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('A`)は異世界で戦うようです
787
:
◆B8K2xdDAGY
:2018/11/04(日) 22:28:46 ID:EmUWWVKM0
ξ ⊿ )ξ(なんなのよ、この言語は!)
未知の魔法言語。
様々なルーンや魔導関数で構成される術式のはずが、見たことも聞いたこともない文字と記号で埋め尽くされているのだ。
もちろん変換されていない部分も沢山あるのだが、そちらに手をつけている間に他が未知の言語に置き換わっていく。
これでは、完全にお手上げだった。
せめてもの抵抗として、術式の対象が拡がっていかないようにはしているが、どれだけの効果が望めるか。
かといってツンが諦めてしまえば、術式の拡散は止まることを知らず、間も無くして大陸中の生き物がマナへと変わっていくだろう。
その中には渡辺や、ドクオだっている。
ξ ⊿ )ξ「諦めるわけには、いかないのよ⋯⋯」
そう、諦めるわけにはいかない。自分がやっていることはほんの少しの時間稼ぎでしかないことも、痛いほど理解していた。
だからこそ、だからこそツンはここにいるしかない。
ξ ;⊿;)ξ「どうすればいいのよこんなの! 手立てがないじゃない!」
788
:
◆B8K2xdDAGY
:2018/11/04(日) 22:30:54 ID:EmUWWVKM0
流れてくる涙を拭おうともせず、ひたすら魔法モニターを叩いていく。ここで手を止めてしまえば、自分はもう何も出来ないだろう。それが分かっているから、動かし続けるしかなかった。
だから、ツンにはどうすることも出来なかった。自分に向けられた魔法に対処出来なかったのだ。
ξ ⊿ )ξ(ごめん、渡辺)
浮かんでくるのは短かった王都での日々。たった一人の親友と過ごしたかけがえのない時間。
自分の身なんてどうでもいい。せめて、彼女だけは助かって欲しい。
それだけを願って、ツンは自分の死を受け入れ━━
「諦めるのはまだ早いと思うよ」
ξ゚⊿゚)ξ「!?」
ようとして。
(´・ω・`) 「ふっ!」
巨大な防御術式がツンを守るように展開される。半透明の光はバチバチと音を立てると霧散していった。
ξ゚⊿゚)ξ「ショボン⋯⋯さん⋯⋯!?」
(´・ω・`) 「遅くなってすまない。思いの外ダメージが大きくてね」
ツンの隣に、ショボンが立っていた。
(´・ω・`) 「術式に干渉していたのはやはり君だったか。若いのに大したものだ」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなことより━━」
(´・ω・`) 「分かっている。だが⋯⋯これは」
横からショボンがモニターを覗くと、眉を顰める。やはりショボンですら見たことはないようだ。
789
:
◆B8K2xdDAGY
:2018/11/04(日) 22:36:00 ID:EmUWWVKM0
(´・ω・`) 「なるほど。これを作った奴は天才だな、本当に。どれ、少し変わってくれるかな?」
しばらく、と言ってもたかだか数分、ツンの隣で作業を眺めていたショボンが口を開いた。
ξ゚⊿゚)ξ「ショボンさんこれは」
ツンの説明を遮るように、優しく肩を押され、首を横に振る。
(´・ω・`) 「私も騎士団副団長という肩書きだ。こういう場合の対処法は心得ている。もちろん、一時凌ぎではあるが」
ツンと場所を変わると、ショボンは物凄い速さで術式の書き換えを行なっていく。ツンが手をつけることが出来なかった部分もまとめて変換しているようだ。
ξ゚⊿゚)ξ「あの、これ、大丈夫なんですか?」
ツンの見立てだと、魔法の有効範囲の縮小どころか更なる拡大と、対象の追加に見えるのだが。
(´・ω・`) 「ん? ああ、これはね、魔法学に精通した旧友に教わったんだが」
ショボンが一度言葉を切ると、最後の一文を入力。すると、術式の書き換えが一瞬止まった。
ξ゚⊿゚)ξ「え!?」
さらに未知の言語で構成された部分がツンのよく知る見慣れたルーンに変わっていく。その命令の意味は━━
ξ゚⊿゚)ξ「マナの、相互干渉?」
(´・ω・`) 「特定のルーンと関数を用いると、相互に干渉し合って歪みを起こすらしい。旧友の言葉を借りるならバグる」
集められたマナは、特定の人物へと供給されていたが、ショボンが書き換えた直後から供給先からも同じラインを通ってマナを吸い取るようになっていた。
