したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

みんなで文才晒そうぜ part2

1以下、名無しが深夜にお送りします:2014/01/18(土) 18:14:17 ID:mNOcI4dM
ここはお題に沿った地の文込みのSSを晒すスレッドです

・主に地の文の練習や批評・感想の場として使ってください
・次スレは>>990が(規制等の際には有志が)必ず『宣言』して立てる事
・気楽な雑談がしたい方は酒場や休憩所でどうぞ

【注意】台詞形式のSSは受け付けておりません

前スレ
みんなで文才晒そうぜ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1352992635/

お題>>2

285以下、名無しが深夜にお送りします:2014/05/27(火) 22:44:16 ID:2fsN7BQ.
>>282
人の事を言えるほどの者じゃないが、文章はまだまだ勉強が必要だ
前半『〜いた』『〜った』『〜った』同じ表現が連続する時点で、狙っているのでない限りかなり減点されてしまう
『よく聞こえないけど、告白?』の一文だけが、妙に他の文章から浮いている
それから胸がズキンとする理由はかなり明らかなわけだから『ふと、』の表現は合わないと思う

ただ『見慣れた男』と『見慣れた女』という被った表し方が意図的なんだとしたら、この点はなかなかいい
同じ言葉を使っているから男女ともに主人公と等しく近い距離にいる友人達なんだろうと察せられる
その彼らの秘密の逢瀬を見た主人公が感じた『裏切られた』という想いは、読み手に切なく伝わった気がしたよ

286以下、名無しが深夜にお送りします:2014/05/27(火) 22:59:24 ID:g5FhGTSI
>>284
どうも
出してからなんか全体的に弱かったなあと反省してる
マリーアントワネットにすべきかどうかは迷ったんだけど、
その指摘が入っちゃうなら結果的にすべきだったな
何度も読み直して猛省してるわ

>>282
題材はいいのにボリューム不足でもったいないなと思った
文才絡みは前の二人がつついた内容丸被りだから省略
俺にもそんな甘酸っぱい青春あったらよかったわあ……

287以下、名無しが深夜にお送りします:2014/05/28(水) 11:24:33 ID:ulNMoP9U
>>283
>>285
指摘ありがとうございます。
言われてみれば確かに、と思いました。精進します。
>>286
ボリューム不足は語呂の無さの結果ですね。これも精進します。
ドラマチックには憧れますよね。

288 ◆u5n33kjMKs:2014/05/28(水) 17:15:16 ID:M75iS0pU
「裏切り者ぉっ」

僕に馬乗りになった彼女が涙声で叫んだ。
その小さな握りこぶしにはあらん限りの怒りが込められているようだ。
僕の顔面にそれが降り注がない様に、慌てて口を開く。

「待ってくれ、裏切るつもりは無かったんだ! ちょっと気になっただけな――ぐふぁっ!」

一発。
判断ミスだった、どうやらそもそも弁明の余地もなく彼女は怒っている。
彼女は殴った手を見て痛そうに顔をしかめながら、もう一度振りかぶる。

「気になったからってすぐに手を出すのっ!? 信じてたのに! 君はそんなことしないって信じてたのに!」

二発、三発。
そろそろ頬がしびれてきた。いくら彼女の細い腕だとは言え、顔への攻撃は堪える。
僕が殴られて当然な事をしたのは分かっているけれど、抵抗させてもらおう。
四発目のパンチを手で受け止め、彼女の腕を押さえる。

「っ、離してよ!」
「ごめん……もうしないから」
「……好きだったのに」

彼女は倒れ込んで僕の胸で泣く。


「私、あのプリン大好きだったのに! 楽しみにしてたのに!」


食べ物の恨みは恐ろしいな、と僕は思った。

289以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/06(金) 23:32:37 ID:Wbb9KLAw
>>288
それ裏切りじゃなくて泥棒じゃない
約束したとかそれっぽい描写入れたほうがオチもスッキリしたと思う。
私が言えた事じゃないけど。

次のお題行く?


290以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/06(金) 23:37:49 ID:VH8Twpss
じゃあ梅雨になったから【なめくじ】で
最近はこれが家の中に侵入してくるから困る、どこから沸いてくるんだか

291以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/06(金) 23:39:15 ID:VH8Twpss
あ、
ごめんなさい、Sageを消す途中で送信しました

292以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/07(土) 00:13:00 ID:BGJEhfVk

「あっ、かたつむりだ」

透き通った朝露が光を反射させ緑を彩る。

鮮やかなステージの上に小さな主役が佇んでいた。

「えっ、この子ナメクジじゃないの」

「だって、カラがついてるだろ」

首を傾げ、不思議そうな顔をする。

「じゃカラを取ったらナメクジなの?」


大きな影がかかる。

じりじりと身を焦がす光が遮られ、ふわりと体が浮いた。

「人間も、そうなのかな」

空気が震え、僕は僕ではなくなった。

293以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/07(土) 00:23:06 ID:BGJEhfVk
地の文も行間空けてしまってた
読みづらかったらごめんなさい

294以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/07(土) 01:24:29 ID:yOxpnZYQ
 ナメクジは薬になるらしい。
 乾燥蚯蚓や蝮焼酎なんてものがあるのだから。ナメクジもその中に入るのだろう。
 ただナメクジを生きたまま飲むというのは想像するにはとても恐ろしい。
 嘗て、浮気性の夫にエスカルゴと偽り蛭を喰わせたという逸話があるが、それとしって食べようなどとは到底思えない。
 そんなナメクジを料理する強者もいるらしいが、それを真似できるだけの度胸を持ち合わせいないのだから、結局真相はわからずじまいだ。

295以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/07(土) 02:39:56 ID:.wbTek4U
目と鼻の先にナメクジが飛んでいる。
一寸と満たない体?が、目下、肌色銃弾となり己の顔面へと飛翔中なのだった。言わば落下中とも言える。

「えっ」

──事の発端は「あー今日もバイト疲れたなーあ、星が綺麗じゃん」と夜空を仰いだ瞬間だった。
時給八百四十円。街角老舗古本屋。主な労働内容はもっぱら手癖悪し悪ガキ監視。
筆舌すべき疲労点は、長時間の着座に、赤子の夜泣きにも負ける腰の悲鳴程度。

「ちょっ」

勿論、本来この度合いでエネルギッシュかつ若さ溢れるマイボディが愚痴を零すわけがなく。
口から放り出たものは只の単なる世迷い言。塵にもみたない自己満足を得るためであり、故に怠慢たる行為は無作為に悲劇を巻き起こしてしまったのだ。

「まっ!?」

夜道のみっちり閉じた闇を、申し訳程度に緩和させる街頭。
頭上高々に聳え立つ一筋の光は、街中の虫という虫をワッシワッシとかき集めたかのような混沌たる惨状であり。
──そこから『四弾目』の肌色残光が迸ってきた。

「って?」

降り落ちる弾道は刃物の如く鋭い。
まずい、このままでは顔どころか口内へと侵入を許させてしまう。というかむしろ既に『一弾目』と『二弾目』は口内へと突入済みだった。

「もがっ! んんんんッ〜〜〜〜〜〜!!!!????」

事は既に始まりを告げて、終わりを迎えている。
思考速度は軒並みのもので、走馬灯のような奇蹟を起こしているわけじゃない。
無事に五弾の着弾を確認した己のフレキシブルな脳は、手遅れのまま現状を無事に把握した。

296以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/07(土) 02:41:21 ID:KghzbA4Q
>>292 ほのぼのした雰囲気から少し哲学的な文章に変わったように感じた。殻を取ったら人間も自分自身ではなくなるということを理解するのに少し時間がかかった。
夏の朝の表現が爽やかで良かったから最後まで保てていればさらにいいんじゃないかな。短い文だけど色々詰まってて良かった。

>>294 あるのだから〜入るのだろうで文章がつながっているから「。」ではなく「、」の方が自然な気がした。それか「ある。」で切るとか。文章が短いから何とも言えない。他に違和感を感じるところは特になかった。

297以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/10(火) 20:21:27 ID:M3UVhpR6
雷が幾度がぴかりずしんと雷鳴をとどろかせてからは、
いきなりの大粒の雨だった。
乾いた雷ばかりが続いていたので油断していると、
待つ時間もくれずに空気が冷えて強い雨が屋根を叩いた。

