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( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです
129
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:33:44 ID:Bz1tY9M.0
( ´_ゝ`)「ディフェンスだ」
( ´_ゝ`)「相手が何をしてこようが、ギコがばしばしシュートを打ってこようが、俺たちのやることは決まっている」
(´<_` )「俺たちはラウンジ学園のプレーヤーだ。誇りを持ってディフェンスしよう。そして、誰であろうと止めてやろう」
(・(エ)・;)(残り9分間…あの4番を相手に脚が動いてくれるのか…!?)
( ´_ゝ`)「いいか!?やることは一つだ!集中していくぞ!」
( ´_ゝ`)「円陣組むぞ!ラウンジーーーーーーーーーーーッ!!」
ラウンジ一同「ディーーーーーフェンッ!!」
130
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:36:37 ID:Bz1tY9M.0
――今北ベンチ――
(,,゚Д゚)「ふうー……」
川 ゚ -゚)「ずいぶん遅かったな」
(,,゚Д゚)「ああ、待たせたな」
――ぱんっ
静かに、ハイタッチを交わす。
(■_■)「ギコ、いい知らせと悪い知らせがあるぞ」
(;,,゚Д゚)「……悪い知らせからお願いしますw」
(■_■)「ここまで競る試合となった原因になったのはお前だ。要するに、皆がしんどいもヒヤヒヤさせられたおかげで
私の血圧が上がってるような気がするのもぜんぶお前のせいだ」
(,,゚Д゚)「…はい(監督なのにこんなこと言っていいのか…?)」
(■_■)「さて、そしていい知らせのほうだが…」
(■_■)「お前はプレイヤーとして一つの壁を越えた。あえてお前を交代させなかったのもそのためだ。
本来ならこんなことは今言うべきではないが…よく乗り切った」
131
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:37:21 ID:Bz1tY9M.0
川 ゚ -゚)「皆に言っておくことがある」
川 ゚ -゚)「さっきの私のシュートだが、あれはマグレだ」
(;,,゚Д゚)(そうだったの!?)
川 ゚ -゚)「だが、運というのも案外馬鹿にできないものさ。流れはこちらにある、ということなのだからな」
川 ゚ ー゚)「この試合、このままもらうぞ」
(■_■)「よし、何も言うことはない。今のお前たちに敵うやつなどいない。全力で蹴散らしてこい!」
今北一同「はいっ!!!!!」
――ビーーーーーーーーッ!
審判「タイムアウト終了です!」
132
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:38:44 ID:Bz1tY9M.0
(,,゚Д゚)「よう」
(・(エ)・)「……なんですか」
(,,゚Д゚)「敵に言うのもなんだが…ありがとよゴルァ」
(・(エ)・)「…はい?」
(,,゚Д゚)「おかげさまですげぇいい気分だ。そしてすまねえな」
(,,゚Д゚)「長い前座になっちまったが、ここからは俺の時間だ」
(,,゚Д゚)「どうか残りの2戦、全力で戦ってくれ」
(・(エ)・)「…うちは負けませんよクマー」
133
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:39:32 ID:Bz1tY9M.0
――びっ…
クマーからハイポストへのパスが出る。
パスを受けたのは兄者。
ダイオードに体を上手く当てられ、ポストプレーに持ち込むのは難しい。
そう判断するや否や、外角の弟者へボールを捌く。
そして自身はパスランを試みようとするクマーをフリーにすべく、ギコへとスクリーンをかける。
(,,゚Д゚)「ファイトオーバーだゴルァ!」
クマーと兄者の狭い間を強引に通過し、弟者からのパスは通させない。
( ´_ゝ`)(それだけだと、思ったか?)
すぐさまスクリーンの構えを解き、ハイポストでポストアップ。
弟者はハイポストへ高めのパスを出し、すぐにパスランをする。
134
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:40:41 ID:Bz1tY9M.0
しかし――
/ ゚、。 /「読まれていないとでも、思いましたか?」
ローポストから飛び出してきたダイオードがこれをインターセプト。
(;´_ゝ`)「なんだとっ!?」
「流石兄弟が……!!」
「止められた!?」
「なんだあの14番は!一年生?冗談だろ!」
/ ゚、。 ;/(正直、ヤマカンで飛び出したんだけどね…)
/ ゚、。 /(だけどさっきクーさんが言っていた通り…確かにツキがある!このまま一気に流れに乗らせてもらう!)
135
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:42:43 ID:Bz1tY9M.0
/ ゚、。 /「速攻!」
川 ゚ -゚)「ダイオード、出せ!」
/ ゚、。 /「はい!」
――ビッ…ばしっ
ダイオードがパスをインターセプトするや否や、ギコが一気に速攻の先頭を駆け上がる。
そしてクーはカタカナの「ノ」を逆からなぞるコースで中央へとボールサイドカット。
ダイオードからパスを受け、速攻を繋ぐ。
川 ゚ -゚)「ギコ!」
(,,゚Д゚)「おおっ!」
――びゅっ…ばしっ
そしてクーからフロントコートのギコへスピードのあるパスが通る。
136
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:43:27 ID:Bz1tY9M.0
――キュキュキュ!
(・(エ)・;)「行か…せるかっ!」セ゛ェセ゛ェ
(,,゚Д゚)「(これに追いついてくるか…)やるじゃねえか!だがヘバってきたんじゃねえか!?」
――ダムッ!
パスミートにより勢いのある状態からの鋭いドライブ。
(・(エ)・)(右…!動けよ僕の脚っ!!)
――がくん
(・(エ)・;)「!?」
(,,゚Д゚)「もらったぁっ!」
――どすんっ
(・(エ)・;)「痛っ…」
クマーを抜き去り、レイアップの体勢に入るギコ。
そして踏ん張れず、派手に転倒するクマー。
――ザシュッ
137
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:45:23 ID:Bz1tY9M.0
(・(エ)・)「く……っそ」
(,,゚Д゚)「無理はやめろ。膝、笑ってんぞ」
(・(エ)・)「…まだまだ、いけますよ」
(,,゚Д゚)「…手加減しねえからなゴルァ」
――ダムッ!
「また今北の速攻だ!」
「ラウンジにゾーンを組む時間を与えねえ!」
「あの4番、ドライブが鋭いだけじゃない、…強いっ!」
138
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:46:46 ID:Bz1tY9M.0
――きゅきゅっ
(・(エ)・)(ミドルシュート…!)
――ずだっ
(・(エ)・)「チェーーック!」
――がくんっ
(・(エ)・;)(跳べない…?)
(・(エ)・)(くそっ…腕だけでも!とにかくシュートコースを塞ぐんだ…)
自身のリーチの長さを活かし、跳べないまでも必死に腕を伸ばしてシュートチェックを試みる。
(,,゚Д゚)「甘ぇっ!」
――しゅっ…
(・(エ)・)(フォームがめちゃくちゃだ!リバウンドを…)
――バスッ
(・(エ)・;)「……………!?」
139
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:47:42 ID:Bz1tY9M.0
<_;プー゚)フ「あれが決まんのかよ…」
_
( ゚∀゚)「左手で13番のチェックを押しのけながら右腕だけでシュート…」
( ´∀`)「僕たちインサイド陣がよくやるやつモナね…」
(=゚ω゚)ノ「そのプレーをミドルレンジで…」
('A`)「ていうか指がまともにボールにかかってなかったぞ…よくあれでまともなシュートにできたな…」
( ^ω^)「信じられんお」
140
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:49:15 ID:Bz1tY9M.0
(・(エ)・)「くそ…(脚が…軽い…?フワフワするぞ…)」
( ´_ゝ`)「クマー、もういい。よくがんばってくれた」
(・(エ)・)「兄者さん…!?何言ってるんです、僕はまだいけますって!」
(´<_` )「悔しいが、あいつの…ギコの言う通りだ。あと2戦ある。お前に壊れてもらうわけにはいかない」
(・(エ)・)「弟者さん…でもっ!」
( ´_ゝ`)「そんでもって、お前を下げるからといって試合を投げるわけじゃあない。
そして俺達の目的は今北を倒すことじゃない、インターハイに行くことだ。安心して休んでくれ」
(・(エ)・)「流石先輩……」
――ビーーーーーッ!
審判「メンバーチェンジ!紫!」
(。(エ) )「あとは…頼みます。クマー」
141
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:50:31 ID:Bz1tY9M.0
限界を迎えたクマーに代わり、ラウンジ学園は二番手のポイントガードを投入する。
技術も体力もある選手であったが、それでも今のギコを抑えることは難しかった。
そして……
――ビーーーーーッ!
審判「試合終了!スコア通り、白!」
終わってみれば、103-84と圧倒的な点差で今北が勝利を収めた。
圧巻だったのは、やはりギコだ。
第4クォーターだけで19得点・4アシストという、怪物じみた成績を残したのが印象的だった。
142
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:51:59 ID:Bz1tY9M.0
――今北ベンチ――
(*,,゚Д゚)「おっしゃあ!」
<*ヽ`∀´>「初戦圧勝ニダ!」
/* ゚、。 /「このまま突っ走りましょう!」
川 ゚ -゚)「まったく…まあよしとしようか」
――ラウンジ学園ベンチ――
(・(エ);)「先輩方!監督!…すみませんでしたっ!」
( ´_ゝ`)「頭を上げてくれ、クマー。お前は悪くない」
(´<_` )「不甲斐ない3年生で本当にすまん…残りの2試合、もう少しだけ…俺達についてきてくれ!」
( ´_ゝ`)「阿凡高校にVIP高校…もう一試合も落とせない。絶対に…勝つ!」
(・(エ)・)「…はいっ!」
143
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:52:53 ID:Bz1tY9M.0
('A`)「強いな…今北」
( ^ω^)「あれが一週間後の僕らの対戦相手…」
_
( ゚∀゚)「もう何遍も負けてるんだ、全国への切符はいい加減俺たちがもらうぜ」
(=゚ω゚)ノ「…帰って練習するヨウ!」
( ´∀`)「そうモナね、体が疼いて仕方ないモナ」
(´・ω・`)「そういうと思ったよ。体育館はとってある。さあみんな、学校に帰ろうか」
.
144
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:54:04 ID:Bz1tY9M.0
――VIP高校体育館――
('A`)「ふぅ。よし、そろそろ上がるか」
('A`)「ショボン先生、お願いします!」
VIP一同「お願いします!!」
(´・ω・`)「うん、お疲れさま」
(´・ω・`)「さて、決勝リーグの残り2戦は来週の土日を使って行われるわけだが」
('A`)「土曜日に今北戦、日曜日にラウンジ戦…か」
(´・ω・`)「セリフとらないでよ…」
('A`;)「スンマセン…」
( ^ω^)「やるしかない、お!」
(´・ω・`)「いい心構えだ、内藤くん」
145
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:55:09 ID:Bz1tY9M.0
(´・ω・`)「早速だが作戦を発表しよう」
(=゚ω゚)ノ「作戦…?」
(´・ω・`)「確実に勝つための作戦だ。まずはラウンジ対策から」
(´・ω・`)「1-3-1ゾーンの厄介さは今日見た通りだ。コーナーに不用意にボールを回すことのないようなパス回しを
意識しよう。そしてセットオフェンスではインサイドから崩したい」
_
( ゚∀゚)「俺らか…」
( ´∀`)「シューターの皆がやりやすいように、僕らで点を取ってゾーンを縮めさせる必要があるモナね」
<_プー゚)フ(中でひきつけて外に捌く…俺にぴったりじゃねーか!)
(´・ω・`)「そして、今日の今北が終盤でやってのけたことをうちもやりたいところだ」
ξ゚⊿゚)ξ「ターンオーバーからの速攻を狙いにいく、ということですか?」
(*゚ー゚)「確かにいくら強いゾーンでも組むことができなければ意味がないですもんね」
(´・ω・`)「その通り。いくらラウンジのゾーンが厄介であるとはいえ、やることは基本的にはいつも通りさ」
146
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:56:03 ID:Bz1tY9M.0
( ^ω^)「というか、なんで日曜のラウンジ戦の対策を先に…?」
∟(´・ω・`)9m「いい質問ですねえ!」
(´・ω・`)「池上先生じゃんか…誰かツッコんでよ」
( ^ω^)「いやいやまさかこのタイミングでふざけられるとは思ってもいませんし」
(´・ω・`)「…まあいいや、理由は簡単。僕の趣味さ」
(´・ω・`)「重要なことは最後に話したい、っていうね」
(´・ω・`)「では今北戦の作戦を発表する」
( ^ω^)ゴクリ…
147
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:56:54 ID:Bz1tY9M.0
(´・ω・`)「今北戦では、オフェンスの主軸を内藤くんに任せようと思う」
( ^ω^)「………………」
( ω )゜ ゜スポーン
( ^ω^)「…………」
(^ω^)
.
148
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:57:39 ID:Bz1tY9M.0
_ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( ^ω) <ブベラッ!
ξ, -'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ /
/ -―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i
/ ノ | / ノ |
/ , イ ) , ー' /´ヾ_ノ
/ _, \ / , ノ
| / \ `、 / / /
j / ヽ | / / ,'
/ ノ { | / /| |
/ / | (_ !、_/ / 〉
`、_〉 ー‐‐` |_/
ξ゚⊿゚)ξ「こっちみんな」
149
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 22:58:42 ID:Bz1tY9M.0
(#)ω^)(いやいやいやいやありえんお!無理だお!ていうかなんで殴られたのかよくわからんお!)
(´・ω・`)「そして、ファーストアタックだが…実はこれももう決めてある」
(´・ω・`)「長岡くんが必ずジャンプボールに勝つ。そして速攻を仕掛け…一発目は内藤くんのスリーだ」
( ^ω^)「………」
(;^ω^)「はいいいいいいいいいいっ!?」
150
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:03:27 ID:Bz1tY9M.0
('A`)「………!」
(=゚ω゚)ノ「………(なるほど…)」
(;^ω^)「な、なおさら無理ですおっ!」
(´・ω・`)「なぜだい?」
( ´ω`)「だって僕はスリーが入りませんお…」
(´・ω・`)「この1週間でマスターしてもらう」
(;^ω^)「無謀すぎですお!そんな計画で大丈夫か?」
(´・ω・`)「大丈夫だ、問題ない」
(´・ω・`)「今北戦、VIP高校のファーストアタックは⑤内藤が左コーナーからのスリーポイント…これで決まりだ。
左コーナーからのスリーだけマスターしてほしい。少なくとも最初の一本を自信を持って決められる程度には、ね」
( ^ω^)「でも…」
(=゚ω゚)ノ「悪くないと思うヨウ」
(;^ω^)「い…イヨウ!?」
('A`)「俺も賛成だ」
(;^ω^)「ドクオまで!?」
151
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:05:04 ID:Bz1tY9M.0
('A`)「いいか、ブーン。俺らがいつも一発目に一番よく狙うのはなんだ?…イヨウのスリーだろ」
( ^ω^)「イヨウを囮に使うってことかお?」
('A`)「それもある。だけどそれだけじゃない」
('A`)「お前が強気にスリーを打ってくる選手だ、なんてデータ、うちでさえ持ってないんだぞ」
( ^ω^)「!」
('A`)「最初の一本を決めてみろ。今北の連中はどんな反応すると思う」
( ^ω^)「………」
( ^ω^)ウズウズ
('A`)「…決まり、だな」
152
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:06:27 ID:Bz1tY9M.0
<_プー゚)フ「苦肉の策…っすか?」
(´・ω・`)「ん?」
<_プー゚)フ「各選手一人ひとりの強さから見て、おそらく今北の方が格上――だから、
『今北に勝つために』こうやって戦略を練っている…ってことっすか?」
(´・ω・`)「初めに言っただろう?『確実に勝つための作戦だ』、って」
(´・ω・`)「君が言いたいことはわかるよ。だけど、タレントの強さではうちは今北にも引けを取らない…
僕はそう思っているよ」
(´・ω・`)「さあ、内藤くん。…やってみるかい?」
( ^ω^)「…やりますお。いや、やらせてくださいお!」
( ^ω^)(僕が今北戦の一発目でスリーを決めることができれば…今北の選手は試合が終わるまで
僕のスリーを警戒せざるを得なくなるはずだお)
( ^ω^)(そうしたら、ドクオやイヨウ…それにジョルジュ、モナー。そしてエクスト、ヒッキー、トラオ…
みんなにかかる負担を減らせられるんだお)
( ^ω^)(僕だって…みんなに頼られるような選手になりたいお!!)
153
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:11:27 ID:Bz1tY9M.0
(´・ω・`)「とりあえず…っと。全体練習はこれで終わりだ。各自、個人練習に入ってくれ」
VIP一同「はいっ」
('A`)「っし、じゃあ一旦締めるぞ!VIP高ーーーーーーっファイッ!」
VIP「おおおおおおおおおっ!」
――ダンッ!ダンッ!ダンッ!
.
154
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:12:09 ID:Bz1tY9M.0
そして個人練習の時間。
( ^ω^)「…とは言ったものの」
( ^ω^)(…さて、何から始めたらいいのかお…とりあえずシューティングでも…)
(´・ω・`)「内藤くん」
( ^ω^)「あ、はいですお」
(´・ω・`)「今日から1週間、練習後にスリーのシューティング300本だ。毎日やってもらうよ。
もちろん300本決めるまで、だ。そして場所は左コーナーからだけでいい」
(;^ω^)「300…」
(=゚ω゚)ノ「海南の神は一日500本、だヨウ」
('A`)「クズ高の車谷は一日1000本、だっけか?」
_
( ゚∀゚)「それに比べりゃ全然たいしたことないだろww」
( ´∀`)「がんばるモナ、内藤君!」
(;^ω^)「あう…」
( ^ω^)「だがしかしやってみせよう」
155
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:14:04 ID:Bz1tY9M.0
(´・ω・`)「あ、あとそれから内藤くん」
( ^ω^)「はいですお」
(´・ω・`)「シューティングに入る前に…と」シュルリ
( ^ω^)ブルリ(あ、なんかいやな予感)
.
156
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:15:23 ID:Bz1tY9M.0
/ /____ /| ヽ、\ )
l |、.__ 〈/ -‐ ト、 )
l |、  ̄入 、_`j
ヽ\_〈::::::\__、__ノ
.\  ̄/\::::::/ l |∧_∧
 ̄ ̄l  ̄ //( ´・ω・)
/ //人 ` ニニヘ、
__/ _/ `ヽ \ ___/ヽ
/  ̄ /| `¨\ ̄ ̄ ̄〈_/,、 \
/ / \. (__,. ‐- l、
, ' /、.: :`ヽ..,____.. -‐::::::i:‐:..、 ヽ (___,. |ハ
/ l/ ̄ \:::::::::::::> "´  ̄ `ヾ:、Y ‘ー┬r‐' |
./l /: : ` 匸´___/__,..- ` .、___ | /│|__,ノl
∧/: : : / }/、 | } ││|__ノ
| |: : : :
{ / ) , '"^ト-〈 │ | |__/
| |\:_:_ ノヽ._/ー一^ ー‐´ │ V l | |、
| |  ̄`ヽ: : i , ,ノ、__,ノ l |/|
| | ∨ ` 〈 _/ | | | l !
! | | ∨  ̄ ゙, ,!、__\ | | |
..││ l |, -- 、 -┴‐' ヽ.  ̄\ !__|__
(´・ω・`)「ふう」
( ^ω^)「えっ」
(´・ω・`)「この時期はやっぱ暑いね、スーツ」
157
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:16:26 ID:Bz1tY9M.0
∧_∧
(・ω・ `)
/ `ニニ´彳 `` ー 、
_,ノ´、, ,..>、リ,. -- 、. ヽ--、
/  ̄´ {-_,. -、 、,' ヽ
/ 〃,.. 'r _,.. 、}>、.. r-{.
/、 _,..イ´ ト. ´ i ´ }
/ ゙ー'´ }ヘ _,..ノヘ`ー- ...ィ! ', ハ {
,' ,' リヾニ=ニ´ ,. ‐'' h ー 、 ハ リ ノ}
,'八 , / \ミヽ、ヽ. |! } 彡N ', ハ
} (.,/ ∨ ヽ('' ´`` /´`'!,∨ ! ,.' i
,ハ', ii { 入__ _ノ.__,ノ | ∨ ,{
i : v リ /、 { ゚ ´,| | |, }
{ Y, ,' ィ‐‐-ミ、_`', リ } ,' ヽ
iヽ ! ,' : ハ`ヽ、..__,/-',〉-‐‐y ,}
}. ∨ ./ ノ / ∨' ,. _,./ ! `''"i ', {ノ'′
', `ヽ_,..{,' ノ i /´ 、 ヽ、.__ ,〉 ト,)
', r‐ヤ ' 人ノ >‐‐イ / ` }
ヽ、∨ /`ヽ、 / ハ , /
y' ,' ; / `{ ,/-‐ /
i i' /' ,/ ,.. ´
i ,リ /-'" ,. '´
(´・ω・`)「よいしょっと」
( ^ω^)「ウホッ!いい男……じゃなくて」
( ^ω^)「なぜ服を脱ぐのですかそしてなぜこっちに向かってくるのですかぎゃああああ!」
158
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:18:40 ID:Bz1tY9M.0
/⌒丶 /⌒\
/´ ヽ /、 ヽ
| / | / / |
. | .| | ,/ . |
| |∧_∧ / ノ ,|
. | |(´・ω・`) 丿
ノヽ` ノヽ / ` /
/ ,/ソ \ /
( ,/ `´ |
\ イ ´ |
\ ヽ \ 八 ノ
ヽ ` ー ´人` /
\ / ´,、ヽノ
ノ⌒ / |
/ ノ_
| ノ ヽ 丿 \
/⌒l |. / \
/ l,丿 , ■ . \
| / ´ /⌒`l \
丿 / , ./ ヽ ヽ |
/ |, | / )\ ヽ
ヽ ノ ヽ__,/ . ( _\_ |
(_)__)|___,/ (__)_)_)ヽ、__/
(´・ω・`)「や ら な い か」
( ^ω^)「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」
((( ^ω^)))(チーム発足当初の恐怖が……!)
159
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:21:12 ID:Bz1tY9M.0
(´・ω・`)「……何か勘違いしてないかい?」
( ^ω^)「え」
(´・ω・`)「ワンオンワン、だ」
( ^ω^)「僕がですかお?」
(´・ω・`)「もちろん。君にオフェンスの軸になってもらうとさっき言ったばかりじゃないか」
( ^ω^)「…相手はまさか…?」
(´・ω・`)「ああ。僕だ」
.
160
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:22:02 ID:Bz1tY9M.0
('A`)「まじか…。そういや、ショボン先生が実際にバスケするとこ見るのなんてめったにないよな」
(=゚ω゚)ノ「ときどきヒマそうにシュート打ってるくらいだもんなヨウ…」
_
(;゚∀゚)(ウホッ!…って冗談抜きで!…なんだよあの体…!線が細いのに…太い!?つーか…なんて筋肉してんだよ!?)
(*´∀`)(僕も痩せたらあんな風になれるのかなあ…モナ)
(´・ω・`)「内藤くん、君には平面でのエースになってもらいたい」
( ^ω^)「平面でのエース?」
(´・ω・`)「そうだ。ドライブ・カットイン・ミドルシュート…。派手なプレーよりもむしろ。これらの
堅実なオフェンスを徹底的に磨くだけで、君は今よりもっと上手く、そして強くなる」
(´・ω・`)「君の脚に敵う選手はそうそういないからね。使わにゃ損損、さ」
161
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:23:52 ID:Bz1tY9M.0
( ^ω^)「ところで」
(´・ω・`)「ん?」
( ^ω^)「おっさん服着ろお」
(´・ω・`)「僕はまだ25だ」ムクリ…
( ^ω^)「なんで悪口言ってるのにチンコ勃ってんですか」
(´゚ω゚`)「何言ってるんだよ恥ずかしいなあ。やめてくれよ、まったく」ムクムク…
( ;ω;)「もうやだこのひとおおおおおおおおっ!!」
.
162
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:24:42 ID:Bz1tY9M.0
第7章 完
.
163
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:25:43 ID:Bz1tY9M.0
今回の投下は以上です。ありがとうございました。
それではまたノシ
164
:
名も無きAAのようです
:2011/10/30(日) 23:40:22 ID:66wDcVnk0
乙、続きが気になる
165
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 00:23:05 ID:noW1kSfE0
えーと、作者です。
今、昔書いた部分を読み返していたんですが…
ラウンジ戦と今北戦の順番が逆でした…(当時)
…が、今の構想では今北戦を先に書いているので、どうかご容赦ください。
166
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 01:54:35 ID:HdhbvZzA0
かなり前の話だしな
楽しみにしてる!
167
:
名も無きAAのようです
:2011/10/31(月) 15:18:52 ID:fP6f/zoY0
リアルタイムで初めて読んだブーン系がこの話だった
休止してがっかりしていたが、まさか復活しているとは思わなかった
応援しているよ!
168
:
青空ホライゾン
◆x/rxoIq2T6
:2011/11/01(火) 01:50:26 ID:RZ/UakMkO
http://mo-neru.net/portable/boon/01007/index.html
復活でテンション上がって纏めてしまいました。
ご意見、ご要望ありましたらお気軽にお申し付けください。
169
:
名も無きAAのようです
:2011/11/01(火) 02:16:20 ID:aXu6K.0kO
>>168
まとめ別のところもしてくれてるよと
書き込みするつもりだった
早く書き込みすればよかったです
170
:
青空ホライゾン
◆x/rxoIq2T6
:2011/11/01(火) 18:35:44 ID:RZ/UakMkO
>>169
ちょっと意味が分からないですが
ブーン系小説グループさんが第二部終わりから第三部まで纏めていたって事でしょうか?
僕も途中で気がつきました。
でも纏めてるサイトは多い方がいいはず!
171
:
名も無きAAのようです
:2011/11/01(火) 20:41:20 ID:aXu6K.0kO
>>170
青空さんも纏めてるということを
青空さんが自らここに書き込む前に
書き込みしようと思ってたということです
172
:
名も無きAAのようです
:2011/11/01(火) 23:59:31 ID:sae7YT0cO
青空さん乙なんだぜ
VIP高のメンバーのかけあいはすごくいきいきしてて大好きだ
続き頼む!!
173
:
名も無きAAのようです
:2011/11/02(水) 13:14:24 ID:I2T68.5s0
トリップどうしたの?
本物なの?
174
:
名も無きAAのようです
:2011/11/02(水) 16:54:58 ID:tksuI4goO
9月頃、VIPの総合に来た時に
トリ忘れたようなことを言ってた気がする
175
:
名も無きAAのようです
:2011/11/03(木) 18:13:46 ID:umDlx1PcO
今ちびちび読み直してるけど、
どの話見てもワクテカが止まらないwww
作者さん好きだ〜
>>171-172
ありがとう!
176
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 21:56:49 ID:alq1PSD60
応援してくださりありがとうございます。
改めて、まとめサイト様を。
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 様
http://vipteam.blog74.fc2.com/
ブーン系小説グループ 様
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/140?mode=tree
青空ホライゾン 様
http://mo-neru.net/portable/boon/01007/index.html
次のレスより投下開始です。よろしくお願いします
177
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 21:57:55 ID:alq1PSD60
――AM6:42 VIP高校体育館――
( ^ω^)「おおっ!」
――ダムッ!
(´・ω・`)「甘いよ」
――キュキュキュっ!
(;^ω^)「あーっもう!これだけのハンデがあるのになんで一本も決められないんだお!?」
178
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 21:59:06 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「全てのプレーが正直すぎだよ、内藤くん。昨日も言ったばかりじゃないか」
( ^ω^)「わかってはいるんですお…だけど実際にそれを動きに組み込むとなると…」
(´・ω・`)「君にはとにかく時間がない。体で感覚をつかんでもらうしかないんだ、だからこうしてずっとワンオンワンの
練習をしているんだよ」
( ^ω^)(そうだお…こんな朝っぱらから練習に付き合ってもらって…僕ですら眠たくて仕方ないのに
ショボン先生は仕事もしながら…)
.
179
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:00:43 ID:alq1PSD60
( ^ω^)(しかし…)
(;^ω^)「亀甲縛りだけは、なんとかなりませんかお?」
(´・ω・`)「なんで?素敵だろう」
.
180
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:02:26 ID:alq1PSD60
第8章
内藤ホライゾン強化週間
.
181
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:03:17 ID:alq1PSD60
――数日前。
(´・ω・`)『とりあえずやってみよう。内藤くんの先攻でいいよ』
( ^ω^)『はいですお!』
数分後……。
( ;ω;)コテンパン
(´・ω・`)『うーん…だいぶ手は抜いたつもりなんだけどなあ…』
('A`;)『…………』
(;=゚ω゚)ノ『…………』
_
(;゚∀゚)『…………』
(;´∀`)『…………』
<_;プー゚)フ『…………』
ξ;゚⊿゚)ξ(いつもなら……
ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっとブーン!なんにもやらせてもらえてないじゃない!気合い入れて行きなさいよバカタレーっ!」
ξ;゚⊿゚)ξ …とか言っちゃってそうだけど…)
(;*゚ー゚)(うますぎ……)
182
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:06:04 ID:alq1PSD60
――ばちんっ
(;^ω^)『おっ…』
(´・ω・`)『不用意にボールを止めない。スティールしてくれと言わんばかりの無防備さだよ』
( ^ω^)『……もう一本!ですお!』
――ダムッ!
――キュキュっ!
――どかっ!
(;^ω^)『ゲェーッ!?いつの間に前に!?』
(´・ω・`)『オフェンスファウル、だね』
(´・ω・`)『今度はボールに意識が行きすぎてるよ。ボールの扱いに意識が向いているようじゃまだまだだ』
183
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:07:27 ID:alq1PSD60
('A`;)『レベルが…違いすぎる』
(;=゚ω゚)ノ『ショボン先生…何者なんだヨウ…』
_
(;゚∀゚)『まるで初心者VS経験者じゃねーか…』
( ^ω^)(抜けないなら…!)
(´・ω・`)『抜けないならシュート、だろう?』
――ばちぃっ!
(;^ω^)『!!』
(´・ω・`)『我ながらナイスブロック、だね』
( ^ω^)『これじゃ力の差がありすぎて…逆に練習にならないんじゃ…』
(´・ω・`)『やれやれ、もう弱音を吐くのかい?』
184
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:09:30 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)『これはある意味、荒療治ともいえる』
(´・ω・`)『内藤くん、一年生のときと比べれば君は確かに上手くなった。順調に成長しているさ。
だけど今北やラウンジに勝つためにはそれじゃ足りないんだ。もっと爆発的な何かが必要なんだよ。
…君には、ここいらで一つの壁を超えてほしい』
(´・ω・`)『シンプルな話だけど、もっと速く。もっと強く。そして…もっと上手く。ね』
( ^ω^)(確かにショボン先生は僕なんかより何倍も上手いお…)
( ^ω^)(だけど…だからこそ!ショボン先生から少しでも技術を盗むんだお!)
( ^ω^)(スピードだけなら…負けてないはず、だお。だったら…!)
――ダムッ!
(#^ω^)『スピードで勝負っ!だおーーーー!』
(´・ω・`)『はい、またボールがお留守』
――ばしっ
( ;ω;)『おーーーーーーーん!!』
185
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:11:05 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)『うーん…よし、じゃあこうしよう』
(´・ω・`)『しいさん、ちょっといいかな』
(*゚ー゚)『はい、なんですか?』
(´・ω・`)『ちょっと体育倉庫についてきてくれるかな、探したいものがあるんだ』
(*゚ー゚)『あっ、はい!わかりました』
.
186
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:13:59 ID:alq1PSD60
『あ、あったあった』
『探し物ってこれですか?一体何に使うんですか?』
『簡単だよ。しいさん、いいかい?僕の言う通りに…ゴソゴソ』
『はい!えっと…こうですか?ゴソゴソ』
『そうそう、そんな感じで。あ、もう少しきつめに頼むよ。ゴソゴソ』
『す、すみません!…こんな感じですか?ゴソゴソ』
『おうっ!そう!そうだ!そんな感じだ!ハァハァ…』
『先生!大丈夫ですか?んっ…苦しそうですけど…ゴソゴソ』
『んっ…はぁ、大…丈夫…だよ。ハァハァ』
.
187
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:16:57 ID:alq1PSD60
( ^ω^)『一体何をしてるんだお?』
('A`)『男と女が体育倉庫で……ハッ、マサカ!』
(=゚ω゚)ノ『ショボン先生に限ってそれはないんじゃないかヨウ…?』
_
( ゚∀゚)『……確かにwww』
(´゚ω゚`)『ふー、お待たせ』
VIP一同(なんか亀甲縛りのおっさん出てきたーーーーー!)
(*^ー^)『上手だ、って褒められちゃった!』
ξ#゚⊿゚)ξ『教え子に何やらせとんじゃーーーーいっ!』
(´゚ω(#`)『ゴエエエエエエエエエエエエエッ!』
(´・ω(#`)『ツンさんすまない。とりあえずもちついてくれ。痛いから。ほんとに痛いから。
得点板で殴るのだけはやめてくれ。重いでしょ、下ろしなさ…下ろしてください』
188
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:19:33 ID:alq1PSD60
(´・ω(#`)『とりあえずハンデだ、内藤くん。第一関門ともいう』
(´・ω(#`)『ご覧の通り僕は両腕が使えない。いろんな所がこすれて満足に動けない。
この状態でディフェンスをしよう』
<_プー゚)フ『両腕を縛られた状態でディフェンス…!?』
( ´∀`)『タマタマにも刺激がくるモナ!』
(-_-)『さすがにそれは…』
(´・ω(#`)『大丈夫さ。この状態で、たぶんようやくいい勝負だ。それに…』
(´・ω(#`)『これでも、その辺の高校生より上手い自信はあるよ』
( ^ω^)(すごい自信だお…でも全然キマってないお)
189
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:20:30 ID:alq1PSD60
( ^ω^)(まあそれはおいといて)
( ^ω^)(ショボン先生に限ってナメている、ってことはなさそうだお…だから悔しいけど、
これが現実なんだお)
( ^ω^)(…となったら僕のやることは一つ!まずはハンデなしで相手をしてもらえるようにする!
それだけだお!)
.
190
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:22:09 ID:alq1PSD60
( ^ω^)『ところで』
(´・ω・`)『ん?』
( ^ω^)『わざわざ亀甲縛りにする意味はあるんですかお?』
(´^ω^`)『ないよ。ただの趣味さ』
( ;ω;)『変態だーーーーーーーーーっ!!!』
―――――――――――
191
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:23:13 ID:alq1PSD60
( ^ω^)(今日で特訓は3日目…)
(;^ω^)(だけどまだショボン先生の亀甲縛りを解くまでには至ってないお。それどころかまだ一本も決められていないお…)
――キュキュッ!
(´・ω・`)
( ^ω^)(ドライブを仕掛けても全部前に回り込まれちゃうお…)
( ^ω^)(しかも全部、胴体の正面で受け止められてるお…。つまり、まだまだ余裕を持って守られてるってことだお)
( ^ω^)(ドライブから急ストップでジャンプシュートをしようとしても…!)
(´・ω・`)「…っ!」
――きゅっ!
(;^ω^)(すぐに距離を詰められてベッタリ張り付かれるお…これじゃあ膝を曲げられないからシュートができない…!)
192
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:24:05 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「だから正直すぎるんだってば、内藤くんのプレーは。とりあえず、フェイクがフェイクでしかない」
(;^ω^)「???」
(´・ω・`)「形だけのフェイクになってしまっている、ってことさ。中途半端なんだよ」
( ^ω^)「????」
(´・ω・`)「うーん、言葉で伝えるのはやっぱり難しいかな。それじゃあ例えば、だ。ボールを持ってみてくれ」
( ^ω^)「はいですお」
(´・ω・`)「その状態から、左にワンフェイク入れてから右に抜いてみてくれ」
( ^ω^))「はいですお」クイッ
(´・ω・`)「ストップ、そこだ」
193
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:24:49 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「例えばだよ、内藤くん。実際に試合中、君がドライブを仕掛けるとしよう」
(´・ω・`)「そして今のように左にワンフェイクを入れるとしよう」
(´・ω・`)「だがもし、そのとき相手の左側に隙があったとしたら?隙があるなら抜くべきだよね?」
(´・ω・`)「しかし小さいフェイク…それも、今のように『攻める意志のないフェイク』ではそういった隙も突けない」
(´・ω・`)「シュートフェイクだってそうさ。形だけのシュートフェイクじゃあ意味がない。
シュートフェイクを入れて、そのとき相手に隙があれば迷わずシュートを打てばいい」
(´・ω・`)「実際に『シュートを打たれるかもしれない』、『ドライブで抜かれるかもしれない』、そうやって相手に
プレーの残像を刷り込ませることでフェイクは活きてくるんだ」
(´・ω・`)「常に攻め気を忘れないようにしよう。君はフォワードなんだからね」
( ^ω^)「はいですお!」
194
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:27:39 ID:alq1PSD60
――ガラガラ…
('A`)「はよーーっす」
( ´∀`)「おはようモナー」
( ^ω^)「おっ!ドクオ、モナー!おはようだお!」
('A`)「おう、しっかし早いな…まだ7時だぞ?」
( ´∀`)「すごい汗モナ…一体何時からやってるモナ?」
( ^ω^)「最近は4時起きだお!ランニングして、VIP公園でハンドリング練習とドライブ練習、シュート練習してから
ショボン先生に挑んでるんだお!」
(´・ω・`)(どおりで…)
195
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:28:27 ID:alq1PSD60
――ガラガラ…
(=゚ω゚)ノ「うーーす」
_
( ゚∀゚)「おうブーン!今日もショボン先生を縛ったのか!?ww」
( ^ω^)「ちょwwwww」
( ^ω^)(他に縛る人がいないから仕方ないんだお…さすがのショボン先生も自分で自分を縛るのは無理だし…)
(´゚ω゚`)「だいぶ短時間で縛れるようになってきたよね」ムクムク…
( ^ω^)「やめてください」
('A`)「っし、俺らは俺らで練習すっぞー」
(=゚ω゚)ノ「おう!」
・
・
・
・
・
196
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:29:29 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「早いところ亀甲縛りを解けるような状況にしてほしいところだね。これじゃあずっと内藤くんのオフェンスだから
いつまで経ってもディフェンスの練習ができないよ?」
( ^ω^)「はいですお!」
( ^ω^)(冷静に考えるんだお…!)
