゃ…」
魔王「不満な評価だったか?我は正しい評価だと思うが」
男「…別に」
魔王「…ふ、人間は気楽な物だ」
男「あん?」
魔王「魔族と違い、他者を良く見る事が出来る、と思ってな…」
男「…そう言う割には、お前も人の事ジッと見てんじゃねぇか」
魔王「我が見ているのは敵意だ。魔族は周り全てが敵と言って良いからな」
男「…やっぱ窮屈だな」
魔王「まず同族に敵意を抱かぬ人間には窮屈であろうな」
126
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/14(火) 07:04:56 ID:EgnOQbHA
男「ま、いいか別に。俺行かねぇし」
魔王「仮に行ったとしてもすぐに死に伏すだろうがな」
男「だろうな。……」
魔王「…何だ。我の口元がまだ汚れていたとでも?」
男「違ぇ。…風呂、どうしてんだ、と思ってな」
魔王「風呂?何が気になると言うのだ」
男「あぁ、あるんだな?魔界にも」
魔王「無い」
男「は?」
魔王「体の汚れを気にする魔族は少ないのでな。我が一族は少数の一派であるが」
男「要は体洗ってるって事か」
魔王「そうだな。我は浴槽を自ら作り出し汚れを落としていたが」
男「…自ら?何してんだお前」
魔王「興味が湧いた物を学び作っただけだ」
男(…こいつ、本当に人間嫌いなのかよ。全然そう見えねぇ)
127
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/14(火) 07:28:22 ID:EgnOQbHA
男「…とりあえず、こっちにも風呂がある。ってか家に無い方が少ないけどな」
魔王「何だ、風呂があるのか。先に言え」
男「言っても入らせねぇ」
魔王「ちぃっ」
男「ちぃっ、じゃねぇもしテメェに長風呂されちゃ困るんだ。電気代水道代光熱費、色々金掛かるんだ」
魔王「……人間も窮屈な物よ。様々な物に金が掛かるのか」
男「金も何も根こそぎ奪う魔族の王様には窮屈だろうがな」
魔王「ふん。…ところで、風呂があれば…厠?もあるのか?」
男「厠って…古い言い方だな。トイレだろ」
魔王「言い方などどうでも良い」
男「あるけど何だよ。行きたいなら右な。左の扉は風呂だ」
魔王「…そうか」
男「…何だ?来てから行ってないのかよ」
魔王「人間はそういう事を聞きたがる趣味でもあるのか」
男「ねぇよ。…早く行け」
128
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/14(火) 07:43:20 ID:EgnOQbHA
男「…一応、耳塞いどくか」
男(もしかして、使い方…いや、見りゃ分かるか流石に)
ガチャ
魔王「………」
男「………使い方、分かったか?」
魔王「馬鹿にするで無い。我が世界にもあの形はある」
男「そうか…形?…流し方が分からないとかって」
魔王「……」
男「……トイレの右に、レバー…何か取っ手みたいなのがあるから、それを手前に引いて戻せ」
魔王「……うむ」ガチャ
男(水洗式は無いのか…機械的な仕組みはまず無いって考えた方がいいか)
魔王「…手洗い場も、あるか」
男「あるよ。蛇口捻りゃ…あぁめんどくせぇこっちこい説明してやる」
魔王「分かった」
魔王(ここも我が世界の仕組みと違う…中々慣れん…)
129
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/15(水) 19:33:49 ID:6/v/3cVQ
男「…んで、ここが風呂だ」
魔王「…白いな」
男「何か文句あんのか」
魔王「魔界に白は全くと言っていい程無いのでな」
男「お前色白じゃねぇか」
魔王「それ故姫と呼ばれたのだ、ふっふっふ」
男「あっそ。そりゃよっぽどお美しいと思われたんでしょうよ」
魔王「ふん、貴様に言われても嬉しくないな」
男(ちょっと喜んでんじゃねぇか…)
魔王「それより、使い方は」
男「あぁ、これがこうで……」
130
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/15(水) 19:49:48 ID:6/v/3cVQ
男「……あ」
魔王「どうした」
男「……お前着替える時、俺どうしよう」
魔王「?部屋で居れば良いだろう」
男「脱衣場なんてねぇんだ、ここで着替えるしかねぇんだぞ!つまりだな…」
魔王「我が着替える姿を見てしまう、と」
男「見ねぇよ、見ねぇけど音聞こえるのが」
魔王「我は見られた所で気にせんよ。恥ずべき所など無いのでな」
男「気にしろ!多少は!恥ずかしがれ!」
魔王「何だと言うのだ…」
男「え〜、あ〜、そのな、裸なんかそんなに気安く見せる物じゃねぇだろ、うん」
魔王「そういう物か」
男「そういう物なんだよ!」
131
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/15(水) 20:16:09 ID:6/v/3cVQ
男「あぁ、もう、何で大家さんが…やっぱ駄目だ料理的に。じゃあ女さん…も駄目だ」
魔王「何を言っておる」
男「何で男女一緒に住ませようとするんだよ…」
魔王「何か不都合でもあるのか」
男「今あるだろ大いに!」
魔王「気にしておるのは貴様だけだが」
男「だからお前も気にしろってのあぁもう…」
魔王「ふむ…肌を晒さぬ方が貴様は良いと」
男「人前で服着ない姿見せるのは止めとけってんだよ。別にお前がどんな服着てようが良いから」
魔王「人間は妙な事に拘るな、全く」
男「…はぁ、とにかく服脱いで、洗濯機…あの穴の空いた箱に入れてくれ。俺外出てる」
魔王「…まぁ、我には貴様を止める理由は無いからな。そうする気ならするが良い」
男「言われなくても、だ…はぁ」
132
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/15(水) 23:30:26 ID:6/v/3cVQ
魔王「…出ていったか。全く、何を気にしておるのか…」
魔王(…長く入っておれば、あやつは外に立ち続けるのか)
魔王「ふっふっふ…我を殴り付けた罰…」
魔王(いや待て…魔王としての器として、あまりに小さいのでは…?)
