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( ^ω^)千年の夢のようです
-
9/24(水) 夕方より投下します
よろしくお願いします
前スレ
>( ^ω^)千年の夢のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1401648478/
まとめサイト様(以下敬称略)
>ブンツンドー
http://buntsundo.web.fc2.com/long/sennen_yume/top.html
>グレーゾーン
http://boonzone.web.fc2.com/dream_of_1000_years.htm
作品フィールドマップ(簡易)
http://imefix.info/20140922/321215/rare.jpeg
http://imefix.info/20140922/321216/rare.jpeg
-
从 ∀从
从 ゚∀从
从 ゚∀从 「ーー ……ぁ」
(´・ω・`;) 「…知ってるのかい? あれを」
ξ; ゚⊿゚)
∪(; ゚ω゚)「……」
从 ゚∀从 「……よう、久し振り」
その声は人間だった。
その姿形は紛れもなく人間だった。
此処がどこだか分からなくとも、
アサウルスと無関係であるはずはない。
ξ;゚⊿゚)
∪(;゚ω゚)「ーー ハインリッヒ…」
从 ゚∀从 「ありがとな二人とも。
それと…もう一人のお前も不死者だろ?」
(;´・ω・`) 「!」
从 ゚∀从 「いまは限られた時間しかない。
聞いてくれ、そして、伝えてほしい」
-
涼しげな声だった。 だが微かな焦り。
ハインリッヒと呼ばれた女性から
敵意を感じることは全く無かった。
むしろショボンには…
悲痛のなか掴みとった一握りの機会を
一切合切逃さないために身を潜めていた囚われの神のように思われた。
从 ゚∀从 「アサウルスは死なない。
"生きる概念" と "生きたい願望" が
この世にある限り、遅かれ早かれまた現れる」
从 ゚∀从 「前者は人間に必要なもんだ…
でも、後者はすぐに行く先を誤っちまう」
从 ゚∀从 「何かに祈るな、見えないものにすがるな。
人は自分の足で歩けるように出来ているし、
他人の手をひととき握ることは、すがり祈りとは関係がない」
その言葉は唐突で、
前提が何かも分からなければ
答えが何かも解らないものだ。
ξ;; ゚⊿゚)
∪( ゚ω゚)「……」 (;´・ω・`)
ーー 尚もハインリッヒの独白は続く。
神託のように。
-
从 ゚∀从 「ブーン、俺のことは気にすんな。
済んだことをいちいち引き合いに出しても仕方無いしな」
从 ゚∀从 「これからだ。 未来のこと。
もうこれ以上、不死者なんていらないんだよ」
从 ゚∀从 「でないとアサウルスが利用しちまう……
生きる願望の、塊であるお前らを」
:从; ゚∀从:「ーー ぐっ」
(; ´・ω・`) 「…?」
:从; ゚∀从σ:「…ダメだ時間が全然足りねえ。
この、上にいる奴も…連れてけ、邪魔だ」
ξ;゚⊿゚)ξ「え……あっ!」
ショボンとブーン達が見上げると、
そこにはもう一つの太陽が脈動していた。
さっきは気付かなかったが
同じようにモゴモゴと動いている。
-
:从; ゚∀从:「そいつは、そいつで……
アタシとは別のところから、アサウルスに引き摺り込まれたらしい」
:从; >∀从:「ーー っはあ、はあッ」
ξ;;゚⊿゚)ξ「ハイン!」
:从; ゚∀从:「……いつだか前…アタシにはちと分からないが…
先に降りた、もう一匹のアサウルスがいた。
……東の方角、そいつが処理した、
けど、代わりに……、そのザマだ」
ハインリッヒは苦しんでいる。
だが、一体何に対して ーー
《ビシィッ》
⊆‖(´・ω・`; ) 「?!?! ーー なっ?!」
直後、ショボンの腕には
闇から伸びた黒い何かが巻き付いている。
慌て、隣を見ればブーンやツン、
そしてどうやらハインリッヒにも既に。
⊆ξ; >⊿゚)ξ⊇「くっ ーー!」
( ゚ω゚)⊇「ふぉぉぉっ?!」
-
:从; ゚∀从:「ーー ちくしょう、あんだけ時間かけてもこれしか主導権が握れねえのか?!」
:从; ゚∀从:「ブーン、お前の拘束だけならアタシがなんとかしてやる!
すぐに…アイツの太陽も ーー ぶっ壊し、たら…!」
⊆(´・ω・`;) 「?!」
:从; ↑∀从:「お前らだけでも此処から逃がしてやるからよ!」
-
《パリンッ》
(;^ω^)⊃「?!」
硝子の割れる音と共に、ブーンを捕らえていた闇が解放される。
ブーンは迷わなかった。
バランスを崩しながらも真上に跳ぶと、
もがき足掻く太陽目掛け、
重い剣を突き出すとビチビチ血の雨を降らす。
割れる太陽の中から、血にまみれた男が一人
…もたれていた身をゆっくりと落下させる。
赤く紅く熟れた果実の種が握られ/.,:;;'A)
押し出されるように。
",
,...:,
( A )
片手に銃斧を握りしめて離さない男を抱き止める余裕は無かった。
ブーンも共に落ちながら、叫ぶ。
手を伸ばすように、その声で。
「ハイン! お前も ーー」(^ω^;)
-
从; Γ∀从 「ーー …クーに、よろしく頼むわ」
-
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三
三三三三三
三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
-
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三
二二三三三三
三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三
二三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
-
血涙を流しながら笑ったハインは…
そのまま闇腕に囚われ呑まれた。
それは僕達の視界が呑まれるのと
どちらが早かったのか。
気付けば三人は離れ離れになった。
僕は海にたゆたい、
通りかかりの船に掬い上げられる。
結局そこが何だったのか
分からないまま ーー。
-
(推奨BGM:おわり)
-
------------
〜now roading〜
从 ゚∀从
HP / D
strength / E
vitality / E
agility / C
