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('A`)は撃鉄のようです
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__ ,、
く_;:::ハ /::ヘ
(_厂 ヒコ
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(# A )(やっぱもう少しだけ借りるぞ!)
落下の最中、黒煙がドクオの両腕に巻きつきマグナムブロウの形骸を作り出した。
腕に装甲、背には撃鉄。撃ち放たれるは絶対無敵――撃動の拳。
(# A゚)「――撃動のォッ!」
落ちながら体を翻し、落下の勢いも足した一撃を地面に向けて叩きつける。
地面は大きく陥没してようやく衝撃を受け止めきり、衝撃の一部をドクオに跳ね返した。
その反動に身を任せてもう一度空へ。
待ち構える男に向かって、ドクオは腕を振りかぶる。
(# A゚)「だァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」
「……ミルナの真似事か」
男が再び片手を差し向ける。
するとそこに無数の正六角形で出来たシールドが展開された。
男はそれだけやって手をおろし、ドクオの攻撃をしばし眺めることにした。
(# A゚)「撃殺の――ッッ!!」
シールドに直撃する寸前、二つ目の撃鉄を躊躇なく落とす。
敵対は直後。ドクオの赤熱した拳とシールドが直撃し、絶大な二つのパワーが周囲を打ち震わせる。
烈風が吹き荒れ、ビルのガラスが軒並み炸裂して粉々に散っていく。
バチバチと張り裂けるような衝撃と閃光が、メシウマの街でひときわ輝いて天空を劈いた。
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「……二つ目の撃鉄、制御不能だった筈だが」
(# A゚)「使えねえから捨てた!」
(# A゚)「どうせ借り物の力! やりたい放題やるだけだァッ!!」
三つ目の撃鉄が高鳴る。
ドクオは拳を引き、更なる力を込めた一撃でシールドを殴りつけた。
(# A )「乱撃のオオオオッッ!!」
轟音を立ててシールドに激動が迸る。
その一撃に込められた威力は撃動の千発分。
一撃である筈の攻撃によって無数に鳴り響く打撃音。
それでもシールドはびくともしなかったが、男はシールドと共に少しずつ押し返されていた。
(# A )「乱撃のッ……」
ガチャ、と全ての撃鉄を起こし直す。
途端それを一斉に撃ち鳴らし、ドクオは三回連続で乱撃の拳をシールドに叩きつけた。
(# A゚)「乱撃のォォォォォォォ!!」
撃動三千発分の威力は最早シールド一枚に収まりきるものではない。
男が立っているビルはおろか、二人の周囲にある全ての物が崩壊し始めていた。
攻防の余波が塵芥を吹き飛ばす。車も建物も何もかも、今は彼らの戦いの邪魔でしかなかった。
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「埒が明かないな」
男がシールドを残して背を向ける。
次の攻撃準備であろうその一瞬を、ドクオは決して見逃してはいなかった。
撃鉄を起こし、落とす。
次の瞬間、ドクオは男の眼前に回りこんでいた。
今度のは最強ではなく、最速を込めた拳――
(# A゚)「――撃針の、」
(# A゚)「――――――――」
男は、自分の目の前でピタリと停止したドクオに憐憫の眼差しを向けていた。
「……やはりまだ、ここまでは届かないか」
ドクオには術がなかった。
時間を止められた、ということを自覚する能力がなかった。
男はドクオの頭を鷲掴みにし、時間の停止を解除した。
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(# A゚)「――――」
(; A゚)「――――なッ」
ドクオの頭を掴んだ男の手中で強大なパワーが爆発する。
それは単なるサイコキネシスでしかなかったが、彼が扱うそれは規模が違った。
いつの間にか音もなく、ドクオは男の手から離れていた。
ドクオは既に吹き飛ばされており、いくつもの建物をぶち抜いてレムナントの壁にその身を打ち付けていた。
(# A゚)「……そこをォ……どきやがれ……!」
だが、それでもドクオの目はしかと男の瞳を睨んでいた。
戦意は衰えない、意思は揺らがない――ドクオはなお、無意味な力を望み続ける。
.λ__λ
(∮∀∮)「もっとやるか?」
脳内で即答――その一瞬後、血肉を蝕む感覚が全身に広がり始めた。
ドクオの意思が現実に直結する。
彼が望むすべての力が今、望んだまま形で現実に具現し始める――
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≪6≫
(# A )「……」
ドクオの背で二つの塊が羽ばたいた。
それは、翼というにはあまりにも異形すぎた。
ドクオの背から広がる一対の黒い、悪魔染みた鋭い翼。
