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(  ω )千年の夢のようです

128 ◆3sLRFBYImM:2016/07/20(水) 20:04:16 ID:RYml97060
間男と妻の異口同音は、まるで人生の伴侶を思わせる。
はじめから、自分などは愛の障害にもならなかったかのように。


本来、自分がいるべき場所に他の誰かが居座っている。
そしてそれでも満たされてしまうならば……もはや私は妻にとって不要なのだ。

強烈な孤独感がクマーを襲い、心はまるで黒い隔たりに囲われる。


『言われずとも……そのつもりだよ』


……そう呟いたが、声にはならなかったらしい。
眼前の二人の反応をもらうことは叶わず、それが余計に惨めさに拍車をかける。

二人に頭を下げると、クマーは時計の針が一回りするまでに街を脱走した。


その際、要塞を彷彿とさせる白い壁も、止めに入った若き警官を殴り倒したことで赤く染まった。


奪われた家族のことよりも、罪の無い青年に負わせた傷を気にかける。
そう……それなのに。
この日、焼きついたはずの赤の記憶は、呪術師の瞳によってさらに上書きされてしまうのだ。


 


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