MP / B
magic power / B
magic speed / B
magic registence / C
------------
-
乙
-
「ーー 以上が僕の話。 (´・ω・`)
長くなってすまなかったね」
ショボンが大きな溜め息をつくと、
山小屋の中は空気の鳴る音に満たされた。
組んでいた腕を離し、代わりに指を絡める。
_
( ゚∀゚) 「……」
ジョルジュは完全に聞き入っていたようだ。
当人の記憶の夢の後すぐに
こんな話を聞かされたからだろうか、
一点を見つめて動かない。
ショボンは何か声をかけようとしたが
考えをまとめる時間も必要だろうと思い、
彼の視線が揺れるのを黙って待っていた。
……だから、その沈黙を破ったのはもう一人。
今回の話が始まる直前にドアをぶち破り
乱入を果たした、遠慮知らずの狼藉者。
その細く長い腕が振られたかと思うと
パァン、と、掌から心地よい叩音を鳴らす。
ジョルジュの肩が跳ねる。
顔を上げてじとりとそちらを見るが、鳴らした本人はたいして気に止める様子もない。
気にするような人格でも無さそうではあるが。
-
川 ゚ -゚)「それでここに私を連れてきたのか」
(´・ω・`) 「途中で勝手に寄り道してたのはそっちでしょ」
川 ゚ -゚) 「…出逢ったばかりの相手に
妙に馴れ馴れしい口を利くんだな、お前は」
水の都に立ち寄った際、同じく出入り門で
追い返されていたのが彼女だった。
清く長い黒髪を隠しもせず、伸ばした背筋は神々しさすら感じさせる。
ーー だが初対面ではない。
クーとショボンは過去、既に出逢っている。
だが…
今の彼女はそれを憶えてはいなかった。
(´・ω・`) 「利害が一致してるんだから言いっこ無しだ。
僕の話もこれで終わったし、これからどうやって水の都を元に戻すか考えようよ」
-
ワカッテマスの遺した策略の一部であろう
都住人以外の締め出しは、他の地域からすれば大問題となりつつある。
すなわち
『証を持つ者だけを受け入れる永久中立国』
…こんなもの、皮肉にも程がある。
川 ゚ -゚) 「…まったく、なぜ私が追い出されなければならないんだ」
彼女をここに連れてきたのは、その問題を解決するに役立つであろう期待。
そして、もう一度……
ハインリッヒから承けた
たった一言を彼女に届けるために。
-
川 ゚ -゚) 「あの門番の顔は覚えた。
後で処罰してやりたいが……職務に忠実なのは誉めてやるべきか」
_
( ゚∀゚) 「……」
なぜ記憶を失っているのかは分からないが
ショボンの知る彼女は、聡明な大魔導士。
道の途中で何かに気をとられると、
すぐ横道に逸れるような行動を取る点を除けば、率直で嘘のない人物だとショボンは評価する。
ただし、
「水の都の女王である」
という彼女の言葉には強い驚きを受けた。
_
( ゚∀゚) 「都の住人すべてに配られたオーブ
…それをなんとかして手に入れるか?」
(´・ω・`) 「都市に入れなければ、都市から出てくる人もいないのに?
中立国ゆえの自給率の高さが、習慣的な商人の出入りも抑えてしまっているのが仇になってるね」
川 ゚ -゚) 「外部からの影響をなるべく受けないために、私がそうやって作り上げたのだから当然だ」
ε_ (´-ω-`;) 「…だから。
今はそれがまずかったんだってば」
-
過去を忘れた彼女は
どうやらまた懲りずに歴史へと介入していたらしい。
ショボンの驚きはそういう意味だ。
川 ゚ -゚) 「何を言うか。
真に責めるべきは、この事態を引き起こしたワカッテマス……あ、今はお前だったな」
_
(;゚∀゚) 「だから俺じゃないっての。 いや、
違わないけどさ…俺だけど俺じゃない」
川 ゚ -゚) 「お前を締め上げればソイツが出てくるんじゃないか?
そうでもなければ信用できないんだが」
_
(;o゚∀゚)o 「おーっとそこまでだ、危害を加えるなら反抗するぜ?
ただでさえ、そのしょぼくれから痛い目見させられてるんだからな」
彼女は……あの時も女王だった。
記憶がなくなれば、
人はまた同じことを繰り返すのかと。
そう、ショボンは思わずにはいられない。
-
(´・ω・`) 「真面目にやってくれるかな?
都を戻す手段を考えないと先に進まないんだけど」
彼女は一度裏切られた。
守ろうとしていた普通の人々に。
_
( ゚∀゚) 「あっ、そうだ! 土塊!
賢者フォックスに成り済ましてた泥人形が、
他にいるかもしれないんだよ」
川 ゚ -゚) 「フォックス…しくじったか?
それほど迂闊な奴では無いと思ったが」
そして今度もまた、
意図せず裏切られようとしている。
ワカッテマスという彼女のイレギュラーは、
歴史のイレギュラーと同義。
何かを作り上げるということは、歴史を作り上げるのと同じことだ。
人が誰かに声をかけて、
その誰かは人に触れて、
積み重なって創られるのが ーー 歴史。
ショボンが、兄者を通して
ブーンやツンと出逢ったように。
ジョルジュが、ツンを通して
ショボンと出逢ったように。
アサウルスを通して、
ハインからクーに、クーからワカッテマス、
ワカッテマスはジョルジュへと ーー。
ミルナやでぃも、
きっとどこかで誰かと繋がっていくのだ。
-
川 ゚ -゚) 「なんとかして王宮の侍女にでも接触できればいいのだがな…」
(´・ω・`) 「まがりなりにも女王なら、
いざという時の抜け道か何か、用意しなかったの? 」
川 ゚ -゚) 「内から外には出られるが逆は無い。
……というか、よくそういうのがあると判ったな?」
_
( ゚∀゚) 「……」
(;´・ω・`) 「…あのねえ」
穏やかだったはずの歴史が
時に酷く歪曲してしまうのは何故だろうか?
人の歩みが道となり、河となる。
人の寄り添いが森となり、空となる。
自然に生きるならば
人が傷付かなければならない理由など
見当たらないのに。
川 ゚ -゚) 「…」
_
( ゚∀゚) 「……」
川 ゚ -゚)「貴様、さっきから何を見ている?」
-
クーに当時の記憶が無かったのは
幸いなのかもしれない。
_
( ゚∀゚) 「…いい乳だ」
川 ゚ -゚) 「は?」
ジョルジュ…そしてワカッテマスの傷は、
少なくともクーに向けられない。
(´・ω・`) 「まさか……ジョルジュ、君は」
川# ゚ -゚)「さっきからそれを見てたのか?」
クーから、彼に向けて傷を抉ることもない。
_
( ゚∀゚)o彡゜ 「キレイなものは癒しだろ?