それを作り上げている羽根は無数の小さな撃鉄。
起こされたままの撃鉄は、まるで羽根が逆立っているような錯覚を男に覚えさせる。
それは、正に撃鉄の鉄塊だった。
(# A )「道を開けろ……そこを、どけ……」
うわ言のようにそう呟く。
頭から流れ滴る血液が、ドクオの顔をべっとりと濡らしていた。
(# A゚)「……邪魔だ、お前……!」
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(# A )「……寂滅の……」
下におりたドクオはそのまま両手足を地につけ、獣のように平たく身構えた。
次いで撃鉄の両翼が大きく持ち上がる。
瞬間、翼は一部の撃鉄を落とすと同時に勢いよく地を叩いた。
向かう先はひとつ。
ドクオはただ前を向き、道を阻む邪魔者に立ち向かう。
「……取り返しのつかない域に手を出したな」
「tanasinn。やはり人類には必要の無い力だ……」
男が手をかざして時を止める。しかし今のドクオはその程度では止められなかった。
諦めて物理的な迎撃に移行――男の“左腕”が白い炎に包まれていく。
(; A )「――ごぷッ」
……男に向かっていく途中、ドクオの中で臓物が弾けた。
体のどこかがプチプチと音を立てている。
細胞のひとつひとつが、細かく丁寧に潰されているような感覚――
(# ∀ )「……おい、反動デカすぎるだろ」
.λ__λ
(∮∀∮)「片鱗に反動なんかねえよ。ただしお前はtanasinnで作られてるから特別。
力を使えば使うだけ、お前はtanasinnと同じ存在になっていく」
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.λ__λ
(∮∀∮)「元が同じなんだから融合するのは自然だろ?
ま、お前自体の寿命だと思いな」
(#'A`)「……」
(#'A`)「……俺はあと三日も保てばそれでいい。そこまで頼む」
死を宣告されて出てきた言葉は、それ以上に自分自身の死を早めるような頼みだった。
テンプターはまたも驚かされて言葉を失い、遂には大きな笑い声をあげた。
λ__λ
つ∀∮)「――クハッ! ハハハハハ!! お前、さてはバカだな!?」
.λ__λ
(∮∀∮)「いいぜやりたいようにやって来いよ! 理外の力で私欲を満たせ!
ただし超特急の片道切符だ! 思う存分、死に物狂え――!!」
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頭の中からテンプターのイメージが霧散する。
導火線に点いた火はもう消えない。あるのはただ、絶対的な死のイメージ。
(# A゚)「―――――――」
ドクオはそれを塗り替えるように敵を見据えた。
撃鉄の翼から音が鳴り始める。次の一撃の威力などもう知った事ではない。
撃鉄はただ落とされる為にある。それが無数であるのなら、ただ無数に撃鉄を落とすだけ。
撃鉄は絶えず鳴り続ける。その為にある。
ドクオは、自分の全身に黒い何かが広がっていくのを感じていた。
両腕も、両脚も、肉体のあらゆる場所にtanasinnがあった。
tanasinnの目が手にあるお腹にある。tanasinnの鼓動がすぐ近くに聞こえる。
どこがtanasinnかは問題ではなかった。道は開かれている。
(; A゚)(ああ、うるっせえなあ――……)
やがてドクオと男が二度目の交戦を始めようとした、その寸前。
二人の間に割り込むように、突然、巨大隕石が彼らの頭上に出現した。
(;゚A゚)「……えっ?」
「……不意打ちにしては、派手なのを選んだな」
男は隕石を睨み、小さく呟いた。彼はドクオよりも先に気付いていたのだ。
我々をどこかから観察し、そして隙あらば仕留めようと隠れていたその気配に――――
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After,in the Dark〜Torch Song
https://www.youtube.com/watch?v=hw3aAXOt9L0
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「おいおい顔付き、そう不貞腐れるな。狼煙としては上等だろうに」
(; A゚)
第三者の声に気付いたドクオは巨大隕石から目を離した。
いやそう簡単に目を離せるものでもなかったが、ドクオはかすかにその声を覚えていたのだ。
振り返り、遠くの空に目を凝らす。
そこに居たのは、白タキシードと中折れ帽の男であった。
¥・∀・¥「――そこのガキ、こいつの足止めは私が買った」
(;'A`)「……お前、荒巻と一緒に居たやつ……」
¥・∀・¥「先をゆけ。あいつが待ちくたびれているぞ」 パチン
マニーが指を打ち鳴らす。
瞬間ドクオとマニーの位置が入れ替わり、ドクオは顔付きの男から大きく離れる事ができた。
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っしゃあオラァ!