現状、ショボンは両腕を使うことができない。
よって、ブーンを止めるには真正面に回りこみ、胴体を使って止めるほかに手段はない。
――ダムッ、ダムッ!
(´・ω・`)(……おっ、テンポを変えてきたな)
( ^ω^)(クロスオーバーの左右への振り幅を速く、大きく…)
( ^ω^)(かつ、ドリブルは強く、低く…)
( ^ω^)(隙が左右のどちらに生まれてもすぐに反応できるように集中!)
( ^ω^)(目線も一箇所に集中させないお。隙あらばシュートにいけるように…)
197
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:31:37 ID:alq1PSD60
( ^ω^)(そして…!)
( ^ω^)「勝負っ!だおっ!」
――ダムッ!
(´・ω・`)「右!だから甘いってb…」
――ぎゅっ
( ^ω^)「かーらーのぉっ!」
――しゅっ
(´・ω・`)「…フェイドアウェイ…!」
198
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:33:38 ID:alq1PSD60
――がつんっ
(;^ω^)「あう…入らんお…」
(´・ω・`)「内藤くん」
(;^ω^)「おっ…すみません、入りませんでしたお…」
(´・ω・`)「これ。ほどいてくれるかい?」
( ^ω^)「……え?」
(´・ω・`)「今のでいいんだよ。ワンオンワンで大切なのは、相手を抜き去ることじゃあない」
(´・ω・`)「一発で置き去りにできるならそれが一番さ。ノーマークでゴール下まで行くことができれば
シュートも簡単だ」
(´・ω・`)「だけど試合ではそうは行かない。簡単に相手を置き去りにするなんてよほどの実力差がなければ出来ない。
そして抜いたとしてもヘルプが来るのが自然だ」
(´・ω・`)「大切なことは、少しでも高い確率で決められるような状況でシュートを打つことだよ」
(´・ω・`)「それに気づくのに3日かかるとは…」
(;^ω^)「あう…すみませんお」
199
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:35:11 ID:alq1PSD60
<_プー゚)フ(…つーか、なんで誰もアドバイスしてしてあげなかったんすか?)ヒソヒソ
(=゚ω゚)ノ(ばっか、俺らが教えてもなんも意味がねーだろーがヨウ)ヒソヒソ
('A`)(あいつが、自分自身で感覚を掴むしかないんだよ)ヒソヒソ
<_プー゚)フ(ア、ナルほど)ヒソヒソ
200
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:36:07 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「おっし、こっからが…」
(´・ω・`)「続きは放課後、だね」
( ^ω^)「え?」
(´・ω・`)「時間、時間」
――ちーんぽーんかーんとーん…
(;^ω^)「ハッ!これは間違いなく予鈴!」
( ^ω^)「てか、え?みんなは?」
(;^ω^)「えっ!いねえし!」
201
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:38:32 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「もうみんな切り上げて教室に向かったよ?」
( ^ω^)「あんの薄情者どもがあああああっ!」
(´・ω・`)「ちゃんと声かけてくれてたよ、君は気づいていないようだったけど」
( ^ω^)「気づいてたなら教えてくださいおwwwwww」
(´・ω・`)「ほらほらしゃべってる暇があったら急ぐ」
(´゚ω゚`)「遅刻するようなことがあったらおしおk…(;^ω^)「お疲れさまでしたおおおおおおおおおお!」
(´・ω・`)「やれやれ、まったく」
202
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:39:48 ID:alq1PSD60
教師「…つまりここでバルキスの定理が使えるわけだな」
('A`)「ふああ…・・・」
('A`)(最近は朝練もハードにやってるから眠いな…ちょっとだけ寝ちまおうかなあ…)
('A`)(ブーンのやつは…あれ、そういや最近あいつ居眠りしてないな)
(◎^ω^)「…………ブツブツ」
('A`)(イヤホンに…携帯か。音楽でも聴いてんのか?授業聞けよなまったく…)
(◎^ω^)(右、左、右、右…わかりやすいのだけでこんなにフェイクを…あっ、なるほど、斜め後ろに
ステップバックするのもありだおね…)
(◎^ω^)(文明の進歩はすばらしいものだおね、こうやって携帯で動画サイトも観られて…)
ブーンが見ていたのは動画共有サイト。
ワンオンワンのイメージトレーニングのために、いろいろな選手のプレーを何度も何度も見返していたのだった。
203
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:41:34 ID:alq1PSD60
教師「内藤くん」
(◎^ω^)(おおっ!このドライブインは使えそうだお!)
教師「……内藤くん?」
(◎^ω^)(しかしずっと動画再生してるから電池がすぐなくなるお…)
教師「ナイトオオオオオオオオオッ!!!」
(◎;^ω^)「はあああああああああああああいっ!?」
教師「…携帯、没収ね。放課後、職員室に取りに来なさい」
( ^ω^)「ごめんなさいですお……」
('A`)(あーあ、あのばかww)
教師「鬱田ぁ!お前もよそ見してるんじゃあないっ!」
('A`)「フヒヒwwwwサーセンwwwwwコポォwwwww」
教師「きめぇ…」
204
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:43:17 ID:alq1PSD60
――放課後。
('A`)「っし、いったん締めるぞ!個人練習に入ってくれ!」
・
・
・
・
・
( ^ω^)「ふっ!」
――しゅっ…
( ^ω^)(これはいい感じだお!)
――がしゅっ
( ^ω^)(おっし!)
205
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:45:16 ID:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!
ξ゚⊿゚)ξ「アーチが低い!リングの奥側に当たってるじゃないの!あれじゃあちょっとズレただけで
リングに嫌われるわよ!スリーポイントはあんたが思ってる以上に繊細なんだからね!」
( ^ω^)「おっ…すまんお…もう一本!」
( ^ω^)「ほっ!(アーチを高く!)」
――しゅっ
(;^ω^)(あっ…)
――がつっ
206
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:47:15 ID:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!
ξ゚⊿゚)ξ「今度はジャンプが低い!それに体が流れてる!そんなんで入ると思ってんの!?」
( ^ω^)「うっ…すまんお」
現在ブーンの行っているシューティングは少々特殊なものだ。
きたるべき今北戦に備えた作戦は、「最初の一本を速攻に持ち込み、ブーンが左コーナーからスリーポイントを放つ」というもの。
よって、そのための練習を考えた結果、このような形式で行うことにした。
( ^ω^)「もう一本だお!」
ハーフライン付近でスタンバイ。
ξ゚⊿゚)ξ ピッ!
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「ゴーーーーッ!」
ホイッスルを合図に、スタート。
試合開始直後の速攻をイメージしたものだ。
207
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:47:39 ID:ApkIiL0YO
まじかよ本物?
wktk
208
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:48:15 ID:alq1PSD60
一年「内藤さん!」
そして速攻のタイミングでパスを出し…
( ^ω^)「おっ!」
――ばしっ
左コーナーでキャッチ。そのままシュートを放つ。
可能な限り試合と同じ状況を作ろうという試みだ。
そして……。
ξ゚⊿゚)ξ ピピピッ!
ξ゚⊿゚)ξ「あんたバカ!?今のが速攻のダッシュ!?ちんたら走ってんじゃないわよ!」
(;^ω^)「おっ…」
ξ゚⊿゚)ξ「それから!速攻なんだからちゃんとサイドラインまで広がって走りなさい!疲れてるのはわかってる!
だけどここで手を抜いてたらなんにも身につかないわよ!」
( ^ω^)「了解だおっ!」
シュートのフォーム、ボールの軌道。
そして走る際のスピードやライン取りにまで厳しくチェックが入る。
209
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:49:02 ID:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ「さあ!もう一本!」
ξ゚⊿゚)ξ ピッ!
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおっ!」
一年「内藤さん!」
――びっ…
( ^ω^)「おっ!」
――ばしっ
( ^ω^)(スピードがついているせいで体が流れていきそうになっている…そのベクトルを!…膝を使って全て下へ!)
ξ゚⊿゚)ξ(よっし!いい感じ!膝もよく曲がって…)
( ^ω^)(溜めた力を…伸び上がる力も利用して一気に上へ!そしてその勢いをそのままボールに伝えて…!)
210
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:49:54 ID:alq1PSD60
(=゚ω゚)ノ「でいっふぇーんす、だヨウ」ピョン
(;^ω^)「んおおおおっ!?」
――がつっ…
.
211
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:50:58 ID:alq1PSD60
(;^ω^)「イイイイイイイイヨウ!?いきなりなんなんだお!?邪魔しないでくれおー!!」
(=゚ω゚)ノ「本番じゃあ相手がチェックに入ってくることだって十分にあり得るヨウ?そういうこともイメージしてやんなきゃヨウ」
( ^ω^)「おっ…(そうだったお…)」
・
・
・
・
・
・
・
・
(;^ω^)ゼーッゼーッ
――PM9:12
.
212
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:51:52 ID:alq1PSD60
(;^ω^)「なんとか…300本終わったお」
ξ゚⊿゚)ξ「お疲れさま、はい。ポーション」
( ^ω^)「ポーションうめえwwwwwww」
一年「お疲れさまでした!お先に失礼します!」
( ^ω^)「お疲れさまだお!付き合ってくれてありがとうだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「この後はショボン先生とワンオンワンの練習ね」
( ^ω^)「だおー…。何時に帰れることやら…」
ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生は残った仕事を済ませてから来るって言ってたわね」
( ^ω^)「そうかお。んじゃそれまでストレッチでもしておくかお」
ξ゚⊿゚)ξ「付き合うわよ」
( ^ω^)「ありがとだお」
213
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:53:03 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「しっかしなかなかハードなシューティングだお…」
ξ゚⊿゚)ξ「そうねえ…でも『一発目を作戦通りに決める』ことに関しては最適な練習だと思うわよ」
( ^ω^)「もう試合まで数日しかないのに…課題は山積みだお」
ξ-⊿-)ξ「大変ねえ…ヘタクソなのも」
( ^ω^)「…だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「いっ!今のは違うのよ!?ブーンがヘタクソって言いたいんじゃなくて!このチームの中では
ヘタクソって意味よ!?ドクオはほんとにすごい選手だしイヨウのスリーはすごいしモナーの
ポストプレーは安定感があるしジョルジュの身体能力だってすごいしヒッキーやトラオは
燻し銀的な選手だしエクストに至ってはルーキーだなんて思えないし!
チームのメンバーの中ではイマイチだけど県ベスト4のチームのメンバーなんだから!
中の上的な実力は持っていると思うわよ!?」
( ^ω^)「結局ヘタクソって言ってるじゃないかおwww」
ξ;゚⊿゚)ξ「いっいやっだからそういう意味じゃなくて!えっとえっと…!」
( ^ω^)「…いいんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…え?」
214
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:54:44 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「今回の作戦は…何度考えてもやっぱり僕が一番適任なんだお」
( ^ω^)「今北がイヨウのスリーを警戒してくるのは考えなくてもわかるお。
ドクオもあまりスリーを打つタイプじゃないけど、ギコにマッチアップされたら簡単には狙えないお」
ξ゚⊿゚)ξ「…だから、ブーンが打つことになったんでしょ?」
( ^ω^)「『イヨウ以外の選手がスリーを打つ』…という条件だけでなら、エクストでもよかったはずだお。
むしろ…エクストの方が僕よりスリーが入るんだからピシャリなはずだお」
( ^ω^)「だけど、エクストが全国大会を経験している選手だってことは今北も調べてあるだろうし…
今までの試合のビデオなんかを観ても、エクストが只者じゃないってことは一目瞭然だお」
( ^ω^)「エクストを今までスタートで起用した試合はないお。そんな中、いきなりエクストがスターティングで
出てきたら…『何かやってくるのかもしれない』って警戒されちゃうお」
ξ゚⊿゚)ξ「……『かもしれない』の可能性すらも消すために、ってことね」
( ^ω^)「だお」
215
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:56:41 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「今回の作戦では…スターティング5人の中で一番へたっぴな僕が、初めてみんなの力になれる試合に
なるかもしれないんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「確かに、今北のディフェンスにブーンを意識させることができれば、だいぶ攻めやすくなるでしょうね」
( ^ω^)「だお!僕はいつもいつもみんなに助けられてばかりだったお!これで最後の夏だお…最後くらい!」
( ;ω;)「最後くらい…一回くらい…僕は…みんなの力に……エグッ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっといきなり泣かないでよ…!」
ξ゚-゚)ξ「……ふぅ」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、聞いて」
( ;ω;)「お?」
216
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:57:54 ID:alq1PSD60
ξ゚⊿゚)ξ「あんたは、自分を役立たずだと思ってるようだけど、それは違うわよ」
ξ゚⊿゚)ξ「あんまりダラダラ長ったらしく言うのも嫌いだから、率直に言うわね」
ξ゚⊿゚)ξ「このバスケ部がこうしてインターハイをかけて戦っているこの状況。そう、私たちに今があるのは
全部。ぜーんぶ。あんたのおかげなんだからね」
ξ゚⊿゚)ξ「何度も何度もバラバラになりかけて。ケンカして。揉めに揉めて。それでもみんながバラバラにならなかったのは、
あんたがいたからよ」
ξ゚ー゚)ξ「これだけは胸を張って言えるわ。ブーンがいなかったら…今のVIP高バスケ部はなかった、って」
( ;ω;)「ツン……」
( ^ω^)「技術的な点については一切触れられていない件について」
ξ;゚ー゚)ξ ギクリ
( ^ω^)「核心を突かれたからであろうか、あからさまな動揺を見せている件について」
ξ;゚⊿゚)ξ「な、なんのことかしら…そ、そういえばショボン先生遅いわね…」
( ^ω^)「論点のすり替えが行われようとしている件について」
ξ゚。゚)ξ
217
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 22:59:20 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「…ツンを言葉責めにできたのって、何年ぶりかおねwwwww」
ξ*゚⊿゚)ξ「なっ…うるさいわねっ!」
( ^ω^)「…ツン」
ξ*゚⊿゚)ξ「…な、なによ!」
( ^ω^)「僕は…今北戦までに。絶対に、絶対に。うまくなってみせるお」
( ^ω^)「一緒に、インターハイに(´・ω・`)「ふー、ごめんごめんお待たせ」
.
218
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:02:00 ID:alq1PSD60
ξ-⊿-)ξ=3「…はあ。お約束ね……」
(´・ω・`)「…ん?なんか邪魔しちゃったかな…?」
ξ*゚⊿゚)ξ「そっそんなことナイデスヨ!お先に失礼シマッス!!!!オツカレサマデシタ!!!!」
( ^ω^)「おっ…!ツーン!おつかれだおー!気をつけて帰るんだおー!」
(´・ω・`)「なんか…すまないねw」
( ^ω^)「?何がですかお?」
(;´・ω・`)「いや、なんでもないよ…」
(´・ω・`)「さて、シューティングは終わっているかい?」
( ^ω^)「なんとか終わりましたお」
219
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:05:09 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「そうかい。じゃあ早速だが…」
(´・ω・`)「左コーナーっ!」
突然ボールを拾い、左コーナーへ山なりのパスを出すショボン。
( ^ω^)「っ!……おっ!」
すぐさまショボンの意図を察し、ボールを追うブーン。
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおおおっ!」
――ばしっ
( ^ω^)(練習どおりのフォームで…!ディフェンスのチェックも想定して…!)
220
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:06:12 ID:alq1PSD60
――しゅっ
(´・ω・`)「………!」
( ^ω^)「いい感じ…だおっ!」
――ぱしゅっ!
(´・ω・`)(……驚いたね)
(´・ω・`)「ナイスシュート。練習の成果も見せてもらったことだし、早速ワンオンワンだ」
( ^ω^)「はいですお!」
(´・ω・`)「今日からは亀甲縛りも解除だ。オフェンス・ディフェンスは交互にやろう。…僕からでいいかい?」
221
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:07:30 ID:alq1PSD60
( ^ω^)「はいですお!よろしくお願いしますお!」
(´゚ω゚`)
(;^ω^)「!?」
(´・ω・`)「…どうしたの?内藤くん」
(;^ω^)「(気のせいかお…?)な、なんでもないですお!」
(´・ω・`)「じゃあ…行くよ?」
――ダムッ!
(´゚ω゚`)「シャアッ!!!!」
( ^ω^)「ちょっ…(はやすぎ…)」
(´゚ω゚`)「遅いわぁぁっ!!!!!」
(;^ω^)「んな…(どっから跳んd…!?)」
(´゚ω゚`)「カァッ!!!!!!!」
――ガコォッ!
(;^ω^)「ボースハンドダンク…!?」
222
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:08:47 ID:alq1PSD60
(´・ω・`)「ディフェンスの一歩目が遅いよ。最初の一歩目が出るか出ないかは非常に重要だ」
(´・ω・`)(……内藤くん。)
――( ^ω^)「一緒に、インターハイに(´・ω・`)「ふー、ごめんごめんお待たせ」
(´゚ω゚`)(あんなタイミングよくたまたま出てくるとでも思ったかい!?)
(´゚ω゚`)(あの状況はね……こういうことだったのさ!)
.
223
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:09:50 ID:alq1PSD60
――回想(´゚ω゚`)――
【壁】
――(;^ω^)「なんとか…300本終わったお」
――ξ゚⊿゚)ξ「お疲れさま、はい。ポーション」
【壁】`)
――( ^ω^)「ポーションうめえwwwwwww」
―― 一年「お疲れさまでした!お先に失礼します!」
( ^ω^)「お疲れさまだお!付き合ってくれてありがとうだお!」
【壁】゚`)
――ξ゚⊿゚)ξ「この後はショボン先生とワンオンワンの練習ね」
――( ^ω^)「だおー…。何時に帰れることやら…」
.
224
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:10:36 ID:alq1PSD60
【壁】ω゚`)
――ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生は残った仕事を済ませてから来るって言ってたわね」
――( ^ω^)「そうかお。んじゃそれまでストレッチでもしておくかお」
【壁】´゚ω゚`)
――ξ゚⊿゚)ξ「付き合うわよ」
――( ^ω^)「ありがとだお」
――(´゚ω゚`)回想終了――
225
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:11:31 ID:alq1PSD60
(´゚ω゚`)(ぜーーーんぶ丸聞こえだったってことさァァァァァァーーーーッ!!!!)
(´゚ω゚`)(嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬)
(´゚ω゚`)(ShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShitShit)
(´゚ω゚`)(嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬)
(´゚ω゚`)(内藤くん…今夜は…容赦しないッッ!!!!!)
( ;ω;)「なんかよくわからないけどショボン先生が怖いおーーーーーーーんっ!!!!!!」
.
226
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:12:39 ID:alq1PSD60
第8章 完
.
227
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:13:36 ID:alq1PSD60
今回の投下は以上です。ありがとうございました。
228
:
名も無きAAのようです
:2011/11/04(金) 23:27:48 ID:j4LRkDQg0
乙!!
ショボン先生相変わらず良いキャラしてるwww
ブーンには凡人の壁を是非とも越えて貰いたいぜ!
229
:
名も無きAAのようです
:2011/11/05(土) 00:02:33 ID:5xDZq1zI0
おつー
230
:
名も無きAAのようです
:2011/11/05(土) 02:31:03 ID:3J1rvD..O
ショボンとドクオの対戦もみたいなぁ
乙!
231
:
名も無きAAのようです
:2011/11/08(火) 00:41:40 ID:0A8relnMO
文章も会話も昔と比べてどんどん洗練されてってるな
続き楽しみにしてるぜ
作者乙
まとめさん乙
232
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 21:53:16 ID:tsRfWuCA0
もうすぐかwktk
233
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:00:27 ID:Ih/htjWo0
第9章
改めまして、VIP高校のスモールフォワードを務めさせていただいております内藤と申します。
申し訳ありません、ただいま名刺をきらしておりまして。
.
234
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:01:32 ID:Ih/htjWo0
――AM8:43 VIP高校体育館
<_プー゚)フ「………………」
呼吸はずいぶん落ち着いた。
汗はまだ流れるが、先ほどと比べれば幾分かましだ。
<_プー゚)フ「……………」
仰向けに寝そべりながら無言で体育館の天井を眺める。
やはり体育館の照明は直視するには眩しい。
<_プー゚)フ「はーぁ…っと」
己を引き戻すかのように敢えて大きくため息をつき、寝そべった状態から跳ね起きで立ち上がる。
近くに転がっていたボールを拾い上げ、ミドルレンジからひょい、とシュートを放った。
――がつっ
<_プー゚)フ「………ちぇ」
<_プー゚)フ「俺もそろそろ…行くか」
235
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:02:32 ID:Ih/htjWo0
――――――――――――――
時は少々戻って、朝7時。
――ダムッ…ダダムッ
( ^ω^)「ほっ」
――ざしゅっ
( ^ω^)「ふんっ」
――ぱしゅっ
( ^ω^)「ふぅ」
236
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:07:00 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)(いよいよ今日の午後は今北戦だお…)
( ^ω^)(万が一、ケガでもしたらいけないからってことで、ショボン先生とのワンオンワンは今日はなし)
( ^ω^)(できる限り体を休めてあげるように、とも言われたけど…)
(;^ω^)(体を動かさずにはいられないお…)
( ^ω^)(緊張…は、してるお、もちろん。だけどそれよりも…)
( ^ω^)(疼きが、抑えられないお)
――ガラガラ…
( ^ω^)「おっ…(ドクオかお?)」
しかし。
<_プー゚)フ「…おはよございまっす」
内藤の視線の先にいたのは、意外な人物だった。
237
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:09:27 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)「……おはようだお」
<_プー゚)フ「…絶対にいると思いましたよ」
<_プー゚)フ「ショボン先生からもおとなしくしとけ、って言われてたのにw」
( ^ω^)「おっおwどうにも落ち着かんくていかんおww」
<_プー゚)フ「今日はとうとう今北戦っすもんねww」
( ^ω^)「エクスト」
<_プー゚)フ「はい?」
( ^ω^)「…僕に、何か言いたいことがあって来たんじゃないかお?」
<_プー゚)フ「…………」
238
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:10:36 ID:Ih/htjWo0
――<_プー゚)フ『苦肉の策、っすか?』
――<_プー゚)フ「各選手一人ひとりの強さから見て、おそらく今北の方が格上――だから、
『今北に勝つために』こうやって戦略を練っている…ってことっすか?」
( ^ω^)「さすがに気づかないわけがないお。君がショボン先生に噛み付くなんて。
まだ出会って数ヶ月だけど、普段のエクストならそんなことしないお」
( ^ω^)「…不満なんだお?今北戦での作戦に、僕が選ばれたことが」
<_;プー゚)フ「……!」
( ^ω^)「エクストの気持ちはわかるお。僕より君の方がずっと上手いお。
技術だけじゃない、経験的な面でも、きっと君は僕より遥かに優れてるお」
( ^ω^)「だけどだからこそ、なんだお」
( ^ω^)「君がスターティングで出ていくようなことがあれば、今北は必ず警戒してくるお。
だから、僕なんだと思うんだお」
239
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:13:29 ID:Ih/htjWo0
<_プー゚)フ「…本当は…作戦うんぬんじゃないっす」
( ^ω^)「お?」
<_プー゚)フ「嫌われるの承知で正直に言います。このチームで俺がスタメンの座を奪うのなら、
それは内藤さん。あんたのとこだと思ってます」
( ^ω^)「…その通りだお」
<_プー゚)フ「俺は、自分のスキルに自信がある!それに多少なりとも、『勝てるバスケット』で
戦い続けてきた経験だってある!」
<_プー゚)フ「そのチームで俺はエースだった!全中では二回戦で負けちまったけど…声をかけてくれた
高校はいくつもあった!」
<_プー゚)フ「それでも俺はこのチームを選んだ!このチームで戦いたかったから!」
<_プー゚)フ「それなのに、出られない!いや、出られてはいるけどあんな出場の仕方、俺の思ってたのと違う!」
<_プー゚)フ「今回の作戦のことだってそうだ!俺だったらわざわざあんな苦肉の策で戦わなくても、渡り合える!」
<_プー゚)フ「俺だけに限った話じゃないです、それに野球でもサッカーでもなんでも!誰だってスタメンで出たい!
自信があるならなおさらだ!それなのに…!」
<_プー゚)フ「自分の方が上手いんじゃないか、って思うような先輩がスタメンで出てるなんて…納得できなっすよ!
俺にだってプライドはある!!」
240
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:15:08 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)「言いたいことは、わかったお。っていうか…わかってたお」
( ^ω^)「だけど、一個だけ言わせてほしいお」
( ^ω^)「君はいま…『自分なら今北相手でも渡り合える』、そう言ったおね?」
( ^ω^)「高校バスケをなめちゃいけないお」
<_プー゚)フ「なっ!?あんたそのレベルでよくそんなこと…!!」
( ^ω^)「選手としてのレベルは関係ないお。僕は君よりも長く高校バスケの世界にいるお。
だから、わかるんだお。そういう驕りは、きっとチームにとって命取りになるお」
<_フー )フ「!!!!」
<_フー )フ「…内藤さん。」
<_プー゚)フ「俺と、ワンオンワンしてくださいよ」
<_プー゚)フ「現実、教えてあげますから」
( ^ω^)「……わかったお」
241
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:16:26 ID:Ih/htjWo0
――ダムッ…
<_プー゚)フ「内藤さんの先攻でいいっす」
( ^ω^)「おk」
――きゅ…
( ^ω^)(…とは言っても試合前にケガなんてしようものなら……)
――キュキュキュキュ!
(;^ω^)(んおっ!こいつ…!)
<_#プー゚)フギリ…
( ^ω^)(本気の本気…ってことかお!)
242
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:18:27 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)(余計なことなんか(大事なことだけど)…考えてる場合じゃないお!)
( ^ω^)「エクスト!僕も…君と同じ考えだお!だけど……僕にだってプライドはあるお!」
<_プー゚)フ「じゃあプライドとプライドのぶつかり合いってことっすね!俺は本気でいきますから!」
(#^ω^)「……僕も…本気だおっ!」
――ダムッ!
243
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:19:50 ID:Ih/htjWo0
・
・
・
・
・
<_;プー゚)フ「ハァッ、ハァッ」
(;^ω^)ぶん「ゼッ……ハァッ…」
<_;プー゚)フ「……俺の…負けっすね…」
<_プー゚)フ「この一週間で……そんなに上手くなってたなんてズルいっすよ…」
244
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:22:07 ID:Ih/htjWo0
<_;プー゚)フ「ハァッ、ハァッ」
(;^ω^)ぶん「ゼッ……ハァッ…」
<_;プー゚)フ「……俺の…負けっすね…」
<_プー゚)フ「この一週間で……そんなに上手くなってたなんてズルいっすよ…」
<_フー )フ「………すんません、会場、先に行っててください。ボールはどうせ教頭が運ぶんですし」
( ^ω^)「エクスト…」
<_プー゚)フ「内藤さん、敗者にかける言葉はないんすよ」
<_フー )フ「ちょっとだけ、考え事したいんです…すんません」
( ^ω^)「…わかったお。居眠りして遅刻するなおw」
<_プー゚)フ「大丈夫っすw」
245
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:23:25 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)「エクスト」
( ^ω^)「僕は、君の気持ちも背負って試合に臨むお。今日は絶対にハードな試合になる。だから君の力が絶対必要になるお。
そのときは、手を貸してほしいお」
<_プー゚)フ「…それは、勝者としての言葉っすか?」
( ^ω^)b「頼りない先輩として、そして、チームメイトとして、だお」
<_プー゚)フ「…っす」
( ^ω^)「じゃあ、先に会場に向かってるお」
<_プー゚)フ「はい。あっ……内藤さん!」
( ^ω^)「お?」
<_;プー゚)フ「生意気なこと言って…失礼なこともたくさん言って!ほんとにすみませんでした!」
d( ^ω^)b「大丈夫、気にしてないお」
( ^ω^)「んじゃ、あとで、だお」
246
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:25:17 ID:Ih/htjWo0
――ガラガラ……ガタンッ
エクストはふぅ、と溜息をつき、コートに寝転がった。
<_プー;)フ「ちっくしょーーーーーー!」
<_プー;)フ「ちくしょう…」
<_プー゚)フ「ちくしょう…かなわねえや、くそっ」
――――――――――
247
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:26:45 ID:Ih/htjWo0
――ニュー速市立スポーツセンター
「「「ざわ…ざわ…」」」
試合開始まではまだしばらく時間がある。
にもかかわらず、観客席は多くの者で埋まりかけていた。
( ><)「すごい人なんです!」
从'ー'从「全国大会でもないのに…でも確かにニュー速県はバスケがアツいですもんねえ。
他県と比べても、心なしかメディアの扱いが大きいような気がします」
( ・∀・)「まったくだ。こんなふうに、どこの県もバスケットにもっと目をやってほしいものだね。
そしてもっとバスケットにふれあえる環境が整えばよいのだけれど…」
( ><)「あっ、出てきたんです!」
( ・∀・)「共に一勝を挙げたもの同士…勝った方がインターハイ出場をほぼ確実にする」
从'ー'从「胸熱」
( ><)「ジュンジュワー(笑)」
( ・∀・)「死ね」从'ー'从
248
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:26:51 ID:JTAWbEjIO
部活ならではだな、支援
249
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:27:41 ID:Ih/htjWo0
('A`)「ランシュー!」
(,,゚Д゚)「タップ!いくぞゴルァ!」
(;^ω^)(もう呑まれそうだお…このふいんき(ryに…)
(=゚ω゚)ノ(絶対…勝つ。クーにも、負けねえヨウ)
( ゚∀゚)(あのノッポ…要注意だ。大丈夫、大丈夫だ…)
( ´∀`)(ニダー君…僕に止められるかなモナ…)
(-_-)(いつ出番があるかわからない…気を引き締めて…ああでも緊張がやばい…!)
(・▽・)(最近の僕のモブキャラ具合ったらないよね)
<_プー゚)フ(…………)
250
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:29:55 ID:Ih/htjWo0
('A`)(お、5分前か)
('A`)「っし、シューティングだ!」
('A`)「ブーン、わかってるとは思うが…」ボソボソ
( ^ω^)「大丈夫、ミドル中心でシューティングしとくお」ボソボソ
( ^ω^)(ここでスリーの練習してたら作戦を隠してた意味がなくなっちゃうお)
.
251
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:31:46 ID:Ih/htjWo0
('A`)(3分前……)
('A`)「っしゃ、集合!!」
VIP一同「おおっ!」
――だだだだだ…きゅきゅっ
('A`)「お願いします!」
VIP一同「お願いします!!」
(´・ω・`)「うん、ではファーストアタックについて注意点をひとつだけ」
('A`)「激しく喜んだり、オーバーなリアクションを取らないように、でしょ?先生」
(´゚ω゚`)「……」
('A`;)(やべ、またセリフ取っちまった)
252
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:32:28 ID:Ih/htjWo0
(´・ω・`)「まあ、その通り。あまり喜びすぎても相手に『マグレなんじゃね?』と思われてしまっては
作戦の意味がないからね。スタメンだけじゃなくて…」
('A`)「ベンチのメンバーにもちゃんと伝えてありますよ、淡々と褒めておいてくれ、って」
(´゚ω゚`)「……そうかい、仕事が早くて助かるよ」
('A`;)(しまった、セリフだけじゃなくて仕事まで取っちまった…)
(´・ω・`)「まあとにかく。」
(´・ω・`)「気楽に行こう。そうすれば結果は自ずとついてくる。さあ、いっておいで」
253
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:34:05 ID:Ih/htjWo0
(■_■)「やることはいつもと変わらん。だが、最初の一本だけは気をつけろよ」
(■_■)「正直、ダイオードでもジャンプボールに勝てるかわからん。無論、向こうも8番が
ジャンプに勝つことを前提として速攻を仕掛けてくるはずだ」
(,,゚Д゚)「6番の外角は頼むぞ、クー」
川 ゚ -゚)「任せておけ。簡単にはパスは通させない」
川 ゚ -゚)「それよりもギコ、おまえの方が重要だ。楽に4番にボールを持たせるなよ。速攻の起点は間違いなくあいつだ」
(,,゚Д゚)「任せとけ」
254
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:35:00 ID:Ih/htjWo0
('A`)「っしゃみんな、円陣組もう」
('A`)「行くぞインターハイ!VIP高ぉーーーーーーっファイッ!」
VIP一同「おおおおおぉぉぉぉおおおっ!!」
――ダンッ!ダンッ!ダンッ!
全員がリズムよく床を踏み鳴らす。
その一体感は、とっくに強豪校のそれであった。
.
255
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:36:27 ID:Ih/htjWo0
(;^ω^)(どんどん緊張が…)
('A`)「ブーン」
( ^ω^)「お?」
('A`)「『何があっても最終的には俺がパスを出す』。だから、安心して打てよな、スリー」
( ^ω^)「わかったお(どういうことだお…?)」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンバカアホハゲ童貞短小クソカス」
( ^ω^)「はい」
ξ*-⊿゚)ξ「…がんばんなさいよっ!」
(*^ω^)「おっおっwww」
256
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:40:17 ID:Ih/htjWo0
(,,゚Д゚)「いいか絶対に油断すんな。確実に掴むぞ」
(#,,゚Д゚)「いくぞ今北ぁぁーーーーっファイッ!」
今北一同「おおおおおおおおおおおっ!!」
審判「両チーム、コート中央へ!」
審判「これより、今北産業大学附属今北高校 対、VIP高校の試合を行います!」
(,,゚Д゚)(あ、今日は噛まずに言えてる)
審判「試合中のコールは今北(ryを白、VIP高校を緑とします!互いに礼!」
川 ゚ -゚)(む、正式名称を言うのが面倒だから略してくれたな)
審判(勘弁してよ言いづらいんだってばこの学校名…)
257
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:42:36 ID:Ih/htjWo0
VIP高校
④ドクオ 170cm55kg PG
⑤内藤ホライゾン 175cm58kg SF
⑥イヨウ 166cm54kg SG
⑦モナー 193cm94kg C
⑧ジョルジュ長岡 181cm82kg PF
今北産業大学附属今北高校
④ギコ 175cm63kg PG
⑤ニダー 187cm78kg C
⑦クー 159cm52kg SG
⑧名無し SF
⑭鈴木ダイオード 194cm85kg C
(;^ω^) 平常心!
258
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:44:12 ID:Ih/htjWo0
(=゚ω゚)ノ「イヨウ、久しぶりだな」
川 ゚ -゚)「ずいぶんと雰囲気が変わったじゃないか」
(=゚ω゚)ノ「おめーは相変わらずハルヒコスが似合ってるヨウ」
川 ゚ -゚)「以前より強くなったか?楽しませてくれよ」
(=゚ω゚)ノ「またずいぶん上から来るじゃねーかヨウ。見てな!」
<ヽ`∀´>「今回のウリのマッチアップはお前ニダ。あの筋肉達磨はダイオードに任せるニダ。あー今回は楽できそうニダwwww」
( ´∀`)「口臭ぇモナ」
<#ヽ゚∀゚>「ファビョーン!?」
259
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:45:46 ID:Ih/htjWo0
( ゚∀゚)ノ「よっ」
/ ゚、。 /「…どうも」ペコリ
_
( ゚∀゚)「ラウンジ戦、観てたぜ。すげーなおまえ」
/ ゚、。 /「…それがわかっていて、ぜそんなに楽しそうなんです?」
_
( ゚∀゚)「決まってんだろ」
審判がセンターサークルへ入る。ボールを右手に持ち、腰を沈める。
ボールが、トスされた。
_
( ゚∀゚)「ワクワクしてんだよ!純粋にな!」
両選手が跳び上がる。
/ ゚、。;/(!?)
_
(#゚∀゚)「おらあああああっ!」
260
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:47:39 ID:Ih/htjWo0
( ・∀・)(VIP⑧ジョルジュ長岡、181cm…今北⑭鈴木ダイオード、194cm…この身長差でジャンプボールを制する…!?)
从'ー'从(なんて馬鹿げた身体能力…!)
(,,゚Д゚)(問題ねえ!監督の読み通りっちゃ読み通りだから特に慌てることもない)
(,,゚Д゚)(いつも通りドクオに渡して攻めんだろーがっ)
(,,゚Д゚)(ジャンプで負けようが、タップされたボールを獲得した方が有利なんだ)
(,,゚Д゚)(そしてボールがタップされる方向はほとんどわかってる、悪いがいただくぜ!)
261
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:49:51 ID:Ih/htjWo0
_
( ゚∀゚)(ばーか)
_
( ゚∀゚)「モナーーーーーッ!」
――びしっ
(,,゚Д゚)(!?)
(,,゚Д゚)「ちっ、ニダーそっちだ取れぇっ!」
(´∀` )ゞ∀´> 「むぐ…」
(,,゚Д゚)(センターサークル付近でポストアップのスタンス…いや、スクリーンアウトか!?
完全にポジションを取られてる…あれじゃニダーは一歩も動けねえ!)
――ばしっ
( ´∀`)「キャッチだ。とうっ」
262
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:50:31 ID:Ih/htjWo0
川 ゚ -゚)(なるほど、考えたな。4番にボールをタップすることを我々が読んでいる、と考えた上での7番か)
川 ゚ -゚)(だがこの7番はどう考えてもボール運びや速攻を演出できるような選手ではない。
結局7番にワンクッションさせてから4番に…)
――ダムッ!