魔王「…ふん、早めに出てやるとするか。感謝するが良い」
魔王(…一人で何を言っておるのだ、我は。人間の事など…)
魔王(…まぁ、良い。湯船に浸かって落ち着くとしよう)
133
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/21(火) 07:21:33 ID:5wmlspLg
チャプン
魔王『ほぅ…』
魔王(思わず溜め息が出てしまうな……耳と尻尾も出ているではないか…まぁ、今は良い)
魔王(…我が世界への帰還…。どうすれば良いのか…)
魔王(そもそもこの世界に辿り着いた手段すら分からんのでは、見付かる可能性は極めて低い…)
魔王『…この世界で永住する覚悟を決めねばならんか』
魔王(…結局、我は何も達成出来なかった…魔王としても、我自身としても…)
魔王(この世界でも何も出来ず人間に世話を焼かれる始末…)
魔王(魔王など、初めから合っていなかったのやも知れぬ…)
魔王(…今はそれを考えている場合では無いな。何とかあやつから…違う、どう暮らすか、だ)
魔王(我が世界の人間と生活が殆ど違う…どうも慣れん…)
魔王(…自然と人間の生活と合わせようとしている我は、魔族として異端なのだろうな)
魔王『…母上、父上…我は、一族の…』
134
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/10/21(火) 14:04:49 ID:SyBVLeio
ほ
135
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/23(木) 09:19:52 ID:oYtA9cTI
男「…さっむ」
男(早く出てくんねぇかなアイツ…)
女「…また外に居るのか」
男「えぇ、アイツが風呂に入ってるんで」
女「……あぁ、成程。着替え、見えるからね」
男「そうですよ。見ない為にわざわざ…何で俺が外に…」
女「勿体無い事をするね、君も。折角覗きが出来るのに」
男「そんな趣味無いんで」
女「そうかい、残念」
男「他人事だと思って…」
女「実際他人事だからね。見てて楽しいよ」
男「悪趣味な」
女「それはどうも」
136
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/23(木) 11:34:37 ID:oYtA9cTI
男「…で?女さんは?」
女「いやぁ、夜風に当たりたくてね」
男「寒いだけですよ」
女「たまには当たりたくなるのさ」
男「俺はずっとこたつで包まってた方が幸せですけどね」
女「こたつ、か。…実は、入った事無くてね。恥ずかしながら」
男「そりゃ勿体ない。人生半分損してますよ」
女「へぇ、言うね…」
男「寒い冬の必需品ですから」
女「家に殆ど居ない身に対する嫌味かい?」
男「捻って考えないでくださいよ」
女「悪かった。癖でね」
男「知ってます」
137
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/25(土) 22:05:21 ID:q99pu6cs
男「はぁ…寒い…」
女「抱き締めてあげようか?」
男「お断りします」
女「素っ気ないね、君」
男「これ以上心労を増やさないで下さい」
女「そんなつもりは無かったんだけど…まぁ、応援はしてるよ」
男「それはどうも…」
ガチャ
魔王「……おい」
男「…早いな。おい、ちゃんと身体洗ったか?髪もだ」
魔王「……目が痛い」
女「……入ったんだね、シャンプー」
138
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/27(月) 21:55:33 ID:ID6INE.2
男「何やってんだお前…」
魔王「あんな物、我は知らぬ…!」
男「あのな、やり方教えてやっ――」
女「教えるんじゃなくて、君が実践してあげた方が早いと思うけど?」
男「は?」
女「ああ、僕はこれから用事があるし、手伝えないよ。残念だけどね」
男「じゃ、じゃあ」
女「僕が大家さんに行ってきますって毎回伝えてるんだけどね、今は伝えられなかったよ」
男「…他は…」
女「君は女性が僕と大家さんしか居ない事を忘れたのかい?」
男「…覚えてますよ…マジかよ…おい」
魔王「何でも良い…早くこの目の痒みを…」
男「……はぁ、腹、括るか…クソ」
139
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/10/28(火) 21:02:19 ID:Xr0snSzg
○ 〈,>宀^宀くハ
_ 。 o /i l l.ハヽヽ「 |
┻┓∬ 。 ヽト!tテ'`tテ|i | …ハァ
|||。o l. ト ,‐,.ィ|.l j
( ̄ ̄o) ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄)
.i ̄○ ̄ ̄○ ̄o゚ ̄0i
(_oノ_O_゚_Oo_)
140
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/29(水) 22:52:01 ID:.6kaSE.A
男「タオル外すなよオラ。絶対にだ」
魔王「何故巻かねばならん…」
男「俺の精神的な面でだ」
魔王「それ故か?貴様が服を脱いでおらんのは」
男「そうだよ」
魔王「濡れるぞ」
男「そん時はお前の後に風呂入るだけだ」
魔王「…同時に入れば良いのでは」
男「出来るわきゃねぇだろふざけてんのか」
魔王「…成程、一人で静かに入りたい性格か」
男「…もうそれでいい」
魔王「…ん?」
男「オラ前向け前」
魔王「ええい頭を掴むな無礼者!」
141
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/29(水) 23:12:26 ID:.6kaSE.A
男「うるせぇ頭洗うぞ目閉じろまた痛くなりたいか、ん?」
魔王「う、うむ」
男「…よし」
魔王「……」ワシャワシャ
男「加減は?」
魔王「…まぁ、良い」ワシャワシャ
男「そうかよ」
魔王(…思わずやらせてしまっているが、頭を洗う、いや、触ったのもこやつが初めてか…)
男「…髪、サラッとしてんな」
魔王「我が世界に居た時はかなりの頻度で入っていたからな」
男「そりゃ優雅な暮らしな事で。だがこっちでは何度も入んなよ」
魔王「金が掛かるのだろう?厄介な事だ…」
男「一日一回な」
魔王「…三回の間違いであろう?」
男「いいや?」
142
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/29(水) 23:30:58 ID:.6kaSE.A
魔王「……二回は」
男「駄目だ」
魔王「何故だ!」
男「お前で一回、俺で一回、合計二回風呂を沸かす事になんだぞ」
魔王「なら共に入るか、湯が冷める前に入るべきでは無いのか」
男「お前、俺の後に入りたいか?人が入った後の風呂に入れるか?俺は嫌だ」
魔王「……そうか」
男「第一だな、男女が一緒に入るってのはな、恋人とか夫婦でもない限りまずありえねぇんだよ」
魔王「そういう物か?」
男「そうだよ」
魔王「ふむ…」
男「…まぁ、家族とか、幼馴染とかならあるかもな」
魔王「…意外と可能性が多いではないか」
男「お前とはまず無いから安心しろ」
魔王「そう断言されると、それはそれで癪に障る」
143
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/10/29(水) 23:59:01 ID:.6kaSE.A
男「お前の世界と違って身の危険がねぇんだ、別にいいだろが」
魔王「…この国が平和過ぎるだけなのではないか?」
男「そうかもな」
魔王「……平和、か」
男「嫌いか?」
魔王「…我は魔族の平和を望んでおるのでな」
男「あっそ」
魔王「…しかし、誰も戦わない国…信じられんな。この目で見ても」
男「皆、赤の他人に興味ねぇだけだ。もし隣に武器隠し持ってる奴がいたって誰も気付かねぇよ」
魔王「誰も自分を殺すと思いもしないと」
男「平和なんでね。そんな事する奴の方が少ねぇんでな」
魔王「…信じているのか、信じていないのか…分からんな」
144
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/02(日) 21:21:55 ID:LX8GDx8U
男「まぁ、どうでもいいだろお前には。とりあえず流すぞ。口開けんなよ」
魔王「んん…」
バシャ
魔王「わぷっ」
男「何だわぷって」
魔王「……それがどうしたと言うのだ」
男「いんや?魔王の威厳ってのが最初から全然感じられないんでなぁ?」
魔王「ぐぬぅ…貴様」
男「良いから風呂入ってろ。髪も洗ってやったし、俺はもう出る」
魔王「……この布、外しても良いな?」
男「俺が出てからな」
魔王「分かっておる…煩い奴だ」
男「うるさくて結構」
145
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/03(月) 08:38:10 ID:It7SRNok
下乳が気になってやってきました
146
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/03(月) 23:26:57 ID:3dU6tLmE
魔王「…ふぅ。疲れる奴だ、全く」チャプ
魔王(…居なかったな。我の周囲に、ああいう輩は)
魔王(まぁ、魔王である我に、そういった者が居っても困るがな)
魔王(いや、そもそも魔族には殆ど居らんか…相手に世話を焼く者など)
魔王(他の者を自らの命を犠牲にしてまで守る…人間にしか出来ぬ行為だ)
魔王(どうしてそれが出来る…?どうして誰かを庇える…?どうして…)
魔王(同じ命である筈だ。どうして、何処で差が生まれた?元の環境か、元の性質か…?)
