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みんなで文才晒そうぜ part2

1以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/18(土) 18:14:17 ID:mNOcI4dM
ここはお題に沿った地の文込みのSSを晒すスレッドです

・主に地の文の練習や批評・感想の場として使ってください
・次スレは>>990が(規制等の際には有志が)必ず『宣言』して立てる事
・気楽な雑談がしたい方は酒場や休憩所でどうぞ

【注意】台詞形式のSSは受け付けておりません

前スレ
みんなで文才晒そうぜ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1352992635/

お題>>2

355以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/03(日) 20:03:33 ID:hkMF9FWM
自分のことは棚に上げて感想。
>>347
同じような感じの話を二作続けて投稿する意味が分からない
しかも、オチがひどい。荒唐無稽すぎて怒りしか覚えない
荒唐無稽なオチに持っていくには、それを納得させるだけの伏線が必要だぞ?
「17歳の私の持ち物を羨ましがる」とか、不自然に思わせる「ひっかかり」が必要。
デタラメなオチをバレないように隠すのはただただ卑怯でしかないし、なにより陳腐だ。
>>352
お題がネタバレだから難しいのもわかるけど、もっと悪意があって誤解させる文章が欲しい。
「沖にながされてしまった彼女を助けようとしたが溺れてしまった」「沖に流されていく彼女をただ見ることしかできなかった。それが悔しかった」
あと、誤解を利用してドキッっとさせるしかけもあれば嬉しいかも。
「葬式場で彼女は泣いていたが、私は笑っていた」とか、起承転結の転で持ってこれば話が締まると思う。

短い叙述トリックを描くときはもっと読者をバカにしていい。
「そっちだと思った? バーカ」ぐらいの意図が透けてた方が面白くなると思う

356以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/07(木) 21:38:33 ID:SC4qmDs.

黒く大きな瞳と目が合い、胸が締め付けられるようだった。
そっと手を差し出すと、指先が触れ合い、ひんやりとした感覚が伝わってくる。
髪を撫でる。枝毛が無く、そのまま毛先まで滑らかに手が滑る。街ゆく女性が見たら振り返り、羨むだろう。
やや紅潮した頬に手を当てると、マシュマロのような柔らかさが返ってくる。目を閉じて心地よさに身を任せたい。

「ああ……」

悩ましげな吐息に心が踊った。
しかし、時間がない。
化粧を簡単に済ませて、鏡をもう一度見た。
やっぱり今日も私は完璧だ。

357以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/18(月) 16:08:36 ID:dGkosiC.
age

358以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/18(月) 20:47:34 ID:J8lWBNnE
次のお題
気軽にかけそうなのがいいな
ビックリした話とか、そういうざっくりしたので


359以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/18(月) 23:30:25 ID:dGkosiC.
>>356 はどういうこと?
お題なら家族

360以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/19(火) 08:59:19 ID:naSRuC.2
>>359
誰かを見てうっとりしてんのかと思ったらただのナルシストだったって話じゃないの?

前後のつながりにも無理がないし、さり気なく伏線も張ってあったりしてきれいな文章だと思ったよ

361以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/31(日) 03:22:47 ID:jGtD62Ow
あげ

362以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/31(日) 11:42:59 ID:8kcf4MQg
家族の話題になった途端、一気にみんな無言になった

363以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/11(木) 00:24:35 ID:cHOADHjw
たまに家族の声が聞きたくなくなる。
一人暮らしの男として普通逆だと思うのだが、私は何故か突然そんな気分になる。
だからといって問題は無い。家族は近くにいないわけで、声を聞く機会も多くはないからだ。

しかし極々稀に、運悪くタイミングが重なる時がある。
「声を聞きたくない」と思っている所に丁度電話がかかってくる。
当然受けざるを得ない。重要な連絡かもしれない。
私がしぶしぶ受話器をあげて見ると、いきなり甲高い声が響いてくる。聞きなれた母の声だ。
つい口の端が曲がる。その不機嫌を声には出さないように受け答えると、電話の理由は家のリフォームについて。
それも内容をどうするか?ではなく、やってみようか?という段階の話である。どうでもいい。

「ねぇ〜どう思う?」
知るかバカ。ふざけるな。勝手にしろ。そんなことで一々電話してくるんじゃない。
言葉が溢れてくるが、ぐっとこらえる。相手に悪気は無いのだ。
さっさと会話を終わらせなければ危ない、私はとりあえずリフォームを行う方向に進めることに決めた。

「え〜?でも、でもぉ」
どうした、私はもう意見を言ったぞ。さぁ切らせてくれ。
願いも虚しく、母の声に止む素振りは無い。
相槌をうつ事も躊躇われる。相手の話を引き出した所で何の得も無いのだ。
イラつく私は結論を急ぎ、なんとか言葉を捻り出す。

364以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/11(木) 00:25:19 ID:cHOADHjw
「え〜?でも、でもぉ」
どうした、私はもう意見を言ったぞ。さぁ切らせてくれ。
願いも虚しく、母の声に止む素振りは無い。
相槌をうつ事も躊躇われる。相手の話を引き出した所で何の得も無いのだ。
イラつく私は結論を急ぎ、なんとか言葉を捻り出す。

「どうしたの?何かあった?」
しまった、言葉が震えていた。母親とはこういう事に敏感なものだ。
なんでもないよ、その声すら変に上擦っている。
あぁもう嫌だ、何故私がこんな目に遭うのだ。私が何をしたというのだ?
変に悲しい気分になってくる。母の声はまるで冷水だ。浴びせられる度に頭が震える。

ポタ、と落ちたのは涙だった。床の涙の跡を見て、私は初めて自分が泣いていることに気がついた。
これではまるで子供だ。嫌な状況の中、泣くことしか出来ない。
私を心配する母の声が耳から頭に響く。頼むから黙って欲しいのに。

一度受話器を置き、ソファを殴る。蹴る。ひっくり返す。
これで少しは気が晴れるのだ。スッキリとした私は受話器をとり、通話を再開する。
今は電話だからこういう対処が出来ている。
だがしかし、もしもこれが電話でなく、実際に対面していたら?
私は実の親に手をあげてしまうのではないだろうか。
それが心配だから、私はこの部屋から出ることは出来ないのだ。

365以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/30(火) 03:55:21 ID:9sYqWB1Y
読みにくい

366以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/30(火) 23:32:18 ID:Y54Zrp0I
あげ&お題変更
↓1

367以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/30(火) 23:40:13 ID:Lzx331q.
わたしは一向にかまわんッッ

368以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/01(水) 16:15:39 ID:u3dkq2lI
夜中にふと喉が乾いたので、私は台所に行って冷蔵庫からウーロン茶を取り出した。コップにそれをとくとくと注いでいると、不意に玄関の方から妙な音が聞こえた。

私はそれを見に行こうかとも思ったが数歩進んだところで急に面倒になって、代わりにリビングに行きソファにどっかりと座って、しばしの間、事の成り行きを見守る事にした。

案の定、というか、予想に反して、というべきかは私にはわからなかったが、しばらくすると呼んでもいない客人がやって来た。その男は、暗闇の中、ソファに座ってくつろいでいる私を見つけると、礼儀正しいのか馬鹿なのか、こちらに向かって丁寧に会釈をしてきた。

「やあ、参ったね。まさかこんな時間に誰かが起きてるなんて思いもしなかったよ」

「私もだよ、気が合うね」そう言って私はコップに軽く口をつけた。「もしかしたら君とは美味い酒が飲めるかもしれないが、生憎、今ここにはウーロン茶しかなくてね。それでも飲んでいくかい?」

男は「遠慮しとくよ」と苦笑気味に答え、それから少し真面目な表情になった。

「ひょっとしたら君は気付いているのかもしれないけど、実は僕は泥棒なんだ。ここの家は裕福そうだからね。一週間ぐらい下見をして、入る準備には三週間も費やしたんだ。それがこんな結果になってしまって、僕としてはとても残念でならないよ。この気持ちが君にわかるかい?」

