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( ^ω^)百物語のようです2014( ω )
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( ^ω^)おいすー。今年も百物語の季節がやってきたおね。
( ^ω^)ここは百物語専用スレだお。開催日まではルール確認や質問等、自由に使って欲しいお。
・開催日は八月八日(金)から八月十七日(日)まで
※ただし投下できるのは八日〜十日と十五日〜十七日の金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可。
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。もちろんVIPに建てるのもOK。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
過去の百物語のまとめ
( ^ω^) ブーン系図書館主催・百物語のようです ( ω )
http://iroirotunpeni.blog11.fc2.com/blog-entry-521.html
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://boonbunmaru.web.fc2.com/collaboration/dreadful_story/dreadful_story.htm
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-755.html
( ω )なお、こちらは何があっても責任は負いませんので、自己責任での投下、閲覧をお願いいたしますお
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ごめん
リロードしてなかった
改めて投下する 許してくだせぇ
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ミセ;゚ー゚)リ「きゃあ!?」
なになになになに、気持ち悪い気持ち悪い!
何なの、今のページは…ページにビッシリと『正』の字が…!
「ミセリ」
ミセ;゚ー゚)リ「!!!」
後ろから、お兄ちゃんの優しい声がした。久々に名前を呼ばれた気がした。
だって、お兄ちゃんは私が嫌がることは絶対にしないから、私がお兄ちゃんを避け始めたその日から声をかけてくることはなかったのだから。
その優しい声は、今見た物は悪夢が見せた産物だったのかもしれないと思わせてくる
昔はねれない時、私が寝るまでお兄ちゃんは絵本読んでくれたことを思い出す
お兄ちゃんの声は、私の心をなだめてくれる。
でも、今は違う。振り向くことさえできない。声も、出せない。動悸もとまらない。
-
「おや、部屋中ガラスまみれじゃないか。額を割ってしまったんだね、怪我はないかい?」
お兄ちゃんの私への接し方は、私がお兄ちゃんを大好きだった時のまま止まっているかのようで。
ミセ;゚ー゚)リ「…うん、大丈夫」
「あぁ、それは良かった」
何年振りかの会話をして、私はお兄ちゃんとどうして今まで仲良くしてこなかったのだろうと後悔した。
だってお兄ちゃんはニコニコしていつも優しくて
( ゚д゚ )「ところでミセリ、その可愛いノート、何か書いてあった?」
こんなふうに無表情で、妹の首を締めるような人じゃなかったハズなのに。
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ギュウギュウと首に力が加えられていく
ミセ;ー;)リ「ごめんなさ、お兄ちゃ…!」
( ゚д゚ )「謝る必要はないよ、ミセリ。俺は貸しを返してもらえればいいんだから」
ミセ*;ー;)リ「貸しって…?」
お兄ちゃんの力は、だんだんと強くなってきていた
( ゚д゚ )「今まであげたケーキ分、ゲームやオモチャを壊しても許してあげた分とか…」
ミセ;ー;)リ「ケーキも、ゲームもっ…弁償す、るから…」
意識が段々と途切れ途切れになってきた、あぁ、これは本当に…
( ゚д゚ )「……本当は、そんなのどうでもいいんだけどね。幼稚園の時、ミセリが僕とした約束を破ったからいけないんだよ?」
ミセ;ー;)リ「やく、そく……?」
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ミセ*゚ー゚)リ『おにいちゃん、これ、かいたの、あげる』
( ;゚д゚ )『なにこれ、俺?似てないな』
ミセ*゚ー゚)リ『だってニコニコのおにいちゃん、みたことなかったから』
( ゚д゚ )『想像で書いたってことね』
ミセ*゚ー゚)リ『おにいちゃんも、この絵みたいにいつもニコニコしてくれたら、ミセリも…モゴモゴ』
( ゚д゚ )『なんだよ、もごもご言ってたら分からないよ』
ミセ*゚ー゚)リ『だーかーら、この絵みたいにえがおだったら、ミセリ、おにいちゃんだいすきになるのに!』
( ゚д゚ )『……ふーん』
ミセ#゚ー゚)リ『ふーん、ってなにそれ!ひどい!』
( ゚д゚ )『いや、大好きになってくれるの?いつも怖がって近付かないくせに?』
ミセ*゚ー゚)リ『なるよ!』
( ゚д゚ )『…わかった、じゃあいつでもどんな時でもニコニコしてあげるよ』