魔王「………我も、人間であれば………」
魔王(!!何を言っておる!我は魔王、そして誇り高き一族なのだ…!)
魔王(人間を完全に認める訳にはいかぬ…あっては、あってはならんのだ…!)
147
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/04(火) 20:27:27 ID:tVqu4nkY
魔王「………」ガチャ
魔王(あやつは…)
男「……んぐ」スヤァ
魔王「…寝ておるのか」
魔王(ならば気兼ねなく着替えられるという物…)
魔王「……寒い」ブルッ
魔王(早く着替えた方が良いな…)
魔王「…こやつ、我を差し置いて、こたつで寝ておる…卑怯な…」
魔王(早く着替えて暖まろう…くぅ、ここは寒暖の差が、魔界と比べると大きい…手が冷える…)
148
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/05(水) 07:19:58 ID:Mo4K1JJQ
男「んご…」
魔王「ふん、一人で占領するとは生意気な事を」モゾ
魔王(…ええい、こやつの足が邪魔だ)ゲシ
男「………」
魔王(空いたか…しかし、暖かい…)
魔王「くぁ………。………すぅ…」
男(…寝るの早ぇな、おい)
男「…くそ、ちょっと目が覚めちまった」
魔王「………我は……魔王……」
男「知ってるっての…」
魔王「………父上…母上…」
男(…父上に母上ねぇ。どんな性格してんだろうな)
魔王「……何処にも……」
男(寝言多いな、コイツ…)
149
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/05(水) 07:30:41 ID:Mo4K1JJQ
魔王「…うぅ……何故……」
男(…いや、うなされてるのか?これ)
魔王「…………………ッッ!!!!」ガバッ
男「うぉっ!……急に起きてくんなよ」
魔王「………夢か」ハァ ハァ
男「早いお目覚めだな、俺もだけどな」
魔王「…確かに、先程と殆ど時間が変わっておらんな…」
男「…はぁ」
魔王「…何だ、その溜め息は」
男「………おら」コト
魔王「…水?」
男「飲んどけよ。多少は落ち着くだろ」
魔王「…んく……ふぅ…。うむ、多少は、落ち着いた」
男「そうかい。なら後は早く寝とけ」
魔王「…あぁ」
150
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/05(水) 07:40:30 ID:Mo4K1JJQ
魔王「…?何をしておる。何処で寝るつもりだ?」
男「布団で寝る」
魔王「…ふとん?」
男「そのこたつの上にある厚い布と似た奴だ」ゴソッ
魔王「む…成程、足を無くした簡易ベッド、と言った所か」
男「まぁ、そんな物だな」
魔王「しかし、何故…」
男「お前そこで寝たいんだろ」
魔王「あぁ」
男「だからどいてやったんだろうが。感謝しろ」
魔王「…………ありがとう」
男「…あ?あ、あぁ…どういたしまして」
魔王「…何だその反応は」
男「素直に言うとは思ってなかったんでな」
魔王「……確かに、我には合わん言葉だった。忘れろ」
151
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/05(水) 19:55:06 ID:Mo4K1JJQ
男「はいはい、忘れますよ…電気消すぞ」
魔王「あぁ…」
男「…おやすみ、よく寝ろよ」
魔王「言われんでもな」
男「あっそ…」
魔王(…我はどうしたというのか…ここに来てから何故、妙な気分を覚え続けている…)
魔王(人間相手に礼まで言った…だが、不思議と不快ではない…)
魔王(…もう毒されてきておると言うのか?…早く、戻らねば…)
152
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/05(水) 20:19:37 ID:Mo4K1JJQ
――――
――
―
カプ
男「……うぐぅ…つぅ…痛って……」
ガジガジ
男「……マジで痛ぇ!」
魔王「………」ガジガジ
男「おい!耳噛むな痛ぇんだよ!離せ馬鹿!」バシッ
魔王「むぐ…」
男「…痛ってぇ…寝相悪いなコイツ…犬かよ」
魔王「犬ではなぁい……」
男「うるせぇふざけんな耳盛大に噛みやがって…」
男(最悪の朝の目覚めだ…)
153
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/06(木) 00:47:16 ID:rckMPry6
みてるぞ
154
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/08(土) 13:17:44 ID:kkbYkHkc
ロリ巨乳に抱きつかれて甘噛みされる想像をしてみた
男許せん!!
155
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/09(日) 10:45:31 ID:Rzndiq8A
男(コイツが寝てる内に早く風呂に入って、気分良く朝を過ごすか…)
魔王「りゅう〜…りゅうのにく〜…」
男「んなのねぇよ」
男(…てかコイツ、布団に潜り込んで…器用な寝ぼけ方だなおい)
魔王「くぅ…温い…」
男(…こたつの電源は切っとくか)
男「さて、朝風呂朝風呂っと…」
魔王「りゅう〜…りゅうのにおい…」
男(まだ言ってんのか。…何か味気になってきたじゃねぇか)
魔王「どこだ〜…出てこ〜い…」
男「いねぇよ。ったく…」
男(すぐ起きそうだから早めに出るか…)
156
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/09(日) 11:03:38 ID:Rzndiq8A
魔王「…………………む?」
男「げ」
魔王「くぁあ……うぅん……」
男(起きちまった…下脱げねぇ…)
魔王「…男、何をしてい…………」
男「な、何だよ……」
魔王「…竜」
男「は?」
魔王「背中。竜」
男「……は?何言っ」
幼竜「ギュ?」
男「……………………………………………。うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおっ!?背中に竜!?」
魔王「何故気付いておらんのだ…」
男「いつの間にいたんだよ!?離れろコイツ!!」
幼竜「ギュヴィ…」
157
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/09(日) 22:40:24 ID:Rzndiq8A
男「おい!剥がしてくれ!」
魔王「その前に落ち着かぬか。そやつは幼い。噛まれても致命傷にはならん」
男「噛まれるかもしれねぇのに落ち着けるか!」
幼竜「クルル…」バサッ
男「お…離れた…?」
幼竜「フィ」ボフン
魔王「…ふむ、貴様の布団がお気に入りらしい」
男「あっそ…はぁ…何なんだよ急に…」
幼竜「クァ」
魔王「うぅむ…しかし、幼体の竜とは珍しい…」
男「へぇ…魔王様でもそう思う位か」
魔王「竜は滅多に子を産まん。故に産まれた子は成長するまで姿を見させない程過保護に守る」
男「…じゃあコイツ…迷子か?」
魔王「そうかも知れんな」
幼竜「キュイ」
158
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/09(日) 22:57:48 ID:Rzndiq8A
魔王「ふむぅ…しかしな…我は知らんぞ。青い竜など」
男「青って言うか水色に近いけどな」
魔王「青だろう」
男「…まぁいいや。で?見た事ないって?」
魔王「うむ…赤に緑、紫に白、黒や黄金など、色で竜族は分類されるのだが…」
男「青は今までないってか」
魔王「魔族の歴史の中でも竜の存在は色まではっきりと語り継がれているが、青は無い」
男「じゃあ幼体の時だけ青色か、新種なんじゃねぇの?」
魔王「どちらにしても、興味深い…味も」
男「おい食う気か」
魔王「……いや、食わんぞ」
男「その微妙な間は何だよおい」
魔王「竜を見て腹が減った。何か作れ」
男「素直かと思えば偉そうに」
159
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/09(日) 23:16:15 ID:Rzndiq8A
男「ま、どうせ魔王様は料理出来ねぇからな。俺が作るしかねぇ」
魔王「聞き捨てならんな。それ位出来る」
男「人間の料理は無理だろ?」
魔王「む…」
男「お前はその竜の面倒でも見てるんだな」
幼竜「ニュ」
魔王「何故我が…」
幼竜「カウ!」バサッ
男「どわっ!へばり付いてくんな!」
魔王「ふん、やけに好かれておるな」
男「お前が嫌われてるだけじゃねぇのか!」
魔王「恐れられていると言え」
男「どうでもいいからどうにかしてくれ!」
160
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/10(月) 18:01:58 ID:jQKyxDOE
魔王「やれやれ。例え幼いとしても竜が何者かに懐くのは非常に稀なのだぞ?」
男「そんな名誉いらねぇよ!」
魔王「勿体の無い事を言う…」
男「ええい懐くのは良いけどよ、デカいんだよ!1メートルはあるだろ!」
魔王「めえとるが何かは分からんが、大きさの事なのは分かったぞ」
男「そりゃよかったな!」
魔王「…そんなに引き剥がして欲しいのなら剥がして」
幼竜「ヴァウ!」ゴウ
魔王「うおぉ!?」バッ
男「ひ、火ぃ吹いた!おい!」
魔王「…貴様が気に入ったらしい。飽きるまでそのままだな」
男「マジかよ…!何でか重さは感じねぇけど、前は邪魔だ!」
幼竜「…キュウ」スス
男「あ?…背中に移った」
魔王(…この国の言葉を理解しているのか?…だとすれば)
161
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/12(水) 01:56:04 ID:Ar/UXv0k
ほ
162
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/12(水) 15:07:20 ID:3H3hUOp.