「多少は」と答えると男はにっこりと笑った。なかなか人好きのする笑顔だと思う。

「それでものは相談なんだけど、どうだろう。このまま僕を見逃してくれるかい? ついでに金目のものを幾つか物色して、それを持ち帰る事を許してもらえないだろうか。もちろん君ならわかってくれると思うけど、僕には泥棒をするだけの理由があるし、泥棒をしなきゃいけない事情もあるんだ。詳しく話せないのが悔しくてたまらないほどにね」

私は壁にかけてあった時計をちらりと眺め、それから再び男に目を向けた。「私は一向に構わないよ。この部屋にあるもので良かったら、そこの時計以外、好きに持っていくといい」

「そこの時計以外」

男は少しだけ残念そうな表情を見せたが、「あれは私もセンスがあって気に入っているんだ」と言うと、「それなら仕方がないね」と逆に嬉しそうに答えた。「ありがとう。助かったよ」と私に頭を下げる。

「いや、いいさ。それじゃあ私はもう行くよ。後片付けをしなきゃいけないんだ」空になったコップを見せながら立ち上がると、男はもう私に見向きもせず、早速、部屋を物色していた。私はもう一度だけ「じゃあ」と言ってリビングを後にし、コップを丁寧に洗ってから再び寝室へと向かった。ドアをゆっくりと開ける。

「さて……この死体をどう片付けようか」

私が今夜考えなくてはいけない命題はどうやら色々と多そうだ。それとは逆に、この家の主人は気楽そうな顔で死んでいて、理不尽な事にも私は少し羨ましくなった。

369以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/01(水) 23:56:32 ID:wLC.wcQc
最後の行だけがよく分からない
『命題』と『理不尽なことにも』の部分
それ以外は面白かったから惜しいなと
俺の読解力がアレなだけだったら鼻で笑っていい

370以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/01(水) 23:56:32 ID:wLC.wcQc
最後の行だけがよく分からない
『命題』と『理不尽なことにも』の部分
それ以外は面白かったから惜しいなと
俺の読解力がアレなだけだったら鼻で笑っていい

371以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/01(水) 23:57:40 ID:wLC.wcQc
連投規制仕事しろよ……

372以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/03(金) 10:00:08 ID:rNlD6sLk
>>368
これも一種の叙述トリックかな
読むのにストレスが無くていいとおもう

373以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/14(火) 08:18:26 ID:GHqfVkYU
お題変更しちまうぜ
↓で

374以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/14(火) 10:23:55 ID:EngCt2ko
『鍋』

375以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/14(火) 11:38:32 ID:ncFU1hp2
鍋はおいしい
冷えきった私を温めてくれる
いつからか私は冷たくなってしまった
なにもかも自分ではわからない
どうしてだろう
絶望にうちひしがれた私は小さな小さな希望を見つけた
そう私は鍋奉行

376以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/14(火) 21:23:19 ID:K6QUYvvc
鍋ってどうよ?
どうよってのはつまり、鍋についてどう思う?ってこと。印象とか。
「美味しい」とか「あったかい」とか「みんなでワイワイ」とかさ、色々あると思うけど。
みんな心の底で思ってんだろ?
「不衛生」だって。
だってあれだぜ?お前、ツバつけた箸でもって同じ液体の中かきまわすんだぜ?大人数でだよ?
おかしくない?マジやべーよ。俺に言わせりゃ狂ってるね。
だろ?な?なぁ?
いや俺も食うけど・・・

377以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/15(水) 16:23:02 ID:th9xql0I
西暦2010年の冬に自宅で行われた闇鍋はその名に恥じる事なく混沌の限りとなった。何でもいいから「何か一品持ち込むべし」との注意事項が正しく守られた事と、「またそれは普通の具材以外である」という暗黙の了解を全員がよく承知していた事、何より最大の原因となったのが「誰が何を入れたかがわからない」というそこに問題があったと思われる。

大きめの鍋を用意して、そこにネギや豆腐、白菜に椎茸、牛肉にしらたきなどの通常の具材を投下し、それが程よく煮込まれた後で、集まった面々はそれぞれ悪戯心と意趣に満ち溢れた表情でお互いの顔を眺めやり、そして電気を消した。

それぞれ袋や鞄などに入れて持ち寄った具材を取り出し、一斉に鍋へと投入する。この時、誰が何を入れたかを正確に把握している者がいたとしたら、それは全知全能である神かあるいはナイトスコープを持参したルール破りの不届き者だけだったであろうし、彼らは揃ってその鍋に手をつけるなと慌てて注意したはずである。

無論、それらの声は上がらず、集まった一同は奇妙な期待と好奇心からその鍋をよく混ぜ、そして「いただきます」との声を合図に全員が箸をその中へと突っ込んだ。

悲鳴が発せられた。

この時、何が起きたかを理解した者は誰一人としていなかったし、慌てて電気をつける者も安否を確かめる者もいつまで経っても一向に現れなかった。何故なら、その場にいた全員が倒れていたからだ。

後日、警察が調べたところによると、鍋には小型のドライヤーが入れられており、箸をつけた瞬間に誰かがコンセントにプラグを差し込んだのではないかという結論に至った。つまりは故意的に、集まったメンバーの感電死を狙ったのではないかという事だ。

警察は殺人未遂事件として、その場にいた全員を徹底的に調べあげたが、しかし、犯人を逮捕する事は結局出来そうになかった。コンセントにプラグを差し込む機会は全員にあったし、犯人は手際の良い事にも延長コードを用意して全員がその場にいながらコンセントに差し込めるようにしていた。これは電気を消す前にはなかったもので、つまり、誰か一人は気絶の振りを装って、後からそれを偽装したという事になる。

「まあ、本当に怖いのは、こんな事件が起こったって事じゃなくてね……」

捜査にあたった一人の刑事はメモ帳をパタンと閉じつつそう言った。

「全員を殺そうとした犯人が、あなた達の中に未だに何食わぬ顔しているって事ですよ」

今は2014年10月。今年もそろそろ鍋の時期がやって来る。あの時のメンバーの中で生き残っているのはいまや三人だけだった。今年はどうなるのだろうか。全ては闇の中だ。先が見えない。わからない。殺人者は今日も闇鍋をつつく。

378以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/15(水) 16:32:25 ID:th9xql0I
前後半で文体がくちゃけてるなあ、と読み返してみて反省。慣れない書き方はするもんじゃあないね

>>375
一種のポエムかな。全体はいい感じにまとまってるけど、最後の締めが惜しい感じ。ひねらず落とさずにすると、綺麗な文章になりそう

379以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/01(土) 14:20:38 ID:PNCyA452
お題変更


380以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/01(土) 14:54:54 ID:.HNvPVw.
『メソポタミア文明』

381以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/01(土) 23:19:32 ID:1Bwu7fGs
これはひどいお題

382以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 23:05:23 ID:3V4u4Rx2
「知ってる?一週間が七日になったのはメソポタミア文明からなんだよ?」

君はおどけた顔でそう言った
僕が「へぇ、そうなんだ」と適当に流すと君は怒った顔して
「川文明だから流すってか...寒いわ馬鹿野郎」と訳の分からない事を
呟いてどこかに走っていったね
僕が一緒に散歩していた犬を連れて

名前も知らないどこかずれている君へ
初対面で僕の犬を抱きかかえて逃げないでください


後日、またこの土手沿いで君と出会った
僕ん家の犬と君が飼っているらしき犬二匹を連れて恨めしそうににらんでくる
何だかむかついたので今度は僕が二匹とも抱えて逃げたんだ

「め、目には目を...同害復讐法かぁーっ!!」

そう、互いのペットを奪い合うこの戦いこそが、僕と彼女の初めてのカディシュの戦いだったのだ

383以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 23:32:46 ID:BXB/t2D.
「メソポタミアってどこにあるの?」

少年の質問はいつも唐突で、私を困惑させる。
メソポタミア、メソポタミア。どこで聞いてきたのだろうか?