ミセ*^ー^)リ『わーい!やったやったー!』
( ゚д゚ )『これはギブアンドテイクだからな、ミセリ』
ミセ;*゚ー゚)リ『おにいちゃん、あたまいいからってむずかしいこといわないでよー』
( ゚д゚ )『まぁ、つまり、これは契約として成り立っているってことだ。俺はニコニコして優しいお兄ちゃんになってやる、その代わりミセリはいつまでも俺のこと好きでいるんだぞ?いいな?』
ミセ*゚ー゚)リ『うん、いいよー』
-
( ゚д゚ )『もし、ミセリが約束を破ったら…』
ミセ*゚ー゚)リ『やぶったら?』
( ゚д゚ )『俺以外、ミセリを愛せないようにしちゃうよ?』
ミセ*゚ー゚)リ『なにそれ?どういうこと?』
( ゚д゚ )『大丈夫、そうなったとしても、俺だけはミセリの優しくてニコニコしたお兄ちゃんでいてあげるからな』
ミセ*゚ー゚)リ『ふぅーん?よくわかんないけど、わかったー!』
-
あぁ、そうだった…、約束したのに、なのに私ったら
( ゚д゚ )「思い出したか?ミセリ」
ミセ;ー;)リ「思いだ……したっ…」
ミセ;ー;)リ「だから、だから…だからお兄ちゃん、あの時も…!」
( ゚д゚ )「…あぁ、それか。じゃあ、その話を最後に読み聞かせてあげようか」
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爪'ー`)y-『ミルナ、お前本当気持ち悪いな!』
从 ゚∀从『笑えねーのかよ、お前はよぉ!』
(´・ω・`)『人間じゃないんじゃないの?』
( ;゚д゚ )『痛い…痛いよ…やめて…』
从 ゚∀从『だったら笑ってみろよ、なぁ!』
(´・ω・`)『中々無茶な要求だけどね、この状況で笑えって』
爪'ー`)y-『俺は面白いけどな』
(´・ω・`)『まぁ、やってる側だからねぇ』
-
( ;゚д゚ )『おれの笑顔は1人にしか見せないって決めて…!?』
ジッー…
ミセ;*゚ー゚)リ
( ;゚д゚ )(なんで此処にミセリが!?まさか、乗り込むタイミングを狙ってるのか!?)
从#゚∀从『意味わかんないこと言ってねーでさっさと…』
『うっせーな、いま、笑ってんだろ』
(;´・ω・`)『って、ええ!?』
爪;'ー`)y-『おま、それが笑顔か!?』
ミセ;゚ー゚)リ『…』
ダッ!
( ゚д゚ )(…ふぅ、笑顔に安心して逃げたか…)
从 ゚∀从『よくこんな状況で笑えたな、お前変態だったのか?あははは!』
( ゚д゚ )(ミセリに虐められてるのばれちゃったなぁ…まぁ、普通にしてればいいか)
-
『ミセリ、おはよう』
ミセ*゚ー゚)リ『…』
『ミセリ、僕の分のケーキもたべていいよ』
『ねぇ、ミセリ』
『ミセリ』
『ミセリ』
ミセ#゚ー゚)リ『…話しかけないでくれる?』
-
( #゚д゚ )『くっそ、なんだよミセリの奴!これからは俺の分のケーキを食べたら貸しにしてやる!』
( #゚д゚ )φ『この使わなく交換日記に、アイツへの貸しをメモしといてやる!』カキカキ
( #゚д゚ )『このノートが、貸しの『正』の字で一杯になった時!そう、その時こそ!』
( #゚д゚ )『幼稚園の時の約束は破られたとして、あれを実行してやる!』
( ゚д゚ )『…ま、ただの反抗期だろうし、すぐ仲直りするだろうけど』
-
あばばば
-
( ゚д゚ )「…そう、どうせ一過性の反抗期だろうと思ってたんだ」
( ゚д゚ )「でも、あのノートは結局『正』の字で埋まってしまったんだ」
( ゚д゚ )「ミセリが『僕の大切な額を割ってしまった』、という貸しでね。だから、契約通り、ミセリは僕以外には愛してもらえないようになってもらったよ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「ミセリ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…僕の分のケーキ食べるか?お前、チョコケーキ好きだもんな。食べていいぞ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「ミセリは、本当に僕の読み聞かせが好きだなぁ。寝れない夜はいつも絵本を読んであげたよね、覚えてるかな、ミセリ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「ミセリ」
-
( ゚д゚ )「ミセリミセリミセリ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…一人は、さみしいだろ、ミセリ?おれの気持ち分かってくれたか?お前に嫌われたときの俺の気持ちが」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…ま、分かんないよな。ミセリには俺の気持ちなんか」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…お前は本当、仕方のない妹だよ、ミセリ」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「…はぁ、まったく。どーせ、1人で泣いているんだろ?」
ミセ-ー-)リ
( ゚д゚ )「でも、大丈夫だよ、ミセリ。昔みたいに、すぐに慰めに行ってあげるから」
「なんたって、俺はどんな時でも、なにをされても、お前だけの優しいお兄ちゃんだからな」
.