も
163
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/12(水) 15:48:40 ID:gBKXsKlQ
期待
164
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/13(木) 00:09:27 ID:7BDDMO/U
幼竜「ファウ♪」ヨジヨジ
魔王「ふむ、相当懐いておるな。貴様の頭がお気に入りらしい」
男「…そうですかい」
魔王「まぁ、気にせず作るが良い。そやつの為にもな」
幼竜「ヴ」グー
男「何食うんだコイツ…」
魔王「知らんな」
男「知っとけよ」
魔王「未知の竜だと言った筈だが」
男「そうだったな」
魔王「美味い物なら勝手に食らうだろう」
男「何でもってのは困る。後無い物ねだりもな」
魔王「肉を食わせろもか」
男「そうだよ」
165
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/13(木) 13:06:04 ID:3om14Ftk
豆腐でいいだろ
166
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/13(木) 20:12:34 ID:7BDDMO/U
男「大体な、朝から肉なんざ焼いてられるか。精々魚ぐらいだ」
魔王「魚、か」
男「文句あんのか」
魔王「いや、魔界では貴重でな…」
男「…あぁ、基本水が毒なんだったか」
魔王「そうだ。それ故に、味が気になっている」
男「そうかよ。じゃあ焼いてやる」
魔王「ふむ、そうか」
男「お前にも用意してやるぞ〜」
幼竜「クァ!」バサッ
男「急に翼広げんな」
幼竜「ギィ…」
魔王(ううむ…もう手懐けるか…あやつ、本当に人間か…?)
167
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/13(木) 21:46:20 ID:7BDDMO/U
魔王「…む」
魔王(物の焼ける匂いが…香ばしい…そろそろか?)ウズウズ
男「おら、出来たぞ」
魔王「!」
男「ご飯と焼き魚と味噌汁だ。あぁ、完全に日本人の朝の食事だ」
魔王「そうなのか…?」
男「そうだよ。おら、箸だ」
魔王「…どう使えば良いのだ」
男「あぁん?…はいはい、やってやるよ」
魔王「な、何だ、背中側に回って…」
男「見せるだけじゃ分かんねぇと思ってな」
魔王「何だと?」
男「はい、まず手はこう!」
魔王「急に我の手に触れるな!」
168
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/13(木) 22:02:27 ID:7BDDMO/U
男「ワガママ言うんじゃねぇ」
魔王「何なのだ失礼な!気安く触れるな!」
男「じゃあこの箸を持つ手を見てみろ。で、真似てみろ」
魔王「……ぬ。う。う」カチャン
男「落とすな」
魔王「……何故使わねば」
男「日本じゃ箸持つのが普通だ。持てねぇとヤバいな」
魔王「……努力する」
幼竜「ヒュイ」
男「ほら、コイツも応援してるぞ」
魔王「持つ必要が無いからな…気楽な物だ」
幼竜「ガウ!」コオ
魔王「ぬおぉ!寒い!」
男「ちょっ!冷てぇ!氷の息吐くな!」
169
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/13(木) 22:13:46 ID:7BDDMO/U
魔王「はぁ…はぁ…まさか、複数の息吹を使うとは…」
男「ポテンシャル高ぇな小せぇのに…」
幼竜「ルイ♪」
男「あんま褒めてねぇよ」
幼竜「キュウ…」
魔王「……む?おぉ!どうだ、持てたぞ」
男「じゃあ次は」
魔王「まだあると言うのか…」
男「こう動かしてみろ、こう」
魔王「ぬ…ぐぐ…」
男「おら、出来ねぇと食えねぇぞ」
魔王「お、お預けだと…!ぬぐ、ぐぐぐぐ」
男(そんな唸りながらやる事か…?)
170
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/13(木) 22:35:14 ID:7BDDMO/U
魔王「何故、何故この魔王が、食事を目の前にしてぇぇぇぇぇぇ!」
男「うるせぇ、おい竜」
幼竜「クァ!」
魔王「待たんか!……ど、どうだ」
男「じゃあ次は」
魔王「まだかぁ!?」
男「それでご飯掴んで食ってみろ。こうやってな」
魔王「ぬ、ぬぅ…」
男「おっと、落とさない様に、茶碗持って食え。ほらこういう風に」
魔王「うむ…」
魔王(……もしも、親が居るのなら、こう教えてくれるのだろうか…?)
魔王(違う!何故こやつにそんな物を感じ取っておるのだ!)