「ね、メソポタミアってなあに?」

少年の声は甘ったるい金属の触れ合う響きがする。この年頃の男の子の声だ。
メソポタミアがなにか知らないらしい。素敵なオブジェかなにかとおもっているのかもしれない。
嘘を教えようか、本当のことを教えようか。
悩む私の服の裾を少年が引っ張ってもう一度。

「メソポタミアっておいしい?」

よし、味噌ポタージュみぞれ飴風味。ちょっと無理矢理だけれどこれで行こう。
嘘をつくことに決めた私はようやく本から少年に視線を移して口を開く。

「おいしいよ。食べたことないの?」
「うん!」
「メソポタミア文明って言われたくらい流行った、人気の料理なんだけどなあ」
「お姉ちゃんは食べたことあるの? メソポタミア」
「もちろん。メソポタミアっていうのはね……」

こうして私の口からでまかせが溢れだす。嘘八百もまもなくだ。
目をきらきらさせて少年は、架空の料理に舌鼓。
さてはて明日はなにを聞きにくることやら。

384以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 23:58:52 ID:3V4u4Rx2
レベル高杉
へこむわ

385以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 03:15:59 ID:ywgl/27Y
>>382
面白かった。こんなほのぼのしたのもいいね
ただ、文体が最後で変わるのが違和感あって惜しい。
台詞も文と違和感があるから、統一するとギャグじゃなくて文学的になりそう

>>383
これ、いいな。なんかにやけてしまった
素敵なオブジェって表現がいいね。文も読みやすいし、後味がいい

386以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/16(日) 01:19:45 ID:1rGhqi26
そろそろお題を変えようず


387以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/16(日) 01:30:27 ID:KpJDtqp.
看病

388以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/02(火) 08:58:21 ID:tkla9/LQ
ほしゅ

389いぬのたまご:2014/12/13(土) 23:13:40 ID:p4A8Y45k
まとまったお金が欲しい人はこちらへ

http://www.fc-business.net/qgesw/

390以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/13(土) 23:37:54 ID:D3Ebo.6s
いつの間にか一ヶ月近く経っちゃったしお題変えようか


391以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/13(土) 23:49:08 ID:vgH9JddM
いぬのたまご

392以下、名無しが深夜にお送りします:2014/12/15(月) 23:16:05 ID:f2IBkkiQ
業者のコテってのも嫌だし、でも書き始めてる人もいるかもだし「たまご」にしようぜ

393以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 19:48:45 ID:4ojgP/u2
『いぬのたまご有り〼』
そこら辺で拾ったのであろうボロ板に、かすれ気味のマッキーで書いたような歪んだ文字のそれはどうやら看板だった。
思わず足を止めてしまったのは失態だがしかたがない。私は大の犬好きなのだ。
犬の犬好きと書きたいくらい犬が犬好きなのだ。おっと書いてしまった。愛してる。
私ほどの犬ラバーでなくても犬が卵を産まないことくらい知っている。
犬は胎生。あのコブ付きのうふんあはんを突っ込んでずっこんばっこんしたら、ちょめちょめからぬるりんぽ、と出てくるものだ。
そんなのだれだって知ってる。知らないなら私が教えてやる。教えこんでやる。身体になぁ。
話がそれた。
さて、その看板に目を足をとめた私が視線を上げると、ゴザの上に薄汚れたお兄さんがニタニタと黄ばんだ歯を見せている。臭そうだ。
「おい、お姉ちゃん。興味、あるのかい?」
思ったよりも甲高い声がその口から漏れた。話しかけられてしまった。どうしよう。
「いぬのたまごってなんなの?」
普通に返してしまった。なんといっても私はフランクが売りなのだ。フランク売りなのだ。愛嬌ひとつ二〇〇円。
「へへっ、こいつだよ。特別に見せてやる」
そう言ってごそごそとお兄さんが横においたズダ袋を漁る。何が出てくるのか、興味津々だ。
お兄さんが大事そうにそっと差し出した手の上にはおやおや何もない。
「どれさ」
「これだよ」
ひひっと、お兄さんが笑う。
「ちょうどいい、お姉ちゃんは犬が好きなようだし、預かっててもらおうか」
そういってふうと手の上を吹くと、なにか暖かいものが私の中に入ってきた。お腹の下のほうがほうっと熱を帯びる。
「ちょっ、ちょっと何したの?!」
服を捲ってみようにも、こう厚着ではままならない。せめて手で擦ってみるもなんの感触もない。
「三年後まで預かっててもらうだけさ。なあに、時が来たら勝手に出てくるから気になさんな」
「出てくるってなにがっ……」
わめき返そうとして目をあげると、もうそこには誰もいない。
「新年さ」
耳元で声だけがして、あとはふっつりと何もかもが消えてしまった。
あとはあの、謎の看板が残るばかり。それも風に流されてどこかへ言ってしまった。
よくわからないのだが、2018年は私の胎の中らしい。

394以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/07(水) 20:53:32 ID:5.V469Vo

「やあ元気かい? 突然で悪いけど、君が温めているその卵を渡してもらう」
 その申し出をすぐには理解できなかった。わたしは目をぎょろぎょろと動かし、彼女を観察する。
彼女によって、愛しい彼は殺された。残されたのは、彼との間にできたこの卵だけだ。
 わたしにはもう、この子しか希望はない。
「客人が来ていてね。お腹をすかせてるみたいだから、君の卵を食べてもらおうと思って」
 その理不尽な言葉に、眼球がぐつぐつと煮えたぎった。
 彼女の客、それは人間だろう。どうして人間の腹を満たすために、まだ見ぬ我が子を差し出さなければいけないのだ。
 もちろん要求は受け入れられない。わたしは彼女を殺してでも卵を守るのだ。
「おお怖い。君のそのスイカみたいな目玉、そのうち破裂するんじゃないかな」
 威嚇すると、彼女は肩をすくめてみせた。
「どちらにしろ、卵はもらうよ。君ら鳥はさ、卵も肉体も、食べられるためにあるんだから」
 そう言うと、彼女はいつの間にかわたしに近づいて、片手でわたしの首を締め上げてきた。
 ぐえ、と一つうめく間に、わたしの卵は彼の腕に抱かれている。
「それじゃ、確かに。また元気な卵を産むといいよ」
 悔しさと絶望と怒りから彼女をにらみつける。
 くちばしでつつくことさえできなかった。
 もうわたしには何もない。
 つがいである彼を殺したのは、彼女のくせに。
 三つの感情が入り乱れ、騒がしく羽をばたつかせる。
 それから少しの時間が経ち、彼女はまたやってきた。
 だが、手にはわたしの卵が乗っかっている。
「この卵がどういうものかって事情を話したらね、食べないというんだ。可哀想だから返してやれってさ」
 驚いた。人間にも慈悲深いものがいたのか。
 あまりにも嬉しくて、眼球がすぼんでしまった。
「だから君に返すよ。はい」
 卵は地面に叩き付けられ、わたしの前で割れた。散乱した中身は、わたしの。わたしの――――。
「さて、次は失礼な客人の相手をしてこなきゃ。どんな風に遊んであげようかな」
 命になりそこなった何かを見下ろしたまま、わたしはまだ動けない。
 膨らみすぎた眼球が割れ、その中身が卵と混ざる。

395以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/08(木) 22:40:48 ID:e2qKJwOI
「たまご」

