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クリフトとアリーナへの想いは Vol.1

630従者の心主知らず やりたいこと【暴力・流血・残酷注意】 23/26:2017/11/07(火) 18:47:13 ID:o46AGxQI
「えー?なにこれ、みんな毛皮ぶとんなのー?高級じゃーん!」
「先ほどの大きなタルといいおじいさんて手先が器用なのですね」

ベッドがひとつにあったかそうな毛皮ぶとんがみっつ。けっこう広めだからひとつにふたりで寝られそう。
おじいさんは自分が食べる分しか動物を狩らないから毛皮ぶとんはとっても時間をかけて作ったんですって。
場所によって毛並みが違うからなんまいもぬい合わせて……
これはきっと、おじいさんの息子さんとお嫁さんとソロの分だったんだ……そう思ったらまた目が熱くなった。

「あまり大人数で押しかけてもなんです、私は馬車で休むとしましょう」
「あ、私もそうします。どうぞ皆さんごゆっくり」
「ふむ……。あまりクリフトのアホーめに姫さまを任せたくはないが、この人数ならまあよいでしょう」

ライアンとトルネコ、ブライはおじいさんにごあいさつして馬車へ戻ってった。
気を利かせてくれたのね。じいはクリフトにも何か小声で話してた。ふたりともまじめな顔。なんだろう。
半端に残ってる毛皮があったみたいでおじいさんが防寒に使いやがれってみんなに渡してた。すごいなあ。
私は毛皮ぶとんで寝てみたいから泊めてもらうようお願いした。
ピサロとロザリーはまたどこかに行っちゃったからあとはソロとクリフトとマーニャとミネアのよにん、
みんなでかたまって寝ればいいわよね。
おじいさんはベッドにお願いしてソロとクリフトで毛皮ぶとんひとつ、私たちさんにんで毛皮ぶとんをふたつ使わせてもらった。
さんにんで並んで寝るなんてそんなにないから嬉しい。
私たちはおやすみのあいさつをしても明かりを消しても小声でずーっとおしゃべりしてた。
羽織りをいっせいに放り投げたときの話がいちばん盛り上がった。
最初はあんまり乗り気じゃなかったミネアがけっこうノリノリで飛ばしてたのよね!
そしたらおじいさんにさっさと寝ろって怒られちゃった。あ、日課の腕立てふせが……うーん、ムリか。

「おやすみ、マーニャ、ミネア」
「おやすみー」
「おやすみなさい」


「てめえら、いつまで寝てんだ!」

朝、おじいさんにたたき起こされる。
私よっぽど疲れてたのかしら、毛皮ぶとんが気持ちよかったのかな、起きたときには日が高くのぼってた。

「あーよく寝た!」

おじいさんの家で朝ごはんをとらせてもらう。ちょうど動物を狩ってきたってお肉料理を用意してくれた。
馬車のやつらにも持ってけって持たせてくれる。
おじいさんて……マーニャが正に私が思ったこと、おじいさんてけっこうやさしい人じゃないのって代わりに言ってくれた。
クチは悪いけどって茶化しながら。おじいさんはいっしゅん手が止まる。

「やめてくんな!けつがかゆくならあ!」
「えー?」


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