<;ヽ`∀´>「うぐぉ!?」
( ・∀・)「パワーステップでニダー君をかわした…!?」
从'ー'从「センターサークル付近でポストプレー…うまい!」
(=゚ω゚)ノ「よっしゃ!」
モナーがパワーステップでニダーをかわした瞬間にイヨウが右サイドライン沿いに駆け上がる。
(,,゚Д゚)「クー!6番走ったぞ!」
川 ゚ -゚)「わかっている!」
263
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:52:02 ID:Ih/htjWo0
クーはモナー→イヨウのパスコースを消すためにイヨウを追う。
そしてギコはボールの出所となるであろうモナーを潰すべくモナーへとプレッシャーをかけに向かう。
しかしモナーはパワードリブルが終了する前に――つまり、着地する前にボールを手放す。
(,,゚Д゚)「えっ」
ギコの視線の先には。
('A`)
モナーによる手渡しパスとなったボールをキャッチするドクオの姿があった。
――ダムッ!
そのままモナーをスクリーンに使い、ドクオがドリブル突破。
幾重にも考え抜かれたこのプレーに、今北のメンバーはクーでさえも理解が遅れていた。
しかしそれもすぐに理解する。
('A`)「いけえっ!」
――びゅっ
ドクオの出したパスによって。
264
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:53:05 ID:Ih/htjWo0
⊂二二二( ^ω^)二⊃ 「おおおっ!」
__
,, -──- 、._ 〈_〉〕
-"´ \ ./ `ヽ
/ ヽ 〈 /| |
/ ヽ `´ .L/
| /\ /\ | へ.
l | \.\
` 、 (_人_) /. \.ゝ
,―――`ー 、_ /ー 、 〈´ヽ
l´ `'' ‐''´ `l /ヽ | . |
` ̄ ̄ ̄ヽ / ̄ ̄ ̄´ 〈 / ノ /
| | ` <´ ノ
i `/ ̄`l / `~
\ / ./
\__//
/ /
` ̄
(,,゚Д゚)(くそ、5番か…!ってちょっと待て!)
(,,゚Д゚)「あのやろうどこに向かって走ってやがる!?そっちはスリーポイントライン…!」
265
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:53:57 ID:Ih/htjWo0
――ばしっ
川 ゚ -゚)(5番はミドルレンジから仕掛ける選手であったはずだが)
<ヽ`∀´>(話が違うニダ!!!)
/ ゚、。 /(…………)
( ^ω^)(練習どおりに!やわらかく!ふわりと!)
――しゅっ
.
266
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:55:50 ID:Ih/htjWo0
ξ゚⊿゚)ξ(よし!完璧よ!あとはシュートさえ入れば…お願い入って!)
('A`)(来い…)
(=゚ω゚)ノ(入れ入れ入れ)
_
( ゚∀゚)(頼むっ…)
( ´∀`)(ブーン君…!)
( ^ω^)(入れおぉぉっ!)
――ぱしゅっ
「「「「「!!!!????」」」」」
267
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 22:57:11 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)(よーーーーーーっsh…)
――(´・ω・`)『あまり喜びすぎても相手に「マグレなんじゃね?」と思われてしまっては作戦の意味がないからね』
( ^ω^)(…っと、危ない危ない)
('A`)「っし、ナイシュ」
(=゚ω゚)ノ「デイフェンス、いくヨウ」
_
( ゚∀゚)「しまっていこーぜ」
( ´∀`)「さ、ディフェンス一本」
( ^ω^)(みんなも落ち着いてるお。こりゃ平気な顔して嘘つくタイプだおね)
(=゚ω゚)ノ「もしかして悪口言った?」
( ^ω^)「ううん、なんも」
268
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:00:25 ID:Ih/htjWo0
( ・∀・)「…うまいプレーだった」
从'ー'从「4番のドクオくんに最初にボールを持たせると思いきや」
( ・∀・)「ところがどっこい、ボールは7番のモナー君へ」
从'ー'从「モナー君を経由して4番のドクオ君にパスを出すのかと思いきや」
( ・∀・)「ところがどっこい、ここでモナー君が攻め込もうとする。合わせて6番のイヨウ君も走り出す」
从'ー'从「するとモナー君→イヨウ君ラインでの速攻かと思わされる」
( ・∀・)「ところがどっこい、モナー君のパワーステップは囮。モナー君にデイフェンスをひきつけたところで
やはりドクオ君がボールを持つ」
从'ー'从「そしていつもどおりのドクオ君→イヨウ君ラインでの速攻かと思いきや」
( ・∀・)「とk( ><)「ところがどっこい!シューターのイヨウ君は囮で点を取ったのは5番の内藤くん!
しかも一切データにないスリーポイント!!!!すごすぎるんです!」
( ・∀・)「あのさ、殺すよほんとに」
(::::::)←わかんないです(肉塊)
269
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:01:08 ID:Ih/htjWo0
( ・∀・)「しかし…イヨウ君を囮に使うのはともかく、内藤君がスリーとは…今北も相当面食らってるはずだ」
从'ー'从「しかし着目すべきは内藤くんのスリーよりも…」
( ・∀・)「ああ、他の4人の動きが素晴らしすぎる。まるで申し合わせたかのような…」
( ・∀・)(…まさか最初からこのパターンで攻めるつもりだった…?)
( ・∀・)(いや、まさかね。リスクが高すぎる)
.
270
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:02:49 ID:Ih/htjWo0
ξ゚⊿゚)ξ「ショボン先生…!?いつの間にあんなオフェンスまで教えてたんですか!?みんな完璧じゃないですか!!」
(;´・ω・`)「…僕は何も教えていない」
ξ゚⊿゚)ξ「……え?」
(´・ω・`)「ドクオ君が、イヨウ君が、モナー君が、ジョルジュ君が。彼らみんなが、自分で考え出したんだ」
('A`)(ブーンにばっかり重荷を背負わせるわわけには、いかねーもんな)
(=゚ω゚)ノ(ブーンがショボン先生にしごかれてる間、俺たちだってぼーっとしてたわけじゃないヨウ!)
_
( ゚∀゚)(VIP公園で毎晩あーでもないこーでもないと試行錯誤の日々!)
( ´∀`)(しかもこの試合一回こっきりじゃない、ファーストアタックで相手がどう対処しても柔軟に対応できる、
一種のセットオフェンスだモナ!)
271
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:04:06 ID:Ih/htjWo0
('A`)(このオフェンスは・・・誰か一人でもうまく機能できなかったら意味を成さない)
('A`)(ブーンが『必ずスリーポイントを決めなくてはいけない』なんて馬鹿でかいプレッシャーと戦ってるんだ)
('A`)(だから俺たちも、『誰か一人でも失敗したらオフェンスが失敗してしまう』というプレッシャーを背負ってこのワンプレーに
臨んだ)
('A`)(自己満足なのかもしれない、だけど…俺たちは仲間なんだ!!)
.
272
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:05:58 ID:Ih/htjWo0
<_;プー゚)フ(なんっつーオフェンスやりやがんだよ!もし誰か一人でも動きをミスってたら…1週間丸々練習してきた
作戦が全部パーになるとこだったじゃねーか!)
<_プー゚)フ(いや…違うな)
<_プー゚)フ(これが、VIP高校というチームなんだ。俺が憧れてるチームなんだ)
<_プー゚)フ(仲間のためなら全力で体を張ったプレーをする、そういうチームなんだ)
<_プー゚)フ(内藤さんも、生半可な覚悟でやってたわけがねえ!一週間、わけわかんねーくらい重いプレッシャーに
押し潰されそうになりながら……!)
<_プー゚)フ(なのに俺は内藤さんにあんなこと……)
<_プー゚)フ(マジでバカだ、俺……!)
273
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:08:56 ID:Ih/htjWo0
――ダムッ…
(,,゚Д゚)「…一本だ」
川 ゚ -゚)「動揺しているのか?」
(,,゚Д゚)「…お前はどうなんだ」
川 ゚ -゚)「少なからず驚いている。データに一切ないどころか、データから予測することすら
出来ないプレーだったからな」
川 ゚ -゚)「だが関係ない」
川 ゚ -゚)「常識的に考えろ。今までスリーを打たなかった…いや、打てなかった選手がこんな短期間で
スリーをマスターできるわけがない」
川 ゚ -゚)「可能性としては、まったくのラッキーパンチ。もしくは…左コーナーからのシュートだけ習得してきた。
そんなところではないか?」
(,,゚Д゚)「さすがだな。だが……」
274
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:09:54 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)ドヤァ
(ll,, Д )(すんげぇドヤ顔なんですけどーーー!)
川; ゚ -゚)(あれは自信の表れなのか…?むぅ…)
.
275
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:10:43 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)(平常心、平常心)
( ^ω^)(だけど…)
(^ω^ )チラリ
今北産大附今北 0-3 VIP高校
( ^ω^)( 大 成 功 !!!!)
( ^ω^)(先制点をスリーで決めることがこんなにも気持ちいいなんて知らなかったお。しかもノータッチ)
( ^ω^)(平常心!喜びを相手に気取られないように…)
( ^ω^)(だけど思わず顔が緩んじゃうんだお…)
( ^ω^)ドヤァ
.
276
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:12:46 ID:Ih/htjWo0
(■_■)(マグレなのか狙ったのか…さっぱりわからない!何がどうなっているんだ…)
(■_■)チラッ
(´^ω^`)
(■_■;)(むむむむむ…わからんっ!)
.
277
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:17:19 ID:Ih/htjWo0
「いけぇーVIP高!」
「いいぞー!やっちまえ!」
VIP高の鮮やかな先制点に会場は沸き立つ。
インターハイ出場がかかっていることもあり、VIP高校の生徒や教師も多く訪れており、
今北の応援団に劣らぬ人数がVIP高校を盛り上げる。
しかし…
川 ゚ -゚)「五月蝿(うるさ)い」
――ぱしゅっ
(;=゚ω゚)ノ「………!!!」
(;=゚ω゚)ノ(『五月蝿(うるさ)い』だなんて…そんなわざわざ厨二っぽくしなくても…)
「今北7番の超ロングシュート―――!」
「どんだけ遠くから打ってやがんだ!?」
「てかなんであれがリングまで届くんだ!?あんな馬鹿みたいに高い軌道なのに!」
「スリーをスリーでやり返すなんて…まだ始まったばっかなのにどんだけ強気なんだよ!?」
278
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:20:02 ID:Ih/htjWo0
今北産大附今北 3-3 VIP高校
川 ゚ -゚)「同点だ」
(=゚ω゚)ノ「野郎……!」
('A`)「関係ねえ!一本行くぞ!」
.
279
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:21:16 ID:Ih/htjWo0
――ダムッ…ダムッ…
(,,゚Д゚)「だから簡単に行かすかっての」
('A`)「俺も今は勝負する気はないぜ、っと」
――びゅっ…ばしっ
( ^ω^)「ナイスパスだお!」
(,,゚Д゚)(また5番が左コーナーに!?)
――きゅきゅっ
今北⑧「ボールおk!!」
今北⑧(さっきのスリーは確かにマグレかもしれない。だけど一本決められてしまっている以上、警戒はしておくべきだな)
280
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:22:23 ID:Ih/htjWo0
(^ω^ ))クイッ
今北⑧(みg…?)
( ^ω^)「おっ!」
――ダムッ!
今北⑧(左!はや…!)
左コーナーでパスを受けたブーン。
そのまま左サイドへ…つまり、エンドライン側へ鋭いドライブを決める。
そのままクローズアップシュート(レイアップのステップで打つジャンプシュートのようなもの)のステップを踏む。
角度がない状態でのドライブなので、ボードとの角度を得るために軽く右前方に跳びながらシュートを放とうとするが…
281
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:25:37 ID:Ih/htjWo0
/ ゚、。 /「やらせませんよ!」
/ ゚、。 /(ぎりぎり8番のマッチョにパスコースが残るようにヘルプに出てきた。8番へのパスを狙う!)
( ^ω^)「でかすぎだお!しかしミスマッチもなんのその!」
/ ゚、。;/「なっ…(そのまま来た!?味方が見えていないのか!?)」
――がしっ
(;^ω^)「んおっ!」
/ ゚、。 /「ちっ…!」
――ピィッ!
審判「ファウル!白14番!ツースロー!!」
(´・ω・`)「よしっ!」
282
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:28:43 ID:Ih/htjWo0
(,,゚Д゚)「大丈夫か、ダイオード?」
/ ゚、。 /「大丈夫です、すみません…思ってたよりだいぶスピードがあったので」
(,,゚Д゚)(前からスピードのある奴だったが…もし本当にスリーをマスターしていたとしたら少々厄介だなゴルァ)
(■_■)(正直ノーマークだった5番が…さて、どうするか…)
VIP高の作戦は、当たりだったようだ。
これまでスピードのあるプレーで2点を中心に点を取ってきたブーンに、3点がある……、のかもしれない。
と思わせることには、とりあえず成功した。
若干の動揺を覚える今北メンバーをよそに、ブーンはフリースローをきっちり2本とも沈めた。
今北産大附今北 3-5 VIP高校
( ^ω^)(ショボン先生との特訓のおかげで…少なからず、勇気というか、積極性のようなものが
身についたような気がするお)
283
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:30:07 ID:Ih/htjWo0
( ^ω^)「どうも、現在チームの得点の10割を占めております、内藤です」キリッ
( ^ω^)「おっおっおっwwww」
('A`)「調子よすぎて逆に死亡フラグじゃね?」
( ;ω;)「やめてくれおーーーん!!!!!」
284
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:30:50 ID:Ih/htjWo0
第9章 完
.
285
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:31:30 ID:tsRfWuCA0
乙
286
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:44:10 ID:Ih/htjWo0
今回の投下は以上です。ありがとうございました。
ではまたノシ
287
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:46:04 ID:Ih/htjWo0
>>285
ありがとうなんだぜ
288
:
名も無きAAのようです
:2011/11/09(水) 23:59:35 ID:7PAV73FQ0
投下乙
熱い展開だねー
わくわくするわ
289
:
名も無きAAのようです
:2011/11/10(木) 00:48:20 ID:tK4gy.ssO
乙
いちいち熱いんだよちくしょー!
復活してくれてありがとよ
290
:
名も無きAAのようです
:2011/11/10(木) 00:51:42 ID:1bc3/yK2O
乙〜
291
:
名も無きAAのようです
:2011/11/10(木) 06:06:39 ID:xx.ZqVBM0
熱い展開すぎてなんども読み直した!
292
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/10(木) 22:47:03 ID:JpbqmE3k0
トリ思い出せたー!w
293
:
名も無きAAのようです
:2011/11/10(木) 23:01:54 ID:2ebktxbwO
思いだせて、よかったね
長丁場だけど一話から読むことにする
294
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/10(木) 23:25:11 ID:JpbqmE3k0
>>293
ありがとうなんだぜ
一度自分でも最初から読み直したけどまあ矛盾の多いこと多いことw
精進します、これからもよろしく頼むんだぜ
295
:
名も無きAAのようです
:2011/11/15(火) 03:03:56 ID:8S3k00.EO
屁こきや122号から7×9=53まで読んだ
乙ぱいでした
296
:
名も無きAAのようです
:2011/11/17(木) 14:16:27 ID:TGeA2yq6O
やっと、追いついた
続き来るの待ってる
297
:
名も無きAAのようです
:2011/11/20(日) 22:07:45 ID:raMtlXys0
投下予定時間1時間越えたけど作者忙しいのかなぁ
298
:
名も無きAAのようです
:2011/11/20(日) 22:14:32 ID:fTestnkE0
明後日投下じゃないの?
299
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:42:55 ID:lsjAN3Ss0
遅くなってごめんなさい、ベランダで友人とサンマを焼いて焼いたサンマを食ってました
今から投下始めます
300
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:44:04 ID:lsjAN3Ss0
まとめサイト様
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 様
http://vipteam.blog74.fc2.com/
ブーン系小説グループ 様
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/140?mode=tree
青空ホライゾン 様
http://mo-neru.net/portable/boon/01007/index.html
301
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:44:49 ID:lsjAN3Ss0
――ビーーーーーーーッ!
審判「第1クォーター終了!クォーターブレイクに入ります!」
今北産大附今北 23-17 VIP高校
.
302
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:45:29 ID:lsjAN3Ss0
第10章 おっぱいもみたい(タイトルについて反省はしていない)
,
303
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:46:33 ID:lsjAN3Ss0
――VIP高ベンチ
(´・ω・`)「よしよし、出だしはいい感じだ。よくくらいついたね。点差は気にせず徐々にエンジンかけていこうか」
(´・ω・`)(とは言ったものの…)
('A`)(なかなか点が取れない…イヨウが1点も取れてないのがやっぱちょっと痛いか…?)
(=゚ω゚)ノ(1点どころか…一本も打ててないヨウ…!くそっ!)
( ^ω^)(奇襲で得た流れを保つのは難しそうだお…だけどワンオンワンに持ち込むことができれば
そこから得点につなげられるはずだお)
事実、ブーンは第1クォーターの終了した現時点で9得点・2アシストを挙げていた。
_
( ゚∀゚)(インサイド陣がうめぇ…)
( ´∀`)(なかなか思うように動けないモナ…)
304
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:48:46 ID:lsjAN3Ss0
(´・ω・`)「今回は僕も動くよ」
(´・ω・`)「ドクオ君、イヨウ君」
('A`)「はい!」(=゚ω゚)ノ
(´・ω・`)「二人のポジションを部分的に入れ替えるよ」
(´・ω・`)「部分的に、というのはドクオ君に2番(SG)をやりながら1番(PG)を、イヨウ君に
1番をやりながら2番をやってもらいたい、ということだ」
(´・ω・`)「ドクオ君は積極的にオフェンスに参加してくれ。ワンオンワンを仕掛けながら、空いたスペースを狙う」
('A`)「はい」
(´・ω・`)「イヨウ君はボール運びだ。そして隙あらばシュートを狙ってくれ」
(=゚ω゚)ノ「了解ですヨウ」
305
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:50:21 ID:lsjAN3Ss0
(´・ω・`)「ジョルジュ君、モナー君。インサイド陣にもう少し積極性が欲しい。相手のインサイド陣の
ディフェンスを縮めて欲しいね。そうすればアウトサイドシュートを狙いたいときにかなり楽になる。
オフェンスリバウンドもがんがん狙ってくれ」
_
( ゚∀゚)「はい!(モナ!)」(´∀` )
(´・ω・`)「内藤君は、左コーナーを意識しすぎて攻めが単調になりかけているよ。修正していこう」
(´・ω・`)「ひょっとしたらそろそろ今北にも『5番は左コーナーからしかスリーを打てないんじゃないか』と
勘付かれているかもしれない。だから、外してもかまわない、まったく違う場所からもスリーを
打ってみてくれ」
(´・ω・`)「『あれ、もしかしたらこいつ左コーナー以外からも普通に打てるんじゃね?』と思わせたいところだ」
( ^ω^)「はいですお!」
(´・ω・`)「よし、行こうか」
306
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:51:44 ID:lsjAN3Ss0
――今北産業大学附属今北高校ベンチ
(■_■)「上出来だ」
(■_■)「クーが向こうの6番を完封できているのがでかい。このまま頼むぞ、クー」
川 ゚ -゚)「了解した」
(■_■)(得点源の6番を完封している状態でこの点差というのはあまりよろしくないが…)
(■_■)「6番が使えないとなると、当然だが7番・8番のインサイド勝負。あるいは、4番・5番の
アウトサイドシュート・ドライブインくらいしかカードはないだろう。各自、細心の注意を払ってくれ」
(,,゚Д゚)「うっす」
今北⑧(止められるかな、あの5番…)
/ ゚、。 /「はい!(ニダ!)」<ヽ`∀´>
(■_■)「気を抜くな、そして反撃を許すな。叩き潰してやれ」
307
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:52:59 ID:lsjAN3Ss0
――ビーーーーーーッ!
審判「第2クォーター、始めます!」
('A`)「……イヨウ」
(=゚ω゚)ノ「ん?」
('A`)「ボール運び、任せたぜ」
(=゚ω゚)ノ「おうヨウ!」
('A`)「それと…どんな形でもいい、一本だけでもいい、とにかく、決めてくれ」
(=゚ω゚)ノ「んなアバウトなwwwだけど…わかってるヨウ、必ずなんとかしてやるヨウ」
308
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:54:43 ID:lsjAN3Ss0
――ダムッ…
(,,゚Д゚)「一本!行くぞゴルァ!」
今北ボールで第2クォーターが始まる。
<ヽ`∀´>「ギコ!」
(,,゚Д゚)「おう!」
――びゅっ…ばしっ
ドクオの上を通すパスでギコからハイポストのニダーへボールがわたる。
――キュッ!
ニダーはその場で反転し、ゴールの方向へ体を向ける。ワンオンワンの体勢だ。
( ´∀`)(『あれ』モナか…!?)
309
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:55:55 ID:lsjAN3Ss0
<ヽ`∀´>「勝負っ!」
――ダムッ…!
ニダーは数回のフェイクをいれ、右側にワンドリブル。
そして床に跳ね返ったボールをすぐさま両手で持ち、ボールの勢いも利用して左側へ大きく両足でステップ。
( ´∀`)(読み通りモナ!パワーステップばっかじゃねーかこのワンパターン糞キムチ野郎が!モナ)
しかし…
(;´∀`)「ふんぐっ…」
体つきが一回りほど大きくなったニダーのの力に加え、パワーステップで進行方向も変わっている。
(;´∀`)(押しこまれる…!これは…正面に入りきってないと無理だモナ!)
パワーステップ中に無理に手を出せば即刻ファウルの笛が鳴る。
モナーは迂闊に手を出すことが出来ず、ニダーのペイントエリア内への進入を許してしまう。
310
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:57:09 ID:lsjAN3Ss0
_
( ゚∀゚)(ここでカバーに出たら…間違いなくゴール下のノッポにパスを出されちまう!)
_
( ゚∀゚)(だけどこのままこのチョンをノーマークで自由にさせるわけにはいかねえ!)
_
( ゚∀゚)(ヘルプに出るしかない…!)
ペイントエリア内でノーマークでジャンプシュートを放とうとするニダー。
ジョルジュはそのカバーのため、ヘルプディフェンスを行う。
<ヽ`∀´>「ホッ!」
――びゅっ…ダンッ
しかし当然というべきか、ジョルジュはダイオードに対するマークを外してニダーのヘルプに出ている。
その結果。
311
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:58:26 ID:lsjAN3Ss0
――ばしっ
/ ゚、。 /「ナイスパスです!」
ゴール下のダイオードはノーマークでニダーからのバウンズパスを受けることとなり。
/ ゚、。#/「っせぁっ!」
――ガコンッ!
「ダ…ダンクだっ!」
「今北インサイド、強えーーーーーっ!!!」
312
:
名も無きAAのようです
:2011/11/21(月) 00:58:32 ID:UvxhWf1gO
ちょwきてる!wwタイトルがwww
313
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 00:59:18 ID:lsjAN3Ss0
今北産大附今北 25-17 VIP高校
_
(;゚∀゚)(くっそ、やっぱそーなるよな…)
(;´∀`)「ご…ごめんモナ長岡くん!僕が抜かれたから…」
_
( ゚∀゚)「気にすんな!やり返すぞ相棒!!」
( ´∀`)「……モナっ!」
――ダムッ…
川 ゚ -゚)「む」
(=゚ω゚)ノ「一本!しまっていこーヨウ!」
(,,゚Д゚)(6番がボール運び…?ってことは…)
314
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:00:21 ID:lsjAN3Ss0
――ダムダムッ…ダダダダダダダダダッ…
「な…なんだあの6番!すげぇドリブルだ!」
「でも抜こうとしてねぇぞ!」
「ばか!今北の7番のディフェンスがやばいからなんもできないんだよ!」
「確かに…VIP高の6番は第1クォーター、今北の7番相手に何も出来てなかったもんな…」
川 ゚ -゚)「小細工は効かんぞ。その程度で私を抜けるとでも?」
(=゚ω゚)ノ「お前こそ何言ってんだヨウ!俺の仕事は…」
――ダムッ!
川 ゚ -゚)(真正面だと?)
細かくすばやいキープドリブルを中断したイヨウが突如取った行動は、真正面にいるクーにそのまま
ドライブをしかけるというもの。
(,,゚Д゚)(バカかあいつは!?なんでわざわざ自分からオフェンスファウルを…!?)
315
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:03:33 ID:lsjAN3Ss0
クーもギコと同じことを考えた。
オフェンスファウルをより確実に取るために、「自分は何も手を出していないぞ」というモーションを取り、
イヨウとの正面衝突に備える。
(=゚ω゚)ノ(全部見透かしたかのような態度が…プレーにも出てるヨウ!)
クーの体勢は、通常のディフェンススタンスよりも上体を起こし、両腕を上げている状態で、ごく一般的な
テイクチャージの体勢だ。
――キュッ
イヨウはクーと正面衝突を起こす寸前でしっかりと踏ん張る。
そして密着した状態でクーの顔面と左腕の間のスペースを狙ってパスを出そうと試みる。
川 ゚ -゚)(当然それも予測済みさ)
ボールが通過するであろうスペースをしっかりとふさぐクー。そして、あわよくばボールを奪おうと逆側の腕をボールへと伸ばす。
その瞬間、イヨウはボールを持っていた右腕の手首を手前に返し、自信も後方へ移動する。
316
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:04:16 ID:lsjAN3Ss0
川 ゚ -゚)(あえて密着してのパスフェイク、から…ステップバックか)
少々予想外ではあったが、まだまだ十分に対応できる範囲のプレーだ。
ステップバックしたイヨウとの距離を詰めるために、一歩、前へ出る。
(=゚ω゚)ノ(ここだっ!)
――ダムッ!
クーが一歩詰めようとしたその瞬間、重心がほんのわずかに前へと向いたその瞬間を狙って、イヨウは鋭くドライブする。
そのドライブは、身長が160cmにも満たないクーのディフェンススタンスよりも低いものだった。
川 ゚ -゚)(ちっ…行かせるものか)
(=゚ω゚)ノ(俺の今の仕事は…!)
(=゚ω゚)ノ「仲間にパスを繋ぐことだヨウ!」
――びゅっ
トップ付近のイヨウから右45度へのパス。それを受け取ったのは…
――ばしっ
('A`)「っしゃ」
(,,゚Д゚)(6番がボールをまわすなら…当然お前が2番ってことだよなあ!)
317
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:06:20 ID:lsjAN3Ss0
――きゅっ、きゅっ
ボールを持ったドクオはギコと相対する。ボールを左右に振りながら、大きめのステップでいくつかのフェイクを入れる。
(,,゚Д゚)「行かせねえよ」
('A`)「だーから」
('A`)「今はお前と勝負するつもりはないっての」
――びゅっ…
(,,゚Д゚)(またトップに…6番に戻してスリー狙いか!?)
――ばしっ
( ^ω^)「おっ!」
(,,゚Д゚)「5番!?」
318
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:07:25 ID:lsjAN3Ss0
川 ゚ -゚)(ちっ)
トップのイヨウがパスを出したサイドの45度付近(この場合は右45度付近のドクオ)とは逆サイドの
ウイングプレーヤー(つまり左サイドのブーン)の方向へパスランを行い、スクリーンをかける。
スクリーンを受けたウィングプレーヤー(ブーン)はイヨウがパスランを行ったことによって生まれたトップのスペースに
向かい、パスを受ける。
VIP高はガード陣やフォワード間で動き回りながらスムーズなパス回しを行いたい。
しかし今回はトップのイヨウをクーがマークしているため、簡単にパス回しを行うことが少々難しい。
それだけでなく、
――(´・ω・`)「ひょっとしたらそろそろ今北にも『5番は左コーナーからしかスリーを打てないんじゃないか』と
勘付かれているかもしれない。だから、外してもかまわない、まったく違う場所からもスリーを
打ってみてくれ」
――(´・ω・`)「『あれ、もしかしたらこいつ左コーナー以外からも普通に打てるんじゃね?』と思わせたいところだ」
というショボンの指示もあり、左コーナー以外でのスリーポイントエリアでブーンにボールを持たせる必要があった。
そのため、この状況でブーンのポジションを移動させつつボールを回すには、この選択は最適だったといえる。
319
:
名も無きAAのようです
:2011/11/21(月) 01:10:12 ID:bXiX2lwwO
支援だ
320
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:11:16 ID:lsjAN3Ss0
( ^ω^))クイッ
((^ω^ )クイッ
(^ω^)チラッ
左右に振るフェイクを入れながらリングへの視線も絶やさない。
時折、インサイドの選手に目を配ることも忘れない。
今北⑧(なんだ…何をしてくる気だ…?まだ外でパスを回すつもりなのかそれともポストへパスを…?)
今北⑧(可能性は低いがこのエリアからスリーを打ってくるということもあり得る…)
( ^ω^)「おおっ!」
――ダムッ!
今北⑧(右!!またワンオンワンか…!行かせんぞ!)
321
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:12:31 ID:lsjAN3Ss0
( ^ω^)「…ふっ!」
――ぎゅっ
今北⑧「なっ…(ステップバック!?ちょっと待てそこは…!)」
(,,゚Д゚)(またスリーポイントライン上…!)
(,,゚Д゚)(しかも一旦スリーポイントライン内に入ってからステップバック…!)
(,,゚Д゚)(そんなプレー、よっぽど自信のあるときか、意地でも3点が欲しいときくらいにしかやんねえ!)
(,,゚Д゚)(そして今はそうまでして3点を取りに行くような状況じゃない!ってことはこいつ…そんなに
スリーに自信があるのか!?)
――しゅっ
「打ったぁ!」
「スリーだっ!」
「VIP高はひたすら5番で攻めてくるつもりか!?」
322
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:13:40 ID:lsjAN3Ss0
( ^ω^)(『外しても構わない』…かお)
( ^ω^)(そう言われると随分気楽なもんだお)
――ザシュッ
('A`;)「うお」
「「「「「!!!!!」」」」」
323
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:14:33 ID:lsjAN3Ss0
ξ;゚⊿゚)ξ「入っちゃった!!」
(-_-)「左コーナーじゃないのに…!」
(´・ω・`)「正直マグレかもしれない、だけど…嬉しい誤算だ」
(*゚ー゚)「左コーナーで打ちまくった成果は他の箇所にも出てる!いけるよ!」
今北産大附今北 25-20 VIP高校
(;^ω^)(…入っちゃったお……)
(;,,゚Д゚)(まじかよ…一体どうなってやがんだゴルァ!?)
_
( ゚∀゚)「やるじゃねーかブーン!」
( ´∀`)「ナイッシュ、モナ!ディフェンスしまっていこうモナ!」
324
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:15:34 ID:lsjAN3Ss0
――ダムッ…
(,,゚Д゚)(…どうする…!あのスピードにワンオンワンの強さ…スリーもある…!
正直、今北⑧じゃあ荷が重いか…?だがドクオや6番を空けるわけにも…)
――ばちっ
('A`)「上の空じゃねーか。そんなにブーンが怖いかよ」
(;,,゚Д゚)「しまっt……!」
「ターンオーバーだ!」
「やっぱVIP高の4番うめぇーー!!」
「VIP高は速攻くるか!?」
「いや……!」
――きゅきゅっ
川 ゚ -゚)
325
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:16:58 ID:lsjAN3Ss0
('A`)(ちぃっ…戻りが早い…!いや違う、セーフティーが深いんだ)
('A`)(この7番はシュートエリアが馬鹿みたいに広い…だからギコがパスを回す場所より後ろで
ボールを持ったとしても攻めてくる可能性は十分ある)
('A`)(それはつまり逆に言えば、攻めている側のチームの中で誰よりも近い場所で自陣のゴールを守れる、ということ)
('A`)(カウンター速攻に対するセーフティーをとると同時にオフェンスにもしっかりと参加してくる…
厄介以外の何者でもないな)
('A`)(さっきのうちのオフェンスのときもそうだ。イヨウはただ俺にパスを出すだけなのにあれだけタイトに
ディフェンスされていた…)
('A`)(正直なところ、俺たちとあの7番じゃあ、選手としての格が違う)
('A`)(だけど……)
( ^ω^)ヘイパス!ヘイパス!ヘイパs…
326
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:17:53 ID:lsjAN3Ss0
('A`)「ジョルジュっ!」
――びっ…ダンッ
ハイポストのジョルジュへドクオからバウンズパスが通る。
――ばしっ
_
( ゚∀゚)「しゃっ!」
/ ゚、。 /「っ!」キュキュッ
_
( ゚∀゚)「っ…!(うまいこと体ぶつけてきやがるな…!)」
――きゅっ
/ ゚、。 /(…ハイポストからワンオンワンをしかけてくるつもりか)
( ^ω^)ヘイパス!ヘイパス!ヘイパs…
327
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:20:06 ID:lsjAN3Ss0
_
( ゚∀゚)「おらっ!」
――ダムッ!
/ ゚、。;(´∀` ) がしっ
/ ゚、。;/(スクリーン…!ニダーさん、声かけて教えてくれなきゃさすがにわからないですよ…!)
/ ゚、。 /「スイッチ!」
<ヽ`∀´>「任せるニダッ!」
( ^ω^)ヘイパs…
_
( ゚∀゚)「てめーに用はねぇよクソチョンっ!!」
――ズダッ
/ ゚、。 /(跳ん…いや、飛んだ…?)
( ^ω^)ヘイパs…!
_
(#゚∀゚)「どっ……かーーーんっ!!!!!」
――ガコォッ!
328
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:21:21 ID:lsjAN3Ss0
「今度はVIP高がダンクだぁーーーー!」
「あの8番どんだけ跳べんだよ!?」
「180cmくらいしかないじゃねーか!身体能力がエグすぎる!」
_
( ゚∀゚)「相棒の借りは返すぜノッポ!」
/ ゚、。 /(強いなあインサイド…アウトサイドもバランスいいし…結構強いじゃん、VIP高校)
( ^ω^)ナイッシュー
今北産大附今北 25-22 VIP高校
.
329
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:22:02 ID:lsjAN3Ss0
――ダムッ…
川 ゚ -゚)「ギコ、かわろう」
(,,゚Д゚)「?」
川 ゚ -゚)「ポジションを、だ。2番にまわって無心で点を取れ。どうもすぐ考え込む癖があるみたいだなお前は」
(,,゚Д゚)「うっ、すまん…把握。頼んだぜゴルァ」
川 ゚ -゚)(それだけキャプテンとしての自覚が出てきてる、ってことなんだろうがな。そんなものお前には重荷でしか
ないだろうに)
――ダムッ…
川 ゚ -゚)「次はポイントガード同士で戦ってみるか?」
(=゚ω゚)ノ「この…!」
330
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:22:45 ID:lsjAN3Ss0
(*゚ー゚)「イヨウ君にひたすら素直君が…」
<_プー゚)フ「これはまさか…イヨウさんが狙われてる…?」
(´・ω・`)「悔しいが、そういうことかもしれない。イヨウ君とクール君とでの実力差は正直なところ、否めない。
…今のところは、ね」
(´・ω・`)(君がそこから一本でも決められたら…流れは動くはずなんだ。耐えてくれ、イヨウ君…!)
――ダムッ!
(=゚ω゚)ノ「くっ…(止められない!)」
('A`)「突っ込んでくるぞ!ジョルジュ、モナー!カバーだっ!」
――きゅっ
(,,゚Д゚)「人のこと気にしてる場合かよ」
('A`;)(くっ…中じゃなくてお前があわせてくるのかよ!?)
一旦はインサイドに切り込んできたクーだが、ドクオの視線がインサイドに向いた瞬間にギコはドクオの裏をとる。
そしてクーはそれを見逃さず、すぐさまギコへパスを捌く。
331
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:24:51 ID:lsjAN3Ss0
(,,゚Д゚)「おおっ!」
――ダムッ!
( ´∀`)「カバーっ!」
ゴール下へと切り込むギコ。
カバーに出てくるモナー。
よって、ニダーのマークが空く。
(,,゚Д゚)「ニダー!」
――びゅっ…ばしっ
<ヽ`∀´>「ニダッ!」
――キュキュキュ!
_
( ゚∀゚)「行かすかっ!」
ノーマークになったニダーにボールが渡るが、今度はジョルジュがそれをカバーする。
332
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:25:44 ID:lsjAN3Ss0
<ヽ`∀´>「だったらこっちがノーマークニダッ!」
――びっ
_
(;゚∀゚)(だーーっくそ、またノッポにパスが…!?)
/ ゚、。;/「ニダーさん、待tt…」
――ばちんっ
('A`)「走れっ!!!」
<;ヽ`∀´>「ファビョーーーーン!!4番!?」
ジョルジュがニダーのカバーに向かったことで、当然ダイオードがノーマークとなった。
ニダーはセオリー通り、ノーマークのダイオードへパスを出したが、ディフェンスを上手く
ローテーションさせたドクオがこれをインターセプト。
そのまま一気に速攻に持ち込むべく、ダイオードの膝元を低く鋭いドライブで突破する。
ドクオの独走でハーフラインに差し掛かる。
しかしハーフライン付近にはやはりと言うべきか、番人が待ち受けていた。
333
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:26:45 ID:lsjAN3Ss0
川 ゚ -゚)「行かせん」
('A`)「いやいやせっかくの速攻だし行かなきゃさ」
――ダムッ!
さらにドリブルをし、クーを引き離そうとするドクオと、それに併走するクー。
('A`;)(脚はえーってのまじで!このままじゃ止められちまう…)
('A`)「おりゃっ!」
――ダムッ
クーはドクオの右側を併走し、今にも前に回りこまん勢いだ。
ドクオは、ボールを右前に大きく放り投げるようなドリブルをする。
手を伸ばしても届かない距離だ。だがボールを持っていない分、身軽に、素早く動ける。
自分よりも数歩前にあるボールを追うように、自らも右前に向かってカットする。
ボールを追いながらクーの進行方向に体をいれ、妨害する形となる。
334
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:29:01 ID:lsjAN3Ss0
川 ゚ -゚)(その程度のプレー、ボールを右前に放った時点で予測済みさ)
(゚- ゚川 ぎゅっ
クーはすぐさま進路を変える。
右側からドクオに追いつこうとするのではなく、一旦ドクオの後ろを通って左側へ。
もちろんこれは大きな遠回りとなる。
数歩の遅れが致命的な距離差を生むはずではあるのだが……
――キュッ!
('A`;)(嘘だろ!?)