慌てて窓を閉めてもその音の勢いは弱まることがなかった。
ガラス越しの夜の曇り空を見上げた。
夜よりも重い色をした雲がどんよりと、体全体で空一面を覆っていた。

窓ガラスに触れてみる。温度はぬるいがひんやりとしていた。
夏には似つかわしくない冷め方をしていた。

なんとなく外気との温度差が気に入ってしまい、
まるで初めて鏡の不思議を見つけた子のように、
ペタペタと表面を触って冷たい温度を探した。

もしかしたら、ガラスよりも縁の鉄枠の方が具合がいいのかもしれない。
思い付いて窓枠を触る。案の定だった。ガラスよりも温度が低い。
縁は広くないので、人差し指でガラスと鉄の境目を沿って撫でる。

発見に対しての興味と執着は一致しない。
つまり全部を丁寧に味わい尽くすつもりはなかった。
足のつま先を延ばさずに手の届く範囲だけで縁をたどる。

側辺と底辺だけで満足できてしまうので、
わざわざ上辺にまで手を伸ばすことはしない。

指先でぬるい温度を楽しんでいると、
不意にふぬりとした感触が指の腹に当たった。
いつのまに入っていたナメクジが、迷惑そうに頭を持ち上げた。

298以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/10(火) 21:42:21 ID:HM6rNizQ
詩みたいで普通の文章より読みやすい

299以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/13(金) 09:22:15 ID:Qh9gFWOY
ナメクジと妖怪は似ている。

ナメクジは昔、その毒で蛇をドロドロに溶かして殺すと考えられていた。
それが間違いなのは明らかであるのに、人々はそれを信じて疑わなかったのだ。
しかし、科学の進歩とともにナメクジの毒は否定されていった。
現代でナメクジにそんな毒があると信じている人はいないだろう。

しかし、あなたはなめくじが何を食べているかを知っているだろうか?

ナメクジには、植物を食べるものもいれば、動物、ひいては同族すら食べるものもいる。
しかし、私たちにはそれが想像できない。
どうして「ヌメヌメしてノロノロと動くだけの生物」が、何かを食べると想像できるだろうか?
葉っぱを食べて体が緑になるナメクジを知っている人なんてほとんどいないに違いない。
ましてや、同族を食べるところなんて想像すらしないだろう。
私たちはナメクジを知らないのだ。ナメクジは、まさに身近にいる未確認生物である。

ナメクジと妖怪の話に戻そう。
ナメクジの名前を知らないものはいない。しかし、ナメクジがどう生きているのかは知らない。
身近な謎であるのにもかかわらず、誰も疑問に思わないのだ。
案外、謎なんてそんなものではないかと思う。
身近に妖怪がいたところで、誰も謎にすら思わないのだから。

300以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/22(日) 13:26:20 ID:LXXyrxXw
>>299
妖怪視点かな?
未確認じゃなくて未知じゃないかな。でも身近にいる未確認生物って表現は好きだな。

301以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/22(日) 18:22:29 ID:pZSr5zG.
ショートケーキとは世界有数の壊れやすい食べ物である。
今回父の買ってきたものに至ってはツバメの巣のような砂糖細工まて乗っかっている。くしゃみをしただけで崩れてしまいそうな程危うい代物だ。
まずそれを崩すことなく家まで持ち帰った父が偉大であり、また形を保ったまま切り分けた母も大したものである。
それらの仕事に比べればなんてことはない最後の仕事、お盆に乗せたケーキをテーブルに運ぶこと。
それを任せられた私の緊張は言葉に表せなかった。何を隠そう、私は不器用なのだ。

慎重にお盆を持ち上げ、体を右に向ける。出っ張った輪ゴムかけに注意を払いつつ狭いキッチンを抜けると廊下に出る。
目指すはリビングであり、そこに向かうにあたってはダイニングを抜けるのが最短となる。廊下を通るのは、多少回り道をしても障害物のない道を通るべき、との判断の基である。
短い廊下には曲がり角もないのだ。問題になるようなものは一つとして存在しない....その考えは、ハッキリ言って間違いだった。実際神経を張り詰め歩けば見えてくる、危険の数々。
まず床の滑りやすさ。謎だった。材質はキッチンと同じフローリングのはずなのに、ここだけ妙にツルツルと足をとられる気がする。
次に階段。三階に続く上り、一階に続く下り。白い壁紙のせいか、真横に立つまでそれらの存在に気付かないのだ。思いもよらぬ場所に突如として現れる巨大な穴は恐怖そのものである。
そしてなんと言ってもその廊下の暗さ。リビングからの光で十分、普段は廊下の電気はつけないのだ。スイッチをたった一度押せば足元が見えるはずなのだが、今の私にそれはあまりにも難しい動作である。助けを呼ぼうにも口が開かなかった。つくづく不器用なのだ。

ここまでの危機的状況、いかにして切り抜けるべきか?答えはたった一つ、気をつけて進むだけである。しかしそれのなんと難しいことか、冷たい緊張が背中を伝う。
すり足で先に進む。急いではいけない、お盆の水平を保つのだ。横目でチラリと階段を見やる。下りの階段は感覚を狂わせるようで、体は静かに傾き始める。
私がその事実に気づいたのはお盆に乗った皿の滑ったことによる。状況を理解、瞬間湧き上がる焦り。あなたならどうする?
私のとった対応はこうだ。まずお盆を水平に戻す。倒れていく体を支えるべく足を一歩横に踏み出し、体勢を安定させる。一度落ち着いたらお盆の上でずれた皿を整え、再び運び始めればよい。全て分かっていた。
当然ながら、そう上手くはいかなかった。なんせ私は不器用なのだ。

傾きを直そうとした盆はひっくり返り、踏み出した足がガクンと下がった。下りの一段目が見えないのだ。踏ん張るタイミングを思いっきり外した私は綺麗に横回転、階段を転げ落ちた。
背中を打ち、肩を打ち、頭を打ち。遅れて落ちてきたお盆までもスコーンと額を打った。今頃あのケーキはどうなったのだろうか?薄れる意識の中、ここまでの事を思い返して最後に浮かんだ疑問だった。

302以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/23(月) 03:41:58 ID:Ku8/O3Ms
お題全然関係ないの投稿してから気づいた
ごめんね

303以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/23(月) 14:40:25 ID:NIhgVlls
面白いしべつにいいんじゃね
お題が大事なら次のを↓

304以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/23(月) 18:45:01 ID:yhe4F9Zg


305以下、名無しが深夜にお送りします:2014/06/30(月) 22:07:13 ID:gZ6BK45E
お互いに批評しないから過疎ってんじゃね
自分のだけ評価して欲しいじゃなくて他の人のもみてやれよ

306以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/04(金) 22:49:48 ID:nibMRAW2
あげる

307以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/05(土) 19:51:13 ID:phKvVSP6
>>299
面白かった
>>300を見てから最後の行を読み直してそういうことかと気付いた
いきなりなにを語ってんだと思ってたらそっちだったか

>>301
お題なんて日が経てば無いに等しい
短文でテンポが良くて読みやすいな
見た目は圧倒される分量だけど主人公がかわいかった。


お題どうするよ
過疎に負けずに継続か?