きっと君の胸は俺の運命の ーー」
川# ゚ -゚)つ 「…【フォース】」
-
ーー 傷痕を留める人数は
少ないほうがいい ーー
-
-
----------
ーー それはパラ…パラリと
少しずつ、確かに空から落ちてきた。
きっかけは一筋の黒き雷。
髪の上から感触を覚えるそれが、
自分のためにそぼ降っているわけではないことくらい、彼は重々知っている。
水面に浮かぶフェノメノンは
波紋として型どり広がりきる前に、
間断なく産まれる新しい波紋と、ぶつかり合って消えていく。
周囲には雨が降り始めていた。
( ゚д゚ ) 「……」
思い起こすのは、今朝の朝雲。
天気が下ることも、
いつもの日常であれば何事もない。
(# - )
-
いつもの日常であれば ーー
洗濯物を自室に干して、
湿気を利用して壁や床の汚れを拭き、
踏み均した絨毯の塵を取り除き、
外に出たがらない人々に頼まれれば
「わかった」と二つ返事で仕事を承ける。
(゚д゚ ) 「……」
そんな日常であれば ーー
作業を黙々とこなしているだけで時間は過ぎ
やがて暮れ往く夕日を眺めては
「また明日に」と身体を休める。
今日は記念すべき
彼にとって、そんな世界の終わりの日。
-
(; ゚д゚ ) 「これは……」
見上げれば。
巨躯を有する怪物 ーーアサウルスの石像が
ミルナとでぃの乗る舟と、三日月島との間に
途方ない大きさのアーチを遺している。
蔦が互いに絡み合うように
捻れた大蛇の幹と、
大輪を咲かせたかのように
捻れた触手の花が。
大木に太陽を乗せた石のオブジェクトとなって三日月島を大陸から隔離していた。
[この海、航るべからず]
そんな声がどこからか聴こえてきそうで、
ミルナは奥歯を強く噛む。
-
彼の傷痕は決して浅くはない。
しかし、自傷した心の爪跡ならば
やがて癒せる日がやってくるだろう。
対して、でぃの心の爪跡は
生々しく残ることとなる。
ーー ミルナは清算しなくてはならない。
( ゚д゚ ) 「ショボン…お前の」
舟の荷物のなかには
長刀と騎兵槍も共に乗せていた。
戒めのためか、感染した何かのせいか。
……そこに走り墜ちた黒い雷が
発光に紛れて騎兵槍の中へと消えたように、
ミルナにはそんな風に見えた。
ーー いや、むしろ紛れもなく。
-
(; ゚д゚ ) 「黒い ーー 槍…」
見間違いではない。
ショボンが握りしめ、持っていったはずの黒い槍がそもそも雨天の始まりを告げたのだ。
目の前と頭上を交互に見やるが、ショボン達は帰ってこない。
だんだんと、
視界を動かす比率も片寄り始める。
サイズとしては元来大きい得物の騎兵槍が
ミルナの目の前でメキメキと蠢きたつ。
金属で出来ていたはずの騎兵槍は、徐々にそのフォルムを増長。
少しずつ…少しずつ、
身長よりも少し大きい程度だった騎兵槍が、
アサウルスの願望により拡大膨張する。
内部に宿る黒い蟻、生まれたての命に似て。
-
…しかし、殻を破らんとするも力尽きたのか
ミルナが意を決してそれを握った瞬間、
騎兵槍はその動きを止めた。
( ゚д゚ ) 「…」
無音に感じられた世界に音が戻る。
ミルナは己の意識が周りの世界から離れていたのだと、そこで自覚した。
ーー それきりだ。
彼の前で
その騎兵槍が二度と蠢くことはない。
-
至り、彼にとってその黒い槍は、
傷痕を留めるアサウルスの欠片などではなく
友として過ごした記憶の中の
ショボンから与えられた激励へ姿を変える。
『ずっと見ているから』
たとえ欲からなる希望的観測だとしても、
彼からそう言われている気がした。
再会叶わぬ夢のために、
彼はその後の生涯を過ごす運命にある。
だからといって彼の魂が今、それを知り、
悲しみ…気力を失うことはない。
銷魂は、
前向きに生きる者を妨げられはしない。
-
今はまだミルナに無い勇気。
だが求めれば、
いつかはそれを得ることができる。
その命が永遠でなくとも、
次の瞬間、尽きる命だとしても。
( ゚д゚ ) 「この槍は…
いつか、いつか返しに行くからな」
無意識に丸くなっていた背中。
意識して筋を伸ばす。
顔を上げる。
島よりも遥かに広大な地平線が
弱い人間の歴史を受け止めるべく、出迎える
いつか胸を胸を張って
借りたものを返せるように。
限られた年月と魂が
弱き者を、強き者に変える為に。
(了)
-
これで今回の投下を終わります
投下中の支援ありがとうございました
途中ミスが目立ち、読みにくくなりました
すみません
誤字訂正もこのあと行います
(´・ω・`)ω・´): 傷痕留蟲アサウルス >>6
-
誤字について
申し訳がたちません、気を付けます
>>64
左上【48】はページカウントです
本来表示する必要はありませんでした
>>111
>続いて語られたこと驚きながら→×
続いて語られたことに驚きながら→○
>>148
>いつか胸を胸を張って→×
いつか胸を、胸を張って→○
-
乙でした
-
※千年の夢 年表※
------------------------------
-900年 ***********
→信仰の概念がうまれる
( ∵)は偶像生命体として同時に生誕。
-400年 ***********
→結婚(結魂)制度のはじまり
-350年 ***********
【ふたごじま】→魔導力の蔓延
-312年 ***********
【銷魂流虫アサウルス】→前半
→ "隕鉄" が世界に初めて存在する
-220年 ***********
【銷魂流虫アサウルス】→後半
【傷痕留蟲アサウルス】☆was added!
→騎兵槍と黒い槍が融合
-210年 ***********
→大陸内戦争勃発。
【帰ってきてね】→前半
-200年 ***********
【帰ってきてね】→後半
【死して屍拾うもの】
→ "赤い森の惨劇"
-195年 ***********
→大陸内戦争終了。
【はじめてのデザート】
-190年 ***********
【その価値を決めるのは貴方】
-180年 ***********
【老女の願い】→復興活動スタート
-
-150年 ***********
【老女の願い】→荒れ地に集落が出来る
→川 ゚ -゚) が二代目( ´∀`)に指輪依頼
-140年 ***********
【老女の願い】→老女は間もなく死亡
→指輪の暴走を美しい湖に封印。
-130年 ***********
【人形達のパレード】
【此処路にある】
→(´・ω・`)( ゚∀゚)川 ゚ -゚) 邂逅☆was added!
→二代目( ´∀`)死亡時期
-120年代 ***********
【命の矛盾】
-100年代 ***********
【繋がれた自由】
【遺されたもの】
→偽りの湖の封印が解かれる
【時の放浪者】
-40年代 ***********
【老女の願い】→集落→町になる
00年代 ***********
【老女の願い】→( ^ω^)が
官僚プギャー、炭鉱夫ギコに再会
-
★作中マップ
大陸戦争前
http://imefix.info/20140924/251211/rare.jpeg
大陸戦争後
http://imefix.info/20140924/251212/rare.jpeg
-
乙です ('A`)神出鬼没だな
-
大量投下おつ!!!!
クー記憶喪失なのかよとかこっからでぃ持ち直すのすげぇとか
なんかいろいろあるけどすげえおつ!ブーンさん強いっすね
ハイン気になるなードクオはもともと歪んでたのかこれから歪むのか
面白かったよ!