ラインの中でぶつかったマナはそこで、消失。
ツンの知識をフル動員しても、術式自体にそのような命令にはなっていない。だが、マナの流れを追う限り、マナは消失していく。
ξ゚⊿゚)ξ「すごい⋯⋯」
790
:
◆B8K2xdDAGY
:2018/11/04(日) 22:38:11 ID:EmUWWVKM0
(´・ω・`) 「この言語はマナや魔力の種類、大きさの選別、そちら側に関係しているのだと思う。もちろん解読は出来ないし、する時間もない以上、推測だがね」
ξ゚⊿゚)ξ「でも、これなら!」
(´・ω・`) 「長くは保たない。どうにも、変換されていく言語は私達が扱う術式よりも遥かに多くの意味を持っているようでね。すぐに書き換えられてしまうはずさ」
ショボンはまごうことなき天才なのだろうとツンは感じた。遠く離れた場所から道具を使わずに術式を解析、書き換えを行い、果ては少しの時間でツンよりも多くの戦果を上げている。
なのに、そのショボンですら敵わない。それすなわち、自分達には手の施しようがないということ。
再びツンの胸中を暗雲が覆い始める。限界は近い。
(´・ω・`) 「諦めるのはまだ早い。今、君は一人じゃないんだ。全てを一人で背負い込む必要はないんだよ」
ξ ⊿ )ξ「でも⋯⋯」
ショボンはこちらの考えを悟ったのか、励ましにもならない言葉をかけてくる。
どうしようもないのに、出来ることなど、何もないのに。
(´・ω・`) 「君は自分に出来る精一杯をやったと思っているだろう。けれど、諦めない限り、戦いは終わらない。心が折れない限り、勝負は分からないんだよ」
それに、とショボンは続ける。
(´・ω・`) 「解決するための道筋は、案外すぐ近くにあるものなのさ」
791
:
◆B8K2xdDAGY
:2018/11/04(日) 22:40:32 ID:EmUWWVKM0
その一言が、ツンを現実に引き戻した。
いや、その一言があったからこそ、ツンはこの現実に気づくことができた。
『ツンちゃーん!』
ξ ⊿ )ξ「⋯⋯」
ξ゚⊿゚)ξ「⋯⋯え?」
大切な友人の声が聞こえた気がして、ツンは振り向く。
从'ー'从( ・∀・)(*゚ー゚)(*゚∀゚)
そこには、いつも通り緊張感のない顔をした渡辺と、仲間達がいた。
ξ゚⊿゚)ξ「ショボンさんは、知っていたんですか?」
(´・ω・`) 「⋯⋯」
ツンの問いかけにショボンは何も答えない。それは、否定とも肯定とも取れる。だが、この人のことだ。きっと全てを考慮した上で、最善の選択をしていたに違いない。
だからこそはっきりと諦めるなと語りかけていたのだ。
(´・ω・`) 「ま、まぁ僕くらいになると当然予想の範囲さ。何せ副団長だからね」
ξ゚⊿゚)ξ(脂汗がすごい。というか、さっきのはただの気休めだったのね)
それでも、この状況において援軍が来てくれたのは大きい。勿論、本音を言えば渡辺には逃げて欲しかったのだが、彼女がここに来たということはきっと意味がある。
ξ゚⊿゚)ξ「渡辺、私は」
从'ー'从「ツンちゃん! 猫ちゃんがこの術式を何とか出来るんだって!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたに逃げ⋯⋯え?」
言いかけて、渡辺の言葉を反芻する。
从'ー'从「そうだよね? 猫ちゃん」
(*゚∀゚)「任せてほしいニャ」
思わぬ所から、逆転の目が舞い降りた。
792
:
◆B8K2xdDAGY
:2018/11/04(日) 22:41:51 ID:EmUWWVKM0
十五話半分終わりです
投下したら意外に短いですね
今月中にもう半分投下できたらなと思います
それではまた
793
:
名も無きAAのようです
:2018/11/23(金) 00:06:51 ID:Nf.3zt9Y0
いつのまにか更新されてるね お疲れ様見てるよ
794
:
名も無きAAのようです
:2019/01/03(木) 19:19:43 ID:IX7CFJ.c0
おっおー
795
:
名も無きAAのようです
:2019/02/12(火) 00:31:37 ID:Mg1TkYwo0
そして気付けば2月なんだよなぁ…
796
:
名も無きAAのようです
:2019/02/21(木) 21:45:54 ID:pNZ86c4.0
待ってます
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