男「おい落としたぞ」
魔王「ぬぅ…」
171
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/16(日) 02:08:14 ID:Kri9j7V2
ほm
172
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/17(月) 18:03:48 ID:KLNoFSYY
アクシデントまだかよ
173
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/17(月) 23:58:23 ID:CYEoyaBU
魔王「くっ…くっ…」プルプル
男「ほれほれ頑張れよ魔王様」
魔王「頑張って…!あぁ!」ポロッ
男「ふっ」
魔王「この、小癪な、性悪な…!もう手で食うぞ!」
男「飯抜きにすんぞ」
魔王「ぐっ…!」
幼竜「…」ガシュガシュ
魔王「こやつは手どころか口だけだぞ!」
男「コイツは箸使える手じゃねぇだろが」
魔王「ぬぐぐ…」
男「ま、精々頑張ってくれ」
魔王「舐めおってぇ…!」
174
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/18(火) 00:37:58 ID:m7uadl36
男「…第一、別にそんな下に茶碗持ってかなくても、口の近くまで持ってくりゃいいだろが」
魔王「先程の貴様の真似をしたまで…!」
男「ま、持っていいのは碗だけだけどな。皿は基本駄目だ」
魔王「人間めぇ…厄介な物を…!」
男「人のせいにすんじゃねぇ」
幼竜「キュギュ」
男「ほら、コイツも言ってんぞ」
魔王「ぬぅぅ…!」
幼竜「ムキュ♪」ゴキュゴキュ
男「…お前、いい飲みっぷりだな。味噌汁ガブ飲みする竜とかファンタジー感無いな」
幼竜「ミュ?」
魔王「ふぁんたじいがどういう意味かは知らんが…!」プルプル
男「早く食えよ」
175
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/18(火) 21:53:26 ID:m7uadl36
魔王「あぐ。…苦労の末か、非常に味わい深く感じる…」
男「大げさだな」
魔王「苦労させたのは誰だ」
男「俺」
魔王「貴様…」
男「いいから早く食え。冷めた奴より温かい方が美味いからな」
幼竜「ヴァウ」バキバキ
男「…魚、骨ごと頭丸かじりか。ま、竜だしな」
魔王「むぅ…ああして食えば良いのか?」
男「お前は骨取り除いて食え。喉刺さったら病院行きだぞ」
魔王「びょういん?」
男「…あぁ、無ぇのか。病院ってのは、怪我と病気を治療する場所だ」
魔王「治療、か。魔法が扱えるなら、どの様な怪我も病気も治せるぞ。我でも完治には時間は掛かるがな」
男「便利な世界だな」
魔王「扱えるのは、我自身以外知らぬがな」
176
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/18(火) 22:10:21 ID:m7uadl36
魔王「…うむ、良い…塩梅、という奴か」
男「お気に召した様で何よりです」
魔王「…この、味噌汁とか言うのも、中々だ。体が暖まる」
男「ま、そっちの人間だって食ってねぇかもしれねぇしな」
幼竜「クィ♪」
男「うぉ、もう食ったのか。…お前も気に入ったか」
幼竜「〜♪」スリスリ
男「はは、何だコイツ」ナデナデ
魔王(……………)ジー
魔王「これらの具材は一体何だ?」
男「んあ?何だよ、作る気か?」
魔王「作る事が出来て、困る事など無いであろう」
男「確かにそうだろうけどよ」
魔王「なら良いではないか」
177
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/18(火) 22:29:31 ID:m7uadl36
男「まぁな。…魚は鮭だ。揚げるのも美味いぞ」
魔王「ほう」
男「味噌汁は豆腐とワカメだな」
魔王「…どれも聞いた事が無い…」
男「ワカメは海草、海の草だ」
魔王「海の草、か…ふむ、珍しい」
男「んで鮭はさっきみたいに身が赤い魚…と見せかけら白身魚だ」
魔王「何だそれは」
男「死んでしばらくすると、何でか身が赤くなるとか何とか」
魔王「変わっておるな…」
男「で、豆腐は…豆の汁固めた奴だと思えば良い。腐った豆で豆腐だ」
魔王「汁を固めた…?腐った豆…?…腐った物を食わされたのか…?」
男「豆腐は字だけで腐ってねぇ。まぁ、実際に腐った豆…納豆って奴あるけどな」
魔王「…良く分からん」
178
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/18(火) 22:43:54 ID:m7uadl36
男「ネバネバしてるし腐ってるだけあって匂い臭いけど、人によっては美味いらしい」
魔王「らしい…知らんのか?」
男「食ったが俺は無理だった」
魔王「なら食わねば良いでは無いか」
男「この世界には学校っつってな…子供たくさん呼んで勉強する場所があんだよ…」
魔王「勉強…?誰かに教えて貰うのか?」
男「そうだよ…ま、そこはいい。学校には種類があってな…小学校が一番最初の学校だ」
魔王「ふむ」
男「そこは基本給食…食事が用意されんのさ」
魔王「そこになっとうとか言う物が出てきて、全員食わざるを得なかった、と」
男「あぁ…本当、苦行だった…」
魔王「好きな物以外を食うのは、確かに苦しいだろうな…」
男「だからって、好きな物ばっかは食わせねぇぞ」
魔王「ぬぐっ…」
179
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/19(水) 23:57:58 ID:/YZRseyY
男「お前は好き嫌いすんなよ。でないと一生そのままだな、身長とか」
魔王「なっ…!?き、気にしておる事を…!」
男「気にしてたのかよ」
魔王「魔王としての威厳に関わるのだぞ!」
男「お前の顔じゃ威厳も何も…」
魔王「どういう意味だ…?」ビキッ
男「あ?可愛い顔してるぞってな」
魔王「可愛いではいかんのだ!」
男「あぁそうかい。残念だな、ここじゃ威厳より可愛い方が得なんだけどな」
魔王「魔界において可愛さなど必要無い!」
男「あっそ」
魔王(…だと言うのに、何だこの胸のざわめきは…!)
男(…コイツ顔赤くなってないか?怒ってんのか、照れてんのか…ま、別に関係ねぇけど)
180
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/22(土) 19:02:37 ID:TMctN9GU
魔王「…ふん!まぁ良い。我はまだ成長途中、まだ、まだ…!」
男「…お前の成長期過ぎてるだろ」
男(でなきゃあんなに胸デカくなる訳ねぇ)
魔王「人間の成長限界が何時か何処までかは知らんが、我が一族は三十まで成長を続けるのだ」
男「…て事は何だ?人間より寿命長いってか?」
男(胸も身長もまだデカくなんのか…)
魔王「さぁな。寿命を全うする魔族など、極めて稀である故、誰も良く知らん」
男「そうかい」
魔王「…この世界では、全う出来る者が多いのか?」
男「大体病気で死んでるから、寿命を全う出来る奴はそうそういねぇだろ」
魔王「平和な国でもか」
男「平和でもだ。逆に生きる奴は百年位生きる」
魔王「百年…人間でもか…?」
男「たまにいるんだよ、そんなのがな」
181
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/22(土) 19:30:44 ID:TMctN9GU
男「ま、それはいいとして…今のままの体格でも、好きな奴はいる」
魔王「そうだとして、我はこの身体は気に食わん。胸だけ大きくなった所で…」
男「別に身長ちっさくていいだろ。相手が油断するだろうしな」
魔王「良くない」
男「…じゃあ牛乳とか飲めばいいだろ」
魔王「ぎゅうにゅう…牛の乳か。何故そんな物を」
男「身長と、女性はついでに胸もデカくなるって――」
魔王「持ってこい、今すぐに!」
男「どんだけ身長欲しいんだよ…」
182
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/11/23(日) 00:55:29 ID:q20Fg8m2
男「持ってこいっつったって、ねぇよ」
魔王「買えば良いだろう」
男「何でテメェの為だけに買わなきゃなんねぇんだよ」
魔王「なら周りに住んでいる者にだな」
男「牛乳下さいってか。乞食か俺は」
魔王「いや、配れば良いと言おうとしたのだが」
男「配達員かよ。何でそうなるんだよ」
魔王「貴様が我だけの為には買わんと言ったからに決まっておろう」
男「他人の為ならいいってか。買わねぇよ。欲しけりゃ自分で手に入れろ」
魔王「…良いだろう。例え力を失えど、我は魔族の王。魔族の生き方通り、手に入れてみせよう」
男「…暴力的解決にうって出るなよ」
魔王「そもそも今のこの状態では出来ん」
男「なら良いけどよ…まぁ頑張ってくれ」
183