-
(
)
i フッ
|_|
13本目、お終い
-
| \
|Д`) ダレモイナイ・・トウカスルナラ イマノウチ
|⊂
|
-
乙乙
-
十四本目
.,、
(i,)
|_|
百年の孤独のようです
-
私は獣として長年つまらぬ人生を送ってきた。
産まれた時は覚えておらぬし、今年で幾つになるかもわからない。
生態系というものは強弱をして生を得る時があり私もその環のなかにひっそり佇んでいる。
/ ,' 3
(*゚ー゚)「ほら、よく見なよ。可愛いだろ?」
(,,゚Д゚)「そうか?俺にはよくわからんぞゴルァ」
仲睦まじい夫婦が草原に寝ていた私をみつけて微笑んでいる。
夫の逞しい身体に寄り添う女が嬉しそうにはしゃぐ。
(*゚ー゚)「うちの娘がもうちょっと大きけりゃあねぇ」
(,,゚Д゚)「今ならこいつに食われちまうな」
どうやら夫婦の間には小さな娘がいるらしい。
-
(*゚ー゚)「珍しい生き物だしなんだか高く売れそうだねぇ」
(,,゚Д゚)「そうだな…城下に珍しい物を引き取ってくれる店があったなゴルァ」
私はすこぶる嫌な予感がしたが黙っていた。
人間は昔から私を見てひとしきりはしゃいだ後に見世物にしたり食料したりしようとするのだ。
/ ,' 3
(,,゚Д゚)「よし、ちょいとその店に持って行って見るぞゴルァ」
ズルズル…
(,,゚Д゚)o,..,,,,_
/ つ/ ,' 3 `ヽーっ )))
し―-,l ⊃ ⌒_つ )))
`'ー---‐'''''"
-
('A`)「いらっしゃいやせ」
連れて行かれたところはどこかの商店だった。
店内は薄暗く様々な商品が足の踏み場もなく並んでいた。
('A`)「……荒巻か」
店主は目の細い背丈がひょろ長い男だった。
私をじっと見て少しだけ、そう、少しだけ笑った。
('A`)「旦那この荒巻、お引取りですかい?」
(,,゚Д゚)「こいつ荒巻って言うのか? 引き取ってくれるなら頼むゴラァ」
('A`)「旦那が良いってんなら」
(,,゚Д゚)「どれ位の値打ちになるんだゴラァ?」
('A`)「こいつはちょいと餌が高くてあんまり多くは出せませんな」
-
('A`)「ありがとうございやす」
客の男を見送ると店の主人は私を眺めてまた少しだけ笑った。
/ ,' 3
('A`)「……何を食べたい?」
/ ,' 3
思えば少し腹が減っている。
私は雑食なのだが好物といえば肉だ。
('A`)「…生き物なら何でも食うのかねぇ」
-
(,,゚Д゚)「…」
(*゚ー゚)「あんた、気をつけるんだよ」
('A`)「おや、旦那。お久しぶりですねぇ」
/ ,' 3
店先で店主と男と女。
男はどこかで見た顔だった。
私をこいつに売った男だ。
甲冑を着て馬に乗っている所を見ると戦に行くらしい。
(,,゚Д゚)「必ず帰ってくるぞゴルァ」
/ ,' 3
少しだけ、少しだけ、食った。
-
肉というものを人間たちは形あるものと思っているようだ。
店の店主は何処からともなく肉を仕入れて来ては私によこす。
何の肉かくらいはわかるが、店主はどうも勘違いしているらしく
('A`)「今日は美府の女郎の肉だ、ほれ」
とやたら人間の身体をよこすのだ。
違う、違うのだ。
人の肉を食べる時は【外】から食べるのだ。
【外】というのを人間は運だとか幸せだとかあくまでも存在しないものとして扱っている。
私にとってそれが人の【肉】なのだ。
よくわからない、というものもいるだろう。
一つだけ言えるのは私に肉を食われた人間はあまり長生きしない、ということだ。
-
('A`)「ほら、餌だ荒巻」
/ ,' 3
しばらくしてどこかで嗅いだ事のある匂いがする肉を店主が持ってきた。
肉は酷い状態で私はあまり口をつけなかった。
('A`)「旦那ぁ、どうやら嫌われてますぜ」
少しだけ、また店主が笑った。
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しばらしくして私を買いたい、という女が店へやってきた。
川 ゚ -゚)
が、それはまた別の話だ。
-
(
)
i フッ
|_|
十四本目、お終い
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ID:UbyIhszM0 さん割り込んで申し訳ない
以上です
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十三本目のミルナは適任ぽくて良かった
好きだなー乙
十四本目はドクオも裏があるなら荒巻を買いに来るクーにもなんかあるって事かな
とにかく乙
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あぁ、アラマキ……そういう事だったのか。
乙乙
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( ;^ω^)いやー、挨拶に来ると言ったのに遅れてスマンお。
( ^ω^)改めて、時間になりました。これにて第一部を終了したいと思いますお。
( ^ω^)みなさん三日間お疲れ様でしたお。第二部の開始まで、しばらく休憩になりますお。
( ^ω^)なお、第二部は十五日からの開始となりますお。
それまでの間、本スレは作品に対する感想や支援絵など、作品投下以外であれば自由に使っていただいて結構ですお。
( ^ω^)それでは、また後ほどお会いしましょう!
