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('A`)は撃鉄のようです
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そこまで考えて、ミルナはようやく自分の立ち位置を思い出した。
( ゚д゚ )(『役立たずのろくでなし』だ、結局はな……)
どれだけの実力を有していても、それが全く活用できず、いくら努力しても目指しているものに届かない。
才能や努力が成果に結びつかない期間が長続きすれば、人はいつか諦念と堕落に行き着いてしまう。
人間を本当の意味で終わらせるのは生まれや能力の優劣ではなく、
山ほど積み上げた努力の産物を、誰にも知られずひっそりと、胸のうちで絞め殺した時だ。
ミルナはその経験を何度も味わってきた。
元の世界に戻る――最初はその事だけを考えて行動したが、それが残したのは夥しく連なる後悔の痕だ。
かつての世界。ミルナは仲間を集めてtanasinnに挑み、その仲間達を全滅させた事がある。
しかしそれを悲しむ暇はない。この世界はタイミングが来ると、tanasinnが生み出す次の世界へと作り変えられていく。
次の世界にはまた別の常識と正義が存在する。
ミルナは次の世界に順応する為に、自分の記憶にだけ存在する過去の仲間達を忘れ、自分の中の正義を塗り替えた。
時には前の世界を全否定する悪のような正義にも、彼は“元の世界に戻る”という目的の為に従った。
そしてある時、ミルナは全てを諦めた。
彼は自分の中の正しさを塗り替えていく中で気付いてしまったのだ。
もうとっくに、自分という存在は無色透明に塗り潰されているのだと。
彼はtanasinnへの反抗をやめ、誰も居ない場所で静かに停滞し続けることを選んだ。
100万回生きた男は100万回生きて死に、そして100万回分の後悔を抱え、無限に続く人生を漂い始めた。
そうした生きながら死を演じるような無様な生き方は、彼の心をすぐに鈍化させていった。
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