(;・∀・)「後ろから回り込んだのに捉えただって!?」
从'ー';从「なんってデタラメな…」
335
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:31:27 ID:lsjAN3Ss0
('A`)(…けど行くしかねえ!ここで決められることができれば1点差なんだ!
せっかくの速攻を無駄にするわけにはいかない!)
ドクオがレイアップのステップを踏み始める。スティールを避けるためにボールは右手に持っている。
('A`)(このままバックシュートに持ち込めばいけるか…?)
「ドクオ!」
('A`)「…あっ」
そして気付く。クーの馬鹿げた身体能力にばかり意識が行ってしまっていたことに。
冷静に考えたら、すぐにわかる事実に。
336
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:33:04 ID:lsjAN3Ss0
――ダァンッ!
ドクオの選択したプレーはレイアップではなかった。
右手に持っていたボールを、ボードに勢いよく叩きつける。
当然、ボールは叩きつけられた角度と強さに応じて跳ね返り、導かれる。
そう――
「珍しく雑なパスじゃねーかヨウ」
(=゚ω゚)ノ「キャプテンっ!!」
――沈黙を保っていた獅子の手元へと。
川 ;゚ -゚)「!」
337
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:35:52 ID:lsjAN3Ss0
――しゅっ
(=゚ω゚)ノ(よし)
完璧な軌道。
これまで溜め込み続けた鬱憤に対する当てつけであるかのように、見事なアーチを描いたスリーポイントシュートが放たれた。
( =)クルッ
入るか外れるか。そんなもの、見るまでもない。
リバウンドに飛び込む必要すらない。
彼が、そのシュートの成功を確信したのだから。
――ぱしゅんっ
今北産大附今北 25-25 VIP高校
.
338
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:37:24 ID:lsjAN3Ss0
(´・ω・`)「――――――ッ!!!」
ベンチで声にならない叫び声を上げ、強く拳を固めるショボン。
「ど…同点だぁ――――!」
「一気に詰めてきた!!!」
「VIP高の6番がとうとう…!今北の7番から直接決めたわけじゃないけどこれはでかい!!」
――ビーーーーーーーーーーーーーッ!
審判「タイムアウト、白!」
(´・ω・`)(…ちぇ、そりゃそうか)
「あぁーーーーっ!?んだよいいとこだってのに!」
「セオリーだよ!流れは完全にVIP高だ!今北はそれを切らざるを得ない!」
339
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:38:57 ID:lsjAN3Ss0
――VIP高校ベンチ
_
( ゚∀゚)「イヨウ!よく決めてくれた!」
('A`)「イヨウのポジショニングとかろくに考えずにとっさにパス出しちまったけど…さすがだよ」
( ^ω^)「一気に同点だお!すごいお!」
(=゚ω゚)ノ「勝負所はまだここじゃねぇ…喜ぶにはまだ早い。そうだヨウ?先生」
(´・ω・`)「その通り」
(´・ω・`)「だが、今のは素直に褒めてあげたいところさ。本当に、よく決めてくれた」
(´・ω・`)「それから、内藤くんも」
( ^ω^)「…お?」
(´・ω・`)「『外しても構わない』って言ったじゃないかww」
( ^ω^)「おっおっおっwwww外してもいいんだ、って考えたら急に気持ちが楽になってwww
なんか入っちゃいましたおwwサーセンwwwww」
(´・ω・`)「ここからが勝負だよ。今北を、突き放す」
340
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:40:58 ID:lsjAN3Ss0
( ´∀`)「突き放す…?」
(´・ω・`)「道はたった今、イヨウ君が示してくれた。長い苦しみの末に、ね」
(´・ω・`)「7番、素直クール。オフェンスでもディフェンスでも最大の難所だ。確かに彼はとんでもないプレーヤーさ」
(´・ω・`)「だが、自分のマッチアップでない選手にまで干渉することは難しい」
(´・ω・`)「ついさっきのプレーのように、他の選手が素直クールをひきつけることが出来れば」
( ^ω^)「イヨウにスリーを打たせられますお…!」
('A`)「クーは常にセーフティーに行ける状況だ。それを逆手に取る、ってことか」
_
( ゚∀゚)「どういうことだ?」
('A`)「さっきのプレーを思い出してみてくれ。俺が今北のオフェンスからターンオーバーを奪っただろ?」
('A`)「そしてそのままワンマンで速攻に持ち込んだ」
('A`)「普通の相手だったら、あのまま俺一人で得点まで漕ぎ着けられたはずだ」
341
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:41:55 ID:lsjAN3Ss0
( ^ω^)「だけど素直クールが出てきたおね…馬鹿っ広いシュートエリアを持つおかげで、常に
セーフティーを確保できるから」
('A`)「そうだ。そしてそのまま走りながら俺と1対1になっていた」
('A`)「おかげで、イヨウが空いたんだ」
_
( ゚∀゚)「まさしく、『逆に』ってやつだな。素直クールを引きつけておくことさえ出来れば、イヨウにも
シュートチャンスが生まれるってことか」
(=゚ω゚)ノ「俺一人の力でなんとかできないのが心苦しいヨウww」
( ´∀`)「だけどそれこそチームプレイモナ!」
(´・ω・`)「その通りだ。そして、イヨウ君に渡すことばかりを考えるのではなく…」
('A`)「隙あらば速攻、もしくは他の選手にも打たせる。いま俺たちがベンチで話していることを、向こうも
警戒してくるはずですもんね。今のプレーの残像は間違いなく今北の頭の中に焼き付いてる」
(´゚ω゚`)「いかにも」
<('A`<;)(またやっちまったァーーーーーーーー!)
342
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:43:09 ID:lsjAN3Ss0
(´・ω・`)「素直クールをひきつけるためには速攻が必要だ。そして速攻を行いやすくするには、ディフェンスだ。
当然のことなんだけどね」
(´・ω・`)(4番、ギコ。彼のクラッチタイムが来る前にできるだけ引き離しておきたい…)
(´・ω・`)(だが、そう簡単に行くかどうか…でも、やるしかないね)
――今北産業大学付属今北高校ベンチ
(■_■)「…てなわけで。VIP高はクーにあえて仕事をさせるために速攻…カウンターを狙ってくるはずだ。
各自でセーフティーの意識をしっかりと持て。派手なプレーをしようとするなよ、迂闊なパスは厳禁だ。
奴らに付け入る隙があるとすれば、それしかないからだ」
(■_■)「オフェンスは、絶対にシュートで終われ。ギコもクーも自分の前が空いたら迷わず打て。リバウンド勝負に
なったとしても、うちももはや負けてはいない」
(■_■)「腕の見せ所だぞ、ニダー、ダイオード」
――ビーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
審判「タイムアウト終了です!」
(´・ω・`)(勝負だ!)(■_■)
343
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:44:18 ID:lsjAN3Ss0
('A`)「あれ、ブーン。今回のオチは?」
( ^ω^)「…え?」
('A`)「作者が復活してからさ、やたらとお前のオチが多いじゃん。今回もあるんだろ?」
(;^ω^)「…えっ?えっ?」
('A`)「いや、『えっ?』とかそういうのいらないからさ。オチはないの?」
('∀`)「オチは?ねえねえオチは?」
(#^ω^)「しつけええええええっ!」
344
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:45:03 ID:lsjAN3Ss0
第10章 完
.
345
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/21(月) 01:46:26 ID:lsjAN3Ss0
今回の投下は以上です、ありがとうございました。
時間通り投下できずすみません…そして今回、量少なかったですね('A`)
346
:
名も無きAAのようです
:2011/11/21(月) 01:59:25 ID:wtlm9FD6O
復活後にしった組で申し訳ないが
たまらんのぅ
乙
347
:
名も無きAAのようです
:2011/11/21(月) 02:04:17 ID:UvxhWf1gO
全力で乙
348
:
名も無きAAのようです
:2011/11/21(月) 02:10:53 ID:v1FHXAOU0
乙乙
349
:
名も無きAAのようです
:2011/11/21(月) 11:29:31 ID:3GhriUL.O
妙にノリが軽いのに、凄い熱いね!
乙!
350
:
名も無きAAのようです
:2011/11/23(水) 11:46:32 ID:cEr4QVQA0
あまりにも遅れてしまったが言わせてくれ
おかえり!そして乙!
351
:
名も無きAAのようです
:2011/11/25(金) 02:14:17 ID:76Oxs9mw0
今さら復活知ったけど相変わらず熱くて脳汁でた
戻ってきてくれて嬉しい。ありがとう!
352
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:28:05 ID:UbeHmtXM0
第11章、はじめます
まとめサイト様
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 様
http://vipteam.blog74.fc2.com/
ブーン系小説グループ 様
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/140?mode=tree
青空ホライゾン 様
http://mo-neru.net/portable/boon/01007/index.html
353
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:28:50 ID:UbeHmtXM0
――ビーーーーーーーーッ!!!
審判「第2クォーター終了です!ハーフタイムに入ります!」
――ざわ…ざわ…
( ・∀・)「予想外の展開だ」
( ><)「正直、もっとわかりやすい展開になるものかと思ってたんです…」
从'ー'从「これまでの戦績、そして全国でも明らかに上位に食い込むであろう選手の充実ぶりから鑑みても…」
( ・∀・)「ああ。今北有利、というのが正直な見解だった」
( ・∀・)「それがまさか…」
今北産大附今北 41-44 VIP高校
.
354
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:30:25 ID:UbeHmtXM0
( ・∀・)(誰が予想しただろうか。この展開を)
( ><)「もしかしたらこのままVIP高が逃げきるかもしれないんです!バスケは先行逃げ切りでの勝ちが多いって
何かで見たことあるんです!」
( ・∀・)(会場の予想はおそらくビロード君の言っていることと同じだろう)
( ・∀・)(だが…)
( ・∀・)(VIP高のメンバー達は、心中穏やかではないだろうね)
.
355
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:31:49 ID:UbeHmtXM0
――VIP高校ロッカールーム
('A`)「ちくしょっ…。…まあ、負けてないだけマシか」
(=゚ω゚)ノ(不甲斐ねーヨウ…結局、前半での得点はスリー一本の3得点のみ…)
一年A「なあ、なんで先輩たちは嬉しそうじゃないんだ?3点差で勝ってんだぞ…あの今北に」ボソボソ
一年B「ばっか、おまえそんなのもわかんねぇの?」ボソボソ
一年A「え、お前わかるのか?」ボソボソ
一年B「まずだな、イヨウさんのスリーが結局一本だけに封じ込まれちまったことだろうな。糸口を
掴めたかと思ったんだけどな」ボソボソ
一年A「確かに…相手の7番のディフェンス、まじでやばいもんな」ボソボソ
一年B「次に、前回投下時のタイムアウト中に、ショボン先生は『速攻メインで突き放したい』ということを
言ってたよな」ボソボソ
一年A「(投下…?)あ、ああ。そうだな。けど実際、先輩たちは何本かきれいに速攻で決めてたじゃねーか?」ボソボソ
一年B「速攻は速攻さ。だけど…単発だ」ボソボソ
356
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:33:07 ID:UbeHmtXM0
一年B「速攻を決めたことで相手が焦り、ターンオーバー。→そこからさらに速攻…っていう黄金パターンはなかった」ボソボソ
一年A「今北もうちの速攻を超警戒してたんだろうな。決められても慌てている様子がなかった」ボソボソ
一年B「そうだ。だけど、単発での速攻とはいえ、今北からターンオーバーを奪っての速攻も何本かあった」ボソボソ
一年B「第2クォーターで打ったシュートの数は、うちの方が多い」ボソボソ
一年A「それなのに3点差…つまりどういうことだってばよ?」ボソボソ
一年B「だーーーーっ!おまえほんとに試合観てたのか!?あの7番がやたらめったらスリーをぶちこんでくるせいで
思うように引き離せないんだろ!」ボソボソ
一年A「あっ…そうだったな」ボソボソ
一年B「ったく…。それに加えて、だ」ボソボソ
一年A「まだあるのかよ!?」ボソボソ
一年B「もしかしたらあの7番よりも脅威となる…かもしれない存在。そう、4番のギコだよ。あいつがまだ
その牙を剥いていない…それが一番の脅威なんだよ」ボソボソ
一年A「確かに…あの4番はやべーよな。一度当たりだしたらうちの先輩たちでも迂闊に手を出せねえ」ボソボソ
一年A「だから…『保険』って言い方は変だけど、できるだけ点差を広げておきたかった、ってことか!」ボソボソ
一年B「そゆこと」ボソボソ
357
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:34:20 ID:UbeHmtXM0
('A`)(第2クォーターのハイライト及び説明、乙。そしてthx、作者的に手間が省けた)
('A`)(だが、あいつらの言うとおりだ)
('A`)(確かに、狙い通りの速攻は何本か決めることができた)
('A`)(今北も、うちの速攻は最大限警戒してきていたはず…にもかかわらず、だ)
('A`)(だけど、『もう一本』がどうしても出なかった)
('A`)(それはやはり速攻をしっかりと警戒されているということ…)
('A`)(とりあえず現段階でただ一つ言えるのは)
('A`)(このままじゃあ、埒が明かないということ)
('A`)(この状況を打破する、『何か』が必要だ…!)
358
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:38:52 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ(『クーを俺以外の誰かに引き付けて俺がパスを受ける』…言うが易し、とはまさにこのことだヨウ)
(=゚ω゚)ノ(タイムアウト明けから、今北の戻りが段違いに速くなった)
(=゚ω゚)ノ(それはつまり、俺がスリーを決めたあのプレーが、今北にとっては是が非でも止めなくちゃならない
プレーだ、ってことだヨウ)
(=゚ω゚)ノ(…イコール、俺がそのディフェンスの網をかいくぐってスリーを決めることが出来ていれば…もっと
楽に後半を迎えられたはずなんだヨウ)
(=゚ω゚)ノ(シュートが入らないだけじゃない)
(=゚ω゚)ノ(クーに点を取られすぎている…)
(=゚ω゚)ノ(第2クォーターだけでスリー3本を含めて11得点…他の得点も、ほとんど俺のところから崩されたことが
原因だヨウ)
(=゚ω゚)ノ(今北の第2クォーターでの得点は18。第1クォーターよりは抑え込めてはいるヨウ…けどうちにとっての
18失点のうち、一体何点に俺が絡んでいる!?)
(#= ω )ノ(ほとんど…全部だ…!)ギリッ…
(= ω )ノ(こんなんじゃあ、出場している意味が…)
(=゚ω゚)ノ(このままじゃ、ダメだ)
(=゚ω゚)ノ(『なんとかして』流れを変えていかないと…!)
359
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:40:49 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)(うまくハマれば二桁差くらい開いてくれるかな、なんて思ってたけど…)
(´・ω・`)(いかんせん相手が相手だ。そう上手くはいかないか)
(´・ω・`)(ギコ君がまだ大人しくしている、というのがもっぱらの脅威…)
(´・ω・`)(だがしかし、負けて折り返すよりは随分とマシ)
(´・ω・`)(そして大きく突き放すことに成功していた場合よりも)
(´・ω・`)(もし下手に点差を開けることに成功して…『勝ち』を意識してしまえば…)
(´・ω・`)(そんな状況で、ギコ君がクラッチタイムに入ってしまったら…)
(´・ω・`)(試合はようやく折り返したところ。それこそ修正不可、だっただろう。
みんなよくがんばってくれている。本当に)
(´・ω・`)(だがこのまま現状維持では意味がない。ジリ貧だ)
(´・ω・`)(『起爆剤』が、必要だね)
360
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:42:45 ID:UbeHmtXM0
( ^ω^)が高校バスケで日本一を目指すようです
第11章 勝利への呼び水
.
361
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:43:27 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)(試合が動くのを待つわけにもいかない。それじゃあ遅すぎるんだ)
(´・ω・`)(酷かもしれないが…こちらから、動く)
(´・ω・`)「エクストくん」
<_プー゚)フ「はっ!はいっ!」
(´・ω・`)「出番だ。後半スタートから行くよ。アップは済んでるね?」
<_;プー゚)フ「お、おいっす!」
(;=゚ω゚)ノ(……俺か?)
(´・ω・`)「流れを変えたい。なんとしても、ね」
(´・ω・`)「エクスト君の機動力で、速い展開に持ち込む。狙いは、今北を焦らせること」
(´・ω・`)「焦れば、必ずミスが出てくる。そのほつれを突くよ」
(=゚ω゚)ノ(…そりゃそっか、ヨウ)
(=゚ω゚)ノ(入らない…いや、打つことすらできないスリーよりも、展開を早くして2点を積み重ねていくほうが
確実だもんなヨウ)
362
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:44:58 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)「すまないが、エクスト君と交代だ―――
(=゚ω゚)ノ(いいんだヨウ、先生。気を遣ってくれなくたって。だけど…)
(= ω )ノ(無様だヨウ…みっとも…ねーヨウ…)
(´・ω・`) ―――モナーくん」
(;=゚ω゚)ノ(えっ?)
( ´∀`)「了解ですモナ」
( ´∀`)「先生ww気を遣わなくていいですモナwww適材適所、ってのはわかってますモナww」
( ´∀`)「正直、僕は足が遅いですモナ、だから僕も、エクストを出すべきなんじゃないか、って言おうかと
思ってましたモナ」
(´・ω・`)「そうかい。すまないね」
363
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:45:42 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)「そういうことだ、しんどいとは思うけど…頼むよイヨウくん」
(=゚ω゚)ノ「えっ?」
( ´∀`)「展開を早くできれば、イヨウ君にシュートチャンスが生まれる確率が上がるモナ!」
(;´∀`)「もちろん、展開が速いのは素直クールにとっても得意分野だろうから…君が難儀するのも
わかってるんだけど、モナ」
(=゚ω゚)ノ「……任せとくヨウwwwww」
( ^ω^)「おっおっwww頼むお、イヨウwwwwこのままじゃVIP高のスリーポイントシューター内藤ホライゾンが
誕生してしまうおwwww」
(=゚ω゚)ノ「てめっ!wwwwww」
( ^ω^)「おっおっおっwwwwww」
_
( ゚∀゚)「インサイドもしっかり頼むぜ、エクスト!マッチアップはどーする?かわるか?」
<_プー゚)フ「いえ、大丈夫っす!鈴木ダイオード、初見ではないですし!」
_
( ゚∀゚)「把握!ノッポは任せたぜ!」
<_プー゚)フ「うぃっす!」
364
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:48:15 ID:UbeHmtXM0
(;=-ω-)ノ(よかったヨウ、交代じゃなくて……)
(=゚ω゚)ノ(なんとかしてスリーを…)
……ちょっと待て。
(#=゚ω゚)ノ( 俺 は 何 を 『 ホ ッ と し て い る 』 ん だ ! ? )
.
365
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:50:55 ID:UbeHmtXM0
(#=゚ω゚)ノ(…カッコ悪すぎだろーがっ…!)
(=゚ω゚)ノ(…いや)
八つ当たりはよそう。たとえその対象が、自分であっても(それを八つ当たりというのかどうかは置いといて)。
(=゚ω゚)ノ(受け止めるんだ)
過酷な現実を。
非力で矮小な自分を。
全てはそこから始まるのだ。
そして、信じよう。
(=゚ω゚)ノ(クーを…倒す!!!!)
(´・ω・`)「そろそろ5分前だ。フロアに戻って、シューティングしよう」
366
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:54:07 ID:UbeHmtXM0
――ビーーーーーーーーーーーッ!!!
審判「ハーフタイム終了!第3クォーターを始めます!」
('A`)「っし、行こう」
( ^ω^)「このまま突っ走る!お!」
_
( ゚∀゚)「集中!いこーぜっ!」
(=゚ω゚)ノ「…おうヨウ!」
<_プー゚)フ「おいっす!」
<_プー゚)フ「内藤さん」
<_プー゚)フ「パス、出しますから!」
( ^ω^)「おっ!頼んだお!」
367
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:55:30 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ…
<_プー゚)フ「いっぽーん!いきまっしょい!」
( ・∀・)「彼は…!」
从'ー'从「15番、エクストプラズマン…ポジションは、ポイントセンター!」
( ><)「VIP高も攻めの采配なんです!」
(,,゚Д゚)(このタイミングでルーキーを…)
(,,゚Д゚)(あの15番はビデオで観た程度の情報しかないが…なかなかの腕だというのはわかってる)
(,,゚Д゚)(190cm近い長身。ポイントガードをこなしながら、中からも外からも攻撃に参加してくる。
かと思えば普通にポストプレーもしてくる。ある意味、オールラウンダーの究極型…)
(,,゚Д゚)(だが)
368
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 20:56:56 ID:UbeHmtXM0
――きゅっ
/ ゚、。 /「ボールおkです!」
「今北のセンターが…!?」
「VIP高のポイントガードにマッチアップ!?」
(,,゚Д゚)(ダイオードがあの15番と面識がある、ってのはラッキーだったぜゴルァ)
・
・
・
・
・
369
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:01:34 ID:UbeHmtXM0
――試合のおよそ1週間前。今北産業大学附属今北高校バスケ部寮 ギコ&ニダーの部屋
(,,゚Д゚)『監督からVIP高の試合のビデオを借りてきたわけだが』
(,,゚Д゚)『この15番がなあ…なんでもできるってレベルじゃねーぞゴルァ!』
<ヽ`∀´>『身長的には十分センターで通用する高さニダね、だけどインサイドプレーヤーがマッチアップすると
外に引きずり出されることになるニダ…』
(,,゚Д゚)『かといって普通のガードがマッチアップしてもえらいミスマッチになるな。そのミスマッチをインサイドに
持ち込まれると、ちと辛い』
――コンコン
(,,゚Д゚)『?はーい!』
『ダイオードです。今、大丈夫ですかー?』
(,,゚Д゚)『鍵開いてるぞー!入ってくれゴルァ!』
『はい。失礼します』
370
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:02:35 ID:UbeHmtXM0
/ ゚、。 /『お疲れさまです』
<ヽ`∀´>『どうしたニダ?』
/ ゚、。 /『あ、いえ、洗濯終わったので。洗濯物を届けにきました』
(,,゚Д゚)『おっと、もうそんな時間だったのか。すまんなゴルァ』
/ ゚、。 /『ベランダに干しておけばいいですか?』
<ヽ`∀´>『そ…そこまでしなくていいニダよ!』
/ ゚、。 /『いえ、そんな…。でもニダーさんがそんなこと言うなんて珍しいですね』
<ヽ`∀´>『どういうことニダ?』
/ ゚、。 /『こういう雑用、誰よりも人にやらせたがるタイプだと思っていたので』
<;ヽ`Д´>
371
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:03:35 ID:UbeHmtXM0
<;ヽ`Д´>『ウリのことをなんだと思っているニダ…』
<ヽ`∀´>『とりあえず、干すのはウリがやるニダ!』
/ ゚、。 /『わ、わかりました…でもいいんですか?やりますよ?』
(,,゚Д゚)『いーんだよ、ダイオード』
(,,゚Д゚)『こいつ今日、俺とのフリースロー対決負けたからな、洗濯当番だったんだよ』
(,,-Д-)『まさか取りに行くのを忘れてたとは……』
<ヽ`∀´>『そ…それもそうなんだけどニダ!』
(,,゚Д゚)『ん?』
<;ヽ`Д´>『2m近い大男が嬉々として家事をやる姿…なんか怖いんだニダ…』
/ ゚、。;/『何気にひどいこと言ってますよ、気づいてます?』
372
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:05:35 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『ま、干すのはニダーに任せとけゴルァ』
(,,゚Д゚)『あ、そうだ。ダイオードも観てくか?』
/ ゚、。 /『これは…ラウンジ学園ですか?』
(,,゚Д゚)『いんや、VIP高』
/ ゚、。 /『把握』
(,,゚Д゚)『おっと、なんか飲むか?わざわざ洗濯物も届けてもらったことだし』
(,,^Д^)『まあ、水かお茶かポカリしかねーんだけどな!遠慮すんな!ギコハハハハ!』
/ ゚、。 /『あ、ありがとうございます。じゃあ、お茶を』
(,,゚Д゚)「ポカリじゃなくていいのか?うまいのに」
/ ゚、。 /『むし歯になるといけないので…』
(;,,゚Д゚)『そ…そうか(やっぱ変わってんなこいつ…)』
373
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:06:22 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『ほい、お茶』
/ ゚、。 /『いただきます』
/ ゚、。 /『しかしなぜこんなビデオが?』
(,,゚Д゚)『次の全体ミーティングのときにみんなで観る予定だったんだがな、暇だったし監督に借りてきた』
/ ゚、。 /『なるほど。…どうしてラウンジ学園ではなくVIP高の試合を?』
/ ゚、。 /『どちらかと言えば、対策を練るべきはラウンジ学園では?』
(,,゚Д゚)『まあ…こいつらには一度ギリギリまで追い詰められたことあるし…な』
/ ゚、。 /『…それだけですか?』
(;,,゚Д゚)(…鋭いな…ほんとに15歳かこいつ?)
(,,゚Д゚)『この4番がな、腐れ縁みたいなもんでよ』
374
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:09:45 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『中学時代の総体、県決勝。勝てば名門今北の推薦がほぼ確実』
(,,゚Д゚)『とにかく名を挙げたかった。少なからず自信もあったしな』
(,,゚Д゚)『だがこの4番…ドクオ率いるVIP北中学は強かった』
(,,゚Д゚)『ここで負けたら推薦がもらえない――そんな理由で、俺はこいつを壊した』
(,,-Д-)『……味を占めちまったんだろうな』
(,,゚Д゚)『晴れて県優勝。全中ではすぐに負けちまったが、俺は名門への切符を手にした』
(,,゚Д゚)『しばらくはそのやり方でいた。だけど、すぐに思い知らされた』
(,,゚Д゚)『高校入学直後のインターハイで、な』
(・∀・)
.
375
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 21:10:31 ID:gNmypWnI0
追いついた。支援
376
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:10:37 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『FOX学院、ジエン』
(,,゚Д゚)『手も足も出なかった。同じ一年だったのに、な』
(,,゚Д゚)『だけどそのFOX学院も、決勝では、ひろゆき高校に惨敗』
/ ゚、。 /『ひろゆき高校はまあ…正直、次元が違いますもんね』
(;,,゚Д゚)『言うなよ…気が遠くなるだろw』
(,,゚Д゚)『目がさ、覚めた気がした』
(,,゚Д゚)『あんなやり方じゃ、勝てねえ。気持ちよくねえ、って』
(,,゚Д゚)『そしてVIP高は上がってきた』
(,,゚Д゚)『ドクオと共に、な』
(,,゚Д゚)『自分がやってきたことを「反省してまーす、これからは心を入れ替えて
一生懸命がんばりまーす」なんて、美談にするつもりも、ましてや正当化するつもりもない』
(,,゚Д゚)『ただ、あいつと…ドクオと闘いたい』
(,,゚Д゚)『自分の悪行を棚に上げてるのは、わかってんだけどな』
/ ゚、。 /『ギコさん…』
(,,゚Д゚)『オフレコで頼むわw』
377
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:17:06 ID:UbeHmtXM0
<ヽ`∀´>『干し終わったニダ〜』
(,,゚Д゚)『乙』
/ ゚、。 /『乙です』
<ヽ`∀´>『さ、ビデオの続きでも観るニダ』
(,,゚Д゚)『そーだな、この15番をどーするか…』
/ ゚、。 /『…あれっ』
(,,゚Д゚)『?』
/ ゚、。 /『僕、こいつ知ってます』
<ヽ`∀´>『なぬっ』
(,,゚Д゚)『全中か?』
/ ゚、。 /『はい』
<ヽ`∀´>『ダイオードの中学は確か全中ベスト4だったニダね』
/ ゚、。 /『ええ』
378
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:17:46 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)『こいつと…対戦したことあるのか?』
/ ゚、。 /『いえ、対戦したことはないです。ただ、やたらと絡まれましたね』
――<_プー゚)フ「おいっ!お前より俺のほうが上手いんだぜ!」
――<_プー゚)フ「俺のプレー観に来いよ!度肝抜かさしてやっからさ!」
――<_プー゚)フ「おーっ!初戦突破したか!さすが俺のライバル!」
/ ゚、。 /『…てな具合に』
(;,,゚Д゚)『見た目どおりのウザさだな…』
<ヽ`∀´>『で、こいつ…この、エクストってやつのチームはどうだったんだニダ?』
/ ゚、。 /『えーっと確か…』
――<_プー゚)フ「ありえねえ!この俺が2回戦ごときで負けるなんて!」
――<_プー゚)フ「言っとくけどな!これが俺の実力に直結するわけじゃねえ!あいつらだ!
あいつらがまともに動かないから――」
/ ゚、。;/『…だったかなあ』
379
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:19:29 ID:UbeHmtXM0
/ ゚、。 /『やたらと絡まれるし、気になってもいたのでちょうどその2回戦の試合を観ていたんです』
(;,,゚Д゚)『「気になってた」って…お前まさかウホッ。か?』
/ ゚、。;/『違いますよ!!!!』
<ヽ`∀´>(全力の否定……)
/ ゚、。 /『彼のいた中学は、大会前の下馬評ではかなり上位に食い込んでくるであろうと
予想される名門だったんです』
/ ゚、。 /『勝ち上がっていけばいずれ当たるかもしれませんでしたからね、偵察も兼ねて』
(,,゚Д゚)『…どうだったんだ?』
/ ゚、。 /『ひどいもんでしたよ。なぜこんなチームが全中に出ているのだ、ってくらいに』
(,,゚Д゚)『……ほう』
/ ゚、。 /『決して弱いチームではなかったんです。むしろ、非常にバランスが取れていていいチームでした』
/ ゚、。 /『ですが、彼――エクストは己の才能に溺れていた』
/ ゚、。 /『なまじセンスがあるだけに、全中に出場できたのは自分のおかげだ、とでも思っていたのでしょうか』
/ ゚、。 /『味方を顧ない身勝手なスタンドプレーに流れを無視した強引なシュート…』
/ ゚、。 /『負けて当然のチームでしたね』
380
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:20:11 ID:UbeHmtXM0
/ ゚、。 /『そして見る限り、そのスタンスは変わっていないようです』
/ ゚、。 /『「ポイントセンター」だかなんだか知りませんが、おそらく彼は自分に酔いたいだけです』
/ ゚、。 /『シュートも決め、アシストも決める…。そんな、試合の中心にいる、という自分に』
(,,゚Д゚)『どーしよーもないナルシストってことか』
<ヽ`∀´>『でもナルシストとは似たようなもので…バスケは自信や強気がけっこう重要なスポーツじゃないかニダ?』
/ ゚、。 /『それはそうなんですが…エクストはちょっと個性が…いや、アクが強すぎますね』
/ ゚、。 /『アクをよっぽどうまく、こまめにすくえるようなチームじゃないと…そんなチームあるかどうかわかりませんけど』
(,,゚Д゚)『なるほど、な』
381
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:21:32 ID:UbeHmtXM0
――同時刻・クーの部屋
川;゚ -゚)『………』
□ <ドガガガガガガガガガガッ!!!!!
川;゚ -゚)『スネーク!スネーーーーーーク!!!!!!』
―――――――――――――
382
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:22:56 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ「久しぶりだなっ!!!!」
/ ゚、。 /「試合中だよ…」
<_プー゚)フ「お得意のエリア(インサイド)で戦うか!?!」
/ ゚、。 /「やめとくよ。普通にやろ」
<_プー゚)フ「俺のすごさ!とくと見せつけてやるぜっ!」
――ダムッ!
/ ゚、。 /(なかなかに速い…!僕がガードのディフェンスに不慣れなのを別としても、だ!)
<ヽ`∀´>「中入ってくるニダ!」
(,,゚Д゚)「ちっ…観るのとやるのじゃ大違い、ってか!」
――きゅっ
ダイオードを抜ききれてはいないものの、インサイドへ侵入してこようとするエクスト。
完全にカバーに出るわけではないが、一歩、エクストの方へと踏み出すギコ。
その瞬間を見逃さないのがドクオだ。
ギコの死角を取り、ノーマークとなる。
383
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:25:00 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ「ドクオさん!」
――びゅっ
('A`)「おう!」
――ばしっ
('A`)「見せ場はまだまだこんなもんじゃないんだけどな、っと!」
――しゅっ
ドクオのミドルシュート。
入るか入らないか―いまだボールは空中にあるにもかかわらず。
('A`)「ディフェンスだ、戻れ!」
――パシュッ
('A`)「どーよ、うちのルーキーは。手ごわいだろ」
(,,゚Д゚)「けっ。言ってろ」
今北産大附今北 41-46 VIP高校
384
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:26:49 ID:UbeHmtXM0
(*゚ー゚)「ナイッシュー!」
(-_-)「後半先手だ!」
――ダムッ…
川 ゚ -゚)(5点差、か)
川 ゚ -゚)(手を抜いているつもりはないのだが…。ここまで強くなっているとは)
川 ゚ -゚)(だが不安材料は多いだろう、徹底的に突かせてもらう)
(=゚ω゚)ノ(打ってくるのか…!?)
――ダムッ!
(=゚ω゚)ノ(ドライブかっ!いい加減…)
('A`;)「イヨウっ!」
(=゚ω゚(゚Д゚,,)がしっ
385
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:28:00 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ「しまtt…(この位置でスクリーン!?完全に油断してたヨウ…!)」
('A`)「7番は俺が行く!イヨウはギコを!」
(=゚ω゚)ノ「おおっ!」
――ダムッ
(,,゚Д゚)「スイッチしてきたか」
(=゚ω゚)ノ「点はやんねえヨウ!」
(,,゚Д゚)「クーに意識が向きすぎてるのかは知らねえけどな」
(,,゚Д゚)「これでも、名門今北のキャプテン張ってんだわ」
――ダムッ!
(,,゚Д゚)「あまりナメないでくれ」
(;=゚ω゚)ノ「ぐうっ!」
ギコの激しいドライブ。
多少の接触なら厭わないプレーがギコの持ち味だ。
386
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:29:11 ID:UbeHmtXM0
華麗で無駄のないクーのプレーとはまた違う。
ギコもクーも、それぞれの長所を活かしたプレーを行っている。
クーはその体格のため、可能な限り無駄な接触を避ける。
だが、ギコは――
(=゚ω゚)ノ(当たりが…つええっ!)
ディフェンスポジションに入ろうとするイヨウであるが、ギコに弾き飛ばされ、体勢を崩す。
「突破した!」
「またVIP高の6番のところからだ――!」
「替えなくてよかったのか!?『剛』の4番に『柔』の7番!VIP高の6番にはきついんじゃないか!?」
<_プー゚)フ「カバーおkっす!」
強引にインサイドに侵入してきたギコ。
それを阻むためにエクストがカバーに出るが、ギコはそれでも強引に突っ込んできた。
<_プー゚)フ(身長差は10cmちょい…!そのまま来るか!?クラッチ入れてくるか!?)
ギコが一旦、ボールを下げる。
<_プー゚)フ(クラッチ…!?いや、パスか!?)
387
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:32:45 ID:UbeHmtXM0
ダブルクラッチからのシュートか、それともボールを一旦下げてのパスなのか。
そのどちらにも対応できるよう、片方の腕でシュートコースを防ぎ、もう片方の腕と足でパスコースを塞ぐ。
アルファベットの『K』のような体勢だ。
足も出しておけば、キックボールのヴァイオレーションとはなるが、とりあえずは相手の攻撃を止めることが出来る。
そのために片足を広げたエクストであったが、それが仇となった。
――ダンッ!
<_;プー゚)フ(股下にパスを…!?くっそ俺がシャケだったらこのまんま精子ぶっかけてやんのに…!)
――ばしっ
そのパスを受け取ったのは当然――
/ ゚、。 /「っ!しっ」
――ガコンッ!
ダイオードだ。余裕を持ってのボースハンド(両腕の)ダンク。
今北産大附今北 43-46 VIP高校
388
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:34:21 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ…
<_プー゚)フ「くっそ、すんませんっした!一本、いきましょ!」
「なあ、今気付いたんだけどさ」
「おう?」
「VIP高の15番…あんだけでかいのにガードにまわってきてるってことはさ、もしかしてスリーもあんのか?」
「わっかんねえ…それがどうかしたか?」
「いや、もしそうならさ、VIP高はインサイドの8番のマッチョ以外の全員がシューターってことになるよな…?」
「うわ、ほんとだ、やべえ…」
<_プー゚)フ(そう、そうやって思わせ…俺がこの鈴木ダイオードを引き付けつつインサイドに侵入して…ディフェンスが中に寄ったところで
外にいる先輩たちに捌く!)
<_プー゚)フ(それが、俺が出ているときのベストなパターン)
<_プー゚)フ(だけどそれは、『インサイドが脅威だ』という前提があってこその話)
<_プー゚)フ(素敵なスリーポイントショー開催の前に…俺もインサイドでしっかり得点する必要がある)
<_プー゚)フ(だが相手は全中ベスト4…身長も約2m。簡単にはいかねえ)
<_プー゚)フ(ポストアップからのワンオンワンじゃあ、正直勝算は低い…そもそもの場数が違うし!)
<_プー゚)フ(だったら…ドライブからのワンオンワン!これしかねえ!)
389
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:36:53 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(そうと決まれば…)
――ダムッ…ダムッ…
「お!VIP高の15番、ワンオンワンを仕掛ける気か!?」
「VS今北14番!ルーキー対決だ!」
「ポジション的にはVIP高の15番が有利か!?アウトサイドだし!」
<_プー゚)フ「行くぜ、鈴木ダイオードっ!」
――ダムッ!
( ・∀・)「ワンフェイクから一発で抜いた!」
从'ー'从「やっぱりインサイドプレーヤーのダイオード君には分が悪いでしょうか…」
( ><)「そうかもしれません…けど!」
<ヽ`∀´>「カバー!ニダ!」
<_プー゚)フ(そりゃそーくる、っしょ!)
カバーに来たニダーの目の前でバックチェンジ。右腕にあったボールを、背中側を通して左側へ。
一瞬も止まることなく、エクストはスムーズにゴール下付近へ。
<_プー゚)フ(もらった…!)
