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( ω )千年の夢のようです
97
:
◆3sLRFBYImM
:2016/06/07(火) 23:53:48 ID:uoQSJDlE0
今にも触れそうな二人の身体を、狂気の風が呑み込んでいく。
"ゝ゚ 「ゴアァ゙アルゥゥゥゥォォオ!!!」
デルタは数年前に村の犠牲者を出し、その人物に成り済ますことでここまで生きていた。
巧妙に騙しながら、村人と……そしてクーと共に過ごしてきた。
聴く者にとってその叫びは同じく、しかし訊いた者によって内実を大きく変えることだろう。
遠くにある村の者には相も変わらず、聞き慣れぬ獣の声として、小屋の戸締まりを厳重にしているかもしれない。
クーにとって……彼の咆哮は、嘆きを含んでいる。
,"ゝ゚ 「グガアァァア゙ァォオァ!!」
彼は泣いていた。
罪悪感に囚われようと、デルタは一族から逃げるために擬態し、生き延びてきた。
第一に守るべき自らを庇い、ようやく他者への余裕と優しさを得ることが出来た。
…それがいかに不完全で未熟な生き方であるかなど、彼にも解っている。
それでも抗えない。
薄氷を踏むほど頼りないデルタの意識が、クーに伝えている。
言葉にならない言葉を形作る。
,"ゝ; 「ガォアァァア゙ァォアァ!!」
『…楽しかったよぉ』
──そう聴こえた次の瞬間。
デルタの牙は、質素な布の服を貫き、クーの肩肉を喰い破った。
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