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ホテル・サイドニアのようです

622 ◆tOPTGOuTpU:2012/12/14(金) 21:54:01 ID:KYRNhUOs0
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銃声が一回だけ、また響いた。



  (;;'A`)「――ううッ!」


鉛玉がドクオを確かに抉った。たちまちドクオの表情が
苦悶に歪んで、脚の動きも僅かながら緩んだ。兄者が狙った
ドクオの部位は、ナイフを握る右手、それも力の集中する
手首であった。が、

(;´_ゝ`)「………ッ!?」

ドクオの右手には未だナイフがあった。その理由は、ドクオの
体勢を見れば明白であった。ドクオはとっさの才覚で兄者が
発砲する、それもナイフを吹き飛ばす魂胆を見抜き、ばかりか
左腕でナイフごと右手を庇ったのだった。故に、狙撃された
部位は右手首ではなく、左手の甲。撃たれた衝撃で、刃先に
触れてしまいそうだったが、それもなんとか持ちこたえた、



今となっては、もう、刃の射程距離にまで到達したのだった。


(メ'A`)「(今だッ!)」


クラウチングスタートめいて体勢を前かがみにすると、ドクオは
ナイフのグリップを一層ちからづよく握り締めた。ステンレス製の
刃がきらりと光る。しかし、兄者にしてみれば、先刻の攻防で
重要性、危険性を察知したドクオのそのキッチンナイフを放って
おけるわけもなかった。といっても、左手に鞭打って再び
狙撃するには時間がなさ過ぎた。攻撃の姿勢をしたドクオは一歩踏み込んで、
いままさにナイフをまっすぐ兄者向けて突き出したのだから。

(;´_ゝ`)「ッ!」

              

.


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