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(;'A`)「お前、お前ッ……!」
¥# ・∀・¥「――見知った間柄ではないだろう! とっとと失せろ!」
怒号の後、ドクオのもとに黒い影が飛んできた。
「時間が惜しい、行くぞ!」
(;'A`)「――あ、お前も知ってるッ」
黒い影に見えたそれは、全身を黒いローブに覆われた背高の男だった。
わずかに覗けた男の顔には、火傷と無数の切り傷がある。
(;'A`)「いやッ、お前……あの、ほら! あの時の!」
「話は後だ! 口を閉じていろ!」
黒ローブはドクオに素直クールを抱かせ、ドクオの首根っこを掴んで遠くの空に飛んでいった。
マニーはそれを見届けてから、顔付きの男に見えるよう、わざと大きく醜悪に笑って見せた。
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¥-∀-¥「ふふ、くはは……」
¥ ∀ ¥「アーッハッハッハ! さァてどうする顔付き!
本命を逃がしてしまったなァ!!」
マニーの高笑いに、しかし顔付きの男は反応を示さない。
憐れむような無表情が、単にマニーの姿を見ていた。
「……君も一度は私の考えに賛同してくれた。
我々が争う理由はなくせるはずだ」
¥・∀・¥「あの夜を手伝ったのは荒巻と戦うため。
貴様は我が宿命を叶える為の踏み台でしかない」
マニーの周囲に、彼の能力の象徴であるキャッシュカードが展開される。
今現在メシウマの街はほぼ無人。街にある金も、今は誰のものでもない。
よって今、この街にある全ての金はマニーの所有物だった。
まるごと街一つ分の資金は、彼の能力から限界の二文字を取り払っている。
¥・∀・¥「……で、貴様はこのままだと荒巻と戦うことになるな」
「……彼が戦うと言うなら、そうなる」
¥・∀・¥「で、おそらく荒巻が負ける」
¥・∀・¥
¥´・∀・¥「それは気に入らない」
マニーは両手を上げてふんぞり返り、溜め息混じりにそう言った。
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¥・∀・¥「なのでまあ、これは足止めというよりは露払いだな」
¥・∀・¥「これから貴様を倒して荒巻に勝負を挑めば、私はこの街の有り金を全部使える」
¥・∀・¥「さすればいよいよ長きに渡る因縁にも決着がつくというものだ。
改めて宣言するが、貴様はその為の踏み台でしかない」
「……人間の性は、なぜこうも争いを求める……」
彼の言葉を聞き、顔付きの男は顔をそむけてそう言った。
人間味を喪失した青白い体と表情に、僅かな葛藤の色が浮かび上がる。
しかしマニーは一言で返した。
¥・∀・¥「分からんか? 貴様が私の敵だからだ」
結論はただそれだけ。
しかし顔付きの男自身も、戦いというものが結局その程度のものでしかないと納得していた。
「……それでも、私は私の役目を果たそう」
¥・∀・¥
最早、語る言葉すら無い。
巨大隕石を頭上に二人は身を構え、瞬間、その戦いは幕を開けた――――
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≪7≫
黒ローブの男が足を止めたのは、メシウマやレムナントから遠く離れたどこかの森。
その入口の草原に腰を下ろし、ドクオは掻き消えそうな呼吸を少しずつ整えていった。
涼しい風が草原と森の草木を優しく揺らしている。
さっきまでの戦いが嘘のように、この場所は平穏と静寂の中にあった。
「……」
黒ローブは風を浴びながら空を見上げていた。もうじき、夜が来る。
夕陽も大半が沈んでおり、大空は夜の暗闇と夕陽の輝きに二分されていた。
(; A )「……ぐッ……!」
「……大丈夫か」
ドクオの呻き声で我に返り、黒ローブは彼に歩み寄った。
状態を見るに、ドクオの体は既にその大半がtanasinnと同化してしまっていた。
腕の装甲、背中の両翼も、もう自分の意思では取り除けなくなっているはずだ。
この先に待っているのはtanasinnとの同化と、自我の消失。
「……随分無茶をしたな」
(; A`)「……ここまで来れた……上等だ……」
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「……お前、そんなにこの女が大事か」
(; A )「ぐっ!! あ゙、……ハアッ……」
(; A゚)「……見て分かんだろ……俺の全部だ……!」
ドクオは草原に膝をつき、そのまま草の上に倒れこんだ。
意識は明確だったが、肉体が彼の言う事を聞いていなかった。
「…………」
黒ローブは目をそらし、口を閉ざした。
彼の沈黙は、暗闇が夕暮れを飲み込むまで続いた。
その間、彼は素直クールのことをずっと見つめていた。
見つめ、なにか言葉を掛けようとして、それを飲み込む。
彼はやがて素直クールを視界から外し、ドクオに向けて話し始めた。
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「……俺は街に戻る。お前達の場所を守っておくよ」
(; ∀`)「ンだよ……怪我人見捨ててくのか……?」
黒ローブはドクオの苦笑いを見ると、つられて自分も笑みを浮かべた。
この期に及んでこれを冗談と理解できるのは、きっと彼だけだろう。
「それはお前が負ったものだ。俺が手を触れていいものではない」
(; A`)「……」
「…………礼を言う。お前でよかった」
黒ローブはもう一度空を見上げた。
俺にはまだやる事がある。ローブの下に見えた瞳は、確かにそう物語っている。
(; A`)「……おい、お前……」
ドクオは彼を止めようとしたが、やはり体は言うことを聞かない。
それに例え力尽くで止めたとしても、彼は絶対にその足を止めないだろう。
根拠はないが、ドクオはそう思った。
「――素直クールを頼んだぞ」
「俺には出せなかった結論が、お前にはあるんだろう」
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それは、自分によく似た別の誰かでしかなかった。
しかしドクオは――撃鉄のドクオは、
彼が、生まれたて夜空に消えていくのを見届けずにはいられなかった。
結論を背負った者としてなお生きる彼の姿は、はっきりと、ドクオの目に焼き付いていた――――
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(; A`)「……」
川 - )
(; A`)「……あーあ、二人っきりだ」
ドクオは衰弱していく体に力を込め、もう一度立ち上がった。