-
乙
過去未来が入り乱れて面白い
気になる要素がどんどん出てくるな
次回も楽しみにしてる
-
読む度謎が増えてくおつ
-
>>150に追加
>>132
>ーー だが初対面ではない→×
ーー 初対面ではない→○
推敲がきちんと出来てないのが恥ずかしい…
台風接近による頭の悪さということで御容赦願いたいほどに
-
そしていつも読レスありがとうございます
前スレを励みや支援で埋めてくれた方にも感謝します
今度から投下は晴天時のみにします
雨日は、推敲も投下もガタガタになってしまったので…
投下日時変更の際は当スレに書きますね
次回は幕間、または ('A`) のお話になります
よろしくお願いします
-
乙
ハインも気になるしドクオも気になる
話が投下される度に読み返すのおもしれ
黒い槍を3代目モナーが直そうとしてたけど大丈夫なのかな…
-
面白かった!でも携帯で読むとツンの口が化けてるんだよぅ…
-
皆さんいつも読レスありがとうございます
a ξ゚⊿゚)ξ
b ξ゚⊿゚)ξ
c ξ゚⊿゚)ξ
>>162
上記の三種ツンで文字化けしていないのってありますか?
前スレの途中まではaで書いていたのに
最近文字化け表示するようになって…
同じく困っています
-
自分はないな
2chMate 0.8.6/KYOCERA/KYY24/4.4.2/LR
-
これ読んでロスオデ買ったよ!楽しくプレイさせて貰ってるぜ!
iPhoneでBB2Cを使って見てるんだが、bだけが反映されないだけで文字化けはない
-
>>163
iPhone(BB2Cっていうアプリ)だけど、aとcはちゃんとなってる。bだけ化けてる。
-
なるほど、私は
2chMate 0.8.6/PANASONIC/102P/2.3.5/LR
の環境でいつも投下の際、aが化けはじめる→cに変えるけど次の投下で化ける→今回bでやりました
上のはbしかきちんと見れてませんが、単にしたらばの気紛れなのかな…
>>162さんもcで見れるなら、今後cで通してみます
>>165
おおー嬉しいw
好きな千年の夢が見つかった時は是非教えてください
-
>>162ですがaとcは大丈夫ですのぅ。環境によって見えたり化けたりとややこしいですなぁ…
-
やっと追いついた
不死者たちの戦闘の凄まじさに興奮した
アサウルス戦は映像で見たい熱さがある
-
昔 むかし ちいさな山のなかで
村の者が 誰も近付かないやうな
浅くて深ぁい 森のなかに
ひとりの若い山人が すんでおりました
-
その山人は 樹をきり 獣をかり
川みずをのんでは ねとこにつく
村の者も だぁれも 山人と
ろくに口も ききゃあしません
くるひも くるひも 山人はひとり……
-
なにせ山人を おとなは みていません
はてさて
在るのに居ないとは これ異かに
村のこどもが 胆をためそうと
山にたちいると 顔をみたといいます
ですが おとなが覗きにいくと
どこを歩いても いつ歩いても
切りたおされた樹ぃや
獣をめしたあとが のこるばかり
ときに村をあらす 妖怪のほねばかり
-
おお、きてる!支援
-
はじめこそ これはたたりだ
いやさ 山のかみのいたずらだ と
うわさしていた村のひとびとも
《かみさまが獣をよく喰ふまいよ》
といふ誰かのことばに うなずいて
てっきり村の者たちは
山人がてまえかってに すみついたんだ
……そう思ふことにしたそうな
-
おとなの心配をよそに 子はあつまり
山人のところへ あそびにいくといふ
《山人あめたべた》 《山人にくとった》
《山人うたぅた》
どうやら害はなかろうと おとなも
《あぶないことはするでないよ》
と声かけるに とどまっておりました
-
そんなある日 村のかわ上のほうがくで
おおきな おおきな おぉーきな
太陽をさえぎるほど おおきな太陽が
よるをひき連れて 山にふってきます
空をさいて 山をにじり 海をあらします
おとなは残った子らをひっぱって
《もうだめだぁ このよはおわりだあ》
はばからず 泣いて
ただ ただ うずくまっていました
-
( ^ω^)千年の夢のようです
- 東方不死 -
-
美しいものには棘がある。
華は寒暖から身を防ぐために棘を持ち、
明確な敵意をもったものに対して、その棘を剥き出しにする。
だが、それは人が後世に作りあげた空想だ。
本来の目的は違う。
己の力だけでは成長できないその華は、
寄り添った別の花に棘を巻き付けながら、利己的に生き永らえるためその棘を持つのだ。
巻き付かれた花は傷付き倒れ、
それを糧にして華はより強く、大きくなる。
<ヽ`∀´>
今日も一人、
そんな華の前にのこのこと現れた。
-
<ヽ`∀´> 「…御師が言っていたのはここニダね」
背中に巨大な太極図…陰陽印を背負うのは
大柄だが、見た目より柔らかな物腰の男。
辺りを支配する月と宵闇。
肌寒い秋夜に都合の良い厚手の和装。
口の広がった袖を、胸元に絡ませながら
正面に見据えるのは…古くより現存する湖。
<ヽ`∀´> 「見た目は綺麗な湖ニダが…」
-
約10年 ──。
この湖が大陸の闇と囁かれ始めてから
それだけの月日が流れていた。
数多の白魔導士が原因を調査してきたが
未だ解明と解決には至らない。
底深くにある何か…。
その存在が年々、力を増しては
解呪に挑む者の精神を崩壊させるケースも珍しくない。
観光地として身を休める旅人の憩いの場は
過去に "美しい湖" として名を馳せていた。
今では、その外観から似つかわしくない
曰く付きの場所として、人々から
── "偽りの湖" と呼ばれている。
-
<ヽ`∀´> 「こうも広いと、ウリだけの力でなんとかできるような結界は張り切れないニダ」
呟きながら、男…ニダーは
風のない湖の周りを一周しながらも、ある方角に集中させるように短かな鉄串を立てていく。
歩いてはざくり、歩いてはざくり、と……
男の何気無い動作は、大地の点穴を的確に刺していった。
峨嵋刺と呼ばれるその串は、両端が鋭く研ぎ澄まされた、東方に伝わる隠し武器の一つ。
島国のお伽噺話では頻繁に目にする鬼……
そして女性が心に秘め持つ鬼の角…
その角をモチーフとして製造された、文字通りの "暗鬼" 。
<ヽ`∀´> 「解呪ではなく、まずは惡氣点をずらして端に寄せてみよう。