390
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:37:52 ID:UbeHmtXM0
/ ゚、。 /ぬっ
<_;プー゚)フ「な!?」
――ばちぃっ
「ブロック――――!!!」
「ルーキー対決、第1ラウンドは今北が制した!!」
<_;プー゚)フ(なんで!?)
<_プー゚)フ(なんで…抜いてたはずだったのにしっかり併走されてたんだ!?)
<ヽ`∀´>「ルーズ取ったニダ!」
('A`)「エクスト、ぼーっとすんな!速攻出るぞ戻れっ!」
391
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:40:08 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ!
(,,゚Д゚)「おおおお!」
ドクオとギコの、走りながらの1対1。
('A`)(こいつならここいらで体を強引に割り込ませてくるはずだ!)
(,,゚Д゚)「おらあっ!」
('A`)(読み的ちゅ…!?)
――ごりっ
('A`;)「ぐっ…(強さとキレが…増した!?)」
強引にレイアップの体勢に入るギコ。
そして、思わず反射的に手を出してしまうドクオ。
392
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:41:59 ID:UbeHmtXM0
――ザシュッ
('A`;)(しまった…)
――ピィッ!
審判「ファウル、緑4番!バスケットカウント、ワンスロー!」
(,,゚Д゚)「しゃあっ!」
今北産大附今北 43-46 VIP高校
(;^ω^)「ドクオ…」
('A`)「すまん、つい手を出しちまった」
('A`)(さっきのキレ…まさか…)
393
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:44:05 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ…
フリースローライン上で数度ドリブルをつき、呼吸を整えるギコ。
(,,゚Д゚)「ふーーー…」
(,,゚Д゚)(気持ちいいな)
(,,゚Д゚)(俺の時間が、来そうだ)
――しゅっ…
フリースローが放たれる。
その瞬間、言いようのない違和感を覚えた男がいた。
('A`)(フォームが…いつもと若干違う!?)
('A`)(それにあの軌道…)
('A`;)(!!…まずい!)
('A`;)(あの野郎…『置き』にきやがった!)
('A`;)「気をつけろ!!」
394
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:45:30 ID:UbeHmtXM0
「わざと外してくるぞ」――その一言が出る前に。
――がつっ
フリースローは外れる。
そして。
――ばしっ
/ ゚、。 /「ナイスパスですね」
(,,゚Д゚)「…さすがだぜゴルァ」
<_;プー゚)フ「―――――!!!」
外れはしたものの、思いのほか跳ね上がらなかったボール。
そのため、ジョルジュとエクストはほんの僅かではあるがタイミングを外された形となる。
だがそのイレギュラーなタイミングにも対応してきたのがダイオードだった。
幸か不幸か、外れたボールはダイオードにとって絶好の位置へ。
そしてそのまま……
/ ゚、。 /「よいしょ、っと」
――がしゃんっ
……叩き込んだ。
リバウンドを取ろうと跳び上がったエクストの両腕と絡みながら。
395
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:47:13 ID:UbeHmtXM0
――ピィッ!
審判「ファウル!緑15番!バスケットカウント、ワンスロー!」
<_;プー゚)フ「まじかよ…!」
「リバウンドをダイレクトで押し込みやがった!」
「すげえぞ今北の14番!」
「3点プレーが…5点プレーになるぞ!?」
('A`)(やられた…この野郎…)
(,,゚Д゚)「狙い通りに外すのも技術のうち、ってな」
ダイオードは冷静にワンスローを沈める。
今北産大附今北 45-46 VIP高校
396
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:48:08 ID:UbeHmtXM0
「今度は今北が一気に詰めてきたぞ!」
「第2ラウンドも、ルーキー対決は今北だ――!!」
続いて、VIP高校の攻撃。
<_プー゚)フ「目に物見せてやる…俺だってやれんだっ!!」
――ダムッ!
(;^ω^)「エクs…」
<ヽ`∀´>「ウェーーーーハハハハッ!計画通り!」
/ ゚、。 /「パスは出させない感じで!」
<_;プー゚)フ(挟まれた!?)
_
( ゚∀゚)「エクスト!?こっちだ!」
<_プー゚)フ「くっ…ジョルジュさんっ…!」
/ ゚、。 /「簡単にパスを出させないためのダブルチームなんだけどなあ」
――ボグッ…
<_;プー゚)フ「あっ…!」
397
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:49:07 ID:UbeHmtXM0
苦し紛れのパスは、ダイオードの腕に当たり、阻まれる。
落下したボールはニダーが広い、速攻が繰り返される。
――ダムッ!
(,,゚Д゚)「おおおっ!」
('A`)(さっきのキレ…フリースローのときの『わざと外し』…このタイミングで火が付いてきたのか!?)
('A`)(逆転させるわけにはいかない。ここは意地でも…)
――びゅっ
('A`)(くっ…パスか!)
――ばしっ
川 ゚ -゚)「流れを得る絶好の好機だな」
ボールを受けたのはクー。
ハーフラインを少し越えた辺りだ。
398
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:50:15 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ「行かすかぁっ!」
前に回り込もうとするイヨウ。
だがクーはボールを受けると同時に急ストップ。
(=゚ω゚)ノ(まずい、ここはクーのシュートレンジ…)
速攻のタイミングでのロングスリーポイントシュート。
いくらなんでもめちゃくちゃなタイミングではあるのだが、判断を焦ったイヨウはブロックのために
跳びあがってしまう。
(;=゚ω゚)ノ「やば…」
シュートフェイクにかかり、空中にいるイヨウをドライブでかわし、何事もなかったかのようにクーはレイアップを
沈める。
今北産大附今北 47-46 VIP高校
「逆転だ―――!」
「第3クォーターは今北の猛チャージ!!」
399
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:51:57 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)(まずいな)
――ビーーーーーーッ!
審判「タイムアウト、緑!」
たまらずタイムアウトを申請するショボン。
各々のベンチへ戻ろうとする選手陣。
/ ゚、。 /「…まだ、勘違いしてるのかな?」
<_プー゚)フ「…なに!?」
/ ゚、。 /「自分ひとりで試合を動かせるなどと…まだ思っているのかな、って」
<_プー゚)フ「…どういう意味だ」
('A`)「エクスト!何してる!?」
/ ゚、。 /「おっと、僕も怒られる前に戻らなきゃね」
400
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:52:37 ID:UbeHmtXM0
――( ^ω^)「君はいま…『自分なら今北相手でも渡り合える』、そう言ったおね?」
――( ^ω^)「高校バスケをなめちゃいけないお」
――( ^ω^)「選手としてのレベルは関係ないお。僕は君よりも長く高校バスケの世界にいるお。
だから、わかるんだお。そういう驕りは、きっとチームにとって命取りになるお」
『そういう驕りは、きっとチームにとって命取りになるお』
<_プー゚)フ(俺は…驕ってるのってのか…?)
401
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:53:18 ID:UbeHmtXM0
――VIP高校ベンチ
(´・ω・`)「さて、見ての通りだが正直流れはよろしくない」
(´・ω・`)「うちがやりたいことを向こうにやられている…速攻の連発、だ」
(´・ω・`)「そして『起爆剤』として投入したエクスト君も、どうやら今北はしっかり研究してきたようだね」
(´・ω・`)「…となると、こちらも戦法を変える必要がある」
(´・ω・`)「ドクオ君、イヨウ君、エクスト君によるスリーガードでいこう」
(´・ω・`)「3人でのボール回しをメインにオフェンスを組み立てる。内藤くん、ジョルジュ君はガシガシ攻め立ててくれ」
(´・ω・`)「無論、隙が生まれたらガードの3人は躊躇わず攻めてくれて構わない。まずは、この状況を安静にしよう」
(´・ω・`)「そしてガード3人のうち、一人は常にセーフティーを確保しながらボールをまわして欲しい」
(´・ω・`)「カウンター速攻への対策としてはもちろんだが、できるだけ中を空けて内藤君とジョルジュ君を攻めやすくしてあげよう」
402
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:54:15 ID:UbeHmtXM0
――今北ベンチ
(■_■)「いい感じだ。ターンオーバーからの速攻が続いて、向こうは間違いなく焦っている」
<ヽ`∀´>「それもこれもダイオードのおかげニダ!あの15番を上手く封じ込めてるニダ!」
(,,゚Д゚)「確かにな。いくらあの15番が正統派なポイントガードではないにしても…あの封じ込め方は完璧だった」
/ ゚、。 /「無駄がなさ過ぎるので。いい意味でも悪い意味でも」
/ ゚、。 /「彼にセンスがあるのは認めます。そのセンスゆえにゴールへの最短ルートを無意識に感じ取っているんでしょう。
その嗅覚ばかりは天性のものとしか言いようがありません」
/ ゚、。 /「ですがそれは逆に言えばコースを予測するのは簡単だ、ということです」
/ ゚、。 /「アイシールドのパンサーみたいんもんですよ」
(;,,゚Д゚)(たとえがまたわかりにくい…ようなわかりやすいような…)
(,,゚Д゚)(…にしても、だ)
(,,゚Д゚)(あの15番の動きはまさしくセンスの塊だ…だが、それを簡単に止めちまう、ってのもまた恐ろしいもんだぜ)
403
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:54:59 ID:UbeHmtXM0
――ビーーーーーーーーーーーッ!
審判「タイムアウト終了です!」
(´・ω・`)「点差はたかだか1点だ、あわてず行こう」
(■_■)「修正点は特にない。落ち着いて行け」
――ダムッ…
('A`)「っし、回していこう!」
(=゚ω゚)ノ「おうヨウ!」
<_プー゚)フ「はいっ!」
/ ゚、。 /「またずいぶん後ろにポジションを取ってくるね、ボール回しに徹するのかな?
それとも…諦めた?」
<_#プー゚)フ「黙ってろ!」
404
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:55:56 ID:UbeHmtXM0
――びっ…ばしっ びっ…ばしっ
( ^ω^)(ドクオ、イヨウ、エクスト…この3人のボール回しをメインに攻めるということは)
――きゅきゅっ
( ^ω^)(この状況を、僕とジョルジュでなんとしてでも変えなくちゃいけない、ってことだお)
( ^ω^)(細かいフェイクもきっちり入れつつ揺さぶりながらタイミングを見て…)
(^ω^ )(飛び込む!お!)
――ぎゅっ
今北⑧(なんつー鋭いカットだよ!?振り切らr…)
<_プー゚)フ「内藤さん!」
――びゅっ
405
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:57:33 ID:UbeHmtXM0
( ^ω^)「おっ!」
――ばしっ
鋭いカットでノーマークとなり、エクストからのパスを受けるブーン。
やや振り切られた形となった今北⑧は、数瞬遅れてボールマンのブーンのディフェンスにつこうとする。
しかし、今のブーンにとっては少々の遅れは大きなアドバンテージ。
ほんの僅かではあるが、遅れてディフェンスについてきたことによる今北⑧の体重移動の微妙なズレを
即座に見抜き、ワンフェイクからのドライブで見事にかわす。
( ^ω^)(このままレイアップいけるかお…?)
<#ヽ`∀´>「打たせんニダーーーーッ!」
( ^ω^)(状況は2対1のアウトナンバー!冷静に対応すれば大丈夫だお)
( ^ω^)「ほっ!ジョルジュ!」
カバーに来たニダーをしっかりと自分に引き付けてから、逆サイドのゴール下にいるジョルジュへとパスを送る。
_
( ゚∀゚)「ナイスパァスッ!」
406
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 21:58:29 ID:UbeHmtXM0
――ずだっ
膝を思いきり深く曲げ、びょんと跳び上がるジョルジュ。
ボールを掴んでいた両腕をぐるりと大きく一周させ、
_
(#゚∀゚)「おおおおおりゃああああっ!」
そのまま豪快にリングへ叩き込んだ。
今北産大附今北 47-48 VIP高校
「8番も負けじとダンクだーーーー!」
「両腕でのウインドミル!超ド派手だな!」
_
( ゚∀゚)「マッチアップ、かわらない方がよかったんじゃねーか?」
<ヽ`∀´>「ぐぬぬ」
407
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:00:02 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)「ふっ」
――しゅっ
('A`;)「(スリー…!?まずい!)リバウンドーーーーーっ!」
――バシュッ
(,,゚Д゚)「しゃああっ!」
「スリーだ!」
「マーク外れてなかったのに!強引にねじ込んできたぞ!」
「今北の4番もノってきた!」
今北産大附今北 50-48 VIP高校
('A`;)「くっそ…なんであれが入んだよ…」
(,,゚Д゚)「どうした!?やり返してこいよゴルァ!丸くなりやがって!」
('A`)「………」
408
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:00:53 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ!
「今度はVIP高の4番が抜いたーーー!」
(;,,゚Д゚)「んなっ…パス回しするんじゃねーのかよゴルァ!?」
('A`)「パス回そうと思ったんだけどな、おまえ油断してたし。行かせてもらうぜ」
――きゅっ
(,,゚Д゚)(ストップした…ミドルか!?)
――ずだっ
(,,゚Д゚)(シュートだ!振り切られてない…ブロックできる!)
――ずだっ
ドクオのジャンプに合わせて、ギコもブロックを試みようと跳ぶ。
しかし…
(;,,゚Д゚)(打たない…!?)
('A`)(ありがとな、ひっかかってくれて)
409
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:01:47 ID:UbeHmtXM0
通常、ジャンプシュートはジャンプが頂点に達したときにボールをリリースする。
その理由としては、できる限り高い位置でボールをリリースすることでブロックされることを
防ぎたいから、ボールが描く放物線の起点を高くし、高いアーチでのシュートを打ちたいから、などが挙げられる。
余談ではあるが、インサイドプレーヤーがゴール下でのシュートを打つときは、主にブロックされることを
防ぐために、肘の角度を浅くし、腕を伸ばしたようなフォームになることが多い。
この場合のドクオは、そのジャンプが頂点に達しても、シュートを放たなかった。
当然のことなのだが、ジャンプの頂点というのは、上向きの運動が下向きの運動に変わる瞬間のことだ。
ジャンプが頂点に達したら、あとは重力に従って落下していくのみ。
しかし、落下を始めてもドクオは尚、シュートを打たない。
タイミングを外すために落下しながらシュートを打つ場合もあるが、ドクオの場合は違った。
('A`)(よーするに)
そう、「始めからシュートを打つつもりなどなかった」のだ。
ドクオの落下に次いで、ギコも落下を始める。
走りながらブロックの体勢に移ったギコだったため、その体は慣性のままに流れようとしていく。
しかし、ギコはドクオがシュートを打つつもりがないことに気づいていない。
そのため、ドクオが落下を始めてもなおボールを持っているのは、タイミングを外してシュートを放つため、と考えていた。
だから、ボールから意識を逸らすわけにはいかない。
慣性で流れていきそうな体を強引にその場に保つ。
だがそれは無理な体勢を強引に保つということ。
つまり――
――ピィッ!
審判「ファウル、白4番!ツースロー!」
410
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:03:45 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)「てめっ、最初から打つ気なかったな…!」
('A`)「いやあ、これもある意味シュートフェイクでしょ」
(,,゚Д゚)「言ってくれるじゃねーか…!」
そしてフリースローラインに向かう際、すれ違いざまにーー
('A`)「エクスト、2本目そっちに外すからな」
<_プー゚)フ「……!?」
('A`)「目に物見せてやるんだろ?」
('A`)「余計なこと考えちまってるみたいだしさ。集中して、この一本決めてくれよ」
<_プー゚)フ「……!」
( ^ω^)「ドクオ、きっちり!だお」
('A`)b「任せとけ、外すわけないだろ」
411
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:04:39 ID:UbeHmtXM0
一本目。
――ぱしゅっ
今北産大附今北 50-49 VIP高校
('A`)「ふう」
……二本目。
('A`)(頼むぞ…!)
――がつっ…
(,,゚Д゚)(ドクオがフリースローを外しただと…!?)
(,,゚Д゚)(…まさか!?)
(;,,゚Д゚)「ニダー!ダイオードーーー!」
412
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:05:30 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(ほんとに俺の方に外してきた…!しかも俺が一番手を伸ばしやすいとこに…!)
<_プー゚)フ(フリースローが外れて、なおかつ「自分の方に飛んでくる」って確信さえあれば、俺の方が
一瞬だけ早く反応できる!)
<_プー゚)フ(ドクオさんがこの緊迫した状況でわざわざチャンスを与えてくれたんだ…期待には絶対に応えてみせる!)
リバウンドの際のポジション争い、スクリーンアウト。
身体能力、技術はもちろんだが、ボールの落下地点を瞬時に予測する能力、加えてそれを実行に移す瞬発力も重要となる。
落下の予測、一瞬の飛び出しというという点においては、このプレーではエクストは圧倒的有利な立場だった。
「どこにボールが飛んでくるのかがわかっていた」のだから。
しかし狙い通りにシュートを外す、という行為はシュートを決めることよりも遥かに難しい。
加えて、自分の方へシュートを外すと宣言した味方を信頼することも、だ。
ほんの、ほんの僅かなズレでさえも、外れるときには大きなイレギュラーとなる。
そこで結果的に見当違いなタイミング・方向にリバウンドを試みれば、相手と争う間もなく易々と
リバウンドを与えることになってしまうからだ。
<_プー゚)フ(左手が…届いた!)
<_プー゚)フ(このまま…!)
――ぽんっ
手中に収まったボールを、そのまま空中でタップし、丁寧にリングへと押し返す。
413
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:06:28 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(来い…!)
――ぱすっ
今北産大附今北 50-51 VIP高校
<_プー゚)フ(よし!)
「再逆転ーー!今度はVIP高の15番がダイレでねじ込んだ!…ダンクじゃなかったけど」
「タイミングどんぴしゃだったぞ!…ダンクじゃなかったけど」
「すげえ反射神経だ!…ダンクじゃなかったけど」
「ってかむしろボールがVIP高の15番の方に跳ねたようにも見えたぞ!…ダンクじゃなかったけど」
「まさか狙って外したってのかよ!?…ダンクじゃなかったけど」
<_;プД゚)フ(うるっせーーーー!そしてしつけーーーっ!!)
<_;プー゚)フ(身長あるやつがみんなダンクできると思うなよ!?)
<_;プー゚)フ(てかラスト二人!明らかに無理矢理乗っかってきてんじゃねーかああああああ!)
414
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:07:49 ID:UbeHmtXM0
('A`)「狙い通りに外すのも技術のうち、なんだっけ?」
(;,,゚Д゚)「ぐっ…」
('∀`*)ニマァ「ってことは俺もなかなかにテクニシャン、ってことか」
(,,゚Д゚)(その顔でテクニシャン言うななんか腹立つ。あとニマァって笑うなほんと怖い)
('A`)
415
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:09:20 ID:UbeHmtXM0
_
( ゚∀゚)「ナイスリバン、エクスト!」
( ^ω^)「あーんど、ナイッシュー!だお!」
<_プー゚)フ「うぃっす!ディフェンスいきましょっ!」
<_プー゚)フ(……そうだ)
きっと、気づいていなかったわけではない。
自らの驕りに。自惚れに。
<_プー゚)フ(ただ…!)
認めたくなかっただけなのだ。
本当は自惚れているんじゃないか、と沸き上がってくる無意識と向き合うことを放棄し、ただただ突っぱねていた。
<_プー゚)フ(だけど……!)
(,,゚Д゚)「ダイオードっ!」
――びゅっ…ばしっ
/ ゚、。 /「ナイスパスです!」
それを他人から指摘されたとして、素直に受け入れられるわけがない。自分は、そこまで素直ではない。
416
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:10:03 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(……だけどっ…!)
――ダムッ!
<_;プー゚)フ「うぐっ…(パワー勝負かよ…!)」
/ ゚、。 /「せあぁっ!」
――ガコンッッ!
「また今北14番のダンクーー!?」
「すげぇ!すげぇよ!すごすぎる!なんなんだよあいつ!?」
「無双モード突入か!?」
今北産大附今北 52-51 VIP高校
417
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:10:45 ID:UbeHmtXM0
言葉よりも。
/ ゚、。 /「……ふん」
<_プー゚)フ「……へへっ」
こうして行動で見せつけられてしまうと、嫌でも納得せざるを得ない。
<_プー゚)フ(俺は天才なんかじゃ…ない)
だが。
もしかしたら本当は。
少しだけ、わかっていたのかもしれない。
そして。
そんな自分を変えたかったのかもしれない
<_プー゚)フ(だってーー)
自分自身で、VIP高校バスケットボール部を選んだのだから。
418
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:11:48 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ「あっさりやられちまいました、すんません!さーっドンマイドンマイ!、切り替えましょ!」
('A`)(…ったく。…けど)
(=゚ω゚)ノ(…なんかスッキリした顔になってるなヨウ)
(=゚ω゚)ノ(俺も…ぼーっとしてなんていられねーヨウ!)
――ダムッ…
( ・∀・)「展開がかなり速くなってきたね。そのくせ、どちらもなかなかシュートを外さない」
从'ー'从「お互いに、成功率の高い堅実なプレーを選択していますね」
( ・∀・)(だがそれだけでは道は開けない…ただ時間が過ぎていくだけだ)
( ・∀・)(さあ、どうする)
419
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:12:38 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ「ドクオ!くれっ!」
('A`)「ああ!イヨウっ!」
――びゅっ…ばしっ
川 ゚ -゚)「パス回しに徹するなんて…君らしくないな。少々失望した」
(=゚ω゚)ノ「安心しろ、すぐに引き戻してやるヨウ」
(=゚ω゚)ノ「おもしれーのは…こっからなんだからなヨウ!」
――ダムッダムダムダムッ…ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!
「すっ…げぇドリブ…ル…か…?あれ…?」
「ドリブルが…早すぎて、低すぎて、細かすぎて…」
「ああ…コートの上をボールが転がってるみたいだ…」
420
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:13:28 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ(ギコが『剛』?クーが『柔』?)
(=゚ω゚)ノ(知ったことかヨウ)
(=゚ω゚)ノ(俺にはギコみたいな強さもない。クーみたいなズバ抜けたスピードもない)
(=゚ω゚)ノ(だけど俺は俺なんだヨウ。他の誰でもねーんだヨウ!)
(=゚ω゚)ノ(俺は…『変』でいい!)
( ^ω^)(『変』なガード…?)
(;=゚ω゚)ノ「ちがう!」
(=゚ω゚)ノ「ジョルジュ!」
――ぴっ
早く、低く、細かいドリブルから一転。
コートの床スレスレから手首だけでボールを弾く。
421
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:14:31 ID:UbeHmtXM0
川 ゚ -゚)「ちっ…(反応できなかった…)」
咄嗟にパスが出たであろうジョルジュの方向へ振り向くクー。
しかし――
_,,_
(;゚∀゚)?
川 ゚ -゚)「!?」
クーの視線の先には、尋常でないほどにきょとんとした顔のジョルジュ。ボールは、見当たらない。
_
(*゚∀゚)!
そして、きょとんとしていたジョルジュの表情がすぐに輝く。
川 ゚ -゚)(まさか!?)
そして悟る。
すぐさま、イヨウへと視線を戻す。
その時クーが見たものは、空中で既にシュートを放とうとしているイヨウの姿であった。
――ぱしゅっ
今北産大附今北 52-54 VIP高校
.
422
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:15:46 ID:UbeHmtXM0
「VIP高の6番に久しぶりのスリーだ!」
「ストリートの技だよなあれ!?すげーーー!」
「あんなの試合中にやる度胸なんてねーよ普通!」
川 ゚ -゚)(騙された…ボールを真上に投げ上げて、ディフェンスにはパスが出たと錯覚させるプレー…)
川 ゚ -゚)(そういうプレーがあるということは知っていたが…実際にやられたのは初めてかもしれないな)
川 ゚ -゚)(ましてや公式戦、しかも決勝リーグでそれをやってくるなんて、な。まんまと一杯食わされたよ)
川 ゚ -゚)「完全に騙された。君の仕事はパスだと思っていたからね。てっきりパスかと…」
(=゚ω゚)ノ「いいや」
(=゚ω゚)ノ「俺はパスを出しただけだヨウ」
川 ゚ -゚)「?」
(=゚ω゚)ノ「『0,5秒後の自分に』、な」
川 ゚ -゚)「…………」
423
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:16:30 ID:UbeHmtXM0
( ^ω^)「おっおっwwwかっこいいおイヨウwww」
(=゚ω゚)ノ「イケメンなのは生まれつきだヨウwww」
( ^ω^)「うっせ殺すぞリア充wwwそれにしても決め台詞が厨二すぎだおwwww」
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\ <『0.5秒後の自分に』、な
/ ⌒(__人__)⌒ \
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/_ノ ヽ、_\
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ <だっておwwwwwwwww
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) | | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) /
ヽ / `ー'´ ヽ / /
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バンバン
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
(=゚ω゚)ノ「てめえwwww」
424
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:17:21 ID:UbeHmtXM0
('A`)(あいつ…!)
('A`)(あの技は、俺たちが初めて出会った日に俺がやられたプレーだ)
('A`)(俺だって、ストリートにああいう技がある、ってことくらいは知ってた)
('A`)(だけど、知っているのと実際に体験するのじゃあ、大違いだ)
('A`)(あの技を初見で見切るのはちときついだろうな)
('A`)(でもそれだけじゃない)
('A`;)(あいつ…あの時よりもスキルに磨きをかけてやがる!)
('A`)(ストリートのスキルってのは『魅せる』ことを重視することが多い)
('A`)(だから、カッコイイけどムダな動きも多い、ってのも事実だ)
('A`)(今のプレー…あれは余韻のようなものを味わうために、投げ上げたボールが落ちてくるのを待っている場合が多い)
('A`)(騙されたと気づいた相手がちょうど振り向くころにボールが落ちてきて、「どうだ、ざまぁみろ」っていう
絶好のタイミングでボールをキャッチできるからだ)
('A`)(だけどイヨウのは違った!)
425
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:18:59 ID:UbeHmtXM0
('A`)(投げ上げたボールが落ちてくる原因、それは当然重力だ。そしてすぐにボールが落ちてくるわけじゃない、僅かだが
時間がかかる)
('A`)(普通のやつなら騙されたことに気づかないことだってある、だけどイヨウの相手は素直クールだ!すぐに
騙されたと気づかれても不思議ではない)
('A`)(だが素直クールの反応速度を考えれば、落ちてきたボールをキャッチした瞬間を狙われる可能性があった!
いや、あるいはボールの落下中に反応される可能性だってあった!)
('A`)(だからイヨウは、投げ上げたボールをそのまま空中でキャッチして、スリーを打った!コンマ数秒の時間を稼ぐために!!)
('A`)(いわば『その場で一人スカイプレイ』!!クーの反応速度を計算に入れていたのかそれとも無意識か…
いずれにせよあのスタイルは…)
426
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:20:17 ID:UbeHmtXM0
(´・ω・`)(『部活バスケ』と『ストリートバスケ』の融合…!)
(´・ω・`)(実際に、このスタイルでバスケをするのはとても難しい)
(´・ω・`)(プレイがどちらかに偏りがちだし、環境的にも、だ)
(´・ω・`)(バスケは反復練習のスポーツだ。そして、数えきれないくらいの失敗をした、という経験は間違いなく選手を成長させる)
(´・ω・`)(だが部活での試合や練習中にストリートのスキルを織り交ぜたとして…)
(´・ω・`)(成功すればまあいい。「よくあんなことができたなあ」、「危なっかしいなあもう」程度で済むからだ)
(´・ω・`)(だが失敗すれば「派手なプレーで目立とうとしてミスをしては意味がない」、「一体何をやるつもりだったんだ」と
批判を受けることがあるというのもまた事実だ)
(´・ω・`)(チームメイトや指導者から怒鳴り散らされることもあるだろう)
(´゚ω゚`)(だけどうちは基本的には自由な部風。それはつまり僕の指導力の賜物ってことさ!!)
(´・ω・`)(…冗談はさておき)
(´・ω・`)(部活でも、ストリートでも。どちらの場所でも必死に努力し続けたイヨウ君らしいプレイだ。見事だよ)
427
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:21:09 ID:UbeHmtXM0
('A`)「よォ、腕上げたな」
(=゚ω゚)ノ「へっ、ストリートボーラーの生き甲斐はスキルを磨くことだからな」
――ぱんっ
('A`)「さぁディフェンスだ!!」(=゚ω゚)ノ
静かにハイタッチを済ませ、今北の攻撃に備える。
428
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:22:39 ID:UbeHmtXM0
――がつっ
川 ゚ -゚)「ちっ」
「今北の7番が外したーーー!!?」
('A`)(少なからず動揺してるな)
_
( ゚∀゚)「ルィィヴァアアウンドオオオ(裏声)!!」
――ばしっ
('A`)(戻りが早い…!速攻は無理か)
('A`)「ナイスリバン、ジョルジュ!一本いこう!」
_
( ゚∀゚)「おう!」
――ダムッ…
('∀`*)「エクスト!イヨウだ、イヨウでいくぞ!」
429
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:23:22 ID:UbeHmtXM0
<_;プー゚)フ「えっ、なんで言っちゃうんすか…」
――キュキュキュキュ!
川 ゚ -゚)「その通りだな。なぜあえてわざわざ」
(;=゚ω゚)ノ(めちゃくちゃディフェンス厳しくなったじゃねーかヨウ、ドクオのアホッ!)
('∀`*)「くっそ…つい言っちまった!エクスト!仕切り直してくれ!」
――びゅっ
<_プー゚)フ(あのキモい笑顔…あれは何か企んでる顔だ…)
<_プー゚)フ(でも何を…?)
430
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:24:13 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(ドクオさんは熱いけど冷静な人だ。いくらテンションが上がってても、わざわざ口を滑らせて
攻め方を明かすようなミスをするとは思えない)
<_プー゚)フ(ってことは何か考えがあるってことだ。一体?)
――('∀`*)「エクスト!イヨウだ、イヨウでいくぞ!」
――('∀`*)「くっそ…つい言っちまった!エクスト!仕切り直してくれ!」
<_プー゚)フ(あの顔をしてたってことは…その中にヒントがあるはず!)
<_プー゚)フ(『イヨウさんで行く』ということか?)
<_プー゚)フ(『つい言っちまった』…か?)
<_プー゚)フ(それとも『仕切り直してくれ』…か?)
<_プー゚)フ(!!いや……)
<_プー゚)フ( 全 部 か ! )
431
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:25:55 ID:UbeHmtXM0
<_プー゚)フ(あえて訳すとするなら…『('∀`*)「イヨウでいくぞ!ほんとにいくからな!だからあと任せた」』…ってとこか?)
<_プー゚)フ(…………)
<_;プД゚)フ(伝わりづれえーーーーーっ!)
<_;プД゚)フ(っていうか普通に無茶ブリだしーーーーーーーっ!!!!!)
――ばしっ
<_プー゚)フ(でも確かにそうだ!イヨウさんのストリートのスキルに相手の7番は動揺してるはず!
シュートも外してたし…)
<_プー゚)フ(つまりなんとかしてもう一度イヨウさんから得点したいってこと!できるなら連続で!)
<_プー゚)フく(となりゃあ、俺の役目は一つ……!)
432
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:26:39 ID:UbeHmtXM0
――ダムッ!
/ ゚、。;/「くっそ…!」
「今度は抜いたーーーー!」
「ちょっと待て、VIP高は3人がけっこう後ろの方でボール回しをしているから…」
「トップオブザキーのエリアががら空きだーーー!!」
川 ゚ -゚)「むっ…」
<_プー゚)フ(素直クール!あんたの意識をこっちに引き付けることさァァァ〜〜〜〜〜!!)
――びゅっ…ばしっ
(=゚ω゚)ノ「うっし」
<_プー゚)フ(よっし、通った!あとはイヨウさんがなんとかしてくれるはず…!タブン)
433
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:27:55 ID:UbeHmtXM0
川 ゚ -゚)(結局宣言通りにイヨウ君に…)
(=゚ω゚)ノ(今回はボールさえ持てりゃあ、問題ないヨウ。なんつったって…)
――ダダダダダダダダダムッ!ダダムッ!
(=゚ω゚)ノ(リズムを整えてから…)
(=゚ω゚)ノ「投げるだけなんだからな!」
――びゅっ…
ξ;゚⊿゚)ξ「ボールを……!?」
(;*゚ー゚)「放り投げた!?」
( ´∀`)「いや……!」
(;,,゚Д゚)(…違う!)
434
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:28:40 ID:UbeHmtXM0
(;,,゚Д゚)(目線はしっかりリングの方を向いている…それに投げているようには見えるが…手首のスナップが
しっかり利いてる!それにフォロースルーもちゃんとある…!)
<;ヽ`∀´>(あれは…)
/ ゚、。;/(まさかシュートのつもりなのか!?あれで!?)
川;゚ -゚)(馬鹿な!)
――バスッ
川; ゚ -゚)「んなっ…!」
('A`)「うおぉ…」
( ^ω^)「ナンテコッタイ」
<_プー゚)フ「ていうかなんでちゃんと伝わってんだ…エスパーかよこの人ら…」
_
( ゚∀゚)「リバウンドするべきなのかアリウープ狙いなのか普通にわかんなかったじゃねーかww」
今北産大附今北 52-57 VIP高校
435
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:29:36 ID:UbeHmtXM0
「は……入ったァーーー!?」
「VIP高の6番に連続スリーーーー!!」
「なんだ今の!?投げたのが入っちまった!」
「さすがにこれはマグレだろ!?バンクショットだったし!」
「だ…だよな!パスミスかなんかがたまたまボードに当たって入っただけだよな!?」
「マグレだろうがなんだろうが関係ねぇ!また点差が開き始めたぞ!」
「スリーがあるのとないのとでは点の動きが全然ちげえ!!」
川 ゚ -゚)「…狙ったのか」
(=゚ω゚)ノ「シュートは決めるために打つもんだろうヨウ?」
川 ゚ -゚)「…まさか投げ打ちとはな」
(=゚ω゚)ノ「お前も同じようなもんじゃねーかヨウ」
436
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:30:55 ID:UbeHmtXM0
(=゚ω゚)ノ「あえてコツを言うとだ、ヨウ」
(=゚ω゚)ノ「普段のシュートと同じように高いアーチを心掛けることだヨウ」
(=゚ω゚)ノ「そんでもって、上から落ちてくるときにボードの四角、まあ普段バンクショットやるときに
狙う場所をかすめるような軌道を意識すること、だヨウ」
(=゚ω゚)ノ「普通に投げたら、大概弾き飛ばされちまうからな」
川 ゚ -゚)「…なぜ大切なテクニックをわざわざ教えてくれるのだ?」
川 ゚ -゚)「私が真似をするかもしれないではないか」
(=゚ω゚)ノ「だって無理だろ」
川;゚ -゚)「っ!」
(=゚ω゚)ノ「…お前のそのスキルは、お前だけのもんだヨウ。誰にも真似できねえ」
(=゚ω゚)ノ「だけどそれお同じように、俺のこのスキルは、俺だけのもんなんだ。
誰にも真似させない…いや、できないヨウ」
(=゚ω゚)ノ「…これで、ようやく土俵の上に立てた、ってとこか?」
川 ゚ -゚)「……おもしろい」
437
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:31:41 ID:UbeHmtXM0
(,,゚Д゚)「クー、大丈夫か?まさかお前が連続でやられるとは…」
<ヽ`∀´>「そ…そうニダよ!前回戦ったときには完封した相手に…」
/ ゚、。 /「何かできることがあれば…」
川 ゚ -゚)「すまん、今は話しかけないでくれ」
川 ゚ー゚)「…楽しくなってきた!!」
.
438
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:32:30 ID:UbeHmtXM0
――数分後、VIP高校の攻撃…
――ダムッ…ダムッ…
(=゚ω゚)ノ「さあ一本!おめーらしまっていけヨウ!」
( ^ω^)(イヨウかっこいいお!ボール運びのときのドリブルまでストリートっぽく…)
――ピィッ!
審判「ダブルドリブル!白ボール!」
(;=゚ω゚)ノ「しまったあああああ!」
( ^ω^)「ちょwwwwバーローwwwww」
439
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:32:59 ID:lU2HQ7ooO
バスケ漫画だとストリート上がりのやつは強いって風潮あるよね
支援
440
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:33:13 ID:UbeHmtXM0
第11章 完
.
441
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:33:43 ID:lkLJ..lg0
やっべ
めっちゃ面白いじゃねーか
乙
442
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:34:33 ID:UbeHmtXM0
今回の投下は以上です、ありがとうございました。
443
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:35:42 ID:lU2HQ7ooO
乙!
バスケやりたくなるな
444
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:37:51 ID:tu1wGXsoO
全員イキイキしすぎだろww
今北サイドの日常みたいなのは初めてかも。愛着沸いてくるぜ
乙!!!!!!!
445
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:37:59 ID:gNmypWnI0
乙。面白かった
446
:
名も無きAAのようです
:2011/11/27(日) 22:39:08 ID:RkSqFu220
熱い展開だな
乙
447
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/11/27(日) 22:55:00 ID:UbeHmtXM0
しまった…
>>392
で得点の計算をミスりました…
なんていうか…適当に脳内補完しておいてください…スマソ
448
:
青空ホライゾン
◆x/rxoIq2T6
:2011/12/05(月) 07:25:23 ID:C7rYbiqIO
>>447
点数がおかしいとの事で、まとめるときに勝手に弄ってみましたが、
なんかどんどんおかしくなってしまったんですが大丈夫でしょうか?
449
:
名も無きAAのようです
:2011/12/12(月) 23:48:37 ID:nBxS5i/E0
しばらく音沙汰無いな
ゆっくり書くのは全く構わんのだけど、心配になる
まとめさんもスルーだしスレ見てないのかな
何かあったのかな
450
:
◆HJkAGxFZpI
:2011/12/13(火) 01:27:41 ID:AQRJ/JAw0
もしもしからすみません、作者です。
PCの通信料払うのをほったらかしていたらPC止められましたwwww
すみませんが今しばらくお待ちください…
>青空さん
レス遅くなってすみません
まとめの方を確認させていただきましたが、助かりましたとしか言いようがないですw
お手数おかけしてすみません。
今後ともよろしくお願いしますね!
