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(  ω )千年の夢のようです

95 ◆3sLRFBYImM:2016/06/07(火) 23:52:01 ID:uoQSJDlE0

省みる思考は刹那。
頬をくすぐる布の感触が、まだ生を逃していないことを伝えている。


デルタは道葉で不意に腕を切らぬようにと、いつも緩めの長袖を着用していた。
彼の性格をそのまま表したようなダボダボの振り袖。
…暴れている間にかきむしりでもしたのか、破れ破れの服の隙間までも、返り血によって深紅に染まっている。

鎖骨まで露になった、傷跡ひとつすらない首元…。

からからに干からび、血塗られた腕。
いつかアーカイブで知ったお伽噺の、地獄の亡者が振るうものと遜色ない醜悪さを醸し出していた。


(;"ゝ゚) 「…………」

川 ゚ - )


かち合う瞳は揺れている。
デルタは痙攣し、その腕のなかにいることでクーにも伝わってきた。
……彼も、自らの衝動に必死で抵抗しているのだ。


(;"ゝ゚) 「……逃ゲテクレ」

川 ゚ -゚)

(;"ゝ゚) 「…誰カヲ傷付けルノはァ……モ゙ウ嫌だァよ」


相変わらず、その牙はクーの首筋を狙っている。
先程よりも、その赤黒い瞳はどんよりと濃度を増している。


川 ゚ -゚) 「…………だったら…どうして…」

(;"ゝ゚) 「…俺ぇは、"フゥ" 一族の出、身ダ」

(;"ゝ゚) 「は、ハハはハ、そんなもの分かランよなぁ…、すまなイぃなぁ」

川 ゚ -゚)


フゥとクー。
どこか響きのよく似た単語──印象深いその名は、しかと脳裏に刻まれた。


(;"ゝ゚) 「間違エて、ソレデモ驕り続けル、履き違エタ人間達のコトダヨォ」


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