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>>309さん、支援絵ありがとうございます!
保存させて頂きました
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支援
-
支援
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投下や挨拶乙
続きはまた週末か
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この祭も年々衰退していって寂しいなぁ
もう一作書くか……
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ブンツンドーの百物語ページ綺麗だなあ
しかももういくつか掲載されてたよ
皆で載 ら な い か ?
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書きたいけどネタがない
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怖いの書けないから仕掛けに頼りがちだったのに仕掛けすら思いつかない
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もう一作なんとか書けた
早くこい!週末!
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見てるよ
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明日からまた百物語後半が始まる前に、今んとこの感想をメモしてるんだけどせっかくだからここに書いてよろしいですかな?
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カモン
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おねがいします
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ありがとう
ではちょいと整頓してから投下します
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ラインナップはこうですな
>>112 望まれずクリーチャーのようです
>>144 蜂のようです
>>158 ( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )のようです
>>185 ('A`)ささやかな復讐を、のようです ( ^ω^)
>>220 少女甘美のようです
>>224 ひと皮めくれば容易く翻弄される弱い人達のようです
>>252 電車の中で、のようです
>>264 げんごこうのようです
>>280 沼の噂のようです
>>293 三人の村のようです
>>311 ( ノ`) ろうそく片手に母者さんがみんなの家にやってくるようです
>>314 恐怖のプリクラ
>>318 やさしいおにいちゃんのようです
>>353 百年の孤独のようです
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ちなみにまとめ様は>>73だよん
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>>382
ごめんそういうのも書くべきだったか
以下感想、ネタバレ注意
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>>383
いや、俺が勝手に足しただけ
こっちこそすまんかった
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1
望まれずクリーチャーのようです
昔から頭の良かったくるう。
産まれた時からの記憶を持ち、学校ではテストも満点、医者を目指して就職もした。
だがその目的は…
人は自分と違う人種を前にすると見なかったことにする、怪物扱いしてしまう。
くるうを認めてくれた人に対する裏切りと、本当に認められたかった人からの裏切りにやるせなさを感じた。
ドクオが一緒にいる理由はただのフィーリングみたいなもんかと思ったがどうやら後に判明することとなった。
2
蜂のようです
昔からの友達と朝までオールで馬鹿話。
ファミレスでだべるのは若い頃の特権かもしれない。それなのにその帰り道で…
人は飛んでくるものに対して異常なまでの怖さを感じるという。超密室で起こる、当人にすればパニックホラー。
気持ちはわかる。でも道路まで止めたらだめだろ。
ところで蜂が喋るのは深読みしていいのだろうか…?
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3
( ´_ゝ`)送りぬ、迎えぬ(´<_` )のようです
離れて暮らす双子に降りかかる同じような出来事。しかしその結末は全くの別物で…
小ネタを挟みながらも中身は正統派昔話といったところ。
日本語って難しいね。なんつーか兄者乙…恒例とはいえ。
>>309にて支援絵あり。
4
('A`)ささやかな復讐を、のようです ( ^ω^)
学生時代をいじめられて過ごしたドクオは、大学に入ってやっとその苦しみから開放された夏休みを過ごせるようになった。
たまに思い出すのは憎いあの同級生…そんな束の間の平和を壊しにきたのも、やはりその同級生だった。
子供の頃の思い出は意外と曖昧で、こういうものなのかもしれない。
失って気付く事もある。ブーンもドクオも、それぞれ歪んだ気持ちで青春を過ごしたのかと思うと…
まだやり直せる分、このドクオには強く生きてほしい。
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5
少女甘美のようです
『女の子はお砂糖とスパイス、素敵ななにかで出来ている。』と彼女は言う。
一見して早熟な少女の元に通うのは、仕事の一環なのだ…それ以外に理由など…
文体から滲み出る独特の雰囲気につい呑まれる。処女性を残しながらも彼女の求めたもの…いや、なにかは、常識を覆すラストによってきっと達成されたのだろう。
好きな人を食べる話は多いが、その逆はあまり見ない気がする。
常識人なAAキャラがメインなのも完成度のポイントか。
6
ひと皮めくれば容易く翻弄される弱い人達のようです
妊娠が発覚した主人公。その日から彼女の心は少しずつ世間から解離していく…
前半戦のなかでは若干大人向けな話。
死産と明言された赤ちゃんが育っていく理不尽さと、主人公がそのお腹の声に耳を傾けていく違和感。
はたからみれば妊婦のヒステリーなのかも知れない。
そして同じ妊婦でも境遇の違う友と比べてしまい、挙げ句に産まれて来たのは…?