451
:
名も無きAAのようです
:2011/12/13(火) 02:15:09 ID:MsvId/Ow0
>>450
信じてた
452
:
名も無きAAのようです
:2011/12/13(火) 13:26:38 ID:MsvId/Ow0
まとめさんなんか仕事してんなwwgjです
少し質問させてください
>>383
で予め点差弄ってるってことと、
>>392
は得点がなかった事にされてたのを修正されてるってことは俺でも分かったんだが
>>393-395
のプレーでの得点がスレとまとめさんでなんか違うよな?
どっちが正しいんだ。バスケ未経験には分かんない。だれか解説求む
453
:
名も無きAAのようです
:2011/12/14(水) 18:36:44 ID:3OJVqMg2O
>>450
払い忘れとかおいww
いくらでも待ってるぜ
454
:
青空ホライゾン
◆x/rxoIq2T6
:2011/12/14(水) 23:15:44 ID:2kQs0N060
>>452
一番後ろの得点から、減点法で遡っていきました。
ですから第11章開始の時点での点数が減っています。
>>393-395
のプレーですが、
>>393
の時点で 今北 43-46 VIP
>>395
の時点で 今北 45-46 VIP
393からギコがフリースローをはずし、エクストがシュートを決めて2点。
さらにバスケットカウントで、フリースローを決めて1点。
なので395の時点で計3点入るはずなのに、2点しかはいってないので、そこも修正しました。
ただ、僕はバスケット素人なので、間違ってるかもしれませんけど、
作者のOKもらったので大丈夫なはず!
>>450
こちらこそよろしくおねがします!
455
:
sage
:2011/12/14(水) 23:30:38 ID:mfAOIFbQ0
いままでずっとまっててたよ。再開してくれてありがとう。
456
:
名も無きAAのようです
:2011/12/14(水) 23:31:49 ID:mfAOIFbQ0
落ち着け俺orz
457
:
名も無きAAのようです
:2011/12/15(木) 00:52:00 ID:yl1J1AKs0
青空さん超GJ!
458
:
名も無きAAのようです
:2011/12/15(木) 02:34:17 ID:mFduz/fc0
>>454
開始の時点から弄ってたんですね
なんとなく把握できました。わざわざありがとうございます
459
:
名も無きAAのようです
:2011/12/22(木) 06:41:53 ID:KEIrhkng0
俺のブーン系との出合い作品……良くもどってきてくれた!
460
:
名も無きAAのようです
:2011/12/27(火) 06:52:05 ID:j4VeRDBUO
あげとく
461
:
名も無きAAのようです
:2011/12/27(火) 06:55:58 ID:4OUhEwuEO
>>460
現行遭遇?
wktkしてしまった
ちょっと復習してくるわノシ
462
:
名も無きAAのようです
:2011/12/28(水) 09:59:38 ID:13FFfCeIO
年単位で放置しといてまた長期放置とか、社会性皆無のドSもいいとこだな。
463
:
名も無きAAのようです
:2011/12/28(水) 11:12:43 ID:YzAeZ/ps0
まだ前回の投下から1ヶ月しかたってないじゃん
464
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/01/01(日) 01:37:38 ID:GPyem6E.0
みなさまあけましておめでとうございます。
通信料は払いましたが結構忙しいのと次回投下分が長引きそうなのが相まって、なんかもうしっちゃかめっちゃかです。
今年も高校バスケをよろしくお願いします。
465
:
名も無きAAのようです
:2012/01/02(月) 03:38:15 ID:/J3bbG7s0
報告ありがとう。なんか大変そうだな
いくらでも待つから良いもの書いてくれよな
466
:
名も無きAAのようです
:2012/01/03(火) 20:54:31 ID:U8RaovtM0
今まで待ってたんだ。
帰って来てくれただけでもうれしいよ!
半年でも、一年でも待つぜ!
467
:
名も無きAAのようです
:2012/01/20(金) 12:48:32 ID:ebxovcu6O
そして糞作者はまた何も言わず雲隠れしました。めでたしめでたし。
468
:
名も無きAAのようです
:2012/01/28(土) 12:54:37 ID:WDKDYlNk0
いくらでも待つよ!
469
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/01/31(火) 19:31:24 ID:gBgfssSo0
早くて3月頃になりそうです。すみません…('A`)
470
:
名も無きAAのようです
:2012/02/01(水) 16:40:24 ID:u/fm2yeI0
降臨ありがとう!
作品すごく楽しみにしています。ぜひ続きを見せて欲しいです
いままで散々待ってたから数ヶ月くらいならどうってこと無いんだけど
作者の謝罪と漠然とした期間付けに言いようのない不安を覚える
471
:
名も無きAAのようです
:2012/02/02(木) 10:24:37 ID:48P1HxN6O
『早くて』とか逃げ場を作ってる辺りが流石。
年単位で読者を裏切ったのに、お優しく迎えられたのがたまらなく快感だったんだろう。
クズは優しさに誠意で返すとかしなくて、際限無く付け上がるからな。
いえ〜い、クズ作者見てるー?
472
:
名も無きAAのようです
:2012/02/02(木) 23:37:20 ID:AF1pvKIM0
>>471
こいつ規制しようぜ
正当な批評じゃない、単なるいちゃもんがつけたいだけの荒らしだ
473
:
名も無きAAのようです
:2012/02/02(木) 23:51:07 ID:wT.tj7A60
まぁ、空気作者の嫉妬というところだろう
気にせず書き溜めてくれ
474
:
名も無きAAのようです
:2012/02/03(金) 04:17:25 ID:ikd7fLo.0
待ってるよー
475
:
名も無きAAのようです
:2012/02/05(日) 09:57:46 ID:kGFyXZM6C
3月までまつ
476
:
名も無きAAのようです
:2012/02/05(日) 13:58:02 ID:7Ao8qEsU0
これみてバスケ始めたんだよなーw
またバスケやるかぁーw
今年はいつもと違う年となりそうだ。ほんと作者には感謝してます!
この作品に出会えて本当によかった
477
:
名も無きAAのようです
:2012/02/10(金) 07:56:49 ID:OsZB3f1g0
まってるぜー!
478
:
名も無きAAのようです
:2012/03/04(日) 09:35:52 ID:FkKmX8.E0
続き楽しみ!
479
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/05(月) 21:55:29 ID:UKmoOXy20
こんばんは、作者です。
定時連絡というのも変ですが…遅くなりまして。
ようやく時間は取れるようになりましたが、なかなか筆が進まんのです(´・ω・`)
逃亡ではないので、今しばらくお待ちください。
480
:
名も無きAAのようです
:2012/03/06(火) 00:34:10 ID:URJ7kFAs0
ずっと待ってるよ!?
481
:
名も無きAAのようです
:2012/03/06(火) 03:44:23 ID:1nQk09l20
おれは おまえを しんじてるぜ
482
:
名も無きAAのようです
:2012/03/06(火) 22:30:21 ID:khcEcJSY0
いくらでも待つって
自分がやりたいときにやっていいんよ?
483
:
名も無きAAのようです
:2012/03/06(火) 22:31:26 ID:khcEcJSY0
待つのも楽しみの一つや
484
:
名も無きAAのようです
:2012/03/09(金) 09:15:51 ID:zQbKAEMMO
必死の言い訳乙。
485
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/12(月) 04:40:49 ID:nz69Npx20
13日の22〜23時頃に投下予定です。
お待たせしてすみません、よろしくお願いします。
486
:
名も無きAAのようです
:2012/03/12(月) 08:42:30 ID:VM81nwlA0
来たか。wktk
作者さん、謝らないでくれよ
こっちがありがとうだぞ
487
:
名も無きAAのようです
:2012/03/12(月) 08:49:03 ID:V4geBOc.O
わくてか
488
:
名も無きAAのようです
:2012/03/12(月) 09:08:12 ID:dZ4peNvcC
ついにきたか!
489
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:43:43 ID:02FU1FzU0
投下を始めていきます。
まとめサイト様
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです 様
http://vipteam.blog74.fc2.com/
ブーン系小説グループ 様
http://boonnovel.g.hatena.ne.jp/bbs/140?mode=tree
青空ホライゾン 様
http://mo-neru.net/portable/boon/01007/index.html
490
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:44:33 ID:02FU1FzU0
( ^ω^)ブーンが高校バスケで日本一を目指すようです
第三部 第12章
.
491
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:46:20 ID:02FU1FzU0
――ダムッ…
('A`)(まさしく正念場、ってとこか…)
第4クォーター。
残り、7分。
今北産大附今北 67 - 64 VIP高校
「この時間帯だってのにたったの3点差…」
「実力は互角ってことかよ!?」
「バスケの試合ではありがちだもんな、最初の数分間や第1クォーター終了時くらいまでは
そこそこ競ってても…時間が経つにつれてどんどん点差が開いていって、最終的には20点差、とか」
「そうだな。サッカーとかでもそうだが…時間が経てば経つほど両チームの実力差がどんどん浮き彫りに
なっていく、なんてザラだ」
「それなのに…」
492
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:47:11 ID:02FU1FzU0
( ・∀・)「終盤に差し掛かった、といっても差し支えない状況で…」
从'ー'从「まさかここまで競ってくるなんて…」
( ><)ノ「はい」
( ・∀・)「発言を許可する」
( ><)「ありがとうございます」
( ><)「試合前の評価では、今北の圧勝というのが真っ当な見解だったと思われます」
( ><)「実際、今北は実力としては同格かと思われていたラウンジ学園を相手におよそ20点差で勝利」
( ><)「バスケットにおいての20点差での勝利とは、相当な実力差があるものと考えられるからです」
( ・∀・)「…ふむ、続けたまえ」
( ><)「ありがとうございます」
493
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:48:43 ID:02FU1FzU0
( ><)「単純に理屈でいえば、VIP高校はそのラウンジ学園に一度たりとも勝利したことはありません。
今北が20点差をつけて勝利した、ラウンジ学園に」
( ><)「つまり、今北>>ラウンジ>VIP高。という図式となるはずなんです」
( ><)「しかし現状では今北≧VIP高。といっても過言ではありません」
( ><)「これはいったいどういうことなのでしょうか」
( ><)「わかんないんです!」
( ・∀・)「結局それかよ役立たず」
从'ー'从「死ねばいいのに」
( ><)
( ・∀・)「ダイジェストの役割すら果たすことが出来ないなんて…君のこの作品における価値を疑うよ」
( ><)
494
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:50:45 ID:02FU1FzU0
( ・∀・)「まあいい、殺してやりたいほど憎いくらいにいい線はいっていたからね」
( ><)(僕ってそんなにウザいんです…?)
( ・∀・)「確かに君の言う、今北>>ラウンジ>VIP高。という構図は間違いではない」
( ・∀・)「だが当然のことながらバスケットはスポーツだ」
( ・∀・)「様々な要素が噛み合うことで、それはいくらでも変動する可能性がある」
( ・∀・)「今北とVIP高校にあって、ラウンジ学園にないもの。それは」
( ・∀・)「ピュアシューターの存在、だ」
( ・∀・)「事実、今北は素直クールというピュアシューター(と呼ぶことができるかはわからないが)が
加入したことにより、その戦力をさらに向上させた。もともと、ギコというクラッチシューターを
擁していたうえで、だ」
( ・∀・)「そしてVIP高校。6番イヨウはプレーこそ少々変則的だが、彼のこれまでのスタッツ(個人成績)を
鑑みれば、ピュアシューターをいってもなんら差し支えない」
495
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:52:01 ID:02FU1FzU0
( ・∀・)「これは私の個人的な考えになってしまうが、バスケットにおいて一番肝要なものはディフェンスだ」
( ・∀・)「ラウンジ学園のように、試合開始から試合終了まで徹頭徹尾ディフェンスに力を注げるようなチームが、
一試合通して流れを、いや、試合を作ることが出来るのだと考えている」
( ・∀・)「だが」
( ・∀・)「それすらも崩してしまうものが、ここぞというところで確実に沈められるスリーポイントだと思うんだ。
まさしく、勝負どころの一発、というやつだね」
( ・∀・)「どのようなスポーツでも、試合の『流れ』というものは必ずあるんだ。こちら側に傾きつつある流れを
さらに確固たるものに。そして、向こう側になびきかけている流れを一気にたぐりよせる。
それが、勝負どころでのスリーポイントだ」
( ・∀・)「そして、そのシュートをチームのピュアシューターがきっちりと沈めてくる、ということが持つ意味は大きい」
从'ー'从「そうですね、『なんでこいつが?』って選手より『やっぱりこいつにやられるのか』っていう選手に
決められたほうが精神的ダメージも大きいです」
( ><)「小暮君よりもミッチー、ってことですか?」
( ・∀・)「そうだね。渡辺の言葉を借りれば、小暮君が『なんでこいつが?』という選手。そしてミッチーが
『やっぱりこいつにやられるのか』という選手だ」
( ・∀・)「別に小暮君を批判しているわけでは断じてない。あれはあれで確かに流れを呼び込むプレーなんだからね。
ただ、最初に言ったようにこれは私の個人的な意見だからね、どうか誤解しないでいただきたい」
496
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:53:46 ID:02FU1FzU0
( ・∀・)「さて、話を戻そうか」
从'ー'从「ピュアシューターについての話でしたね」
( ・∀・)「ああ、そうだったね」
( ・∀・)「(プレースタイルは問わず)今北の素直クール、そしてVIP高のイヨウ。どちらのチームも
ピュアシューターと呼ぶにふさわしい選手を擁してはいたものの…」
从'ー'从「…両者の実力差は圧倒的だった」
( ・∀・)「そうだ。事実、イヨウ君は途中まで素直クールに完封されていた」
( ・∀・)「しかし奇跡的にというべきか…イヨウ君が素直クールを突破し始めた」
( ・∀・)「これは今北にとっては大きな誤算だったことだろう。このニュー速県に、まさか彼を崩すことの出来る
選手が存在するだなんて」
( ・∀・)「そして一番動揺していたのは素直クール本人だろうね。その動揺が、イヨウ君にとっての突破口となり、そして
傷口を抉っていくかのようにじわじわと…」
从'ー'从「…でも、今北の選手も、VIP高の選手も、やはり高校生」
从'ー'从「この速い展開でのシーソーゲームにかなり消耗させられているようですね」
( ・∀・)「ああ。どちらのチームもメンバーチェンジを多用してくるわけでもないからね。とりわけ…」
「コート上で誰よりも疲れているのは、おそらくイヨウ君だろうね」
.
497
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:55:34 ID:02FU1FzU0
――ダムッ…
('A`)(残り6分…3点差!)
('A`)「ジョルジュっ!」
_
( ゚∀゚)「おうっ!」
――びゅっ…ばしっ
トップ付近のドクオから、フラッシュしてきたジョルジュへのパスが通る。
ジョルジュがパスを受けたのはハイポストよりも少々外側。インサイドプレーヤーがすぐさま勝負を仕掛けられる場所ではない。
――きゅっ
(,,゚Д゚)(パスラン…行かせるか!)
ドクオにべったりと張り付いたまま並走し、ギコは、ジョルジュからのパスを防ぐ。
( ^ω^)(ここだおっ!)
左45度付近でポジションを取っていたブーンが逆サイド、すなわちイヨウのいる右45度付近へと駆ける。
その際に、ハイポスト付近でボールを持っているジョルジュのすぐそばを通っていくことを忘れない。
498
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 22:58:15 ID:02FU1FzU0
今北⑧(手渡しパスが出るか…?)
ブーンのこの動きは、ジョルジュから手渡しパスを受け、そのままシュート、あるいはドライブするのだ、というパターンもあるぞ…。
と、今北⑧を警戒させるためである。
しかしそれも完全なるフリ。
ボールを持っているジョルジュをあえてスクリーンに使い(本来であればスクリーンはボールを持っている選手を動きやすく
してやるために、あるいはボールを持っていない選手同士がボールを受けやすい体勢になるために行う。)、鋭く右45度付近へカット。
クーへのスクリーンを試みる。
セッツ!!( ^ω^川 ゚ -゚)
今北⑧「スクリーンだ!」
ブーンのスクリーンを確認したイヨウは、ブーンのすぐそば――肩と肩が軽くぶつかる程度にスレスレの――を通り抜け、初めにドクオが
パスランを行ったことで空いた、トップ付近のスペースへと走る。
川 ゚ -゚)(ファイトオーバーはきついか…?)
川 ゚ -゚)「問題ない、このままスライドする!」
今北⑧「おう!」
499
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:00:30 ID:02FU1FzU0
_
( ゚∀゚)「イヨウっ!」
――ダンッ…
ここでようやくジョルジュがボールを放す。
トップ付近に駆け込んできたイヨウへとバウンズパスを送り――
――ばしっ
(=゚ω゚)ノ「ナイスプレーだヨウっ、みんな!」
川 ゚ -゚)「ちっ…!」
(´・ω・`)(あれだけタフだった二線のディフェンスが緩みつつある…?いや、間違いない。その証拠に、序盤と比べて
イヨウ君がボールを持つ回数が格段に増えた)
(´・ω・`)(トリッキーなプレーを、本能でも理屈でも警戒しているというのももちろんあるだろう…)
(´・ω・`)(だが…僕の目に間違いがなければ…素直クール、)
(´・ω・`)(彼もまた、かなり消耗している)
500
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:02:18 ID:02FU1FzU0
――キュッ!
川 ゚ -゚)「行かせん」
(=゚ω゚)ノ「何度でも勝負してやるヨウ!」
(=゚ω゚)ノ(…おっ)
――びゅっ
川 ゚ -゚)「…っち、パスか…」
イヨウは勢いよくオーバーヘッドパスを出す。
ボールの行く先は…
――ばしっ
('A`)「ナイスパス、っと」
501
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:03:15 ID:02FU1FzU0
(;,,゚Д゚)(左コーナーへ抜けられた…!)
(;,,゚Д゚)(こいつが8番のマッチョのすぐそばを走っていったとき、俺は8番からドクオにパスが出るものだとふんでいた)
(;,,゚Д゚)(しかしそうじゃなかった…!妙に簡単にとめることができた、とふと思った瞬間に15番のスクリーン…!)
(;,,゚Д゚)(おかげで、左サイドへきれていったドクオとの間にタイムラグが…!)
(;,,゚Д゚)(俺がワンテンポ遅れている今の状況で、あいつはボールを持った!つまりノーマーク…!)
(;,,゚Д゚)(点差は…3点。こいつだったら絶対にスリーを打ってくる…!)
('A`)「……っ」
(,,゚Д゚)(やはり!シュートを構えた…打たせるかっ…!)
502
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:04:14 ID:02FU1FzU0
('A`)「……っ」
(,,゚Д゚)(やはり!シュートを構えた…打たせるかっ…!)
(,,゚Д゚)「チェkk…」
('A`)「ほっ」
(;,,゚Д゚)(フェイク!?)
――ダムッ!
(,,゚Д゚)「ちぃっ…!」
「抜いた!」
「いや、まだだ!」
――キュキュキュキュっ!
(#,,゚Д゚)「ゴルァァァ!」
('A`;)「んなっ!?」
('A`;)(完璧抜いてただろ今!?チェックに来ようとしていたから体勢も崩れていたはず…)
('A`;)(それなのになんでこのタイミングで追いついてくるんだよ!?)
503
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:06:03 ID:02FU1FzU0
(■_■)「…いい集中力だ…」
「VIP高の4番攻めきれない!」
「ミドルレンジで今北の4番が食い止めた――!!」
('A`)「……っくそ」
――ダダムッ
背中の後ろでボールを左右に切り返し、呼吸を整える。
('A`)(…行くか)
(,,゚Д゚)(…来る!)
――ダムッ!
(-_-)「ワンオンワンだ!」
(・▽・)「いけぇーーードクオさんっ!」
504
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:07:30 ID:02FU1FzU0
――キュキュっ!
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
初動を見切っていたギコは、ドクオのドライブをワンドリブルで受け止める。
('A`)「くっ…」
ギコの胴体の正面で受け止められるドクオ。互いの体が作用・反作用の法則でふらつく。
しかし、ギコはすぐさま姿勢を修正する。
ドクオも、決してドリブルを止めない。
('A`)(…難儀だねえ、まったく)
――ダムッ!
「また行った!」
('A`)(一発じゃお前を抜けないのはわかった。これまでにないくらい集中してる、ってこともな)
('A`)(だったらちまちまと何発でも仕掛けるだけさ!)
505
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:09:04 ID:02FU1FzU0
――ダムッ…キュキュッ、ダダムッ!
細かいドリブルから様々なドリブルチェンジやロール、チェンジオブペースを駆使するドクオ。
少しずつではあるが、ゴールに近づいていく。
/ ゚、。 /(なんて選手だあの4番…)
/ ゚、。 /(彼がいるのはもはや僕たちインサイドプレーヤーの仕事場といっても過言ではないエリア…)
/ ゚、。 /(事実、彼が攻め込んで来ようものなら僕やニダーさんは一歩でヘルプに飛んでいける距離だ)
/ ゚、。 /(だけど、彼にじらされているように錯覚してしまうのもまた事実だ)
/ ゚、。 /(『ヘルプに飛び込めそうで飛び込めない』。そんな絶妙な距離に何度も何度も、まるでエサを
撒くかのように…)
/ ゚、。 /(…まさか、それも狙っている…?)
/ ゚、。 /(何度も何度も僕らを焦らし…我慢できなくなって飛び込んできたところを狙っているのか?ギコさんの
ディフェンスからボールを守りながら?あんなに器用なドリブルを続けながら?)
/ ゚、。;/(VIP高校、いいチームだとは思っていた!だが完全にスイッチの入ったギコさんを相手にここまで…!
まさかこれほどだなんて…!)
506
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:11:38 ID:02FU1FzU0
('A`#)「どげんかせんとかああああああんっ!!」
――ダムッ!
「とうとう抜いた!?」
「だけど…!」
(#,,゚Д゚)「カバーーーーーーーーーっ!!」
――キュキュキュ!
/ ゚、。 /「おおおっ!」
「一瞬でカバーが…!」
「そりゃそうだ!あんだけの密集地帯じゃあすぐにカバーが来ちまう!」
――キュキュッ!
<#ヽ`∀´>「もう一枚ニダ!」
「囲まれた!!」
「三枚で潰しにかかった!」
507
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:13:15 ID:02FU1FzU0
/ ゚、。;/(三人に挟まれてもドリブルが止まらない!?なんてスキルだ…!?)
('A`)「そこおおおおおおおおおおおっ!」
\やあっ!/
/ ゚、。 /'A`<ヽ`∀´>
<;ヽ`∀´>(バカな!?)
/ ゚、。;/(僕たちの間を強引に割って…!?)
(;・∀・)「三人がかりで、しかも挟み込んだことで一瞬気が緩んだか!?」
とは言っても、ニダーとダイオードの間に人一人通れるほどの大きなスペースなど空くわけがない。
まさにこじ開けるかのように、接触するのも厭わず、強引に体をねじ込ませたのだ。
508
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:15:28 ID:02FU1FzU0
('A`;)(めっちゃ痛え…!)
ドクオ自身、とうぜん並以上には体を鍛えこんではいるが、骨格的にみてもインサイドプレーヤーのそれと比べるとやはり劣る。
スピードに乗った状態で彼らの肉体と接触することは、当然ながら大きなダメージを意味する。
('A`;)(さあ…見せ場だ)
驚異のトリプルチーム突破。すなわち三人抜き。
('A`)(おかげでゴール下はがら空きだ)
ドクオの進行方向、つまり『前』は無人のゴール下。
しかしすぐ『後』には3人の今北選手。うち2人は大型プレーヤーだ。
('A`)(ストップしてジャンプシュート打ってるような時間はない!止まった瞬間にまた潰しにかかられる)
('A`)(パスを出そうにも3人に囲まれてたおかげで周りが一切見えなくなっちまってた!正直誰がどこにいるか
正確には把握できていない!)
('A`)(けど目の前には無人のゴール!俺がこのまま決めるのがベストだ)
('A`)(このままレイアップで…)
一瞬。
ほんの一瞬のうちに1秒後の状況を予測する。
509
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:17:30 ID:02FU1FzU0
無人のゴール下でレイアップを試みるドクオ。
一歩、二歩とステップを踏み、跳躍。
ジャンプの最高到達点でボールをリリース、ナイスシュート。
今まで何度も何度も繰り返してきた動作だ。イメージするのは容易い。
だが、そのイメージに突如として割り込んできたものがあった。
自分のすぐ後ろにいる大型プレイヤーたちだ。
ジャンプした滞空時間のコンマ数秒のタイムラグが―――
ドクオとニダー・ダイオードの身長差は約20cm。腕の長さも含めればさらに大きなミスマッチとなってしまう。
('A`)(そりゃブロックされるのは誰だって嫌だ。だけどいまさらそんな泣き言いえるか!)
('A`)(そもそもこの切迫した状況でそんな後ろ向きなプレーは絶対に許されない)
/ ゚、。 /(後ろからいくのはかなり危険だけど…この身長差だ、冷静に腕を伸ばせばいい。下手したら跳ぶ必要もないんだ)
('A`)(ええい…ままよ!)
510
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:19:22 ID:02FU1FzU0
――ひょい
/ ゚、。;/「!?もう!?」
(,,゚Д゚)(跳ばずに…!しかもステップのタイミングもずらして…!)
(■_■)(レイアップのステップを踏みながら…!?)
(´・ω・`)(傍から見たら歩きながらひょい、とボールを投げたようにしか見えないだろうな…巧い!)
/ ゚、。 /(無理にいかなくてよかった…あのタイミングで打たれていたら確実にファウルに…)
<;ヽ`∀´>「な、なんでもう打つニダ!?」
/ ゚、。;/(ニダーさん…!?しかも跳んじゃtt…)
(,,゚Д゚)「ニダー、ファウルするな!こらえろォォォォ!」
<;ヽ`∀´>「む…無理ニダーーーー!!!」
511
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:20:50 ID:02FU1FzU0
――ずしっ…
('A`;)「むおっ…(痛っ…重っ…)」
ダイオードは跳ぶことを躊躇うことができたが、ニダーはブロックを狙いにいってしまった。
通常のタイミングでのレイアップならばおそらくブロックは成功していただろう。
ドクオも狙ってタイミングを外したわけではない。ギャンブル要素も含まれたワンプレーであったが、それが良い方向へ転んだ。
――どさっ
――ピィッ!
もつれ合い、倒れこむドクオとニダー。すぐさま鳴り響くホイッスル。
そして、ふらっ、と放られたボールは、リングの手前の縁で二度ほど力なく跳ね、ゆっくりとネットへ吸い込まれていった。
審判「ファウル、白5番!バスケットカウント!ワンスロー!」
うおお、と、観客席からも思わず声が上がる。
それにつられてか、審判のジェスチャーも心なしか熱がこもっているように見えなくもない。
512
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:22:12 ID:02FU1FzU0
( ^ω^)「ナイショーッ、だお!ドクオ!」
<_プー゚)フ「ケガはないっすか?」
ブーンとエクストに称えられながら、それぞれに腕を引っ張られ起き上がるドクオ。
('A`)「大丈夫、サンキュな」
('A`)「14番をひっかけられたらラッキーだったんだけどな…」
( ^ω^)「確かに…。14番からファウルとれてたら4つ目にできてたとこだったおね」
<_プー゚)フ「だけど5番もこれで3つ目です!」
('A`)「まあ、な。っしゃ、きっちり決めてくるわ」
513
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:23:17 ID:02FU1FzU0
/ ゚、。;/「……」
<;ヽ`∀´>「……」
思わずぴくりと反応するニダーとダイオード。
まさか今の会話は自分たちに聞こえるようにわざと?
接触の多いインサイドで、かつ、第4クォーターも残り半分を指そうとしている。
交代していた時間も、ほぼないといっていい。
その時間帯でファウルの数が3つであるというのは至極当然、むしろよい方である。
/ ゚、。 /(だけど…)
まさかここまで競った展開になるとは思ってもいなかった。
一気に突き放すことのできるような算段も、正直なところ、見当たらないような気がする。
つまり、この試合は最後の最後まで競った展開となる可能性が高い。
延長戦となることも視野に入れておくべきだろう。
と、なると、この時間でインサイドの二人が3ファウルというのは少々心許ない。
無論、VIP高校も同じようなことを考えてくるはず。
確実に、堅実に、そしてファウルを狙いつつ自分たちに有利となるよう試合を進めようとしてくるはずだ。
(■_■)(…ということは、だ。ここらでそろそろ…)
514
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:24:50 ID:02FU1FzU0
――ビーーーーーッ!
審判「メンバーチェンジ、緑!15番アウトで7番インです!」
(´・ω・`)「頼んだよ、モナーくん」
( ´∀`)「はい!」
(■_■)(ちっ…やはりか)
<_プー゚)フ「頼みます、モナーさん!」
( ´∀`)「任せておくモナ!」
――ごつっ
すれ違いざまに、互いの腰の辺りで軽く拳をぶつけ合う。
<_プー゚)フ「っしたっ!」
コートを出た直後、コートのほうに向き直り、礼。
そしてエクストはベンチへ戻る。
515
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:26:43 ID:02FU1FzU0
(´・ω・`)「よくがんばってくれた」
<_プー゚)フ「っす!あとは正規インサイド陣にお任せっす!」
/ ゚、。 /(やっぱり…インサイドを充実させてきた)
( ´∀`)「さ、外れてもリバウンドは絶対に取るから安心してくれモナ!」
_
( ゚∀゚)「ばっか、ドクオは外さねえよww…なっ?ド・ク・オ?」
('A`)「応援してんのかプレッシャーかけてきてんのかどっちなんだよww」
――ぱしゅっ
今北産大附今北 67 - 67 VIP高校
当然、といわんばかりに堂々とワンショットも決めるドクオ。
これで、何度目かわからないが、また同点。
516
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:27:39 ID:02FU1FzU0
('A`)「よーっし、ディフェンス!気合入れてくぞ!」
(=゚ω゚)ノ「絶対楽には打たせねえ!だから、リバウンド頼むヨウ!」
_
( ゚∀゚)「ああ、任せろ!」
( ´∀`)「そのために出てきたんだモナ!!」
( ^ω^)「ディフェンスいっぽぉーんっ(←セリフ思い浮かばなかったけど何も言わないのも無粋かなあ、という
考えゆえに)」
――ダムッ…
(,,゚Д゚)(一本一本がでかいこの状況でドクオに同点のスリーポイントプレーを許したのは完全にうちのミスだ…)
(,,゚Д゚)「クー、回すぞ!」
――びっ…ばしっ
川 ゚ -゚)「ああ、わかっていr」
(=゚ω゚)ノニヤリ
川 ゚ -゚)ピクッ
517
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:29:04 ID:02FU1FzU0
(=゚ω゚)ノ「…どうした?とっととパス回せヨウ」
川 ゚ -゚)「イヨウくん…まさかあの程度で私より上だとでも勘違いしていないか?」
(=゚ω゚)ノ「いーんや、全然、だヨウテヘペロ」
(,,゚Д゚)(??何をモタモタしている、クー!?)
川 ゚ -゚)「…随分と馬鹿にしてくれるじゃないか。挑発のつもりか?」
(=゚ω゚)ノ「だから違うってばヨウテヘペロ」
川 ゚ -゚)「…ならば、気の済むまで…」
――キュキュキュ!
_
( ゚∀゚)「おらああああああ!飛び出し気味に俺登場ーーー!モナー、中は任せたぞ!」
(;´∀`)「ちょwwそんな無茶苦茶なwwww」
518
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:30:08 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚)(8番が飛び出してきてダブルチーム?その程度で…)
(,,゚Д゚)「クーーーーーっ!!!」
川 ゚ -゚)「っ!?」
――キュキュキュ
('A`)「全日本イケメン代表の俺も登場ーーー!」
('A`)+
「今北の7番に…」
「3人がかり!?」
川 ゚ -゚)「このっ…!」
――ダダダムッ、キュキュッ!
「うおおおおっ!三人に囲まれてるのに強引にかわそうとするぞ!?」
「VIP高の4番がやったことをやり返そうってのか!?」
「パスを捌くつもりがないのか!?えらい熱くなってきたじゃねーか今北の7番!」
519
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:31:58 ID:02FU1FzU0
(,,゚Д゚)(何を熱くなっている!?そんなプレーお前らしく…)
_
( ゚∀゚)「うりゃっ」
――びしっ
川 ゚ -゚)「ふっ!」
――ダムダムダムッ、ダダムッ
_
( ゚∀゚)(くっ…ちょっとだけボール触れたのに一瞬で立て直されちまった…)
_
( ゚∀゚)(だがこうやってプレッシャーをかけ続ければ…!)
_
( ゚∀゚)「………あれっ」
_
( ゚∀゚)(ボールがない。なんで?)
(;^ω^)「みんな、リバウンドだおーーーー!」
_
( ゚∀゚)(シュート…いつの間に…!?タイミングがまったく掴めねえ…)
_
(;゚∀゚)「…って!」
_
(;゚∀゚)(やべえ!今はインサイドにモナー一人しか…!)
520
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:33:23 ID:02FU1FzU0
/ ゚、。 /;´∀`<ヽ`∀´>がしっ
川 ゚ -゚)「…ちっ、落ちるぞ!」
<ヽ`∀´>「任せとくニダ!」
/ ゚、。 /「跳ばせませんよ…!」
(;´∀`)「うぐっ…」
(;´∀`)(この二人に同時に抑え込まれたら…身動きすらできないモナ…!)
_
(;゚∀゚)(くっ…俺が無責任に飛び出したばっかりに…!)
――がつっ
「外れた!」
「今北の7番もシュートの精度が落ちてきてるか!?」
「バカ、3人に囲まれてる状況で打ったシュートだから当たり前だろ!」
521
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:34:49 ID:02FU1FzU0
_
(;゚∀゚)「うおおおぉぉぉぉっ!」
あわててゴール下へと走るジョルジュ。
('A`;)「ジョルジュ、待て、強引だ!」
/ ゚、。 /「リバウンドっ!」<ヽ`∀´>
_
(;゚∀゚)「させるかぁーーーーーっ!」
('A`;)「ジョルジュ!」
「お前も、3つなんだぞ!!!」
――ピィッ!
審判「ファウル、緑8番!」
_
(;゚∀゚)「…あ……」
(■_■#)「よぉっし!」
522
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:35:37 ID:02FU1FzU0
「VIP高の8番が…」
「4ファウルになったぞ!」
「せっかくインサイドからゴリゴリ攻めていくために7番を投入したのに…!」
「VIP高の監督はどうするつもりだ!?」
――ビーーーーーーッ!
審判「メンバーチェンジ、緑!8番アウトで15番インです!」
(´・ω・`)「残り3分でジョルジュ君をコートに戻す。すまないが、それまでの間、インサイドに専念してくれ」
<_;プー゚)フ「…はいっ!」
_
( ゚∀゚)「………」
「……ん!…ル…ん!」
<_;プー゚)フ「ジョルジュさんっ!」
_
(;゚∀゚)「お、おう!?あれ、え?エクスト…?」
<_;プー゚)フ「メンバーチェンジっす」
_
( ゚∀゚)「そ、そうか…そりゃそーだよな…」
_
( ∀ )「……悪い…」
523
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:36:34 ID:02FU1FzU0
( ・∀・)「…今のは手痛いね」
从'ー'从「そうですね、インサイドを固める作戦に出て、二枚敷いた瞬間、一枚が離脱…」
_
( ゚∀゚)「………」
どかり、とベンチに腰を下ろす。
顎をつたった汗がぼたぼたと床へ落ちる。
その息は荒い。しかし、目は虚ろだ。
(´・ω・`)「ジョルジュくん。今のプレーはいただけないな」
(´・ω・`)「ボールのあるところに思わず群がる…体育のバスケのレベルだ」
_
( ゚∀゚)「…すんませんっ…くそっ…」
(´・ω・`)「…放って、おけなかったんだろう?イヨウくんを」
(´・ω・`)「わざとじゃない。それがわかってるから誰も何も言わないんだ」
(´・ω・`)「だが、君をファウルアウトさせるわけにはいかない。だから、ひっこめた。」
そして、一息。
(´・ω・`)「残り3分になったら君をコートに戻す。」
524
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:37:26 ID:02FU1FzU0
(´・ω・`)「ただし」
(´・ω・`)「休憩とは何もしないことじゃない。全力で回復に務めることだ」
(´・ω・`)「そして、試合を外から客観的に捉えよう。無駄にしていい時間などないからね」
_
( ゚∀゚)「…はい…」
(´・ω・`)「もちろん、気持ちの切り替えも、だよ?」
_
( ゚∀゚)「……はいっ!」
/ ゚、。 /「やあ、ピンチヒッター」
<_プー゚)フ「…黙ってろ」
<_プー゚)フ(ジョルジュさんが戻るまで全力でここを守る…!)
<_プー゚)フ(それが今の俺にできること。…全力で、やってやる!!)
525
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:38:20 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚)「ふっ」
――しゅっ
「また今北の7番!?」
(;=゚ω゚)ノ「くっ…そぉっ…!」
(=゚ω゚)ノ「リバウンドーーーーーーーっ!」
<_#プー゚)フ「うおおおおぉぉぉぉぉっ!」
/ ゚、。 /「っ…!(こいつ…!?)」
――がつっ
川 ゚ -゚)「ちぃっ…!」
「また外した――!?」
「どうしたんだよ今北の7番!?」
526
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:39:36 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚(=゚ω゚)ノ「スクリーンアウト―!、だヨウ!!」
川 ゚ -゚)(腕にほとんど力が入ってない…?ヘロヘロじゃないか…!)
川 ゚ -゚)(冷静にかわせばまったく問題にならないというのに…!焦っているというのか、私は!?)