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/25(火) 22:32:47 ID:FdkmMvrg
はよ
184
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/11/27(木) 17:21:11 ID:HRiKxrWA
セルフミルクを絞ろう
185
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/02(火) 00:24:46 ID:XbuAhKjQ
男「…出ていったか。なぁ、アイツ大丈夫だと思うか?」
幼竜「?」
男「知らねぇか」ナデリ
幼竜「キャウ♪」
男「お前、首撫でられるの好きなのな」コショコショ
幼竜「ミュイッ」ゴロゴロ
男「ゴロゴロ寝転がるなって。ホコリ舞うだろ」
幼竜「ヒュ」ピタッ
男「聞き分けよくて助かった」コショリ
幼竜「〜♪」
男「…お前、どっから来て、何で俺になついてんだ?」
幼竜「?」
男「それも知らねってか、おい。迷子の子猫じゃあるまいし…」
186
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/02(火) 06:58:54 ID:XbuAhKjQ
魔王「…ああは言ったが、どうした物か」
女「…おや?どうしたんだい?」
魔王「む」
女「もしかして、彼に追い出されたとか?」
魔王「例えそうだとしたら、どうするつもりだ」
女「…どうしようか」
魔王「まぁ、あくまで例えばの話だ。気にする事は無い」
女「じゃあ、散歩にでも行くのかな?」
魔王「いや、牛乳を探しに行く」
女「…探す?買うんじゃなくて?」
魔王「金銭を持っていないのでな」
女「…男君もイジワルな事で」
魔王「全くだ、あやつめ…」
187
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/02(火) 07:07:08 ID:XbuAhKjQ
女「仕方が無い、一旦僕の所来なよ」
魔王「良いのか?」
女「彼の事だから、何も無しで帰ったらまたイジワルな事言うだろうし」
魔王「うむ」
女「それと、君は個人的にも気に入ってるしね」
魔王「気に入る様な真似をした覚えは無いぞ」
女「ふ、それはどうかな…?」
魔王「何故含みを持たせる…」
女「ま、兎に角入りなよ。歓迎するから」
魔王「…では、失礼する」
188
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/02(火) 07:20:54 ID:XbuAhKjQ
魔王「…質素だな」
女「おいおい、あんまり言わないでくれ。これでも少々気にしてるんだよ」
魔王「それは悪かった」
女「この家に居る時間の方が少ないからね。正直、睡眠するだけの部屋って感じかな」
魔王「何をしておるかは知らんが、苦労している様だな」
女「不定期と言うか不規則と言うか…何時呼ばれるか分からないんだよ」
魔王「呼ばれる?」
女「そうそう、夜急に呼ばれて、今帰ってくる事なんて良くあるんだ」
魔王「…では、眠りたいのでは無いのか?我は邪魔をした事になる」
女「良いんだよ、気にしなくて。眠気なんて今は無いしね」
魔王「しかし疲れておるのだろう」
女「本当に気にしなくて良いよ。家に招いたのは僕なんだから」
魔王「そうか」
189
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/02(火) 07:31:39 ID:XbuAhKjQ
女「それより、僕はどうして牛乳の話になったのかが気になるね」
魔王「…背丈が欲しい」
女「…身長が欲しいから、牛乳?」
魔王「…うむ」
女「…残念だけど、牛乳は別に身長を伸ばす効果は無いよ」
魔王「ぬぁ…!?だ、騙されたのか…!?」
女「いやね、意外と身長が伸びるって思ってる人は多いんだ。彼もその一人なんじゃないかな」
魔王「…あやつの場合、騙したのか知らなかったのか、判断がつきかねる」
女「後者だと信じてあげなよ」
魔王「ううむ…では一体、どうすればこの背丈から脱却出来ると言うのか…」
女「寝る子は育つと言うからね。夜しっかり眠れていたら成長するよ」
魔王「…むぅ、そうなのか」
女「それに、牛乳は骨を強くするから、絶対に身長に影響しないとも言えないね」
魔王「飲んで損は無い、と」
女「そう言う事だね」
190
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/12/07(日) 13:36:11 ID:cPeFklro
いいからさっさと乳を育てろ
牛乳と豆乳を混ぜて飲むと良いよ
191
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/09(火) 07:03:54 ID:yfHspaXo
女「…まぁ、正直に言わせて貰うと、小さいままで良いと思うけど」
魔王「何?何故だ」
女「そっちの方が可愛い」
魔王「それでは駄目だ。もっと威厳が欲しい」
女「威厳?威厳の為に、身長を伸ばしたいのかい?」
魔王「そうだ」
女「ふぅん…」
魔王「…何だ、その何か言いたそうな面は。貴様も我に威厳が無いと言うか」
女「いや、ただ…威厳っていうのは、長い経験から身に付く物だと、僕は思ってたんだけど」
魔王「む…」
女「身長一つで威厳が生まれるなら社長は皆背が高い事になるからね」
魔王「(しゃちょう…?)…むぅ」
女「…まぁ良いや。取り敢えず、牛乳飲みなよ」
192
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/12/09(火) 08:30:57 ID:QOp3Gp76
今更かもしれんがvitaならアプリケーションの設定から言語登録出来るはず
余計なお節介だったらすまん
193
:
いぬのたまご
:2014/12/10(水) 17:23:08 ID:jLprG3hk
まとまったお金が欲しい人はこちらへ
http://www.fc-business.net/qgesw/
194
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/10(水) 18:01:34 ID:QqPhb5AY
>>192
初めて知った…ありがとうございます。
195
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/11(木) 19:51:37 ID:wryccSB2
魔王「んぐ…んぐ…ふぅ…成程」
女「何が成程かは分からないけど、白髭出来てるよ」
魔王「む?」
女「拭いてあげるよ。ほら、ジッとしてて」
魔王「ん…何だ、急に」
女「…ふふ」
魔王「何だその笑みは」
女「いや、まるで自分に妹が出来た様な気分になってね」
魔王「妹だと…?」
女「そう、可愛い可愛い妹分」
魔王「妹になった覚えは無い」
女「じゃあ誰の妹なら良いんだい?男君?」
魔王「何故そうなる。そして誰の妹にもなる気は無い」
女「勿体無いなぁ」
魔王「勿体無くない」
196
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/12/11(木) 20:01:59 ID:opfLikZk
昔ガラケーで書いた時は 女「」 などを登録してた
197
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/11(木) 20:05:20 ID:wryccSB2
女「ん〜…君のつぶらな瞳とか見てると、可愛がりたくなるんだけど…」
魔王「可愛がるな」
女「何でさ。良いじゃないか、思わず抱き締めたくなる可愛さがあって」
魔王「そんな物要らん」
女「ある物は有効に使うべきだよ。選択肢が多くて困る事なんて、迷う事ぐらいしか無いからね」
魔王「はっ、色仕掛けでもしろと?」
女「したら僕には通用するね、うん」
魔王「せんぞ」
女「残念だ…」
魔王「良いから牛乳を寄越せ、あるだけ全部だ」
女「そこまではあげないし、そこまで飲んだらお腹壊すよ」
魔王「残念だ…」
女「一気に飲んでもお腹が膨れる位しか効果無いよ」
198
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/11(木) 20:55:16 ID:wryccSB2
女「代わりにこれらをあげよう」
魔王「む…?何だ、この琥珀色の塊と、奇抜な塊は…?」
女「どっちも砂糖菓子だよ」
魔王「砂糖菓子…甘いのか」
女「そうだよ。実を言うと、男君の好みなのさ」
魔王「そうなのか?良く知っておるな」
女「ま、結構長い付き合いだしね。…嫉妬した?」
魔王「するか」
女「君達、お似合いだと思うんだけどなぁ…」
魔王「はぁ?戯言を」
女「戯言って…」
魔王「…ふん。まぁ、持って帰ってやろう」
女「あ、因みにこっちはべっこう飴。こっちは金平糖だから。勿論君が食べて良いんだよ」
