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( ´_ゝ`)デザート×キャラバンのようです(´<_` )
1
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:46:34 ID:tFLjG.4M0
ラノベ祭り参加作品
2
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:47:25 ID:tFLjG.4M0
(*´_ゝ`)「旅に出るぞ!」
――と、兄者は言った。
.
3
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:48:37 ID:tFLjG.4M0
( ´_ゝ`)デザート×キャラバンのようです(´<_` )
.
4
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:49:27 ID:tFLjG.4M0
そのいち。 旅に出るぞと、兄者は言った
.
5
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:50:19 ID:tFLjG.4M0
世界とは、一面に広がる砂の大地だ。
東の果ての大国や、西にあるという国々ではまた違うという話だが、少なくとも彼の知る世界はそうだった。
一部の季節だけを除いて暑く乾燥する大地は、植物が生えることを邪魔し、人々が足を踏み入れることも許さない。
そんな環境の中でも人々は、限られた水場に集落や街を作り、家畜や農作物を育てて暮らしてきた。
( <_ )「――ああ」
彼が今いるのも、そんな街の一つ。
数十年前に彼の母親らによって開拓された、水辺の街。
流れるのは石くらいと言われた不毛の土地は、今では“流石”という名で呼ばれる交易の要となっている。
(´<_` )「平和だな」
そんな流石の街。その中でも一際大きく豪勢な屋敷の一角に、彼は横になっていた。
薄い緑の体に、猫のような獣の耳。丸い尾は衣服の影に隠れてその姿を見ることはできない。
このあたり独特のゆったりとした衣服は、ひと目で金がかかっているとわかる高級なもの。
吹き寄せるかすかな風にあわせて、青年の耳がぴくりと動く。
6
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:52:02 ID:tFLjG.4M0
年の頃は十代後半から二十代前半。
細いながらも、がっしりとした体格をしたこの青年の名前は、弟者=流石。
街と同じ名をした彼は、この街を切り開き実質的に支配する女傑、母者=流石の二人目の息子であった。
(´<_`*)「何事も起こらないというのは、いいものだな」
息を吸うのも苦しいくらい乾いた空気も、見渡す限りの砂も、この場所からは感じられない。
そんな場所で横になっていると、ここがどこなのか忘れてしまうようだ。
夕暮れまでここでこのまま一眠りしようか……
l从・∀・ノ!リ人「ちっちゃい兄者、みっけなのじゃ!」
(´<_` ;)「――ぐぇ」
……そんな彼の願いは長続きしなかった。
どこからか現れた彼の小さな妹が、青色の髪をたなびかせながら彼の体へと飛び込んできたからだ。
いくら体を鍛えようとも、人間一人の体重が不意にかけられればたまったものではない。
平静を装おうとするも失敗し、彼がうめき声をあげるのは仕方のない話であった。
l从・∀・*ノ!リ人「兄者ーちっちゃい兄者ー、今日こそはあそぶのじゃー!」
(´<_` ;)「だがしかし、こっちは久々の休日……」
l从・∀・#ノ!リ人「まえもそういって、あそんでくれなかったのじゃー。
ちっちゃい兄者は妹者にイジワルなのじゃー」
7
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:54:04 ID:tFLjG.4M0
小さな妹――妹者の言葉に、弟者は小さくため息をついた。
確かにここ最近は、年に三度の大きな商隊が到着したところで、誰も彼もが忙しそうにしていた。
そんな中で一人取り残された、妹者が寂しい思いをするのは仕方のないことだった。
(´<_` )「……夕方までだぞ」
l从・∀・*ノ!リ人「ちっちゃい兄者だいすきー!!」
一人で取り残された時の寂しさを、弟者は誰よりも知っている。
だから、弟者は年の近い兄弟も、遊んでくれる子供もいないこの小さな妹に、思いの外甘かった。