見返してみるとどうやら1の話しにも繋がる節がある。そうなるとこの話もまた違って見える。
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7
電車の中で、のようです
うら若き二人の女性が乗り込んだ電車で何故か空いている座席…そこに座るのは?
冷静に考えると考えられなくもないシチュエーションが良い。
たまにある、なぜか座る気にならない椅子。もしかしたらそこには先客がいるのかもしれない。
8
げんごこうのようです
酒好きの前に現れるという幻のお酒。一口飲めばたちまち虜になるという…
自分もお酒を飲むからか描写が良かった。
全体を構成する語り口調に、まるで向かい合って喋っているかのような錯覚に陥る。
魂は美味しいのだろうか?
もしこれを貴方が見付けても、匂いを嗅ぐだけで止めておこう。
さもないと…
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初投下しようと頑張って考えて見たが浮かばない
やっぱ発想力ある人ってすげーよ
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9
沼の噂のようです
とある田舎の学校イベントで起こる事件。子供を見守るために働く大人を嘲笑うかのように…
子供を引率する先生を襲った悲劇。
湖や池と違って、沼というのがまた嫌な気持ちになる。
…これ実話ですか?
私事ではあるが、昔、同じように雑木林で朝まで見つからなかった当時の先生のことを思い出した。
その人もこれと似たようなこと言ってたんだが。
10
三人の村のようです
台風のなかやっと見つけた一軒のお宅に雨宿りさせてもらった主人公。
『ここには三人の村人が住んでいる』
暇潰しに語る家の主の話を聞くうちに…
蝋燭の使い方がまず上手い。
これで一気に話に入り込む人もいるであろう正統派怪談。
狂人がどこまで狂人なのか、普通の人には計り知れない。彼が語る内容がどこまで本当なのか?
まだなにか裏がありそうな気がするので深読みするのも楽しそうだ。
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11
( ノ`) ろうそく片手に母者さんがみんなの家にやってくるようです
ブーンの元に届いた百物語に関するお知らせ。その驚愕の内容とは…
後半戦も頑張れ!間に合わなくなっても知らんぞー!!
12
恐怖のプリクラ
仲間と撮る写真はテンションが上がる。ほら、写るよ!
もはや別物である。
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13
やさしいおにいちゃんのようです
いつもニコニコしていたおにいちゃんは彼女の自慢だった。でもそれはやがて成長と共に異常性として映るようになってしまう。
思春期にありがちな子供の心変わりは家族だろうと戸惑ってしまう…んだけど。個人的にミルナをもってきたのは良かったと思う。
これでタイトルと冒頭に疑問符が浮かんで、途中はやっぱりか〜と思いながら読んでた…とか思ったら想像よりも実際気持ち悪かったです。そうだよな。
でもミルナのそうなった経緯も分からなくもないし、ミセリとヒッキーの会話もどことなくリアルに感じる日常感があって良かった。
14
百年の孤独のようです
草原で一組の夫婦が見付けたのは珍しげな生き物。持って帰ればペットになるか?金になるか?
ほんのり可愛らしい生き物の餌は…
人間の物差しで測ってはいけないものもある。なにも食べ物は物体とは限らない。
時は江戸風、こちらもキャラの口調から雰囲気が漏れてくるのが良い。
人が持つ運を喰らうことで長い年月を生きるも、それは身近な者の未来を奪うジレンマに繋がるのか…。
クーはしぃの娘かな?と思うけどどうだろう。
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感想おわり。お粗末様でした
>>384
いやー、そんなことないよありがとう
>>389
ほんとそう思うわ
読んで色々想像する分にはいいんだけど、書くとなるとハードル高い……
そんな意味で12は発想勝ちな気がする
俺らには思い付きそうで思い付かねーw
-
乙乙 第二部前に感想あるとモチベもあがるよ
因みにあれ?投下された作品って十五本じゃなかったけ? と思って勝手にゾクッってなった
更に言えば十四本だったうえに俺も一本投下してた
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>>394
それ俺も途中で思ってた。あれ、一つ足らない…って
でも数えても合ってるからそのままやったけどなんだろう
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うわぁぁぁぁ!!
自作品の感想が書かれてる…
ありがとう!!
初投下だったんだけど感想貰えるってこんなに嬉しいのね
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感想乙
-
age
消えた十五本目の蝋燭…
あなたの部屋にもともとその蝋燭はありましたか?
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( ^ω^)お久しぶりですお。百物語司会のブーンですお。
( ^ω^)百物語も今日を含め残り三日となりましたお。最後まで盛り上がっていきましょう!
( ^ω^)なお、ルールは>>104->>105となります。
( ^ω^)では、百物語2014第二部を始めますお!
-
司会乙!