308以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/10(木) 22:46:22 ID:90CHiihk
夏の暑さというのは何故こうも人を気怠げにさせるのか。
暑さで脳が働かない。とよく人は口々に言うが、まさしくその通りだ。
暑さで脳が働かないとはどういうことだと、冬の時点では誰しもが抱く感想だが、実際、夏を迎えるとその誰しもが頭を抱える問題だ。
クーラーが三種の神器の一つとはよく言ったものだと思う。
人々から崇拝され、時に助けを求められる神という存在が人に授けた鏡・玉・剣。
その三つに値する程価値のある物、という解釈で差異は無いだろう。
カラーテレビ、自動車に名を連ねるクーラー。
この世にクーラーが生まれなければ自分は生まれなかったかも知れない。
それは流石に無い。とは言い切れない物である。
バタフライエフェクトという仮説をご存知だろうか。
北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで竜巻が起こる。という信じがたい事ではあるが、あり得ないとも言い切れない仮説である。
クーラーが無ければ私の父に当たる人物は母に出会わなかったのかも知れない。
つまりクーラーは私の恩人、いや恩物と言っても過言では無いのかも知れない。
全ての物事に"かも"は付きものなのだろう。
つまり、結局の所ここまで自分が云々かんぬん述べた話をまとめると、クーラーを発明した人はノーベル賞でも受賞すべきであるという事だ。

309以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/11(金) 06:57:26 ID:UKvXm8LM
>>308
知ってる知識をいい具合に並べてみましたみたいな感じになって微妙
物語なら展開の移り変わりで強引に流れが作れるが、
評論っぽいものを狙ったなら、その内容の薄さは致命的
最後の〆かたを見るとバタフライ効果の部分はまったくいらないし

自分に合う文章の書き方を再確認するための習作ならまあまあじゃね?
文の長さは適度で読みやすいから、それを意識して維持すると良くなると思う
次に期待だわ

310以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/11(金) 20:55:50 ID:0P9Z95ZU
>>309
自分でも書いててこんがらがっちゃったのよね
知識不足を露見させただけだったわ
評価サンクス

311以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/12(土) 15:25:57 ID:jLQ8S4sY
でもクーラーつけたらつけたで体がだるくなるよな

312以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/16(水) 00:01:48 ID:CvjIZ8Ms
>>299
今更だけど、最後の一文、「誰も謎に思わない」じゃなくて「誰も疑問に思わない」だね。
いやはや、お恥ずかしい。

>>308
やりたいことはなんとなくわかるんだけど・・・って感じかな?
もっとクーラーをプッシュしてもいいかもしれない。
例えば、3行目と4行目の間に「そのにっくき人類の天敵への救世主こそがクーラー様である」

なんとなくラノベっぽいから、もっとラノベっぽくしてもいいかもしれない。
書き手の心情や皮肉をプッシュしてみるとか

313以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/16(水) 01:03:54 ID:ZMq1uK.I
額から生まれた汗が、のろのろと落ちていく。

眉を伝い、頬を這うそれはあまりにも粘性に満ちていて、溶けた脳が染み出しているんじゃないかとも思った。
なんだか頭もぼんやりとしているから、たぶんそうなんだろう。

ならば、このままほうっておけば。
太陽光に焼かれながら、脳を溶かし続ければ。

いろんな思い出を、アスファルトの染みにして。そのまま日で焼いて消せるのだろう。
あるいはシャツに染みこませて。洗濯してきれいさっぱり洗い流せるのだろう。

こんなことを言えば、あの子はどう応えるだろうか。
アイスをかじりながらけらけらと笑っていた、彼女の顔が浮かぶ。

ちょっぴり日焼けして赤くなった鼻先、真っ白な歯。口角を持ち上げる表情筋。
薄桃色の唇から感じる、甘くてさわやかな香り。僕の鼓膜と心を揺らす、笑い声。

まあ、溶かしたいのも、消したいのも、その笑顔なんだけど。
身体が動かなくなるまで脳みそ溶かしても浮かぶ、それなんだけど。

ああ、うまくいかないなあ。

314以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/17(木) 09:44:31 ID:bYo5mVQ6
>>313
いいよ、俺は好きだな
いかにも平凡でメルヘンチックな恋煩いの表現と、脳が溶けて染み出すなんて少しグロいような表現の対比が効いてる

少し読点が不要な部分があるかな…とは思った
『いろんな思い出を』や『けらけらと笑っていた』の後ろの読点は要らない気がする

『〜おけば』に連続した『〜れば』
『〜だろう』×2連
『〜なんだけど』×2連

この辺は狙ってるんだと思う、俺は好き

315以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/17(木) 11:14:20 ID:s1wU9Mnw
>>313
粘性の汗は不健康なイメージが付くからやめようぜ
新陳代謝が衰えたせいで老廃物が混ざってしまった汗だぞ

>口角を持ち上げる表情筋
>僕の鼓膜と心を揺らす、笑い声
可愛い彼女に似つかわしくない固い表現でもったいない
ここだけ浮いてる気がする

フラれたのかべつの男がいるところを発見したのか
彼女を見てきて上昇していった体の熱と体温調節のために排出される汗の組み合わせが面白い
汗に脳を混ぜようとする錯覚と願望で、細胞単位で彼女を忘れ去りたいという思いの強さを感じた
それでも上手に消しきれないところが青春らしい若さ故の執着なんだろうなと思えた

苦い失恋話は得意じゃないけど、これは嫌いじゃない

316以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/17(木) 22:28:04 ID:2AeRHxRs
かなり時間経ったからお題変更する?

317以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/17(木) 23:21:31 ID:spZiNbDU
海の向こうは真っ暗で、波の音と潮の匂いが君を少し怯えさせている。
少し離れたところで、君の友達が花火で遊んで笑っているのに、君はこんなところで黒い海を眺めている。
君は多分、こういうのが苦手なのだろう。
一人の男の子が君に近づいてくる。彼は君のことが好きで、それは君も気付いているのだけれど、あまり嬉しく思ってはない。
わずらわしいとさえ思ってる。
「何、してるの?」
「海を見ているよ」
「真っ暗で、何も見えないように思うけど」
「そう?」
実際、君にだって海はよく見えていないのだ。ただ、見えないけれど、確かにそこにある、ものすごいエネルギーの水の満ち干きから君は目を離せなかった。
「怖くない?」
「何が」
「夜の海」
君は笑ってしまう。
「何で? 見えないから? 見えないけど、そこには確かにあるんだよ」
「……だから、怖いなって、俺は思うんだけど」
「怖くないよ。むしろ、ひきこまれるような感じがして、悪くない」
「……何かの例え話?」
「どうだろう。そうかも知れない」
「……皆のとこに戻ろうよ」
「もう少ししたらね」
君はいつまでも海を見ている。図々しくも隣に座って君と同じ方向を見ている男の子のことを、早くどこかに行ってくれないかなあと思いながら。

318以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/18(金) 01:30:21 ID:hJQ3Jzl2
お題
怖い話

319以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/18(金) 06:44:58 ID:hYEuosMc
人生は選択の連続であり、その選択によって無限の可能性に分岐する。
私は似たようなことを何度も聞いて来た。
しかし、私は断言する。
人生に無限の可能性なんてない。

私にとって、人生の選択はすべて不幸にするものだった。
人と話せば口げんかをし、黙っていれば気まずくなり、一人でいたらいたたまれなくなる。それが私である。
友人関係、進路、趣味。その中でどんな選択をしても、私は不幸になった。どの選択も「はずれ」だったのである。
だから、私はせめて「はずれ」を引かないようにし。
私はいつも選ばなかったのだ。
現状維持を続ければ、不幸にならないし無心のままでいられる。
それは、何かを選んで不幸になるよりもよっぽど楽なことであった。

しかし、しばらく自分の世界に引きこもり続けているうちに気づいてしまった。
こうやって無心であり続けても私に幸せなんて訪れないし、幸せはむこうからはやってこない。
今のままの私には幸せな未来なんてない。
しかし、自分の世界から飛び出したところで……待っているのは苦痛だけである。
私が私である限り、人生は不幸なのだ。

だからこそ、私は生まれ変わるのだ。
私が私でなくなれば、きっと人生はうまくいく。選択が幸運を招くようになる。

これから私がすることは、最悪の選択かもしれない。
だが、私はこれが最善の選択であると信じている。
少なくとも、不幸になる選択をしなくて済むようになるのだから。

320以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/18(金) 06:45:44 ID:hYEuosMc
あれ、なんか怖い話をするつもりが変な方向に暴走したorz

321以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/18(金) 09:10:25 ID:DzuFR2qw
>>319
ラストでえ?ってなって読み返して理解した。

「これから私の〜」のあたりもっと目立つようにしてよかったんじゃ?