おびただしく伸びた撃鉄の両翼を引きずりながら、素直クールのそばに行く。
(; A`)「俺らも最後だ。止まるのは、それが終わってからだぜ……」
傷だらけの腕で彼女を抱きかかえる。
ドクオは自身の体を引きずりながら、少しずつ、彼女と一緒に森の奥に消えていった。
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16〜24話 >>439
プロローグ Another Heaven >>454-467
第二十五話 老兵集う >>473-495
第二十六話 面汚しの夜 その3 >>504-596
第二十七話 悪性萌芽 その1 >>609-673
第二十八話 悪性萌芽 その2 >>704-726
第二十九話 悪性萌芽 その3 >>733-771
第三十話 悪性萌芽 その4 >>783-860
第三十一話 悪性萌芽 その5 >>880-942 >>945-970
以上です(^ω^)書いてて楽しかったです(^ω^)
年内に区切りの良いとこまで書けたらなと思います(^ω^)
次回は7月になりそうです(^ω^)お待たせします(^ω^)
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乙
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キャラが再登場する度にワクワクする、特にラストの所
いつもながら熱くて優しい奴ばっかりだな
次回も楽しみ、乙
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乙
クールとの決着が楽しみ
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着々と結末に向かっていってる
ドクオの過去が衝撃的だった
乙
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おっ、来てたのか!乙
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終わりが近いな
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終わりを感じるな…
終わらないでくれ
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黒ローブの正体はそういうことか
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AAがないとすごくイケメンっぽいな
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その言い方だと('A`)が不細工みたいじゃないか!
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乙
戦闘かっこよすぎる
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この作品をまとめてるとこあんの?
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ない
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>>983
NGになってURLが貼れん
撃鉄のようですでググれば出てくる
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>>983
不定形とグレーゾーンがまとめてる
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撃鉄クソ強いし大好き
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7月やで
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32話15レスくらいです。次の投下は8月に入っちゃうと思います('A`)
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ヒャッホー!撃鉄マジ強い!
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進捗駄目です('A`)しばらく逃亡します('A`)
残り5話くらいなので半年くらいで書ききれると思います('A`)
がんばるぞい('A`)
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楽しみに待ってるよ��
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こっちも待ってる
無理せずにな
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逃亡しないなら許すけどこのまま2018年になったら許さない
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読者様あざーーーーーーーす!!!!!!!!!!!!!
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まだかな…
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あけましておめでとうございます。大体半年経ったので、予告通り今月末から投下を再開します('A`)
今のところ書き溜めは170レスくらいです('A`)半年あっても書ききれなかったNE(^ω^)
次スレはファイナル板で投下は28日前後を予定しています('A`)よろしくお願いします('A`)
余談ですが某ソシャゲ1.5部にレムナントの文字があって軽くドキッとしました('A`)以上です('A`)
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超楽しみ
そしてfgoやってるのかww
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まってるぅん
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埋め('A`)
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