女「そこの通りすがりの貴方。私のたまごはいりませんか?」
男「はい?」
女「ですから、私のたまごはいりませんか?今ならお安いですよ?」
男「あのーよく分からないんだけど「私のたまご」ってなんなの?」
女「よくぞ聞いてくれました!私のたまごというのはですねー」ゴソゴソ
女「じゃじゃーん!」タマゴドド-ン
男「うわっまあまあ大きいなぁ。ダチョウのたまごかな?」
女「な、失敬な!!ちゃんと私が産んだたまごですよ!」プンスカ
男「へっ?産んだ??」ワケワラカン
女「そうです!しかも今朝産んだばかりの新鮮なたまごですよ〜。それを今ならなんとこのお値段!」ユビサンボ-ン
男「へ、へー。三千円で売ってるもんなんだ...」
女「バカいっちゃいけません三百円ですよー。美味しいくて栄養満点ぜひどうぞ!」
男「えっ食べちゃうのこれ?」
女「何言ってんですかw無精卵なんだからいくら待っても何もうまれませんよー」
男「な、なるほど......うん、ひとつもらってもいいかな?」
女「はいまいどありー!三百円ちょうどのお預かりですねー。ではどうぞ消費期限は冷蔵庫で3日なので覚えておいてくださいねー」
男「あっはいどうも.....。おっまあまあ重たいんだなぁ」
女「ええ、今日のはなかなかの自信作です!しっかり味わってくださいねー。ではまたのご来店お待ちしておりまーす」ペコッ
男「はいどうもー」ペコッ
男「あれ?もういなくなってる」
男「まあいいや早速帰って料理しよーっと」


ー数時間後ー
男「早速作って食べてみたけど普通に美味しいなぁ」
男「あれ?でもこれってもしかして同じ人間を食べてることになっちゃうんだろうか.....?」

おわる

396以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/09(金) 22:36:09 ID:7WjLoCtY
男は言った。
「卵がほしい。卵さえあれば、鶏を育てることができる。鶏がいれば卵も手に入ると」

私は彼に卵を渡してみることにした。

一週間後。彼は私に言った。
「卵をください。今度こそは育てて見せます」
私は、前の卵はどうしたのかと彼に聞いた。

「卵は育てている最中に突然隕石が落ちてきて割れてしまいました」
私は彼に渡すために懐から卵を取り出した。

そこに女が現れて言う。
「この男の言うことを信頼してはなりません。彼はいつまでも孵らない卵に腹を立て、放り投げて割ってしまったのです」
彼女の言葉を受け、私は男を咎めるように見る。
彼は恥じ入った。

女は続ける。
「私に卵をください。私なら卵の孵し方を知っています。私なら立派に鶏まで育てて見せましょう」

私は彼女に言った。
「卵の孵し方を知っているのなら、彼にその方法を教えてやるべきだったのだ。命を大切にしない者にこの卵を渡せないな」
彼女は、納得のいかなさそうな表情で私を、そして男を見た。

397続き:2015/01/09(金) 22:39:20 ID:7WjLoCtY
2人が去った後、私は考える。

やはり面白いな。
素直な愚か者をだますの、ひねくれた賢き者を適当にやりこめるのも快感だ。

絶対に孵ることのない卵を片手に、、にやりと笑った。

398続き:2015/01/10(土) 00:37:41 ID:A4CFhxnc
またこの男はイタズラをされているな、と考えた。

アイツはいつも彼にイタズラをしかける。
そして、今もそうだ。
「ここに大人の鶏と、もうすぐ孵ってひよこになる卵がある。いつも世話になっている礼にどちらかをやろう。お前はどちらが欲しい?」
と男に問いかけている。

私は知っている。
鶏が本物そっくりな偽物であることを。

私は知っている。
あの卵がスーパーの特売で買ってきたものであることを。

そして私は知っている。
彼はそのどちらにも気づいていないことを。

彼はしばらく考えた後に、育てられる卵のほうが良いなどと言って卵を受け取った。
これから、彼は孵らない卵を必死に温め続けるのだろう。
本当にあの男は馬鹿だなあ。

「でも放っておけないよね」
私はそんな独り言をつぶやき、そして彼を見守ることにした。

399続き:2015/01/10(土) 00:38:43 ID:A4CFhxnc
彼は卵を握ってそれを見つめている。
それで卵を温めているつもりだろうか。そんなことで卵が孵るわけがなかろうに。

そうやって、卵を見つめてしばらく経った。

彼は突然卵を放り投げてきた。
私は慌ててそれをキャッチした。
そして彼を見る。

彼は、ふうと一息溜め息をついて寝転がっていた。

あんまり卵が孵らないから飽きてしまい、適当に放り投げたのか。そう推測した。
(延々と、二日も三日も卵を温めるようなことにならなくてよかった)
私も、ふうと一息溜め息をついた。安堵したのだ。

そして、手に握っている卵を見つめる。
とりあえず、これはもったいないので卵かけごはんにでもして食べよう。

400続き:2015/01/10(土) 01:11:48 ID:A4CFhxnc
正直に生きるのではなく、正直っぽく生きるのがミソだと思う。
誠実に見せて信頼を得て、そして信頼を利用して楽をする。

これが一番得をする。下手に警戒させるよりずっといい。

アイツが「鶏か卵か」なんて聞いてきた。
もちろん、鶏が偽物だということに気づいていたし、卵なんて無精卵だから孵るわけがない。
下卑た顔でニタニタとこっちを見ていたからたぶんイタズラなんだろう。
でも、まあタダで貰えるのだからもらっておこう。

さて、貰うのはオモチャか卵か。そんなのは悩むことではない。
花より団子。食べられるほうがいい。だから、私は適当な理由をつけて卵をもらうことにした。
騙されたフリをして説得したら、簡単に卵が手に入った。

401続き:2015/01/10(土) 01:13:40 ID:A4CFhxnc
さて、何を食べようか。
卵一個って地味に調理しづらいんだよな。
目玉焼き。スクランブルエッグ。卵焼き。そのどれでも、卵の量が少なすぎて小腹でさえ満たせない。
ふむ、困ったなあ。

そんな感じで思索をしているうちに、彼は突然気づいた。

(あれ、この卵すごい生暖かい)
彼はその原因を考え、そして卵がアイツの懐から出てきたことに思い出した。

彼は考える。この卵は記憶が正しければ、消費期限ギリギリだったはず。
この卵は腐っているかもしれない。
……はあ。最悪だ。食べれないじゃん。
彼は適当に卵を放り投げることにした。卵が地面に落ちて割れても、きっと土に帰ることだろう。

402以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/21(水) 22:29:44 ID:L/NU7XsA
たまには三題噺で「肩掛け」「月」「約束」

出展はここな
ttp://chocol.heteml.jp/soda/cgi-bin/sandai/sandai.cgi

403以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/24(土) 01:05:06 ID:tZ3iWmDg
 暦の上では春に近付いているとしても、現実的には寒い日が続いている。
肌を裂く冷たい風に身を竦めながら、私は約束を果たすべく足早に歩く。
深夜の人気がない街中を突き進んだ先は、小さな建物だ。古ぼけた建物だが、誰かが片付けているのか綺麗に手入れされている。

 扉を押し開いて中に入ると、玄関ホールに所狭しと置かれた展示物が出迎えてくれた。それらは建物のあらゆる場所に存在するようだ。
異常な光景に私は一瞬呑まれかけたが、頭を振って前進する。大抵の展示物には一瞥もせず通り過ぎたが、中には非情に興味深いモノがあった。
つい足を止めて眺めたいと思う時もあったが、その感情を抑えて先へ急ぐ。
 モノで溢れ、まるで迷路のような内部を進んでいくと、私は目的の部屋の前まで辿り着いた。

 部屋の前には番号が掛けられている。どうやら他の部屋の前にも番号が割り振られているらしい。
だがそれらが何らかの意味を成すとは思えない。目を離すと、番号は先程とは異なる数字を表しているのだ。
目的の部屋も例外ではなく、視線を変えた時には番号が変わっていた。まるで部屋が移動したかのような錯覚を覚える。
 いや、そんな事に気を取られている暇はない。私は部屋に押し入った。