322以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/18(金) 09:36:30 ID:/w7XmazM
>>317
読み手自身が最初から海を見ている子なんだと捉えるのが自然なんだろうな
こういう書き方も面白いと思う

「もう少ししたらね」と言っておきながら、直後に『いつまでも海を見ている』と否定して
いかにもいい加減に返事をした感をもたせたりするのは上手い

気になったのは

『君を少し怯えさせている』
『彼は君のことが好きで、それは君も気付いているのだけれど、あまり嬉しく思ってはない』
『わずらわしいとさえ思って(い)る』
『君は目を離せなかった』
↑あたりは『君』の心情についてかなり断定的に語っているし

『早くどこかに行ってくれないかなあと思いながら』
↑に至っては脳内での台詞(?)さえ読み取っているようなのに

『君は多分、こういうのが苦手なのだろう』
↑なぜここだけが曖昧で予想に過ぎないのかってところが引っ掛かった

狙いがあったならすまん

323以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/18(金) 17:05:32 ID:mY9SAwUU
>>322
そう、読み手が自分(女の子)っていうふうに考えて書きました。
「君は多分、こういうのが苦手なんだろう」っていうのは、本当は皆でわいわいしたいような気もするけど何となく中二病的な気分になって出来ない。
でもそれを認めるのってしんどいから、客観的に自分を表現してしまいがちな面倒くさい乙女心…みたいな感じです。
何を言っているのだ私は。

「怖い話」でちょい長めのものを書いてみましたので投下します。

324怖い話1:2014/07/18(金) 17:06:35 ID:mY9SAwUU
これはママがまだ中学生のときの話なんだけどね。そう、パパと結婚するよりも、もっともっと前の話。

ママのおじいちゃん、あなたのひいおじいちゃんね、ひいおじいちゃんの家に、ママ、一人で行ったことがあるの。あれは何でだったかしら。何か、親戚の集まりがあったんだと思う。で、暇だったママは、少しだけ前乗りして、ひいおじいちゃんの家に行ってたってわけ。

ひいおじいちゃんの家は、山の中にある小さな湖のほとりに建っていた。とても綺麗な場所で、湖の澄んだ水がきらきら空を映して、その上を可愛らしい鳥たちが行き交っていた。雲はまるで世界中の雲を神様が集めてぎゅっと固めたみたいに濃い白で、美味しそうに見えるくらい。

そんな素敵な場所だったけど、二日もすると、ママ、飽きちゃったの。そこにはお友達もいなかったし、喫茶店も本屋も映画館もなかった。そういうのが揃っている麓の街までは、なんとバスで40分もかかったの。今と違って携帯電話は発達してなかったから、インターネットで暇潰しってわけにもいかなかった。もちろんパソコンだってなかった。

さて、困ったなあってママは思った。親戚の皆が来るまで、あと何日かある。ひいおじいちゃんはその頃まだまだ元気で、昼間は働きに出ていたから、陽が出ているときは、ママは、本当に独りぼっちだったの。

だから、ママは、ひいおじいちゃんとの約束を破っちゃった。

325怖い話2:2014/07/18(金) 17:07:44 ID:mY9SAwUU
ひいおじいちゃんね、裏山に繋がる道を行っては絶対にいけない、行かないと約束しなさいって、しつこいくらいにママに言ってたの。

何でも、その道は大昔にあった落石で、塞がれてしまっていて、ある程度行ったところで行き止まりになっている。そして、そういう、どこにも繋がっていない、行き場のない道には、「どこにも繋がらない、行き場のない、何か良くないもの」が集まってきちゃうんだって。

そんなことママに言うなんて、「行きなさい」って言ってるのと同じじゃない? ふふ。それに、本当に退屈で死んじゃいそうだったしね。

だから、ママはその日、ひいおじいちゃんが仕事に出かけたのを見てから、こっそりその道に出かけることにしたの。お弁当も作ったのよ。玉子焼きを焼いて、ウインナーを炒めて、胡瓜のお新香を切って、お櫃に残ってたご飯にごま塩ふって。

日射病になるといけないから、ひいおばあちゃんがまだ生きてた頃に使ってただろう麦わら帽子を被って、水筒にたっぷりお茶を入れて出かけた。

すごく天気の良い日だった。夏だったしね、その裏道の入り口につく頃には汗びっしょりになってた。木の匂いがむっとしてた。蝉が鳴いていて、蜂がその辺を行ったり来たりしてて、ママはいきなり「もうやめようかな」って思ったの。街の子だったママには、そういう、人の手があまり入ってない山の道が何だかママを拒否してるみたいに思えて、少しだけその場に立ちすくんだの。

326怖い話3:2014/07/18(金) 17:08:23 ID:mY9SAwUU
でも、結局ママは歩き出した。ここまで来たんだしって気持ちがあったし、帰ったって何もすることがないからね。

その、行き止まりまではかなり長かった。どれくらいかな。1時間は歩いたような気がする。これはもしかして、持ってきたお弁当、腐っちゃうんじゃないかしらって思い始めたとき、それは急に目の前に現れた。

落石のあとなんてものじゃなかったなあ。あれは、もう、小さな山だった。それが道を塞いでて、脇は崖になっていて、確かにこれはどうやっても向こうに行けそうになかった。その、道を塞いでる山にはあちこちから草が生えていた。忘れられた道なんだなあ、ってママは改めて思った。

でも別に、そこに行くまでに怖いことなんか何もなかった。ひいおじいちゃんは大げさだなあなんて思ったわね。空を見上げると、太陽がほぼ真上に来ていた。お昼になっていたの。

もういいや、お弁当を食べて帰りましょうってママは思った。何ていうか、拍子抜けだったけど、山の中で自分で作ったお弁当を食べるなんて、やっぱりママにとっては楽しいことだったのよ。それは少しは退屈を紛らわせてくれそうだった。

何分か、もと来た道を下ったところに、大きな木があった。大人が何人もいないと抱えきれそうもない太い幹に、たくさんの枝とたくさんの葉っぱがついていて、涼しげな影を落としていた。ママはその下に入り込んで腰を落とした。水筒のお茶を一口飲んで、息をついた。結局、なんてことない、散歩みたいなものだったけど、たまにはこういうのもいいなって思った。

327怖い話3:2014/07/18(金) 17:08:57 ID:mY9SAwUU
そして、なんとなくぼんやりと、周りを眺めていたら、変なことに気付いたの。

箱みたいなものがね、こちらに近付いてくるの。

人一人くらいなら簡単に入れそうな箱。その下には車輪がついてるみたいで、だからその箱はするする動いていたんだけどね、ママはとっても不思議だった。

あれは、どうやって動いているんだろう?

山の道とはいえ、その一帯の道はほとんど平らになっていたの。なのに、その箱は、誰が押してるようでもないのに、こっちに近付いてくる。

もっと不思議だったのは、何であっちから来るんだろうってこと。

328怖い話5:2014/07/18(金) 17:09:31 ID:mY9SAwUU
あっちは、ママがちゃんと行ってこの目で見てきたんだよ。行き止まりになっていて、その途中、人はおろか、あんな箱なんてどこにもなかった。

なのに、急にあの箱が、道の向こうから現れた。しかも何でだか動いてる。

その箱はゆっくりゆっくり、道を進んでいた。ママが休んでる木は、道から少し離れていたから、その箱がママにぶつかったりするようなことはなさそうだった。

近付いてくるにつれて、その箱がどんなものか解りだした。その箱は、木箱のようだった。そして、蓋がしてあった。だから、中に何が入ってるのかママには解らなかった。解らなかったけど、ひいおじいちゃんの言葉を思い出して怖くなりはじめていた。どこにも繋がらない、行き場のない、何か良くないもの。

このまま通りすぎて! ってママは祈った。お願いだからこのまま、私に構わずに通りすぎてって。

でも、その願いは叶わなかった。

329怖い話6:2014/07/18(金) 17:10:17 ID:mY9SAwUU
箱は、ママのすぐ近くでぴたりと止まった。風がやんで、あんなにうるさかった蝉の音も急にしなくなった。ママはその箱から目が離せなかった。一分? 二分? 忘れちゃったけど、ずいぶん長い間、その箱を見ていたと思う。

ばこん、っていうすごい音がして、蓋がはねあがったときには心臓が止まりそうだった。中に何かがいたの。そして、その何かが中から蓋をはねあげた。ママは見たわ。細い腕だった。細い腕が空に向かってぴんと伸びていた。その腕の持ち主が、蓋をはねあげたの。

どすん、という音がママが寄りかかってる木の後ろから聞こえた。蓋がそんなところまで飛んだのね。でも、ママはとりあえずそんなことはどうでもよくって、とにかくその、小さな腕から目が離せなかった。

それはどう見ても、子供の腕だった。白くて透き通るような、幼児独特の細い腕だった。

やがて、その腕が箱の縁をつかんだ。立とうとしてる! ママは恐ろしさのあまり、過呼吸になりそうだった。その腕の持ち主は、箱の縁をつかんだまま、ゆっくりと立ち上がった。ママとは真逆の方向を向いていたから顔は見えなかったけれど。腰から上は全部見えた。やっぱり、それは間違いなく、小さな子供だった。