後半戦がどうなるか楽しみ
-
>>399
乙です
よろしくお願いします
早速ですが投下していきます
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んじゃあ幻の十五本目をもらっていう
.,、
(i,)
|_|
( ・∀・)廃病院のようです
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オッフすまん
>>401お先にどうぞ
支援
-
>>402
蝋燭宣言早いのでどうぞ
こちらはアプリが立ち上がらないというアクシデントが…
-
じゃあお言葉に甘えて
改めて十五本目
.,、
(i,)
|_|
廃病院のようです
-
支援!
-
馬鹿は肝試しが好きだ。
御多分に漏れず、俺は友人と共に、深夜の廃病院なんぞに忍び込んだ。
( ・∀・)「ここは……小児科かね」
( ^Д^)「汚れてんなー」
病室を覗いてみる。
ベッドのマットレスが破けていたりゴミが放置されていたり、
窓やテレビの画面が割られていたり──といった有り様だった。
床にぬいぐるみが転がっていることから、子供用の部屋であったのが窺える。
( ・∀・)「おにいちゃあああん、あそんでえええ」
( ^Д^)「気持ちわりィ声」
俺が裏声で脅かすと、友人、プギャーはげらげら笑って部屋に足を踏み入れた。
俺もプギャーも少々アルコールが入っている。
-
( ・∀・)「お」
ベッドの脇に、懐かしい特撮ヒーローの人形が落ちていた。
拾い上げるために腰を屈める。
──ぽん、と、遠くで音が鳴った。
屈み込んだ姿勢のまま、俺は、今の音について思考を巡らせた。
馴染みのある電子音だった。
日常でよく聞くような。
何の音だっけ。
考えていると、また。ぽん。遠くから。
さっきより、いくらか近く感じられた。
(;・∀・)「なあ、プギャー……」
(;^Д^)「あれってエレベーターの音か?」
そう。それ。
エレベーターが到着したときの音。
バイト先の居酒屋があるビルで使われているそれと、よく似ている。
結論が出ると同時に、また鳴った。
近付いている。
上の階から、エレベーターが降りてきているのだ。
-
俺達は病室の入口から顔を出し、右を向いた。
廊下の先にエレベーターがある。
真っ暗な筈なのに、不思議と細かく観察出来る程度には視界がはっきりしている。
「4」の数字が光っていた。
ここは3階だ。
エレベーターはすぐ上の階にいる。
(;・∀・)「電気通ってねえのに、何で動いてんだ」
(;^Д^)「し──知るかよ」
「4」が点滅し、消える。
「3」に光が灯った。
来た。
──ぽおん。
到着を知らせる音が、大きく響いた。
-
息を潜め、2人で身を隠すようにしながらエレベーターを注視する。
扉が開いた。
(;^Д^)「……は……」
男が立っている。
異常に背が高い。
真っ白な顔に、てんでばらばらな方を向く大きな目がついている。
ぎりぎりときつく歯を食い縛っていて、口の端から涎が垂れていた。
(;・∀・)(な──)
胸が痛むほど心臓が跳ねた。
男を見た瞬間に、全身が総毛立つ感覚に襲われた。
──怖い。
すぐに顔を引っ込める。
壁に凭れ、胸を押さえた。
隣を見れば、プギャーも同じようにしていた。
-
(;・∀・)「な、何だあれ……何だあれ……」
(;^Д^)「人間か? 生きてんのか? 何にせよヤバそうだけどよ」
(;・∀・)「うん……」
俺達は過去にも何度か肝試しをしている。
幽霊に会えたことはないが、頭のイッた輩には数回遭遇した。
だが。いま見た「あいつ」は、そういった異常者とも、どこか違っている。
どこがどう、と説明も出来ない。
ともかく、関わってはいけないのは確かだ。
エレベーターが下の階に行ったら、奴に見付からないようにこっそり逃げ出そう──
身を縮こまらせ、それを待つ。
けれど、エレベーターの動く気配がない。
嫌な予感がした。
-
──ぺたり。
素足で床を踏む音が聞こえて、背筋が凍る。
(;・∀・)(エレベーターから降りた……? 廊下にいるのか!?)
先程の電子音の間隔からして、奴は、他の階ではエレベーターから降りていなかった筈。
なのに、どうしてこの階では。
まさか俺達に気付いたのか?