 その部屋は簡素な造りだった。本棚にはファイル番号を表すラベルが貼られた本が数多くあり、あとは乱雑に雑多なモノが散らばっているだけ。
光源らしき物はなく、窓から差し込む明かりだけが頼りだった。
 窓から外へ視線を向けると、月が顔を覗かせている。どうやら約束は果たせそうだ。
 私はモノを押し退けて肩掛けバックを床に置き、バックの中を漁る。
この肩掛けバックの中には夢があるのだ。少なくとも私自身はそう思えるものが存在する。それをそっと窓辺に置いた。
 約束を果たしたという充足感と開放感が、私の中で満たされていく。
 私が置いた夢はどうなるのだろうか。そんな疑問が浮かんだがどうでも良いことだった。約束を果たした後など考えない。
恐らく本棚に仕舞い込まれた他の本同様、ファイル番号のラベルが貼られて納められるのだろう。
 それに対してどのような言葉が紡がれるのか。今の私には知る術などなかった。

404以下、名無しが深夜にお送りします:2015/01/24(土) 15:23:07 ID:zxtq.2ZE
>>403
>一瞥もせず
>部屋に押し入った
言葉の使い方がところどころ違和感覚えるし
>約束を果たしたという充足感と開放感が、私の中で満たされていく。
開放感って言葉使うなら、前の方で焦燥感とかどことなく追い詰められているような気ぜわしい感じだした対になる言葉使ったほうがいいと思うし
全体的に描写が甘くて今ひとつ想像できないけど話の雰囲気はいいと思いました。

405以下、名無しが深夜にお送りします:2015/02/28(土) 14:22:32 ID:Oh1sScns
age

406以下、名無しが深夜にお送りします:2015/02/28(土) 14:35:11 ID:Oh1sScns
腹が減る時間だよな
↓つまみ

407以下、名無しが深夜にお送りします:2015/02/28(土) 21:22:53 ID:kkkdF5ck

若干卑猥注意


「いやっ、そんな所つまま……だめです」

白い柔肌が腕の中で跳ねた。いつもと違う声に、高揚感を隠せない。
シーツを握りしめ震える彼女の手をそっと撫でる。

職場ではクールな彼女が、俺のベッドで乱れていた。アルコールのせいか、他の理由か、彼女の頬は赤く染まっていた。
酒と女は相性がいい。嫌なことを忘れるのには一番だ。電気もつけず月明かりの下、何度も重なり合った。

互いの息が溶け合う距離で、一息ついた。髪をそっと撫でると、彼女は猫の様に目を細めた。初めて見る柔らかい表情だった。
しかしすぐに、影を落とした顔を覗かせる。

「でも、いいんですか。私……」

続きを遮るように抱き締めた。
ふと違和感を感じて顔を上げる。つられて彼女も、俺の視線を辿ってしまう。

ドアの隙間を見て血の気が引いた。

「だ、誰ですか」

彼女の問いに、よく知る女性が姿を見せて答えた。

「その人の妻です」

ずっと、見られていた。

408以下、名無しが深夜にお送りします:2015/03/01(日) 19:39:50 ID:5uEBZprk
妻見w

409以下、名無しが深夜にお送りします:2015/03/02(月) 01:20:05 ID:YMoXNHMc
このオチ割と好きだわwww

410以下、名無しが深夜にお送りします:2015/03/07(土) 14:06:43 ID:E9OQxv3U
age

↓ビール

411以下、名無しが深夜にお送りします:2015/03/07(土) 15:31:43 ID:aV6gFL0U
我ながら馬鹿げた事に労力を使ったと思う。

耳が痛くなるほどに冷え切った空気の中、雪かき用の大きなスコップで新雪を集めては一輪車で運び、土手のように積み上げ重ねる。そんな作業を二時間もかけて作りあげたのが、大人ひとりが楽に入れる大きさのかまくらだ。
寒かったのは最初だけで、作業を終える頃には上着だけでなくセーターまで脱いでいるほど懸命に働いた。

そして更に小一時間を費やし中に一通りのものを運び込んだ頃には時刻は夕方に近づき、白い厚化粧に埋もれた周囲の景色は青紫に染まっていた。

ここは県内でも一番といっていい豪雪地帯、しかし私自身はこの地域の住人ではなく親戚の家を三日ばかり預かっているだけだ。

だからこそ目の前を覆う雪景色に、こんな子供じみた真似を堪えきれなくなった。しかしながらその努力の目的は子供に例えるには少々不純なものかもしれない。

暖をとるためを兼ねておこした七輪の炭が赤黒くちょうど良い火加減に落ち着いている事を確かめて、僕はそっと網の上に肉を置いた。
最高級とは言い難いがそれなりに値の張った牛肉は程よく霜降りの模様を呈しており、ちりちりという音をたてながら少しずつ火に炙られてその身を縮めてゆく。
裏返すのは一度だけ、そう心に言い聞かせながら待つ事およそ二分間。なんと長い事だろう、喉がごくりと鳴る。

重労働をこなした身体が求めているのは食べ物だけではない、むしろ渇きを潤す命の水こそを一番に欲している。それを知りながら自身で焦らしているのだ、もしかしたら私には虐げられて悦ぶ趣味があるかもしれない。
慎重に肉を裏返すと網の型が薄っすらと焦げ目に残る良い具合、反対の面は軽く炙る程度で良さそうだった。

座る傍らにこしらえたほぐしたままの柔らかい雪山に左手を突っ込み探ると、すぐ硬いものが指に触れた。半ば乱暴に抜き出したそれが纏う雪も拭わず、反対の手で栓を開ける。もうここまでくると欲望は止まらない。

七輪の横に置いた小鉢から粗挽きの岩塩をつまみ乱雑に肉にかけると、その粒を零さないよう箸で巻く風にして網から上げる。まだぶつぶつとたぎる脂に二度息を吹きかけて、それでも熱いと知りながら口に放り込んだ。

熱い、美味い、甘みと旨みだけでできているかのような肉と、わずかに存在を示しつつ主役をひきたてるに徹する塩。そう大きくもない身からこんなに汁気が出るのか、厚さにきちんと閉じられない口から溢れてしまいそうだ。

しかしまだだ、私の身体は最も欲するものを得られていない。
噛む必要などほとんどない肉を喉の奥へ追いやる寸前、左手に持った缶に口づけ一気に呷る。脂の旨みに満たされていた口が、香ばしい麦の香りに洗われてゆく。熱さはが冷たさに塗り替えられてゆく。

ちくちくとした炭酸の刺激に喉が驚き、それでも喜びの音を鳴らしている。アルコールを含む飲料は水分の補給に向かない、一気飲みなどこの歳になってするものではない、そんな事は心からどうでもよかった。

ごくんと最後の一口まで飲み干して目尻を指で拭うと、私はただ幸せの溜息をついた。さあ、二回戦だ。

412以下、名無しが深夜にお送りします:2015/03/07(土) 15:42:49 ID:aV6gFL0U
うわぁ、しまった
肉食ったとこ厚さじゃねぇ、熱さだ

413以下、名無しが深夜にお送りします:2015/03/19(木) 16:42:01 ID:dRWqd8gs
age
↓卒業

414以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/04(土) 13:57:45 ID:dXS7kQ16
つつがなく卒業式が終了したあと、内々に彼女を呼び出した。
さんざめく人波を縫って約束の場所へと向かう。校舎裏とは我ながらベタだと頭を掻きながら。
これが最後ともなれば、散々ダサいと罵られていた制服も惜しく、そして愛おしく思えるだろうか。
そのデザインを例にもれず嘆いていた彼女に、よく似合うと伝えたことは一度もないが、試してみるのも一興かもしれない。

校舎をはさんだ表側の喧騒が別世界に感じられるほど、蔭の落ちたその場所はひっそり静まっていた。
ふいに響いた私の足音に振り返った彼女のもとへ一歩ごと踏み出すたび、鼓動が激しさを増す。
ようやく向い合わせで立ったときには、もう心音が彼女の耳に拾われはしまいかと真剣に危ぶむ域だった。