攻か、防か……御師には攻であれと教わってはいるニダが」
-
ニダーは峨嵋刺で構築した場から離れると、
月を見上げ、影を見下ろした。
師から伝授されし風水術。
星や天地に備わる魔導力を借りることの出来る東方の魔法を、彼は行使する。
計り終えた立ち位置の上、
風も吹かないのに背中の太極図がなびいた。
<ヽ`∀´> 「北東鬼門に穴は開けた。
どれだけ強大な穢れなのか…ウリも確かめてみるニダ」
静かな湖畔に風が舞う……
大きくなるざわめきは歪な水面が起こす波。
波長どころか基の性質のまったく異なる二つの魔導力は、ぶつかり合わず、
湖を型どる蒼を湾曲させながら割った。
<ヽ`∀´> 「…」
だが……それだけだ。
-
鬼門に流れゆく穢れは水と油のように。
彼の魔法と交わらないまま重心を傾けて、いまだ水面を制圧している。
ニダーは湖の底を覗いてみるが、さしたる発見もなく、次の動向を迫られた。
<ヽ`∀´> 「…重いけど、激しくはない。
まさか何もないはずは無いが …」
<ヽ`∀´> 「……ニダ」
そして己が感じ取ったものを優先する。
だがそこには、
誰が、いつ、湖に何をしたのか……
解呪の詳細は引き継がれていない。
それを取りまとめる国という機関はあれど、
現在はその機能を著しく停止している。
<ヽ`∀´> 「【デスペル】!」
それがニダーの仇となった。
せめて流れを寄せず、最初から解呪の魔法を放っていれば……
反動で押し寄せる穢れた津波が、その身に降りかかることもなかった。
-
── 眼前、鼻先。
<ヽ;゚∀゚> 「イ、イゴムォーーっ?!」
迫る手のひらの影。 うねる亡者の腕。
人ひとりを事も無げに握り潰せるほどの巨大さは、その圧力だけでニダーを後退らせた。
瀬戸際で接触を防いだのは両手に添えた双峨嵋刺。
加えて皮肉にも ──
今も継続する、鬼門点穴による引き寄せがなければ間に合わなかっただろう。
<ヽ;゚∀゚> 「ぐっ……ぎぎ!」
【デスペル】は風水魔法ではない。
彼の魔導力に吸い寄せられた湖の穢れは
目の前にぶら下げられた魔導力を【ドレイン】すべく、ニダーもろとも握り潰そうとする。
嵐吹き荒ぶかのように揺れる水面が、湖の体裁を保たなくなりつつある。
<ヽ; >∀゚> 「〜〜っ! こんなの聞いてないニダ!!」
ニダーの魔導力が光の粒となって湖の中に吸い込まれ、溶けていく。
偽っているのは見た目だけではない…
内包する穢れも、
秘める禍々しさも、
湖はもはや一介の人間が手を出せるような代物ではなくなっていた。
命を危機に晒されて始めて気が付く彼の思惑、そして自惚れた我が心。
-
『ニダー、俺達には時間がない。
お前なら間違いないからこそ頼む』
『何でも良い……人や獣を吸い込むという
魔の湖からその秘密を暴いて、収穫があれば持って帰ってきてくれ』
師の言葉が脳裏によぎる。
あの時、浮かんだ疑問を口にしていれば今頃どうなっただろう。
不出来な弟子と罵られながら過ごした修行時代を思い出し、反骨精神を奮い起たせる。
<ヽ;゚∀´> 「……ぐぎぎ」
ニダーも、この湖のことをまったく知らなかったわけではない。
周辺の生態系が緩慢ながら崩されてきたことくらいなら、大陸の行く先々で耳にしていた。
しかし彼の生まれる以前から、
果敢な戦士として…そして風水の使い手として活躍してきた師からの懇願が、
まだ若いニダーの心にどこか驕りを付けた。
<ヽ;゚∀´> 「…?!」
その時、湖の水面に浮かび上がる固形物。
── まだ闇を秘めているのかと、膠着状態ながら警戒を強める。
カチカチと震える双峨嵋刺を持つ腕の中、ぼんやりと考えるニダーではあったが
一方で冷静な思考が、固形物の正体を見極めようと努めていた。
時にそれは生死を分かつ "未練、執着" とも呼ばれるのかもしれない。
<ヽ;゚∀´> 「……あれは」
脳の処理速度だけが加速した世界で、捉えた輪郭が告げる見知った正体。
人の形。 その方角、南西裏鬼門。
-
一度発動した魔導力は継続してその効果を発揮しない。
少しずつデスペルの効力が薄まると共に、
亡者の腕が興味を失い、ニダーへの強襲は力を失っていく。
反して手伝うように、
継続して穢れを吸い寄せる風水魔法が、亡者の芯を向こう側へと引きずり込む。
<ヽ;゚∀´> 「っオ!」
ニダーは好機とみるや一歩下がると同時、素早く腕を振り上げた。
袖口から飛び出す複数本の峨嵋刺が、
その固形物の横をすり抜け ──巻く。
<ヽ;゚∀゚> ( 間に合えっ!)
人がいるとなれば放っておけなかった ──そこに師の言葉など関係ない。
そのまま勢いを殺さず、ニダーは更に大きく飛び退いた。
キリキリと袖先で鳴る音は、嘶く亡者の声にかき消える。
転がり離れる身体が砂を絡めて汚れていく。
受け身をとる余裕もなかった。
ひたすらに…、その場から逃れる。
── ォォン… ── ォォン…
── オ オ ン …
あとに残るは
耳にこびりついた呻き声だけ…。
-
やがて鎮まりかえった偽りの湖…。
<??;゚∀゚> 「ハアーッ、ハアーッ…」
自由を取り戻した身体とは対照的に、心は得たいの知れぬ何かに縛られる。
ニダーは恐ろしかった。
これは単純な死の恐怖とは違う。
道半ばの魂を…自分という個を吸い取る、ただそれだけのために存在する亡者が……
手のひらの影が己を食むかのように
ばっくりと開かれていたのを、目の当りにしたあの瞬間が。
口内に溜まった唾液を呑み込もうとして…
しかし拒絶を表した喉頭によって反流し、無様に咳き込んでしまう。
-
<ヽ;`∀´> 、「けほっ…げほっ……」
何の目的かは知らないが…もし元凶がどこかにいるならば責任を取らせたい。
赤の他人がこんなものに関わるべきではなかった…と、ニダーはそう胸中で毒づいた。
こんなところに送り出した師への憤りも少なからずあるが。
<ヽ`∀´> 「── はぁ」
しばしの間、彼は片膝をつき、荒れた呼吸が整い終わると顔をあげた。
辿る視線は、袖口から繋がる炭素鋼に巻き付く人間。
結わく峨嵋刺が尾となり、回収を為したのだが……
<ヽ;`∀´> 「…何ニダ?」
炭素鋼に食い込む腕がピクピクと、筋肉の収縮を伝え抗う。
── 生きている。
あの穢れた湖に沈んでいたはずなのに?
