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クリフトとアリーナへの想いは Vol.1

473従者の心主知らず 奇跡 1/5:2017/05/08(月) 08:57:50 ID:Ll6Ce2ng
「…ロ…ザ……。……ロ…ロザリー……」

――ルビーの涙がデスピサロの進化の秘法を打ち消していく!――

さっきまで巨大な怪物の姿をしていたピサロがゆっくり魔族の姿に戻っていった。
まるであのときの夢のよう……けど夢とはちがう、これは現実。

「…………!」
「ピサロさま!!」

ロザリーがピサロに駆け寄る。手の届くそばまで寄ってピサロを見つめた。
ピサロも最初うつろな目をしてたけどロザリーに気づいたのかゆっくり視線を落とした。
たぶんロザリーを見てる。見ようとしてる。

「やはり愛です!愛のちからはなににも勝るのです!」

ふいに聞こえたクリフトの声。

「なんかクリフト、やけにうれしそうね」
「これが喜ばずにいられますか!」

クリフトは本当にうれしそうだった。独り言はまだ続いてる。

「信じていれば……愛をつらぬけば……私だっていつかきっと……」

――……を幸せに……!――

クリフトは両手をぎゅってしてる。最後なんていったのかわからなかった。
愛……でも、そっか。夢では怪物の姿のデスピサロと戦わなければならなかった。
たぶん、殺さなければならなかった……。
けどそうはなっていないのだから、これはきっとうれしいことなんだ。そういうことなんだ。
まだ実感がわかない。なんだか頭がはたらかない。
いつもみたいにそれどういうことってクリフトに聞く元気が今はなかった。

「ルビーの涙に進化の秘法を打ち消すちからがあったなんて……。
こんなこときっとお父さんも知らなかったに違いないわ」

ふとミネアがつぶやいたのも聞こえた。奇跡が起こったのはルビーの涙のちから?

「ロザリー……。ロザリーなのか?」
「はい…!」
「…………。ならば、ここは死の国なのか……?」


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