じぃっと見上げてくる目線に熱が籠もっていると見えるのは錯覚ではないはずだ。
突発性の呼吸困難と視野狭窄と不整脈におちいる私。アルゴリズムの変調。プログラムの齟齬。
徹夜で考え抜いた上に投げ捨てるしかないフローチャート。
いまだ無言をつらぬく彼女の口ほどにものを言う目からは物理的な圧力すら感じ取れた。
これは、はたして先手を譲られたのか、それとも――。

「あー、その、卒業おめでとう?」
「なんで疑問系……えぇと、どういたしまして?」

まずは軽くジャブの応酬。
彼女も、そして私も、人前では堅苦しく振る舞うタチだが、二人きりならば軽口も叩き合える。

「まあ、つまりだ――結婚を前提として付き合って欲しい」
「遅いよ」

渾身のストレートは華麗にカウンターされた。

「言ってくれるの、ずっと待ってたのに」

可愛らしくふくれる彼女は、すぐに承諾の言葉を付け加えてくれたが――。
しかし仕方ないだろう。淫行罪で捕まりたくはなかったんだ。

415以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/04(土) 14:00:34 ID:dXS7kQ16
上げたほうがいいんかな?

句読点の打ち方がおかしいって指摘されたことあるから
できるだけ気をつけてみたつもり

416以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/08(水) 04:42:08 ID:92G62H.g
「――だからもう要らねえっつってんだろッ」
「だったら好きにしなさいよ!」

売り言葉に買い言葉。
そんな言葉を脳裏から追いやるように紙パックのお茶を音を立てて吸い上げれば、数秒でぺしゃんこになった。
胃がむかつくのは勢いに任せて大量に詰め込んだ惣菜パンの油だのソースだのが原因だ。
決して今朝がたの彼女とのやり取りを反芻してしまうせいではない。
後悔だってしていない。これでいいんだ。これが普通だ。
昼どきの教室は騒がしく、直射日光が肌を刺す。
苛々を飲み下すため、3パック目に手を伸ばしたところで、隣の席から友人が呆れた目線を寄越しているのに気づいた。

「おっまえ、ほんと重度なー」
「なにが」
「言わせんなよ、恥ずかしー」
「だから、なんだ」
「つか、おまえアレじゃん? コンビニ弁当とかダメな奴じゃん?」
「購買だからコンビニじゃない」
「っと屁理屈こくなー。で、」

わざとらしく友人は俺の机にずいっと身を乗り出してきた。

417以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/08(水) 04:43:11 ID:92G62H.g
「ケンカでもしたん?」
「べつに」
「じゃあ今日はどーしたよ? おまえのねーちゃんの、げーじつ的ないつものアレ」
「……卒業したんだよ」
「へえぇーえ」

とても含みのある語尾の伸ばしようと音程変化に、つい目を逸らし――硬直した。

「おっ、ウワサをすればじゃーん。なんっか美男美女でお似合いカップル?」

反射的にとらえてしまった光景は、はにかむ同級生、その向かいに立つ彼女。
これまで俺に渡してきたのとは別格のラッピングが施された直方体を胸にかかえ、見たことないような顔で笑う。

「…………おまえって、ほんっと重度なー」

しつこくうるさい友人はヘッドロックをかけて沈めた。

418以下、名無しが深夜にお送りします:2015/04/08(水) 04:43:43 ID:92G62H.g
1レスにまとめるの難しいね

419すみません下ネタです:2015/04/14(火) 20:34:32 ID:Rk/PFLZA
「ねえねえ、起きてよ」

瞑った目も作った寝息も、偽であることは彼女も分かっているのだろうか。胸元に直に感じる温度がくすぐったい。そして、何より冷たい。

「まだあたししてないんだってば。課題」

寝相を装って毛布を身体にかけ直した。既に下からは足が出てしまっている。
頭寒足熱とは良く言うものだ。脳だけが逆上せあがり、爪先の冷えがもじもじと気になる。

「ねえってばあ。つねっちゃうよ?」

既に、いわゆるクールダウンの時間を迎えた。もちろん、覚えてないとは言わないし、誰も言わせてはくれない。
自分が大罪を犯した。その事実に、彼女のいない背中が毛羽立った。昔はこっちにいたはずなのに。

「全く、散々出しといて寝ちゃうなんて流石童貞さんだなあ」

語弊がある。むしろ搾り取られたに近い。などと抗議しても、現代日本社会ではきっと、俺に非があることにされるのだろう。
そもそも。

「でもまあ、いっか」

卒業祝いに、特別なものを。

「あたしから誘っちゃったしね」

願った自分が。

「卒業おめでと、お兄ちゃん♪」

馬鹿だったのだ。

420以下、名無しが深夜にお送りします:2015/05/02(土) 13:28:50 ID:/LJ0b//k
アルバムから落ちた一枚の写真。
早咲きの桜の下で、三年を過ごした親友と写真を撮った。
肩にかかる桜の花びら、少しだけ小さくなった制服。
涙を流しながら、それでも最高の笑顔を並べていた。
そんな写真だ。

一生忘れられない思い出が、その一枚に詰まっている。
だが、もう彼には会えないのだ。

421以下、名無しが深夜にお送りします:2015/05/07(木) 11:11:07 ID:xF/rXPTM
GWも終わって、いつまでも卒業気分じゃいられないのでage
お題は>>422でいかがでしょう?

422以下、名無しが深夜にお送りします:2015/05/07(木) 11:11:44 ID:mwczAaEo
五月病

423以下、名無しが深夜にお送りします:2015/05/07(木) 11:40:59 ID:c.g8rC0k
「先生、急患です」
「どれどれ、ああひどい、これはいけない」
「先生、息子は、息子は助かりますか?」
「なあに、注射一本ちくりとすればすぐですよ」
「ああよかった、先生お願いしますお願いします」
そういってペコペコ頭をさげる母親をあとにして、私はクランケを連れて診察室へと入った。
ここは五月病専門の医院で、私は院長をしている。
五月病専門といっても一月の間だけで先月には四月病だったし、来月は六月病の看板を上げることになる。
治療が長引く患者が入院しているときは二枚掲げることになるけれど、滅多にあることじゃない。
さて、今回のクランケはずいぶん重症だ。リィリィと鈴のなるような音が漏れている。年に一度の大仕事だ。
こんなに重いと特別な薬を使わないといけない。残り少ないはずだが、まだあるだろうか?
棚の奥にしまってあった瓶をとりだしラベルを見ると仄かに光っている。耳に当てて確かめると結晶が静かに壊れるような音がする。よしよし、なんとか必要量はありそうだ。
ハッカとケルキ水、カルシュームを混ぜて作った水溶液に、先ほどの瓶から月の光を注ぐと薬は完成。
ブスリ、チュウ
クランケはたちまち元気になって外に飛び出すと、スーツのままで空に踊りだして満月と一緒にくるくると回っている。少々効きすぎたようだ。
私も疲れた。今日の仕事は終いにしよう。
ぐっと背伸びをすると、クランケが小さな星にぶつかり、空からリィンと水晶の散らばる音がした。

424以下、名無しが深夜にお送りします:2015/05/18(月) 09:21:43 ID:5ihfuyW6
適宜改行が欲しいな

425以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/06(月) 14:31:02 ID:z0pAiT3s
age
たまには書きやすいお題にしようぜ
>>426頼んだぞ

426以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/06(月) 14:43:24 ID:DGAzyI5E
雨上がり

427以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/07(火) 00:00:30 ID:VdTBOWbg
ふと空を見上げると、雲間からは日差しが差していた。