ニダーは恐る恐る、うつ伏せているその人間の顔を覗き込んだ。
-
「…ふひ、ひ」( ∀`)
砂に埋まるべたべたの横顔から、
邪に尖る奥歯を見せつけて
"ポイズン" は嘲った。
-
------------
〜now roading〜
('A`)
HP / F >> C
strength / D
vitality / A
agility / A
MP / C
magic power / B
magic speed / C
magic registence / A
------------
-
ギュルギュルと響く機械音…。
末端のネジ一本からエンジンに至るまで。
街道を走る小型電動貨車が、土埃を舞わせながら木々をすり抜け駆けて往く。
固い土を踏みつけるたびに沈む車体。
しかし中にある運転座席や、後部荷台を思うほど揺らすことはなかった。
大陸戦争にも利用された運搬車ではあるが、その全てを廃棄されることは少ない。
むしろ堂々と現存しながら、この時代の人々の暮らしに役立てられている。
('A`)「…」
<ヽ`∀´> 「……」
広い荷台にはたった二人。
砂を払い切り、汚れの目立たなくなった服の上から、白く襟の立った上着を羽織ったニダー。
背中の太極図は一回り大きく見えるが表情は俯き、暗い。
そして乾きつつあるもののボロボロの黒い防弾衣に、炭素鋼と峨嵋刺で両腕ごと縛られたポイズン。
空を仰ぐ視線、口許は貼り付けたような薄ら笑い。
一見真逆に見える彼らに共通しているのは、濁った瞳。
-
('A`)「…なぁ?」
沈黙が支配する空間で、先に口を開いたのはポイズンだ。
当然ながら…なんとなく気まずいなどといったくだらない理由からではない。
('A`)「いい加減なにか喋れよ。 お前の名前でもなんでもいいから」
ふひひ、と洩らしながら命令口調でニダーに声をかける。
興味があるなどというくだらない理由からでもない。
<ヽ`∀´> 「…ニダー」
('A`)「よぉ〜やく喋ったか。 なにセンチしてんだか」
<ヽ`∀´> 「君には関係ないニダよ」
それだけ答えてニダーはまた俯く。
窓はなく、四隅に備えられた仄かな光源だけが、閉鎖的な荷台の二人をじっと見下ろしていた。
-
('A`)「……」
('A`)「ふひ」
ポイズンは笑う。
自分の状況にさして頓着せず、なぜ緊縛されているのかも、この電動貨車の行き先にも興味がない。
ただ直感だけ。
この後はお愉しみな出来事がきっとあると。
無為自然に過ごしていれば、いつも自分の元には愉快な奴が現れる。
自分はそういう世界にいるのだ。
この腐れた脳みそを使うのはその時で良い。
策士は策に溺れる。
臆病者は想い出に縛られる。
弱者は起きてもいないことを不安がる。
……なんと揃いも揃って馬鹿ばかり。
そんな愚かしいことは一切する理由がない。
死なばもろとも消えてゆくのだから。
── たとえ不死であろうと。
久し振りの揺れに車酔いしたわけでもないだろうが、ポイズンはどこか鬱陶しげに壁に寄り掛かると、冷えた感触がこめかみから伝えられる。
それは彼にとって思いのほか心地好かった。
( A` )「……タバコある? ひひっ」
-
<ヽ`∀´> 「…ここは火気厳禁ニダ」
( A` )「ぁーそー」
「ツマンネ」と吐き捨てるポイズンの横顔を見て、ニダーは少しだけ探りをいれた。
<ヽ`∀´> 「なんで湖の中にいたニダ?」
('A`)「君には関係ないズラよ」
<ヽ#`∀´> 「…」
('A`)「怒んなよ、ジョーダンじょーだん」
('A`)「まあ寒中水泳ってやつだ」
垂れ下がった目尻でヘラヘラとしたその調子は、何か隠しているようにも見える。
そんなポイズンを凝視して、一言──
<ヽ`∀´> 「… "長寿の法" 」
('A`)「はあ?」
<ヽ`∀´>「……いや、なんでもないニダ」
…どうやら投げ掛けた単語はかすりもしなかったらしい。
ポイズンの表情は微動だにしなかった。
その後は少しだけ雑談を試みるも、さしたる情報すら得られそうもないまま時間は過ぎていく。
<ヽ`∀´> 「……」
どうしたものかと、ニダーの思考は貨車の外へと浮かんで、そのまま消えてしまった……。
-
数日後、電動貨車から降ろされた山中のとある屋形の前。
「お帰りなさいませ、ニダー殿」
出迎えた剣士達は一様に脇差しを携え、先に歩くニダーを一瞥すると道を開ける。
葉を少なくした大木の下にはその場に不釣り合いな些か仰々しい機械類が置かれているものの、ポイズンの関心は別のところにあった。
('A`)「…サクラか」ボソッ
<ヽ`∀´> 「こっちに来るニダよ」
ニダーにそう誘われるも、二本の足をすぐには動かさない。
辺りを囲む剣士から刀の柄で背中を押され、やっと身体を揺らして歩きだした。
両腕は解放されなかった。
屋形内を回り込むように続く長廊下から見えるのは、やはり庭先に咲くサクラの花…。
天道虫が非力な羽を休めている。
<ヽ`∀´> 「サクラを知ってるニダね」
('A`)「……?」
('A`)「なんだ、そりゃあ」
今度はキョトンとした顔でニダーの顔を見返す。
ポイズンの反応の違いに対して、訝し気に首を捻りながらもニダーはそれ以上話し掛けなかった。
-
「ご苦労だったな、ニダー」
長廊下の角を曲がると、新たに続く直線の中腹で、白い髭を蓄えた背の高い老人が腕を組んでいるのが見える。
<ヽ`∀´> 「御師様、戻りました」
( `"ハ´) 「応。 収穫物は…そいつか」