(´<_` )「どうする?」
l从・∀・ノ!リ人「お庭がみたいのじゃー」
彼らの住む屋敷における庭といえば、屋敷の中心にある中庭一つしかない。
しかし、弟者とその双子の兄――兄者がイタズラに使って以来、彼らの父は子どもたちが庭に立ち入ることを禁止していた。
(´<_` ;)「いくら子どもだったとはいえ、貴重な泉に染料をばらまいたのはまずかったな」
l从・∀・ノ!リ人「?」
8
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:56:04 ID:tFLjG.4M0
少し迷った末に弟者は、露台に腰を据えることに決めた。
屋敷の二階にあたるこの場所からならば、中庭を見渡すこともできるし、何よりも風の通り道で涼しい。
l从・∀・*ノ!リ人「お花が咲いてるのじゃー」
(´<_` )「ふむ、あれはなんだろうな。父者ならば知っているのだろうが……」
露台に備え付けられていた椅子に腰を下ろす。
妹者はそんな弟者の様子を見ると、隣にある椅子……ではなく、彼の膝の上にちょこんと座りこんだ。
l从・∀・*ノ!リ人「えへへー」
(´<_` )「少しだけだぞ」
l从^∀^ノ!リ人「はーい」
いくら十に満たないとはいえ、街を背負って立つ家の娘にふさわしい行動ではない。
しかし、弟者は何事もなかったかのように妹者を見つめると、その頭をなではじめる。
堅苦しいのは母や姉に任せておけばいい。流石家の男は基本的にそんな脳天気なところがあった。
l从・∀・ノ!リ人「ちっちゃい兄者ー。もうすぐ何があるか知ってる?」
(´<_` )「ふむ。そうだな……。もうすぐといえば、豊穣祭だな」
9
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:58:04 ID:tFLjG.4M0
l从・へ・ノ!リ人「むー、そうじゃないのじゃー」
(´<_` )「そうか?」
l从・∀・ノ!リ人「ヒントは明日なのじゃー」
(´<_` )「明日。明日なら……」
妹者から出された問いに答えようとした瞬間、弟者よりもはるかに脳天気な声が辺りに響き渡った。
弟者によく似た――しかし、それよりもほんの少し高い声。
わざわざ確かめるまでもなく、弟者はその声の主を知っていた。
( ´_ゝ`)「弟者ぁあ、いるかぁぁぁぁあ!!!」
(´<_` )「ふむ、兄者か」
兄の姿を探して、弟者は周囲を見回す。
彼らが今いる露台にも、その奥に続く部屋の暗がりにも人の姿は見えない。
はて、どこにいるのだろう? と、思ったところで、手すりから身を乗り出し地上を覗きこんでいた妹者がうれしそうな声を上げた。
l从・∀・*ノ!リ人「おっきー兄者ぁー! こっちなのじゃー!」
(*´_ゝ`)ノシ「おお、愛しの妹者たんではないか。そっちに、弟者はいるか?」
l从・∀・*ノ!リ人「いるのじゃー」
10
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:58:18 ID:RtBXo7hM0
やたら壮大そうなのが来た
支援だ
11
:
名も無きAAのようです
:2012/11/23(金) 19:59:32 ID:tFLjG.4M0
ちっちゃい兄者もはやくはやくーという妹の声に答え、地上を覗きこむ。
そこにあるのは、先程から二人が眺めていた中庭だ。
東方や西方から無節操に集めてきた植物が自由を謳歌し、花が咲き乱れ、中央には大きくはないものの泉がある。
(´<_` ;)「あ、兄者。そこは俺らや妹者は立入禁止……」
(*´_ゝ`)「よく聞こえんなー。どうしたー、弟者ぁー?」
彼らの父が丹精を込めて手入れしているこの庭は、実のところこの街で最高の贅を尽くした空間である。
水が金に勝ることもあるこの一帯で、食うのにもつかえない植物を育てようと思えば、そうなるのは当然のこと。
脳天気な二人の兄は、よりにもよって最高の金のかかった植物たちを踏み潰しそうな位置で堂々と立っていた。
(´<_`#)「そこからとっとと出ろ! この馬鹿兄者!!!」
(; ´_ゝ`)「え?」
(´<_`#)「母者に殺されたいのか!」
(; ´_ゝ`)「ちょ、おま」
( <_ ♯)「いいから、早く!」
弟者の言葉に兄者はきょときょとと辺りを見回す。
しばしの間、腑に落ちないという顔をしていたが、弟者の形相に不穏な事態を感じたのか徐々にその顔が曇り出す。
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