魔王「貰っておこう」
199
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/11(木) 21:07:56 ID:wryccSB2
魔王「……む、上手いな」
女「僕も甘い物は好きでね。金平糖とか、時々食べたくなる」
魔王「確かに、癖になりそうな味だ」
女「喜んでくれた様で何よりだよ」
魔王「では、またな」
女「男君が嫌になったらこっちに来ても良いよ。存分に可愛がるから」
魔王「考えておく」
女「考えてくれるのかい?」
魔王「可能性は零未満だがな」
女「それはもう0じゃないか…」
魔王「身の危険を感じる場所に好んで行く者が何処に居る」
女「君もつれないね…」
魔王(あやつが雑な態度をする理由が良く分かるな…)
200
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/11(木) 21:26:49 ID:wryccSB2
男「よしよし」
幼竜「キュァア…♪」
ガチャ
魔王「帰ったぞ」ガリガリ
男「…こんぺいとう?お前牛乳飲みに行ったんじゃねぇのか」
魔王「うむ、確かに飲んだぞ。独特の味だったな」ガリガリ
男「べっこう飴…女さんの所に行ったのか」
魔王「それが?」
男「別に」
魔王「そうか。…好物らしいな」
男「…何だよ、悪ぃか」
魔王「分けてやろう。そやつにもやるのだな」
男「あ、あぁ…どうも。…竜って飴食うのか」
魔王「砂糖菓子などまず魔界に無いぞ」
201
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/12/13(土) 20:16:31 ID:q.mWke0o
わかった!! 女さんの正体は口さk
202
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/15(月) 18:38:01 ID:Gw532QpQ
男「…無いなら何で知ってんだ」
魔王「む、それは、だな」
男「前からちょっと思ってたんだがな、お前…妙に人間の事に詳しくねぇか?」
魔王「…敵を知るのは戦いには当然必要だろう」
男「砂糖菓子とやらが戦いに必要だってか?」
魔王「糖分があればその分活力にだな…」
男「だから何で知ってんだって…お前、まさか…」
魔王「な、何だ」
男「甘い物欲しすぎて、コッソリ行って食って来てたんじゃ…」
魔王「…ふん、何を馬鹿な」
男「…その顔で隠してるつもりかよ。何故分かった、って顔になってんぞ」
魔王「……………し、知らん。我は何にも知らんぞ」
男「ごまかしきれる訳ねぇだろが」
203
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/16(火) 07:01:50 ID:blbuRSwg
魔王「ええい好きで悪いか!そうだ確かに甘い物を探して怪しまれない為に金まで払って食った!」
男「逆ギレすんなよ」
魔王「だが…この世界の甘い物と比べると、かなり控え目であったな、何処もかしこも」
男「砂糖が貴重なんじゃねぇの?」
魔王「そこまで貴重では無いと認識しておるが、砂糖をあまり使用しないのだろう」
男「へぇ」
魔王「この世界は恐ろしい…これらあめとやらは砂糖を中心に使っておるのだろう?」
男「大体な」
魔王「ほう、そうか…そうか!」
男「…嬉しそうで何よりで」
魔王「貴様はこういった菓子も作れるのか?」
男「…俺から聞いて自分で作ろうってか?」
魔王「そうだ」
男「やだね」
魔王「んなっ」
204
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/16(火) 07:36:43 ID:blbuRSwg
男「そこまで面倒見てやる義理なんざ無い」
魔王「それは残念だ……………」
男(…マジで残念そうだな、おい)
男「ま、気が向いたらいつか作っ――」
魔王「本当か!?」
男「お、おう…」
魔王「楽しみに待っているぞ!」
男(今度はメチャクチャ嬉しそうだな…)
魔王「何が作れるのだ?」
男「何って…一応、ケーキにクッキー、プリンとか…」
魔王「けえきはこの前に知ったが、他二つは一体?」
男「クッキーが焼き菓子で、プリンは…何菓子になるんだあれは」
魔王「ふむ、どちらにしても、食べてみたいな!」
男「食い意地張ってんな…」
205
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/12/16(火) 17:39:41 ID:o9OysnjM
プリンはおっぱい!!
206
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/17(水) 22:53:16 ID:V1dblW4c
魔王「…ところで、背丈が」
男「伸びるのはねぇよ。多分」
魔王「くっ…」
男「くっ、じゃねぇ。どんだけ身長気にしてんだ」
魔王「欲しい物は欲しい。欲しい物は欲しい!」
男「二回言うな」
魔王「例え力で様々な物を手に入れたとしても、自身の肉体は変えられんのだぞ!」
男「知るかんなもん」
魔王「むぅ…」
男「…さぁて、寝るかな」
魔王「?人間は仕事をする物だと思っていたが」
男「ん?あぁ、そりゃあな」
魔王「…働いていないと」
男「半分正解だな」
魔王「…?」
207
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/17(水) 23:13:49 ID:V1dblW4c
幼竜「キュキュ」
男「お、構ってほしいのか、こいつめ」ナデリ
幼竜「フキュ」
魔王「おい、はぐらかすな」
男「めんどくせぇな…」ナデナデ
幼竜「♪」パタパタ
男「おいおい、そんな翼と尻尾動かしたら痛いっての」
幼竜「ミュイ…」
魔王「おい」
男「分かった分かった…あのな…」
幼竜「ムイ、ムイ」
男「何だ、飴欲しいのか?ほら」
幼竜「〜♪」バリボリ
魔王「…言いたくないのか?」
男「別に」
208
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/17(水) 23:37:12 ID:V1dblW4c
男「あのな、俺のは特殊なんだよ」
魔王「特殊?」
男「周りから依頼されて初めて仕事になるって奴だ」
魔王「…傭兵か?」
男「な訳ねぇだろが。俺が武器持ってる様に見えるか?」
魔王「見えんな」
男「大体傭兵なんざこの日本にいねぇよ」
魔王「む?ここ以外に居るという事か?」
男「いるかもな。よく知らねぇけど」
魔王「ふむぅ…」
男「ま、そんだけだ。詳しくは言ってやんね」
魔王「結局言わないのでは無いか」
男「うるせぇな、いいだろが」
209
:
◆vC.kHTi4RE
:2014/12/19(金) 22:18:07 ID:aOyscPBM
魔王「…しかし」
男「あ?」ナデリ
幼竜「カルル…クイィ…♪」ジタバタ
男「ん?くすぐったいか?」
魔王「…竜を知らん人間が、良くそこまで可愛がる事が出来るな」
男「懐いてるしな」ナデナデ
幼竜「キュ〜…♪」
魔王「ふむぅ…何故こやつは貴様にここまで懐いておるのか…」
男「それこそ知らねぇよ」
魔王(…あり得るとすれば)
魔王「…しかし、貴様は本当に動物が好きなのだな」
男「悪いかよ」
魔王「いや、動物は好きなのだな、と言うべきだった」
男「おい」
210
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/12/24(水) 19:57:01 ID:BK1DbKNY
竜は魚も食べるのかな
211
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/01/04(日) 16:01:10 ID:JRE5.4GI
はよ
212
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 00:39:37 ID:4g8S.bE2
魔王「しかし、何故好きなのだ?物を言わぬからか?」
男「人の事コミュ障扱いすんな」
魔王「こみゅ…?」
男「会話すんのにいちいち支障が出る奴だよ」
魔王「ふむ、なら魔族は殆どこみゅ障だな」
男「何でだよ」
魔王「どいつもこいつもまともな会話が出来ん」
男「あぁ、そう…」
213
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 00:48:42 ID:4g8S.bE2
魔王「で、実際はどうなのだ?」
男「どうって…昔から、動物には好かれるんでね」
魔王「動物には…では、人間には?」
男「……分かんねぇ」
魔王「分からん、とは?」
男「誰が俺の事好きで嫌いかなんざ分かんねぇよ。動物と違って人間は複雑だしな」
魔王「ふむ…少なくとも、女と大家は嫌ってはないだろう」
男「どうだかな…本当は内心…なんてな」
魔王(……何故、悲しそうにしておるのだ、こやつは。…いや、我には関係無い事だ!)
