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( ω )千年の夢のようです
119
:
◆3sLRFBYImM
:2016/07/20(水) 19:44:12 ID:RYml97060
…何年も此処に居た。
…正確には二十年、此処に居させられた。
静かに過ごせば何食わぬ顔で繰り返される日々。
子供らは青春時代を謳歌し、大人たちは人生設計を明確にしていくに充分な年月。
その二十年間、この場から離れることを許されなかった者が、ただただ生きてきた日々。
もちろん、街を出ようと思えばいくらでも踏み出せただろう。
……彼らにそれが赦されていたならば。
(・(エ)・) 「はい、滞りなく」
身寄りはなく、明日への希望も見出だせぬ俗世の異物。
一方は、廃墟じみたビル10階の受付カウンターに座り、時に帰らぬ人間を見送る。
タバコに灯された火種を、消えゆく命に見立てたこともある。
一方は、荒くれ者の狼藉を塞き止め、非合法のなかに秩序を作り出す。
心なく吐き出された暴言を鼻で笑っては
『望んで棄てた人間性ならば、私と代わってくれたらどんなに良いか』と羨むこともあった。
それが【ロータウン】の廃墟ビルで過ごしていた、二人の青春。
たまの宿泊客と頻繁な金持ちを適切な場所に案内し、質と量を問わず日銭を稼ぐのも、しかし今日でおしまいだ。
「そう。 それではお元気で」
(・(エ)・) 「……貴方も。 お世話になりました」
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