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7波旬:2011/05/23(月) 22:45:21 ID:???
>>5

「・・・! 来たね」

 グルリと首を回し、目を見開く波旬。
 その子供染みた動作と、瞳孔の奥の狂喜があまりに対照的で異様だった。

 異常な跳躍と共に、おぞましい笑いが響き渡る。
 氷亜の眼前に、波旬が降り立った。

 貪欲の波長が、辺り一面を覆いつくす。
 無邪気な恐怖が辺りに浸透した。

「・・・やっぱり、なかなか『良い』なぁ!! キミ達の力は非常に便利で頼もしいね!!」

 波旬の妖気が膨れ上がっていく。
 その右腕は、雪の結晶のような形状をした弩弓になっていた!!

         ヴァニティズエリア・トリプルゼロ
「3倍写取・・・【 温もり無き空間・0^3K 】!!」

 極寒の、本物の絶対零度の矢が放たれた。
 その白銀の稲妻は地面に当たると同時に、大気すらも液化させ!
 空気中の水分は辺り一面から集約し! 強固な氷の城となった!!

 氷亜を隔離したのだ。
 わざわざ皆から見えるように、透き通った檻の中に。

「やぁやぁ、いらっしゃい氷亜くん」

 氷の大広間にて波旬がニヤニヤとしながら笑っている。
 自慢気に、愉しげに・・・己の力について語っていく。

「私の力は“貪欲”と言ってね。相手の魂を解析して、その『良い』ところ・・・。
 欲しい部分だけを倍化して修得するんだ。まぁ、簡単に言うと《心が読めて誰にでも成れる》」

 ニタリと微笑む。
 どこか幼くて、活発で、それでいて妖艶な瞳を湛えている・・・。
 その顔は、氷亜の永久凍土の最も奥にある・・・あの顔だった。

「『あの時はよくもやってくれたね』とか言ってみたり!!」

 雪花の顔・・・、だが似ても似つかない。
 瞳の奥が、紫ですらない・・・おどろおどしいドドメ色だった。


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