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('A`)は異世界で戦うようです

224:2014/06/09(月) 23:40:09 ID:Q3Oqlw1I0
ドクオはモララーの言葉を遮り、しっかりと彼の目を見据えて言い切った。

(# ・∀・) 「よく聞こえなかった。でももう言わなくていい。疲れてんなら休め」

('A`)「なあモララーさん。あんたも分かってると思うけど、俺はいつの間にかここにいた存在だ。騎士団が掲げるような大層なもんは持ってない」

いつだって逃げ出して、努力すら否定して、目を反らして生きてきた。ドクオはそんな自分が今でも嫌いだ。

('A`)「けど、ここで見たもの聞いたもの、触れたものや感じたものは俺を変えてくれたんだ。いや、まだ変わってなんかいないかもしれない。でも、きっかけをくれた。自分の今までを全部壊せるくらいすごいきっかけだ」

この世界に生きる彼女は、不幸な境遇でも諦めず、自分のように腐らず、真っ直ぐに前を見据えている。

('A`)「俺はその恩を返すために何かがしたい。王都なんて関係ない。そんなのは騎士団が守るものだろ。なら俺はたった一人のために、すごく大きくて、小さい一人のために行くんだ。そのために、力を貸してほしい」

言い終えて、ドクオは頭を下げる。モララーは槍を肩にかけ、沈黙した。

どれくらいの時間がたったか、長かったのか、短かったのかも分からない静寂の中、一枚の紙がドクオの足元にヒラヒラと舞い降りてくる。

( ・∀・)「王都に戻るマジックアイテム落としちまった。緊急用なんだよなぁ、いやぁどこで落としたんだろうな。しかもドクオは体調不良で先帰っちまうし、不幸だなぁ。まいったまいった」

顔を上げると、モララーは明後日の方を向いてけらけらと笑っていた。男のツンデレとかはやんねえよ、と思いながら、ドクオは感謝を口にする。

('A`)「終わったら飲みにいこうぜ。あんたの奢りで」

( ・∀・)「お前の奢りだろばかたれ」

それだけ言ってドクオはマジックアイテムを手にして、強く願う。

('A`)「俺をあいつのもとに連れてってくれ」

ドクオの体は淡い光に包まれ、視界がノイズのように荒れていく。

( ・∀・)「精々気張れよ」

モララーの声を背にして、ドクオは王都へと単身乗り込んだ。


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