「……晴れてきたなぁ」

俺が外に出ると決まって晴れる。これは俺が小学生の頃からずっと続く、不思議な現象だ。
例え雨が降ろうが竜巻が来ようが、テレビで「今年一番の台風です」と言われていようが、五分足らずでお日様が顔を出してしまう。
そのせいで学生時代苦手だったプールは、一度も中止になることはなかった。
もしも、この現象を擬人化できたら、思いっきりぶん殴ってやりたいくらいに大嫌いだ。

しかし、今日だけは別。
初めてできた彼女との初デート。
虫のいい話かもしれないが、正直今だけはとても感謝している。

「ありがとう」

一言、礼を言う。
この現象に意思は無いのかもしれない。
でも俺はあの雨上がりの空の向こうに、それは必ずいると妙な確信を持つことができた。

ふと、風がすぐ側を横切る。

『どういたしまして』

俺にはそう聞こえた気がした。

428以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/07(火) 19:14:41 ID:c2Df7tbg
>>427
いいんじゃね
細かいことをいうなら
>もしも、この現象を擬人化できたら、思いっきりぶん殴ってやりたいくらいに大嫌いだ。
ここは最初の読点いらないだろ

>初めてできた彼女との初デート。
ここは文章と繋がるように少し変えた方がいいんじゃないか

読みやすい文体だし個人的にはさほど問題はない気がする

429以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/07(火) 19:15:49 ID:c2Df7tbg
前の文章と繋がるように、ね

430以下、名無しが深夜にお送りします:2015/08/26(水) 10:32:02 ID:Ns7nnJnk
あげ
あと、お題変えよか
下1

431以下、名無しが深夜にお送りします:2015/08/26(水) 12:14:14 ID:IAcnbxd.
金魚

432以下、名無しが深夜にお送りします:2015/08/27(木) 21:46:47 ID:jXlCzFgA
 子供の頃に見た金魚は、もう少しキラキラ輝いていたように思えた。
 こんなにもよどんだ子供用プールの中で、せわしなく動き回ってたっけ。
 一匹一匹がそれぞれ個性を光らせて、いつすくわれるのか……いつ救われるのかと、そんな風に人間達を見ていたような記憶が有るんだけどな。
 僕の記憶が曖昧なのか。
「ようあんちゃん、一回二百円だよ」
 店のおじさんにそう声を掛けられた。
 昔ならどうしていただろうか。
 母さんに「一回だけ」と懇願していただろうか。
 ……何でこんなにも魅力を感じないのだろう。
 もしかしたら、よどんでいるのは僕の心なのかな。


 このスレは初めて訪れました。
 宜しくお願いします。

433以下、名無しが深夜にお送りします:2015/08/28(金) 02:45:14 ID:QX3UT/aU
>>432
なかなかいいと思う
すれてしまった自分への苛立ちが見えるね
このスレだからこそ漢字をひらくこと無く使えばいいんじゃないだろうか
掬われる しかり 淀む しかり

434以下、名無しが深夜にお送りします:2015/08/28(金) 19:55:28 ID:ipJUGJ0w
むしろひらがなだからこそ小学生と現在の対比がわかりやすく見えるのかと思ったけど

435以下、名無しが深夜にお送りします:2015/08/29(土) 11:17:01 ID:pKuRXHJ2
>>432 です
 いろいろ助言をくださりありがとうございます。
 漢字に関しましては、あまり多いと、固くなってしまうのではと思いました。
 心の暗くなった青年の話なのですが、幼少期の回想を挟むとなると、どこか柔らかさを残しておきたかったので。
 漢字でも良かったですかね(笑)
「平仮名の方が何かここ落ち着きそう」みたいな軽いノリで書いたので、まさかそこがピックアップされるとは。

436以下、名無しが深夜にお送りします:2015/09/11(金) 19:59:46 ID:esPG1sHo
あげ
お題、書きやすいのでよろ
直下

437以下、名無しが深夜にお送りします:2015/09/11(金) 20:00:21 ID:esPG1sHo
あげてなかった。
お題下

438以下、名無しが深夜にお送りします:2015/09/11(金) 20:19:54 ID:TEeubCZ6
寂寞

439以下、名無しが深夜にお送りします:2015/09/18(金) 22:14:43 ID:o2aHWMoM
書いた方がいいかなぁ。
どうにも思いつかない。
誰かのを読みたいあげ

440以下、名無しが深夜にお送りします:2015/12/07(月) 22:39:41 ID:159KsLeg
 建物に足を踏み入れると、舞い散る埃が私を出迎えてくれた。淀んだ空気は新たに
侵入する者全てを拒むような、重苦しさと沈黙を長い間保ち続けていることを示していた。
 かつて、この建物は街の中心であり多くの人々が新たな出会いを待ち、出迎えるための
場所であった。しかし、次々に立ち並んでいく建物の中に埋もれるが如く、街の中心から
遠ざかっていき、やがて誰からも見向きされなくなったのだ。
 私がここを訪れたのは、単なる気紛れと偶然に過ぎなかった。たまたま遠出をして、ぼうっと
周囲を見渡していた時に見掛けた。以前にも訪れたことのある建物を見つけて、思わず足を運んだ。
ただそれだけであった。だが郷愁の念にも近い感情を持って訪れた私を出迎えたのは、この重く
湿った空気だけである。
 あれほど賑わっていた場所が閑散としている様子は、誰もいなくなったこの場所同様に、私の心が
寂寞感に侵されるのは無理からぬことだった。

 私の足音だけが響く。これ以上ここにいるのは無意味なように思えた。けれど願望に近い想いを
抱いていた。街の中心から遠ざかったとはいえ、まだこの建物は歴史の中に埋もれていない。
まだ現存している。それはまだこの建物が街の中心となることが可能であるということだ。
 愚かしい思考であった。人々がこの場所を望んでいれば、そもそもここまで埋もれることは
なかったのだ。結局の所、過去はともかく現在では望まれていない場所であることの証左だ。
 それでも私は未来に託す。これから誰かが訪れることを信じて、私が訪れた証を記す。
これからこの建物はどうなるのだろうか。埋もれていくだけなのだろうか。
 きっとそれは、次に訪れる者の意思によって決定付けられるだろう。

441以下、名無しが深夜にお送りします:2015/12/20(日) 19:46:17 ID:wCI.8kAE
あげ
人いないね、このスレももう
簡単なお題よろしく、直下で

442以下、名無しが深夜にお送りします:2015/12/20(日) 23:53:11 ID:ezb59T/Y
「うさぎ」

443以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/01(月) 22:39:13 ID:qNmTHJjw
あげ

誰か書いてくれんかね
さすがに連続で書き込むのは気が引けるし、他の人の文章を読みたいものだ
他の人が書いた文章の感想や批評をしても構わないんだ
もっと気軽に参加、しよう!

444以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/02(火) 00:54:03 ID:ajqtJTxE
>>440
文章が妙に重苦しくてバタ臭いし、長々書いているわりには結局は「過去の遺物が未来において復活することを望む」
程度のことしか言っていない
すなわち、叙述の見事さもなければ全く思想や哲学もない面白みのない文章

上から目線でスマソ でもこれが正直な感想だわ

445以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/03(水) 22:12:13 ID:VkRoJde2
>>444
まさか感想がくるとはな。構わんというか、真っ当な感想くれるなら嬉しい限りよ
ただ、全体に隠された意図(というほど大げさではないが)に気付いてもらず残念な限りだ
もう少し軽い感じの文章にすれば、読みやすさから気付いてもらえたかもしれんが
意図に気付いていたなら……うん、精進します

446以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/03(水) 22:17:04 ID:VkRoJde2
1つのお題につき、1人しか書いてはならないルールはない
なのでどんどん気軽に投稿してもらいたい

お題は >>442 です
賑わって、深夜VIPの中心になるといいな

447以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/03(水) 22:50:58 ID:DVoPpn/M
>>445
>>444だ なるほど「この建物」っていうのはこのスレのことか
うまいこと書くなあ

