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( ・∀・)モララーは隠居暮らしのようです。 双

11 ◆hCHNY2GnWQ:2012/07/12(木) 22:48:39 ID:w.OycBSI0
怖いんだ。

怖かったんだ。

僕は、戦争の功績者だ。しかし、それを裏返せば、ラウンジ大陸にとって最高の仇敵でもある。

つまり、常に命を狙われる立場なんだ。それは決して敵対大陸だけの問題じゃない。
シャキンさんのような野心家だって、たくさん見て来た。
僕の立場を利用する人だってたくさん出てくるだろう。
齢15で戦線に立った僕は、政(まつりごと)にそこまで詳しいわけじゃない。
下手をすれば、知らずにとんでもない殺戮に手を貸すかもしれない。反乱だってありうる。

人の世は、結局は醜悪だったんだ。それは、あの戦争を一番前で見て来た僕が一番知っているじゃないか。

だからこそ、たかが一人の若造である僕が知った、わずかな世界の知識を元に出した結論が……



独りになることだったんだ。


何でそうなるかなんて、当たり前だ。

僕は、まだ若い。いや、正しくは青いんだ。

魔術に関する知識は長けていても、人間社会の知識は一般人未満だ。

力ばかり持っている自分が、何かを手元に置いてそれを守りきれるだろうか。

膨大な力に惹かれた人間を前にして、僕はちゃんと守りたいものを守れるのだろうか。

―――――――無理だ。無理なんだ。

そこまで僕は出来た人間じゃない。全然完成されていない。
             ケツロン
だから、出した甘っちょろい幻想が孤独だったんだ。

どうして、それを僕は忘れてしまったのだろう。
なんで、一年以上も僕は考えなしに彼らを受け入れてしまったのだろう。

――――――今も、トソンさんと同じ屋根の下で共に暮らしている理由は何なんだろう……。


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