('A`)「ぉ〜コイツがお前の言ってた師匠ってやつか」
(`"ハ´ ) ギロリ
── その老人。
かつてこの地域を取りまとめていたバルケン公を成敗し、その後の安寧を作り直すに貢献した一人。
<ヽ`∀´> 「ニダ……あの、御師さ ──」
( `"ハ´) 「3つ目に入れ、彼がお待ちアル。
2、1、1、1、5」
<ヽ`∀´> 「……」
言い切り顎をしゃくると、それきりシナーは無表情のまま廊下の柱に寄り掛かった。
齢にして90を超えたシナーから、孫ほどに歳の離れた弟子であるニダーの会話はそれで終わる。
…労いの言葉はない。
身を案ずる様子もない。
ポイズンを収穫物と言ってのけたことに対する、ニダーの疑問もかき消される。
眼をつむり、弟子の顔を見るまでもなく、シナーはじっとして動かない。
-
しえん
-
廊下に面した襖部屋を開け進んでいく。
('A`)「おめーバカにされてんじゃあねえか。 あ?」
<ヽ`∀´> 「……」
ニダーは応えない。
ただ無造作に襖を引き、ポイズンを先に進ませてから自分が入るという動作を繰り返す。
('A`)「…ぁ、図星だったか? ごめんなぁ、ふひひ!」
♪〜 ('A`)「弟子なんだろ、いつかは師匠なんて越えるもんだぜ」
ポイズンは流暢に言葉を続ける。
ニダーはそんな彼を相手にしない。
('A`)「少なくとも俺には師弟愛だのどーだのは感じなかったけどな」
<ヽ`∀´> 「…もうすぐ着くニダ」
('A`)「……。 ふひひ」
('A`)「…殺しちゃえよ」
-
何度も明け開いた襖の向こう…
物理法則に沿わない方角へと続く廊下の先に、垂れ幕で区切られた大部屋が鎮座する。
ニダーが「失礼します」と一声かけると、張りのない、短い返事が咳き込む音に混じって返ってきた。
(-@"∀@) 「ご苦労だったねえ」
<ヽ`∀´> 「ご気分はいかがニダ?」
(-@"∀@) 「良くは、ない」
ごっぷごっぷと、耳障りに痰の絡む濁音が広間に響く。
シワだらけの老人…アサピーはしばらくの間、喋ることもできず生理現象と争っている。
(-@"ц@) 「ぐぅ〜、ごけぇッ!」
(-@"∀@) 「…ぺっ! ……ぅー…。」
('A`)「…」
('A`)「ジジイ、うるせえぞ」
<ヽ;`∀´> 「こら! 控えるニダよ!」
(-@"∀@) 「よい…。 ングッ 私ですら同じ思いなのだからな」
若々しかった過去の姿は無く…
もはや墓の前にたつ骨と皮の残骸は、ポイズンの言葉にも動じる様子はない。
-
(-@"∀@) 「……君が、湖から引き揚げられた者か」
(-@"ц@)',: 「そうか…聞いた通り ──ゴッホ!」
(;'A`)「きったねえーなあ〜」
(-@"∀@) 「……ぐっぐっぐ…」
眼鏡の奥から鋭い眼光が射す。
隠さず咽が鳴った。
── ついに求めていたものを目の前にしたかのように。
(-@"∀@) 「ニダー、君はもう下がってよい」
<ヽ`∀´> 「…は」
(-@"∀@) 「シナー、連れていきなさい」
('A`) ハ ´) 「応」
いつのまにか、ポイズンの背後には老戦士シナーの姿。
ド
ス
ッ
!
直後、後頭部に貫く痛みが走る。
──尺半ばまで刺さった峨嵋刺。
そこでポイズンの意識はぶっつりと ──…… ..
-
-
《山人、どこや?》
(推奨BGM:A Return, Indeed... (Piano) )
http://www.youtube.com/watch?v=jPT4hh9BesE&sns=em
-
----------
《山人ー!》やまひとー
《相手せいー!》
あいてせいー
……静かな森の山に響き渡るのは、まだ澄んだ…誰かを呼ぶ声。
キンキンと高い音波が山の空気と起伏に反射し、無遠慮に木霊する。
風の弱い日はいつもこうだった。
島国であるこの土地には湿気が多く、僅かな冷涼を求めて日陰に身を潜める習慣がある。
だが彼が住み着いてからというもの。
もののついでと言わんばかりに、飽きもせず彼を捜し回る遊戯が流行ってしまったらしい。
歳を取ればくだらないことも、幼な子にとってみれば新鮮で好奇心を満たす、悦ばしい日々の出来事なのだろう。
-
《山人ー!》 や
まひと
《どこじゃー?》ど
こ
じ
ゃ
彼を求め、見えぬ手は鳴り止まない。
この遊戯は男を見つけるまで続けられる。
島国には四季があり、人が万年過ごしやすい環境とはお世辞にもいえない。
変化に耐えきれず身体に異変をきたす者や、不幸に見舞われ、一年を憂鬱に思い起こさせる時季が必ずやって来ることを嘆く者も在る。
風暖かく、
しかし大陸から病を運んでくる春。
陽強く、
しかし恵みをより引き立たせる夏。
想い猛り、
しかし決して叶えることのない秋。
白雪舞う、
しかし魂を誘っては永遠をよぶ冬。
-
彼が此処に辿り着いたのは遥か遠い冬。
今でも目をつむれば、白い結晶が溶けて赤く染まるような…傷付き疲れ果てた身体を引き摺っていたことを思い出す。
その時、山の麓の童に姿を見られたのが運のつきだった。
いくら施しを拒絶しても言葉は通じず、まるで自分勝手に振る舞う年端もいかぬ童たちは、彼の面倒を見る代わりにあることをねだった。
《山人、うたうとぅてくれ》
この島国では唄に特別な想いを注ぐという。
── 悦びも、哀しみも。
── 怒りも、愉しみも。
言霊を詠んではころころと、目まぐるしく表情を取り替えていく。 それはまるでこの島の四季のようだと…根負けした彼は思った。
-
《きゃはは》ゃはは
《へたくそ!》たくそ!