頭は髪の毛一本生えてなくて、服も着てない。そう、裸なの。そしてその子は、向こう側を見ながら、大きな声で泣き始めた。小さな子供が泣くのと同じ感じで、わあ、わあ、泣くの。ママはそれがなんだかとても悲しい光景に見えた。もちろん怖いっていうのもあったんだけど、何でかな、すごくすごく、悲しかった。

330怖い話7:2014/07/18(金) 17:11:13 ID:mY9SAwUU
でも、やっぱり、その子が泣きながら、ゆっくりとこちらを向こうとしてきたときには、「怖い」のが「悲しい」のを押しのけた。ママはその子がこちらを完全に振り向く前に、木の裏側に隠れた。

その子は相変わらず泣いていた。ママも泣きそうだった。怖くて怖くてどうにかなりそうだった。

でね、その子が、箱から降りたのが解ったの。何故なら、泣き声が聞こえる場所が、少しずつだけど、移動してるのね。ぺたぺたっていう足音も聞こえるような気がした。どうしよう、どうしようって思ってると、その子の泣き声の中に「おっかあ」っていう言葉があることに気付いたの。

おっかあっていうのは、、昔の言葉で「お母さん」ってこと。つまり、その子は、「お母さん、お母さん」って言いながら泣いていたの。

それを聞いたら、ママ、何だかまた、すごく悲しくなって……、申し訳なくも思ったの。あんな、悲しい声で泣く小さな子を怖がるなんて……。それで、ママ、その子をよく見ようと思って、木の裏から出ようとしたのね。木から出ようとして、でも、ふと、足元に転がってる蓋が目に入ったの。こんなところまで飛んだんだってママは思った。そして……足でその蓋をちょんと蹴ってみたの。

ものすごく重かった。ぴくりともしないの。それは、木で出来てるわけじゃなかった。何で出来てるかは解らないけど、鉄みたいな素材だったと思う。それに気付いた瞬間、ママはもう、木から出る気を完全になくした。

331怖い話8:2014/07/18(金) 17:12:18 ID:mY9SAwUU
だってね。こんなに重いものを、あんな小さな子が、腕一本でこんなところまで飛ばせるわけないじゃない。ママは確信した。あれは、どう考えても普通じゃない。絶対に、見てはいけないし、見られてもいけない。

足が震えて、木に寄っかかってないと、立つことも出来なかった。

その子は相変わらず、泣きながらうろうろと動いていた。ママは来ないで、来ないでって、それだけを思ってた。

で、ママはあることに気付いて、真っ青になった。木の向こう側。つまり、その子がいる側に、お弁当や水筒を入れたカバンを置きっぱなしにしていたの。このままじゃ、気付かれる……。ママは気が気じゃなかった。

どれくらい時間が経ったか解らない。どう考えてもその何かがママのカバンをごそごそと弄り、中にあったお弁当をあけて中身を食べてるような音が聞こえ始めたとき、ママはほとんど気を失いかけていた。あげるから! 全部あげるから、それを食べて早くどこかに行って! そう祈りながら、ママは本当に気を失ってしまった。

どれくらい気を失ったのかしらね。気付くともう、暗くなり始めていた。ママはしばらく、何で自分がこんなところで寝ていたのか思い出せなかった。思い出したとたん、耳をすませたわ。何か聞こえないかって。でも、もう、あの泣き声は聞こえなかった。足音も聞こえない。ひぐらしの音だけが聞こえていた。

332怖い話9(終):2014/07/18(金) 17:12:56 ID:mY9SAwUU
立ち上がって、背中についてる土を払って、思い切って木の裏から出て、あたりを見回してみたけど、やっぱり誰もいなかった。箱もなかった。

助かったんだ……! そう思った瞬間、何かに背中を叩かれた。

おっかあ、見つけた。見つけた。見つけた見つけた見つけたみつけた。



……ふふふ、こうして、ママは見つかったの。子宮に潜りこまれて、本当の命をあの子に分け与えた。パパに出会った。パパは私に何度も何度もあれを出したり入れたりした。ママは嬉しかった。やっとあなたに出会える、そう思ったから。ねえ、あなたもそう思うでしょう? ママに会えてよかったって……、あら、お父さん、ごきげんよう。……なに? やめて。その子を人形なんて言うなんて。いじわる。やめて。その子は私の子供なの、人形なんかじゃない、やめて、連れてかないで、やめて、やめて。

やめて。

333以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/18(金) 21:03:13 ID:hYEuosMc
長いよ

334以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/18(金) 21:29:38 ID:wXGTfeuQ
でも面白いよ

335以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/19(土) 06:40:17 ID:J4gqNwwY
子供に問いかけてるって口調なのに、その子供が人形でしたってオチは変じゃないか?
それを深読みする人は「怖い」ってことになるんだろうけど、ちょっとチグハグすぎて置いてけぼり感が半端ない

語り口調はうまかったけど、でも語り口調そのものに意味は無いかなって感じた
語り口調であることによる親しみも不気味さも感じなかったから、ただ単に読みにくくなっただけに感じた

336以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/23(水) 03:59:30 ID:bAoZdlXg

ある晩の事だった。
何かが崩れたような轟音で目が覚めた。離れの倉庫の方からだ。
辺りも見えない夜更けだが、泥棒や強盗かもしれない。私は懐中電灯を片手に寝床を後にする。
妻は寝ていたので、起こさずにそのまま倉庫へ向かった。

懐中電灯と微かな月明かりで照らされた倉庫は、どこか不気味さを感じられる。
錆びた引き戸をこじ開ける。年々この作業が辛くなるのを感じる。もう歳なのだろうか。
ぎい、と床が軋み、心臓がひときわ大きく収縮する。
なんでもない、ただの床の音だ。
暗い倉庫の中を懐中電灯で照らす。地震か何かがあったのか。棚のものが散乱していた。何年か前に娘がよく遊んだ女の子の人形が床に横たわっていた。
懐かしさを覚え、拾い上げる。照らされた顔は時間が時間だけに不気味だった。直ぐに棚に戻してーーー。やわらかい。

不意に浮遊感。踏み出した右足が空を掴む。
慌てて棚にしがみつく。そのまま懐中電灯で照らすと、床が抜けて穴が空いていた。
元々床の下にも収納スペースはあったが、地震の影響か、底が見えない。
ふと、気づくと、人形がない。どうやらこの穴の中に落としてしまったようだ。
気が引けるが、明日にも穴を塞ごう。この倉庫はなぜか娘のお気に入りの場所だ。
万が一、娘が穴から落ちたら大変だ。

337以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/23(水) 07:42:31 ID:OreMXrhI
>>322
ここで書くには長すぎる
語り口調にしても細部まで徹底されてないから緊張と迫力がいまいち伝わらない
同じ表現の繰り返しがところどころにあってテンポ悪い
文才晒しだから中身には深く触れないが、重要なところが描写不足で締まりが悪い
ようするに別個でスレ立てて制限を気にせず書けばよかった

>>336
人形を取ろうとした娘が落ちる可能性があるってことか?
読みやすい文章ですらすらと目で追えた
ぞっとさせるようなものはないけど面白い

338336:2014/07/23(水) 11:25:26 ID:hnUcdev2
>>337 ありがとうございます。深夜に倉庫にいた娘が穴に落ちそうになり淵にしがみついていて、父が娘の「やわらかい」手を踏んでしまいということだったんですが、描写不足でした……。

339以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/27(日) 22:31:56 ID:7kuUqVcE
>>336 やわらかいはやっぱり踏んだとか入れた方が分かりやすかったと思うけど床塞いだら孫…
全体的に文章が淡々としすぎてね?
読みやすいけど味が足りない
人形は暗喩かな?