<_プー゚)フ「リバウンドぉぉぉぉぉっ!!!!!」/ ゚、。 /
<_#プー゚)フ「らあああぁぁぁっ!」
――ばしっ
「VIP高の15番が…!取った!」
527
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:41:07 ID:02FU1FzU0
<_プー゚)フ「どうだコラぁーっ!」
/ ゚、。 /「いや、そっちがディフェンスリバウンドなんだからそっちの方が有利に決まってるでしょ」
<_プー゚)フ「うるせ、見てろよっ!」
('A`)「よくやった、エクスト!こっちだ!」
<_プー゚)フ「うっす!」
すかさずサイドアウトをしてきたドクオにエクストが素早くパスを送り、VIP高のオフェンスが始まる。
シュートこそ打たれたものの、ファウル前のプレーも含めれば、連続で今北のオフェンスは失敗したことになる。
('A`)(素直クールも、間違いなく疲れてきてるはずだ…)
('A`)(だが…それ以上に、イヨウがヘロヘロなのが辛い…)
('A`)(イヨウを休ませたいところだが…踏ん張ってもらうしか…)
(=゚ω゚)ノ「ドクオっ!」
(=゚ω゚)ノ「心配いらねーヨウ、俺は大丈夫だ!よこせヨウっ!」
('A`)「……!ああ!頼むぞ!」
――びゅっ…ばしっ
528
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:41:53 ID:02FU1FzU0
――ダダムッ…ダダダダムッ…
(=゚ω゚)ノ「ヨウ、なんやかんやでヘバってきてるんじゃねーかヨウ?」
川 ゚ -゚)「…ふん、ぬかせ。疲れているとしても君ほどじゃあ、ない」
(゚ω゚)ノチラリ
川 ゚ -゚)(私の顔を見ている…?いやそれ以前にこっちみんな)
鋭く、それでいて低いドリブルを続けながら、その流れで掌をボールの下へ。
川 ゚ -゚)(最初に私が騙されたプレーか…馬鹿が、聖闘士に同じ技は…)
川 ゚ -゚)(…いや、パスか!?…いや、そう思わせておいてあえて一度出したプレーをもう一度、ということも…)
529
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:44:08 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚)(…待てよ)
川 ゚ -゚)(彼は一体どこを見ていた?)
――――(゚ω゚)ノチラリ
川 ゚ -゚)(そうだ、間違いはない。私の顔だ…)
川 ゚ -゚)(だがあの目…)
川 ゚ -゚)(『少し焦点が合っていない』と思わなかったか!?)
川 ゚ -゚)(…わかったぞ)
川 ゚ -゚)(彼が見ていたのは『私の顔』ではない、『私の額』だ)
川 ゚ -゚)(ストリートボールのDVDで観たことはある。ボールを相手の額に軽くぶつけ、虚を突いたところで跳ね返ってきたボールを
持ってプレーに転じる…)
川 ゚ -゚)(だがこれは公式戦だぞ!?故意に相手の額にボールをぶつけることになるが故に、テクニカルや…アンスポを
吹かれる可能性だってある!)
川 ゚ -゚)(…違う、それじゃ駄目だ。彼を常識に当てはめてはいけない)
川 ゚ -゚)(笛を吹かれようと恐れず実行してくるかもしれない。はたまた、審判の死角も把握しているのかもしれない)
川 ゚ -゚)(全ての可能性を考えろ、素直クール!)
川 ゚ -゚)(狙うのは一瞬だ。彼が私の額に向けてボールを投げたその瞬間。それをキャッチしてカウンターに繋げる)
川 ゚ -゚)(この至近距離だが…ボールが来る、ということとボールが来る場所さえわかっていればなんら恐れることはない)
530
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:46:15 ID:02FU1FzU0
川 ゚ -゚)(さあ来いイヨウ君!そのままボールを私に投げてみせr…)
一瞬のうちに様々な考えをめぐらせ、その考えがまとまりきる前に体は勝手に反応する。
飛んできたボールをいつでも取ることが出来るよう、額に右手をあて、少々のけ反るような体勢だ。
(=゚ω゚)ノ「…なんか難しいこと考えてんじゃねーかヨウ?」
イヨウはそのままボールを持った掌を下から返し、
ボールは投げずに遠心力を利用して、ぐりん、とそのまま上へ。
川;゚ -゚)「!?」
そしてそのまま少々強引にシュートフォームへと繋げ、シュートを放つ。
打点が低くなるというデメリットこそあるものの、最小限の動きで打つことができる、ジャンピングシュートで。
――パシュッ
531
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:50:53 ID:02FU1FzU0
(=゚ω゚)ノ「また騙されたな」
川 ゚ -゚)「ちっ…」
(=゚ω゚)ノ「これぞ奥義、暇をもてあました神々の遊び、だヨウ」
川 ゚ -゚)「…すぐに泣かせてやる!」
今北産大附今北 67 - 70 VIP高校
「VIP高が逆転だー!」
「あの6番!まじですげぇよ!今北の7番を手玉に取ってる!?」
532
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:52:04 ID:02FU1FzU0
――バシュッ
(,,゚Д゚)「しゃあぁっ!!!」
('A`;)「くっそ…」
今北産大附今北 70 - 70 VIP高校
「こ…今度は今北の4番がスリー…!?」
「外さねえ!外さねえぞあの4番!!」
「スリーをスリーで決め返すだなんて強気なプレー…!」
「しかも決して多くない残り時間!一回一回の攻撃を大事にしていきたい場面だってのに…!」
「もし外してたら…」
「バカ、そういうシュートをあっさり決めちまうからこその4番なんだよあいつは!!」
533
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:52:49 ID:02FU1FzU0
('A`)(くっそ、まじで外さねえなこの野郎…思いっきりチェックに入ったのに楽々決められるのも辛いぜまったく)
その後数分間、一進一退の攻防が続く。
そしてショボンがジョルジュをコートに戻すと宣言した残り3分は、徐々に近づいてくる。
――ダムッ…
今北産大附今北 77 - 75 VIP高校
('A`)(残り…3分20秒、とちょっと)
('A`)(点差はうちが2点を追いかけている状況)
('A`)(オーケイ、俺。冷静だぞ)
('A`)(思考は冷静だ。だけど…)
('A`)(どう、攻める…?)
534
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:54:19 ID:02FU1FzU0
('A`)(イヨウはかなり疲れてる…加えて、素直クールのマークがこれまで以上に厳しくなってる…執念、か?もはや)
('A`)(エクスト…は、正直なところエクストには悪いが14番と正面からタメ張って勝てる可能性が高いとは考えづらい…
向こうのほうが格上、と見るのがリアルなところだ…)
('A`)(モナーなら…あのチョンに勝てるか…?)
('A`)(くっ…どこから…誰を起点にすれば楽に点を取れる…!?)
('A`)(こいつら…まじで目が死んでねえ!)
('A`)(『いつだってとってやる』…そんなギラギラした感じが体にまとわりつくみてえに…!)
「ドクオッ!!!」
( ^ω^)「くれおっ!」
('A`)「…!いけえっ!」
――びゅっ…ばしっ
( ^ω^)「おおおおおおおっ!」
('A`)(頼もしくなったもんだぜ、まったく!)
535
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:55:29 ID:02FU1FzU0
――ダムッ!
( ^ω^)「いくおおおおおおおっ!」
今北⑧「どう考えても俺のとこから攻めるしかねえよな!悔しいが、この中で一番攻めやすいんだからなああ!」
今北⑧「だけどなめんなよ!楽にはいかせねえええええ!」
(´・ω・`)「…内藤くんの現時点での得点は?」
(*゚ー゚)「はい!えっと…にじゅ…25点です!」
ξ゚⊿゚)ξ「そ…そんなに!?」
<_プー゚)フ(付け焼刃といっても過言ではない今回のスリーポイント作戦…それが功を奏した結果、相手は完全に内藤さんに
転がされてる、ってことか?)
(´・ω・`)「ということは、だ」
(´・ω・`)「とにもかくにも、内藤くんはスコアラー(大量得点をしてくる選手)である、と今北から認識されているはずだ」
(´・ω・`)「そして彼は終盤である今でこそ、より驚異をまず存在となるはずだ」
536
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:56:30 ID:02FU1FzU0
――ダダムッ!
( ^ω^)「おおっ!」
今北⑧「くっ…!」
「抜いたあっ!」
「突っ込むかゴール下!?」
「いやそれとも…」
/ ゚、。 /(ミドルから打ってくるか…!?)
/ ゚、。 /(それとも僕に4つめのファウルをさせるために無理やり突っ込んでくるか…?)
( ^ω^)「来いおおおおおおおっ!」
――ダムッ!
/ ゚、。 /(やっぱり…!突っ込んできますか!!)
/ ゚、。 /(簡単にはファウルしてあげませんよ!読んで読んで読んで…読みきって、あなたを、堕とす)
537
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:57:28 ID:02FU1FzU0
( ^ω^)「ふっ!」
――ズダッ…
/ ゚、。 /(踏み切った…。まあ、当然楽にはシュートしてきませんよね!)
/ ゚、。 /(そしておそらくは…)
( ^ω^)(…よっ)
レイアップの状態から、空中で、ボールを一度下げる。
/ ゚、。 /(こちらのブロックに対するタイミングを外してのダブルクラッチ…)
/ ゚、。 /(あるいは、タイミングを外してからの、パス!)
/ ゚、。 /(インサイドで何年もバスケやってますけど…見飽きましたよ、そのパターンは!)
( ^ω^)(ダブルクラッチで引き付けて…)
( ^ω^)「エクストぉっ!」
/ ゚、。 /(後者!)
538
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:58:32 ID:02FU1FzU0
空中でダイオードを目一杯引き付けて、ダブルクラッチのモーションからエクストへのパスを送ろうとするブーン。
そして、それを想定できる選択肢として予想していたダイオード。
――バヂッ…
「インターセプトかっ…!?」
「いや、きわどい!ボールは浮いてる…!ルーズボールになるかもしれない!」
/ ゚、。 /(くそ、タイミングは合ってたはずなのに完璧には取れなかった…腕に当たっただけ…!)
/ ゚、。 /(だけど、取る!ここでのターンオーバーはかなりでかい)
/ ゚、。 /(簡単なことだ、このまま腕を伸ばせばボールは目と鼻のさk…)
<_#プー゚)フ「おりゃああああああああっ!」
/ ゚、。;/(エクストプラズマン!?)
<_プー゚)フ(ゴール下は俺が守るんだ!ディフェンスのときだけじゃない、オフェンスのときだって…)
<_プー゚)フ「俺が……守るんだっ!!」
539
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/13(火) 23:59:34 ID:02FU1FzU0
――ばしっ
「VIP高の15番がとった!!!!!!」
「すげえ!ほとんどむりやり飛びついたような感じだったのにとっちまったぞ!」
/ ゚、。 /(こいつっ…!)
( ´∀`)「そのままいけるモナ!」
<_プー゚)フ「うっす!」
――ズダッ…
/ ゚、。 /(んなっ…ほとんど強引に体をぶつけてきた…!?)
<_プー゚)フ(くそぉっ、体勢がめちゃくちゃだ…決められるか…?)
<_プー゚)フ(いや、決めるんだ!)
(,,゚Д゚)「ダイオード、こらえろおっ!」
/ ゚、。 /(わかってますよ、ここでファウルを取られるわけには…)
<_プー゚)フ「おおおっ!」
540
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:01:51 ID:NSLlKWiw0
――しゅっ…
「強引に打っt…!?」
――ピィッ!!
/ ゚、。;/「!?」
<_;プー゚)フ「!?」
――ガツッ…
シュートは、リングに嫌われる。
審判「ファウル、白14番!ツースロー!」
(;,,゚Д゚)「んなっ…」
<ヽ`∀´>「これでダイオードは…」
川 ゚ -゚)「4ファウル…か」
('A`*)「エクスt…」
<_プー゚)フ「よ…」
<_プー゚)フ「っっし!!」
541
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:02:42 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /「ちょっ…今のがどうして僕のファウルなんですか!?」
(,,゚Д゚)「お、おいダイオード…!」
判定を不服とし、審判に抗議するダイオード。
/ ゚、。 /「僕は立っていただけです!それにぶつかってきたのは向こうです!どうして…!」
審判「……」ムッ
川 ゚ -゚)「…」クラエ!ヒザカックン
/ ゚、。;/「うわおあっ!?」キレイニカックーン!
川 ゚ -゚)「失礼をした、審判殿。まだ一年生だ、どうか許してやっていただけないか」
/ ゚、。;/「く、クーさん!?いきなり何を…!?ていうか、なんで!?クーさんだって見てましたよね、今のプレーは…」
川 ゚ -゚)「やめておけ、ダイオード」
/ ゚、。;/「だ、だって!あいつが…!エクストが僕にぶつかって…!」
川 ゚ -゚)「私は や め て お け と言ったのだが」
/ ゚、。;/「――――っ!」ゾクッ
542
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:04:14 ID:NSLlKWiw0
川 ゚ -゚)「いいか、今のはファウルだとも、ファウルでないともとれる、かなりきわどいものだった」
川 ゚ -゚)「そして審判の判定が覆ることなんてそうそうない」
川 ゚ -゚)「あのタイミングで笛を吹かれたのはただの不運な事故だ」
川 ゚ -゚)「そもそも、だ」
川 ゚ -゚)「あのパスをしっかりとインターセプトできなかったからこそVIP高の15番に付け入る隙を与えたのだろう?」
/ ゚、。;/「あっ…(た、確かに…)」
川 ゚ -゚)「自分のミスを棚に上げてわめき散らすな。…みっともないぞ」
/ ゚、。 /「す…すみませんでした…」
川 ゚ -゚)「私に謝ってどうする、ちゃんと審判に謝るんだ」
川 ゚ -゚)「彼のむっとした表情に気付いていたか?下手をしたら、海南戦での魚住と同じことになっていたとしても不思議ではない
状況だった」
/ ゚、。 /「…はい」
543
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:05:03 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /「あの、す…すみませんでした!」
(,,゚Д゚)「チームを代表して謝罪します。本当に…」
審判「カマワンヨカマワンヨー」
/ ゚、。 /「…ありがとうございます」
(,,゚Д゚)(……ほっ。ヒヤヒヤさせやがって…)
(,,゚Д゚)(やっぱりまだ一年生だ…技術はあっても未熟な部分はまだまだあるな)
(,,゚Д゚)(しかしそれでもダイオードが4ファウルとは…向こうの15番の執念にやられたか?)
544
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:05:56 ID:NSLlKWiw0
その後、エクストは一本目のフリースローを外すが、二本目は沈め、77-76と今北1点リード。
そして今北ボール。ニダーがハイポスト付近からのジャンプショットをミス。
<;ヽ`∀´>(うぎーーっなんで入らんニダ!!!)
<_プー゚)フ「リバウンドぉーー!」
/ ゚、。 /「ちっ…」
/ ゚、。 /(またこいつとの競り合い…!もしまたさっきみたいに笛を吹かれたら…)
/ ゚、。;/(5ファウル…退場…)
<_プー゚)フ「もらったぁぁぁ!」
/ ゚、。 /(この位置取りから無理にボールをとりに行ったら…さっきみたいにきわどくもない、完全に僕のファウルだ)
/ ゚、。 /(だけどこいつに易々と取られるのも悔s…気に食わない!)
/ ゚、。 /「っうおあっ!」
<_プー゚)フ「んおっ!?」
( ´∀`)(ボールを取るんじゃなく…強引に弾きに来た!?)
( ´∀`)(なんやかんや、さっきのファウルでエクストを意識せざるを得ないってところかモナ!?)
545
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:06:37 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /(アウトオブバウンズになっても…お前には…お前にだけは!取らせない!取らせたくない!)
<_プー゚)フ「くっそ、リーチの差が…!」
エクストが掴みかけたボールを、ダイオードが手首を使って弾き落とす。
だがそれは、ダイオード自身がボールを得るために技術を駆使して行ったプレーではない。
ただただ、エクストに対するライバル意識のようなものがそうさせたのだろうか、とりあえず、といった具合に
ボールをコートの外へ弾き飛ばす程度に終わった。
――ピィッ!
審判「アウトオブバウンズ、緑ボール!」
<_プー゚)フ「おーっし、マイボマイボマイボーーーっ!」
('A`)「ナイスだ、エクスト!」
( ^ω^)「どんどんつっかけていけばいいお!向こうの14番はもうファウルできないんだから強気だお!」
<_プー゚)フ「うっす!!!」
546
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:07:27 ID:NSLlKWiw0
――ビィーーーーーーッ!
審判「メンバーチェンジ、緑!15番アウトで8番インです!」
<_プー゚)フ「あ…そっか…」
_
( ゚∀゚)「エクスト!」
<_プー゚)フ「ジョルジュさん、あとたのんます!」
_
( ゚∀゚)「エクスト、守ってくれて、ありがとな」
<_プー゚)フ「…!うす!」
( ・∀・)「残り3分をきったところでVIP高は8番を戻してきたね」
从'ー'从「今北の14番、VIP高の8番はともに4ファウル…どっちも後がありませんね」
( ・∀・)「そうだね…互いに、これまでのようにガツガツとはいきづらいだろうね」
从'ー'从「VIP高の8番が4ファウルで引っ込められたとき…監督はおそらく残り3分での再投入を考えていたのでしょう」
从'ー'从「ですが、いまの数プレーを見る限りでは、VIP高の15番も今北14番に対して悪くない働きをしていたように思えます」
从'ー'从「ファウルの数もまだまだ少ない…リスクを犯してまで8番を戻す必要はあったのでしょうか?」
547
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:08:32 ID:NSLlKWiw0
( ・∀・)「さすが、よく見ているね渡辺は」
( ・∀・)「VIP高の15番…ルーキーの彼だが、最初に投入されたときと、たった今…言い方を変えれば、8番の代役を務めていた
時間帯での動きの質は段違いだ。後者…つまりたった今までの時間帯の方が圧倒的に動きが良かった」
( ・∀・)「おそらく、『8番がコートに戻るまでの代役を務めなくてはならない』という確かな役割を与えられたことで
集中力が大幅に増した結果だろう」
( ・∀・)「スキルは間違いなくある、だが、それを活かしきるにはまだ若かったんだろう、それは最初のほうの出場時間帯での
プレーを見ていればなんとなくわかる」
从'ー'从「プレースタイル的にも、かなり幅広いプレーを必要とする…いわば器用貧乏、のような?」
( ・∀・)「憶測だけどね。そんな感じなんじゃないのかな」
( ><)(出番がないんです…)
548
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 00:08:41 ID:kx5vtySwO
全力支援
549
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:10:25 ID:NSLlKWiw0
――どさっ
<_;プー゚)フ「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
ベンチに半ば体を投げ出すような格好で座る。
ほんの数分間、ワンポイントでの起用だったはずなのに、尋常でなく疲れた。…ような気がする。
(´・ω・`)「いい集中力だった。よくやってくれたね」
<_プー゚)フ「はい…!はぁっ、はぁっ」
<_プー゚)フ(…なんだ、これ)
一度出て。
とくに目立った結果を残すわけでもなく引っ込められ。
もう一度チャンスをもらえた。
そのとき、自分の役割ははっきりしていた。
その役目を果たすことこそが今の自分に与えられた仕事なのだと。
事実、さっきは夢中で、必死だった。
結果として、ジョルジュが戻るまでの『つなぎ』としての役割を果たす、という仕事以上に、
ダイオードから4ファウル目を奪う、というオマケつきだった。
与えられた仕事以上の働きをすることができた、はずだ。
だから、満足なはずだ。
550
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 00:11:04 ID://pxcCM20
リアルタイム超うれピー☆
551
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:11:15 ID:NSLlKWiw0
<_プー゚)フ(なのに…!)
それなのに。
<_プー゚)フ(なんで…!なんで悔しいんだ!?)
『もっと出ていたかった』。
その気持ちから来る悔しさに、エクストは戸惑っていた。
(´・ω・`)「エクストくん、君の気持ちはなんとなくだがわかる。だが、それは喜ばしいことだよ」
(´・ω・`)「今のたった数分間で、君は成長したんだよ。自信を持つんだ」
(´・ω・`)「そしてもうひとつ」
(´・ω・`)「まだまだ集中力は切らさないように。下手したらワンチャンあるかもしれないよ、この試合は」
<_プー゚)フ「ワンチャンって…まさか、延長戦ってことっすか?」
(´・ω・`)「ああ、そうだ。そして、ジョルジュくんが5ファウルを犯してしまう可能性だって、ゼロじゃあない」
<_プー゚)フ「…いつでも、準備はできてます」
(´・ω・`)「いい答えだ」
552
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:11:57 ID:NSLlKWiw0
_
( ゚∀゚)「よう、これでお前も4ファウルだな」
/ ゚、。 /「別にそちらにとって状況が好転したわけではないですし。4ファウルなのにわざわざ戻ってきてもらえるなんて
願ったり叶ったりです」
_
( ゚∀゚)「チキンレースとしゃれ込もうや、なあ!?」
/ ゚、。 /「えっ…いやですよ…なんでVIP高の人ってみんなこう暑苦しいかなあ…」
( ・∀・)「さあ、どちらもインサイドは満身創痍。どうなるかな」
553
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:12:46 ID:NSLlKWiw0
――キュキュっ…
残り時間は1分半。
今北産大附今北 79 - 78 VIP高校
('A`)「打てっ、ブーン!」
( ^ω^)「おおっ!」
――シュッ…
( ^ω^)(あっ…)
(;^ω^)「落ちるお!リバウンドだおっ!」
_
( ゚∀゚)「任せとけって!いくぞおっ、モナーっ!!」
( ´∀`)「モナっ!」
_
/ ゚、。( ゚∀゚)がしっ
/ ゚、。;/(早っ…強っ…!)
/ ゚、。 /(だけどオフェンスリバウンドを取らせるわけには…)
554
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:13:32 ID:NSLlKWiw0
_
がしっ/ ゚、。 /゚∀゚)
_
(;゚∀゚)「むおっ…!」
_
(;゚∀゚)(やっぱ厄介だぜこいつ…。でかいし強い!それに加えて体の使い方がめっちゃ上手ぇ!
抑え込んだつもりだったのに前に回りこまれそうに…)
_
( ゚∀゚)「負けるかあああぁぁぁ!」
/ ゚、。 /「ふんぐっ…!」
_
ガシガシ/ ゚、。ガシガシ゚∀゚)ガシガシ
「す…すげぇぶつかり合いだゴール下―――!」
ξ;゚⊿゚)ξ「あんの脳筋ドバカ糞野郎…!4ファウルだってことわかってんの!?」
(;*゚ー゚)「確かに弱気になるよりはましかもだけど…危ないよ!」
555
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:14:22 ID:NSLlKWiw0
――がつっ
「外れた!!!!」
_
/ ゚、。 /「うおおおおおおおおおおおお!!!!」( ゚∀゚)
――ばしっ
/ ゚、。 /「よっし!」
_
( ゚∀゚)「くっそがあああああ!」
(,,゚Д゚)「ナイスだ、ダイオード!外に捌け!」
/ ゚、。 /「はい!ギコさん!」
激しいぶつかり合いを制し、リバウンドを奪ったのはダイオードだった。
コーナー付近へと降りてきたギコへサイドアウトのパスを送る。
556
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:15:11 ID:NSLlKWiw0
だが…
――ばちっ
('A`)「毎度!」
(,,゚Д゚)「んなっ…」
「そ…即インターセプト――!?」
サイドアウトのパスを奪ったドクオは、目線をすぐさまゴールへ。
ダイオードのリバウンドにより攻守が切り替わっていたため、ゴール下での配置が自分たちに有利な形に変わっていたのを
見逃さなかった。
557
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:15:55 ID:NSLlKWiw0
('A`)「モナーっ!いけえーーーーーっ!!」
――びゅっ…ダンッ
( ´∀`)「モナッ!」
ゴール下のモナーへ低空飛行のバウンズパスを送る。
それを察知したモナーは、ニダーにそれを妨害されぬよう、パスをキャッチする体勢に移りながらもニダーの前に自身の体を
滑り込ませるようにしてポジションを取る。
( ´∀`)「ナイスパス、モナっ!」
――バスッ
受け取ったパスを、ゴール下からのバンクショットで易々と沈める。
558
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:16:38 ID:NSLlKWiw0
今北産大附今北 79 - 80 VIP高校
(-_-)「よし、再逆転!ナイショー、モナーさん!」
(・▽・)「さすがの安定感!」
(´・ω・`)(そう、安定感だ)
(´・ω・`)(作者の力量不足でモナー君が大活躍したシーンはまあ描かれてないよね)
(´・ω・`)(だが、彼はアベレージで得点とリバウンドのほぼダブルダブル(この場合、得点とリバウンドが共に二桁に
達しているということ)を達成している)
(´・ω・`)(テレビ局みたいな言い方だが、彼のように『安定して数字を出せる』存在は、僕としても非常にありがたい。
戦略がかなり立てやすくなるからね)
559
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:17:24 ID:NSLlKWiw0
_
( ゚∀゚)9m「てめっ、次はぜってー取ってやる!」
/ ゚、。 /「5ファウルは怖くないんですか?」
_
( ゚∀゚)「おまえは怖いってのかよ」
/ ゚、。 /「そりゃ怖いに決まってるでしょう…」
_
( ゚∀゚)「俺は怖くねえぞ!」
/ ゚、。 /「……なぜです」
_
( ゚∀゚)「なんやかんやで俺は今まで一度も5ファウルやったことないからだ!案外なんとかなる、ってもんよ!」
/ ゚、。;/(…馬鹿なのか…?ていうか思いっきり死亡フラグ…)
/ ゚、。 /「…それなら僕が、あなたの退場童貞をいただくことにしますよ」
_
(;゚∀゚)「んあっ…おめ、まさかホモか!?」
/ ゚、。;/「ち、違いますよっ!!!!」
<;ヽ`∀´>(だからなんで全力…)
560
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:18:36 ID:NSLlKWiw0
――ダムッ…
(,,゚Д゚)(残り、1分と数秒…)
(,,゚Д゚)(1点ビハインド。つまり、負けてる)
(,,゚Д゚)(圧勝にはならんとは思っていたが…まさかここまで足留めをくうことになるとは思わなかったぞゴルァ)
(,,゚Д゚)(さて、今回のオフェンスはどう攻めるか)
(,,゚Д゚)(2点を取ってさらにもつれさせるか)
(,,゚Д゚)(それとも3点を狙って引き離すか。スリーを決められりゃあ、ワンゴール差のリードを得ることができる)
(,,゚Д゚)(そして時間を目一杯使って攻めれば、VIP高も次のオフェンスでどう攻めればいいかテンパるはずだ)
現在の残り時間はほぼ1分。
単純計算でいけば、こちらが時間を目一杯使って攻めることで、残り時間は36秒となる。
VIP高からすれば、下手をしたら最後のオフェンスとなる可能性も高い。
561
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:19:54 ID:NSLlKWiw0
(,,゚Д゚)(そりゃあ、あわよくば3点を狙いたいところだ…)
(,,゚Д゚)(このチームで3点を狙うなら俺かクー、ってことになる)
(,,゚Д゚)(だが…)
――きゅきゅっ!
('A`)「おりゃっ」
――ダダムッ
(,,゚Д゚)「…っと、危ね」
562
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:20:56 ID:NSLlKWiw0
(,,゚Д゚)(この極限の時間帯だってのに…こいつのディフェンスにはなんの揺らぎもねえ)
(,,゚Д゚)(つぅことは、こいつはちゃんと冷静に試合の流れを見てる、ってことだ)
(,,゚Д゚)(下手したら、俺がいま考えてることが全部読まれてるってこともあり得る)
(,,゚Д゚)(俺たちがあわよくば3点を狙いたいということを)
(,,゚Д゚)(そしてクーが疲労しているということ。そしてそれによって導き出される選択肢…)
(,,゚Д゚)(俺が、スリーを打つかもしれないということすらも、だ)
(,,゚Д゚)(ワンオンワンから崩して外から打つのはおそらくきつい)
(,,゚Д゚)(それに、俺が打つとしてもクーが打つとしても、できればリターンパスからテンポ良く打つべきだ。
絶対に外せないんだからな)
(,,゚Д゚)(とにかくスクリーンを駆使して確実にフリーに…)
(,,゚Д゚)(いや、違うな)
563
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:21:36 ID:NSLlKWiw0
――ズダッ
('A`;)「――!?」
('A`;)(ショットクロックはまだ15秒近く残ってる…それに、俺を完全に振り切ってるわけでもねえのに…!?)
(,,゚Д゚)(ややこしいことは抜きだ!そんなの…)
(,,゚Д゚)(俺じゃねーぞゴルァァ!)
――しゅっ…
('A`;)「ぬぅおりゃあっ!」
――びしっ
('A`)「っし、指先かすめた!」
(;,,゚Д゚)「くそがあっ!」
564
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:22:18 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /「ニダーさん、来ますよ!」
<ヽ`∀´>「わかってるニダ!リバウンd…」
川 ゚ -゚)「ダイオード、エラ張り、そのまま抑えていろ!!!」
(=゚ω゚)ノ(クーがランニングリバウンド…!?)
(;=゚ω゚)ノ(あ…脚が思うように動かねえヨウ…!)
(;=゚ω゚)ノ(あの野郎…疲れてても足バカっぱやだヨウ…たった数歩でこんなに距離が…)
――ガツッ…
「外れたぞ!!」
「リバウンドはどっちが取る!?」
565
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:23:09 ID:NSLlKWiw0
<#ヽ`∀´>「全力スクリーンアウト!ニダーーッ!!」
(;´∀`)「むぐっ…!」
( ´∀`)(意地でも跳ばせないつもりモナか…!?)
/ ゚、。#/「あなただけは、跳ばせちゃだめなんだ!さあ力比べですよ、それとも強引に来ますか、ファウルを恐れず!?」
_
(;゚∀゚)「よく喋るじゃねーか、ええっ!?」
_
( ゚∀゚)(まさかほんとに7番にリバウンド取らせるつもりか!?)
_
( ゚∀゚)(イヨウのスタートが遅れてる…あそこから追いつくのはたぶん無理だ…!)
_
( ゚∀゚)(…ってことは)
( ´∀`)(僕たちゴール下がなんとしてでも取るしか…)
_
(#゚∀゚)「ぬ…おおおおおっ!」
/ ゚、。;/(な…なんなんだこのバカ力は…!?しっかり抑え込んだはずなのに強引に…!?)
/ ゚、。;/「っつ…痛っ…!(ファウルだろ!?なんで4ファウルなのにこんな強引なプレーができるんだ!?)」
_
(#゚∀゚)「どけえええええっ!」
腕力に物を言わせ、強引にダイオードのスクリーンアウトを振り切るジョルジュ。
566
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:23:58 ID:NSLlKWiw0
_
( ゚∀゚)「っし、リバ……」
川 ゚ -゚)
_
(;゚∀゚)「!?」
ボールに飛びつこうとジャンプしたジョルジュ。その彼の目線から下を見下ろすと――クーがいた。
ジョルジュよりも高く跳んでいるというわけでは決してない。
むいろ、高さの面ではジョルジュの方が圧倒的に有利だ。
だが、クーがいたのは、彼の体格からは到底想像もできないようなレベルの高さであった。
_
(;゚∀゚)(こいつ…こんな跳べたのかよ!?)
その驚くべき身体能力に一瞬、ひるむ。
川 ゚ -゚)(…よし)
一瞬さえあれば、問題はない。
ランニングリバウンドを試みたクーは、そのままボールをむしり取る。
567
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:25:06 ID:NSLlKWiw0
_
( ゚∀゚)(しまtt…)
川 ゚ -゚)(ギコ、お前のやりたいことはわかった)
空中でそのまま体を反転させる。
川 ゚ -゚)(一度外したくらいじゃあ、諦めないのだろう?)
川 ゚ ー゚)(さあ、いけっ!)
――ビュッ
(,,゚Д゚)「!!」
左45度エリア付近への、勢いのあるパス。
ギコがポジションを取っていたのはトップ付近だ。
速いパスに追いつくため、鋭く動くギコ。ドクオの対応は、一瞬遅れる。
568
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:25:53 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
(,,゚Д゚)(優しくねえパスよこしやがって…)
かろうじてキャッチする。
('A`)(んのやろっ…!)
ドクオが自分との距離を詰めてきているのを視界の端で捉える。
(,,゚Д゚)(このタイミングで打ったらまた止められるかもしれない…)
(,,゚Д゚)(幸か不幸か、クーのリードパス(レシーバーを走らせるパス)はまったくもって優しくない)
(,,゚Д゚)(その証拠に、必死で走ってぎりぎりキャッチできた)
(,,゚Д゚)(俺の体にはまだ慣性が残ってる、このポジションに向かって走ってきたときの勢いが)
――しゅっ
('A`)(届かない…!)
(,,゚Д゚)(その勢いを利用して…流れ気味に。ドクオから遠ざかりながら打つ!)
(,,゚Д゚)(初めから体が流れる覚悟が決まっていれば、ある程度のシュートコースの修正は可能だ
569
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:27:18 ID:NSLlKWiw0
「ま…またスリー!?」
「ひたすら4番で来るつもりか!?」
――ガシュッ
ボールは、リングの内縁に当たりながらもリングを潜る。
('A`;)「うぉっ…」
(,,゚Д゚)「うっし」
今北産大附今北 82 - 80 VIP高校
.
570
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:28:04 ID:NSLlKWiw0
<*ヽ`∀´>「ギコ!」
「スリーーー!」
「見たか今の!?ほとんど体流れてたのに決めちまいやがった!」
「っていうかシュートセレクションの強引さだよ!しっかり時間を使うべきところでせっかくオフェンスリバウンドを
取ったっていうのに…」
「ああ、リバウンドからワンパスでスリーポイント…!ショットクロックは2秒くらいしか経ってなかった!」
「めちゃくちゃだ!だけど…決めた!」
「一気に流れが傾くか!?」
――ビーーーーーーーーーーッ!!
審判「タイムアウト、緑!」
「VIP高、たまらずタイムアウトか!?」
571
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:29:08 ID:NSLlKWiw0
('A`;)「みんな、悪い…」
(;^ω^)「大丈夫だお、まだ時間はあるお!」
(;=゚ω゚)ノ「2点差か…同点に追いつくべきか、逆転を狙うか…」
(´・ω・`)「大丈夫、慌てなくていいからね」
(´・ω・`)「残り時間は40秒とちょっと。たっぷり時間を使って確実に一本だ」
(´・ω・`)「セットオフェンスから、2点を狙おう」
_
( ゚∀゚)「同点狙いですか?3点を狙って逆転しても…」
(´・ω・`)「残り時間に注目。うちが24秒フルに使って攻めたとしても、今北には約15秒の攻撃時間が残る。
15秒もあれば、しっかりとオフェンスを組み立てることなど容易い」
(´・ω・`)「2点をとっても3点をとっても、当然だが今北に残される攻撃時間は変わらない」
(´・ω・`)「そして、今北に一本取られてしまえば、2点を取っていようが3点を取っていようが逆転される」
(´・ω・`)「どうせ同じならば、確実性の高い2点を狙いにいったほうがいいだろう」
( ´∀`)「だけど、もし今北の次のオフェンスで点を取られたら僕たちは負k…」
( ^ω^)「…ディフェンス、ですかお?」
(´・ω・`)「その通り。まずは2点を取って同点に持ち込む。そこからは死ぬ気でディフェンス。15秒間、食い止めるんだ」
(´・ω・`)「もちろん、ターンオーバーを奪えたら、少々強引だろうが速攻に持ち込んで構わない。そのときに厳しいディフェンスに
あうようであればファウルをもらいにいく」
572
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:30:31 ID:NSLlKWiw0
――ビーーーーーーーッ!
('A`;)(な…もう終わりかよ!?)
(´・ω・`)「どれだけ状況が緊迫していようと、基本的にやるべきことはいつだって一緒さ。セットオフェンスは5番でいこう。
さあ、いっておいで」
VIP高一同「はいっ!!!!」
( ^ω^)(セット5番…)
('A`)「ブーン、落ち着いてな」
( ^ω^)「…おっ」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン…」
( ^ω^)「大丈夫だお、ツン。こういう場面でこそ、特訓の成果を見せるべきときだお!」
573
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:31:18 ID:NSLlKWiw0
――ピッ!
再開を告げるホイッスルが、短く吹き鳴らされる。
タイムアウト明けであるため、VIP高ボールにて、サイドライン沿いからの再開となる。
コートの外でボール出しを行うのがイヨウ。
そのボールを受け取るために、より激しくなったギコのディナイディフェンスを振り切ろうとしているのがドクオ。
逆サイドの45度付近にはブーン。
ブーンと同じサイドのローポスト付近にはジョルジュ。
そして、ボールサイドのハイポスト付近にモナー。
各々がそれぞれの役割を果たすため、それぞれのポジションにつく。
――キュキュっ!
('A`)「振り切ったぞ!」
(,,゚Д゚)「ちぃっ!」
(=゚ω゚)ノ「ドクオ、一本だヨウ!」
――ビュッ…ばしっ
ドクオにボールが渡り、ゲーム再開。
574
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:32:36 ID:NSLlKWiw0
――ダムッ…ダダムッ…
…が、すぐには攻め込まない。リズムを整え、相手の出方を窺う。
('A`)(プレッシャーこそきつくなってはいるものの…マンツーのままか…?
プレスをかけてくる気配もない)
('A`)(…となりゃ、まずは時間を稼ぐ!)
(=゚ω゚),,゚Д゚)
川 ゚ -゚)「ギコ、スクリーンいったぞ!」
(,,゚Д゚)「問題ねぇ、ファイトオーバーでいける!」
(´・ω・`)(4番、ギコ…ハードな展開の試合の終盤だというのに…本当に脚が良く動く…。タフな選手だ)
('A`)「しぶてぇなくそっ!」
(,,゚Д゚)「易々と行かせるわけねーだろうがゴルァ!」
('A`)「モナーっ!」
イヨウのスクリーンを使い、突破を試みるドクオ。
しかしギコを振り切ることはできず、その流れのままハイポストやや外よりのモナーへ。
575
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:33:42 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
( ´∀`)「モナっ!」
<ヽ`∀´>(仕掛けてくるニダか…?)