悲鳴が出そうになって、手を噛んだ。
そろそろと、這うように移動する。
(;^Д^)「モララー?」
(;・∀・)「ひとまず隠れよう」
ともあれ、今、この部屋からは出られない。
かといって壁際でじっとしてもいられないだろう。
いくつかあるベッドを見比べ、入口に一番近いベッドの下に潜り込んだ。
プギャーはその隣のベッド。
-
男は、なかなか現れなかった。
ゆっくり、ゆっくり、ぺたぺたと足音が近付いてくるのみだ。
いっそ、一か八か、飛び出していって逃げてしまおうか。そう思えてきた頃、
ようやく男の足が、開け放された入口の前に見えた。
足はゆっくりと通りすぎていく──いや。
通りすぎていこうとした。
俺の視線の先、その足は2歩進んだところで止まったのだ。
(;・∀・)「……っ」
──入ってきた。
重心の偏った妙な歩き方で、室内を進む。
俺は恐怖と驚きで、一瞬、息を深く吸い込んでしまった。
埃も一緒に吸い込む。
喉がちりちりして、咳が出そうになった。
駄目だ。堪えろ。今ここで咳なんかしたら、すぐに見付かってしまう。
息を止める。しかし喉を内側から擽られるような刺激は増すばかりで、限界はすぐ目の前だった。
-
涙が滲む。生理的なものか、恐怖のためか。
左手で首を押さえる。何の効果も得られない。
ああ、もう、無理だ。
ひゅう、と俺が先程よりも強く息を吸い込んだ、その瞬間。
(;^Д^)「──うおおああああああ!!」
プギャーが叫び、ベッドから這い出した。
すぐに立ち上がって病室を飛び出していく。
(;^Д^)「外! 警察!」
単語を2つ吐き出して、それからまたプギャーは叫びながら走っていった。
男が踵を返す。
相変わらず重心の偏った、そのくせやけに素早い足取りでプギャーを追う。
プギャーの声と足音が遠ざかっていく中、俺は1人取り残された。
-
(;・∀・)「……げほっ、げほ」
とりあえず咳をして喉をすっきりさせ、恐々、ベッドの下から出る。
──外。警察。
あれは俺に向けての発言だろう。
(;・∀・)(外に逃げて、警察を呼べってことか)
「あれ」が警察でどうにかしてもらえる存在なのかは分からないが、
迅速に駆けつけてくれる第三者の介入は、たしかに必要かもしれない。
慎重に廊下を窺う。
誰もいないのを確認し、病室から出た。
情けないことに、足が震えて走れない。
出来る限りのスピードで階段へ歩いていった。
エレベーターは開きっぱなし。
パネルも、エレベーター内も、光は既に無い。動くようには思えなかった。
(;・∀・)(何で、さっきは……)
湧き上がる疑問は恐怖をも齎してくるので、俺は何も考えないことにした。
ともかく今は、一刻も早く外へ。
階段を下りる。
しかし、踊り場に差し掛かった辺りで足を止めた。
-
「……ぁああああ!!」
階下から、プギャーの大声と足音が響く。
奴を引き付けるために叫んでいるのだろう。ということは、奴はまだプギャーを追っている。
差し迫って問題があるとすれば、こっちに近付いていることだった。
(;・∀・)(こっちは駄目か)
このまま下りれば、多分プギャーと鉢合わせる。
そうしたら、彼の努力も虚しく2人で逃げ回る羽目になってしまう。
俺は慌てて引き返した。別の階段から行こう。
ここは3階。高さを考えると、窓から飛び降りるのも難しい。
1階へ下りないことには始まらないのだ。
焦りが足を動かす。いつもの調子とは行かないが先程よりはマシだ。
長い廊下を真っ直ぐ進む。角を曲がる。
暗くて、どこに階段があるのかいまいち分からない。
(;・∀・)(……上がってきた!)
プギャーの声が3階に上がる。
あの階段は4階へは繋がっていない。
そしてあそこからは、いま俺が進んできた廊下くらいしかマトモな逃げ道がない。
きっと、こっちに来る。
-
(;・∀・)(ええと……)
俺は走った。階段が見付からない。
背後からプギャーの声が近付く。
いずれ追いつかれるだろう。それは俺のためにもプギャーのためにもならない。
(;・∀・)(一旦隠れよう!)