340以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 03:53:18 ID:nfpRakB2
壁掛け時計がガシャンと落ちた。
つまり壊れたのだ。時計は精密機器だから。
動きの止まった時計という物はなんとももの悲しい。見た目には何が壊れたのか分からないのだ。
確かに認められるのは動かない、というただ一つの結果のみ。そこにあったはずの過程は後に残らない。

例えば時計の落ちた瞬間、中で歯車が外れていたとしよう。
歯車の欠けた時計は動かない。中で回転が伝えられなくなるからだ。
これもまた結果。歯車が外れたことは過程。言うなれば過程の結果までの過程。
この思考を繰り返していけば、最初の過程は段々と結果に染まっていく。

つまり、過程というものはよく見れば結果でもあるのだ。
いや、結果であったと言うべきものかもしれない。
人は先を先をと考えたがるが、全くに愚かな行為だ。
何故なら結果は既に出ている。その先の結果を求めれば、その瞬間過去の結果は過程に変わる。
未来を考えると、人は今ある結果を殺す。しかしそれで得られるのはただの結果。
無駄の極みだ。結果をつぶして結果を得る?それでは何も変わっていない。
重要なのは結果に到達すること。今まで誰もが、何もかもがそうしてきたのだ。
つまり、人生の最終目標について、私は生まれた時から達成していたのだ。

私は時計だ。どうせ残らないのなら過程なんて必要ないのだ。

341以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/30(水) 19:07:52 ID:0UiJBEvY
一週間経ってるし新しいお題
叙述トリック
男だと思ったら女だったみたいに読者を勘違いさせるやつ

342以下、名無しが深夜にお送りします:2014/07/31(木) 23:54:10 ID:lnFjYWdM
叙述トリックとか1レスで収めるとかどう頑張ってもうっすい内容にしかならん気がするがどうなのか

343以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/01(金) 10:38:46 ID:mOzmusHM
>>342
サスペンスかと思ったらただ料理してたってのなら前のスレにあったからあんな感じじゃないかな?

344以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/01(金) 17:33:44 ID:ohtHddO6
そもそも技法をお題にするとかないだろ

345以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/01(金) 17:45:58 ID:b1tBgzP.
よく熟れているのです。
丁度いい頃合いだと判断した私は、思わず手を出してしまいました。
相手方も乗り気なようでしたし、その場面私を止めるものは存在しなかったのです。

最高でした。
中に入った瞬間の快感といったら、私の想像していたものを遥かに超えていました。
それは甘い香りで私を誘い、その実を食らわせ、満足していたようでした。

しかし今になって、後悔が私を襲います。
それは私が手を出して良いものではありませんでした。
あぁ、全くとんでもないことなのです。
それには元の主人がいたのです。
私が関わるべきものではなかったのです。

もちろん不倫の話です。

346以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/01(金) 18:31:00 ID:qOvzyj0E
将棋のコピペのようだ

347【17歳】 1/2:2014/08/02(土) 10:44:59 ID:RIMizq1.
「やりたいことは、見つかりましたか??」
テレビの画面から、17歳の私が語りかけてくる。
私はその声を聞きながら、やりたいことをイメージしてみるが、どうもうまくいかない。
日々ぼんやりと流れるままに過ごしている私には、少々酷な質問だ。
獣医さんになりたいと考えたことはあるが、それは単に動物が好きだからであって、
一生をその仕事に捧げる覚悟があるか、と問われると簡単には「はい」と言えない。
ぼんやりしていると、また17歳の私が問いかけてくる。
「もしかして、結婚してたりしますか??なんちゃって」

なにが「なんちゃって」だ。17歳の私にはユーモアのセンスがない、と私は残念に思った。
画面の中でニヤニヤしている17歳の私を、私は睨みつけてやった。
もちろんそんな目線を彼女が感じることはあり得ないのだが。
この質問に答えるまでもなく、私は結婚などしていない。
それがわかっているからこそ、少し腹立たしかった。

348【17歳】 2/2:2014/08/02(土) 10:45:40 ID:RIMizq1.
「隣の席のK君とは、どうですか??」
まただ。
K君とは、大失敗したバレンタインのあの日から一言も喋ってない。
「どうせわかってるくせに……」
私のつぶやきは、画面の向こうには届かない。
K君とうまくいく保証など最初からなかったのだ。
どうせ彼は隣のクラスのSちゃんといい仲だったじゃないか。
自分でもわかっていたじゃないか。
「ふぅ……」
ついつい、ため息が出てしまう。

「この先のことはまだ分からないけど……」
17歳の私は少しはにかんで、次の言葉を探している。
「今日は元気です」
にっこりと、恥ずかしそうに、そう呟いた。

ビデオはそこで終わった。
今日は元気です、か。それが聞けただけでも、とりあえずは見た意味があるというものだろう。
それにしても便利な世の中になったものだ。未来からのビデオレターが発明される日が来るとは。
私は伸びをしてから、今日の分の宿題をランドセルから取り出し、机に向かうことにした。

349【僕にしか見えない】:2014/08/02(土) 10:49:43 ID:RIMizq1.
僕にしか見えない女の子がいる。今日も部屋の片隅で窓の外を眺めながら、雲の数を数えている。

「外はいい天気だね」
「ええ、そうね。ピクニックに行きたい気分」

ニコッと、首をかしげて笑う。話しかけると応えてくれる、僕の大切な友だち。
ふと気づくと、木の上や屋根の上にいたり、ベッドの下に隠れていたりする。
無邪気で奔放で、笑顔が素敵で、僕にはないものをたくさん持っている。
僕は彼女と話をするのが大好きだ。

「ねえ、誰と話しているの?」

不意に話しかけられて、僕はびっくりする。

「また、ナタリーとお話をしているの?」

ナタリー、そう、僕が彼女につけた名前だ。いつか見た映画で言っていた。
多感な時期には、自分にしか見えない友達がいると。僕はその映画を真似して、彼女に名前をつけたのだった。

「うん、でも、ナタリーのことは内緒だよ」
「わかってるよ、僕には見えないんだから」

ガチャリと部屋のドアが開けられ、彼のママが入ってきた。
掃除機を手にしている。この部屋の掃除をするのだろう。

「なにか話し声が聞こえた気がしたけれど、あなた、またジョージとお話をしているの?」
「ううん、内緒だよ」

彼はそう言ってごまかす。
ジョージ、そう、それは僕の名前だったような気がする。

350以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/02(土) 10:50:32 ID:RIMizq1.
昔のだけど、ちょうどいいと思ったので

351以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/03(日) 08:07:53 ID:hkMF9FWM
「サギ」の話をしましょう。
人をうまく騙すには信用させる必要があります。どんなに嘘を言ったところで、信用されなければ人を騙すことはできません。
では、優秀なサギ師とは信用させるのが上手な人を言うのでしょうか?
それだけでは優秀なサギ師にはなれません。
サギ師は貴方の中にすでにある思い込み、その信用を利用して貴方を騙すのです。

ああ、そういえばお題は叙述トリックでしたね。
私は既に叙述トリックをしかけましたよ?
貴方のその信用、確かに利用させてもらいました。

352以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/03(日) 15:55:10 ID:4sjSjBbk
【夏の幻】


ここは、海の家。
彼女とよく来た思い出の場所だ。
すでに海開きは終わっているはずなのに、小雨のせいか客は誰もいない。
あたりを見回すと、やはり彼女がいた。

「や、久しぶり」

なんとなく、ここに来れば会えると思っていた。会えると信じていた。
彼女は相変わらずきれいだ。
その黒い髪も、白いワンピースも、オレンジのサンダルもよく似合っている。

「元気にしてた? 私は元気だけども」

死んだのに、元気も何もないだろうに。
あの頃と変わらない様子で、聞いてくる。
もしかして、「死んだ」ことを理解できていないのだろうか?

どちらからともなく、ベンチに腰掛ける。
ほとんど間を開けずに寄り添う。
冷たいかしら、と思ったけれど、体温はよくわからなかった。

「ここに来ると思い出すね、いろんなことを」

353以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/03(日) 15:57:43 ID:4sjSjBbk
ケンカもしたし、仲直りもした。
ものすごく遠くまで泳いで行ったこともあるし、二人一緒にクラゲに刺されたこともあった。
あの事故があるまで、ここは二人にとって特別で大好きな場所だった。

「あ、だめ、やっぱり塩が多いからかな」

ふと見ると、足が消えていくところだった。
海辺の塩分で成仏するだなんて、洒落が効いている。

「でも、最後にまた会えて、良かった」

彼女は最後にそう言って、笑った。
先を越されてしまった。
同じことを言おうと思っていたのに。

「さよなら」

彼女は少し、泣いているようにも見えた。
私も少し、泣きそうになった。

自分の足元を見つめる。
彼女とおそろいのオレンジのサンダルが、さらさらと消えていくところだった。

どうか私の行くところが、彼女と同じでありますように、と祈った。

354以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/03(日) 18:09:48 ID:vSx7lbNE
(´・ω・`)?