まあ文章はもうちょっと軽いほうがいいと思う
英語をそのまま和訳したような文章だからくどい

448以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/04(木) 00:55:54 ID:JzE6BIps
>>440
おおー、気付かなかった、そう見ると中々内容がありますね

ss深夜なんだし、もっと夜を描写に入れたらもっと伝わり易いし、もっとそれっぽくなりそうですね
淀んだ空気は〜示していた:は和文英訳でもないし、もう少し自然な日本語にした方が良いのでは?
私がここを訪れたのは〜ただそれだけであった:かなり個人の感覚に依るけども、リズムが微妙かも。『だが〜』に余韻を持たせるのにも、文書全体にある程度緩急を付けるにももう少し短文にして句読点打たない方が良いかも
あれほど〜無理からぬことだった:主述が噛み合ってない、致命的だと思います
文語調なんだから「けれど」を「けれども」にしたほうがベターかな
後半部分、現在から語るならちゃんと現在に文末を揃えましょう、ノリと雰囲気で過去形混ぜちゃダメだと思う
「であった」「である」「であろう」「だ」「だった」「だろう」も統一しましょう
あと「湿った空気」とあるけど、どうして閑散としたスレッドが湿ったという印象になるのか良くわからない。どちらかというと乾いたイメージなんだけど

あと、無生物を主語にするの好きっぽいけど、まずはちゃんとした日本語で練習してからそういう文に移行しましょう!
全体として結構上手だと思うから頑張ってください

あ、ど素人なんで、真に受けないでね

449以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/04(木) 22:33:26 ID:mA.rClQw
思いは伝わるけど言われなきゃ分からん
というドドドド素人の感想です

450以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/04(木) 22:43:16 ID:Lz33n1nE
「うさぎ」

「うさぎごっこ!」と、彼女はいった。
うさぎごっこって何?と聞くと、彼女はそれには答えずぴょーんぴょんと歌い出した。うさぎごっこがはじまった。
突拍子がないのはいつものことだ。この前だって道を歩いていたら急に郵便ポストと背比べを始めたくらいだ。
あれは傑作だった。
その時のことをぼんやり思い返している内に、歌にあわせた踊りが始まっていた。
踊りといってもやたらめったらに跳ねるだけで決まった形があるわけじゃない。
両手を耳の横にぴょこりと添えて前後左右に跳ねる、跳ねる。
とても楽しそうだ。いつにもまして常きげん。
なるほど、これがうさぎごっこ。
「ね、ね。いっしょにしよう?」
白い息と一緒にお誘いの言葉をうけるけれど、あいにくそこまで狂ってない。
断る言い訳をさがして視線を彷徨わせると、赤い自動販売機があった。
なにかあたたかいものでもいる? 買ってくるよ。
うん、じゃあニンジン!
ニンジンか、ニンジン。あるかなあ?
一人で跳ねる彼女をうしろに財布の小銭を漁ると、指先に冷たくずっしりした感触があった。ニンジンがあった。
はい、ニンジン、と振り向いて差し出すと白くて長い耳が2つ揺れていた。
どうもその耳は彼女の頭から生えているようで、思わずぎゅっと握ると、彼女はひゅるひゅる縮んで小さくて白いうさぎになった。
耳を持ってぶら下げても大丈夫なのかと心配だったが、うさぎはそんなことおかまいなしにニンジンをもとめていた。
いいからニンジン、ニンジンくれよ。
そう言わんばかりにニンジンを凝視して、鼻をヒクつかせている。
口元にニンジンをはこんでやると小動物らしく一心不乱にかじりはじめた。
ニンジンうまいぜ、ニンジン。
あんまり美味しそうだったので反対側の端をかじると、ニンジンはパチンと弾けて消えてしまった。
後はビックリした顔のうさぎと僕がいるばかり。

451(1/2):2016/02/05(金) 00:35:40 ID:zec.FbLA
 教室の窓から夕暮れの校庭を見下ろすと、もう人影は少ない。皆長い影をひいて思い思いに動いている。楕円のトラックをなぞる影を見つめるともなく追いかけていると、下校のチャイムが鳴った。結局進まなかった課題をカバンにしまって伸びをする。チャイムを聞いた校庭の人達も部室棟へ引き上げていく。
 その中にひとつだけ逆行する影があった。その影は用具入れから校庭の真ん中を横切ってまっすぐに飼育小屋を目指している。気になってよく見ると大きなスコップを抱えていた。

 鞄を持ち、コートを羽織る。階段を駆け下りて、スニーカーを履き、いそぎ足で飼育小屋へ向かう。校庭の一番隅にあるそこに行くのは久しぶりのことだった。先ほどの人影はもう見えなかったが、居る場所は分かっていた。
 独特の臭いがする飼育小屋の角を曲がると土を掘る音が聞こえた。その音は単調でいっそ機械的なほどに一定のリズムを刻んでいる。もうひとつ角を曲がり、裏へ回ると彼は視線を上げてちょっと目を見開いてからゆっくり挨拶をした。その間も土を掘る手は止まらない。

 「また、来たんだね」
 「そうみたいね」
 「うん」

 彼が土を掘っているのを見るのは二回目だった。
 一度目は随分動転したものだけれど、今日は不思議と落ち着いていた。彼が前と変わらないせいかもしれない。スコップを刺して、踏んで、起こす。持ち上げるときに骨ばった手指がわずかに白くなるのもまったく同じだった。

 「なんていうの?」
 「カフェオレ」
 「変な名前」
 「そうだね」

 それから少し会話が止まり、スコップの音だけが響いた。僕はスコップの先や足元やらをあてどなく見て、ただ呆けていた。夕暮れは深まって、空気が夜の冷たさをはらんできた。普段から日の当たらない飼育小屋の裏はますます暗い。
 しばらくして沈黙に飽き、次の言葉を探していると、一際大きな音のあとに、音がやんだ。スコップは穴のわきに突き立って、厳然とそびえている。穴は脛が半分うまるほどになって、掘り起こした土はちょっとした盛り上がりをみせていた。
 彼は穴から二歩離れ、出来栄えを確かめるように穴を眺めていた。

452(2/2):2016/02/05(金) 00:36:35 ID:zec.FbLA
 「できた?」
 「まだもうちょっと」
 「手伝うよ」
 「制服、汚れるよ」
 「いいよ」

 彼がつい先程まで握っていたスコップの柄は驚くほど冷えていた。思わず彼の指先をみると暗がりの中でいっそう白く浮き上がっている。その白さは確かに鉄の冷たさを思わせた。
 スコップの先を穴の底に突き刺すと、思ったよりも大きく、歪な音がした。それは彼の音とは根本から違い、この空間にとって明らかな異物だった。ただそれだけで僕は、彼の作っていた精緻な構造物を壊してしまったような気分になってしまった。
 恐る恐る彼の様子をみると、しかし、彼はまったく頓着することなくしゃがみこんで、ただ彼の足元だけを愛でている。
 僕はすっかりやけになって、何度もスコップの先を穴に叩きつけ、十分にほぐれると力まかせに底の土を放り出す。決まった動きもなく、感情に任せ、猥雑にただスコップを使った。僕はただ穴を掘ることに熱中した。日は沈んだというのに、スコップの先は不思議とよく見え、目一杯身体を動かしているのに、身体は芯まで冷えていく。
 いつしか彼は僕の隣に立ってなんども繰り返し同じ言葉を言う。

 「深く」
 「もっと深くだよ」

 穴の底に星が映り、僕達の足元は一層黒々とした暗さで横たわっている。

453以下、名無しが深夜にお送りします:2016/02/21(日) 14:42:49 ID:va1qHbnc
>>450
文章に息継ぎがなくて息苦しい感じ

>>451
重苦しいしよくわからん

454以下、名無しが深夜にお送りします:2016/03/22(火) 23:12:20 ID:CKDxuSL6
上げ
ついでにお題変えよう
頼む>>455


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