そうするしかあるまい。
近くの病室に飛び込む。
316号室、というプレートが目に入った。
他の病室よりは、比較的荒らされていない。あくまでも比較的。
扉を閉め、背を預けるようにして座り込む。
しばらくすると悲鳴と足音が病室の前を通り過ぎていった。
足音は2人分。プギャーと、あの男の。
大して走っていないのに、疲労が凄まじい。
心臓がばくばくと跳ね回り、呼吸は一向に穏やかにならなかった。
むりやり頭を働かせる。これからどうする。闇雲に動いても、今のようなことになりかねない。
プギャーはいつまでも走っていられない。
すぐにでも助けを呼ばないと。
なら、いっそ、外に出るのは後回しにしよう。
身を隠しながら警察の到着を待てばいい。
そう判断し、ポケットから携帯電話を出した。
-
(;・∀・)「……あ?」
画面は真っ暗だった。
電源を入れる動作をしても、反応がない。
(#・∀・)「──くそっ!」
携帯電話を床に叩きつけ、俺は体を丸めた。苛立ちと不安を抑え込む。
電池切れ。故障。いずれにせよ、何だってこんなときに。
最悪だ。
やはり外に出る必要がある。
たしか病院の近くに電話ボックスがあった筈。
あそこに行けば通報できる。
俺は、割れていない窓ガラスを見遣った。
上手いこと足場になるようなものが外にあれば、窓から逃げられるのだけど。
そろそろと移動し、窓に手をかける。
(;・∀・)「……ふっ! く、うう……」
──開かない。
鍵は掛かっていない。窓をスライドさせれば開く筈だ。なのに全く動かない。
-
(;・∀・)「ふざけんなよ、くそっ……」
ベッド脇の椅子を持ち上げる。
少し躊躇してから、思いきり振り下ろした。
重たい衝突音はあったが、手応えがまるで無かった。
何度試しても、割れやしない。
やがて俺は椅子を転がし、膝をついた。
──ぴりり、と。
響いた甲高い音に、肩を跳ねさせた。
ぴりり。2回、3回。
日常で馴染みきった音が、背後から聞こえる。
(;・∀・)「……なんで……」
携帯電話が鳴っている。
さっきは動かなかったのに。
呆然としていた俺は、ようやく我に返ると携帯電話に飛びついた。
プギャーの名前が表示されている。瞠目し、反射的に電話に出る。
-
『よう』
(;・∀・)「プギャー! お前大丈夫かよ?」
『ああ、撒いたっぽい』
(;・∀・)「そっか……」
『おまえ今どこ?』
(;・∀・)「悪い、まだ病院にいるんだ……。
──なあ、外に出るより、どっかに隠れて通報してさ、警察待とうぜ」
『そうだな、ひとまず合流しようぜ。どこにいる?』
(;・∀・)「ええと……ちょっと待ってな。
えー……316号室だ」
『316号室』
-
(;・∀・)「おう……。……大丈夫か? 俺がお前の方に行こうか?」
『いや、俺が行くよ』
(;・∀・)「そ、そうか。悪いな、俺もちょっと怖くて……お前から来てくれるなら助かる」
『316号室』
(;・∀・)「うん……なるべく急いで頼むな」
『316号室』
(;・∀・)「……プギャー?」
『316号室』
(;・∀・)「おい、何だよ」
『316ごウしつ』
(;・∀・)「……おい」
『316ごうしつ、316、3、16、』
──プギャーの声が歪み、震え、低くなる。
それは既に、彼の声ではなくなっていた。
『316ゴウシツ、行く、そっち行く、今から、316、しつ、』
-
(; ∀ )「──!!」
携帯電話を放り投げる。
喉がからからに渇いていて、ひい、と引き攣れた声が呼吸に混じった。
今のは。電話の向こうにいたのは。まさか。
316、316と声が吐き出され続けている。
手を伸ばして通話を切ろうと試みたが、さっきみたいに、どこを触っても反応がない。
床に転がる電話をそのままにして、俺は部屋を出るため扉の把っ手を握った。
──それと同時に。
『310』
電話の言葉が変化した。
何故、と考える間もなく、今度は違う音が耳に入り込む。
ぺたぺた。足音。廊下、すぐ近くから。
-
『311』
ぺたぺた。足音が移動すると、電話の声も数字を変えた。
意味するところを悟り、俺はへたり込む。
『312』
近付いてきている。
わざとらしく、ゆっくりと。
足音が進むにつれ、番号も進んでいく。
ついに、315、の言葉と共に、足音がすぐそこまで迫った。
俯く。力の入らない手で、把っ手を押さえる。
足音は、この病室の前で止まった。
-
怖すぎる…
-
長い間、誰の声も響かなかった。
俺の死にそうに掠れた呼吸音が聞こえるだけで。
耐えられなくなった。
顔を上げた。
扉に嵌め込まれた、細い磨りガラス。
その向こうに人がいる。
べったり張りついていて、不透明な筈のガラス越しでも、その姿は大体見えた。
真っ白な顔と大きな目と食い縛った歯。
口角は限界まで持ち上げられ。
〈……さんいちろくゥ……〉
その声が背後の電話から聞こえたのか、目の前から届いたのか、分からなかった。
*****
-
そうして誰もいなくなった病院の中に、ぽおん、とエレベーターの音だけが響き渡った。
終
-
(
)
i フッ
|_|
割り込んですまんかった
そして>>405でタイトルからAA消えてた、正しくは「( ・∀・)廃病院のようです」で
-
乙
こわかった
-
乙 漏れた
-
乙でした
二週目に相応しい怖さ
あかんほんと起動しない…(; ´∀`)
霊障かな
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ついに参加者から犠牲者が出始めたか……
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曰くの十五本目か
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乙!
廃病院っていう言葉だけでも怖いのに…
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投下します
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十六本目 かくれんぼのようです
.,、
(i,)
|_|
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