↑怒りを表しています

355以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/03(日) 20:03:33 ID:hkMF9FWM
自分のことは棚に上げて感想。
>>347
同じような感じの話を二作続けて投稿する意味が分からない
しかも、オチがひどい。荒唐無稽すぎて怒りしか覚えない
荒唐無稽なオチに持っていくには、それを納得させるだけの伏線が必要だぞ?
「17歳の私の持ち物を羨ましがる」とか、不自然に思わせる「ひっかかり」が必要。
デタラメなオチをバレないように隠すのはただただ卑怯でしかないし、なにより陳腐だ。
>>352
お題がネタバレだから難しいのもわかるけど、もっと悪意があって誤解させる文章が欲しい。
「沖にながされてしまった彼女を助けようとしたが溺れてしまった」「沖に流されていく彼女をただ見ることしかできなかった。それが悔しかった」
あと、誤解を利用してドキッっとさせるしかけもあれば嬉しいかも。
「葬式場で彼女は泣いていたが、私は笑っていた」とか、起承転結の転で持ってこれば話が締まると思う。

短い叙述トリックを描くときはもっと読者をバカにしていい。
「そっちだと思った? バーカ」ぐらいの意図が透けてた方が面白くなると思う

356以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/07(木) 21:38:33 ID:SC4qmDs.

黒く大きな瞳と目が合い、胸が締め付けられるようだった。
そっと手を差し出すと、指先が触れ合い、ひんやりとした感覚が伝わってくる。
髪を撫でる。枝毛が無く、そのまま毛先まで滑らかに手が滑る。街ゆく女性が見たら振り返り、羨むだろう。
やや紅潮した頬に手を当てると、マシュマロのような柔らかさが返ってくる。目を閉じて心地よさに身を任せたい。

「ああ……」

悩ましげな吐息に心が踊った。
しかし、時間がない。
化粧を簡単に済ませて、鏡をもう一度見た。
やっぱり今日も私は完璧だ。

357以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/18(月) 16:08:36 ID:dGkosiC.
age

358以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/18(月) 20:47:34 ID:J8lWBNnE
次のお題
気軽にかけそうなのがいいな
ビックリした話とか、そういうざっくりしたので


359以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/18(月) 23:30:25 ID:dGkosiC.
>>356 はどういうこと?
お題なら家族

360以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/19(火) 08:59:19 ID:naSRuC.2
>>359
誰かを見てうっとりしてんのかと思ったらただのナルシストだったって話じゃないの?

前後のつながりにも無理がないし、さり気なく伏線も張ってあったりしてきれいな文章だと思ったよ

361以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/31(日) 03:22:47 ID:jGtD62Ow
あげ

362以下、名無しが深夜にお送りします:2014/08/31(日) 11:42:59 ID:8kcf4MQg
家族の話題になった途端、一気にみんな無言になった

363以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/11(木) 00:24:35 ID:cHOADHjw
たまに家族の声が聞きたくなくなる。
一人暮らしの男として普通逆だと思うのだが、私は何故か突然そんな気分になる。
だからといって問題は無い。家族は近くにいないわけで、声を聞く機会も多くはないからだ。

しかし極々稀に、運悪くタイミングが重なる時がある。
「声を聞きたくない」と思っている所に丁度電話がかかってくる。
当然受けざるを得ない。重要な連絡かもしれない。
私がしぶしぶ受話器をあげて見ると、いきなり甲高い声が響いてくる。聞きなれた母の声だ。
つい口の端が曲がる。その不機嫌を声には出さないように受け答えると、電話の理由は家のリフォームについて。
それも内容をどうするか?ではなく、やってみようか?という段階の話である。どうでもいい。

「ねぇ〜どう思う?」
知るかバカ。ふざけるな。勝手にしろ。そんなことで一々電話してくるんじゃない。
言葉が溢れてくるが、ぐっとこらえる。相手に悪気は無いのだ。
さっさと会話を終わらせなければ危ない、私はとりあえずリフォームを行う方向に進めることに決めた。

「え〜?でも、でもぉ」
どうした、私はもう意見を言ったぞ。さぁ切らせてくれ。
願いも虚しく、母の声に止む素振りは無い。
相槌をうつ事も躊躇われる。相手の話を引き出した所で何の得も無いのだ。
イラつく私は結論を急ぎ、なんとか言葉を捻り出す。

364以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/11(木) 00:25:19 ID:cHOADHjw
「え〜?でも、でもぉ」
どうした、私はもう意見を言ったぞ。さぁ切らせてくれ。
願いも虚しく、母の声に止む素振りは無い。
相槌をうつ事も躊躇われる。相手の話を引き出した所で何の得も無いのだ。
イラつく私は結論を急ぎ、なんとか言葉を捻り出す。

「どうしたの?何かあった?」
しまった、言葉が震えていた。母親とはこういう事に敏感なものだ。
なんでもないよ、その声すら変に上擦っている。
あぁもう嫌だ、何故私がこんな目に遭うのだ。私が何をしたというのだ?
変に悲しい気分になってくる。母の声はまるで冷水だ。浴びせられる度に頭が震える。

ポタ、と落ちたのは涙だった。床の涙の跡を見て、私は初めて自分が泣いていることに気がついた。
これではまるで子供だ。嫌な状況の中、泣くことしか出来ない。
私を心配する母の声が耳から頭に響く。頼むから黙って欲しいのに。

一度受話器を置き、ソファを殴る。蹴る。ひっくり返す。
これで少しは気が晴れるのだ。スッキリとした私は受話器をとり、通話を再開する。
今は電話だからこういう対処が出来ている。
だがしかし、もしもこれが電話でなく、実際に対面していたら?
私は実の親に手をあげてしまうのではないだろうか。
それが心配だから、私はこの部屋から出ることは出来ないのだ。

365以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/30(火) 03:55:21 ID:9sYqWB1Y
読みにくい

366以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/30(火) 23:32:18 ID:Y54Zrp0I
あげ&お題変更
↓1

367以下、名無しが深夜にお送りします:2014/09/30(火) 23:40:13 ID:Lzx331q.
わたしは一向にかまわんッッ

368以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/01(水) 16:15:39 ID:u3dkq2lI
夜中にふと喉が乾いたので、私は台所に行って冷蔵庫からウーロン茶を取り出した。コップにそれをとくとくと注いでいると、不意に玄関の方から妙な音が聞こえた。

私はそれを見に行こうかとも思ったが数歩進んだところで急に面倒になって、代わりにリビングに行きソファにどっかりと座って、しばしの間、事の成り行きを見守る事にした。

案の定、というか、予想に反して、というべきかは私にはわからなかったが、しばらくすると呼んでもいない客人がやって来た。その男は、暗闇の中、ソファに座ってくつろいでいる私を見つけると、礼儀正しいのか馬鹿なのか、こちらに向かって丁寧に会釈をしてきた。

「やあ、参ったね。まさかこんな時間に誰かが起きてるなんて思いもしなかったよ」

「私もだよ、気が合うね」そう言って私はコップに軽く口をつけた。「もしかしたら君とは美味い酒が飲めるかもしれないが、生憎、今ここにはウーロン茶しかなくてね。それでも飲んでいくかい?」

男は「遠慮しとくよ」と苦笑気味に答え、それから少し真面目な表情になった。

「ひょっとしたら君は気付いているのかもしれないけど、実は僕は泥棒なんだ。ここの家は裕福そうだからね。一週間ぐらい下見をして、入る準備には三週間も費やしたんだ。それがこんな結果になってしまって、僕としてはとても残念でならないよ。この気持ちが君にわかるかい?」

「多少は」と答えると男はにっこりと笑った。なかなか人好きのする笑顔だと思う。

「それでものは相談なんだけど、どうだろう。このまま僕を見逃してくれるかい? ついでに金目のものを幾つか物色して、それを持ち帰る事を許してもらえないだろうか。もちろん君ならわかってくれると思うけど、僕には泥棒をするだけの理由があるし、泥棒をしなきゃいけない事情もあるんだ。詳しく話せないのが悔しくてたまらないほどにね」

私は壁にかけてあった時計をちらりと眺め、それから再び男に目を向けた。「私は一向に構わないよ。この部屋にあるもので良かったら、そこの時計以外、好きに持っていくといい」