<ヽ`∀´>(いや、こいつのプレーできるエリアはこんなに広くないはずニダ…)
( ´∀`)「ブーン君!」
( ^ω^)「おっ!」キュキュッ
すかさず、素早いステップでトップ付近に上がってきたブーンへパスを送る。
空いたスペース、すなわち、、ブーン自身がはじめにポジションを取っていた左サイドへのドライブを試みるも、
今北⑧の好守に阻まれ、不発に終わる。
今北⑧(俺が一番警戒しなくちゃいけないのはこいつからのワンオンワン…そう簡単には行かせん!)
( ^ω^)(まあ…この段階ではやっぱきついかお…)
( ^ω^)「ドクオっ!」
再びトップのドクオにボールを戻す。
576
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:34:33 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
('A`)(ショットクロックは残り15秒…もう少しだけ回して、セットオフェンスに移るか)
――ダムッ
(,,゚Д゚)(レッグスルーをしながら…後ろに下がった…?)
(,,゚Д゚)「時間稼ぎのつもりk…」
('A`)「おらっ!」
――ダムッ
(,,゚Д゚)(チェンジオブペース…!?)
(,,゚Д゚)「ぬおおっ!」
――キュキュッ!
('A`)「ちっ…そう簡単にゃ行かせてくれないよな…」
(,,゚Д゚)「ったりめーだゴルァ!」
577
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:35:29 ID:NSLlKWiw0
そのまま数秒、ボールをキープする。
('A`)(ショットクロック残り9秒!…ここだ!)
('A`)「いくぞっ!」
_
(=゚ω゚)ノ( ゚∀゚)( ´∀`)「おおっ!!!」
( ^ω^)「…おっ!」
( ^ω^)ダッシュ!!
ショットクロックが10秒をきったことを皮切りに、VIP高のメンバーたちは一斉に動き始める。
左サイドからトップ付近のドクオに駆け寄るブーン。
('A`)「ほいさっ!」
ドクオは、自身をスクリーンとしながら、ブーンに手渡しパスを送る。
578
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:36:40 ID:NSLlKWiw0
今北⑧「ちっ…スライドでいく!」
今北⑧の対応が若干遅れる。
( ^ω^)(完全には振り切れてない…!)
( ^ω^)「イヨウっ!」
ボールを受け取ったブーンは、そのまま右サイドのイヨウにパスを送る。
ガシッ( ´∀`川 ゚ -゚)
モナーがクーにスクリーンをかけていたため、比較的容易にイヨウへのパスは通る。
( ^ω^)(ここだお!)
その瞬間、ブーンは180度、まったく逆の方向、つまり自分が一番最初にいたポジションへと走り出す。
579
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:37:26 ID:NSLlKWiw0
今北⑧(な…なんっつー瞬発力してやがる…!だけどまだ追いつけるはz…)
('A`)「はい毎度、もういっちょーっ」
――がしっ
今北⑧「ぐおっ…!?(ま…また4番…!?)」
再度、ドクオのスクリーン。虚を突かれた今北⑧は、一度目よりも対応が遅れてしまう。
(=゚ω゚)ノ「いくヨウっ、ブーンっ!」
――びゅっ
右サイドから左サイドへの、大きな横断パス。
( ^ω^)「おおっ!」
――ばしっ
それをノーマークで受け取るブーン。
580
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:38:07 ID:NSLlKWiw0
今北⑧「やらせるかよ…!」
遅れてマッチアップに戻ってきた今北⑧。
だが。
( ^ω^)「おおおっ!」
――ダムッ!
勢いに乗ってボールをキャッチしたブーンは、その勢いをそのままドライブのスピードへ上乗せする。
対して、今北⑧はなんとか追いついてきた、という状況。
止められるはずが、なかった。
「ブチ抜いたぁ!」
「はっ…速ぇーーっ!!」
「だけどどうするんだ!?そっちのローポストにはデカブツの14番が…!」
「いや、見ろ!」
「あ、ああっ!?VIP高の8番が右サイドに移動してる…!」
「それにつられて今北の14番も右サイドに移動してるぞ…!」
「ってことは…」
「左サイドには誰もいねえ!今北のインサイド陣もヘルプに出るには距離がある!加えて、VIP高5番のあのスピード!」
「完っ全!どフリーだ!」
581
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:39:05 ID:NSLlKWiw0
( ^ω^)「おっ!」
一歩、二歩とステップを踏む。
ステップを踏みながら、ボールを持った左手を左肩の上に。
そのままリングへと向かいそうになる勢いを、柔らかくステップすることで完全に殺し、真上に跳ぶ。
左手を肩の高さより下げることなく、そのまま、すっ、とリングへ伸ばす。
ブーンは空中で考える。
ボールはボードに当てて入れるべきか。
いや。
我ながら、こうも完璧なレイアップが打てるとは。
体のバランスも、指先の感覚も、完璧だ。
「こんなにも余裕を持って打つことができたのだぞ」ということを示そう。
少しでも、ほんの少しでも今北の選手たちに動揺を与えたい。
それによって次の今北の攻撃、自分たちが少しでも、守りやすくなるかもしれない。
――パスッ…
今北産大附今北 82 - 82 VIP高校
.
582
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:39:46 ID:NSLlKWiw0
「同点だーーー!」
「残り時間は20秒をきってる!」
「どうなるんだ!?どうなるんd…」
――ビーーーーーーーッ!
審判「タイムアウト、白!」
「今北のタイムアウトだ!」
「すかさず流れを切る…!さすがだな…!」
从'ー'从「今のは…」
( ・∀・)「どうも、アイソレーションくさいね」
( ><)「アイソレーションって、あれなんですよね!?」
( ・∀・)「そう、よく聞くあれだ」
( ・∀・)「ああ、ちなみに」
( ・∀・)「ビロード君ね、あんまり喋りかけないでくれるかな。いらいらするんだ」
( ><)「……」
583
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:41:09 ID:NSLlKWiw0
( ・∀・)「アイソレーションってのはあれだね、片方のサイドに一人、もう片方のサイドに残りの四人が
ポジションを取る」
从'ー'从「そしてその四人につられ、ディフェンス側の四人も移動する」
( ・∀・)「そして意図的に片方のサイドでワンオンワンの形を展開する、というやつだ」
从'ー'从「バスケの漫画や、NBAなんかでもよく聞く言葉なので、有名っちゃ有名かもしれませんね」
( ・∀・)「ああ、だが通常のアイソレーションは、最初から『アイソレーションで来たな』、とわかりやすいものが多い」
从'ー'从「そうですね、トップの選手から、仕掛ける選手にボールが渡ったら、仕掛ける選手以外の全員が反対サイドに
寄る、ってのがよくある形ですもんね」
( ・∀・)「だが今のVIP高のオフェンスは…」
从'ー'从「セットプレーでしたね、流れの中でアイソレーションの状況を作り出すプレー、といったところでしょうか」
( ・∀・)「今北に『アイソレーションで来る』と悟らせない、いいプレーだったね、特に…」
从'ー'从「VIP高の8番が逆サイドに移るタイミング、ですよね。5番と同じサイドにいた…」
( ・∀・)「まさしくその通りだよ。彼―8番までもがはじめから5番と逆サイドにいたら、アイソレーションだと
勘付かれていたかもしれない」
( ・∀・)「そうなると、今北の14番もゴール下へのヘルプに出やすくなるし、他のメンバーもそれに対応することが
易しくなる」
( ・∀・)「だから、8番は5番にパスが出るまでは何食わぬ顔で5番と同じサイドにいる必要があった。…普通のセットプレーで
攻めるのだと思い込ませるために」
从'ー'从「得点やアシストなど…記録には残りませんが、隠れた好プレーですね」
( ・∀・)「ああ。見かけによらず…というのは失礼だが、なかなかにクレバーな選手だね、VIP高の8番は」
584
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:41:51 ID:NSLlKWiw0
――VIP高ベンチ
('A`)「ブーン、ナイスだ!」
(=゚ω゚)ノ「完全にぶっちぎってたヨウ!」
_
( ゚∀゚)「きれーなドライブだったな!特訓の成果出てっぞ間違いなく!」
( ´∀`)「同点モナ!あとはディフェンスモナね…」
(´・ω・`)「よく決めてくれたね、内藤くん。いいレイアップだった」
( ^ω^)「おっ!」
(´・ω・`)「さて、スコアは同点、残りは17秒」
('A`)(さっきのタイムアウトのときに先生が言ってた通りの展開になってきた…!)
(´・ω・`)「やることは、もう言わなくてもわかってるね?」
VIP高一同「ディッフェンス!!!」
(´・ω・`)「その通り」
(´・ω・`)「点を取られないように、激しく守る。――プレスをかけるよ。じゃあ、具体的に――」
585
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:42:35 ID:NSLlKWiw0
――今北産大附今北高校ベンチ
(■_■)「いいか、慌てる必要はない。まさかここまで競った試合になるとは思わなかったが…同点であっても、まだ
うちの優位は変わらん」
(■_■)「残り17秒。タイムアウトを取ったからサイドラインからの再開だ。ボール運びの数秒を短縮できた。今までと
何も変わらない、ただ普通に攻めればいいだけだ」
(,,゚Д゚)「オフェンスのプランは…どうすればいいですか?」
(■_■)「そうだな、私が思うに、十中八九、プレスをかけてくるだろう。具体的に言うとだな…」
川 ゚ -゚)「私に、考えがある」
(■_■)「…?言ってみろ、クー」
586
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:43:16 ID:NSLlKWiw0
――ビーーーーーーーッ!!
審判「タイムアウト終了です!」
('A`)「っし、行こう」
(=゚ω゚)ノ「ほかに言いようがないくらいに勝負どころだな、っと」
( ^ω^)「ドキドキが止まらんおwww」
_
( ゚∀゚)「ちょ待てよ、逆にワクワクしてこないか?ww」
( ´∀`)「それは長岡君だけモナwww胃が痛いモナ…」
587
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:44:00 ID:NSLlKWiw0
(,,゚Д゚)「行くぞ」
<ヽ`∀´>「打ちのめす、それだけニダ」
川 ゚ ー゚)「日本に来て、一番楽しい試合だ。楽しむだけじゃない…勝たせてもらう」
/ ゚、。 /「退場せずに終わりたいです…」
――ピッ!
審判が笛を短く吹き、再開を告げる。
サイドラインからコート内にボールを入れるのはクーだ。
川 ゚ -゚)(私の前にディフェンスがいない…?)
キュッ('A`)(;,,゚Д゚)(゚ω゚=)キュキュッ
「VIP高は4番にダブルチームだぁー!」
「プレスか!勝負かけにきやがったー!」
588
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:44:45 ID:NSLlKWiw0
川 ゚ -゚)(ギコには意地でもボールを入れさせないつもりか…だが、ボールマンへのプレッシャーをなくしてまですることか?)
川 ゚ -゚)(君たちがギコにダブルチームをかけるという…、それは逆に言えば、私は悠々とパスを出す相手を探せるということなのだぞ?)
/ ゚、。 /(ギコさんがもらうのはきつそうだな…)
/ ゚、。 /「クーさん!」ダダッ
_
( ゚∀゚)「あーっと、簡単に行かすと思うなよ!?パワーじゃ負けねえんだ!」
/ ゚、。 /(あなたのパワーは確かに認めざるを得ませんよ、だけどね…)
/ ゚、。 /「スキルなら負けませんよ」
スリーポイントラインの少々内側のエリアまでダイオードが飛び出してくる。
ジョルジュもそれを追うが、ダイオードはそのエリアでポストアップの構えを取る。
川 ゚ -゚)「でかした、ダイオード!」
――ひゅっ
ダイオードが構えている場所よりもやや外側へクーがパスを送る。
ジョルジュを体で抑えながら、ダイオードはそのパスへミートする。
589
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:45:29 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
_
( ゚∀゚)「な…スリーポイントラインよりも外だと!?」
/ ゚、。 /「パスを繋ぐだけですから」
そう言うと、ダイオードはすぐさま、コート内に入ったクーへとパスを送る。
――キュキュッ!
(=゚ω゚)ノ「ボールおk!」('A`)
川 ゚ -゚)(私にもダブルチーム!?)
川 ゚ -゚)(ギコは…)
( ^ω^)「ディナイ!ディナイ!おっ!」
川 ゚ -゚)(5番がギコに…。では、5番がマークしていた今北⑧は?)
( ´∀`)「三線おkモナ!安心してプレッシャーかけるモナ!」
川 ゚ -゚)(7番がエラ張りと今北⑧をフォロー…?)
川 ゚ -゚)(ふむ、悪くないポジショニングだ。エラ張りと今北⑧…どちらにパスが出ても対応できる位置に…。
常に動きながら、視線を絶えず動かしながらベストなポジションを…)
590
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:46:55 ID:NSLlKWiw0
( ・∀・)「ハーフコートでのゾーンプレスかな?面白い…」
从'ー'从「今北はどう攻めてくるでしょうか」
( ・∀・)「時間を目一杯使って一本取ることができれば、勝利がほぼ確定する。となると、インサイド陣に
任せることになると思うんだが…」
从'ー'从「あそこまで激しく当たられるとそれも難儀ですかね?」
( ・∀・)「そうだね…どう転ぶのか、まったくもって読めないね」
( ><)ウズウズ←会話に入りたくて仕方がない
591
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:48:36 ID:NSLlKWiw0
――ピィッ!
審判「ファウル、緑6番!」
(=゚ω゚)ノ「悪い、つい手が出ちまったヨウ」
('A`)「気にすんな、あと12秒だ」
('A`)(ボールが取れない…!)
('A`)(今のイヨウのファウルで、うちのチームファウルは4つめ…次からは、シュートモーション中のファウルでなくても
フリースローになる)
('A`)(ファウルゲームを仕掛けるべきか…?)
(=゚ω゚)ノ「ドクオ、早く!ギコにダブルチームだヨウ!」
('A`)「あ、ああ!(くそっ、どうすれば…!? )」
592
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:49:53 ID:NSLlKWiw0
再びクーがボールを入れる。
ギコにはやはりパスを通せない。そのため、先ほどと同じくダイオードがミートしてパスを受け取り、再度、クーにボールを戻す。
川 ゚ -゚)(またダブルチームか…だが、ファウルで止めに来る気配はない…か)
川 ゚ -゚)(賭けに出る勇気はないということか…腰抜けめ)
残り時間、10秒。
――ダムッ!
('A`)(ダブルチーム相手に…)
(=゚ω゚)ノ(勝負してくるつもりかヨウ!?)
川 ゚ -゚)「ダイオード!」
――ビュッ
(=゚ω゚)ノ(パスかヨウ…!)
('A`)「ジョルジュ!14番だ、止めろぉーーーーー!」
_
( ゚∀゚)「言われなくたって…!んっ?」
_
( ゚∀゚)(こんのデカブツ…またアウトサイドに出やがった…?何するつもりなんだ…?)
/ ゚、。 /(ほんとにやるつもりですかクーさん…!)
593
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:50:45 ID:NSLlKWiw0
――タイムアウト時、今北ベンチ
(■_■)『…?言ってみろ、クー』
川 ゚ -゚)『時間もない、結論から言おう』
川 ゚ -゚)『私が外から3点を狙う』
(,,゚Д゚)『んなっ…!』
/ ゚、。 /『VIP高がプレスをかけてきても、ですか?』
/ ゚、。 /『彼らの脚は全然止まっていませんよ、タイトなディフェンス相手じゃさすがに…』
川 ゚ -゚)『正直に言おう、私は疲れている』
<ヽ`∀´>『ちょww』
川 ゚ -゚)『確かに、プレスを受けながらスリーを決めることは、今の私には難しいだろう』
川 ゚ -゚)『だが、ノーマークであればきっちり決められる自身はある』
(,,゚Д゚)『だから、そうやってノーマークを作れるかどうかが…!やつらが本当にプレスをかけてくるとしたら余計に…!』
川 ゚ -゚)『大丈夫だ、問題ない』
川 ゚ -゚)『外から打つのだから』
(,,゚Д-)『だぁっから…!(アスペかこいつは?)』
594
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:51:58 ID:NSLlKWiw0
/ ゚、。 /(こんなプレー…前代未聞ですよ!)
――ひょいっ
_
( ゚∀゚)「んあ?こいつ何を…?」
「ボールを…!?」
「コートの外に放り投げた!?」
「な…なんだ!?どういうことだよ!?VIP高ボールになるじゃねーか!」
川 ゚ -゚)(やはり、私がボールを持っていない今、ボールを持っているときと比べたらダブルチームの圧力は弱い)
川 ゚ -゚)(ならば、それをかいくぐることなど容易い)
川 ゚ -゚)(ただでさえ、ダイオードのプレーに虚を突かれているのだろうし、な)
川 ゚ ー゚)「上出来だダイオード!」
('A`)(しまった、抜けられた…!)
(;=゚ω゚)ノ(ちょっと待て、クーあいつ…まさか!?)
――ダッ…
(;´・ω・`)「コートの外に…跳んだ!?」
595
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:53:14 ID:NSLlKWiw0
バスケットというスポーツでのボールの生死判定をうまく活かしたプレーの一つとしては、コート外に出かかっている
ボールに飛びつき、コート内に戻す、というものがある。
そのまま味方へパスを出したり、相手チームの体にぶつけ、再びコート外に出させてマイボールにするプレーがよく知られている。
バスケットにおいては、『ボールがコート外の床や壁に接触するまで』は、ボールは『生きている』ということになる。
たとえ空中であっても、ボールがラインよりも外に出たら相手ボールとなるサッカーとは異なる点である。
ゆえに、バスケットにおいてはボールが完全に『死ぬ』までは最後の最後まで油断をすることができない。
そして、それは、ボールが完全に『死ぬ』までは、プレイヤーがボールの生死に関与することができる、ということと同義だ。
ところで、ボールの生死と同じように考えると、プレイヤーにも『生死』に近い概念がある。
ボールがコート外に接触する前にプレイヤーがボールをコート内に戻すことができれば、プレーは続行される。
ただし、それはプレイヤーが『生きている』場合に限られる。
極端に言えば、ボールがコート外に接触していなかったとしても、それ以前にコート外に触れたプレイヤーが
まだ生きているボールに触れてしまえば、ボールは『死ぬ』。
プレイヤーが先にコート外に接触してしまっていたら、そのプレイヤーはいわば『死んだ』状態とされるからだ。
ただし、コート内から踏み切って跳びつき、コート外に接触する前にボールをコート内に戻すことができれば、その後、
そのプレイヤーがコート外に接触しようと、ボールは『生きている』と判定される。
――(,,゚Д゚)『だから、そうやってノーマークを作れるかどうかが…!やつらが本当にプレスをかけてくるとしたら余計に…!』
――川 ゚ -゚)『大丈夫だ、問題ない』
――川 ゚ -゚)『外から打つのだから』
――(,,゚Д-)『だぁっから…!(アスペかこいつは?)』
――川 ゚ -゚)『だから、問題ないといっているだろう』
『コートの外から、打つのだから』
596
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:55:32 ID:NSLlKWiw0
――ばしっ
しっかりとサイドラインから数歩分の余裕をもってコート外へ跳ぶ。
そして、ダイオードがふわりと放ったパスをキャッチする。
川 ゚ -゚)(これは、我々にとっても大きな賭けだ)
川 ゚ -゚)(私とて、こんなプレーは初めてだ、だが、私がより高い確率でノーマークでスリーポイントを打つとしたら、
ほかに思いつかなかった)
川 ゚ -゚)(いや、ほかにも候補はいくつかあった。だが…体力的な面で却下せざるを得なかった)
川 ゚ -゚)(こうまで消耗させられるとは、本当に予想外だった)
川 ゚ -゚)(先ほどファウルをされたとき…ファウルゲームに持ち込まれていたら、この作戦は潰されていた)
川 ゚ -゚)(だがそれが勝負を分けることになるのさ)
川 ゚ -゚)(冷静にゲームを運ぶことをひたすらに心がけていたが…つい、血が騒いだ)
川 ゚ -゚)(私は、賭ける。このプレーに)
川 ゚ -゚)(そして君たちは、賭け損ねた。ファウルゲームという、最後のカードに)
空中で、リングに対して正中するように体をひねり、体勢を修正する。
膝のバネには一切期待できそうにない。
ボールの飛距離を稼ぐために、シュートを放つ位置は腹の辺りに変更する。
そして――放つ。
「う…打ったぁ!スリーだ!?」
「い、いやでもコートの外…って、遠っ!」
597
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:57:04 ID:NSLlKWiw0
残り、8秒。
('A`)…ハッ!
('A`)「リバウンドだ!」
_
( ゚∀゚)「わ…わかってら!」
( ´∀`)「スクリーンアウト、モナっ!」
('A`)チラッ
( ^ω^)ピクッ
('A`)(入ろうが外れようが、速攻かますしかねぇ、タイミング見計らって、突っ走れ!)
( ^ω^)(もろちんこ!)
――ぱしゅっ
今北産大附今北 85 - 82 VIP高校
「――――!!!」
「は、入ったぁぁぁ!?」
598
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:57:54 ID:NSLlKWiw0
残り、5秒。
('A`;)(だーーーーっ!入んのかよあんなデタラメなのが!)
( ^ω^)(全力ダッシュ!!!!だお!)
_
( ゚∀゚)「ドクオ、仕掛けろ!」
動転しつつもジョルジュがすぐさまボールを拾い、ドクオにパスを出す。
――キュキュキュッ!
(,,゚Д゚)「おおおおおおおおおっ!」
川 ゚ -゚)「守りきるぞ!!!」
(;=゚ω゚)ノ(プレス!?)
セマイセマイ
川 ゚ -゚)'A`(゚Д゚,,)
599
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 00:58:48 ID:NSLlKWiw0
「今北もプレスかけてきた――!」
「4番と7番に…VIP高の4番が捕まるぞ!?」
('A`)「悪いけどプレスは大好物なんだよ!するのもされるのもな!」
――ダムッ!
(■_■;)「馬鹿な!ギコとクーのダブルチームを一発で…!?」
ξ゚⊿゚)ξ「突破した!!」
(*゚ー゚)「いけーっ、ドクオ君!」
――ダムッ!
('A`)「おおおりゃっ!」
('A`)(このままブーンに…!ってあれ、なんか引っかかる…)
600
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:00:16 ID:NSLlKWiw0
('A`)(……)
('A`;)(…!!)
('A`;)(そうだ、バカか俺は!?さっき素直クールが決めたのはスリーポイント…!つまり点差は3!)
('A`;)(最低でもスリーポイントシュートかスリーポイントプレーを決めないと…同点にすらできない!)
(;^ω^)(あれっ、いま気づいたけど…この速攻で2点取っても追いつけなくね?)
( ^ω^)(最低3点が必要…!どどどどドクオおおおおおどどどどどどうすればいいんだお!?)
(=゚ω゚)ノ「ドクオよこせええぇ!」
('A`)「!!イヨウ!頼むっ…!」
――ばしっ
既にハーフラインを越えていたイヨウへ、ドクオからの縦パスが通る。
残り、3秒。
601
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:01:41 ID:NSLlKWiw0
(,,゚Д゚)「しまtt…」
――キュキュっ!!
川;゚ -゚)「問題…ないっ!」ゼェゼェ
(;=゚ω゚)ノ(だからなんなんだヨウ、こいつのこの戻りの早さはヨウ!?!?!?)
(=゚ω゚)ノ(だけどやっぱりクーも尋常でなくヘバってる…)
(=゚ω゚)ノ(兎にも角にも、ここでスリーを沈めるほかには…!)
多少強引でも、打たざるを得ない。
マークを外しきれていない状況ではあるが、イヨウはスリーポイントライン上でシュートを構える。
クーも、それをチェックするために、ブロックに跳ぶ。
川 ゚ -゚)(ここでスリーを打つ意外に手はない!チェックでなく…ブロックで、確実にはたき落とす!)
――ドクンッ
(;=゚ω゚)ノ(――――!?)
602
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:02:51 ID:NSLlKWiw0
突如、フラッシュバック。
昨年のインターハイ予選、決勝トーナメント。
そのときも今北と一勝一敗同士、インターハイ出場最後の椅子を賭けて戦った。
その試合のラストは――
(;=゚ω゚)ノ(そうだ、残り時間数秒、点差は3…そして…)
(;=゚ω゚)ノ(最後の最後で俺がスリーを外して…負けた)
(;=゚ω゚)ノ(去年のインターハイ出場のチャンスは…俺が潰した…)
(;=゚ω゚)ノ(あの時とまったくといっていいほど同じ状況…!)
(;=゚ω゚)ノ(俺はあの時とは違う…違うんだヨウ!なんとしてでもスリーを…!)
(;=゚ω゚)ノ「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
――ダムッ!
川;゚ -゚)「なにっ!?」
('A`;)(い…イヨウ!?)
残り2秒。
イヨウのとった行動は、ドライブ。
途中までは、完全にスリーポイントを打つつもりだった。
だからこそ、クーもブロックに跳んだ。
だが、昨年の光景―彼自身のミスで試合に負けたこと―が一瞬で頭の中を覆い尽くし、パニックを起こしてしまったのだ。
勢いに乗ったドライブ。
結果的にそれはシュートフェイクとなり、クーを抜き去った。
603
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:05:22 ID:NSLlKWiw0
(;=゚ω゚)ノ(しまった…)
勢いに乗った体は簡単には止められない。今からスリーポイントラインの外に戻って打ち直そうにも、おそらく時間が足りない。
よしんばスリーポイントラインの外側に戻ったところで、戻ってきた今北ディフェンス達とかち合わせになるだけだ。
(;=゚ω゚)ノ(どどどどどどどうすれば……)
また、自分のミスで負ける。
今北を、昨年よりも遥かにレベルアップしてきたあの今北を、ここまで追い詰めているというのに。
昨年のシュートミスはまだ仕方がない。『勝ちに行った』がゆえのミスだからだ。
だが、今回は?
勝ちに行く姿勢など微塵も感じさせない、ただただミスを恐れてのミス。
弁解のしようがない。
(= ω )ノ(終わっt…)
諦めかけたそのとき。
「イヨウーーーーーっ!」
604
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:06:09 ID:NSLlKWiw0
(= ω )ノ(…?)
(⊃ ⊂^ω^)ヘイパス! (※(⊃*⊂^ω^)このアナルAAとは違います!パスキャッチの構えをしているだけです!)
(=゚ω゚)ノ「!!!」
605
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:07:01 ID:NSLlKWiw0
なぜそこに?
考えるよりも前に、体が動いていた。咄嗟に、パスを出していた。
…左コーナーのスリーポイントエリアで待ち構えていた、内藤ホライゾンへ。
( ^ω^)(攻守が切り替わって、ドクオがプレスを突破した瞬間…僕は走ったお)
( ^ω^)(だけど僕もドクオもすぐ気づいた…いや、思い出したお。2点じゃ届かない、ってことに)
( ^ω^)(それで、そのまま左サイドに抜けていってたけど…結果オーライかおw)
( ^ω^)(決めれば延長にもつれ込み…外せば、負け)
( ^ω^)(それなのに…なんでだお?)
( ^ω^)(まだボールをキャッチすらしていないのに…)
( ^ω^)(外す気が、しないお…)
――ばしっ
残り、1秒。
ボールをミートし、膝を深く曲げる。
606
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:08:09 ID:NSLlKWiw0
川 ゚ -゚)「…………っ!」
(#,,゚Д゚)「打たせるかよおおおおっ!」
必死の走りで戻り、鬼のような形相でブーンに飛びかかるギコ。
(#,,゚Д゚)(こいつがシューターをして開花してしようが…クーが言ってたみてぇに左コーナーからのスリーを
重点的に練習してきたぱちもんシューターだろうが関係ねぇ!!)
(#,,゚Д゚)(ただ一つ、こいつが前者の場合であろうと後者の場合であろうと…左コーナーからノーマークで打たせるわけには…)
(#,,゚Д゚)「いかねえんだよゴルァァァァ!」
(#,,゚Д゚)(ノーマークで3点を決められたら延長…ここで、決める!)
(#,,゚Д゚)(ファウルして、スリースローを打たせる!)
(#,,゚Д゚)(試合でフリースロー3本を打つ機会は…ワンスロー、ツースローの場合と比べたら、格段に少ねえ!)
(#,,゚Д゚)(加えて、まさしく勝敗を分かつフリースローになる!スリースローの実践経験の乏しさ、プレッシャー…。
それを併せて考えれば、ミスをする確率は普段よりも高くなる!)
(#,,゚Д゚)(だが忘れちゃならねえのはバスカンでスリーを叩き込まれるケースだ、これだけは絶対に避けなきゃなんねえ)
(#,,゚Д゚)(右腕に思い切りファウルして、確実に外させる!)
607
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:09:36 ID:NSLlKWiw0
川#゚ -゚)「ギコおおおおっ!やめろ!避けるんだっ!!!」
(;,,゚Д゚)ビクッ!
/ ゚、。;/(クーさんが…)
<;ヽ`∀´>(叫んだ!?初めて見たニダ…)
(;,,゚Д゚)(今の声は、クーか?)
(,,゚Д゚)(一体どういう意味だ…?)
(,,゚Д゚)(そういえば、この試合はクーらしくないところが多々あったな)
(,,゚Д゚)(楽しそうに笑いながらプレーしたり、ヘバってたり…w)
(,,゚Д゚)(…いや、今のクーこそが本当のあいつなのかもしれねえな…)
(,,゚Д゚)(このひりつくような試合の中で…ちょっとは俺らに対して心を開いてくれたってことかね)
(,,゚Д゚)(…そういう意味では、VIP高に感謝しなきゃな、この試合、勝っても、負けても)
608
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:11:27 ID:NSLlKWiw0
反射的に、避けていた。
だが、ギコはブーンに全力で飛びかからん勢いだった。
その無理な体勢をさらに強引に動かしたため、肩からコートへ転げ落ちる。
(;,,゚Д゚)「ぐぉ…いって…」
着地は完全に失敗。
ごろごろと数度転がりながらも、目まぐるしく動く視界の中で、ボールを探す。
ボールの行方は、見えなかった。
そのかわりに――
――ぱしゅっ
――ビーーーーーーーーーッ!!
幾度となく聞いた、心地の良い音が聞こえた。
そのほぼ同時か、少し後か、ブザーが鳴り響いた。
609
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:12:49 ID:NSLlKWiw0
( ^ω^)「入ったお…」
(*^ω^)「は、はいったおおおおおおおおっ!!!!」
「ブザービーターで同点スリー!!」
「土壇場の土壇場で追いつきやがった!!」
「延長か!延長なのか!?」
610
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:14:22 ID:NSLlKWiw0
テーブルオフィシャルズが、審判のジェスチャーを確認し、デジタルの得点板を操作する。
今北産大附今北 85 - 82 VIP高校
カチッ
今北産大附今北 85 - 83 VIP高校
カチッ
今北産大附今北 85 - 84 VIP高校
今北産大附今北 85 - 84 VIP高校
今北産大附今北 85 - 84 VIP高校
( ^ω^)「……あれっ?」
611
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:15:17 ID:NSLlKWiw0
今北産大附今北 85 - 84 VIP高校
( ^ω^)「……えっ」
('A`)「……?」
(=゚ω゚)ノ「?」
_
( ゚∀゚)「?」
( ´∀`)「?」
(;´・ω・`)(まさか…!)
審判「スコア通り!85-84で、今北産大附今北の勝利です!」
612
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:16:13 ID:NSLlKWiw0
('A`;)「んなっ!?」
(;^ω^)「え?え?」
_
(;゚∀゚)「お…おい審判!なに言ってんだよ延長だろ!?間違えてんじゃねーぞ!」
審判「間違いではないですよ、5番の彼が打ったシュートは間違いなくブザーが鳴るよりも前に打たれたものでした」
_
(;゚∀゚)「だーーっから!そうじゃなくて!同点だろ!82たす3で、85!」
審判「…3ではなく、2です」
(;´∀`)「ま…まさか…」
審判「ええ、最後のシュートですが、右足がスリーポイントラインよりも大きくハミ出ていました。だから、2点です」
( ^ω^)「嘘…だお…?」
613
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:17:14 ID:NSLlKWiw0
第12章
It was another one step...
.
614
:
◆HJkAGxFZpI
:2012/03/14(水) 01:17:59 ID:NSLlKWiw0
今回の投下はこれで終わりです。
ありがとうございました。
615
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:20:27 ID://pxcCM20
うおおおおおおああああ負けたのかあああああ;;;;
おつかれさまでしたああああ!!!!
616
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:24:12 ID:kx5vtySwO
これ俺がブーン小説にハマり始めの頃読んでたやつだ
寮抜け出してネカフェで読ましてもらってた、いい思い出
面白さは相変わらずだな、乙!
617
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:24:38 ID:r1wBUnIwO
長かったけど一気に読めた
得点表示のシーン気をもたせるねえ
簡単には勝てないってことだな
618
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 01:44:41 ID:W2mtw5gkO
ω・`)…いい加減勝たせていいだろ
619
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 03:11:17 ID:EeW/.mlw0
待ってたよ、乙
今北には一度も勝ててないな…
620
:
名も無きAAのようです
:2012/03/14(水) 21:37:31 ID:bXE5G1ysO
きてたのか
乙です
621
:
名も無きAAのようです
:2012/03/15(木) 19:03:21 ID:/Ph5hxy2O
最後までライバルチームに勝てない主人公チームって、
ストーリー的にどうなの。
622
:
名も無きAAのようです
:2012/03/17(土) 18:58:30 ID:miSsrZ.Q0
お疲れ
面白かった
乙!
623
:
名も無きAAのようです
:2012/03/23(金) 16:14:37 ID:U9pmp4iw0
今度はブーンが引きこもって終わりか
624
:
名も無きAAのようです
:2012/04/06(金) 04:41:51 ID:CSe9cNR20
作者はスラムダンクよりアヒルの空のほうが好きとみた
625
:
!ninja
:2012/04/06(金) 15:03:32 ID:yIslihCoO
作者ギコ好き過ぎだろ!!!!
626
:
名も無きAAのようです
:2012/04/07(土) 06:35:40 ID:YQvBbYeMO
また『敗戦→分裂→仲直り』のパターンか。
627
:
名も無きAAのようです
:2012/05/14(月) 02:02:38 ID:IUYFkzbE0
そして誰もいなくなった
628
:
名も無きAAのようです
:2012/05/15(火) 00:57:15 ID:xM8QRgd20
待ってるぜ
629
:
名も無きAAのようです
:2012/05/28(月) 07:17:01 ID:y55aGFFYO
またエタるなら復帰なんかしなけりゃ良かったのに。
630
:
名も無きAAのようです
:2012/06/05(火) 11:08:49 ID:umTgoVG.0
クーとニダーがかわいい
631
:
名も無きAAのようです
:2012/06/21(木) 13:10:45 ID:fhjLR.I.0
3ヶ月生存報告もなしか
632
:
名も無きAAのようです
:2012/07/07(土) 16:13:38 ID:yjzaiBXo0
復活希望
633
:
名も無きAAのようです
:2012/07/07(土) 16:39:45 ID:ftQyHETs0
待ってます
634
:
名も無きAAのようです
:2012/09/08(土) 00:55:00 ID:IgY5n6Wo0
まだー?
635
:
名も無きAAのようです
:2012/09/08(土) 01:39:46 ID:Wp7FGVvQO
是非完結させて欲しい
私の青春
636
:
名も無きAAのようです
:2012/09/12(水) 12:21:59 ID:3Sehj4zw0
絶対、完結、してくれる、信じて、待ってます
637
:
名も無きAAのようです
:2012/09/26(水) 18:44:51 ID:7/kWVNk2O
期待age
638
:
名も無きAAのようです
:2012/10/02(火) 07:25:52 ID:rEWFMyhA0
死んだか
639
:
名も無きAAのようです
:2012/10/31(水) 19:54:04 ID:/WMmsamM0
まだかー
640
:
名も無きAAのようです
:2012/11/19(月) 06:11:42 ID:/2M1mgio0
ずうぅぅっとまってるぜ
641
:
名も無きAAのようです
:2012/11/27(火) 17:52:57 ID:mMMVSBQA0
age 待ってるぞぉ
642
:
名も無きAAのようです
:2013/01/16(水) 23:13:03 ID:LnqTbbHU0
復活熱望
643
:
名も無きAAのようです
:2013/03/21(木) 02:54:55 ID:NJmaDGRY0
待ってるかんな
644
:
名も無きAAのようです
:2013/03/21(木) 21:35:58 ID:5qRz2CC6O
もうこないだろ
645
:
名も無きAAのようです
:2013/03/22(金) 16:03:59 ID:prUCyEDI0
ゆっても4年くらい音沙汰なかったのちにいっぺん帰ってきたわけだから
また暇ができたときにひょっこり戻ってきてくれたら嬉しいよ
646
:
名も無きAAのようです
:2013/04/03(水) 18:17:31 ID:4LrI2GC.0
そうそう戻ってきてくれるの分かったんだから、楽しみに待てるわ
647
:
名も無きAAのようです
:2013/08/01(木) 18:57:57 ID:e46v/C2E0
あげ
648
:
名も無きAAのようです
:2013/12/02(月) 15:54:35 ID:YqT7vB3Y0
クーが出てからつまらなくなってる
好きなのはわかるけど、愛が裏目に出てる
649
:
名も無きAAのようです
:2014/07/08(火) 10:58:40 ID:HlZA0LBc0
そして2年が過ぎた
最後の夏だしあとちょっとだろうから見届けたい
650
:
名も無きAAのようです
:2014/07/30(水) 00:01:51 ID:bIHJFMeA0
もう2年か・・・時が立つのは早いな
いつまでも待つぜ!
651
:
名も無きAAのようです
:2015/06/21(日) 10:46:55 ID:jff8rWkE0
3年たったけど全然待てるぜ!!!
社会人なる前に続き出たらうれしいぴょん
652
:
名も無きAAのようです
:2016/02/03(水) 23:44:26 ID:ORs/tYkk0
ふと思い出した
653
:
名も無きAAのようです
:2019/09/07(土) 21:00:03 ID:vBWyFTZA0
あげ 待ってる
654
:
名も無きAAのようです
:2020/05/01(金) 07:40:07 ID:UWhflkmc0
あげ
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