《真面目にやってえ》ってえ
彼には唄の才能がなく、なんど月を見送っても、いくら陽が暮れようとも、みなの好奇心を満足させることは出来なかった。
そのたびに『もうやめだ』と彼が言っても、童たちの大合唱によって拒否を遮られる。
彼には注ぐ心がないのだと、みなが言う。
彼も否定しなかった。
注ぐものがなければ唄は吟えないのなら、きっと己れはそうなのだと。 だからもう諦めろと。
《山人げんきだせ》
差し出されたのは一粒の飴…。
"白い花" と呼ばれたそれを、男は戸惑いながらも受け取った。 だが検討違いの慰めに、
『己れは何も落ち込んじゃあいない』と否定する。
《さぁさ 山人あいてせい》てせい
-
ある日のこと、童の一人が尋ねた。
《山人はなにがすきだ?》
…好きなものなんてない。
《愉しいことすきか?》
…愉しいことなんてない。
《嬉しいことすきか?》
……嬉しいと、思ったことがない。
《怒ったりするのか?》
怒るほど誰かに期待しちゃあいない……。
《そんなの哀しくないか》
……。 そんな風に考えたこともないな。
-
彼は自分に嘘はつかなかった。
長い月日のなか他人を欺くのは、正体を隠し、退屈を紛らわせるためだったが、自分自身を偽ったところでなんの意味もない。
無駄なことは好きだが、無意味なことには無関心。 そうやって長い間、気の遠くなるほど間延びした命を淡々と享受した。
この島国に来た理由を忘却し、ひたすらに生きる無意味さを、退屈しのぎによってまた忘却する……。
いつしか彼はその存在意義をも深淵に沈ませ、宙ぶらりと世界を漂うようになってしまった。
長い時間を生き過ぎた。 人が人としてもつべき心は…もう渇き切ったのではないか。
風が吹けばカサカサと崩れてしまう。
水を与えても吸い込む前にむせて吐き出してしまう。
土に還したくても周りと交ざり合うことが出来ない。
ならばいっそのこと燃やしてしまえばいい。
いたずらに摩擦を起こし、生命が命足るに必要不可欠な酸素という名の魂の血路を奪い、時には彼自身も火種の泥を被ってゆく。
-
《山人おるかー》るかー
《山人うたつくってきたぞぅ》ぞぅ
……今日もまた、山のなかに。 麓に住む童たちが彼を捜し回る声がする。
《山人もこれならうたえるな》
《山人はてがかかるな》
不死でも腹は減る。 男はやはり退屈しのぎに頭を割った獣のにくをたべながら、遠くて近いその音に、ただ静かに聞き耳をたてた…。
《山人みぃつけたー》
つけたー
-
-
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《ヒタ… ヒタ…》
('A`)「…」
《ヒタ… ヒタ…》
ポイズンが目覚めると途端に、すえた匂いが湿り気を帯びて鼻をつく。
体機能が動き始め、ただでさえ細い瞼を更に薄めて開いた。
《ヒタ… ヒタ…》
── 四角い部屋だった。
暗く、飾り気どころか生活感もない…いや、目が慣れてくると、そこはむしろ人がおおよそ生活出来ないような空間であることが分かってくる。
《ヒタ… ヒタ…》
冷えた人工石の感触が背中一面に広がる。
窓は一つもなく、天井は低い。
真っ暗闇にならないのはいたるところに生えた苔のおかげか……だが、それも淡く弱々しい。
どこからか水の滴る音がすると、悪ふざけのように幾度となく反響した。
耳の奥から脳に向けて潜り込んでくる不快感が、ますます時間隔を狂わせる。
《ヒタ… ヒタ…》
-
('A`)「…チッ」
《ヒタ… ヒタ…》
身を起こそうとしたが動かない。
両腕両足に枷が嵌められ、床の蝶番へとリングによって繋がれている。
《ヒタ… ヒタ…》
('A`)
《ヒタ… ヒタ…》
('A`)「…」
《ヒタ… ヒタ…》
ポイズンは聴覚を研ぎ澄ませた。
……しかし水滴の反響によって邪魔されるのか、部屋の外の音を拾うことができない。
床に耳をつけても地響きすらない。
…その違和感。
《ヒタ… ヒタ…》
('A`)「…臭ぇなあ」
ポイズンは耳がいい。
自分に聴こえないならば、ここはどこか離れた場所にあるのだろうと推測する。
たとえば…
上下階層もなく、左右区域もないような。
生物の通る空洞も、川や水の通る道すらも ──
('A`)「水」
-
はたと違和感の正体を掴み掛ける。
建築物は必ず大地からはじまり各々を接触させている。
地下室であろうと屋上であろうと。
土から台が立ち、台は骨を組み、骨は肉をつけ、肉は皮を纏う。
そのいずれにも音は波長振動として伝わるものだ…伝わる面が大きければ大きいほど
防音対策による間接材や壁の厚みは、集中するポイズンの聴覚には意味をなさない。
('A`)「……なんで水が滴ってんだ?」
さながら雲から放たれる孤独の雨粒のようだった。
空に見放され、辿り着く先で瞬く間にその存在を消していくように。
ぶつ切りの訪れと終わりに、ポイズンの勘はよく働いた。
-
跡絶える部屋の音…
2、1、1、1、5…
突如出現したシナー…
('A`)「…」
理屈は必要ない。 結果だけで充分だ。
ここは "空間が切り離される" ──。
数字は恐らくあの襖を開けた順番だろう。
その分け断たれた空間にもやがて来訪者がやってくる。
ギギイイと重苦しい錆音の隙間から、明るい空気と光源が入り込んだ。
ポイズンの片眼が反射的に閉じられる。
残り開く眼には…膝下まで隠す長いコート。
( <●><●>) 「……お目覚めですか?」
('A`)「てめーか」
あの時、偽りの湖へと共に沈んだ土塊。
後光射す佇まい…その身影から浮き上がる眼闇は、もともと特徴深かった黒を一層濃くしている気がする。
なによりも…纏う魔導力が土塊らしくない。
研究場でポイズンが身に付けた、本物のワカッテマスと同等同質か ──それ以上に感じられた。
-
('A`)「なんでここにいるんだあ?」
( <●><●>) 「…」
無言。
出入り口はいつのまにか閉められていた。
小さな段差を歩く時も、こちらに向かってくる時も、滑るようにワカッテマスは移動する。
コートの裾から見える硬そうなロングノーズブーツさえ無音を奏でた。
その不気味さが…かつて土塊だったワカッテマスの変化を薄々ながら明瞭に、ポイズンの勘を刺激する。
( <●><●>) 「……偽りの湖ではお世話になりました」
('A`)「…」
( <●><●>) 「水の都は貴方……ではないことはわかってます。
ですから不問としますよ」
('A`)「……都??」
( <●><●>) 「憶えていませんか?」
( <▲><●>) 「…貴方のそれ… "虫喰い" ですね」
-
('A`)
('A`)「…ぁ……?」
ポイズンにしては珍しく、演技でなく言い淀んだ。
( <▲><●>) 「…フフ」
なぜ目の前で自分を見下ろすワカッテマスが、それを知っているのか? ……と。
ポイズンは死ぬと記憶が途切れる。
途切れ方は様々であり、直前のことは憶えていても、それ以前のことを穴が開くように忘れる状態を彼は "虫喰い" と呼んだ。
だが誰かに教えるようなことは有り得ない。 そこに記憶の有無はまったく関係ない。
そもそもポイズンの中でしか定義付けしていないのだから。
( <●><●>) 「まあいいでしょう。
さっそく、戴きますよ」
('A`)「? 何を《ズ
ボ ッ !》
言葉を待たず、ワカッテマスの腕が振るわれる。
…素早い動きだった。
ポイズンが不意に銃斧を構え、トリガーを弾くのと同じくらいに。
(; 'A`)、"; 「── がはっ!!」
-
喉から込み上げてきた衝動に打ち克てず、天井に向けて血液をぶちまける。
…ポイズンが思うよりその量は多く、だが考えていたよりは飛ばなかったらしい。
痛みは耳鳴りを鷲掴んで遅れてやってきた。
О" ( <●><●>)
щ 「……まず一つ」
手鞠のように弄ぶのは優越感か。
ワカッテマスの手の中には小さく紅い臓器。
病的に痩せた指の一本一本から、研いだナイフのような鋭利な爪が主張している。
( <●><●>) 「…二つめ」
ポイズンがなにかを言う前に、次の手が皮膚を貫いて、先と似た大きさの内蔵を引き千切った。
耳の奥でブチブA ゚)
(。Aチ
ブ
チィッ ──と、
視界明滅暗転不協和音
ハ シ ヲ成ス。
|
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