「そこの時計以外」

男は少しだけ残念そうな表情を見せたが、「あれは私もセンスがあって気に入っているんだ」と言うと、「それなら仕方がないね」と逆に嬉しそうに答えた。「ありがとう。助かったよ」と私に頭を下げる。

「いや、いいさ。それじゃあ私はもう行くよ。後片付けをしなきゃいけないんだ」空になったコップを見せながら立ち上がると、男はもう私に見向きもせず、早速、部屋を物色していた。私はもう一度だけ「じゃあ」と言ってリビングを後にし、コップを丁寧に洗ってから再び寝室へと向かった。ドアをゆっくりと開ける。

「さて……この死体をどう片付けようか」

私が今夜考えなくてはいけない命題はどうやら色々と多そうだ。それとは逆に、この家の主人は気楽そうな顔で死んでいて、理不尽な事にも私は少し羨ましくなった。

369以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/01(水) 23:56:32 ID:wLC.wcQc
最後の行だけがよく分からない
『命題』と『理不尽なことにも』の部分
それ以外は面白かったから惜しいなと
俺の読解力がアレなだけだったら鼻で笑っていい

370以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/01(水) 23:56:32 ID:wLC.wcQc
最後の行だけがよく分からない
『命題』と『理不尽なことにも』の部分
それ以外は面白かったから惜しいなと
俺の読解力がアレなだけだったら鼻で笑っていい

371以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/01(水) 23:57:40 ID:wLC.wcQc
連投規制仕事しろよ……

372以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/03(金) 10:00:08 ID:rNlD6sLk
>>368
これも一種の叙述トリックかな
読むのにストレスが無くていいとおもう

373以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/14(火) 08:18:26 ID:GHqfVkYU
お題変更しちまうぜ
↓で

374以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/14(火) 10:23:55 ID:EngCt2ko
『鍋』

375以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/14(火) 11:38:32 ID:ncFU1hp2
鍋はおいしい
冷えきった私を温めてくれる
いつからか私は冷たくなってしまった
なにもかも自分ではわからない
どうしてだろう
絶望にうちひしがれた私は小さな小さな希望を見つけた
そう私は鍋奉行

376以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/14(火) 21:23:19 ID:K6QUYvvc
鍋ってどうよ?
どうよってのはつまり、鍋についてどう思う?ってこと。印象とか。
「美味しい」とか「あったかい」とか「みんなでワイワイ」とかさ、色々あると思うけど。
みんな心の底で思ってんだろ?
「不衛生」だって。
だってあれだぜ?お前、ツバつけた箸でもって同じ液体の中かきまわすんだぜ?大人数でだよ?
おかしくない?マジやべーよ。俺に言わせりゃ狂ってるね。
だろ?な?なぁ?
いや俺も食うけど・・・

377以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/15(水) 16:23:02 ID:th9xql0I
西暦2010年の冬に自宅で行われた闇鍋はその名に恥じる事なく混沌の限りとなった。何でもいいから「何か一品持ち込むべし」との注意事項が正しく守られた事と、「またそれは普通の具材以外である」という暗黙の了解を全員がよく承知していた事、何より最大の原因となったのが「誰が何を入れたかがわからない」というそこに問題があったと思われる。

大きめの鍋を用意して、そこにネギや豆腐、白菜に椎茸、牛肉にしらたきなどの通常の具材を投下し、それが程よく煮込まれた後で、集まった面々はそれぞれ悪戯心と意趣に満ち溢れた表情でお互いの顔を眺めやり、そして電気を消した。

それぞれ袋や鞄などに入れて持ち寄った具材を取り出し、一斉に鍋へと投入する。この時、誰が何を入れたかを正確に把握している者がいたとしたら、それは全知全能である神かあるいはナイトスコープを持参したルール破りの不届き者だけだったであろうし、彼らは揃ってその鍋に手をつけるなと慌てて注意したはずである。

無論、それらの声は上がらず、集まった一同は奇妙な期待と好奇心からその鍋をよく混ぜ、そして「いただきます」との声を合図に全員が箸をその中へと突っ込んだ。

悲鳴が発せられた。

この時、何が起きたかを理解した者は誰一人としていなかったし、慌てて電気をつける者も安否を確かめる者もいつまで経っても一向に現れなかった。何故なら、その場にいた全員が倒れていたからだ。

後日、警察が調べたところによると、鍋には小型のドライヤーが入れられており、箸をつけた瞬間に誰かがコンセントにプラグを差し込んだのではないかという結論に至った。つまりは故意的に、集まったメンバーの感電死を狙ったのではないかという事だ。

警察は殺人未遂事件として、その場にいた全員を徹底的に調べあげたが、しかし、犯人を逮捕する事は結局出来そうになかった。コンセントにプラグを差し込む機会は全員にあったし、犯人は手際の良い事にも延長コードを用意して全員がその場にいながらコンセントに差し込めるようにしていた。これは電気を消す前にはなかったもので、つまり、誰か一人は気絶の振りを装って、後からそれを偽装したという事になる。

「まあ、本当に怖いのは、こんな事件が起こったって事じゃなくてね……」

捜査にあたった一人の刑事はメモ帳をパタンと閉じつつそう言った。

「全員を殺そうとした犯人が、あなた達の中に未だに何食わぬ顔しているって事ですよ」

今は2014年10月。今年もそろそろ鍋の時期がやって来る。あの時のメンバーの中で生き残っているのはいまや三人だけだった。今年はどうなるのだろうか。全ては闇の中だ。先が見えない。わからない。殺人者は今日も闇鍋をつつく。

378以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/15(水) 16:32:25 ID:th9xql0I
前後半で文体がくちゃけてるなあ、と読み返してみて反省。慣れない書き方はするもんじゃあないね

>>375
一種のポエムかな。全体はいい感じにまとまってるけど、最後の締めが惜しい感じ。ひねらず落とさずにすると、綺麗な文章になりそう

379以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/01(土) 14:20:38 ID:PNCyA452
お題変更


380以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/01(土) 14:54:54 ID:.HNvPVw.
『メソポタミア文明』

381以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/01(土) 23:19:32 ID:1Bwu7fGs
これはひどいお題

382以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 23:05:23 ID:3V4u4Rx2
「知ってる?一週間が七日になったのはメソポタミア文明からなんだよ?」

君はおどけた顔でそう言った
僕が「へぇ、そうなんだ」と適当に流すと君は怒った顔して
「川文明だから流すってか...寒いわ馬鹿野郎」と訳の分からない事を
呟いてどこかに走っていったね
僕が一緒に散歩していた犬を連れて

名前も知らないどこかずれている君へ
初対面で僕の犬を抱きかかえて逃げないでください


後日、またこの土手沿いで君と出会った
僕ん家の犬と君が飼っているらしき犬二匹を連れて恨めしそうににらんでくる
何だかむかついたので今度は僕が二匹とも抱えて逃げたんだ

「め、目には目を...同害復讐法かぁーっ!!」

そう、互いのペットを奪い合うこの戦いこそが、僕と彼女の初めてのカディシュの戦いだったのだ

383以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 23:32:46 ID:BXB/t2D.
「メソポタミアってどこにあるの?」

少年の質問はいつも唐突で、私を困惑させる。
メソポタミア、メソポタミア。どこで聞いてきたのだろうか?

「ね、メソポタミアってなあに?」

少年の声は甘ったるい金属の触れ合う響きがする。この年頃の男の子の声だ。
メソポタミアがなにか知らないらしい。素敵なオブジェかなにかとおもっているのかもしれない。
嘘を教えようか、本当のことを教えようか。
悩む私の服の裾を少年が引っ張ってもう一度。

「メソポタミアっておいしい?」

よし、味噌ポタージュみぞれ飴風味。ちょっと無理矢理だけれどこれで行こう。
嘘をつくことに決めた私はようやく本から少年に視線を移して口を開く。

「おいしいよ。食べたことないの?」
「うん!」
「メソポタミア文明って言われたくらい流行った、人気の料理なんだけどなあ」
「お姉ちゃんは食べたことあるの? メソポタミア」
「もちろん。メソポタミアっていうのはね……」

こうして私の口からでまかせが溢れだす。嘘八百もまもなくだ。
目をきらきらさせて少年は、架空の料理に舌鼓。
さてはて明日はなにを聞きにくることやら。

384以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 23:58:52 ID:3V4u4Rx2
レベル高杉
へこむわ


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板