男「くぁ…俺らしくねぇ。寝る」
魔王「……」
214
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 01:01:33 ID:4g8S.bE2
男「Zzz……」グガー
魔王「寝たか……竜よ」
幼竜「?」
魔王「……人化、出来るか?」
幼竜「!……バレた?」
魔王「む…!話せるのか…!」
幼竜「話せるよ〜」
魔王「何故黙っておった」
幼竜「知らない人は〜、驚くと思って」
魔王「…確かに」
幼竜「そっちはどうして気付いたの〜?」
魔王「書物で読んだ記憶があった…産まれながらに人と共存する竜が居るとな」
幼竜「正解だよ〜」
215
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 01:18:51 ID:4g8S.bE2
魔王「やはりか…。そして、こやつの言葉が分かったという事は、我らの世界では……」
幼竜「竜言語」
魔王「そう、そうだ…竜言語だ。この国の言葉は、我らの世界の竜言語とほぼ同一の様だな」
幼竜「そうみたいだね〜」
魔王「ふむ、竜の書物も読み耽っておいて助かった…。お陰で会話にあまり困らん」
幼竜「ところで、人化出来るか、だった?」
魔王「いや、それを聞いたのは疑問を解決したかったからに過ぎん」
幼竜「しなくて良い?」
魔王「我が決める事では無いな。こやつが寝ている間なら、なっても良いだろう」
幼竜「じゃあするね〜」
魔王「す、するのか」
魔王(今、非常に貴重な光景を目にするのか…!目に焼き付けておかなくては…!)
幼竜「じゃあ、せ〜の」
216
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 01:53:03 ID:4g8S.bE2
まるで魔法少女の変身の如く光に包まれた幼竜が、光の中から現れる。
その時、魔王は思ったのだ。「似ている」と。
目の前に居たのは魔王と同じく蒼い髪と瞳と白い肌、魔王と違って蒼いコートを羽織る少女であった。
そして魔王は更に思った。「胸が大きい」と。
そう、顔は違えど共通点が多かった幼竜の人間体に、魔王は何処か親しみを感じていた…。
217
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 02:12:01 ID:4g8S.bE2
魔王「…驚いたな」
幼竜(人)「?」
魔王「いや、似ておる所がある、と思ったのだ」
幼竜(人)「…うん、ちょっと似てるね〜。じゃあ、おねえさま?」
魔王「…我がか?」
幼竜(人)「うん」
魔王「おねえさま…流石に、初めて呼ばれたな。…貴様の方は、何と呼べば良い」
幼竜(人)「ん〜…ん〜〜……んん〜〜〜……」
魔王「…分かった。竜の状態は幼竜、人の状態は…竜に、娘、とでも付けておこう」
竜娘「は〜い」
魔王(そんなあっさりと決めてしまって良いのだろうか…)
218
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/01/06(火) 17:00:44 ID:JfjjoeAA
俺「に、人化だと& #183;& #183;& #183;?」
219
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 19:05:44 ID:4g8S.bE2
男「………………………」
魔王「ぬぉぉ!?お、起きておったのか…!?」
男「………………………」
魔王「……おい、何か言わんか」
竜娘「……気絶?」
男「……夢?」
魔王「残念だが違う」
男「俺、聞いてねぇ……説明しろ」
220
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 19:20:24 ID:4g8S.bE2
男「……竜騎士と騎竜?」
竜娘「はい〜。人と竜、お互い産まれた時から一緒に過ごすんですよ〜?」
男「で、そこの竜は人を警戒しないし、人の姿にもなれる、か」
魔王「うむ。しかし、まず会えん筈なのだ。竜騎士達の村は秘境の地にあるそうだからな」
男「それが何でここにいんだよ」
竜娘「気付いたら居ました〜」
魔王「…折角帰る方法が分かるかと思ったのだが」
竜娘「ごめんなさい〜」
男「…人の姿は自由に変えれんのか?何で日本語しゃべれんだ」
竜娘「姿は変えらんないです。日本語は竜の言葉と殆ど一緒だからですよ〜」
男「不思議な世界だな、おい」
魔王「機械が日常的にある方が不思議だが」
221
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 19:30:00 ID:4g8S.bE2
男「……何で俺に懐くんだ」
竜娘「騎竜は本能的に優しい人が分かるんですよ〜♪」
魔王「気を付けろ、人の姿になれば暴力を」
男「余計なんだよ」ゴスッ
魔王「ぐぬっ…殴りおって…」
男「懐く相手間違えてんじゃねぇの」
竜娘「主様は優しい人です〜!竜が決めました!」
男「…あるじさま…何か、ヤバい響きだぞ、おい」
魔王「何だ、この世界では主様と呼ぶ者は居らんか」
男「いねぇし、こんな幼い子に呼ばせるとか犯罪だわ」
魔王「窮屈な世界だな」
男「そっちが自由すぎんだよ…」
222
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/01/06(火) 19:42:59 ID:4g8S.bE2
男「しっかし、マジかよ…何でこんな…」
竜娘「主様〜…迷惑…?」
男「コイツが迷惑」
魔王「ふん、我もこんな所に居りたい訳では無いのだ」
男「だったら出てけばいいだろが」
魔王「それが出来ればしておる」
竜娘「けんかはメッ、です!」
魔王「しかしだな」
竜娘「ふぅ」
魔王「冷たっ!な、何をする!頭を冷やせとでも!?」
竜娘「温かい方が良かった?おねえさま」
魔王「そういう問題では無い…」
竜娘「じゃあ主様に」フゥ
男「あっつ!あっついって!」
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