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('A`)は異世界で戦うようです
290
:
1
:2014/06/18(水) 22:51:37 ID:pMo3TmyQ0
◇◇◇◇
从'ー'从「はぁ……」
ツンのお見舞いの帰り、渡辺は一人溜め息を吐いた。この日の渡辺はとても落ち込んでいた。具体的にどれぐらい落ち込んでいるかというと、行きつけのスイーツ店のジャンボ苺パフェ一つ完食出来ないほどである。いつもならば軽くふたつはいけるのだが、今日はそんな気分ではなかった。
落ち込む原因となったのはツンの些細な一言である。
ξ゚⊿゚)ξ『あんたドクオのこと好きでしょ?』
この一言は彼女にとって天と地がひっくり返るほどの衝撃だった。確かに自分はドクオを好いている。しかしそれが愛かと聞かれれば返答に困ってしまうのだ。
一度ドクオとしぃが連れ立ってツンのお見舞いに来たことがあった。その時の二人と来たら仲睦まじく、まるで恋人のよう(少なくとも渡辺にはそう見えた)にお喋りをしていたのだ。
ツンが言うにはあれは出来の悪い兄と優秀な妹のような関係だ、とのことだが、渡辺はどうも胸の辺りがムカムカとして居心地が悪かった。
今でもあの光景は渡辺の瞼にしっかりと焼き付いて離れず、思い出しては何かに当たり散らしたくなる衝動を抑えるのに苦労するほどである。
そんなおりにツンの一言が渡辺の心に拍車をかけたのだ。自分でも分からない感情を友人に指摘されて、渡辺はどうしていいのか分からなくなってしまった。
从'ー'从「好きかといわれてもなぁ……」
そもそもドクオは自分をどう思っているのだろうか。少なくとも嫌われてはいないとは思う。貞子との件でもドクオは身を呈して助けに来てくれたのだから、好意的に見られていると受け取ってもいいだろう。
それに、貞子が言っていたドクオは異世界から呼び出されたという事実。ドクオに面と向かって聞いてはいないが、しぃに確認をとったところほぼ間違いではないとの回答だった。騎士団がどうやってその真相に至ったか定かではないが、二つの組織からそのような答えをもらった以上彼は信憑性は高い。
もちろんそれが渡辺の気持ちに歯止めをかけているわけではないし、そんなことは彼の人柄を図るにあたっては小さなことだ。
つまるところ、渡辺は自分の感情をもて余していて、それに対する明確な答えがどこにあるのかが分からないのだった。
自信を持って彼を好きと言えれば、気が滅入ることもないのに、と渡辺は一人ごちてみる。
人を好きになるというのは動物を好きになるということとは違ったものであることは渡辺にだって分かる。けれどその好きという感情にきちんとした線引きができない。どこからが異性に対する好きで、どこからが違うのか。ツンに聞いても答えは返ってこなかった。
从'ー'从「よく分からないなぁ、こういうの」
人と接することが極端に少なすぎたせいか、はたまた人生経験なのかは知らないが目下渡辺の頭を悩ませるドクオという存在は彼女の目の上のたんこぶのようなものになっている。
せっかく見習いを卒業できたというのに、次から次へと問題が舞い込んでくるのは自分の体質なのだろうか?
日が傾き、暗くなってきた道を一人歩く渡辺は、また一つ溜め息を吐くのだった。
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